JP6150126B2 - バルブ装置及び水栓装置 - Google Patents
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Description
電磁弁への通電終了直後は、コンデンサの電圧は放電により低下しているため、次の電磁弁通電に備えてコンデンサを充電する必要がある。コンデンサへの充電電流を数十mA程度に制限しているため、コンデンサへの充電に時間がかかり、電磁弁を短時間で再び駆動できない。つまり、バルブ装置の開閉を短時間に繰り返すことが、困難となる。
換言すると、従来はコンデンサへの充電電流を制限し、電源回路にかかる負荷を抑えることで、システム全体を安定して動作させている。そのため、安易に充電電流を大きくすることはできない。電源供給に余裕を持たせるためには、電流を制限することが必須であり、電磁弁の駆動間隔を縮めることは、できなかった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、その目的は、電磁弁を短時間で開/閉動作させ、且つシステムリセットせず安定して動作できるバルブ装置及びこれを備えた水栓装置を提供することである。
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る水栓装置の構成を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る水栓装置を例示する模式図である。
図2は、第1の実施形態に係る水栓装置の吐水口付近を示す正面図である。
第1の実施形態による水栓装置100は、洗面器などに固定される水栓金具(吐水部)1と、水栓金具1に給水源(図示せず)からの水を供給する給水管2と、水栓金具1における吐止水を切り替えるバルブ装置としてのバルブユニット4と、使用者が操作を行う操作スイッチ5と、吐水口11付近に設置され、人体を検出するセンサ12と、を有する。なお、給水管2は水または湯を供給するものでもよく、あるいは湯と水とを混合した混合湯水を供給するものでもよい。
図3に示すバルブ装置4は、電磁弁3と、制御部20と、AC電圧を整流し直流電圧を供給する整流回路21と、制御部20や電磁弁3を動作させる電源となる電源部22と、電磁弁3を通電するための電磁弁通電回路23(通電部)と、電磁弁駆動コンデンサ24(以下、「駆動コンデンサ24」ともいう)と、を備えている。バルブ装置4には、操作スイッチ5とセンサ12と、が接続されている。なお、制御部20、整流回路21、電源部22、電磁弁通電回路23、及び、電磁弁駆動コンデンサ24は、コントローラユニット6に含まれている。
時刻T0において、操作スイッチ5が操作されると、制御部20は使用者のスイッチ操作を検出し、吐水制御を行う。具体的には、制御部20は電磁弁通電回路23を動作させ、電磁弁3の開駆動を行うのに十分な期間T0−T1(例えば12ms)通電する。電磁弁3のインピーダンスを5オームとすると、電磁弁3の通電時間中は、平均約500mA程度の電流を流す必要がある。第1電源部22aの電流供給能力を200mAとすると、不足する電流は駆動コンデンサ24から供給される。駆動コンデンサ24の静電容量を10000uFとすると、電磁弁3への通電中は、駆動コンデンサ24から電荷が放電され、通電後の駆動コンデンサ24の電圧Vdd2は約1.9Vまで低下する。
一方、制御部20の電圧Vdd1は、第2電源部22bにより安定化されている。そのため制御部20は、電磁弁3の通電中も、電圧が低下することなく、安定して動作することが出来る。
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態による水栓装置の基本構成や制御内容については、第1の実施形態で説明した内容と同様であるため、詳細な説明は適宜省略する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、電源部22の構成である。
第2の実施形態においては、制御部20の電源として、コンデンサ30(バックアップコンデンサ)を用いる。駆動コンデンサ24に充電するための電源を供給する電源部32は、第1の実施形態における第1電源部22aと同様とすることができる。
コンデンサ30を直接電源部32に接続すると、電磁弁3を駆動した際、駆動コンデンサ24の電圧が降下し、コンデンサ30から駆動コンデンサ24へ電流が流れ、コンデンサ30の電圧も低下する。そのため、最悪の場合、前述した様に、制御部20がリセットする可能性がある。そこで、コンデンサ30と駆動コンデンサ24との間に逆流抑制手段31を設ける。逆流抑制手段31は、電磁弁3を駆動した時に、コンデンサ30から駆動コンデンサ24への逆流を抑制する。
スイッチ操作および、電磁弁3の制御は、第1の実施形態と同様とすることができるのでその説明は省略する。電磁弁3への通電中(期間T0−T1)は、駆動コンデンサ24の電圧Vdd2は、放電によって低下する。一方、コンデンサ30の電圧Vdd1は、逆流抑制手段31により、Vdd2側へ流れないように構成されているため、急激に電圧降下することはなく、制御部20やセンサ12の消費によって緩やかに降下する。
図6に表した具体例においては、抵抗31によって逆流を抑制しているが、本実施形態はこれには限定されず、逆流を抑制することが可能であれば、抵抗31の代わりに例えばダイオードやFETなどを設けても良い。
このためには、期間T0−T3においては、一部の回路の機能を制限/停止させる低消費モードで動作させることができる。例えば、制御部20に搭載されたCPU(図示せず)の機能を一部停止することができる。このような低消費モードを用いることで、制御部20の消費電力を効率的に抑えることができ、コンデンサ30の電圧を高く維持できる。また、コンデンサ30は、制御部20の他、センサ12を動作させる電源として用いている。例えば、センサ12の電源を制御部20からON/OFFできる回路を追加し、期間T0−T3は、センサ12の電源をOFFするようにしても良い。
