JP4956413B2 - 低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法 - Google Patents

低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法に関する。
野菜汁及び/又は果汁には、ビタミンC、リコピン、β−カロチン等の成分が含有されるため、飲料として広く飲用されている。しかしながら、一般的な野菜汁及び/又は果汁には、食物繊維などの不溶性固形分も多く含まれていることから、粘性が高く、そのため、飲用時に抵抗感が強くて飲み難いという欠点がある。不溶性固形分含量を低減した野菜汁及び/又は果汁を得るための方法としては、濾過や遠心力などを用いて、機械的に不溶性固形分を除去する方法が広く用いられている(特許文献1、2)。この方法では、不溶性固形分含量の低い野菜汁及び/又は果汁が得られるが、当然のことながら食物繊維含有量は減少し、また、不溶性固形分とともに、機能性の高い脂溶性成分(例えばリコピンやβ−カロチンなど)も除去されてしまう問題がある。
一方で、植物組織崩壊酵素を用いて不溶性固形分を可溶化する方法も提案されている。この方法では、上記のような食物繊維や脂溶性成分の大幅なロスは避けられるが、酵素による不溶性固形分の可溶化反応は遅く、野菜汁及び/又は果汁を飲用とするには粘性の低下は十分ではなく、のど越しの改善や舌触りの改善は十分ではなかった。このため、酵素添加量の増加や反応時間の延長が考えられるが、酵素添加量増加に伴う風味劣化や、反応時の熱履歴増加に伴う加熱臭が発生する場合があり、更なる技術が求められていた。
さらに、植物性農水産物に水及び植物組織分解酵素を添加して溶液中で磨砕処理する方法(特許文献3参照)が開示されており、磨砕装置として、回転円筒式ミル、振動ボールミル、遠心式ボールミル、媒体攪拌式ミル、コロイドミル等が例示されている。
特開昭59−95868号公報 特開昭62−253368号公報 特開2001−61434号公報
しかしながら、本発明者らが磨砕装置を用いて検討したところ、磨砕装置を用いた場合には、のど越しや舌触りの改善はなお不十分であり、さらに、磨砕処理中に、食物繊維が浮上し、清澄液が発生するという外観上の課題があることを見出した。
すなわち、本発明の目的は、舌触りがなめらかで喉越しに優れ、かつ食物繊維の浮上がなく、見た目が良い低粘度野菜汁及び/又は果汁を製造する方法を提供することにある。
かかる課題に対し検討を行ったところ、原料野菜汁及び/又は果汁に対し2枚以上の刃又は多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いて高周速で破砕処理を行い、さらに植物組織崩壊酵素存在下に低周速で攪拌処理を施すことにより、十分な粘度の低下と粒径の低下を実現し、さらに処理中の食物繊維の浮上を抑制でき、ひいては外観の良い野菜汁及び/又は果汁が製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、原料野菜汁及び/又は果汁に、
(A)2枚以上の刃又は多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた周速12〜80m/sの破砕処理、及び
(B)植物組織崩壊酵素存在下に周速0.1〜4.0m/sの攪拌処理
を行う、低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法を提供するものである。
本発明方法によれば、食物繊維の浮上がないため見た目が良く、舌触りがなめらかで喉越しの優れた低粘度の野菜汁及び/又は果汁が得られる。
本発明で原料として用いる野菜汁及び/又は果汁は特に限定されないが、人参、大根、アスパラガス、たまねぎ、ビート、しょうが、紫芋、及び牛蒡などの根菜類;セロリ、ほうれん草、白菜、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、小松菜、パセリ、ケール、クレソン、モロヘイヤ、あしたば、及びレタスなどの葉菜類;トマト、ピーマン、赤ピーマン、なす、かぼちゃなどの果菜類;バナナ、りんご、メロン、みかん及びブドウなどの果実類などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上混合して使用することができる。
このうち、トマト、人参、セロリ、ほうれん草、小松菜、パセリ、ケール、クレソン、モロヘイヤ、レタス、白菜、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、赤ピーマン、アスパラガス、大根、たまねぎ、かぼちゃ、ビート、しょうが、紫芋、あしたば、なす、牛蒡から選ばれる1種以上を含有する野菜汁及び/又は果汁に適用するのが好ましく、トマト及び人参から選ばれる1種以上を含有する野菜汁及び/又は果汁が特に好ましい。
原料野菜汁及び/又は果汁は、野菜及び/又は果物を常法、例えばスクリュープレスにより搾汁した後、必要に応じて濃度調整を行うことにより得ることができ、その粘度は特に限定されないが、100以上3000mPa・s以下(B型粘度計、20℃)であるのが好ましい。原料野菜汁及び/又は果汁の粘度を高くすることでより大きな機械力が施される。粘度100mPa・s以下ではその効果が小さく、3000mPa・s以上では設備的な負荷が大きくなる。
工程(A)では、原料野菜汁及び/又は果汁を、2枚以上の刃又は多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた破砕処理を行う。回転カッター式装置とは、回転する刃又は櫛状の歯を有する破砕装置を指し、磨砕ではなく、剪断力の働きにより物体を小粒径化するものである。刃を回転させる装置では、刃の数は2枚以上であることで効率よく剪断を行うことができ、2〜4枚が好ましい。多層櫛歯とは、回転軸の円周方向に複数の歯(これを歯列という)を有するものであり、かつ、半径方向に多層の歯列を備えるものをいう。かかる構造により、効率よく剪断を行うことができ、短時間で粘度を低下させ、微細化が可能となり、かつ食物繊維の浮上を抑制することができる。刃又は歯の材質は特に限定されないが、金属製あるいはセラミック製が、強度や切れ味の面から好ましい。
