JP4956187B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
これらの中でも、液体燃料の供給に毛管力を利用した各液体燃料電池等が知られている(例えば、特許文献3〜7参照)。
これらの各特許文献に記載される液体燃料電池は、燃料タンクから液体燃料を毛管力で燃料極に供給するため、液体燃料を圧送するためのポンプを必要としないなど小型化に際してメリットがある。
また、燃料タンクの材質として、通常の樹脂、例えば、ポリエチレンなどを利用した場合、長期間の保管の際に、樹脂自体が液体燃料を透過することにより、また、燃料タンクの部品の継ぎ手等から液体燃料の蒸発、漏洩が起こり、燃料の損失が起こり得ることが考えられる。ここで、燃料の蒸発、漏洩を防止するために樹脂部材を一つ一つ、蒸発、漏洩がなくなるくらいに厚みを持って構成させると、前記した燃料電池本体の小型化の目的を達成できないばかりか、液体燃料の残量確認がし辛くなるという課題が生じる。更にまた、燃料タンクを構成する材質に金属、ガラスなどの材料を用いた場合において、金属製では、燃料の残量確認が不可能で燃料タンク内の燃料の残量確認ができず、また、ガラス製では、加工や組立時の管理が面倒でコスト高となり、変形、破壊が起こりやすくなるなどの課題がある。
また、液体燃料の見掛けの沸点を上昇させる方法としては、燃料貯蔵槽全体を加圧する方法が考えられる。この場合、加圧に耐えられる燃料貯蔵槽を構成する材料としては、金属、ガラス、通常の樹脂などが考えられるが、上述したように、金属では液体燃料の残量確認ができない、ガラスでは、加工や組立時の管理が面倒でコスト高となり、樹脂では、液体燃料及び加圧用ガスの蒸発又は漏洩が起こり易いとう、夫々の課題があり、変形等も起こり易いという課題がある。
しかしながら、この液体燃料を加圧ガスにより供給する燃料電池では、液体燃料を燃料供給路に設けた流量制御バルブで調整するものであるため、装置の大型化を招き、携帯型の機器への搭載には未だ課題があるものであり、また、容器を上下左右等に傾けると液体燃料の供給がうまく供給できず、発電効率に悪影響を及ぼすなどの課題があるのが現状である。
該液体燃料貯蔵槽には、該液体燃料が収容される筒状の燃料収容容器と、該燃料収容容器の下部に設けられた燃料流出弁を有する燃料流出部と、該燃料収容容器に収容される該液体燃料の後端部に配置され、該液体燃料の消費に伴い移動する追従体と、を有する液体燃料貯蔵体と、
該液体燃料貯蔵体の周囲の空間部を介して該液体燃料貯蔵体の少なくとも一部を内包し、後端部が閉鎖された収納箱体と、該空間部に封入された加圧ガスと、が設けられている構造とすることにより、上記目的の燃料電池が得られることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
(1) 燃料電池本体と、液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵槽と、該液体燃料貯蔵槽に接続される浸透構造を有し、該液体燃料を該燃料電池本体に供給する燃料供給体と、を備え、
該液体燃料貯蔵槽には、該液体燃料が収容される後端が開放された筒状の燃料収容容器と、該燃料収容容器の下部に設けられた燃料流出弁を有する燃料流出部と、該燃料収容容器に収容される該液体燃料を該燃料流出部とで挟み、該液体燃料を封止すると共に、該液体燃料の消費に伴い移動する追従体と、を有する液体燃料貯蔵体と、該液体燃料貯蔵体の周囲の空間部を介して該液体燃料貯蔵体の少なくとも一部を内包し、かつ、該筒状の燃料収容容器の後端部を閉鎖する収納箱体と、該空間部に封入された加圧ガスと、が設けられていることを特徴とする燃料電池。
(2) 通気管と、該通気管を介して該空間部内の該加圧ガスを加圧する加圧手段と、をさらに有する上記(1)記載の燃料電池。
(3) 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、ガス不透過性の材質からなる上記(1)又は(2)記載の燃料電池。
(4) 前記燃料収容容器は、少なくとも液体燃料と接触する壁面が液体燃料の表面自由エネルギーよりも低く調整されている上記(3)に記載の燃料電池。
(5) 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、光線透過率が50%以上である材質で形成されている上記(3)又は(4)に記載の燃料電池。
(6) 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、100cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)以下の酸素ガス透過度の材質で形成されている上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の燃料電池。
