JP2002025792A - X線発生装置 - Google Patents
X線発生装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 X線管で発生した熱を、効率良く、簡単な構
造で、外部に放散することができるX線発生装置を提供
する。 【解決手段】 入力端子10から低圧の電力が供給さ
れ、管容器4内に封浸された高圧回路基板6で高電圧を
発生させX線管7に印加する。カソード9から放出した
電子がアノード8に衝突し、その大部分のエネルギー
は、熱となり、放射・伝導・対流により、絶縁油11の
温度を上昇させる。同じ管容器4内に、油分に耐久性の
ある金属製で構成されたブラシレスモータ本体とファン
からなる電動ファン1が設けられ、無接点制御整流子を
ON―OFFして、回転する。それによって絶縁油11
を強制循環し、発生した熱を絶縁油11を媒体として、
管容器4外面に設けられた放熱用のフィン3に速やかに
伝え、外部に放熱する。
造で、外部に放散することができるX線発生装置を提供
する。 【解決手段】 入力端子10から低圧の電力が供給さ
れ、管容器4内に封浸された高圧回路基板6で高電圧を
発生させX線管7に印加する。カソード9から放出した
電子がアノード8に衝突し、その大部分のエネルギー
は、熱となり、放射・伝導・対流により、絶縁油11の
温度を上昇させる。同じ管容器4内に、油分に耐久性の
ある金属製で構成されたブラシレスモータ本体とファン
からなる電動ファン1が設けられ、無接点制御整流子を
ON―OFFして、回転する。それによって絶縁油11
を強制循環し、発生した熱を絶縁油11を媒体として、
管容器4外面に設けられた放熱用のフィン3に速やかに
伝え、外部に放熱する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医用、産業用X線
検査装置等に使用するX線発生装置に係わり、特に、X
線管と高圧回路を絶縁油に封入したX線発生装置の放熱
手段に関する。
検査装置等に使用するX線発生装置に係わり、特に、X
線管と高圧回路を絶縁油に封入したX線発生装置の放熱
手段に関する。
【0002】
【従来の技術】医用の外科用X線装置、歯科用X線装
置、産業用のX線検査装置等のX線発生装置は、小型化
の必要性から、X線管と高圧回路基板が同一の容器内に
絶縁油で封浸され使用されている。図3に、従来の産業
用X線検査のX線発生装置の断面を示す。(a)はX線
管7の管軸と直角方向の断面、(b)はX線管7の管軸
方向の断面を示す。管容器4a内に、X線管7と高圧回
路基板6とが絶縁油11に封浸され、入力端子10から
の電源入力により、高圧回路基板6で高電圧が発生し、
真空ガラス管製のX線管7のアノード8とカソード9間
に30〜200kVの高電圧が印加される。そして、カ
ソード9から放出した熱電子をアノード8に衝突させ、
その制動放射によりX線を放射口12から外部に放射し
ている。そして、X線管7から発生する発熱は、主にア
ノード8から輻射及び伝導してアノード8に設けられた
冷却フィン5を介して、絶縁油11に伝わり、その絶縁
油11の対流、伝導により封入用の管容器4a壁面に伝
わる。そして、外囲器13内に設けられ、管容器4aの
外壁に設けられた放熱用のフィン3a等とファン2によ
って放熱されている。
置、産業用のX線検査装置等のX線発生装置は、小型化
の必要性から、X線管と高圧回路基板が同一の容器内に
絶縁油で封浸され使用されている。図3に、従来の産業
用X線検査のX線発生装置の断面を示す。(a)はX線
管7の管軸と直角方向の断面、(b)はX線管7の管軸
方向の断面を示す。管容器4a内に、X線管7と高圧回
路基板6とが絶縁油11に封浸され、入力端子10から
の電源入力により、高圧回路基板6で高電圧が発生し、
真空ガラス管製のX線管7のアノード8とカソード9間
に30〜200kVの高電圧が印加される。そして、カ
ソード9から放出した熱電子をアノード8に衝突させ、
その制動放射によりX線を放射口12から外部に放射し
ている。そして、X線管7から発生する発熱は、主にア
ノード8から輻射及び伝導してアノード8に設けられた
冷却フィン5を介して、絶縁油11に伝わり、その絶縁
油11の対流、伝導により封入用の管容器4a壁面に伝
