JP2008301811A - 低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法 - Google Patents

低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法 Download PDF

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司 宮谷
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Abstract

【課題】喉越し感の優れた低粘度野菜汁及び/又は果汁を製造する方法の提供。
【解決手段】野菜汁及び/又は果汁に対する(A)高圧ホモジナイザー処理、及び、
(B)植物組織崩壊酵素による酵素処理を含む低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法であって、(A)高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に(B)植物組織崩壊酵素による酵素処理を施す工程が含まれることを特徴とする低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法に関する。
食物繊維などの不溶性固形分を多く含有する野菜汁や果汁は、粘性が高く、そのため、飲用時に抵抗感が強くて飲み難いという欠点がある。不溶性固形分含量を低減することにより粘性を低くした飲み易い果汁あるいは野菜汁を得るための方法としては、濾過や遠心力などを用いて、機械的に不溶性固形分を除去する方法が広く用いられている。この方法では、喉越しのよい、粘性の低い果汁あるいは野菜汁が得られるが、当然のことながら食物繊維含有量は減少し、また、不溶性固形分とともに、機能性の高い脂溶性成分(例えばリコピンやβ−カロチンなど)も除去されてしまう問題がある。
一方で粘性を低くした飲み易い果汁あるいは野菜汁を得るための方法として、植物組織崩壊酵素を用いて不溶性固形分を可溶化する方法も提案されている。この方法では、上記のような食物繊維や脂溶性成分の大幅なロスは避けられるが、酵素による不溶性固形分の可溶化反応は遅く、果汁あるいは野菜汁としては、粘性の低下、喉越しの改善は充分ではない。そのため、酵素添加量や反応時間の増加が必要となるが、それでも粘性の低下は充分ではなく、更に、酵素添加量増加に伴う風味劣化や熱履歴増加に伴う加熱臭の発生など、果汁あるいは野菜汁にとって好ましくない新たな問題も生じる。
このような課題を解決する方法として、野菜や果物等の農産物を破砕した後、攪拌機内で混練と剪断を行うことによって無酸素状態下で均一化しつつ、同時に添加酵素を作用せしめてペースト状にする方法(特許文献1参照)や、植物性農水産物に水及び酵素を添加して溶液中で磨砕処理する方法(特許文献2参照)などが提案されている。
特開昭61−162150号公報 特開2001−61434号公報
しかしながら、これらの技術は酵素により軟化した組織又は軟化途中の組織をせん断処理することでペースト状やパウダ状の食材を製造する技術であるため、処理物にざらつき感が生じてしまう上、不充分な低粘度化しか達成できないものであった。そのため、特に喉越し感の優れた低粘度の野菜汁や果汁を得ることができる技術が望まれていた。
従って、本発明の目的は、喉越し感の優れた低粘度野菜汁及び/又は果汁を製造する方法を提供することにある。
そこで本発明者は、従来法において喉越し感の十分でない食材が得られていた原因を研究し、磨砕装置の剪断力と酵素反応の関係に着目して種々検討したところ、高圧に加圧した原料(野菜汁及び/又は果汁)がスリット間を抜ける際の剪断力を利用した高圧ホモジナイザーを採用し、さらに当該高圧ホモジナイザー処理を受け野菜や果実の組織が充分に破壊された状態の野菜汁及び/又は果汁に対して植物組織崩壊酵素による酵素処理が一定時間以上施されることにより、前記課題が解決されることを見出した。
すなわち本発明は、野菜汁及び/又は果汁に対する
(A)高圧ホモジナイザー処理、及び、
(B)植物組織崩壊酵素による酵素処理
を含む低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法であって、(A)高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に(B)植物組織崩壊酵素による酵素処理を施す工程が含まれることを特徴とする低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法、並びに該方法によって製造された低粘度野菜汁及び/又は果汁を提供するものである。
本発明方法によれば、(A)高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に対して(B)植物組織崩壊酵素による酵素処理を施すことで植物組織崩壊酵素による反応を効率よく進行させることができるため、喉越しの優れた、風味が良好な低粘度野菜汁及び/又は果汁を得ることができる。
