JP4958067B2 - 水栓装置 - Google Patents
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Description
蓄電する手段としては、過去はニッカド電池のような二次電池を用いていたが、二次電池は、劣化によって数年で交換が必要になるという問題があり、現在はコンデンサに蓄電する方式が主流となっている。
そこで、一次電池とコンデンサの間に充電制御手段を設けて、一次電池が不必要に消費されるのを防止する考案がある(特許文献2参照)。
制御回路の消費電力は、大半はセンサ(人体検出手段)のために使われる。例えば、赤外線センサを使えば赤外線の発光電流や受光側の信号処理回路の消費、それらを制御するマイコンの消費などである。
厳密には、人体を感知した場合に再確認のセンシングを行って駆動回数を増やす制御方法もあり、センサの消費は人体の感知状態に多少影響される。しかし、1日24時間の殆どは水栓が使用されない状態にあり、センサの消費の大半は人体を感知していない待機状態となる。よって、センサの消費は1日で平均すると固定に近い。
例えば、一般家庭のトイレなら数人の家族が使うだけで1日10〜20回程度の吐水となるが、大きな駅のトイレなら、終日休み無しに利用されるため1日で数100回にもなる。このように電磁弁の電力消費は、水栓の使われ方により、桁違いに異なる。
そして、一次電池からコンデンサに電力が移動してしまうと、この電磁弁消費に使われる場合もあり、一次電池からすれば非常に大きな負担となる可能性がある。
例えば駅のトイレでは、手洗いをする時間が短い傾向がある。特に、朝の忙しい時間帯では、使用回数は多くても吐水している時間は短いと考えられる。つまり、駅のトイレの自動水栓装置の電磁弁の消費は多く、それに比較して発電量は少ない。
逆に、昼間のオフィスなどでは、食事前に入念に手を洗い食後に歯磨きをするため、1回の吐水の時間が長い。よって、オフィスの洗面所の自動水栓装置の、昼休みの発電量は電磁弁の消費に対して十分大きい。
ゴミなどの影響で発電機の能力が低下する可能性もあり、駅のように極端に短時間の吐水が繰り返される現場もある。さまざまな条件を考えれば、あらゆる現場のあらゆる使用条件で、発電量が電磁弁の消費を必ず上回るという保証は難しい。
そのため、コンデンサの充電電圧は、制御回路を動作させるだけのマージンを確保しておく必要があり、それほど低くできない。つまり、その動作マージン分は、一次電池の電力が電磁弁駆動に消費される可能性があることを意味している。
例えば、電磁弁駆動の消費は発電によって賄えると考え、一次電池は制御回路を10年間駆動するためのものと定義し、それに必要な容量の一次電池を採用したとする。しかし、以上説明したような電磁弁駆動による一次電池の消費が多く発生すれば、一次電池は予定の10年より短く寿命を終えてしまい、発電によって動き続けるはずの水栓装置が停止する。
一次電池からコンデンサへの充電が必要最低限となり、その結果、一次電池の消費は変動が少ない水栓制御手段が主なものとなって、一次電池が目標とする電池寿命を保証できる。
昇圧手段のオン/オフ制御によって、水栓制御装置の電源を、昇圧手段出力、すなわち発電手段によって充電されたコンデンサの出力と、寿命を保証したい一次電池の出力のいずれかを容易に選択でき、一次電池の消費のコントロールが可能となる。
前記給電選択手段は前記一次電池から第1のダイオードを介して前記水栓制御手段の電源に接続されるとともに、前記昇圧手段から第2のダイオードを介して前記水栓制御手段のに電源に接続されて構成されたので、
水栓制御手段は一次電池と発電された電力の両方から電源供給を受けることが可能であり、同時に、一次電池が水栓制御手段以外の消費に使用されることを防止できる。
前記水栓制御手段は、前記コンデンサ電圧が前記第1の閾値電圧より高い第2の閾値電圧以上となった時、前記昇圧手段の昇圧動作をオンするので、
発電によって蓄電された電力に余裕があるとき、その電力が水栓制御手段に電力供給され、その間、一次電池の消費を減らすことができる。
電磁弁を通電して水栓の流路が開けば発電手段が発電を開始するため、一次電池からコンデンサに充電される電力は水栓装置としての動作を継続するための最低限の動作マージン分となり、一次電池が目標とする電池寿命を保証できる。
昇圧手段の出力がダイオードのような回路損失無しに水栓制御手段に供給され、一次電池から電磁弁の通電手段への電源供給は十分に制限されることになり、一次電池が目標とする電池寿命を保証できる。
電磁弁の通電エネルギーは、一次電池からではなく、確実に昇圧手段の電源であるコンデンサから電力供給される。
また、一次電池からコンデンサへの充電を最低限にするように制御するので、一次電池が電磁弁消費に使われることを最低限に抑えることができる。