わる。そして、外囲器13内に設けられ、管容器4aの
外壁に設けられた放熱用のフィン3a等とファン2によ
って放熱されている。
【0003】図5にX線発生装置の電気回路図を示す。
管容器4aに入力端子10が設けられ、高圧回路一次入
力端子T、カソード9のフィラメント加熱一次入力端子
C、接地端子G、高電圧測定回路端子EP、X線管電流
の測定回路端子IP、管容器4a内の絶縁油11の体積
膨張の限界温度検出用のSW17の出力端子TH、内部
の所定の場所の温度を検出する温度センサ16の出力端
子TMPを介して、内部への電力の供給と信号の検出を
行なっている。そして、高圧回路基板6からX線管7の
アノード8にプラスの高電圧が端子+Aから供給され、
一方、カソード9のフィラメントに、端子HTRから加
熱電流が供給される。内部で発生した熱は、絶縁油11
を介して管容器4aの外壁に伝わり、外囲器13内に設
けられたファン2によって、管容器4aの外壁に設けら
れたフィン3aから風冷により放散されている。図6に
高圧回路基板6の電気回路を示す。X線管7に印加され
る高電圧は、低圧の交流入力が、端子Tから変圧器TT
を介し、多段状に配列された整流器DとコンデンサCよ
りなるコッククロフト・ウォルトン回路18により昇圧
されて、端子+Aに高電圧が発生する。その高電圧は抵
抗RとコンデンサCによって分圧され、端子EPで測定
される。一方、カソード9を加熱する加熱電流は、低圧
の交流入力が加熱変圧器TCを介して端子HTRからフ
ィラメントに供給され、その時のX線管電流は端子IP
で測定される。
管容器4aに入力端子10が設けられ、高圧回路一次入
力端子T、カソード9のフィラメント加熱一次入力端子
C、接地端子G、高電圧測定回路端子EP、X線管電流
の測定回路端子IP、管容器4a内の絶縁油11の体積
膨張の限界温度検出用のSW17の出力端子TH、内部
の所定の場所の温度を検出する温度センサ16の出力端
子TMPを介して、内部への電力の供給と信号の検出を
行なっている。そして、高圧回路基板6からX線管7の
アノード8にプラスの高電圧が端子+Aから供給され、
一方、カソード9のフィラメントに、端子HTRから加
熱電流が供給される。内部で発生した熱は、絶縁油11
を介して管容器4aの外壁に伝わり、外囲器13内に設
けられたファン2によって、管容器4aの外壁に設けら
れたフィン3aから風冷により放散されている。図6に
高圧回路基板6の電気回路を示す。X線管7に印加され
る高電圧は、低圧の交流入力が、端子Tから変圧器TT
を介し、多段状に配列された整流器DとコンデンサCよ
りなるコッククロフト・ウォルトン回路18により昇圧
されて、端子+Aに高電圧が発生する。その高電圧は抵
抗RとコンデンサCによって分圧され、端子EPで測定
される。一方、カソード9を加熱する加熱電流は、低圧
の交流入力が加熱変圧器TCを介して端子HTRからフ
ィラメントに供給され、その時のX線管電流は端子IP
で測定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のX線発生装置は
以上のように構成されているが、X線管7で消費せられ
る電力の大部分は、主にアノード8で熱に変換され、輻
射、伝導により冷却フィン5等を介して絶縁油11に伝
わる。熱媒体である絶縁油11の流れは、自然対流であ
り非常に緩やかなものである。そのため、期待されてい
るほどの放熱効果は得られず、発熱によりかなりの温度
上昇があり、そのため、高圧回路基板6の電子部品が破
損したり、寿命低下するなどの信頼性の点に問題があっ
た。その解決方法として、図4に示すように、管容器4
bの外部に循環用のポンプ15と冷却器14を設けて、
絶縁油11を冷却する方法が採られている。しかし循環
用のポンプ15のシール部等の寿命や、外付パイプ等の
必要性、複雑さ、コスト高等の新たな課題が存在してい
る。
以上のように構成されているが、X線管7で消費せられ
る電力の大部分は、主にアノード8で熱に変換され、輻
射、伝導により冷却フィン5等を介して絶縁油11に伝
わる。熱媒体である絶縁油11の流れは、自然対流であ
り非常に緩やかなものである。そのため、期待されてい
るほどの放熱効果は得られず、発熱によりかなりの温度
上昇があり、そのため、高圧回路基板6の電子部品が破