本発明では、まず(A)高圧ホモジナイザーを用いて野菜汁及び/又は果汁を処理する。
使用できる高圧ホモジナイザーとしては、例えば、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するもの、処理液の流路の幅を調整しうる均質バルブを有するものなどが挙げられる。
処理液の流路が固定されたチャンバーを有する高圧ホモジナイザーとしては、例えば、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディスク社製,商品名)、ナノマイザー(ナノマイザー社製,商品名)、アルティマイザー〔(株)スギノマシン製,商品名〕などが挙げられる。また、均質バルブを有する高圧ホモジナイザーとしては、高圧ホモジナイザー(APV社製,商品名)、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業(株)製,商品名)、高圧ホモゲナイザー〔(株)イズミフードマシナリ社製,商品名〕などが挙げられる。
高圧ホモジナイザーによる処理圧力は120〜300MPaが好ましく、120〜200MPaがより好ましく、150〜200MPaが最も好ましい。処理圧力が低すぎると剪断力が小さくなるため、その後に行う酵素処理が効率的に進行しない。そこで、処理圧力は120MPa以上が好ましい。一方、処理圧力が高すぎると高圧ホモジナイザー処理時に発生する熱により、果汁あるいは野菜汁の風味劣化が懸念される。そこで、処理圧力は200MPa以内が特に好ましい。なお、300MPaよりさらに高い圧力では、設備負荷が大きくなるため工業化が難しく実用的ではないため、300MPa以内が好ましい。
高圧ホモジナイザー処理温度は、加熱による風味劣化を抑制する観点から、0〜80℃、特に0〜50℃であるのが好ましい。
高圧ホモジナイザーによる処理は、1つのタンクと高圧ホモジナイザーを用いて処理液を循環させる循環方式と、2つのタンクと高圧ホモジナイザーを用いて、処理液を行き来させるパス方式の、どちらを採用しても構わない。本発明においては、すべての液を確実に剪断処理できるパス方式を用いるのが好ましい。
高圧ホモジナイザーによる処理は、複数回(パス)、例えば2〜10回(パス)、繰り返して行うことができる。複数回繰り返すことで、その後に行う酵素処理をより効率的に進めることが可能となる。なお循環方式で処理する場合は、処理液量を処理流量で割った値をパス回数と定義し、この場合も1パス以上の処理を行うことが好ましい。
高圧ホモジナイザー処理を行った野菜汁及び/又は果汁は、原料の野菜汁及び/又は果汁よりも粘度が高くなることがあるが、十分な剪断を行い、かつ酵素処理を効率的に進行させるという点から、粘度(B型粘度計、20℃)が2000mPa・s以下、さらに1000mPa・s以下、特に600mPa・s以下であることが好ましい。また、当該粘度の下限は特に規定されないが、50mPa・s以上、さらに100mPa・s以上、特に200mPa・s以上が好ましい。
また、本発明では、(A)高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に対して(B)植物組織崩壊酵素による酵素処理を行うことが重要である。
本発明で用いる植物組織崩壊酵素とは、植物性農産物に含まれるセルロース、キシランをはじめとするヘミセルロース、ペクチンなどの、分子構造の大きい不溶性食物繊維を低分子に分解する酵素であり、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ(キシラナーゼ)、ペクチナーゼ、などを用いることができる。ただし、これらに限定されない。これらは1種あるいは2種以上で使用することができる。反応効率を向上させるためには、2種以上を使用することが好ましい。好ましい酵素はセルラーゼ、ヘミセルラーゼであり、これらとペクチナーゼとを併用することが好ましい。
前記酵素の使用量は、用いる酵素の活性によっても異なるが、野菜汁及び/又は果汁に対し0.01〜2重量%、さらに0.1〜1重量%が好ましい。
前記酵素の添加時期は、高圧ホモジナイザー処理後の野菜汁及び/又は果汁に酵素が作用できる時期であればよく、高圧ホモジナイザー剪断場通過前及び/又は通過後のいずれでもよい。ただし、高圧ホモジナイザー剪断場通過前に添加する場合は、使用する酵素が圧力処理により失活しないことを予め確認しておく必要がある。
本発明において、酵素処理時間とは、高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に対して植物組織崩壊酵素による酵素処理を施す時間を意味し、下記の(1)〜(3)が全て満たされている状態の時間と定義する。
(1)野菜汁及び/又は果汁に植物組織崩壊酵素が添加されている状態であり、且つ、
(2)野菜汁及び/又は果汁が高圧ホモジナイザーの剪断場を通過した状態であり、且つ、
(3)野菜汁及び/又は果汁に添加した酵素の失活処理が施されていない状態。