これによって、発電手段を有する水栓装置として、正常に動作しているかどうか、つまり、必要な消費電力が発電されているかどうかの判断が容易となる。
図1は本発明の実施例である水栓装置の回路図である。
なお、水栓制御手段3にとってセンサ2は必須ではなく、水栓装置の水路の開閉の制御条件となるものであれば、手動の操作スイッチやタイマーなどでも良い。
なお、電磁弁4は、電磁弁の開/閉の切替時以外に電流を消費しない、ラッチング式の電磁弁であり、電磁弁通電手段5は、電磁弁4を開/閉するために正/逆通電するHブリッジ回路である。そして、マイコン1のポート操作により、電磁弁4の開通電または閉通電が行われる。
また、コンデンサ6の電圧をVCとすると、VCはマイコン1のA/D変換ポートに入力されており、マイコン1はコンデンサ6の充電電圧VCを監視することができる。
9は、発電手段8によってコンデンサ6を充電する際、コンデンサ6の電圧が、所定の電圧を越えて過電圧となって部品破壊しないための充電電圧制限手段である。
一次電池10によるコンデンサ6の充電の制御は、マイコン1のポート出力によって前記トランジスタがオン/オフすることで成される。
以上説明した水栓装置の全体の構成を図8に示す。
S002で人体を感知していない場合はS004で止水中かチェックし、止水中でなければS006で電磁弁4を閉通電して止水状態とする。
こうして、センサ2の感知中は吐水、感知中でない場合は止水、という動作になる。
つまり、コンデンサ6の充電は、図2のメインルーチンをループしながら、ある時間をかけて行い、VCがVTHに達すると充電を停止する。
水栓制御手段3の電源は一次電池10である。水栓制御手段3の消費電力は、センサ2の周期的な駆動が主なものとなるので、ほぼ一定と考えられる。よって、一次電池10に必要な容量のものを選択することにより、水栓制御手段3を、例えば10年間動作させることが可能となる。
昇圧手段7は、コンデンサ6の電圧を電磁弁通電に必要な所定の電圧に昇圧するが、コンデンサ6の電圧が全くゼロでは昇圧はできない。
昇圧回路も含めて、回路にはその構成によって動作可能な最低電圧が決まっている。例えば図1の昇圧手段に使われる昇圧ICであれば、乾電池1本(容量が減ったアルカリ電池など)程度の電圧まで動作可能なものが多く、1.0V程度が一般的である。
なお、VTH1は昇圧手段7の動作が保証される電圧であればよく、1.0Vそのままでなければならないという事はなく、若干のマージンは持たせるべきである。つまり、昇圧手段7の仕様に応じて設定すればよく、この例では、1.0V以上であれば良い。
よって、この場合、一次電池10から電磁弁4への通電はごく僅かとなり、実質は無視できる。そのため、一次電池10の寿命は設計値どおりの年数を満たす事ができる。
図3は、図2のメインルーチンにS011乃至S013の処理を加えたものである。
そして、その回数を、S012でチェックする。前述の説明のように、その回数は、本来であれば1日に1回程度のはずである。
具体的には、「警告のLEDを点滅させる」「警告のブザーを鳴らす」という警告表示を行う方法でも良い。或いは、「吐水時間を極端に短くする」「吐水時間を通常より長くする」「感知しても吐水しない」など、水栓装置の吐水条件として通常と異なる動作をさせても良い。
図4は本発明の第2の実施例である水栓装置の回路図であり、図5は水栓制御手段3が有するマイコン1のメインルーチンのフローチャートである。
一次電池10から水栓制御回路3への電源供給は、第1のダイオード12を経由している。また、昇圧手段7の出力から、第2のダイオード13を経由して水栓制御手段3に電源供給可能に接続されている。よって、一次電池10と昇圧手段7の、出力電圧の高い方が水栓制御装置3の電源となる。また、その逆方向の電力供給は起きない。
つまり、昇圧手段7の昇圧動作がオンの時は昇圧手段7が水栓制御手段3の電源となり、昇圧手段7の昇圧動作がオフの時は一次電池10が水栓制御手段3の電源となる。よって、第1のダイオード12と第2のダイオード13は、水栓制御手段の電源の給電制御手段として機能する。
感知中(S102)で吐水中でない(S103)場合、吐水を開始する必要がある。そこで、S105で昇圧手段7の昇圧を開始する。この時点から、昇圧手段7は電磁弁4の駆動に必要な電圧を出力する。そしてS106で電磁弁4を開通電し、吐水を開始する。電磁弁の開駆動を終えるとS107でS105で昇圧手段7の昇圧を終了する。
S109の閉通電の場合も同様に通電中は昇圧手段7を動作させ、同様に電磁弁通電に必要な電圧を確保する。
例えば、VTH1が1.0Vの時、VTH2は1.1Vというように、僅かな電圧差で良い。但し、実際の回路においては、VCをマイコン1がA/D変換する際の誤差などがあり、電磁弁を開通電すると必ず十分な発電があるとも限らないので、電磁弁を数回通電できる電圧差以上を設定する。つまり、多少のマージンをとって、VTH1に、電磁弁を数回通電した時にコンデンサ6が電圧降下する電圧を加えた値をVTH2とした方が良い。
