JP2003229158A - 電源システム及びその電源システムを備える電子機器 - Google Patents

電源システム及びその電源システムを備える電子機器

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JP2003229158A
JP2003229158A JP2001383991A JP2001383991A JP2003229158A JP 2003229158 A JP2003229158 A JP 2003229158A JP 2001383991 A JP2001383991 A JP 2001383991A JP 2001383991 A JP2001383991 A JP 2001383991A JP 2003229158 A JP2003229158 A JP 2003229158A
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power generation
fuel
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JP2001383991A
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Masaharu Shiotani
雅治 塩谷
Hidetoshi Akao
英俊 赤尾
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Casio Computer Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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  • Fuel Cell (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の電子機器を安定かつ良好に動作させつ
つ、発電用燃料の浪費を抑制して、エネルギー資源の有
効利用を図ることができる電源システムを提供する。 【解決手段】 電力発生部10Aは、発電用燃料FLを
用いて所定の発電電力を発生する発電部11と、発電部
11からの電力を保持する電力保持部12と、該電力保
持部12に保持される電力に基づいて所定電圧の供給電
力を生成して出力する電圧変換部13と、該電力保持部
12に保持される電力の電圧成分の変化に基づいて動作
制御信号SC1、SC2を出力する電圧モニタ・制御部
14と、該動作制御信号SC1、SC2に基づいて、発
電部11への発電用燃料FLの供給を制御する出力制御
部16を起動するための起動電力の供給又は遮断を制御
する起動制御部15と、を有して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源システムに関
し、特に、ポータブル電源として適用が可能であり、エ
ネルギー資源を有効に利用して発電することができる発
電機能を備えた電源システム、及び、該電源システムを
備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、民生用や産業用のあらゆる分野に
おいて、様々な化学電池が使用されている。例えば、ア
ルカリ乾電池やマンガン乾電池等の一次電池は、時計や
カメラ、玩具、携帯型の音響機器等に多用されており、
我が国に限らず、世界的な観点からも最も生産数量が多
く、安価かつ入手が容易という特徴を有している。
【0003】一方、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッ
ケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池
は、近年普及が著しい携帯電話や携帯情報端末(PD
A)、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等
の携帯機器に多用されており、繰り返し充放電ができる
ことから経済性に優れた特徴を有している。また、二次
電池のうち、鉛蓄電池は、車両や船舶の起動用電源、あ
るいは、産業設備や医療設備における非常用電源等とし
て利用されている。
【0004】ところで、近年、環境問題やエネルギー問
題への関心の高まりに伴い、上述したような化学電池の
使用後に生じる廃棄物に関する問題やエネルギー変換効
率の問題がクローズアップされている。特に、一次電池
においては、上述したように、製品価格が安価で入手が
容易なうえ、電源として利用する機器も多く、しかも、
基本的に一度放電されると電池容量を回復することがで
きない、一回限りの利用(いわゆる、使い捨て)しかで
きないため、年間の廃棄量が数百万トンに上っている。
ここで、化学電池全体では、リサイクルにより回収され
る比率は、概ね20%程度に過ぎず、残りの80%程度
が自然界に投棄、又は、埋め立て処理されている、とす
る統計資料もあり、このような未回収の電池に含まれる
水銀やインジウム等の重金属による環境破壊や、自然環
境の美観の悪化が懸念されている。
【0005】また、エネルギー資源の利用効率の観点か
ら上記化学電池を検証すると、一次電池においては、放
電可能エネルギーの概ね300倍のエネルギーを使用し
て生産されているため、エネルギー利用効率が1%にも
満たない。これに対して、繰り返し充放電が可能で経済
性に優れた二次電池であっても、家庭用電源(コンセン
ト)等から充電を行う場合、発電所における発電効率や
送電損失等により、エネルギー利用効率が概ね12%程
度にまで低下してしまうため、必ずしもエネルギー資源
の有効利用が図られているとは言えなかった。
【0006】そこで、近年、環境への影響(負担)が少
なく、かつ、例えば、30〜40%程度の極めて高いエ
ネルギー利用効率を実現することができる燃料電池をは
じめとする各種の新たな電源システムや発電システム
(以下、「電源システム」と総称する)が注目され、車
両用の駆動電源や事業用の電源システム、家庭用のコジ
ェネレーションシステム等への適用を目的として、ある
いは、上述したような化学電池の代替えを目的として、
実用化のための研究、開発が盛んに行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今後、
燃料電池等のエネルギー利用効率が高い電源システムを
小型軽量化して、可搬型又は携帯型のポータブル電源、
例えば、上述したような化学電池の代替え(互換品)と
して適用するためには、次に示すような問題点を有して
いる。具体的には、例えば、既存の化学電池において
は、基本的に正極及び負極の電極端子を負荷に接続する
だけで、所定の電圧及び電流が供給されて負荷を駆動す
ることができるので、その取り扱いが極めて簡易である
という利点を有している。
【0008】これに対して、燃料電池をはじめとするエ
ネルギー利用効率が高い電源システムのほとんどは、基
本的に所定の発電用燃料を用いた発電手段(例えば、燃
料の化学エネルギーを直接的又は間接的に電力に変換す
る発電器)としての機能を有しているので、上述した化
学電池とは構造や電気的特性の点で大きく異なる。すな
わち、上記電源システムにおいては、汎用の化学電池の
場合と同様に、電力を供給するための電極端子(汎用の
化学電池における正極端子及び負極端子に相当する端
子)を単に負荷に接続又は切り離しするだけでは、所定
の電力を供給又は遮断することができないため、負荷及
び電源システムを駆動又は停止させるための複雑な構成
や制御処理を必要とするという問題を有している。ま
た、このような電源システムをポータブル電源として適
用する場合にあっては、搬送又は携帯可能な発電用燃料
の量に制約があるため、発電用燃料を効率的に消費する
ように制御して、電源システムとしての稼働時間(寿
命)をより長期化する必要もある。
【0009】そこで、本発明は、上述した問題点に鑑
み、汎用の化学電池を動作電源とする電子機器(デバイ
ス)に対して、直接電極端子を接続する簡易な取り扱い
により、所定の電力を供給して該電子機器を安定かつ良
好に動作させることができるとともに、発電用燃料の浪
費を抑制して、エネルギー資源の有効利用を図ることが
できる電源システム、及び、該電源システムから供給さ
れる電力により駆動する負荷を備えた電子機器を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電源システ
ムは、所定の発電用燃料を用いて供給電力を発生する電
源システムであって、少なくとも、前記発電用燃料が封
入された燃料封入部と、前記発電用燃料を用いて発電電
力を発生する発電手段と、前記発電手段を動作又は停止
させる出力制御手段と、前記出力制御手段を動作させる
ための起動電力を供給する起動制御手段と、を備えてい
ることを特徴としている。ここで、本発明において、前
記電源システムは、前記発電手段により発生される前記
発電電力に基づく電荷を保持する電力保持手段を備えた
構成を適用することができる。
【0011】また、本発明に係る電源システムは、所定
の発電用燃料を用いて供給電力を発生する電源システム
であって、少なくとも、前記発電用燃料が封入された燃
料封入部と、前記発電用燃料を用いて発電電力を発生す
る発電手段と、前記発電手段により発生される前記発電
電力に基づく電荷を保持する電力保持手段と、前記電力
保持手段に保持された保持電力の変化に応じて、前記発
電手段の動作又は停止、及び、前記電力保持部への充電
又は停止を制御するシステム制御手段と、を備えている
ことを特徴としている。
【0012】ここで、前記システム制御手段は、少なく
とも、前記発電手段への前記発電用燃料の供給又は遮断
を制御することにより、前記発電手段を動作又は停止さ
せる出力制御手段と、前記電力保持手段に保持された前
記保持電力の電圧成分を監視し、該電圧成分の変化に応
じて、前記発電手段の起動及び停止を制御する第1の制
御信号と、前記電力保持手段への充電又は停止を制御す
る第2の制御信号とを出力する電圧モニタ・制御部と、
少なくとも、前記電圧モニタ・制御部からの前記第1の
制御信号に基づいて、前記出力制御手段を動作させるた
めの起動電力の供給を制御して、前記発電手段の動作状
態を制御する起動制御手段と、を備えた構成を適用する
ことができる。
【0013】上記電圧モニタ・制御部は、少なくとも、
前記電力保持手段に保持された前記保持電力の電圧が所
定の上限値に達した場合に、前記発電手段を停止制御す
る前記第1の制御信号を出力し、前記電力保持手段にお
ける前記保持電力の電圧が所定の下限値以下に低下した
場合に、前記発電手段を起動制御する前記第1の制御信
号を出力するようにした構成を適用することができる。
【0014】ここで、上記各発明において、前記電源シ
ステムは、前記電力保持手段に保持された前記保持電力
に基づいて、前記供給電力を生成する供給電力生成手段
を備え、さらに、この供給電力生成手段は、前記保持手
段における前記保持電力に基づいて、所定電圧の前記供
給電力を生成する電圧変換手段を備えた構成を適用する
ことができる。そして、上記起動制御手段は、前記発電
手段の起動時には、該発電手段の動作とは独立した電力
を前記起動電力として前記出力制御手段に供給し、前記
発電手段の起動後には、該発電手段により発生される前
記発電電力に基づく電力を、前記起動電力として前記出
力制御部に供給するようにした構成を適用することがで
きる。
【0015】すなわち、本発明は、燃料封入部(燃料パ
ック)に充填、封入された液体又は気体からなる発電用
燃料、又は、該発電用燃料から供給される特定の成分
(例えば、水素)を用いて、所定の電力を発生する発電
手段を備え、所定の二電極端子(正極端子、負極端子)
を介して該電力の出力が可能なポータブル型の電源シス
テムにおいて、発電手段の動作状態(発電動作又は停止
動作)を出力制御手段への起動電力の供給、遮断により
制御する起動制御手段を備え、発電手段における最初の
起動動作の初期の段階では、起動制御部により上記発電
手段が発生する電力とは独立した電源部から供給される
電力が起動電力として上記出力制御部に供給され、発電
手段の起動後の段階では、起動制御部により上記発電手
段が発生する電力に基づいて生成される電力が起動電力
(動作継続用の電力)として供給され、さらに、発電手
段の再起動動作の初期の段階では、起動制御部により上
記発電手段が発生する電力に基づいて蓄積された電力が
起動電力(再起動用の電力)として供給されるように構
成されている。
【0016】また、本発明は、上記起動制御部による起
動電力の供給制御により発電手段において発生された発
電電力が電力保持手段に一旦保持された後、所定電圧の
電力に変換されて、電源システムに設けられた電極端子
を介して、所定の負荷(デバイス)に対して供給電力と
して出力される。ここで、本発明に係る電源システムに
おいては、発電手段の動作状態を切り換え制御する具体
的な手法として、上記電力保持手段に保持された電力
(保持電力)の電圧成分の変化を検出し、該変化に応じ
て出力制御部への起動電力を供給又は遮断のいずれかの
状態に一義的に設定する制御方法を適用することによ
り、発電手段の動作制御(動作又は停止)を簡素化しつ
つ、発電手段により断続的に発生され、電力保持手段に
保持される電力を所定の電圧範囲内に維持して、常時略