損したり、寿命低下するなどの信頼性の点に問題があっ
た。その解決方法として、図4に示すように、管容器4
bの外部に循環用のポンプ15と冷却器14を設けて、
絶縁油11を冷却する方法が採られている。しかし循環
用のポンプ15のシール部等の寿命や、外付パイプ等の
必要性、複雑さ、コスト高等の新たな課題が存在してい
る。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、X線管7のアノード8で発生した熱
を、効率良く、簡単な構造で、外部に放散するX線発生
装置を提供することを目的とする。
たものであって、X線管7のアノード8で発生した熱
を、効率良く、簡単な構造で、外部に放散するX線発生
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のX線発生装置は、X線を発生するX線管
と、そのX線管に高電圧を印加しフィラメントを加熱す
る高圧回路基板と、前記X線管と高圧回路基板を絶縁油
に封入した管容器と、その管容器の外壁面に設けられた
放熱手段とを備えたX線発生装置において、前記管容器
内の絶縁油を管容器内で循環させる循環手段を備えるも
のである。そして、請求項2記載のX線発生装置は、循
環手段として電動ファンを用いるものである。また、請
求項3記載のX線発生装置は、循環手段の電動ファンが
ブラシレスのモータで、その本体とファンが油分に耐久
性のある金属製で構成されるものである。
め、本発明のX線発生装置は、X線を発生するX線管
と、そのX線管に高電圧を印加しフィラメントを加熱す
る高圧回路基板と、前記X線管と高圧回路基板を絶縁油
に封入した管容器と、その管容器の外壁面に設けられた
放熱手段とを備えたX線発生装置において、前記管容器
内の絶縁油を管容器内で循環させる循環手段を備えるも
のである。そして、請求項2記載のX線発生装置は、循
環手段として電動ファンを用いるものである。また、請
求項3記載のX線発生装置は、循環手段の電動ファンが
ブラシレスのモータで、その本体とファンが油分に耐久
性のある金属製で構成されるものである。
【0007】本発明のX線発生装置は上記のように構成
されており、管容器にX線管と高圧回路基板と電動ファ
ンとを絶縁油中に封浸し、前記電動ファンを回転させて
管容器内の絶縁油を強制循環させ、管容器の外部に設け
られたフィンを、外囲器内側に取付けられたファンによ
り、風冷して、X線管内で発生した熱を放散させてい
る。そのため、封入管容器に特別な配管やシール部の追
加をすることなく、発生した熱を絶縁油を媒体として、
管容器外面に設けられた放熱用のフィンに速やかに伝
え、冷却能力を向上させることができる。延いては、温
度上昇を低下させ、長寿命・高信頼性を実現することが
できる。また、冷却能力向上によりX線管の大出力容量
と性能向上につながる。さらに、循環手段の電動ファン
がブラシレスのモータで、その本体とファンが油分に耐
久性のある金属製で構成されているので、ブラシレスに
よる安全性と金属製による長寿命化を図ることができ
る。
されており、管容器にX線管と高圧回路基板と電動ファ
ンとを絶縁油中に封浸し、前記電動ファンを回転させて
管容器内の絶縁油を強制循環させ、管容器の外部に設け
られたフィンを、外囲器内側に取付けられたファンによ
り、風冷して、X線管内で発生した熱を放散させてい
る。そのため、封入管容器に特別な配管やシール部の追
加をすることなく、発生した熱を絶縁油を媒体として、
管容器外面に設けられた放熱用のフィンに速やかに伝
え、冷却能力を向上させることができる。延いては、温
度上昇を低下させ、長寿命・高信頼性を実現することが
できる。また、冷却能力向上によりX線管の大出力容量
と性能向上につながる。さらに、循環手段の電動ファン
がブラシレスのモータで、その本体とファンが油分に耐
久性のある金属製で構成されているので、ブラシレスに
よる安全性と金属製による長寿命化を図ることができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のX線発生装置の一実施例
を図1を参照しながら説明する。図1は本発明のX線発
生装置のX線管7の管軸方向の断面を示す。本X線発生
装置は、アノード8側に冷却フィン5を有したX線管7