(7) 前記ガス不透過性の材質がポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン、セロハン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルの単独若しくは2種以上のガス不透過性樹脂からなる上記(3)〜(6)の何れか一つに記載の燃料電池。
(8) 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、樹脂層が2層以上の多層構造であり、樹脂層の少なくとも1層がガス不透過性の樹脂である上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の燃料電池。
(9) 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、ガス不透過性の樹脂を塗布することで多層構造を形成してなる上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の燃料電池。
(10) 前記ガス不透過性の樹脂層の厚さが10〜2000μmである上記(8)又は(9)に記載の燃料電池。
(11) 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、ガス不透過性の薄膜部材で被覆してなる上記(1)〜(10)の何れか一つに記載の燃料電池。
(12) 前記ガス不透過性の薄膜部材が金属箔、金属酸化物蒸着物、ダイアモンドライクカーボンコーティング物から選ばれる少なくとも1種である上記(11)に記載の燃料電池。
(13) 前記収納箱体の少なくとも一部には、前記燃料貯蔵槽が高温下に曝された際に、前記空間部に封入された前記加圧ガスの少なくとも一部を前記燃料貯蔵槽の外に逃がす崩壊部が形成されている上記(1)〜(12)の何れか一つに記載の燃料電池。
(14) 前記収納箱体は、少なくとも2部品以上の部材を接合することにより形成され、該部品間の接合力の少なくとも一つは、前記液体燃料供給弁の接合力よりも小さく設定されている上記(1)〜(13)の何れか一つに記載の燃料電池。
(15) 前記燃料貯蔵槽は、前記燃料電池本体に連結自在となるカートリッジ構造体からなる上記(1)〜(14)の何れか一つに記載の燃料電池。
(16) 前記燃料電池本体は、燃料電極体の外表部に電解質層を構築し、該電解質層の外表部に空気電極層を構築することで形成される単位セルが複数連結されると共に、上記単位セルには前記燃料貯蔵槽に接続される前記燃料供給体が連結されて前記液体燃料が供給される構成となる上記(1)〜(15)の何れか一つに記載の燃料電池。
なお、本発明(後述する実施例等含む)で規定する「光線透過率」とは、JIS K 7105−1981に規定により測定される光線透過率をいう。
請求項2〜16の発明によれば、燃料電池本体に直接液体燃料を更に安定的に供給できると共に、燃料の使用状況を容易に視認でき、保管時に液体燃料の損失が極めて少なく、しかも、高温の環境に放置されても液体燃料の沸騰及び蒸発が更に起こりにくい燃料電池が得られることとなる。
F 液体燃料
G 加圧ガス
10 燃料貯蔵槽
11 液体燃料貯蔵体
12 燃料収容容器
13 燃料流出部
13a 燃料流出弁
14 追従体
15 空間部
16 収納箱体
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示す燃料電池の図面であり、図1は全体の概略断面図、図2は燃料貯蔵槽の縦断面図、図3は燃料流出部に備わる燃料流出弁の弁体構造の説明図であり、図4は第1実施形態の燃料電池の燃料単位セルの説明図である。
本第1実施形態の燃料電池は、図1〜図3に示すように、燃料電池本体Nに連結自在となる液体燃料Fを貯蔵する燃料貯蔵槽10を有し、該燃料貯蔵槽10に接続される浸透構造を有する燃料供給体30を介して燃料電池本体Nに液体燃料Fが供給される構造の燃料電池Aであって、上記燃料貯蔵槽10は、液体燃料貯蔵体11と、該液体燃料貯蔵体11の少なくとも一部を空間部15を介して内包する閉鎖された収納箱体16とを備え、上記液体燃料貯蔵体11には液体燃料Fを収容する筒状(チューブ型)の燃料収容容器12と、該燃料収容容器12の下部に設けた燃料流出弁を有する燃料流出部13と、上記燃料収容容器12に収容された状態の液体燃料Fの後端部に、該液体燃料を封止すると共に、液体燃料の消費に伴い移動する追従体14とを有し、上記液体燃料貯蔵体11と収納箱体16との間に設けた空間部15内には液体燃料Fを加圧する加圧ガスGが封入された構造となるものである。
また、これらの液体燃料の濃度は、燃料電池の構造、特性等により種々の濃度の液体燃料を用いることができ、例えば、1〜100%濃度の液体燃料を用いることができる。
更に、液体燃料の残量を視認できるように光線透過性を有することが望ましい。液体燃料の残量視認が可能な光線透過性は、材質やその厚みに関わりなく、光線透過率が50%以上あれば内容物の視認が可能である。更に好ましくは、80%以上の光線透過性があれば実用上問題はなく、液体燃料の視認性が更に向上することとなる。