一定の供給電力を負荷に出力することができるととも
に、発電手段における不要な発電動作を回避して、エネ
ルギーの利用効率の高い電源システムを簡易に実現する
ことができる。
【0017】換言すれば、本発明に係る電源システムに
よれば、汎用の化学電池と同様に、所定の電極端子を介
して、電子機器(負荷)に直接接続する簡易な取り扱い
方法により、常時所定の電力を安定的に供給して、機器
を良好に動作させることができるとともに、発電用燃料
の浪費を大幅に抑制して、エネルギー利用効率が高く、
長期の稼働が可能な電源システムを実現することができ
る。
【0018】なお、本発明に係る電源システムにおいて
は、発電手段の動作状態を切り換え制御する具体的な構
成として、起動制御手段が、少なくとも、前記発電手段
の起動時と、前記発電手段の起動後における前記出力制
御手段への前記起動電力の供給を切り換えるための切換
手段(スイッチ)を具備した構成を良好に適用すること
ができる。これによれば、電力保持部に保持された電力
の電圧成分の変化に応じて、電圧モニタ・制御部から出
力されるスイッチ切り換え用の制御信号(動作制御信
号)のみに基づいて、出力制御部への起動電力の供給又
は遮断を切り換え制御して、発電手段の動作状態を制御
することができるので、システム制御手段の機能構成を
簡素化して電源システムの装置規模の小型化や製品コス
トの削減を図ることができる。
【0019】また、上記発電手段の動作状態を制御する
起動制御手段は、発電手段の起動時に、起動電力として
供給する所定の電力を、発電手段の動作とは独立して保
持する一次電池や二次電池等からなる起動用電源部を備
えた構成を有するものであってもよいし、上記電力保持
手段に予め充電された電力の一部を起動電力として供給
する構成を有するものであってもよい。また、起動制御
手段は、発電手段からの発電電力に基づいて、起動電力
に相当する電力を保持する補助電力保持部を備え、該補
助電力保持部からの電力を、発電手段の再起動の際の起
動電力として適用するものであってもよい。さらに、起
動制御手段は、発電手段の起動後、発電動作を持続させ
るための起動電力を生成するフィードバック電圧生成保
持回路を備え、発電手段からの発電電力に基づいて発電
手段の発電動作を継続させるための電力を生成して、出
力制御部に供給する構成を有しているものであってもよ
い。
【0020】これによれば、発電手段における最初の起
動動作のごく初期の段階においてのみ、起動用電源部か
ら起動電力を供給し、その後、フィードバック電圧生成
保持回路により生成される電力や、補助電力保持部に保
持された電力を出力制御手段に供給することができるの
で、起動用電源部として電池容量のごく小さい一次電池
等を良好に適用しつつ、長期にわたって良好な発電動作
を行うことができる。
【0021】なお、上記起動制御手段は、起動用電源部
と補助電力保持部を兼用した構成を有していてもよく、
これによれば、起動電力を保持、供給する機能構成を簡
素化して、電源システムの装置規模を一層小型化するこ
とができる。また、起動用電源部としては、上述したよ
うに一次電池を適用することができるが、充電可能な二
次電池を適用することもでき、この場合にあっては、発
電手段の起動動作に先立って、予め電源システム外部に
設けられた電源から供給される電力により起動用電源部
を充電することにより、上記と同等の機能を実現するこ
とができる。
【0022】また、上記電力保持手段は、1以上の容量
素子からなる構成を適用することもできるし、複数の容
量素子を所定の関係で接続した構成、例えば、直列・並
列接続切り換え可能な回路構成等を適用することもでき
る。これによれば、電力保持手段からの電力により駆動
する負荷において、駆動状態の急激な変動が生じた場合
であっても、電力保持手段を構成する容量成分により電
圧変動が緩和されるとともに、電力保持手段として汎用
の二次電池等を適用した場合に比較して、装置重量を大
幅に軽量化することができる。また、電力保持手段への
充電動作時に複数の容量素子を直列接続することによ
り、見かけ上の容量値を小さくして充電電流値を小さ
く、又は、充電時間を短縮させることができるととも
に、放電動作時に複数の容量素子を並列接続することに
より、全体の容量値を直列接続時よりも増大させて負荷
駆動能力を向上させることができる。
【0023】そして、上述したような特徴を有する電源
システムに適用される発電手段のより具体的な態様は、
燃料封入部から供給される発電用燃料を用いた電気化学
反応により、所定の電力を発生する燃料電池を有してい
る構成であり、これにより、汎用の化学電池に比較し
て、極めてエネルギー利用効率の高い燃料電池を用い
て、電源システムの起動電力及び負荷の駆動電力を生成
することができるので、エネルギーの有効利用を図るこ
とができるとともに、既存の化学電池と同等の電気的特
性を得るために必要となる電源システムの装置規模を小
型化することができる。
【0024】ここで、上記発電手段としては、発電用燃
料を改質して、特定の成分を抽出する燃料改質器と、該
特定の成分が供給される燃料極と、空気中の酸素が供給
される空気極と、を備えた燃料改質型の燃料電池の構成
を適用することが好ましい。このような燃料改質型の燃
料電池を適用した構成によれば、燃料電池への発電用燃
料の供給、遮断を制御することにより、発電手段の動作
状態を制御して、電力が必要な場合にのみ発電動作させ
て発電電力を発生させることができるとともに、発電用
燃料の有する化学エネルギーから極めて高いエネルギー
変換効率で電力を発生させることができる電源システム
を実現することができる。
【0025】また、上記電源システムに適用される発電
用燃料は、少なくとも、水素を主成分とする、又は、水
素からなる液体燃料、液化燃料、及び気体燃料のいずれ
か、具体的には、メタノールやエタノール、ブタノール
等のアルコール系の液体燃料や、ジメチルエーテルやイ
ソブタン、天然ガス等の炭化水素からなる液化燃料、あ
るいは、水素ガス等の気体燃料であって、特に、燃料封
入部から電力発生部に供給される際の常温、常圧等の所
定の環境条件の下で気体状態にあるものを良好に適用す
ることができる。これにより、発電手段において、高い
エネルギー変換効率で電力を発生させることができると
ともに、この発電動作に伴って電力以外に生成される副
生成物を比較的簡易な処理で無毒化や難燃化することが
でき、自然環境等への影響を大幅に抑制することができ
る。
【0026】さらに、上記電源システムは、電源システ
ムから出力される供給電力により駆動する負荷に対し
て、システム全体が着脱可能な構成、もしくは、少なく
とも、燃料封入部以外の各構成部分(電力発生部)が着
脱可能な構成、さらに、燃料封入部以外の各構成部分
(電力発生部)に対して、燃料封入部が着脱可能な構成
を有していることが好ましい。これによれば、燃料封入
部に封入された発電用燃料がなくなったときや少なくな
ったときに、燃料封入部を電力発生部から取り外して新
たな燃料封入部に交換、あるいは、燃料封入部に発電用
燃料を注入して補充することができるので、燃料封入部
以外の各構成部分を繰り返し継続的に利用することがで
きるとともに、電源システム全体又は燃料封入部をあた
かも汎用の化学電池のように簡便に使用することができ
る。また、燃料封入部の交換や回収が可能となるので、
電源システム自体の廃棄量を削減することができる。
【0027】加えて、上記電源システムは、その全部又
は一部がモジュール化されて構成され、燃料封入部が結
合された電源システム全体の物理的外形形状が、汎用の
化学電池のうちの任意の1種、例えば、円形電池や単1
型等のように日本工業規格で規格化された電池(二電極
端子構造)や、装着される機器に応じた特殊形状を有す
る二次電池等と同等の形状及び寸法を有するように構成
されているものであってもよく、これによれば、負荷の
駆動状態に関わらず、常時略一定の供給電力を出力でき
る電気的特性のみならず、外形形状やその取り扱いにお
いても、汎用の化学電池との高い互換性を確保すること
ができるので、極めてエネルギー変換効率の高い電源シ
ステムを既存の化学電池の市場に支障なく普及させるこ
とができる。
【0028】そして、上述したような電源システムは、
発電手段により発生され、電力保持手段に保持された保
持電力に基づいて、供給電力生成手段により生成、出力
される供給電力を、駆動電力として動作するように構成
された特定の負荷を備えた電子機器に良好に適用するこ
とができる。さらに、上記電源システムからの電力を駆
動電力として動作する電子機器において、少なくとも、
電源システムを構成する燃料封入部以外の各構成部分
が、電子機器に対して一体的又は内蔵された構成や、電
源システムの全部又は一部がモジュール化されて構成さ
れ、少なくとも、燃料封入部が電子機器に対して着脱可
能に構成されていることが好ましい。このような構成を
有する電子機器によれば、発電用燃料が封入された燃料
パックを、例えば、発電用燃料を使い切るたびに、燃料
封入部を着脱して交換する使用形態を実現することがで
き、汎用の化学電池を既存のデバイスの動作電源とする
場合と同等の使用形態を実現することができるととも
に、該燃料封入部を生分解性等の自然環境への影響の少
ない、又は、全く影響のない物質に変化する材料により
構成することにより、使用済みの燃料封入部により環境
汚染等が生じる危険性を回避することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電源システム
の実施の形態について、具体的に説明する。まず、本発
明に係る電源システムが適用される構成全体の概要につ
いて、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る
電源システムの適用形態の一例を示す概念図である。
【0030】本発明に係る電源システム1は、例えばモ
ジュール化して形成され、図1(a)、(b)に示すよ
うに、特定の電子機器のほか、汎用の一次電池や二次電
池により動作する既存の電子機器(図1では、携帯情報
端末を示す:以下、「デバイス」と総称する)DVCに
対して、その全体もしくは一部が任意に装着及び取り外
し(矢印P1参照)が可能であるとともに、該電源シス
テム1の全体もしくはその一部が単独で携帯が可能なよ
うに構成され、かつ、電源システム1の所定の位置(例
えば、後述するように、汎用の一次電池や二次電池と同
等の位置)に、デバイスDVCに電力を供給するための
正極(プラス極(+))及び負極(マイナス極(−))
からなる電極端子が設けられた構成を有している。
【0031】次に、本発明に係る電源システムの基本構
成について説明する。図2は、本発明に係る電源システ
ムの基本構成概念を示すブロック図である。本発明に係
る電源システム1は、図2(a)に示すように、大別し
て、液体燃料又は液化燃料又は気体燃料からなる発電用
燃料FLが封入された燃料パック(燃料封入部)20
と、少なくとも、該燃料パック20から供給される発電
用燃料FLに基づいて、所定の電力EGを発生(出力)
する電力発生部10と、燃料パック20及び電力発生部
10相互を物理的に結合するとともに、燃料パック20
に封入された発電用燃料FLを電力発生部10に供給す
る燃料送出経路等を備えたインターフェース部(以下、
「I/F部」と略記する)30と、を有し、各構成が相
互に、もしくは、任意の形態で結合、分離(装着及び取
り外し)可能に、あるいは、一体的に構成されている。
【0032】具体的には、例えば、I/F部30が、図
2(a)に示したように、上記燃料パック20及び電力
発生部10の双方に対して個別独立的に着脱可能な構成
を有しているものであってもよいし、図2(b)、
(c)に示すように、上記燃料パック20又は電力発生
部10のいずれかと一体的に、あるいは、図2(d)に
示すように、燃料パック20及び電力発生部10の各々
に、分割されたI/F部30の各部分が一体的に設けら
れた構成を有しているものであってもよい。
【0033】なお、電力発生部10は、以下に示す各実
施形態において、電源システム1のうち、燃料パック2
0及びI/F部30を除く部分であって、説明の都合
上、モジュール化された単一の独立した構成のように取
り扱うが、本発明はこれに限定されるものではなく、モ
ジュール化された構成を有することなく、電源システム
として、以下に示す各実施形態に含まれる各部分を備え
ているものであればよい。
【0034】以下、各ブロックの構成について、具体的
に説明する。 [第1の実施形態] (A)電力発生部 図3は、本発明に係る電源システムに適用される電力発
生部の第1の実施形態を示すブロック図である。ここ
で、電源システムは、所定の供給電力を出力する正極端
子及び負極端子のみを備えた二電極端子構造を有し、所
定のデバイスに対してこれらの端子を介して接続され、
該デバイス(負荷)を駆動するための所定の電力を出力
する。本実施形態に係る電力発生部においては、発電手
段により発生された電力を蓄積する機能を有する電力保
持手段を備え、該電力保持手段に蓄積(保持)された電
力に基づく所定電圧の供給電力を生成して、負荷駆動電
力として、デバイス(負荷)に供給する構成を有してい
る。以下、具体的に説明する。
【0035】図3に示すように、本実施形態に係る電力
発生部10Aは、大別して、I/F部30Aを介して燃
