JP4956819B2 - 微小孔焦点x線装置 - Google Patents
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Description
このコリメータとしては、非特許文献1に見られるように、“簡単な構造の絞り”、“筒型の絞り”、および“多重絞り”、等があるが、一般には照射視野の大きさを自由に設定できる多重絞り型のものが用いられている。
歯科放射線学、第3版、医歯薬出版株式会社、2000年7月20日、第2章、
開口の大きさで決定する照射野内の被写体からは2次散乱が起こり、ここから発生する散乱線が画像のコントラストを低下させる。したがって照射野ができるだけ小さいほうがコントラストのよい画像を得ることができる。
X線管外に設置する微小孔焦点X線管装置では、照射野を決定する絞りを小さくても撮影に際し、照射方向を決定しやすいX線管となり、失敗の少ない写真を得ることができる。
斯様に焦点が大きいと、ボケ(半影)の問題が発生してくる。
ここで焦点サイズF、焦点−被写体間の距離(a)および被写体−受光部間の距離(b)の間には次式が成立し、透過像Bの縁部に生じるボケ(半影)の大きさHは次式により求めることができる。
H=F・(b/a)
ボケの大きさ(H)を極力小さくするためには以下の方法がある。
1. 焦点サイズ(F)をできる限り小さくする。
2. 被写体−受光部間の距離(b)をできるだけ小さくする。
3. 焦点−被写体間の距離(a)をできる限り大きくする。
しかし、焦点サイズをできる限り小さくすると、受光部に到達するX線量を適正にしようとすると焦点の発熱による焦点の破壊が起こる。
また、被写体−受光部間の距離(b)をできるだけ小さくするには限度がある。
更に、焦点−被写体間の距離(a)をできる限り大きくすると、X線発生量の大きな装置を用いねばならず、またFP間距離も大きくなりX線撮影装置や撮影室を小型化することができない。
即ち、微小孔部Cと管球焦点Fとの間の距離をXとし、管球焦点Fと受光部Pとの間の距離を500mmとし、更に、管球焦点サイズ 5mm、微小孔部(鉛)Cの微小孔径100μm(0.1mm)、受光部の一辺の長さを120mmとすると、次式が成立し、これにより、微小孔部Cを通して受光部に必要最小限のサイズで照射するための微小孔部の位置を算出することができる。
5 : 120 = X : (500-X)
∴ X = 20 mm
従って、管球焦点(1次焦点)位置から20mmの位置に100μmの微小孔部(2次焦点)を位置させることによって、100μm焦点サイズの管球が実現可能となる。
図2に示すように、本例では、通常、市販されているX線管の外壁部に、微小孔を設け、これを2次焦点とする。即ち、本発明X線管は、フィラメント1を有する陰極2、該陰極2に或る距離離間して対向配置されその対向面に或る角度を持って設けられたターゲット3を有する陽極4、これら陰極2および陽極4を真空密封するガラス円筒管5を備えるX線管6と、該X線管6の外部に前記ガラス円筒管5を囲んで設けられ、充填材7を介して固着された絶縁体層8と、該絶縁体層8を囲んで設けられたX線遮蔽層9とを備え、前記X線管のX線照射部前面に位置する前記該絶縁体層8およびX線遮蔽層9の位置に微小孔10を設けるようにして構成する。
しかし、本発明によれば、X線管球の外側に設けられたX線遮蔽層9の微小孔10を通過すると、この際、点状X線源(2次焦点)となるので、半影の発生を極めて小さくすることができ、従って、鮮明な透過像を得ることができる。
また、第1実施例では、X線管の外側に密着して微小孔を設けるため、著しく小型のX線管装置を提供することができる。
また、上記金属を混合して使用することもできる。
図3に示すように、本例では、微小孔を有する筐体内に市販されているX線管を固定配置する。即ち、本発明X線装置は、フィラメント1を有する陰極2、該陰極2に或る距離離間して対向配置されその対向面に或る角度を持って設けられたターゲット3(1次焦点)を有する陽極4、これら陰極2および陽極4を真空密封するガラス円筒管5を備えるX線管6と、該X線管6を囲んで設けられ、内部X線遮蔽層12が内壁全周に亘り被覆された筐体13とを備え、該筐体13および前記X線遮蔽層12の、前記X線管のX線照射部前面に位置する箇所にX線通過開口14を設け、該X線通過開口14を遮蔽する外部X線遮蔽層15を設け、該外部X線遮蔽層15に微小孔16(2次焦点)を設けるようにして構成する。