と、そのX線管7に高電圧を印加するための高圧回路基
板6と、絶縁油11を強制循環させるブラシレスモータ
による電動ファン1と、X線管7と高圧回路基板6と電
動ファン1とを絶縁油11中に封浸させ、外壁に外部放
熱用のフィン3とX線の放射口12と電力導入及び計測
用の入力端子10を備えた管容器4と、外部放熱用のフ
ィン3を風冷して管容器4から熱を奪う外部に設けられ
たファン2とから構成されている。
を図1を参照しながら説明する。図1は本発明のX線発
生装置のX線管7の管軸方向の断面を示す。本X線発生
装置は、アノード8側に冷却フィン5を有したX線管7
と、そのX線管7に高電圧を印加するための高圧回路基
板6と、絶縁油11を強制循環させるブラシレスモータ
による電動ファン1と、X線管7と高圧回路基板6と電
動ファン1とを絶縁油11中に封浸させ、外壁に外部放
熱用のフィン3とX線の放射口12と電力導入及び計測
用の入力端子10を備えた管容器4と、外部放熱用のフ
ィン3を風冷して管容器4から熱を奪う外部に設けられ
たファン2とから構成されている。
【0009】本X線発生装置と図3で示す従来のX線発
生装置と異なるところは、X線管7の管容器4内に、絶
縁油11を強制循環させるためのブラシレスモータ(無
整流子電動機)による電動ファン1が設けられた点であ
る。本X線発生装置は、X線管7が、外部放熱用のフィ
ン3を有したアルミ合金製などの管容器4本体の中で絶
縁油11に封浸され、陽極側支持体(図示せず)と陰極
支持体(図示せず)により固定され、そして高圧回路基
板6がX線管7の側方に固定され、X線管7のアノード
8端に放熱用の冷却フィン5が設けられ、その陽極側と
対抗する陰極側の2箇所に、絶縁油11を強制循環させ
る電動ファン1が支持体(図示せず)を介して取付けら
れている。管容器4の内側は、X線の漏洩を防ぐため薄
い鉛板で内張りされている。中央部にX線透過性のよい
エポキシ樹脂製の放射口12が取り付けられ、管容器4
本体には、電力供給用と計測用の低電圧の入力端子10
が設けられ、また、管容器4本体の陰極側には、温度上
昇による絶縁油11の膨張を吸収するベローズが設けら
れ、管容器4の温度が高い陽極側に80℃前後で動作す
るSW17を設け、この温度を超えないように管理して
いる。また、内部の所定の場所の温度を測定する温度セ
ンサ16が設けられている。そして、管容器4の外部に
冷却用のファン2が設けられ、外部放熱用のフィン3を
風冷して、管容器4の熱を放熱している。
生装置と異なるところは、X線管7の管容器4内に、絶
縁油11を強制循環させるためのブラシレスモータ(無
整流子電動機)による電動ファン1が設けられた点であ
る。本X線発生装置は、X線管7が、外部放熱用のフィ
ン3を有したアルミ合金製などの管容器4本体の中で絶
縁油11に封浸され、陽極側支持体(図示せず)と陰極
支持体(図示せず)により固定され、そして高圧回路基
板6がX線管7の側方に固定され、X線管7のアノード
8端に放熱用の冷却フィン5が設けられ、その陽極側と
対抗する陰極側の2箇所に、絶縁油11を強制循環させ
る電動ファン1が支持体(図示せず)を介して取付けら
れている。管容器4の内側は、X線の漏洩を防ぐため薄
い鉛板で内張りされている。中央部にX線透過性のよい
エポキシ樹脂製の放射口12が取り付けられ、管容器4
本体には、電力供給用と計測用の低電圧の入力端子10
が設けられ、また、管容器4本体の陰極側には、温度上
昇による絶縁油11の膨張を吸収するベローズが設けら
れ、管容器4の温度が高い陽極側に80℃前後で動作す
るSW17を設け、この温度を超えないように管理して
いる。また、内部の所定の場所の温度を測定する温度セ
ンサ16が設けられている。そして、管容器4の外部に
冷却用のファン2が設けられ、外部放熱用のフィン3を
風冷して、管容器4の熱を放熱している。
【0010】電動ファン1は、金属製の筐体からなるブ
ラシレスモータとそのモータによって回転する金属製の
ファンから構成される。図2にブラシレスモータの原理
図を示す。ブラシレスモータは、直流の電源25を用
い、固定子22に電機子巻線を用い回転子23に界磁巻
線を用いて、回転子23の回転軸24に直結している位
置検出器19によって、回転子23の磁極の位置を検知
し、その位置に対応して、ゲート制御回路20により、