料パック20Aから供給される発電用燃料FLを用い
て、所定の電力を発生する発電部(発電手段)11と、
発電部11において発生された電力(発電電力)を一旦
保持した後、一定電圧の電力を継続的に出力する2次電
池又はコンデンサ等からなる電力保持部(電力保持手
段)12と、該電力保持部12から出力される電力の電
圧成分を、電源システムが接続されるデバイスの駆動に
適した所定の電圧に変換して、供給電力として図示を省
略したデバイスに出力する電圧変換部13と、電力保持
部12に保持された電力(保持電力)の電圧成分の変化
を監視して、該変化に応じて発電部11における動作状
態、及び、電力保持部12における電力の蓄積状態(充
電状態)を制御する制御信号を生成、出力する電圧モニ
タ・制御部14と、電圧モニタ・制御部14からの制御
信号に基づいて、発電部11を発電状態に移行(起動)
させるための起動電力を供給する起動制御部(起動制御
手段)15と、起動制御部15からの起動電力により動
作して、発電部11への発電用燃料FLの供給、遮断の
制御を行い、発電部11における動作状態(発電動作及
び停止動作)を制御する出力制御部(出力制御手段)1
6と、を備えた構成を有している。
【0036】ここで、本実施形態における電圧モニタ・
制御部14、起動制御部15及び出力制御部16は、本
発明におけるシステム制御手段を構成する。また、本実
施形態に係る電力発生部10Aにおいては、発電部11
により発生された電力が電力保持部12に保持(蓄積)
された後、一定の電圧成分を有する供給電力として、所
定の電極端子を介して、図示を省略したデバイスのコン
トローラ及び負荷に共通に供給されるとともに、この供
給電力となる電力保持部12の保持電力の電圧成分が、
電圧モニタ・制御部14により、例えば、常時あるいは
任意のタイミングで監視されるように構成されている。
【0037】以下、各構成について、具体的に説明す
る。 <発電部>本実施形態に係る電力発生部10Aに適用さ
れる発電部11は、図3に示したように、後述する起動
制御部15からの起動電力の供給に伴う出力制御部16
の動作(ON動作)に基づいて、燃料パック20Aから
出力制御部16を介して発電用燃料FLが供給され、該
発電用燃料FLが有する物理的又は化学的エネルギー等
を用いて、一定の電力を発生する構成を有している。
【0038】図4は、本実施形態に係る電力発生部に適
用可能な燃料電池本体の一構成例を示す概略構成図であ
り、図5は、本構成例に係る発電部に適用される燃料改
質部の構成概念図である。ここでは、上述した電源シス
テムの構成(図3)を適宜参照しながら説明する。本構
成例においては、発電部11として、燃料パック20A
から出力制御部16を介して供給される発電用燃料FL
を用い、電気化学反応により電力を発生する燃料改質方
式を採用した固体高分子型の燃料電池の構成を有してい
る。なお、図5に示す燃料改質部は、説明の都合上、発
電部11の構成とともに説明するが、本発明に係る電力
発生部の構成上では、後述する出力制御部の一部を構成
するものである。
【0039】図4に示すように、本構成例に係る発電部
11Aは、燃料パック20Aから供給される発電用燃料
FLに対して所定の改質反応を行う燃料改質部(燃料改
質器)16aにより抽出された発電用燃料FLに含有さ
れる特定の燃料成分(水素)を利用して電気化学反応に
より、所定の負荷(デバイスDVCや電力発生部10A
内の各部に相当)を駆動するための電力を発生する燃料
電池本体(燃料セル)110を備えた構成を有してい
る。
【0040】ここで、燃料改質部16aは、例えば、図
5に示すように、アルコール及び水から構成され、燃料
パック20Aから供給される発電用燃料FLを、水蒸気
改質反応過程を介して、水素と副生成物の二酸化炭素、
さらに微量の一酸化炭素を生成する水蒸気改質反応部1
60Xと、水性シフト反応過程を介して、水蒸気改質反
応部160Xから供給された一酸化炭素を、発電用燃料
FLに含まれる水、又は、後述するように燃料電池本体
110により副生成物として排出される水と反応させ、
二酸化炭素及び水素を生成する水性シフト反応部160
Yと、選択酸化反応過程を介して、水性シフト反応部1
60Yで反応せず残留した一酸化炭素を酸素と反応させ
て二酸化炭素を生成する選択酸化反応部160Zと、を
備え、燃料パック20Aに封入された発電用燃料FL
を、改質して得られる水素を燃料電池本体110に供給
するとともに、微量に生じる一酸化炭素を無毒化する機
能を有している。すなわち、燃料電池本体110は、水
蒸気改質反応部160X及び水性シフト反応部160Y
において生成された高濃度の水素ガスにより、デバイス
DVCへの供給電力及び電力発生部10A内部の各部へ
の動作電力となる所定の電力を発生させる。
【0041】燃料改質部16aを構成する各部の具体的
な機能は、図5に示したように、例えば、メタノール
(CHOH)及び水(HO)を発電用燃料FLとし
て、水素ガス(H)を生成する場合にあっては、ま
ず、水蒸気改質反応部160Xにおける蒸発過程におい
て、液体燃料であるメタノール及び水に対して、後述す
る起動制御部15から供給される電力により制御された
ヒータで概ね沸点程度の温度条件の雰囲気に設定するこ
とにより、メタノール(CHOH)及び水(HO)
を気化させる。
【0042】次いで、水蒸気改質反応過程において、上
記気化したメタノール(CHOH)及び水(HO)
に対してヒータで概ね300℃の温度条件の雰囲気を設
定することにより、49.4kJ/molの熱エネルギーを吸
熱して、次の化学反応式(1)に示すように、水素(H
)と微量の二酸化炭素(CO)が生成される。な
お、この水蒸気改質反応においては、水素(H)と二
酸化炭素(CO)以外に副生成物として微量の一酸化
炭素(CO)が生成される場合がある。 CHOH+HO → 3H+CO ・・・(1)
【0043】ここで、図5に示すように、水蒸気改質反
応において副生成物として生成される一酸化炭素(C
O)を除去するための水性シフト反応部160Y及び選
択酸化反応部160Zを水蒸気改質反応部160Xの後
段に付設して、水性シフト反応及び選択酸化反応からな
る各過程を介して、一酸化炭素(CO)を二酸化炭素
(CO)及び水素(H)に変換して、有害物質の排
出を抑止するように構成してもよい。具体的には、水性
シフト反応部210Yでの水性シフト反応過程により、
一酸化炭素(CO)に対して水(水蒸気;HO)を反
応させることにより40.2kJ/molの熱エネルギーを発
熱して、次の化学反応式(2)に示すように、二酸化炭
素(CO)と水素(H)が生成される。 CO+HO →CO+H ・・・(2)
【0044】次いで、選択酸化反応部160Zにおける
選択酸化反応により、水性シフト反応において二酸化炭
素(CO)と水素(H)に変換されなかった一酸化
炭素(CO)に対して酸素(O)を反応させることに
より283.5kJ/molの熱エネルギーを発熱して、次の
化学反応式(3)に示すように、二酸化炭素(CO
が生成される。 CO+(1/2)O →CO ・・・(3) ここで、上記一連の燃料改質反応により生成される水素
以外の微量の生成物(主に、二酸化炭素)は、例えば、
後述する、電力発生部10Aに設けられた排出孔を介し
て、大気中に排出される。なお、このような機能を有す
る燃料改質部(水蒸気改質反応部)16aの具体的な構
成については、他の構成とともに、後述する具体構成例
において詳しく説明する。
【0045】一方、燃料電池本体110は、図4に示す
ように、概略、例えば、白金やパラジウム、さらには白
金・ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極から
なる燃料極(カソード)111と、白金等の触媒微粒子
が付着した炭素電極からなる空気極(アノード)112
と、燃料極111と空気極112の間に介装されたフィ
ルム状のイオン導電膜(交換膜)113と、を有して構
成されている。ここで、燃料極111には、上記燃料改
質部16aにより抽出された水素ガス(H)が供給さ
れ、一方、空気極112には大気中の酸素ガス(O
が供給される。これにより、以下に示す電気化学反応に
より発電が行われ、負荷114を駆動するための所定の
電力が生成、供給される。また、後述するように、燃料
電池本体110で生成された電力の一部が、必要に応じ
て起動制御部15を介して出力制御部16(燃料制御部
16b、ヒータ制御部16d)に起動電力として供給さ
れる(図6参照)。
【0046】本構成例に係る発電部11(燃料電池本体
110)における電気化学反応の一例は、具体的には、
燃料極111に水素ガス(H)が供給されると、次の
化学反応式(4)に示すように、燃料極111における
触媒反応により電子(e)が分離して水素イオン(プ
ロトン;H)が発生し、イオン導電膜113を介して
空気極112側に通過するとともに、燃料極111を構
成する炭素電極により電子(e)が取り出されて負荷
114に供給される。 3H → 6H+6e ・・・(4)
【0047】一方、空気極112に空気が供給される
と、次の化学反応式(5)に示すように、空気極112
における触媒反応により負荷114を経由した電子(e
)とイオン導電膜113を通過した水素イオン
(H)と空気中の酸素ガス(O)が反応して水(H
O)が生成される。 6H+(3/2)O+6e → 3HO ・・・(5)
【0048】このような一連の電気化学反応(化学反応
式(4)及び(5))は、概ね室温〜80℃の比較的低
温の環境下で進行し、電力(負荷駆動電力)以外の副生
成物は、基本的に水(HO)のみとなる。ここで、空
気極112において生成される副生成物である水(H
O)を回収し、出力制御部16に設けられた燃料改質部
16aに必要量を供給することにより、発電用燃料FL
の水蒸気改質反応や水性シフト反応に再利用することが
できるとともに、燃料改質反応のために燃料パック20
Aに予め備蓄(封入)される水(HO)の量を大幅に
減らすことができ、さらには、燃料パック20A等に副
生成物として回収される水の量を大幅に減らすことがで
きる。
【0049】このような構成を有する燃料改質方式の燃
料電池を発電部に適用することにより、燃料電池本体へ
の発電用燃料FLを供給、遮断する簡易な制御により、
発電部における動作状態(発電動作、停止動作)を設定
することができる。また、燃料電池としての構成を適用
することにより、電気化学反応により発電用燃料FLか
ら直接電力を発生させることができるので、極めて高い
発電効率を実現することができ、発電用燃料FLの有効
利用を図ることができるとともに、発電部11を含む電
力発生部10Aをモジュール化した場合に、そのサイズ
を小型化することができる。
【0050】なお、本構成例においては、燃料パック2
0Aから供給される発電用燃料FLとしてメタノールを
適用した場合についてのみ示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、少なくとも、水素元素を含む液
体燃料又は液化燃料又は気体燃料であれば良好に適用す
ることができる。具体的には、メタノールやエタノー
ル、ブタノール等のアルコール系の液体燃料や、ジメチ
ルエーテルやイソブタン、天然ガス(CNG)等の常温
常圧で気化される炭化水素からなる液化燃料、あるい
は、水素ガス等の気体燃料等を良好に適用することがで
きる。
【0051】ここで、発電用燃料FLとして、液化され
た水素や水素ガスをそのまま利用する場合にあっては、
本構成例に示したような燃料改質部16aを必要とする
ことなく、発電用燃料FLを燃料電池本体110に直接
供給する構成を適用することができる。また、本構成例
においては、発電部11の構成として、燃料改質方式の
燃料電池のみを示したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、周知の燃料直接供給方式の燃料電池を適用
して、上記液体燃料や液化燃料、気体燃料等をそのまま
直接利用して電力を発生するものであってもよく、さら
に、他の電気化学反応や発熱、吸熱反応に伴う温度差、
圧力エネルギーや熱エネルギーの変換作用、電磁誘導等
の原理を利用した発電のように、燃料パック20Aから
直接的又は間接的に供給される液体燃料又は液化燃料又
は気体燃料を用いて、所定の電力を発生することができ
る周知の発電手段を適用するものであってもよい。
【0052】<出力制御部>本実施形態に係る電力発生
部10Aに適用される出力制御部16は、図3に示した
ように、後述する電圧モニタ・制御部14からの動作制
御信号に基づいて起動制御部15から供給される起動電
力にのみ基づいて、少なくとも、燃料パック20Aに封
入された発電用燃料FLを上記発電部11に供給又は遮
断することにより、発電部11の動作状態(発電動作及
び停止動作)を制御する構成を有している。図6は、本
実施形態に係る電力発生部に適用される出力制御部の概
略構成を示すブロック図である。ここでは、発電部11
の構成として、上述した燃料改質方式の燃料電池(図3
参照)を適用した場合の出力制御部の構成について示
す。
【0053】図6に示すように、本実施形態に係る出力
制御部16Aは、具体的には、起動制御部15から供給
される起動電力に基づいて、発電部11に所定量の発電
用燃料FL(実質的には、燃料電池本体110に供給さ