また、液体燃料の漏洩及び蒸発防止、空気などの燃料貯蔵槽への浸入防止については、ガス不透過性の材質から構成されることが好ましく、更に好ましくは、酸素ガス透過度(酸素ガス不透過性)が100cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)以下であれば実使用上問題はない。
特に好ましくは、ガス不透過性であり、光線透過率が80%以上となるポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリルニトリル、セロハン、ポリ塩化ビニリデンが望ましい。
また、これらの成形により設けられる少なくとも1層のガス不透過層の代わりに、前記した樹脂群から選ばれる樹脂の溶液などを塗布してガス不透過層を設けることもできる。この塗布方法では、上記押出し成形、射出成形などの成形による製造よりも特殊な製造設備を必要とせず、逐次製造することが可能である。
また、前記した樹脂による成形又は塗布によるガス不透過層の代わりに、ガス不透過性のフィルムなどのガス不透過薄膜部材によって被覆することができる。被覆するガス不透過薄膜部材としては、好ましくは、アルミ箔などの金属箔、アルミナ、シリカなどの金属酸化物蒸着物、ダイアモンドライクカーボンコーティング物から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、これらの不透過薄膜部材で燃料収容容器12の外表面部を被覆することにより、上述のとおりのガス不透過性を発揮させることができる。なお、この不透過薄膜部材の厚みは、上記と同様に10〜2000μmとすることが望ましい。また、上記ガス不透過薄膜部材が視認性を有しない部材、例えば、アルミ金箔などの場合は、ガス不透過性を損なわない程度に一部施さず、格子状、ストライプ状等に被覆して、覗き窓部を設けこの覗き窓部に光線透過性を有するガス不透過性フィルムを被覆してガス不透過性と視認性を確保することもできる。
この弁体13aは、液体燃料供給部材を挿入することで燃料収容容器12と内部とを連通させ、燃料収容容器12内部の液体燃料Fを外部へ供給させる直線状のスリットからなる連通部13bが形成されると共に、前記弁体13aが燃料流出部13又は弁体アダプターに収納された際に、弁体外縁部13cにより弁体13aが径方向に圧縮されることで、前記連通部13cに圧縮力が作用するようにしたものであり、本実施形態では図3(b)に示すように楕円状であって、短径方向Yに連通部となるスリット13bを設け、長径方向Xに外縁部13cを圧縮するようにとしたものであり、スリット13bが閉じる方向に圧縮力が作用する。
前記燃料流出部13には、図2(d),(e)に示すようなアダプター13eが設けられ、アダプター13eは筒状に形成され、その内周面にストッパー部13f,13fが形成された本体部13gと、筒状に形成された固定部材13hとからなり、ストッパー部13fと固定部材13hとの間で上記構成の弁体13aを挟持してなるものである。
弁体13aとアダプター13eとの組合せに関して、図3に示すように、楕円形状のスリット弁と円形状のアダプターの場合が挙げられ、また、逆に、円形状のスリット弁と楕円形状のアダプターとしてもよく、この場合、スリット弁のスリット方向をアダプターの長径とすることが必要である。
この構造の弁体13aにより、使用休止(未使用)時にも空気などの異物の浸入を防止する構造となっている。これは、空気などの浸入により液体燃料収容容器12内の圧力増加などによる燃料漏れ、噴出しなどの事故を防止するためである。
これらの弁体13a、アダプター体13eの材料としては、収容される液体燃料Fに対して保存安定性、耐久性、ガス不透過性、燃料供給管に密着できる弾性を有し、上記特性を有するものであれば、特に限定されず、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリルニトリル、ナイロン、セロハン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、二トリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどのゴム、熱可塑性エラストマーが挙げられ、通常の射出成形や加硫成形などによって製造することができる。
この追従体14としては、液体燃料Fに対し溶解、拡散しないことが要求される。液体燃料Fに対し溶解、拡散してしまうような場合、燃料貯蔵槽となる燃料収容容器12内の液体燃料が漏出、蒸発してしまい燃料貯蔵槽としての役割を果たせないばかりか、液体燃料Fによって追従体14を構成する物質が燃料電池本体の燃料極に浸入し、反応に悪影響が出ることが考えられる。更に、追従体14は表面自由エネルギーが液体燃料Fよりも低いことが望ましく、燃料収容容器12と追従体14との隙間に液体燃料が侵入、外部へ漏洩することを更に防止できる構成としてもよい。これらの条件を勘案して、本発明に用いる追従体14の材料、表面状態などを適宜選択して好ましい追従体を製造することができる。