具体的には、ジューサー、カッターミル、ホモミキサー等の2枚以上の刃を備える回転カッター式装置;及びディスパー、マイルダー等の多層櫛歯を備えた回転カッター式装置が挙げられる。さらに具体的には、ジューサーミキサー((株)エフ・エム・アイ製MX−1500)、マイルダー(太平洋機工(株)製MDN303V)、ホモミクサー(プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARKII 2.5型)などが挙げられる。コロイドミル、渦流ポンプのように、流体を間隙を高速で通過させることにより剪断力を与える形式の装置では、粘度低下が不十分であり、また、食物繊維の浮上が起きる場合があり、好ましくない。
回転カッターの周速は、12〜80m/sの範囲で破砕処理を行う。周速12m/s以上であれば破砕力が十分なので、破砕処理及び酵素反応を効率良く進行させることができ、15m/s以上が好ましく、20m/s以上がより好ましく、30m/s以上がさらに好ましい。また、周速が80m/s以内であれば攪拌機に加わる負荷が大きくなりすぎないため設備上好ましく、60m/s以下が好ましい。
工程(A)では、植物組織崩壊酵素の不存在下に行ってもよいが、植物組織崩壊酵素の存在下に行うことが好ましい。
植物組織崩壊酵素は、植物性農産物に含まれるセルロース、キシランをはじめとするヘミセルロース、ペクチンなどの、分子構造の大きい不溶性食物繊維を低分子に分解する酵素であり、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ(キシラナーゼ)、ペクチナーゼなどを用いることができる。ただし、これらには限定されない。これらは1種あるいは2種以上を使用することができる。反応効率を向上させるためには、2種以上を使用することが好ましい。
酵素反応条件は特に限定されないが、酵素反応の効率的進行、風味の低下防止等を考慮し、0〜60℃、特に20〜50℃の範囲で行うのが好ましい。この温度範囲で処理を行うと、酵素反応に伴う加熱臭の付与を抑制できるため好ましい。また、処理液のpHは3〜6が好ましい。このpH範囲で処理を行うと、酵素の活性が高くなるため好ましい。
前記酵素の使用量は、用いる酵素の活性によっても異なるが、原料野菜汁及び/又は果汁に対し、0.01〜2重量%、さらに0.05〜1重量%が好ましい。
工程(B)は、植物組織崩壊酵素の存在下に、周速0.1〜4.0m/s、より好ましくは0.5〜3.0m/sの範囲で攪拌処理を行う。装置は、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等の攪拌翼を備える槽;ギヤーポンプ等のポンプ型攪拌機等を用いることができる。用いる酵素及び酵素反応条件は、前記の場合と同様である。
工程(A)の高周速な破砕処理と工程(B)の低周速な攪拌処理を併用することで、十分な粘度低下及び粒径の減少を達成することができ、さらに食物繊維の浮上分離を抑制することができる。その理由は明らかではないが、破砕処理を施すことにより、食物繊維を破断し、もって食物繊維の凝集を抑制し、かつ、低周速の攪拌により食物繊維内部へ酵素が十分に浸透し、高周速の破砕と相俟って十分な粘度低減と粒径の低下が実現できるものと思われる。
工程(A)は、回分式及び循環式のいずれの方式で行っても良く、処理液量が多い場合は、破砕処理装置と野菜汁及び/又は果汁を溶解したタンクを用いて循環しながら処理を行ってもよい。工程(B)は、回分式及び循環式のいずれの方式で行っても良いが、回分式がより好ましい。また、工程(A)及び(B)の処理を、交互に繰返し行うことが好ましい。
回分式における工程(A)及び(B)の各処理時間は、工程(A)における処理時間をTaとするとき、Taは5〜250分の範囲がよい。一方、工程(B)における処理時間をTbとするとき、Tbは5〜280分がよい。
一方、循環式における工程(A)及び(B)の各処理時間は、工程(A)における処理時間をTaとするとき、Taは0.1〜2.5秒の範囲がよい。一方、工程(B)における処理時間をTbとするとき、Tbは10〜300秒がよい。ここで工程(A)の処理時間Taとは、高周速の破砕処理が行われる部分の容積を流量で割った値とし、工程(B)の処理時間Tbとは、工程(B)の低周速の攪拌処理を行う反応器容積を流量で割った値とする。
ここで、工程(A)及び(B)の処理時間とは、各工程で処理を開始してから終了するまでの時間とする。工程(A)及び/又は(B)を繰り返した場合には、TaとTbのに工程(A)及び(B)の各処理時間にそれぞれを繰り返した回数を掛けた時間の合計を工程(A)及び(B)の総処理時間とする。総処理時間は30〜300分が好ましい。
この時間範囲で工程(A)の高周速の破砕処理及び(B)の低周速の攪拌処理を行うと、効率的に粘度を下げることができるので好ましい。理由は明らかではないが、効率良く食物繊維の切断が行われるため、食物繊維分の膨潤が抑制され酵素を食物繊維の内部まで浸透させることができるものと思われる。
工程(A)及び(B)の終了後に、加熱等により酵素を失活させることが好ましい。失活処理は、処理物になるべく悪影響をもたらさないように酵素を失活させる方法であれば如何なる方法でも良いが、高温短時間の失活操作が好ましく、特に70℃以上の加熱により失活させる方法が好ましい。