れる水素ガス)を供給する燃料制御部16bと、該燃料
制御部16bを介して供給される発電用燃料FLから、
上述した化学反応式(1)〜(3)に示したような一連
の燃料改質反応により、特定の燃料成分(水素ガス)を
生成して、燃料電池本体110の燃料極111に供給す
る燃料改質部16a(図4参照)と、燃料電池本体11
0の空気極112に一定量の空気(燃料電池本体110
に供給される酸素ガス)を供給する空気制御部16c
と、主に、燃料改質部16aにおける各種化学反応の温
度条件を設定するヒータ制御部16dと、を備えた構成
を適用することができる。
【0054】ここで、燃料制御部16bは、起動制御部
15から供給される起動電力に基づいて、燃料電池本体
110において、一定の電力を発生するために必要な量
の水素ガス(H)となる分の発電用燃料FL(液体燃
料、液化燃料又は気体燃料)や水等を、燃料パック20
Aから取り込んで燃料改質部16aにより水素ガス(H
)に改質して、一定量の水素ガスを燃料電池本体11
0の燃料極111に供給する制御を行い、また、空気制
御部16cは、上記水素ガスを用いた電気化学反応(化
学反応式(3)及び(5)参照)に応じた必要な量の酸
素ガス(O)を、大気中から取り込んで燃料電池本体
110の空気極112に供給する制御を行う。このよう
な燃料制御部16b及び空気制御部16c並びにヒータ
制御部16dにより、発電部11への水素ガス
(H)、酸素ガス(O)及び熱エネルギーの供給及
び遮断を調整することにより、発電部11(燃料電池本
体110)における電気化学反応の進行状態が制御さ
れ、所定の電力の発電動作及び停止動作が制御される。
【0055】ここで、空気制御部16cは、発電部11
における単位時間当たりの酸素の最大消費量に相当する
空気を供給することができるものであれば、燃料電池本
体110の空気極112への酸素ガスの供給及び遮断を
制御することなく、常に供給するように構成されたもの
であってもよい。すなわち、図6に示した電力発生部1
0Aの構成においては、出力制御部16Aは、電気化学
反応の進行状態を、燃料制御部16bによる発電用燃料
FLの供給制御、及び、ヒータ制御部16dによる熱エ
ネルギーの供給制御のみで設定し、空気制御部16cに
代えて、後述するような通気孔(図34参照)を設け、
発電部11における電気化学反応に用いられる最低限以
上の量の空気(酸素)が該通気孔を介して、常時供給さ
れるように構成されているものであってもよい。
【0056】<起動制御部>本実施形態に係る電力発生
部10Aに適用される起動制御部15は、後述する電力
保持部12における保持電力の変化に応じて出力される
動作制御信号に基づいて、上述した出力制御部16(燃
料制御部16b及びヒータ制御部16d)に対して起動
電力を供給して、発電部11を待機状態から発電状態に
移行させる起動制御を行う。図7は、本実施形態に係る
電力発生部に適用される起動制御部の構成例を示す回路
ブロック図である。
【0057】図7(a)に示すように、本実施形態に係
る起動制御部15Aは、発電部11から供給される電力
に基づく電圧V1を高電位側電源、接地電位GNDを低
電位側電源として動作し、上記電圧V1に基づいて、少
なくとも、発電部11の発電動作を持続させるための所
定の電圧(フィードバック電圧)を有する電力を生成し
て出力制御部16に供給するフィードバック電圧生成保
持回路FVHと、一次電池等から構成され、発電部11
の起動動作時に、所定の電圧Vbatを有する起動電力を
出力制御部16に供給する起動用電源部PW1と、後述
する電圧モニタ・制御部14から出力される動作制御信
号(第1の制御信号)SC1に基づいてON、OFF動
作し、フィードバック電圧生成保持回路FVHからのフ
ィードバック電圧、又は、起動用電源部PW1からの起
動電力(電圧Vbat)のいずれかを切り換えて出力制御
部16に供給するスイッチSW1と、発電部11から供
給される電力に応じてフィードバック電圧生成保持回路
FVHから出力される制御信号に基づいてON、OFF
動作し、起動用電源部PW1から出力制御部16への起
動電力の供給又は遮断を制御するスイッチSW2と、を
備えて構成されている。
【0058】起動制御部15Aのより具体的な回路構成
は、例えば、図7(b)に示すように、フィードバック
電圧生成保持回路FVHとして、発電部11により生成
された電力(電圧V1)が供給される高電位側の接点N
11と接地電位GNDが供給される低電位側の接点N1
2との間に、直列に接続された抵抗R11、フォトダイ
オードD11及び補助コンデンサ(補助電力保持部)C
11と、フォトダイオードD11及び補助コンデンサC
11間の接続接点N13と低電位側の接点N12との間
に、直列に接続されたツェナーダイオードD12、D1
3と、接続接点N13とスイッチSW1の一端側の接点
N14との間に接続されたダイオードD14が設けられ
た構成を適用することができる。
【0059】スイッチSW1の回路構成としては、例え
ば、図7(b)に示すように、フィードバック電圧生成
保持回路FVHとの接点N14と出力制御部16への出
力接点Foutとの間に、直列に接続された電流制限抵抗
R12及び(スイッチング用電界効果トランジスタ(以
下、「スイッチトランジスタ」と記す)Tr11と、ス
イッチトランジスタTr11のゲートと接点N14との
間に接続された電圧検出抵抗R13と、スイッチトラン
ジスタTr11のゲートと低電位側の接点N12との間
に接続されたスイッチ制御用電界効果トランジスタ(以
下、「制御トランジスタ」と記す)Tr12と、スイッ
チトランジスタTr11のゲートと制御トランジスタT
r12のゲートとの間に接続された電圧検出抵抗R14
が設けられた構成を適用することができる。
【0060】また、スイッチSW2も、上記スイッチS
W1と略同等に、起動用電源部PW1とスイッチSW1
の一端側の接点N14との間に、直列に接続された電流
制限抵抗R15及びスイッチトランジスタTr13と、
スイッチトランジスタTr13のゲートと起動用電源部
PW1との間に接続された電圧検出抵抗R16と、スイ
ッチトランジスタTr13のゲートと低電位側の接点N
12との間に接続された制御トランジスタTr14が設
けられた構成を適用することができる。
【0061】ここで、スイッチトランジスタTr11、
制御トランジスタTr12及びスイッチトランジスタT
r13は、いずれもゲート信号電圧がローレベルのとき
OFF動作し、ハイレベルのときON動作する電界効果
トランジスタである。ここで、制御トランジスタTr1
2は、ゲート信号電圧がフローティングレベルのときに
もON動作する。また、制御トランジスタTr14及び
フォトダイオードD11は、互いに対向して配置され、
フォトダイオードD11の動作状態に応じて制御トラン
ジスタTr14がON、OFF動作するフォトカプラ構
造を有し、フォトダイオードD11に電流が流下して発
光状態にあるとき、制御トランジスタTr14がON動
作する。さらに、制御トランジスタTr12のゲートに
は、図示を省略した電圧モニタ・制御部14から出力さ
れる動作制御信号SC1が供給される。
【0062】このような回路構成を有する起動制御部1
5Aにおいて、フィードバック電圧生成保持回路FVH
の補助コンデンサC11に全く電荷が蓄積されていない
状態であって、かつ、電圧モニタ・制御部14から発電
部11を動作させるための動作制御信号SC1が出力さ
れていない状態(具体的には、動作制御信号SC1とし
て供給される信号レベルがフローティングレベルの場
合)を初期状態とする。このとき、起動制御部15Aか
ら出力制御部16へは起動電力が供給されていないの
で、発電部11は発電停止状態にあって、高電位側の接
点N11には電力が供給されていない。したがって、高
電位側の接点N11と接続接点N13との間に接続され
た抵抗R11及びフォトダイオードD11には電流が流
下せず、フォトカプラを構成する制御トランジスタTr
14はOFF状態を保持する。これにより、スイッチS
W2を構成するスイッチトランジスタTr13のゲート
にはハイレベルのゲート信号が印加されてON状態が保
持され、起動用電源部PW1の電圧Vbatがスイッチト
ランジスタTr13を介して接点N14に印加される。
【0063】一方、スイッチSW1を構成する制御トラ
ンジスタTr12のゲートには、フローティングレベル
の動作制御信号SC1が印加されることにより、制御ト
ランジスタTr12はON状態を保持するので、スイッ
チトランジスタTr11のゲートにはローレベル(接地
電位GND)のゲート信号が印加されてOFF状態に保
持されて、接点N14の電圧は出力接点Foutに出力さ
れない。
【0064】このような初期状態において、電圧モニタ
・制御部14から発電部11を発電状態に移行させるた
めの動作制御信号(具体的には、ローレベルの信号)S
C1が出力されると、スイッチSW1の制御トランジス
タTr12がOFF状態に切り替わり、スイッチトラン
ジスタTr11のゲートにハイレベルのゲート信号が印
加されることにより、スイッチトランジスタTr11は
ON状態に切り替わる。これにより、接点N14に印加
されていた起動用電源部PW1からの電圧Vbatがスイ
ッチトランジスタTr11及び出力接点Foutを介し
て、出力制御部16に起動電力(電圧V3)として出力
され、発電部11への発電用燃料FLの供給が開始され
て、発電部11が発電状態に移行する。
【0065】そして、発電部11により生成された電力
(電圧V1)が高電位側の接点N11に供給されると、
接点N11と低電位側の接点N12との間に電位差が生
じ、電圧検出抵抗R11、フォトダイオードD11及び
補助コンデンサC11を介して電流が流下することによ
り、接続接点N13における電圧検出抵抗R11、フォ
トダイオードD11及び補助コンデンサC11による分
圧電圧(フィードバック電圧)がダイオードD14を介
して接点N14に印加されるとともに、フォトダイオー
ドD11が発光動作することにより制御トランジスタT
r14がON動作して、スイッチトランジスタTr13
のゲートにローレベル(接地電位GND)のゲート信号
が印加されて、スイッチトランジスタTr13はOFF
状態に切り替わり、接点N14への電圧Vbatの印加が
遮断される。これにより、接点N14に印加されたフィ
ードバック電圧生成保持回路FVHからのフィードバッ
ク電圧がスイッチトランジスタTr11及び出力接点F
outを介して、出力制御部16に出力されて、発電部1
1における発電動作が継続される。また、このとき、接
続接点N13と低電位側の接点N12間の電位差に基づ
いて、補助コンデンサ(保持電力保持部)C11が充電
される。
【0066】また、発電部11における発電動作が継続
されている状態において、電圧モニタ・制御部14から
発電部11を発電停止状態(待機状態)に移行させるた
めの動作制御信号(具体的には、ハイレベルの信号)S
C1が出力されると、スイッチSW1の制御トランジス
タTr12がON状態に切り替わり、スイッチトランジ
スタTr11のゲートにはローレベルのゲート信号が印
加されることにより、スイッチトランジスタTr11は
OFF状態に切り替わる。これにより、接点N14に印
加されていたフィードバック電圧生成保持回路FVHか
らのフィードバック電圧の出力が遮断され、発電部11
への発電用燃料FLの供給が停止されて、発電部11が
発電停止状態に移行する。
【0067】なお、上述したように、発電状態にある発
電部11が動作制御信号SC1により停止制御されて待
機状態に移行した後、再び発電部11を起動する場合に
あっては、ローレベルの動作制御信号SC1の供給に伴
い、出力制御部16に対して起動用電源部PW1の電圧
Vbat、あるいは、補助コンデンサC11の充電電圧の
うちのいずれかが起動電力として供給される。すなわ
ち、発電部11が待機状態にあるときには、発電部11
から高電位側の接点N11への電力供給が行われないの
で、電圧検出抵抗R11及びフォトダイオードD11に
は電流が流下せず、制御トランジスタTr14はOFF
状態、スイッチSW2はON状態となって、起動用電源
部PW1から電圧Vbatが接点N14に印加される。こ
こで、フィードバック電圧生成保持回路FVHの補助コ
ンデンサC11の充電電圧が、出力制御部16に供給さ
れる起動電力(すなわち、起動用電源部PW1から供給
される電圧Vbat)の電圧相当又はそれ以上の場合に
は、補助コンデンサC11の充電電圧がダイオードD1
4及びスイッチSW1を介して出力制御部16に供給さ
れ、一方、補助コンデンサC11の充電電圧が、起動電
力の電圧未満の場合には、起動用電源部PW1から電圧
Vbatがそのまま出力制御部16に供給される。
【0068】すなわち、本構成例に係るフィードバック
電圧生成保持回路FVHにおいては、実質的に、発電部
11の最初の起動動作における、ごく初期の段階におい
てのみ、起動用電源部PW1から起動電力が供給され、
その後、発電部11により生成される電力に基づくフィ
ードバック電圧や補助コンデンサの充電電圧が発電動作
継続用の電力又は再起動用の電力として、出力制御部1
6に供給されるので、起動用電源として一次電池等を適
用した場合であっても、電源の消耗を大幅に抑制して長
期にわたって良好な起動動作を行うことができる。な