この追従体14の材料としては、例えば、鉱油、ポリグリコール、ポリエステル、ポリブテン、シリコーン油などの石油類、脂肪族金属石鹸、変性クレー、シリカゲル、カーボンブラック、天然または合成ゴムおよび各種の合成ポリマーなどに溶剤などを加えることにより増粘させたものを挙げることができる。
また、追従体14と液体燃料11の逆転を防止、大容量の液体燃料を収容した場合の追従性の更なる向上を発揮するために追従体14と液体燃料Fの間に追従補助部材を設けてもよい。
この加圧ガスは、後端が開放された収容容器12内に収容される追従体14を含む液体燃料Fを加圧するものであり、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスからなり、その加圧状態としては、燃料流出部13から液体燃料Fを良好に流出させる点、高温の環境下に放置されて当該空間部15で、燃料を加圧し、液体燃料の沸騰及び蒸発が起こりにくくする点、カートリッジ自体の耐久性確保の点から、1200〜3000hPaの加圧状態とすることが望ましい。
この空間部15の容積としては、燃料流出部13から液体燃料Fを良好に流出させる点、高温の環境下に放置されて当該空間部で熱伝導をしにくくせしめて液体燃料の沸騰及び蒸発が起こりにくくする点から、液体燃料の収容容積に対して、1.5〜6倍とすることが望ましい。
これらの構造を採用することにより、空間部15が高温下等の状態で想定外の圧力になった場合に、接合部材16cの接合部分で最初の嵌合又は接合の崩壊(破壊)が置き、燃料流出部13の弁から燃料供給体30へ、突発的な燃料の吹き出しが起こらないようにすることができる。
すなわち、燃料電池本体Nは、図1に示すように、微小炭素多孔体よりなる燃料電極体21の外表部に電解質層23を構築し、該電解質層23の外表部に空気電極層24を構築することで形成される単位セル(燃料電池セル)20,20と、燃料貯蔵槽10に接続される浸透構造を有する燃料供給体30と、該燃料供給体30の終端に設けられる使用済み燃料貯蔵槽40とを備え、上記各単位セル20、20は直列に連結されて燃料供給体30により燃料が順次供給される構造となっており、前記燃料貯蔵槽10は、交換可能なカートリッジ構造体となっており、燃料電池本体Nの支持体17に挿入される構造となっている。
単位セルとなる各燃料電池セル20は、図4(a)及び(b)に示すように、微小柱状の炭素多孔体よりなる燃料電極体21を有すると共に、その中央部に燃料供給体30を貫通する貫通部22を有し、上記燃料電極体21の外表部に電解質層23が構築され、該電解質層23の外表部に空気電極層24が構築される構造からなっている。なお、各燃料電池セル20の一つ当たり、理論上約1.2Vの起電力を生じる。
また、この燃料電極体21の外表部には、白金−ルテニウム(Pt−Ru)触媒、イリジウム−ルテニウム(Ir−Ru)触媒、白金−スズ(Pt−Sn)触媒などが当該金属イオンや金属錯体などの金属微粒子前駆体を含んだ溶液を含浸や浸漬処理後還元処理する方法や金属微粒子の電析法などにより形成されている。
また、空気電極層24としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等を上述の金属微粒子前駆体を含んだ溶液等を用いた方法で担持させた多孔質構造からなる炭素多孔体が挙げられる。
また、燃料供給体30により供給される液体燃料は、燃料電池セル20で反応に供されるものであり、燃料供給量は、燃料消費量に連動しているため、未反応で電池の外に排出される液体燃料は殆どなく、従来の液体燃料電池のように、燃料出口側の処理系を必要としないが、運転状況により供給過剰時に至った際には、反応に使用されない液体燃料が貯蔵槽40に蓄えられ阻害反応を防ぐことができる構造となっている。
なお、50は、燃料貯留体Aと使用済み燃料貯蔵槽40を連結すると共に、燃料貯蔵槽10から各単位セル20、20の個々に燃料供給体30を介して直接液体燃料を確実に供給するメッシュ構造などからなる部材である。
本実施形態の燃料電池Aでは、燃料電池本体Nに連結自在となる燃料貯蔵槽10には、液体燃料貯蔵体11と、該液体燃料貯蔵体11の少なくとも一部を空間部15を介して内包する閉鎖された収納箱体16とを備え、上記液体燃料貯蔵体11には液体燃料Fを収容する筒状(チューブ型)の燃料収容容器12と、該燃料収容容器12の下部に設けた燃料流出弁を有する燃料流出部13と、上記燃料収容容器12に収容される液体燃料Fの後端部に、該液体燃料を封止すると共に、液体燃料の消費に伴い移動する追従体14とを有し、上記液体燃料貯蔵体11と収納箱体16との間に設けた空間部15内には液体燃料Fを加圧する加圧ガスGが封入された構造となるので、燃料電池全体のカートリッジ化が可能となり、しかも、燃料の使用状況を容易に視認でき、かつ、外部からの与圧によらなくとも、燃料貯蔵体11と収納箱体16とにより形成される空間部15内に封入されている加圧ガスにより与圧されているため、外部に与圧のための装置を設けなくとも、高温の環境下で液体燃料の沸騰、蒸発をしにくくさせることが可能である。また、燃料貯蔵体11の周囲の空間に収納箱体16を設けているため、貯蔵されている液体燃料の体積と比較して、加圧ガスの体積を大きくとっているために、液体燃料の減少に伴なう与圧の減少が少なくなるようになっており、燃料電池の使用中に貯蔵されている液体燃料の沸点降下を小さくすることができる。