この際、X線管の筐体内への取付け或は固着には、種々の手段、例えば種々の緊締、固着手段を使用することができ、X線管を着脱自在に交換しうる構成のものとすることができるためここでは図示しない。
また、第2実施例では、X線管は市販のものを使用し得るため、用途に応じて種々の強度を有する種々の種類のX線管を着脱自在に交換することができ、従って種々の強度のX線管を用いて1次焦点からのX線束を発生させることができる。
例えば、図5の仮想線に示すように、微小孔10(実際にはターゲット3の図のX軸およびy軸に対し夫々直交する軸の方向に位置する)を長方形にし、長辺をX線管の軸(X軸)に対して平行な方向に設置し、X線撮影を行った場合には、焦点寸法が横長になり、縦方向(y軸方向)である短辺の焦点寸法が小さくなることにより、軸に直交する縦方向、すなわちy軸方向の解像度を向上させることができる。また長方形の設置方向は軸に対して平行にするだけとは限らず、軸と直交する方向に設置することもできる。この場合には軸に平行なX軸方向の解像度が向上する。
微小孔が楕円形の場合にも、その効果は長方形の場合と同様である。
微小孔が正方形の場合には、縦横が同じ解像度を呈し、微小孔が円形の場合には全方向に対して同じ解像度を呈するようになる。
上記X線イメージセンサには例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOSイメージセンサ、TFT(Thin Film Transistor)センサ、CdTeセンサ等があり、また、X線検出器には、X線イメージインテンシファイア(Image Intensifier:I.I.)、フラットパネル検出器(Flat Panel Detector:FPD)等がある。
2 陰極
3 ターゲット
4 陽極
5 ガラス円筒管
6 X線管
7 充填材
8 絶縁体層
9 X線遮蔽層
10 微小孔
12 内部X線遮蔽層
13 筐体
14 X線通過開口
15 外部X線遮蔽層
16 微小孔
F 管球焦点
C 微小孔部
S 被写体
H ボケ(半影)
P 受光部
B 透過像
a 焦点−被写体間距離
b 被写体−受光部間距離
Claims (2)
- フィラメント1を有する陰極2と、該陰極2に或る距離離間して対向配置され、その対向面に或る角度を持って設けられたターゲット3を有する陽極4と、これら陰極2および陽極4を真空密封するガラス円筒管5とから成るX線管6と、該X線管6の外側に、密着して前記ガラス円筒管5を囲んで設けられた絶縁体層8と、該絶縁体層8を囲んで設けられたX線遮蔽層9とを備えるとともに前記X線管6のX線照射部前面に位置する前記絶縁体層8およびX線遮蔽層9の位置に微小孔10を設け、受光部PにX線ビームを放出するように構成したX線装置において、
前記X線管6のターゲット3と、電子流が衝突してX線を発生する部分に前記微小孔10よりも大きなサイズの1次焦点を構成し、X線照射部前面に位置する前記X線遮蔽層9の位置に微小孔10を設けこれを2次焦点とし、
前記1次焦点から前記2次焦点までの距離と前記2次焦点から前記受光部Pまでの距離の比が、前記1次焦点のサイズと前記受光部Pのサイズの比と等しくなるように前記1次焦点のサイズと、前記1次焦点から前記2次焦点までの距離を設定することにより構成したことを特徴とする微小孔焦点X線装置。 - フィラメント1を有する陰極2と、該陰極2に或る距離離間し対向して配置され、その対向面に或る角度を持って設けられたターゲット3を有する陽極4と、これら陰極2および陽極4を真空密封するガラス円筒管5を備えるX線管6と、該X線管6を着脱自在に交換し得る構成で取付け或いは固着し、該X線管6を囲んで設けられ、内部X線遮蔽層12が内壁全周に亘り被覆された筐体13とを備え、前記X線管6のX線照射部前面に位置するX線遮蔽層12、筐体13に開口したX線装置開口14と該開口14を遮蔽する外部X線遮蔽層15に微小孔16を設け、受光部PにX線ビームを放出するように構成したX線装置において、
前記X線管6のターゲット3と、電子流が衝突してX線を発生する部分に前記微小孔16よりも大きなサイズの1次焦点を構成し、
前記筐体13および前記X線遮蔽層15に前記微小孔16を設けこれを2次焦点とし、
前記1次焦点から前記2次焦点までの距離と前記2次焦点から受光部Pまでの距離の比が、前記一次焦点のサイズと受光部Pのサイズの比と等しくなるように前記1次焦点のサイズと、前記1次焦点から前記2次焦点までの距離を設定することにより構成したことを特徴とする微小孔焦点X線装置。
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