お、上記構成例においては、一次電池等からなる起動用
電源部が電力発生部内に設けられている構成を示した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
本発明に係る電源システムが装着あるいは内蔵される電
子機器がメモリバックアップ用等の小型一次電池を有し
ている場合には、これを上記起動用電源部として共用す
るように構成してもよい。
【0069】<電力保持部>本実施形態に係る電力発生
部10Aに適用される電力保持部12は、上述した発電
部11により発生された電圧V1を有する電力に基づく
電荷を保持(蓄積又は充電)するとともに、該保持され
た電荷に基づく所定の電圧(充電電圧)V2を有する電
力を後述する電圧変換部13に出力する充放電動作を行
う。図8は、本実施形態に係る電力発生部に適用される
電力保持部の構成例を示す回路ブロック図である。
【0070】図8(a)に示すように、本実施形態に係
る電力保持部12Aは、発電部11から供給される電力
に基づく電圧V1を高電位側電源、接地電位GNDを低
電位側電源として、上記電圧V1に応じた電荷を蓄積し
て放電する蓄電回路CSCと、該蓄電回路CSCへの電
荷の蓄積状態(保持電力:ここでは、充電電圧)を検出
する電圧検出回路VMと、該電圧検出回路VMから出力
される動作制御信号(第2の制御信号)SC2に基づい
てON、OFF動作し、蓄電回路CSCへの電力の供給
(充電)又は遮断(充電停止)を制御するスイッチSW
3と、を備えて構成されている。
【0071】電力保持部12Aのより具体的な回路構成
は、例えば、図8(b)に示すように、スイッチSW3
として、発電部11により生成された電力(電圧V1)
が供給される入力接点N21(図7(b)に示した接点
N11と同一接点)と接点N22との間に、直列に接続
されたスイッチトランジスタTr21及び電流制限抵抗
R21と、スイッチトランジスタTr21のゲートと接
点N22との間に接続された電圧検出抵抗R22と、ス
イッチトランジスタTr21のゲートと低電位側の接点
N23(図7(b)に示した接点N12と同一接点)と
の間に接続された制御トランジスタTr22が設けられ
た構成を適用することができる。
【0072】また、蓄電回路CSCとしては、例えば、
図8(b)に示すように、上記接点N22と低電位側の
接点N23との間に、直列接続された複数個(ここで
は、2個)のコンデンサC21、C22が設けられた構
成を適用することができる。なお、蓄電回路CSCの構
成は、本構成例に限定されるものではなく、発電部11
から供給される電力に基づく電荷を保持(蓄積又は充
電)して、略一定もしくは任意の電圧範囲で変動する電
圧を放出(放電)することができるものであれば、他の
構成を有するものであってもよい。したがって、例え
ば、蓄電回路CSCとして、単一のコンデンサのみを備
えるものであってもよいし、後述するように、複数のコ
ンデンサを所定のタイミングで直列、並列に接続状態を
切り換えるようなコンデンサバンクとしての構成を有す
るものであってもよい。
【0073】電圧検出回路VMの回路構成としては、例
えば、図8(b)に示すように、高電位側の入力接点N
21と低電位側の接点N22との間に、直列に接続され
たツェナーダイオードD21、D22及び分圧抵抗R2
3、R24が設けられた構成を適用することができる。
ここで、スイッチSW3を構成するスイッチトランジス
タTr21、制御トランジスタTr22は、いずれもゲ
ート信号電圧がローレベルのときOFF動作し、ハイレ
ベルのときON動作する電界効果トランジスタであり、
制御トランジスタTr22のゲートには、電圧検出回路
VMを構成する分圧抵抗R23及びR24の接続接点N
24における分圧電圧が動作制御信号SC2として供給
される。
【0074】このような回路構成を有する電力保持部1
2Aにおいて、蓄電回路CSCを構成するコンデンサC
21、C22に蓄積された電荷に基づく充電電圧(又
は、放電電圧;接点N22の電圧)V2が電圧検出回路
VMにより常時検出されることにより、該充電電圧V2
の電圧変化に応じてスイッチSW3に出力される動作制
御信号SC2の信号レベルが制御される。すなわち、蓄
電回路CSCの充電電圧V2が電圧検出回路VMのツェ
ナーダイオードD21、D22のツェナー電圧Vzより
も低い場合には、分圧抵抗R23及びR24の接続接点
N24における電圧はローレベルとなり、スイッチSW
3の制御トランジスタTr22をOFF状態に切り換え
ることにより、スイッチトランジスタTr21のゲート
にハイレベルのゲート信号を印加してON動作させて、
入力接点N21に供給された発電部11からの電力に基
づく電荷を蓄電回路CSCに充電する。
【0075】一方、蓄電回路CSCの充電電圧V2が電
圧検出回路VMのツェナーダイオードD21、D22の
ツェナー電圧Vzよりも高い場合には、接続接点N24
における電圧はハイレベルとなり、スイッチSW3の制
御トランジスタTr22をON状態に切り換えることに
より、スイッチトランジスタTr21のゲートにローレ
ベルのゲート信号を印加してOFF動作させて、蓄電回
路CSCへの電力の供給を遮断して、蓄電回路CSCの
充電動作を停止する。これにより、電力保持部12A
(蓄電回路CSC)における充電電圧が常時監視され
て、常時所定の電圧範囲内に収束するように蓄電回路C
SCへの電力の保持(蓄積又は充電)状態が制御され
る。
【0076】<電圧変換部>本実施形態に係る電力発生
部10Aに適用される電圧変換部13は、上述したよう
な電力保持部12における充電電圧V2を有する電力
を、図示を省略したデバイス(負荷)の駆動に適した一
定の出力電圧Voutを有する電力(供給電力)に変換す
る電圧変換動作を行う。図9は、本実施形態に係る電力
発生部に適用される電圧変換部の構成例を示す回路ブロ
ック図であり、図10は、本実施形態に係る電力発生部
に適用される電圧変換部の具体的な構成例を示す回路構
成図である。
【0077】図9に示すように、本実施形態に係る電圧
変換部13Aは、上述した電力保持部12における充電
電圧V2に基づいて、所定の駆動電圧Vddを生成する回
路駆動電圧生成回路CDVと、回路駆動電圧生成回路C
DVにより生成された駆動電圧Vddに基づいて動作し、
電力保持部12における充電電圧V2を低電位側電源で
ある接地電位GNDよりも高い一定電圧に変換して出力
電圧Voutとして出力する、いわゆる、DC−DCコン
バータの機能を有する定電圧生成回路DC/DCと、を
備えて構成されている。
【0078】電圧変換部13Aのより具体的な回路構成
は、例えば、図10に示すように、回路駆動電圧生成回
路CDVとして、電力保持部12における充電電圧V2
が供給される高電位側の接点N31と接地電位GNDが
供給される低電位側の接点N32(図7(b)に示した
接点N12と同一接点)との間に、直列に接続された分
圧抵抗R31及びツェナーダイオードD31と、分圧抵
抗R31及びツェナーダイオードD31間の接続接点N
33と低電位側の接点N32との間に接続されたコンデ
ンサC31が設けられた構成を適用することができる。
【0079】また、定電圧生成回路DC/DCの回路構
成としては、例えば、図10に示すように、高電位側の
接点N31と出力電圧Voutを出力する出力接点N34
との間に、直列に接続されたスイッチトランジスタTr
31及びインダクタンスL31と、接点N31と接点N
32との間に、直列に接続された抵抗素子R32及びツ
ェナーダイオードD32と、抵抗素子R32及びツェナ
ーダイオードD32間の接続接点N35と接点N32と
の間に接続されたコンデンサC32と、+側入力端が接
続接点N35に接続され、−側入力端が出力接点N34
に接続されたコンパレータCOMと、一方の入力端にコ
ンパレータCOMの出力端が接続され、他方の入力端に
発振器OSCが接続され、出力端がスイッチトランジス
タTr31のゲートに接続されたスイッチ制御用の論理
ゲートANDと、スイッチトランジスタTr31及びイ
ンダクタンスL31間の接続接点N36と接点N32と
の間に接続されたダイオードD33と、出力接点N34
と接点N32との間に接続されたコンデンサC33が設
けられた構成を適用することができる。
【0080】このような構成を有する電圧変換部13A
において、電力保持部12における充電電圧V2が回路
駆動電圧生成回路CDVに印加されると、抵抗素子R3
1とツェナーダイオードD31の分圧比及びコンデンサ
C31の充電状態に応じて、接続接点N33の電圧が決
定され、これが駆動電圧Vddとして定電圧生成回路DC
/DCに供給される。ここで、駆動電圧Vddは、電力保
持部12における充電電圧V2の電圧変化に関わらず、
低電位側電源である接地電位GNDに対して、略一定の
電圧が生成される。
【0081】一方、定電圧生成回路DC/DCにおいて
は、コンパレータCOMにより出力接点N34の出力電
圧Voutと接続接点N35において分圧生成される基準
電圧Vsとの比較処理が行われて、出力電圧Voutが基
準電圧Vsよりも低いとき、論理ゲートANDの一方の
入力端にハイレベルの信号が入力されるとともに、他方
の入力端に発振器OSCから所定の周期及び信号波形を
有するパルス信号が入力されることにより、論理ゲート
ANDからスイッチトランジスタTr31のゲートにハ
イレベルのゲート信号が印加されて、スイッチトランジ
スタTr31が間欠的にON動作する。これにより、出
力接点N34の電位(出力電圧Vout)が低下すると、
接点N31側の充電電圧V2がスイッチトランジスタT
r31を介して間欠的に供給されることになり、略一定
の電位を有する出力電圧Voutが生成、出力される。な
お、出力接点N34と接点N32との間にコンデンサC
33が接続されていることにより、インダクタンスL3
1を介して供給される電荷が蓄積されるので、出力接点
N34を介して出力される出力電圧Voutがより一定に
制御される。
【0082】<電圧モニタ・制御部>本実施形態に係る
電力発生部に適用される電圧モニタ・制御部14は、上
述した電力保持部12から電圧変換部13に出力される
電圧(充電電圧V2)を検出して、所定の電圧値以下に
なったとき、各々所定のタイミングで、上述した起動制
御部15に対して発電部11を発電状態に移行(起動)
するための動作制御信号SC1を出力するとともに、上
述した電力保持部12に対して発電部11により生成さ
れた電力を保持(蓄積又は充電)するための動作制御信
号SC2を出力する動作制御を行う。
【0083】ここで、電力保持部12における充電電圧
(保持電力の電圧成分)を検出する具体的な回路として
は、例えば、上述した電力保持部12を構成する電圧検
出回路(図8(b)参照)に示したようなツェナーダイ
オードD21、D22及び分圧抵抗R23、R24の直
列接続からなる回路を良好に適用することができる。し
たがって、本実施形態においては、電圧モニタ・制御部
14の電圧検出機能部分を電力保持部12の電圧検出回
路VMと兼用することもできる。なお、電圧モニタ・制
御部14は、上記電圧検出機能のほかに、少なくとも、
動作制御信号SC1、SC2の出力タイミングや信号レ
ベル等を制御する信号制御機能を備えている。
【0084】(B)燃料パック 本発明に係る電源システムに適用される燃料パック20
Aは、例えば、その組成成分に水素を含有する液体燃料
や液化燃料、又は、気体燃料からなる発電用燃料FL
が、充填、封入された密閉性の高い燃料貯蔵容器であっ
て、図3に示したように、電力発生部10Aに対して、
I/F部30Aを介して着脱可能に結合された構成、又
は、一体的に結合された構成を有している。ここで、燃
料パック20Aに封入された発電用燃料FLは、後述す
るI/F部30Aに設けられた燃料送出経路を介して電
力発生部10Aに取り込まれ、上述した出力制御部16
により、所定の電圧を有する電力を発生するために必要
な量の発電用燃料FLが、発電部11に随時供給され
る。
【0085】特に、電源システム1として、電力発生部
10Aと燃料パック20Aが着脱可能な構成を適用した
場合にあっては、燃料パック20Aが電力発生部10A
に結合された状態でのみ、電力発生部10Aに発電用燃
料FLを供給する。この場合、燃料パック20Aは、電
力発生部10Aに結合されていない状態では、内部に封
入された発電用燃料FLが燃料パック20A外部に漏出
しないように、例えば、燃料パック20A内部の燃料封
入圧力やバネ等の物理的な圧力等により閉止する制御弁
等からなる燃料漏出防止手段を備え、I/F部30Aを
介して電力発生部10Aに結合されることにより、I/
F部30Aに設けられ、燃料漏出防止手段による漏出防
止機能を解除する手段(漏出防止解除手段)が接触又は
押圧することによって、例えば、上記制御弁の閉止状態
を解除して、燃料パック20Aに封入された発電用燃料
FLをI/F部30Aを介して電力発生部10Aに供給
する。
【0086】なお、このような構成を有する燃料パック
20Aにおいては、燃料パック20Aに封入された発電
用燃料FLがなくなる前に、電力発生部10Aから燃料
パック20Aが分離された場合には、上記燃料漏出防止
手段の漏出防止機能が再び作動することにより(例え
ば、漏出防止解除手段が非接触状態となることにより、
上記制御弁が再び閉止状態になって)、発電用燃料FL