このように、本実施形態の燃料電池における燃料貯蔵槽10は、外部に与圧のための装置を設けることなく、該燃料貯蔵槽を単独で高温の環境下において放置した場合でも液体燃料の沸騰、蒸発をしにくくすることができる。
上記したように、本実施形態では加圧手段として外部に与圧のための装置を設けない場合について説明をしたが、加圧手段として燃料貯蔵槽の外部に与圧のための装置を設けることが許される場合には、燃料貯蔵槽の外部に与圧のための装置を設けても良いものである。特に図示はしないが、この場合、燃料貯蔵槽の収容箱体16及び収容箱体を構成する部材16a〜16dのどこでも、空間部15及び与圧のための装置とを連通させることが可能な連通用の部材を設けることが望ましい。該連通用の部材としては、弁体や通気管等が挙げられるが、与圧力の調整を行う場合などを考え、圧力調整に対する反応の良い通気管を設けることが好ましい。更に、連通部材の何れかの部分に加圧ガスを遮断するコック等を設けても良いものである。
また、収納箱体16の少なくとも一部に、燃料貯蔵槽が高温下に曝された際に、空間部に封入された加圧ガスを外気に逃がす崩壊部を形成すれば、空間部15が更なる高温下等の状態で想定外の圧力になった場合に、接合部材16cの接合部分で最初の嵌合又は接合の崩壊(破壊)が置き、燃料流出部13の弁体から燃料供給体30へ、突発的な燃料の吹き出しが起こらないようにすることができる。
更に、この燃料電池では、ポンプやブロワ、燃料気化器、凝縮器等の補器を特に用いることなく、液体燃料を気化せずそのまま円滑に供給することが出来る構造となるため、更に燃料電池の小型化を図ることが可能となる。
従って、この形態の燃料電池では、燃料電池全体のカートリッジ化が可能となり、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯用電子機器の電源として用いられることができる小型の燃料電池が提供されることとなる。
なお、上記形態では、燃料電池セル20を二つ使用した形態を示したが、燃料電池の使用用途により燃料電池セル20の連結(直列又は並列)する数を増加させて所要の起電力等とすることができる。また、液体燃料Fが消費されて燃料貯蔵槽10から無くなれば、別の新たな液体燃料Fが収容された燃料貯蔵槽10を連結して燃料電池を稼動させる。
この第2実施形態の燃料電池Bは、図5(a)〜(c)に示すように、上記第1実施形態の燃料貯蔵槽10の燃料流出部13の弁体13aを、スプリング部材やバネ部材などの弾性体によって閉じられ、液体燃料供給部材の挿入により開かれる構造の弁体とした点でのみ、上記第1実施形態と相違するものであり、上記第1実施形態と同様の作用効果を発揮するものである。
この弁体60は、本体部61にバルブ受け部61aを有し、スプリング部材やバネ部材などの弾性体62により断面逆T字状のバルブ部材63がバルブ受け部61に常時付勢されて閉じられており、液体燃料供給部材30の挿入により開かれて液体燃料が供給される構造となっている。
このように構成される燃料貯蔵槽10を用いた第2実施形態の燃料電池も、上記第1実施形態と同様に、燃料貯蔵槽10から燃料流出部13の弁体60に挿入された燃料供給体30に供給され、浸透構造により、液体燃料を燃料電池セル20、20内に導入するものである。
本第2実施形態の燃料電池Bにおいても、外部に与圧のための装置を設けることなく、高温の環境下で放置した場合でも液体燃料の沸騰、蒸発をしにくくすることができ、しかも、燃料電池本体の燃料極に直接液体燃料を安定的に供給、保管時に液体燃料の損失がなく、しかも、燃料の使用状況を容易に視認でき、かつ、燃料電池の小型化をなし得ることができる燃料電池が得られることとなる。
上記したように、本実施形態では加圧手段として外部に与圧のための装置を設けない場合について説明をしたが、加圧手段として燃料貯蔵槽の外部に与圧のための装置を設けることが許される場合には、燃料貯蔵槽の外部に与圧のための装置を設けても良いものである。特に図示はしないが、この場合、燃料貯蔵槽の収容箱体16及び収容箱体を構成する部材16a〜16dのどこでも、空間部15及び与圧のための装置とを連通させることが可能な連通用の部材を設けることが望ましい。該連通用の部材としては、弁体や通気管等が挙げられるが、与圧力の調整を行う場合などを考え、圧力調整に対する反応の良い通気管を設けることが好ましい。更に、連通部材の何れかの部分に加圧ガスを遮断するコック等を設けても良いものである。