トランジスタやサイリスタなどの無接点制御整流子21
をON―OFFして連続的にトルクを発生する。ブラシ
レスモータは、直流モータの整流子とブラシを、半導体
に置き換え、永久磁石式の同期モータと似た形で回転す
る。そのため、直流モータのようにブラシの個所で火花
を発生することが無く、絶縁油11中で安全に動作して
用いることができる。また、ガス、蒸気などの発生する
場所にも適する。位置検出器19は、モータの固定子と
回転子との相対的な位置を検出するもので、回転軸に直
結された回転円板とセンサを組み合わせたもので、トラ
ンジスタによるコルピッツ発振器(発振周波数1MH
z)を内蔵した小型の近接スイッチ(固定子側に配列)
と、回転する切欠きのある強磁性体の円板からなり、強
磁性体が近づくと発振回路のインダクタンスが変化し、
出力が減少するのをON−OFF信号に変換する近接方
式が用いられる。この方式を用いると、構成が容易で出
力信号のレベルが高く信頼性も優れている。また、磁石
を装着した回転円板と固定子側のホール素子とで構成さ
れるホール素子方式が用いられる。ホール素子を用いる
と、出力信号レベルは低いが検出分解能・耐候性に優
れ、小型化ができるので中・小形の管容器内に用いるこ
とができる。ブラシレスモータによって回転するファン
は、ファンが油分に耐久性のある金属製で構成されてい
る。プラスチック製等のファンを用いると、X線管7か
らの放射線被曝により高分子の鎖が壊れ、脆くなるとい
う問題がある。また、X線管7に高電圧を印加し電流を
流すと、そのエネルギーは、90%以上が熱に変換さ
れ、管容器7内の温度が上昇する。その熱によってファ
ンの形状も変形する可能性がある。さらに、温度が8〜
10℃上がればプラスチックの劣化は倍以上に促進す
る。また、ファンを回転させると絶縁油11との摩擦に
より、ファンのエッジが消耗し、プラスチックの可塑材
が絶縁油11に混ざり、耐電圧の低下を招く事になる。
さらに、高電界中にプラスチックのような絶縁物を置く
と、電荷がチャージアップして、管容器4内の電界が不
安定になり、耐圧不良になる可能性がある。そのためア
ルミ製等の金属材料が用いられる。上記の理由から、管
容器4内の絶縁油11内で用いる強制循環用の電動ファ
ン1は、ブラシレスのモータを用い、その本体とファン
が油分に耐久性のある金属製で構成されているので、ブ
ラシレスによる安全性と金属製による長寿命化を図るこ
とができる。
ラシレスモータとそのモータによって回転する金属製の
ファンから構成される。図2にブラシレスモータの原理
図を示す。ブラシレスモータは、直流の電源25を用
い、固定子22に電機子巻線を用い回転子23に界磁巻
線を用いて、回転子23の回転軸24に直結している位
置検出器19によって、回転子23の磁極の位置を検知
し、その位置に対応して、ゲート制御回路20により、
トランジスタやサイリスタなどの無接点制御整流子21
をON―OFFして連続的にトルクを発生する。ブラシ
レスモータは、直流モータの整流子とブラシを、半導体
に置き換え、永久磁石式の同期モータと似た形で回転す
る。そのため、直流モータのようにブラシの個所で火花
を発生することが無く、絶縁油11中で安全に動作して
用いることができる。また、ガス、蒸気などの発生する
場所にも適する。位置検出器19は、モータの固定子と
回転子との相対的な位置を検出するもので、回転軸に直
結された回転円板とセンサを組み合わせたもので、トラ
ンジスタによるコルピッツ発振器(発振周波数1MH
z)を内蔵した小型の近接スイッチ(固定子側に配列)
と、回転する切欠きのある強磁性体の円板からなり、強
磁性体が近づくと発振回路のインダクタンスが変化し、
出力が減少するのをON−OFF信号に変換する近接方
式が用いられる。この方式を用いると、構成が容易で出
力信号のレベルが高く信頼性も優れている。また、磁石
を装着した回転円板と固定子側のホール素子とで構成さ
れるホール素子方式が用いられる。ホール素子を用いる
と、出力信号レベルは低いが検出分解能・耐候性に優
れ、小型化ができるので中・小形の管容器内に用いるこ
とができる。ブラシレスモータによって回転するファン
は、ファンが油分に耐久性のある金属製で構成されてい
る。プラスチック製等のファンを用いると、X線管7か