一方、図1〜図4を参照しつつ説明した第1実施形態においても、同様に、制御部20を低消費モードで動作させることができる。すなわち、第1実施形態において、駆動コンデンサ24へ充電中は、制御部20は低消費モードで動作するようにすれば、第1電源部22aから駆動コンデンサ24へ充電する際の電流を大きくすることも可能となり、さらに短時間で充電することも可能となる。
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態においては、第1および第2の実施形態と水栓装置の構成が異なる。
第3の実施形態による水栓装置300は、第1および第2の実施形態の水栓装置にさらに加えて、給湯源(図示せず)からの湯を供給する給湯管40と、給湯管40の流路を開/閉するラッチ式電磁弁41(以下、「電磁弁41」ともいう)と、電磁弁41の開/閉を制御する信号線42と、給水管2から供給される水と給湯管40から供給される湯を混合し、適切な水温(例えば40度)に調整する温度調整弁43(湯水混合手段)と、温度調整弁43によって調整された混合湯水を水栓金具1へ出湯する出湯管44と、を有する。
コントローラユニット6が、電磁弁3と電磁弁41の開/閉を制御することで、湯や水の出/止を行う。
第3の実施形態に係る回路構成の基本構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。第1の実施形態の回路構成と異なる点は、電磁弁通電回路23の構成である。第3の実施形態に係る水栓装置300は、2つの電磁弁、すなわち電磁弁3と電磁弁41とを有する。そのため、電磁弁通電回路23は、2つの電磁弁を制御する構成とされている。具体的には、2つのHブリッジ回路が設けられている。電磁弁3と電磁弁41の開/閉は、第1の実施形態と同様に、電磁弁通電回路23のスイッチングパターンを変更することで行うことができる。
電磁弁3と電磁弁41を駆動するための電流は、第1の実施形態と同様に、駆動コンデンサ24から供給される。
時刻T0において、スイッチが操作されると、第1の実施形態同様、制御部20がスイッチ操作を検出し、出湯する。制御部20は、電磁弁通電回路24を動作させ、まず電磁弁3の開駆動を行うのに十分な期間T0−T1(例えば12ms)通電する。電磁弁3の通電終了直後は、駆動コンデンサ24の電圧は、放電により低下している。制御部20は、駆動コンデンサ24への充電時間T1−T3が経過するまで待機した後、電磁弁通電回路24を動作させ、電磁弁41の開駆動を行う。
給水管2から供給される水と、給湯管40から供給される湯と、は、温度調整弁43で混合される。水と湯の供給タイミングに差があると、使用者が意図した水温を得られるまでにタイムラグが発生し、使い勝手が低下する。
これに対して、本実施形態によれば、電磁弁3、41を短時間で駆動することで、タイムラグを大幅に短縮し、使い勝手を向上させることができる。なお、図8に例示した電源部22の回路は、図3に例示した回路と同様としたが、これの代わりに、図5に例示した回路を用いてもよい。
例えば、入力電源はAC100Vとしたが、給水管に発電機を設け、発電機から得られた電力を電源としても良い。
また、水栓装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置などの設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
Claims (5)
- 通電により流路を開閉するラッチ式電磁弁と、
前記ラッチ式電磁弁に電流を供給する駆動コンデンサと、
前記ラッチ式電磁弁と前記駆動コンデンサとの間に設けられ、前記駆動コンデンサから前記ラッチ式電磁弁への通電を開始あるいは停止する通電部と、
前記通電部を制御する制御部と、
電源から供給される電圧を電圧変換して前記駆動コンデンサへ充電する第1電源部と、
電源から供給される電圧を電圧変換して前記制御部を駆動する第2電源部と、
を備え、
前記第1電源部と前記第2電源部とは、並列に接続されたことを特徴とするバルブ装置。 - 通電により流路を開閉するラッチ式電磁弁と、
前記ラッチ式電磁弁に電流を供給する駆動コンデンサと、
前記ラッチ式電磁弁と前記駆動コンデンサとの間に設けられ、前記駆動コンデンサから前記ラッチ式電磁弁への通電を開始あるいは停止する通電部と、
前記通電部を制御する制御部と、
電源から供給される電圧を電圧変換して2次側電圧を生成し、前記駆動コンデンサへ充電し、前記制御部を駆動する電源部と、
前記電源部から前記駆動コンデンサに至る電流経路上の分岐点から前記制御部に至る電流経路上において前記分岐点と前記制御部との間に設けられ、前記電源部により充電され、前記ラッチ式電磁弁の通電中から通電後にかけて、前記制御部の電圧を保持するバックアップコンデンサと、
前記バックアップコンデンサと前記分岐点との間に設けられ、前記バックアップコンデンサから前記駆動コンデンサへの充電を抑制する逆流抑制手段と、
を備えたことを特徴とするバルブ装置。 - 前記制御部は、その一部の機能を制限または停止させる低消費モードを有し、
前記駆動コンデンサへ充電中は、前記制御部は前記低消費モードで動作することを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ装置。 - 湯水を吐水する吐水口を有する吐水部と、
請求項1〜3のいずれか1つに記載のバルブ装置と、
を備え、
前記バルブ装置の前記ラッチ式電磁弁は、前記吐水口へ湯水を供給する流路を開閉することを特徴とする水栓装置。 - 給水源からの水を供給する給水管と、
給湯源からの湯を供給する給湯管と、
前記給水管および前記給湯管からそれぞれ供給された湯と水とを混合する湯水混合手段と、
前記湯水混合手段から前記吐水口へ湯水を供給する出湯管と、
をさらに備え、
前記ラッチ式電磁弁は、前記給水管及び前記給湯管にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項4記載の水栓装置。
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