この形態は、図6及び図7に示すように、燃料流出部13の弁体13aに挿入される燃料供給管31を介して燃料供給体30に接続される点、追従体14内にPP製の樹脂体からなる追従補助部材14aを備えた点などで、上記第1実施形態と相違するものであり、上記第1実施形態と同様の作用効果を発揮するものである。
なお、図示しないが、燃料供給体30の先端(図6、図7の矢印方向)には、上記第1実施形態(図3)と同様に燃料電池セル20、20…に直列又は並列に接続される構造となっている。
この第3実施形態の燃料電池Cにおいても、外部に与圧のための装置を設けることなく、高温の環境下で放置した場合でも液体燃料の沸騰、蒸発をしにくくすることができ、しかも、燃料電池本体の燃料極に直接液体燃料を安定的に供給、保管時に液体燃料の損失がなく、しかも、燃料の使用状況を容易に視認でき、かつ、燃料電池の小型化をなし得ることができる燃料電池が得られることとなる。
上記したように、本実施形態では加圧手段として外部に与圧のための装置を設けない場合について説明をしたが、加圧手段として燃料貯蔵槽の外部に与圧のための装置を設けることが許される場合には、燃料貯蔵槽の外部に与圧のための装置を設けても良いものである。特に図示はしないが、この場合、燃料貯蔵槽の収容箱体16及び収容箱体を構成する部材16a〜16dのどこでも、空間部15及び与圧のための装置とを連通させることが可能な連通用の部材を設けることが望ましい。該連通用の部材としては、弁体や通気管等が挙げられるが、与圧力の調整を行う場合などを考え、圧力調整に対する反応の良い通気管を設けることが好ましい。更に、連通部材の何れかの部分に加圧ガスを遮断するコック等を設けても良いものである。
この第4実施形態は、図8に示すように、燃料貯蔵槽10は、同一構造となる3個の液体燃料貯蔵体11を使用し、これらの液体燃料貯蔵体11と収納箱体16との間に設けた大空間部15a内に液体燃料Fを加圧する加圧ガスGを封入した構造とした点、並びに、燃料流出部13の弁体13aに挿入される燃料供給管31を介して燃料供給体30に接続される点、追従体14内にPP製の樹脂体からなる追従補助部材14aを備えた点、燃料貯蔵槽10の大空間部15a内の加圧ガスGを加圧する加圧手段として燃料貯蔵槽10の外部に与圧のための与圧装置70を設けると共に、この与圧装置70に燃料貯蔵槽10の収容箱体16を構成する部材16d及び大空間部15aに連通する連通用の部材である通気管71を取り付けた点、この通気管71に加圧ガスの供給を遮断するコック72を設けた点などで、上記第1実施形態と相違するものである。
なお、図示しないが、燃料供給体30の先端(図9の矢印方向)には、上記第1実施形態(図3)と同様に燃料電池セル20、20…に直列又は並列に接続される構造となっている。
また、本実施形態では、燃料貯蔵槽10の大空間部15a内の加圧ガスGを加圧する加圧手段として燃料貯蔵槽10の外部に与圧のための与圧装置70及びコック71が設けられているので、燃料電池本体の燃料極に直接液体燃料を更に安定的に供給することができ、また、保管時に液体燃料の損失がない燃料電池とすることができる。なお、本実施形態では、加圧ガスGを加圧する加圧手段として燃料貯蔵槽10の外部に与圧のための与圧装置70を設けた場合について説明したが、上記第1実施形態と同様に、外部に与圧のための装置を設けることなく実施してもよいものである。
例えば、燃料電池セル20は円柱状のものを用いたが、角柱状、板状の他の形状のものであってもよく、また、燃料供給体30との接続は直列接続のほか、並列接続であってもよい。
また、上記実施形態では、直接メタノール型の燃料電池として説明したが、燃料電池本体に連結自在となる本発明の構造となる燃料貯蔵槽10を備えたものであれば、本発明は上記直接メタノール型の燃料電池に限定されるものではなく、改質型を含む高分子改質膜型の燃料電池にも好適に適用することができるものであり、更に、大容量(例えば、100ml以上)の液体燃料を搭載する場合にチューブ型等の燃料収容容器の径を大きくした場合には、それに伴なって追従体の量を増加させたり、または、第3実施形態のように追従補助部材を挿入して、追従体の追従を追従切れを起こすことなく、良好に追従させることができる。
更に、燃料電池本体として、微小炭素多孔体よりなる燃料電極体の外表部に電解質層を構築し、該電解質層の外表部に空気電極層を構築することで燃料電池本体を構成したが、燃料電池本体の構造は特に限定されず、例えば、電気導電性を有する炭素質多孔体を基材とし、該基材の表面に電極/電解質/電極の各層を形成した単位セル又は該単位セルを2以上連結した連結体を備え、上記基材に燃料供給体を介して液体燃料を浸透させる構成とすると共に、基材の外表面に形成される電極面を空気に曝す構造からなる燃料電池本体としてもよいものである。
(実施例1)
下記及び図2に準拠する構成の燃料貯蔵槽を作製した。
(燃料貯蔵槽10の構成)
燃料収容容器12:長さ100mm、外径8mm、内径6mm、ポリプロピレン製押出チューブ〔光線透過率95%、酸素ガス透過度2500cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕
液体燃料F:70wt%メタノール液(比重0.872)2g充填。
追従体の組成:
以下の配合組成となるゲル状追従体(比重0.90)を用いた。
鉱油:ダイアナプロセスオイル MC−W90(出光興産社製) 93重量部
疎水性シリカ:アエロジル R−974D 6重量部
(日本アエロジル社製、BET表面積200m2/g)
シリコーン系界面活性剤:SILWET FZ−2171 1重量部
(日本ユニカー社製)
収納箱体16:長さ120mm、外径14mm、内径12mm、ポリプロピレン製押出チューブ〔光線透過率95%、酸素ガス透過度2500cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕の両端をポリプロピレン製の蓋を用いて密閉した容器。
空間部15の容積10ml
充填加圧ガスG:窒素ガス、3000hPa
燃料流出部(弁体、図3に準拠):長さ5mm、外径6mm、内径1mm、ブチルゴム製、スリット長さ1.5mm
上記実施例1において、燃料貯蔵槽10の燃料収容容器12、収納箱体16を下記の構成に変更した以外は、上記実施例1と同様である。
燃料収容容器11:外側表面部にポリビニルアルコール〔酸素ガス透過度0.1cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕を塗布した、長さ100mm、外径8mm、内径6mm、ポリプロピレン製チューブ〔光線透過率95%、酸素ガス透過度2500cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕。ポリビニルアルコールの膜厚20μmであった。
収納箱体16:外側表面部にポリビニルアルコール〔酸素ガス透過度0.1cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕を塗布した、長さ120mm、外径14mm、内径12mm、ポリプロピレン製チューブ〔光線透過率95%、酸素ガス透過度2500cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕の両端をポリプロピレン製の蓋を用いて密閉した容器。ポリビニルアルコールの膜厚20μmであった。
下記及び図2に準拠する構成の燃料貯蔵槽を作製した。
(燃料貯蔵槽10の構成)
燃料収容容器12:長さ100mm、外径8mm、内径6mmで、内層をエチレンビニルアルコール共重合樹脂〔EVOH:酸素ガス透過度0.5cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕、外層をポリプロピレン〔酸素ガス透過度2500cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕との共押出チューブ〔光線透過率95%〕。EVOHの膜厚は、100μmであった。
液体燃料F:70wt%メタノール液(比重0.872)2g充填。
追従体の組成:実施例1に同じ。
収納箱体16:長さ120mm、外径14mm、内径12mmで、内層をエチレンビニルアルコール共重合樹脂〔EVOH:酸素ガス透過度0.5cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕、外層をポリプロピレン〔酸素ガス透過度2500cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕との共押出チューブ〔光線透過率95%〕の両端をポリプロピレン製の蓋を用いて密閉した容器。EVOHの膜厚は、100μmであった。
空間部15の容積10ml
充填加圧ガスG:窒素ガス、3000hPa
燃料流出部(弁体、図3に準拠):実施例1に同じ。
上記実施例1において、燃料貯蔵槽10の燃料収容容器12、収納箱体16を下記の構成に変更した以外は、上記実施例1と同様である。
燃料収容容器12:長さ100mm、外径8mm、内径6mmのポリプロピレンチューブにシリカ蒸着フィルム(GL−N、凸版印刷社製)を巻きつけたチューブ〔光線透過率95%、酸素ガス透過度100cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕。
収納箱体16:長さ120mm、外径14mm、内径12mmのポリプロピレン製押出チューブ〔光線透過率95%、酸素ガス透過度2500cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕にシリカ蒸着フィルム(GL−N、凸版印刷社製)を巻きつけたチューブ〔光線透過率95%、酸素ガス透過度100cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)〕の両端をポリプロピレン製の蓋を用いて密閉した容器。
上記実施例1において、燃料貯蔵槽10の燃料収容容器12に上記実施例1の液体燃料、追従体を充填した収納箱体16を含まない単一構造の燃料収容容器11のみを用いた。