上記定義によると、酵素の添加時期が、高圧ホモジナイザー剪断場通過後のみである場合は、最初に加えた酵素の添加時刻が酵素処理開始時刻となる。一方、酵素の添加時期が高圧ホモジナイザー剪断場通過前の場合や剪断場通過前及び後の場合は、処理液を高圧ホモジナイザーの剪断場を初めて通過させる時刻が酵素処理開始時刻となる。このため、その後失活処理がバッチ処理的に一括して施される場合、剪断場を最初に通過する処理液と最後に通過する処理液とでは酵素処理時間に差が生じる。本発明においては、すべての処理液の酵素処理時間が以下の好ましい範囲内に含まれることが望ましい。
すなわち、本発明においては、高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に対して植物組織崩壊酵素による酵素処理を5分以上720分以下施すと良い。好ましい酵素処理時間は10分以上、より好ましくは30分以上であり、540分以下より好ましくは360分以下、さらに好ましくは180分以下である。粘度を充分に低下させ且つ喉越しに優れた野菜汁及び/又は果汁を得る観点から、酵素処理時間は5分以上が好ましい。熱履歴増加に伴う加熱臭の発生や、生産性の低下を避ける観点から、酵素処理時間は720分以下が好ましい。
酵素処理条件については、時間以外は特に限定されないが、反応性の観点から、使用する酵素の至適条件範囲内で行うことが好ましい。具体的には、処理温度は30〜70℃、特に40〜60℃が好ましい。また、処理pHは3〜6、特に3.5〜6が好ましい。攪拌条件は、攪拌により得られる剪断力が高圧ホモジナイザーの剪断力と比較して小さければ特に限定されず、例えば、アンカー翼やプロペラ翼などを用いて、通常用いられる攪拌速度(10〜2000r/min)で行うことができる。
本発明で原料として用いる野菜汁及び/又は果汁は特に限定されないが、ニンジン、大根及び牛蒡などの根菜類;ほうれん草、白菜、キャベツ及びレタスなどの葉菜類;トマトなどの果菜類;バナナ、リンゴ、メロン、みかん及びブドウなどの果実類などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上混合して使用することができる。このうち、本発明は、トマト汁を含有する野菜汁に適用するのが特に好ましい。
原料である野菜汁及び/又は果汁は、野菜及び/又は果物を常法、例えば、スクリュープレスにより搾汁した後、必要に応じて濃度調整を行うことにより得ることができ、その粘度は特に限定されないが、50〜3000mPa・s(B型粘度計,20℃)であるのが好ましく、100〜2000mPa・s(B型粘度計,20℃)であるのがより好ましい。本発明方法によれば、このような粘度の野菜汁及び/又は果汁を、風味を損なうことなく、より低い粘度で喉越し良好な野菜汁及び/又は果汁にすることができる。なお原料である野菜汁及び/又は果汁は必要に応じブランチング等前処理を施すことで原料由来の酵素を失活させておいても良いが、原料由来の酵素は本発明における植物組織崩壊酵素活性と比較して著しく活性が低いものであるため、本発明では原料由来の酵素を失活させておかなくてもそれによって影響されないと見なすことができる。上記(1)の「野菜汁及び/又は果汁に植物組織崩壊酵素が添加されている状態」はあくまでも、別途添加された植物組織崩壊酵素のことを意味している。
本発明方法によって得られる低粘度野菜汁及び/又は果汁の粘度(B型粘度計,20℃)は、原料となる野菜汁及び/又は果汁よりも低く、その値は、喉越しの点から、1〜70mPa・s、さらに1〜60mPa・s、特に1〜50mPa・sであるのが好ましい。
本発明方法により、喉越し感に優れ、かつ食物繊維や機能性の高い脂溶性成分も十分量含有された飲料、特に食物繊維摂取用等の機能性飲料として有用な低粘度野菜汁及び/又は果汁を得ることができる。
[粘度の測定]
内径36mmのガラス容器に試料を投入し、B型粘度計〔(株)トキメック製〕を用いて、液温度20℃,回転数60r/min、保持時間60秒の条件で3回測定し、その平均値を測定値とした。
[実施例1]
トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調整した。このトマト汁498g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
得られた処理物に、セルラーゼ(セルラーゼA「アマノ」3、天野エンザイム(株)製)、ヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼ「アマノ」90、天野エンザイム(株)製)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼPL「アマノ」、天野エンザイム(株)製)、プロトペクチナーゼ(セルロシンME,エイチビィアイ(株)製)をそれぞれ0.5gずつ添加し、3枚プロペラ翼(φ74mm)を用いて300r/minの攪拌下、50℃において120分酵素処理した。その後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させた。
[実施例2、3、4]