本発明方法により得られる低粘度野菜汁及び/又は果汁の粘度(B型粘度計、20℃)は、原料となる野菜汁及び/又は果汁と同じ固形分濃度において、原料となる野菜汁及び/又は果汁よりも低い。(低粘度野菜汁及び/又は果汁の粘度)/(原料野菜汁及び/又は果汁の粘度)を減粘率とすると、該減粘率が0.3以下が好ましく、0.25以下がより好ましく、0.2以下がさらに好ましい。得られる低粘度野菜汁及び/又は果汁については、のど越しの点から、固形分濃度6質量%における粘度(B型粘度計、20℃)が1〜70mPa・sであるのが好ましい。ここで、Brix(20℃における糖用屈折計示度)をもって固形分濃度とする。
また、本発明法により得られる低粘度野菜汁及び/又は果汁の粘度は、のど越しの点から、150mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましく、70mPa・s以下がさらに好ましい。
また、本発明法により得られる低粘度野菜汁及び/又は果汁の水不溶性固形分の粒径は、個数基準における平均粒径が、好ましくは0.3〜30μm、より好ましくは0.3〜20μmである。30μmより小粒径とすることで、舌触りがよく、飲み易い。粒径はレーザー回折法(島津製作所製SALD−2100など)により測定される。
本発明方法により、食物繊維の浮上がないため見た目が良く、粘度が低くのど越しに優れ、かつ食物繊維や機能性の高い脂溶性成分も十分量含有し、舌触りの滑らかな低粘度野菜汁及び/又は果汁、特に食物繊維摂取用等の機能性飲料として有用な低粘度野菜汁及び/又は果汁を得ることができる。
(粘度の測定方法)
試料を内径36mmのガラス容器に投入し、B型粘度計「(株)トキメック」を用いて、液温度20℃、回転数60rpm、保持時間60秒で測定した。
(粒径の測定方法)
粒径は、粒径分布測定装置SALD−2100((株)島津製作所製)を用いて、フローセルを使用し、個数基準の平均粒径を測定した。
(のど越し、舌触り、外観の評価方法)
パネラー3人で評価し、平均スコアを評価結果として採用した(小数以下は四捨五入した)。
・のど越し
5.さらさらとしており、喉に全く引っかからず、後味が全く残らない
4.さらさらとしており、喉に引っかからず、後味が残らない
3.さらさらとしているが、喉に少し残り、後味が僅かに残る
2.ドロドロとしており、喉に引っかかり、後味が残る
1.ドロドロとしており、喉を通りづらく、後味が極めて残る
・舌触り
5.舌にざらつきは全く感じず、口に残らない
4.舌にざらつきは感じないが、わずかに口に残る
3.舌にざらつきはあまり感じないが、口に残る
2.舌にざらつきを感じ、口に残る
1.舌にざらつきを感じ、極めて口に残る
・外観(不溶性固形分の浮き具合)
5.不溶性固形分が浮上せず、清澄液がない
4.不溶性固形分がわずかに浮上し、清澄液が5%未満存在する
3.不溶性固形分が浮上し、清澄液が5%以上10%未満存在する
2.不溶性固形分が浮上し、清澄液が10%以上15%未満存在する
1.不溶性固形分が浮上し、清澄液が15%以上存在する
実施例1
Brix27のトマトペーストにイオン交換水を加え、Brix12で粘度1123mPa・s、個数基準の粒径が155μmの原料トマト汁を調整した。このトマト汁970gにセルラーゼ(ノボザイムズ社(株)製セルクラスト 1.5LFG)の10%水溶液を30g添加し、25℃でジューサーミキサー(松下電器産業(株)製ミキサーMX−152S)を用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。10分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/sにて攪拌しながら工程(B)である低周速な酵素処理を行った。110分処理後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例2
実施例1と同様にして、但し、25℃でジューサーミキサーを用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を10分間行い、30℃で4枚プロペラ翼を用いて、周速1.5m/sにて攪拌しながら50分間工程(B)である低周速な酵素処理を行った。この操作を2回繰返し行った後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例3
実施例1で調整した原料トマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、30℃でホモミクサー(プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARKII 2.5型)を用いて、周速22m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。5分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/sにて攪拌しながら55分間工程(B)である低周速な酵素処理を行った。この操作を2回繰返し行った後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例4
実施例1で調整した原料トマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、30℃でマイルダー(太平洋機工(株)製MDN303V)を用いて、周速24m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。20分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/sにて攪拌しながら40分間工程(B)である低周速な酵素処理を行った。この操作を2回繰返し行った後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例5