弁体13aに燃料排出弁(外径1mm、内径0.7mm、ステンレス製)を挿入し、1ml/minの流速で燃料を排出した。排出された燃料の重量を測定し、燃料排出率とし、下記評価基準により評価した。
評価基準:
○:燃料排出率が95%以上〜100%。
△:燃料排出率が70%以上〜95%未満。
×:燃料排出率が70%未満。
各燃料槽を、60℃の恒温槽に30分間放置した後、燃料収容容器の状態を目視にて、下記評価基準により評価した。
評価基準:
○:燃料収容容器及び燃料に変化なし。
△:燃料収容容器ないの燃料に気泡が発生している。
×:燃料が沸騰し、追従体が移動し、燃料がこぼれている。
Claims (16)
- 燃料電池本体と、
液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵槽と、
該液体燃料貯蔵槽に接続される浸透構造を有し、該液体燃料を該燃料電池本体に供給する燃料供給体と、
を備え、
該液体燃料貯蔵槽には、該液体燃料が収容される後端が開放された筒状の燃料収容容器と、該燃料収容容器の下部に設けられた燃料流出弁を有する燃料流出部と、該燃料収容容器に収容される該液体燃料を該燃料流出部とで挟み、該液体燃料を封止すると共に、該液体燃料の消費に伴い移動する追従体と、を有する液体燃料貯蔵体と、
該液体燃料貯蔵体の周囲の空間部を介して該液体燃料貯蔵体の少なくとも一部を内包し、かつ、該筒状の燃料収容容器の後端部を閉鎖する収納箱体と、
該空間部に封入された加圧ガスと、
が設けられていることを特徴とする燃料電池。 - 通気管と、該通気管を介して該空間部内の該加圧ガスを加圧する加圧手段と、をさらに有する請求項1記載の燃料電池。
- 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、ガス不透過性の材質からなる請求項1又は2記載の燃料電池。
- 前記燃料収容容器は、少なくとも液体燃料と接触する壁面が液体燃料の表面自由エネルギーよりも低く調整されている請求項3に記載の燃料電池。
- 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、光線透過率が50%以上である材質で形成されている請求項3又は4記載の燃料電池。
- 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、100cc・25μm/m2・24hr・atm(25℃、65%RH)以下の酸素ガス透過度の材質で形成されている請求項1〜5の何れか一つに記載の燃料電池。
- 前記ガス不透過性の材質がポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン、セロハン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルの単独若しくは2種以上のガス不透過性樹脂からなる請求項3〜6の何れか一つ記載の燃料電池。
- 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、樹脂層が2層以上の多層構造であり、樹脂層の少なくとも1層がガス不透過性の樹脂である請求項1〜7の何れか一つに記載の燃料電池。
- 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、ガス不透過性の樹脂を塗布することで多層構造を形成してなる請求項1〜8の何れか一つに記載の燃料電池。
- 前記ガス不透過性の樹脂層の厚さが10〜2000μmである請求項8又は9に記載の燃料電池。
- 前記燃料収容容器及び前記収納箱体は、ガス不透過性の薄膜部材で被覆してなる請求項1〜10の何れか一つに記載の燃料電池。
- 前記ガス不透過性の薄膜部材が金属箔、金属酸化物蒸着物、ダイアモンドライクカーボンコーティング物から選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載の燃料電池。
- 前記収納箱体の少なくとも一部には、前記燃料貯蔵槽が高温下に曝された際に、空間部に封入された前記加圧ガスの少なくとも一部を前記燃料貯蔵槽の外に逃がす崩壊部が形成されている請求項1〜12の何れか一つに記載の燃料電池。
- 前記収納箱体は、少なくとも2部品以上の部材を接合することにより形成され、該部品間の接合力の少なくとも一つは、前記液体燃料供給弁の接合力よりも小さく設定されている請求項1〜13の何れか一つに記載の燃料電池。
- 前記燃料貯蔵槽は、燃料電池本体に連結自在となるカートリッジ構造体からなる請求項1〜14の何れか一つに記載の燃料電池。
- 前記燃料電池本体は、燃料電極体の外表部に電解質層を構築し、該電解質層の外表部に空気電極層を構築することで形成される単位セルが複数連結されると共に、上記単位セルには前記燃料貯蔵槽に接続される前記燃料供給体が連結されて前記液体燃料が供給される構成となる請求項1〜15の何れか一つに記載の燃料電池。
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