の漏出が防止され、燃料パック20A単独での持ち運び
が可能となる。なお、燃料漏出防止手段については、後
述する具体構成例において詳しく説明する。
【0087】ここで、燃料パック20Aは、上述したよ
うな燃料貯蔵容器としての機能を有しつつ、特定の環境
条件下において、元来自然界に存在し、かつ、自然を構
成する物質、又は、環境汚染等の発生を生じない物質へ
の変換が可能な材料により構成されていることが好まし
い。すなわち、燃料パック20Aは、その全て或いは一
部が、例えば、自然界に投棄又は埋め立て処理された場
合であっても、土壌中の微生物や酵素等の働き、あるい
は、太陽光線の照射、雨水や大気等により、自然界に無
害な物質(元来自然界に存在し、かつ、自然を構成する
物質、例えば、水と二酸化炭素等)に変換される各種の
分解反応からなる特性、例えば、生分解性や光分解性、
加水分解性、酸化分解性等の分解特性を有する高分子材
料(プラスチック)等により構成することができる。
【0088】また、燃料パック20Aは、人為的な加熱
・焼却処理や薬品・化学処理等を行った場合であって
も、有機塩素化合物(ダイオキシン類;ポリ塩化ジベン
ゾパラジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン)や塩化水
素ガス、重金属等の有害物質もしくは環境汚染物質を発
生しない、又は、発生が抑制された材料により構成され
ているものであってもよい。ここで、燃料パック20A
を構成する材料(例えば、上記高分子材料)は、封入さ
れる発電用燃料FLとの接触により、少なくとも短期間
で分解されるおそれがなく、また、封入される発電用燃
料FLを、少なくとも短期間で燃料としての利用が不可
能となるほど変質させるものではないことはいうまでも
なく、さらに、該高分子材料により構成された燃料パッ
ク20Aが、外的な物理的応力に対して十分な強度を有
しているものであることもいうまでもない。
【0089】なお、上述したように、化学電池のリサイ
クルによる回収率は、僅か20%程度に過ぎず、残りの
80%程度が自然界に投棄、又は、埋め立て処理されて
いる現状を鑑みると、燃料パック20Aの材料として
は、分解特性を有する材料、特に、生分解性プラスチッ
クを適用することが望ましく、具体的には、石油系又は
植物系原料から合成される化学合成型の有機化合物を含
む高分子材料(ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、共重合
ポリエステル等)や、微生物産生型のバイオポリエステ
ル、トウモロコシやサトウキビ等の植物系原料から抽出
されるでんぷんやセルロース、キチン、キトサン等から
なる天然物利用型の高分子材料等を良好に適用すること
ができる。
【0090】また、本実施形態に係る電源システム1に
用いられる発電用燃料FLとしては、少なくとも、発電
用燃料FLが封入された上記燃料パック20Aが、自然
界に投棄、又は、埋め立て処理されて、大気中や土壌
中、水中に漏れ出した場合であっても、自然環境に対し
て汚染物質とならないこと、上述した電力発生部10A
の発電部11において、高いエネルギー変換効率で電力
を発生することができること、所定の封入条件(圧力、
温度等)の下で安定した液体状態又は気体状態を保持
し、電力発生部10Aに供給される燃料物質であること
が好ましく、具体的には、上述したメタノールやエタノ
ール、ブタノール等のアルコール系の液体燃料や、常
温、常圧下で気体であるジメチルエーテルやイソブタ
ン、天然ガス等の炭化水素からなる液化燃料、もしく
は、水素ガス等の気体燃料を良好に適用することができ
る。なお、発電用燃料FLとして、発火性や燃焼性が高
い燃料を適用する場合にあっては、例えば、燃料パック
に、発電用燃料の封入状態を安定化させるための手段を
設けて、電源システムの安全性をより高めるようにする
こともできる。
【0091】このような構成を有する燃料パック20A
及び発電用燃料FLによれば、本実施形態に係る電源シ
ステム1の全部又は一部(燃料パック20Aや発電用燃
料FL等)が、仮に自然界に投棄された場合や、人為的
に埋め立て処理、焼却処分、薬品処理等された場合であ
っても、自然環境に対して大気や土壌、水質の汚染、あ
るいは、環境ホルモンの生成等を大幅に抑制することが
でき、環境破壊の防止や自然環境の美観悪化の抑制、人
体に対する悪影響の防止に寄与することができる。
【0092】また、燃料パック20Aを電力発生部10
Aに対して、着脱可能に構成した場合にあっては、封入
された発電用燃料FLの残量が減少、又は、なくなった
場合には、燃料パック20Aへの発電用燃料FLの補充
や燃料パック20Aの交換、再利用(リサイクル)を行
うことができるので、燃料パック20Aや電力発生部1
0Aの廃棄量を大幅に削減することができるリサイクル
システムの構築に寄与することができる。また、単一の
電力発生部10Aに対して、新たな燃料パック20Aを
交換して取り付け、デバイスDVCに装着して利用する
ことができるので、汎用の化学電池と略同様に、簡便な
使用形態の電源システムを提供することができる。な
お、電力発生部10Aの発電部11における電力の発生
に際し、電力以外に副生成物が生じる場合であって、該
副生成物が周辺環境に悪影響を及ぼす場合や、デバイス
DVCに対して動作不良等の機能上の影響を及ぼす可能
性がある場合等には、副生成物を回収して燃料パック2
0A内部に保持するように構成することもできる。
【0093】(C)I/F部30 本発明に係る電源システム適用可能なI/F部30A
は、図2に示したように、少なくとも、電力発生部10
Aと燃料パック20Aを物理的に結合するとともに、燃
料パック20Aに封入された発電用燃料FLを、燃料送
出経路を介して、所定の状態で電力発生部10Aに供給
する機能を備えている。ここで、上述したように、電源
システム1として、電力発生部10Aと燃料パック20
Aが着脱可能な構成を適用した場合にあっては、I/F
部30Aは、後述する具体的構成(図34参照)におい
て示すように、上記燃料送出経路に加え、燃料パック2
0Aに設けられた燃料漏出防止手段(燃料供給弁24
A)の漏出防止機能を解除する漏出防止解除手段(燃料
送出管52f)を備えている。さらに、I/F部30A
は、上述したように、電力発生部10Aの発電部11に
おいて生成される副生成物を回収する構成を備えている
場合にあっては、該副生成物を燃料パック20A内に送
出するための副生成物回収経路52eを設けた構成を有
している。
【0094】I/F部30Aは、具体的には、燃料送出
経路を介して、燃料パック20Aに所定の条件(温度、
圧力等)の下で封入された発電用燃料FLを液体燃料や
液化燃料として、あるいは、気化して気体燃料(燃料ガ
ス)として電力発生部10A(発電部11)に供給す
る。したがって、電力発生部10Aと燃料パック20A
がI/F部30Aを介して一体的に構成された電源シス
テムにおいては、燃料パック20Aに封入された発電用
燃料FLが、燃料送出経路を介して、常時電力発生部1
0Aに供給可能な状態にあり、一方、電力発生部10A
と燃料パック20AがI/F部30Aを介して着脱可能
に構成された電源システムにおいては、燃料パック20
Aが電力発生部10Aに結合されることにより、燃料パ
ック20Aに設けられた燃料漏出防止手段の漏出防止機
能が漏出防止解除手段により解除され、燃料送出経路を
介して、電力発生部10Aに発電用燃料FLが供給可能
な状態となる。
【0095】<第1の実施形態の全体動作>次に、上述
した構成を有する電源システムの全体動作について、図
面を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る電
源システムの概略動作を示すフローチャートである。ま
た、図12は、本実施形態に係る電源システムの初期動
作を示す動作概念図であり、図13は、本実施形態に係
る電源システムの起動動作を示す動作概念図であり、図
14は、本実施形態に係る電源システムの起動後の状態
を示す動作概念図であり、図15は、本実施形態に係る
電源システムの定常動作時の状態を示す動作概念図であ
る。ここでは、上述した電力発生部の構成(図3乃至図
10)を適宜参照しつつ、動作を説明する。なお、図示
の都合上、起動制御部を構成するフィードバック電圧生
成保持回路を、図中、フィードバック部と略記する。
【0096】本実施形態に係る構成を有する電源システ
ム1は、図11に示すように、少なくとも、燃料パック
20AをI/F部30Aを介して電力発生部10Aに結
合して、燃料パック20Aに封入された発電用燃料FL
を電力発生部10Aに供給可能な状態とする初期動作
(ステップS101)と、起動制御部15から出力制御
部16に起動電力を供給することにより、出力制御部1
6を動作させて、燃料パック20Aに封入された発電用
燃料FLを発電部11に供給して、所定の電力を生成
し、電力保持部12及び起動制御部15に供給する起動
動作(ステップS102〜S110)と、負荷の駆動状
態等に伴う電力保持部12の保持電圧(充電電圧)の変
化に基づいて、発電部11を発電状態又は発電停止状態
に適宜切り換え制御して、上記出力電圧を略一定の電圧
を有する出力電圧を出力する定常動作(ステップS11
1)と、を実行するように制御される。
【0097】以下、各動作について、図12〜図15を
参照して詳しく説明する。 (A)初期動作 まず、初期動作においては、電力保持部12の蓄電回路
CSC及び起動制御部15の補助コンデンサC11に全
く電荷が蓄積されていない状態(初期状態)の電力発生
部10Aに対して、I/F部30Aを介して燃料パック
20Aを結合することにより、燃料パック20Aに設け
られた燃料漏出防止手段の漏出防止機能が解除され、燃
料パック20Aに封入された発電用燃料FLが燃料送出
経路の毛細管現象により燃料送出経路内を移動して出力
制御部16に供給されて、図12に示すように、発電部
11Aに供給可能な状態に保持される(ステップS10
1)。なお、この状態では、起動制御部15Aから出力
制御部16に起動電力が供給されていないので、発電部
11Aへの発電用燃料FLの供給は遮断された状態にあ
る。
【0098】(B)起動動作 次いで、上記初期状態からの起動動作においては、所定
の起動操作を行うことにより(ステップS102)、図
13に示すように、電圧モニタ・制御部14から動作制
御信号SC1、SC2を出力させて(ステップS10
3)、起動制御部15AのスイッチSW1及び電力保持
部12AのスイッチSW3をON状態に切り換える。こ
れにより、起動制御部15Aに設けられた起動用電源部
PW1から出力制御部16に対して、起動電力が供給さ
れることにより(ステップS104)、出力制御部16
が動作して発電用燃料FLが発電部11Aに供給されて
所定の電力が発生される(ステップS105)。
【0099】ここで、発電部11Aにより発生された電
力は、図14に示すように、電力保持部12Aに供給さ
れて蓄電回路CSCに保持(蓄積又は充電)され(ステ
ップS106)、電圧モニタ・制御部14により、その
充電電圧が監視されるとともに、発電部11Aにより発
生された電力の一部が起動制御部15Aのフィードバッ
ク電圧生成保持回路(図中では、フィードバック部と表
記)FVHに供給されて、フィードバック電圧の生成、
スイッチSW2のOFF状態への切り換え及び補助コン
デンサC11の充電が行われる。これにより、発電部1
1Aにおいて発生される電力が所定の電圧V1に達する
と、発電部11Aから出力される電力(電圧V1)に基
づいてフィードバック電圧が生成され、出力制御部16
に対して発電動作継続用の電力として供給されるととも
に、起動用電源部PW1から出力制御部16への起動電
力の供給が遮断される。
【0100】なお、電力発生部10Aを初期状態から起
動させるための起動操作としては、上述したように、少
なくとも、起動制御部15AのスイッチSW1及び電力
保持部12AのスイッチSW3をON状態に切り換える
制御を行うものであればよく、例えば、本発明に係る電
源システムのユーザーが手動操作により図示を省略した
起動用のスイッチ等を操作することにより、電圧モニタ
・制御部14を制御して強制的にローレベルの動作制御
信号SC1、SC2を出力するようにしてもよいし、あ
るいは、電力発生部10Aに燃料パック20Aを結合し
た瞬間にだけ、スイッチSW1、SW2を強制的にON
状態に切り換えるような機構を備えるものであってもよ
い。
【0101】そして、発電部11Aにより発生された電
力により電力保持部12Aの蓄電回路CSCが充電され
て、その充電電圧がフル充電状態に対応する所定値に達
すると(ステップS107)、電圧モニタ・制御部14
によりハイレベルの動作制御信号SC1、SC2が起動
制御部15A及び電力保持部12Aに出力されて(ステ
ップS108)、スイッチSW1、SW3がOFF状態
に切り換え制御される。これにより、出力制御部16へ
の発電動作継続用の電力の供給が遮断されて(ステップ
S109)、発電部11Aにおける発電動作が停止され
る(ステップS110)とともに、電力保持部12Aへ
の電力の供給が遮断されて、蓄電回路CSCにおける充
電動作が停止され、初期状態から定常状態への移行(起
動)が完了する。このとき、電源システムがデバイスD
VCに装着されている場合には、蓄電回路CSCの充電