トマト、人参、セロリ、ほうれん草、小松菜、パセリ、ケール、クレソン、モロヘイヤ、レタス、はくさい、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、赤ピーマン、アスパラガス、大根、たまねぎ、かぼちゃ、ビート、しょうが、紫芋、あしたば、なす、牛蒡からなり、粘度271mPa・s、個数基準の平均粒径が100μmの原料野菜混合汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの3.3%水溶液21g、及びペクチナーゼ(ノボザイムズ社(株)製ペクチネックス ウルトラSP-L)の3.3%水溶液9gを添加し、25℃で実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。10分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速0.5m/sにて攪拌しながら50分間工程(B)である低周速な酵素処理を行った。この操作を2回繰返し行った後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させ野菜混合汁を得た。
実施例6
実施例1で調整した原料トマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて周速1.5m/sにて50分間攪拌した。攪拌終了後、25℃で実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。20分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速2.0m/sにて攪拌しながら工程(B)である低周速な酵素処理を行った。50分処理後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例7
市販ニンジンを100℃で15分間ブランチングし、ジュース&パルプセパレーター((株)エフ・エム・アイ製JEX−450)で処理した後、液部とパルプ部を混合し、イオン交換水で質量を1.67倍にし、Brix5.3で粘度3840mPa・sの原料ニンジン汁を調製した。このニンジン汁を実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、25℃で周速57m/sで5分間処理しペースト状にした。得られたニンジン汁970g実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液21g、及び実施例5で使用したペクチナーゼの10%水溶液9gを添加し、実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。10分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.0m/sにて攪拌しながら50分間工程(B)である低周速な酵素処理を行った。さらに10分間の工程(A)と50分間の工程(B)をそれぞれ同条件で行い、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させニンジン汁を得た。
実施例8
実施例1で調整した原料トマト汁2910gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を90g添加し、工程(A)として実施例4で用いたマイルダーを用いて、30℃、周速24m/s、5.4L/min、工程(A)における処理時間Taを0.7sにて高周速な破砕処理を行い、工程(B)として反応器内では30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/s、5.4L/min、工程(B)における処理時間Tbを33sにて低周速な攪拌処理を行い、循環しながら処理した。180分間処理した後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例9
Brix5.0のニンジンペーストにイオン交換水を加え、Brix2.6、粘度492、個数基準の平均粒径が89μmの原料ニンジン汁を調整した。このニンジン汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、工程(A)として実施例4で用いたマイルダーを用いて、30℃、周速24m/s、5.4L/min、工程(A)における処理時間Taを0.7sにて高周速な破砕処理を行い、工程(B)として反応器内では30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/s、5.4L/min、工程(B)における処理時間Tbを11sにて低周速な攪拌処理を行い、循環しながら処理した。120分間処理した後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例10
実施例1で調整した原料トマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、工程(A)として実施例4で用いたマイルダーを用いて、30℃、周速13m/s、1.8L/min、工程(A)における処理時間Taを2.2sにて高周速な破砕処理を行い、工程(B)として反応器内では30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.0m/s、1.8L/min、工程(B)における処理時間Tbを67sにて低周速な攪拌処理を行い、循環しながら処理した。120分間処理した後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
比較例1
実施例1で調整したトマト汁970gに酵素を加えず、25℃で実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。10分処理後、トマト汁を得た。
比較例2