らの放射線被曝により高分子の鎖が壊れ、脆くなるとい
う問題がある。また、X線管7に高電圧を印加し電流を
流すと、そのエネルギーは、90%以上が熱に変換さ
れ、管容器7内の温度が上昇する。その熱によってファ
ンの形状も変形する可能性がある。さらに、温度が8〜
10℃上がればプラスチックの劣化は倍以上に促進す
る。また、ファンを回転させると絶縁油11との摩擦に
より、ファンのエッジが消耗し、プラスチックの可塑材
が絶縁油11に混ざり、耐電圧の低下を招く事になる。
さらに、高電界中にプラスチックのような絶縁物を置く
と、電荷がチャージアップして、管容器4内の電界が不
安定になり、耐圧不良になる可能性がある。そのためア
ルミ製等の金属材料が用いられる。上記の理由から、管
容器4内の絶縁油11内で用いる強制循環用の電動ファ
ン1は、ブラシレスのモータを用い、その本体とファン
が油分に耐久性のある金属製で構成されているので、ブ
ラシレスによる安全性と金属製による長寿命化を図るこ
とができる。
【0011】
【発明の効果】本発明のX線発生装置は上記のように構
成されており、絶縁油に封浸したX線管と同じ管容器内
に、油分に耐久性のある金属製で構成されたブラシレス
モータ本体とファンからなる電動ファンが設けられ、ト
ランジスタやサイリスタなどの無接点制御整流子をON
―OFFして連続的にトルクを発生し、直流モータの整
流子とブラシを、半導体に置き換えて回転するので、直
流モータのようにブラシの個所で火花を発生することが
無く、絶縁油中で安全に動作して、絶縁油を強制循環す
ることが出来る。そして、発生した熱を絶縁油を媒体と
して、管容器外面に設けられた放熱用のフィンに速やか
に伝えることができる。そのため、冷却能力が向上し、
X線管の管電流を増加した大出力容量と性能向上につな
がる。さらに、循環手段の電動ファンが、金属製で構成
されているので長寿命化を図ることができる。
成されており、絶縁油に封浸したX線管と同じ管容器内
に、油分に耐久性のある金属製で構成されたブラシレス
モータ本体とファンからなる電動ファンが設けられ、ト
ランジスタやサイリスタなどの無接点制御整流子をON
―OFFして連続的にトルクを発生し、直流モータの整
流子とブラシを、半導体に置き換えて回転するので、直
流モータのようにブラシの個所で火花を発生することが
無く、絶縁油中で安全に動作して、絶縁油を強制循環す
ることが出来る。そして、発生した熱を絶縁油を媒体と
して、管容器外面に設けられた放熱用のフィンに速やか
に伝えることができる。そのため、冷却能力が向上し、
X線管の管電流を増加した大出力容量と性能向上につな
がる。さらに、循環手段の電動ファンが、金属製で構成
されているので長寿命化を図ることができる。
【図1】 本発明のX線発生装置の一実施例を示す図で
ある。
ある。
【図2】 本発明のX線発生装置に用いる電動ファンの
ブラシレスモータの原理を説明するための図である。
ブラシレスモータの原理を説明するための図である。
【図3】 従来のX線発生装置を示す図である。
【図4】 従来の他のX線発生装置を示す図である。
【図5】 装置の電気回路を示す図である。
【図6】 装置の高圧発生回路を示す図である。
1…電動ファン 2…ファン 3…フィン 3a…フィン 4…管容器 4a…管容器 4b…管容器 5…冷却フィン 6…高圧回路基板 7…X線管 8…アノード 9…カソード 10…入力端子 11…絶縁油 12…放射口
Claims (3)
- 【請求項1】X線を発生するX線管と、そのX線管に高
電圧を印加しフィラメントを加熱する高圧回路基板と、
前記X線管と高圧回路基板を絶縁油に封入した管容器
と、その管容器の外壁面に設けられた放熱手段とを備え
たX線発生装置において、前記管容器内の絶縁油を管容
器内で循環させる循環手段を備えることを特徴とするX
線発生装置。 - 【請求項2】請求項1記載のX線発生装置において、循
環手段として電動ファンを用いることを特徴とするX線
発生装置。 - 【請求項3】請求項2記載のX線発生装置において、循
環手段の電動ファンがブラシレスのモータで、その本体
とファンが油分に耐久性のある金属製で構成されること
を特徴とするX線発生装置。
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