電圧V2に応じた電力が、電圧変換部13Aにより電圧
変換されて、一定の出力電圧Voutを有する供給電力と
して、デバイスDVCのコントローラCNT(又は、コ
ントローラCNT及び負荷LD)に供給される。また、
蓄電回路CSCの充電電圧V2は、電圧モニタ・制御部
14により常時監視される(ステップS111)。
【0102】(C)定常動作 次いで、定常動作においては、図15に示すように、例
えば、デバイスDVCにおける負荷LDの駆動を継続等
することにより、電力保持部12の蓄電回路CSCにお
ける充電電圧が、所定の電圧範囲の下限しきい値以下に
まで低下した場合には、該充電電圧の低下を電圧モニタ
・制御部14により検出して、ローレベルの動作制御信
号SC1を起動制御部15Aに出力してスイッチSW1
をON状態に切り換えて、発電部11Aを待機状態から
再度発電状態に移行(再起動)させるとともに、ローレ
ベルの動作制御信号SC2を電力保持部に出力してスイ
ッチSW2をON状態に切り換えて、発電部11Aによ
り生成、出力される電力を蓄電回路CSCに充電(再充
電)させる制御を行う。一方、蓄電回路CSCの充電電
圧が所定の電圧範囲にある場合には、蓄電回路CSCに
所定の供給電力に対応する電荷が蓄積されていると判断
して、発電部11Aを発電動作させることなく、蓄電回
路CSCに蓄積された電荷を放電する動作のみを行っ
て、デバイスDVCに所定の供給電力を継続して供給す
る。
【0103】なお、この再起動動作においては、前回の
起動動作において起動制御部15Aのフィードバック電
圧生成保持回路FVHを構成する補助コンデンサC11
に発電部11Aにより発生された電力(電圧V1)に基
づいて所定の電圧が充電され、該充電電圧が起動用電源
部PW1の電圧Vbat相当もしくはそれ以上の場合に
は、補助コンデンサC11の充電電圧に基づく起動電力
が出力制御部16に供給される。一方、該充電電圧が起
動用電源部PW1の電圧Vbat未満の場合には、起動用
電源部PW1による電圧Vbatに基づく起動電力が出力
制御部16に供給されるように、起動制御部15A内の
スイッチSW2が切り換え制御される。このような再起
動動作は、燃料パック20Aに封入された発電用燃料F
Lを使い切って、新たな燃料パックに交換した場合であ
っても同様に実行される。これによれば、起動用電源部
PW1から供給される起動電力を用いた起動動作が、実
質的に初期状態からの最初の起動動作においてのみ実行
され、その後の再起動動作においては、補助コンデンサ
C11に充電された電圧に基づく電力を起動電力として
利用することができるので、起動制御部15に設けられ
る起動用電源部PW1を比較的小型で電池容量の小さい
一次電池等の電源手段により構成することができる。
【0104】このように、本実施形態に係る電源システ
ムによれば、電源システムの外部から燃料等の供給を受
けることなく、燃料パックに発電用燃料が残存している
間は、初期状態からの起動動作後、電力保持部における
保持電力(充電状態)に応じて、発電部の発電、停止動
作、及び、電力保持部の充電、充電停止動作を適宜繰り
返すことにより、略一定の電力をデバイスに出力するこ
とができるので、汎用の化学電池と略同等の電気的特性
を有する電源システムを実現して既存の負荷(デバイ
ス)を良好に駆動させることができるとともに、発電部
を継続的に発電動作させる構成を有する電源システムに
比較して、発電用燃料の浪費を大幅に抑制して、より効
率的なエネルギー資源の利用を図ることができる。した
がって、汎用の化学電池との互換性を確保しつつ、エネ
ルギーの利用効率が極めて高い電源システムを提供する
ことができる。また、この場合、発電部の発電、停止動
作、及び、電力保持部の充電、充電停止動作は、発電部
への発電用燃料の供給状態を制御するスイッチや電力保
持部への電力の供給状態を制御するスイッチを、単にO
N、OFFする簡易な信号制御方法により実現すること
ができるので、電力発生部の装置構成を簡素化して、装
置規模の小型化や製品コストの低減を図ることができ
る。
【0105】また、本実施形態に係る電源システムによ
れば、発電部により生成された電力を電力保持部に一旦
蓄積した後、デバイス(負荷)に供給する構成を有して
いるので、電源システムに接続される負荷の駆動状態の
急激な変動に対して、比較的安定した電力を供給するこ
とができる。また、仮に燃料パックの発電用燃料を使い
切り、発電部における発電動作が行われない状態になっ
た場合であっても、電力保持部に蓄積された電力をしば
らくの間、継続的に出力することができるので、燃料パ
ックの着脱交換作業中においても、デバイスの駆動状態
を維持することができる。さらに、電力保持部を構成す
る蓄電回路として、例えば、電気二重層コンデンサを適
用することにより、電荷蓄積手段として二次電池等を適
用する場合に比較して、装置重量を大幅に軽量化するこ
とができる。
【0106】また、本実施形態に係る電源システムにお
いては、後述するように、電力発生部を、例えば、マイ
クロマシン製造技術を適用してモジュール化し、微小空
間に集積化して形成することにより小型軽量化し、例え
ば、単3型等のように日本工業規格(JIS)等の規格
に則った汎用の化学電池と同等の形状及び寸法になるよ
うに構成することにより、外形形状及び電気的特性(電
圧/電流特性)のいずれにおいても汎用の化学電池との
高い互換性を実現することができ、既存の電池市場にお
ける普及を一層容易なものとすることができる。これに
より、環境問題やエネルギー利用効率等の点で課題が多
い既存の化学電池に替えて、燃料電池等の有害物質の排
出が大幅に抑制され、かつ、高いエネルギー利用効率を
実現することができる発電手段を適用した電源システム
を容易に普及させることができるので、環境への影響を
抑制しつつ、エネルギー資源の利用効率の向上を図るこ
とができる。
【0107】[第2の実施形態]次に、本発明に係る電
源システムに適用される電力発生部の第2の実施形態に
ついて、図面を参照して説明する。図16は、本発明に
係る電源システムに適用される電力発生部の第2の実施
形態を示すブロック図である。また、図17は、本実施
形態に係る電力発生部に適用される起動制御部の構成例
を示す回路ブロック図であり、図18は、本実施形態に
係る起動制御部の具体的な構成例を示す回路構成図であ
る。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成につ
いては、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省
略する。
【0108】上述した第1の実施形態に係る電力発生部
10Aにおいては、起動制御部15を構成する起動用電
源部PW1として、外部からの電力供給を必要としない
一次電池等の電源手段を備えた構成を適用した場合につ
いて説明したが、本実施形態に係る電力発生部において
は、図16に示すように、起動制御部15に、電力発生
部10Bの外部から供給される電力(外部供給電力)に
より充電が可能な電荷蓄積手段を備えた構成を有してい
る。
【0109】すなわち、図17に示すように、本実施形
態に適用される起動制御部15Bは、具体的には、上述
した第1の実施形態に示した起動制御部15A(図7参
照)と同等の構成を有するフィードバック電圧生成保持
回路FVHと、スイッチSW1、SW2に加え、コンデ
ンサからなる起動用電源部PW2と、該起動用電源部P
W2に外部電源から供給される電力を充電するための充
電制御回路PC1と、を備えた構成を有している。
【0110】起動用電源部PW2及び充電制御回路PC
1の具体的な回路構成としては、図18に示すように、
外部電源からの電力(電圧Vch)が供給される入力接点
N41と接地電位GNDが供給される接点N42(図7
に示した接点N12と同一接点)との間に、直列に接続
された電流制限抵抗R41、スイッチトランジスタTr
41及び起動用電源部PW2を構成する起動用コンデン
サC41、C42と、スイッチトランジスタTr41の
ゲートと入力接点N41との間に接続された電圧検出抵
抗R42と、スイッチトランジスタTr41及び起動用
コンデンサC41間の接続接点N43と低電位側の接点
N42との間に、直列に接続されたツェナーダイオード
D41、D42及び分圧抵抗R43、R44と、スイッ
チトランジスタTr41のゲートと低電位側の接点N4
2との間に接続された制御トランジスタTr42が設け
られた構成を適用することができる。
【0111】ここで、制御トランジスタTr42のゲー
トには、分圧抵抗R43及びR44の接続接点N44に
おける分圧電圧が供給される。また、接続接点N43は
スイッチSW2の一端側に接続されて、起動用コンデン
サC41、C42の充電電圧(電圧Vbat相当)に基づ
く電力が起動電力として供給される。すなわち、充電制
御回路PC1は、電流制限抵抗R41、スイッチトラン
ジスタTr41、電圧検出抵抗R42、制御トランジス
タTr42により実現されるスイッチング機能と、ツェ
ナーダイオードD41、D42、分圧抵抗R43、R4
4により実現される電圧検出機能とを備えた構成を有し
ている。
【0112】次いで、上述したような構成を有する電源
システムの主要な動作について、図面を参照して説明す
る。図19は、本実施形態に係る電源システムの初期動
作を示す動作概念図であり、図20は、本実施形態に係
る電源システムの起動動作を示す動作概念図である。こ
こで、上述した第1の実施形態と同等の動作について
は、その説明を簡略化又は省略する。
【0113】本実施形態形態に係る電源システムの初期
動作は、図19に示すように、起動制御部において、ま
ず、電力発生部10Bの初期状態からの起動動作、すな
わち、電源システムのユーザーによる起動用スイッチの
操作や、電力発生部10Bへの燃料パックの結合等に先
立って、電源システムの外部に設けられた外部電源、例
えば、一般の商用電源や市販の乾電池類等から供給され
る所定の電力(電圧Vch)に基づいて、充電制御回路P
C1により起動用電源部PW2を構成する起動用コンデ
ンサC41、C42に起動電力に相当する電力を充電す
る動作を行う。これにより、図20に示すように、発電
部11Bを起動させるためにスイッチSW1にローレベ
ルの動作制御信号SC1が出力された際に、起動用コン
デンサC41、C42の充電電圧(接続接点N43の電
圧)に基づく起動電力が、スイッチSW2及びSW1を
介して出力制御部16に供給される。したがって、本実
施形態においては、電力発生部10Bの起動用電源とし
て一次電池等の電源手段を備える必要がないので、起動
用電源部の電池寿命を考慮することなく、長期にわたっ
て電力発生部を利用することができる。
【0114】なお、発電部11Bを再起動する場合にお
いては、上述した第1の実施形態と同様に、フィードバ
ック電圧生成保持回路FVHの補助コンデンサC11に
おける充電電圧が起動電力の電圧(Vbat)相当もしく
はそれ以上の場合には、補助コンデンサC11の充電電
圧に基づく電力が起動電力として出力制御部16に供給
され、該充電電圧が起動電力の電圧未満の場合には、起
動用電源部PW2の起動用コンデンサC41、C42の
充電電圧に基づく電力が起動電力として出力制御部16
に供給される。
【0115】[第3の実施形態]次に、本発明に係る電
源システムに適用される電力発生部の第3の実施形態に
ついて、図面を参照して説明する。図21は、本実施形
態に係る電源システムに適用される電力発生部の第3の
実施形態に適用される起動制御部の構成例を示す回路構
成図である。ここで、上述した第1の実施形態及び第2
の実施形態の構成例と同等の構成については、同一の符
号を付して、その説明を簡略化又は省略する。上述した
第2の実施形態の構成例(図17、図18参照)に係る
起動制御部15Bにおいては、起動用電源部PW2とし
て、外部から供給される電力により充電される起動用コ
ンデンサC41、C42を備えた構成を適用した場合に
ついて説明したが、本構成例に係る電力発生部に適用さ
れる起動制御部においては、該上記起動用コンデンサC
41、C42と、上述した第1の実施形態において示し
たフィードバック電圧生成保持回路FVHに備えられた
補助コンデンサC11(図7(b)参照)とを兼用した
構成を有する電荷蓄積手段を備えている。
【0116】すなわち、図21(a)に示すように、本
構成例に適用される起動制御部15Cは、上述した第1
の実施形態及び第2の実施形態の一構成例に示した起動
制御部(図7、図18参照)と同等の構成を有するスイ
ッチSW1及び充電制御回路PC1に加え、起動電力及
び発電動作継続用の電力を供給するための共通(単一)
の電荷蓄積手段を具備したフィードバック電圧生成保持
回路FVHと、を備えた構成を有している。
【0117】本構成例に係るフィードバック電圧生成保
持回路FVHの具体的な回路構成としては、例えば、図
21(b)に示すように、発電部11により発電された
電力(電圧V1)が供給される高電位側の接点N11と
接地電位GNDが供給される低電位側の接点N12との
間に、直列に接続された抵抗R51及び共用コンデンサ
C51、C52と、抵抗R51及び共用コンデンサ(補
助電力保持部)C51間の接続接点N51と低電位側の
接点N12との間に、直列に接続されたツェナーダイオ