高圧ホモジナイザーによる処理圧力をそれぞれ50MPa、100MPa、200MPaと変更し、実施例1と同様の操作を行った(高圧ホモジナイザー処理後温度はそれぞれ35℃、45℃、60℃)。
[実施例5、6、7]
酵素による処理時間をそれぞれ10分、30分、360分と変更し、実施例1と同様の操作を行った。
[実施例8]
トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調整した。このトマト汁498gにセルラーゼ(セルラーゼA「アマノ」3、天野エンザイム(株)製)、ヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼ「アマノ」90、天野エンザイム(株)製)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼPL「アマノ」、天野エンザイム(株)製)、プロトペクチナーゼ(セルロシンME,エイチビィアイ(株)製)をそれぞれ0.5gずつ添加した。この酵素添加トマト汁500g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。この時、1パス当たりの所要時間は3分であった。得られた処理物を、直ちに酵素反応容器に移し、3枚プロペラ翼(φ74mm)を用いて300r/minの攪拌下、50℃において更に120分酵素処理した。すなわち酵素処理時間は、123〜126分であった。その後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させた。
[実施例9]
人参ペーストにイオン交換水を加え、粘度303mPa・sでBrix6.6の人参汁を調製した。この人参汁498g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
得られた処理物に、実施例1と同様に酵素を添加し、同じ条件で酵素処理及び失活処理を行った。
[実施例10]
トマト、人参、及びりんごを含むペーストにイオン交換水を加え、粘度340mPa・sでBrix9.7の野菜・果汁混合汁を調製した。トマト(Brix6)、人参(Brix6)、及びりんご(Brix14)の重量比はそれぞれ40重量%、30重量%、及び30重量%であった。この野菜・果汁混合汁498g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
得られた処理物に、実施例1と同様に酵素を添加し、同じ条件で酵素処理及び失活処理を行った。
[実施例11]
トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調製した。このトマト汁498g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
得られた処理物に、ヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼ「アマノ」90、天野エンザイム(株)製)を1.5g添加し、実施例1と同様に酵素処理及び失活処理を行った。
[実施例12]
トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調製した。このトマト汁498g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
得られた処理物に、セルラーゼ(セルラーゼA「アマノ」3、天野エンザイム(株)製)を1.5g添加し、実施例1と同様に酵素処理及び失活処理を行った。
[実施例13]
トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調製した。このトマト汁498g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
得られた処理物に、セルラーゼ(セルラーゼA「アマノ」3、天野エンザイム(株)製)を1.5g添加し、さらにペクチナーゼ(ペクチナーゼPL「アマノ」、天野エンザイム(株)製)を0.5g添加して、実施例1と同様に酵素処理及び失活処理を行った。
[比較例1]
トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調整した。このトマト汁に高圧ホモジナイザー処理を加えず、実施例1と同じ条件の酵素添加・攪拌を行った。すなわち、前記トマト汁にセルラーゼ(セルラーゼA「アマノ」3、天野エンザイム(株)製)、ヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼ「アマノ」90、天野エンザイム(株)製)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼPL「アマノ」、天野エンザイム(株)製)、プロトペクチナーゼ(セルロシンME,エイチビィアイ(株)製)をそれぞれ0.5gずつ添加し、3枚プロペラ翼(φ74mm)を用いて300r/minの攪拌下、50℃において120分酵素反応させ、その後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させた。