コンデンサ6の電圧VCが第2の閾値VTH2以上であれば、最低電圧のVTH1に対してコンデンサ6の蓄電量に余裕があることを意味する。よって、この状態であれば昇圧手段7をオン状態(S116)とし、昇圧手段7に一次電池10の出力よりも高い電圧を出力させる。
このように、充電制御手段11により一次電池10から電磁弁4への通電を制限し、発電量(蓄電量)に余裕があるときは、発電で得た電力をダイオード13経由で水栓制御手段に給電する。こうして、図4は、一次電池11の最低限の寿命を保証し、かつ、発電に余裕があれば一次電池の寿命を延ばす回路となっている。
図6は本発明の第3の実施例である水栓装置の回路図であり、図7は水栓制御手段3が有するマイコン1のメインルーチンのフローチャートである。
図6は図4と同様に、一次電池10から水栓制御回路3への電源供給は、第1のダイオード12を経由しているが、昇圧手段7の出力からは直接、水栓制御手段3の電源に接続されている。
但し、昇圧手段7が動作していない時は、一次電池10の電圧の方が高いので一次電池10から水栓制御手段3に給電され、昇圧手段7が動作している時は、昇圧手段7の出力の方が高いので、昇圧手段7から水栓制御手段3に給電される。
図7は図5と以下の動作が異なる。図7で、電磁弁4の開(S206)または閉(S210)の通電の際、昇圧手段をオンする(S205、S209)点は図5と同じであるが、通電終了後1秒間、昇圧動作を継続する(S207、S212)。
こうして図6も図4と同様に、一次電池10は水栓制御手段3にのみ給電する。
更に、図6には図4のダイオード13が無いので、ダイオード分の損失が無く、より効率的に発電した電力が水栓制御手段3に供給されるという利点がある。
2…センサ
3…水栓制御手段
4…電磁弁
5…電磁弁通電手段
6…コンデンサ
7…昇圧手段
8…発電手段
9…充電電圧制限手段
10…一次電池
11…充電制御手段
12…ダイオード
13…ダイオード
14…抵抗
15…コンデンサ
16…RCフィルタ
Claims (7)
- 発電手段と、前記発電手段と電気的に並列に接続された一次電池と、前記発電手段の出力または前記一次電池によって充電されるコンデンサと、前記一次電池と前記コンデンサとの間に直列に設けられ前記一次電池から前記コンデンサへの充電をオン/オフ制御する充電制御手段と、前記コンデンサの電圧を昇圧する昇圧手段と、前記充電制御手段を制御する水栓制御手段と、を有する水栓装置において、前記水栓制御手段は、前記昇圧手段又は前記一次電池から給電され作動するとともに、前記コンデンサの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の出力が前記昇圧手段の昇圧動作可能な最低電圧以上の第1の閾値電圧になると前記充電制御手段をオフ制御することを特徴とする水栓装置。
- 請求項1に記載の水栓装置において、前記昇圧手段は、前記水栓制御手段により昇圧動作がオン/オフ制御され、前記昇圧手段の出力電圧は前記一次電池の電池電圧より高いとともに、前記一次電池と前記昇圧手段の出力電圧が選択的に前記水栓制御手段に給電される給電選択手段を有することを特徴とする水栓装置。
- 請求項2に記載の水栓装置において、
前記給電選択手段は前記一次電池から第1のダイオードを介して前記水栓制御手段の電源に接続されるとともに、前記昇圧手段から第2のダイオードを介して前記水栓制御手段のに電源に接続されて構成されたことを特徴とする水栓装置。 - 請求項2又は3に記載の水栓装置において、
前記水栓制御手段は、前記コンデンサ電圧が前記第1の閾値電圧より高い第2の閾値電圧以上となった時、前記昇圧手段の昇圧動作をオンすることを特徴とする水栓装置。 - 請求項4に記載の水栓装置において、水栓の流路を開閉する電磁弁及び該電磁弁の通電手段を有するとともに、前記第2の閾値電圧は、前記第1の閾値電圧に、前記コンデンサによって前記電磁弁を所定回数動作させる際の前記コンデンサの電圧降下分を加えた電圧であることを特徴とする水栓装置。
- 請求項2に記載の水栓装置において、水栓の流路を開閉する電磁弁及び該電磁弁の通電手段を有するとともに、前記給電選択手段は前記一次電池から第1のダイオードを介して前記水栓制御手段の電源に接続され、前記昇圧手段の出力は、前記水栓制御手段の電源に接続され、かつ、抵抗と第2のコンデンサからなるRCフィルタ回路を介して前記電磁弁の通電手段の電源に接続されて構成されることを特徴とする水栓装置。
- 請求項6に記載の水栓装置において、前記水栓制御手段は、前記電磁弁通電後の所定時間、前記昇圧手段の昇圧動作をオンし、前記第2のコンデンサの充電を前記昇圧手段の出力により行うことを特徴とする水栓装置。
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