実施例1で調整したトマト汁970gに酵素を加えず、工程(A)として実施例4で用いたマイルダーを用いて、30℃、周速13m/s、1.8L/min、工程(A)における処理時間Taを2.2sにて高周速な破砕処理を行い、工程(B)として酵素を加えず、反応器内では30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.0m/s、1.8L/min、工程(B)における処理時間Tbを67sにて低周速な攪拌処理を行い、循環しながら処理した。120分間処理後、トマト汁を得た。
比較例3
実施例1で調整したトマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、25℃で実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。10分処理後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
比較例4
実施例1で調整したトマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、25℃で実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、周速57m/sで工程(A)である高周速な破砕処理を行った。30分処理後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
比較例5
実施例1で調整したトマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/sにて攪拌しながら工程(B)である低周速な酵素処理を行った。120分処理後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
比較例6
実施例1で調整したトマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、30℃で実施例3で使用したホモミクサーを用いて、周速4.4m/sで破砕処理を行った。10分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/sにて攪拌しながら50分間工程(B)である低周速な酵素処理を行った。この操作を2回繰返し行った後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
比較例7
実施例1で調整したトマト汁7275gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を225g添加し、磨砕型の装置である渦流ポンプ((株)ニクニ製M20ND07)を用いて、30℃、周速10m/s、流速23L/minにて、磨砕処理を行った。15分処理後、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、周速1.5m/sにて攪拌しながら工程(B)である低周速な酵素処理を行った。105分処理後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させトマト汁を得た。
実施例1〜10及び比較例1〜7の処理条件、及び得られた野菜汁及び/又は果汁についての評価結果を表1に示す。
Figure 0004956413
酵素を用いなかった比較例1及び2の場合、粘度の低下は不十分であった。工程(A)又は工程(B)の一方のみを用いた比較例3〜5では、のど越しと舌触りが不十分で、食物繊維の浮上が起きた。本発明の工程(A)と工程(B)の条件を満たさない比較例6及び7では、粘度が高く、平均粒径も大きいものであり、のど越しと舌触りが良好ではなかった。
これらに対し、本発明の条件を満たす実施例1〜10においては、粘度の低下と不溶性固形分の微細化の両者を満足し、のど越しが良好で、かつ舌触りの滑らかな低粘度野菜汁及び/又は果汁が得られた。

Claims (4)

  1. 原料野菜汁及び/又は果汁に、下記の工程(A)及び(B):
    (A)2枚以上の刃又は多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用い周速12〜80m/sにて回分式により5〜20分の破砕処理を行う工程、及び
    (B)ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、及びセルラーゼから選ばれる1種以上の植物組織崩壊酵素であって、原料野菜汁及び/又は果汁に対し0.01〜2重量%の植物組織崩壊酵素存在下に、温度20〜50℃、pH3〜6、周速0.1〜4.0m/sにて回分式により5〜280分の攪拌処理を行う工程
    交互に、工程(A)及び(B)の各処理時間に各々の繰り返し回数を乗じた時間の合計を工程(A)及び(B)の総処理時間として30〜300分行う、低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
  2. 工程(A)を、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、及びセルラーゼから選ばれる1種以上の植物組織崩壊酵素であって、原料野菜汁及び/又は果汁に対し0.01〜2重量%の植物組織崩壊酵素存在下に、温度20〜50℃、pH3〜6にて行う、請求項1記載の低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
  3. 原料野菜汁及び/又は果汁の20℃における粘度が100〜3000mPa・sの範囲である、請求項1又は2記載の低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
  4. 野菜汁及び/又は果汁がトマト及び人参から選ばれる1種以上を含有する野菜汁及び/又は果汁である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
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