[比較例2]
トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調整した。このトマト汁に、実施例1と同じ条件の高圧ホモジナイザー処理のみ行った。すなわち、このトマト汁498g(処理前温度20℃)を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
[比較例3]
実施例1の条件において高圧ホモジナイザー処理をホモミクサー処理に変更した。すなわち、トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調整した。このトマト汁498gをT.K.ホモミクサーMARKII2.5型(プライミクス(株)製)を用いて、10000r/minで10分間処理した。得られた処理物に、セルラーゼ(セルラーゼA「アマノ」3、天野エンザイム(株)製)、ヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼ「アマノ」90、天野エンザイム(株)製)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼPL「アマノ」、天野エンザイム(株)製)、プロトペクチナーゼ(セルロシンME,エイチビィアイ(株)製)をそれぞれ0.5gずつ添加し、3枚プロペラ翼(φ74mm)を用いて300r/minの攪拌下、50℃において120分酵素反応を行った。その後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させた。
[比較例4]
実施例1の条件において、高圧ホモジナイザー処理前に酵素添加・攪拌を行った。すなわち、トマトペーストにイオン交換水を加え、粘度286mPa・sでBrix6のトマト汁を調整した。このトマト汁498gにセルラーゼ(セルラーゼA「アマノ」3、天野エンザイム(株)製)、ヘミセルラーゼ(ヘミセルラーゼ「アマノ」90、天野エンザイム(株)製)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼPL「アマノ」、天野エンザイム(株)製)、プロトペクチナーゼ(セルロシンME,エイチビィアイ(株)製)をそれぞれ0.5gずつ添加し、3枚プロペラ翼(φ74mm)を用いて300r/minの攪拌下、50℃において120分酵素反応を行った。その後、95℃において3分間保持することにより、酵素を完全に失活させた。得られた処理物を高圧ホモジナイザー(LAB2000,APV社製)を用いて、150MPaの圧力で2パス処理した(処理後温度50℃)。
[比較例5]
実施例9で調製した人参汁に、高圧ホモジナイザー処理を加えず、実施例1と同様に酵素を添加し、同じ条件で酵素処理及び失活処理を行った。
[比較例6]
実施例10で調製した野菜・果汁混合汁に、高圧ホモジナイザー処理を加えず、実施例1と同様に酵素を添加し、同じ条件で酵素処理及び失活処理を行った。
実施例1〜13及び比較例1〜6により得られた野菜汁及び/又は果汁の物性を表1に示す。
Figure 2008301811
[喉越し、加熱臭、総合評価]
5.極めて良好。
4.良好。
3.問題ない。
2.好ましくないが問題ない。
1.極めて好ましくない。
表1から明らかなように、高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に、植物組織崩壊酵素を作用させ酵素処理した野菜汁及び/又は果汁は、粘度が低く、喉越しが良好になる。特に、高圧ホモジナイザーの処理圧力が高圧力であると粘度低下率と喉越し感が向上する。

Claims (5)

  1. 野菜汁及び/又は果汁に対する
    (A)高圧ホモジナイザー処理、及び、
    (B)植物組織崩壊酵素による酵素処理
    を含む低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法であって、(A)高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に(B)植物組織崩壊酵素による酵素処理を施す工程が含まれることを特徴とする低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
  2. 高圧ホモジナイザー処理の処理圧力が120〜300MPaである請求項1記載の低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
  3. 野菜汁がトマト汁を含むものである請求項1又は2記載の低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法で製造された低粘度野菜汁及び/又は果汁。
  5. 20℃における粘度が1〜70mPa・sである、請求項4記載の低粘度野菜汁及び/又は果汁。
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