ードD51、D52と、接続接点N51とスイッチSW
1の一端側の接点N14との間に接続されたダイオード
D53が設けられた構成を適用することができる。
【0118】また、充電制御回路PC1としては、例え
ば、図21(b)に示すように、上記第2の実施形態の
構成例と略同等に、外部電源からの電力(電圧Vch)が
供給される入力接点N41と低電位側の接点N42との
間に、直列に接続された電流制限抵抗R41、スイッチ
トランジスタTr41、ツェナーダイオードD43及び
分圧抵抗R43、R44と、スイッチトランジスタTr
41のゲートと入力接点N41との間に接続された電圧
検出抵抗R42と、スイッチトランジスタTr41のゲ
ートと低電位側の接点N12との間に接続された制御ト
ランジスタTr42が設けられた構成を適用することが
できる。
【0119】ここで、制御トランジスタTr42のゲー
トには、分圧抵抗R43及びR44の接続接点N44に
おける分圧電圧が供給される。また、スイッチトランジ
スタTr41及びツェナーダイオードD43間の接続接
点N43は、上記フィードバック電圧生成保持回路FV
Hの接続接点N51に接続されて、共用コンデンサC5
1、C52には、発電部11から供給される電力(電圧
V1)に基づいてフィードバック電圧生成保持回路FV
Hにより生成される接続接点N51の電圧(フィードバ
ック電圧)、又は、外部電源から供給される電力(電圧
Vch)に基づく接続接点N43の電圧のいずれかが印加
されて充電が行われる。
【0120】次いで、上述したような構成を有する電源
システムの主要な動作について、図面を参照して説明す
る。図22は、本実施形態に係る電源システムの初期動
作を示す動作概念図であり、図23は、本実施形態に係
る電源システムの起動動作を示す動作概念図である。こ
こで、上述した第1又は第2の実施形態と同等の動作に
ついては、その説明を簡略化又は省略する。
【0121】本実施形態形態に係る電源システムの初期
動作は、図22に示すように、起動制御部において、ま
ず、電力発生部10Cの初期状態からの起動動作に先立
って、電源システムの外部に設けられた外部電源から供
給される所定の電力(電圧Vch)に基づいて、充電制御
回路PC1によりフィードバック電圧生成保持回路FV
Hに設けられた共用コンデンサC51、C52に起動電
力に相当する電力を充電する動作を行う。これにより、
図23に示すように、発電部11を起動させるためにス
イッチSW1にローレベルの動作制御信号SC1が出力
された際に、共用コンデンサC51、C52の充電電圧
(接続接点N51の電圧)に基づく起動電力が、スイッ
チSW1を介して出力制御部16に供給される。したが
って、本実施形態においては、電力発生部の起動用電源
として一次電池等の電源手段を備える必要がないので、
起動用電源の電池寿命を考慮することなく、長期にわた
って電力発生部を利用することができるとともに、スイ
ッチSW2等の構成を省略することにより、電力発生部
の回路構成を簡素化して、装置規模の小型化を図ること
ができる。
【0122】なお、本実施形態において、発電部を再起
動する場合には、フィードバック電圧生成保持回路FV
Hの共用コンデンサC51、C52の充電電圧に基づく
起動電力が出力制御部16に一義的に供給される。ここ
で、該充電電圧が起動電力相当の電圧Vbat未満の場合
には、出力制御部及び発電部の起動動作が行われない
が、このような場合には、電源システムのユーザーは、
入力接点N41を介して外部電源から電力(電圧Vch)
を供給して、共用コンデンサC51、C52を充電する
ことにより、電力発生部を正常に動作させることができ
る。
【0123】[第4の実施形態]次に、本発明に係る電
源システムに適用される電力発生部の第4の実施形態に
ついて、図面を参照して説明する。図24は、本発明に
係る電源システムに適用される電力発生部の第4の実施
形態を示すブロック図である。ここで、上述した第1又
は第2の実施形態と同等の構成については、同一の符号
を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0124】上述した第2及び第3の実施形態(図1
7、図21参照)においては、起動制御部を構成する起
動用電源部として、電力発生部の外部から供給される電
力(外部供給電力)により充電が可能な電荷蓄積手段
(コンデンサC41、C42又はC51、C52)を備
えた構成を適用した場合について説明したが、図24に
示すように、本実施形態に係る電力発生部10Dにおい
ては、電力保持部12に保持された電力の一部を、起動
制御部15を介して、出力制御部16に起動電力として
供給する構成を有している。
【0125】すなわち、本実施形態に適用される電力保
持部12Dは、具体的には、後述する図25に示すよう
に、図8に示した電力保持部12Aと同等の回路構成
(スイッチSW3、蓄電回路CSC、電圧検出回路V
M;なお、図25では電圧検出回路VMを省略)に加
え、図18に示した充電制御回路PC1と同等の回路構
成を有する充電制御部PC2が蓄電回路CSCに付設さ
れた構成を有し、該充電制御部PC2を介して、電力発
生部10Dの外部から供給される電力を、起動制御部1
5Dに起動電力として供給するように構成されている。
【0126】次に、上述したような構成を有する電源シ
ステムの主要な動作について、図面を参照して説明す
る。図25は、本実施形態に係る電源システムの初期動
作を示す動作概念図であり、図26は、本実施形態に係
る電源システムの起動動作を示す動作概念図である。こ
こで、上述した第1又は第2の実施形態と同等の動作に
ついては、その説明を簡略化又は省略する。
【0127】本実施形態形態に係る電源システムの初期
動作は、図25に示すように、起動制御部において、ま
ず、電力発生部10Dの初期状態からの起動動作に先立
って、電源システムの外部に設けられた外部電源から供
給される所定の電力(電圧Vch)に基づいて、充電制御
部PC2により電力保持部12Dを構成する蓄電回路C
SC(具体的には、図8(b)に示したコンデンサC2
1、C22)に、少なくとも起動電力に相当する電力を
充電する動作を行う。これにより、図26に示すよう
に、発電部11Dを起動させるためにスイッチSW1に
ローレベルの動作制御信号SC1が出力された際に、電
力保持部12Dの蓄電回路CSCの充電電圧に基づく起
動電力が、スイッチSW2及びSW1を介して出力制御
部16に供給される。したがって、本実施形態において
も上述した実施形態と同様に、電力発生部の起動用電源
として一次電池等の電源手段を備える必要がないので、
起動用電源の電池寿命を考慮することなく、長期にわた
って電力発生部を利用することができるとともに、電力
発生部の回路構成を簡素化して、装置規模の小型化を図
ることができる。
【0128】なお、発電部を再起動する場合において
は、上述した第1の実施形態と同様に、フィードバック
電圧生成保持回路FVHの補助コンデンサC11(図7
(b)参照)における充電電圧が起動電力の電圧Vbat
相当もしくはそれ以上の場合には、補助コンデンサC1
1の充電電圧に基づく起動電力が出力制御部16に供給
され、該充電電圧が起動電力相当の電圧Vbat未満の場
合には、電力保持部12DのコンデンサC21、C22
(図8(b)参照)の充電電圧に基づく起動電力が出力
制御部16に供給される。ここで、電力保持部12Dの
コンデンサC21、C22の充電電圧が上記起動電力相
当の電圧Vbat未満の場合には、出力制御部16及び発
電部11の起動動作が行われないが、このような場合に
は、電源システムのユーザーは、外部電源から所定の電
力を供給して、コンデンサC21、C22を充電するこ
とにより、電力発生部を正常に動作させることができ
る。
【0129】なお、上述した第1乃至第4の実施形態に
おいては、電力保持部12A〜12Dに適用される蓄電
回路CSCとして、電気二重層コンデンサ等の電荷蓄積
手段を直列に複数個、固定的に接続した構成のみを示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構
成を有する電荷蓄積手段を備えるものであってもよい。
図27は、上述した本発明に係る電源システムに適用さ
れる電力発生部の第1乃至第4の実施形態の電力保持部
に適用可能な他の具体構成例を示す回路構成図である。
【0130】図27に示すように、本構成例に係る電力
保持部12Eの具体的な回路構成は、例えば、蓄電回路
CSCとして、高電位側の接点N61と低電位側の接点
N62との間に、接点N63〜N68を介して順次直列
に接続されたコンデンサC101、切換スイッチSW1
01、コンデンサC102、切換スイッチSW102、
コンデンサC103、切換スイッチSW103、コンデ
ンサC104と、接点N61と接点N64の間、接点N
61と接点N66の間、接点N61と接点N68の間
に、各々接続された切換スイッチSW104〜106
と、接点N62と接点N63の間、接点N62と接点N
65の間、接点N62と接点N67の間に、各々接続さ
れた切換スイッチSW107〜109と、を備えた回路
構成(いわゆる、コンデンサバンク)を良好に適用する
ことができる。
【0131】ここで、上記切換スイッチSW101〜S
W103及びSW104〜SW109は、各々、上述し
た第1の実施形態と同等の回路構成(図8参照)を有す
る電圧検出回路VM(又は、図示を省略した電圧モニタ
・制御部14)から出力される動作制御信号SC2の非
反転信号SC2A及び反転信号SC2Rに基づいて、相
互に逆のタイミングで一斉にON、OFF状態に設定さ
れるように切り換え制御される。
【0132】このような構成を有する電力保持部12E
において、電圧検出回路VMから出力される動作制御信
号SC2の非反転信号SC2A及び反転信号SC2Rに
基づいて、切換スイッチSW101〜SW103をON
状態に、また、切換スイッチSW104〜SW109を
OFF状態に切り換え制御して、コンデンサC101〜
C104相互を、接点N61及びN62間に直列に接続
された状態に設定するとともに、スイッチSW3をON
状態に設定することにより、発電部11により発生され
る電力(電圧V1)に基づく電荷を、直列接続されたコ
ンデンサC101〜C104に充電する充電動作を行
う。
【0133】一方、切換スイッチSW101〜SW10
3をOFF状態に、また、切換スイッチSW104〜S
W109をON状態に切り換え制御して、コンデンサC
101〜C104相互を、入力接点N21及び接点N2
2間に並列に接続された状態に設定するとともに、スイ
ッチSW3をOFF状態に設定することにより、コンデ
ンサC101〜C104に充電された電荷に応じた電力
を出力(放電)する放電動作を行う。
【0134】このように、m個(本構成例においては、
m=4)のコンデンサを直列接続状態に切り換えて充電
動作を行うことにより、蓄電回路CSCを単一のコンデ
ンサにより構成する場合に比べて、蓄電回路CSCを構
成するコンデンサの容量値を1/m2(本構成例におい
ては、1/16)倍に低減することができるので、コン
デンサの接続個数に応じて、発電部11から出力される
電力の電流成分(充電電流)を1/m(=1/4)倍に
低減、もしくは、充電電流を一定とした場合には、充電
時間を1/m(=1/4)に短縮することができる。一
方、これらのコンデンサC101〜C104を並列接続
状態に切り換えて放電動作を行い、上述した電圧変換部
を介して、デバイスに供給電力として出力することによ
り、蓄電回路CSCを構成するコンデンサの容量値を、
各接続されたコンデンサC101〜C104の容量値の
総和に増大して負荷駆動能力を向上させることができ
る。
【0135】<外形形状>次に、本発明に係る電源シス
テムに適用可能な外形形状について、図面を参照して説
明する。図28は、本発明に係る電源システムに適用可
能な外形形状の具体例を示す概略構成図であり、図29
は、本発明に係る電源システムに適用される外形形状
と、汎用の化学電池の外形形状との対応関係を示す概念
図である。
【0136】上述したような構成を有する電源システム
において、電力発生部10をモジュール化して構成し
(以下、モジュール化した電力発生部を「発電モジュー
ル」と記す)、燃料パック20をI/F部30を介して
該発電モジュールに結合した状態、又は、これらを一体
的に構成した状態における外形形状は、例えば、図28
に示すように、JIS規格や国際的な標準の規格に則っ
た汎用の化学電池に多用されている各種の円形電池4
1、42、43や、特殊形状の電池(非円形電池)4
4、45、46の規格に則って、これらのいずれかと同
等の外形形状及び寸法を有するように形成されていると
ともに、上述した発電モジュール(電力発生部10)の
発電部11により生成される電力が、図28に示す各電
池形状の正極(+)及び負極(−)の電極端子を介して
出力されるように構成されている。
【0137】ここで、本発明に係る電源システムに搭載
される発電モジュール(電力発生部10)の各構成は、
既存のマイクロマシン製造技術を適用することにより、
例えば、ミリメートルオーダー乃至ミクロンオーダーに
マイクロチップ化、あるいは、マイクロプラント化して
形成することができ、また、発電モジュールの発電部1
1として、例えば、高いエネルギー利用効率を実現する
ことができる燃料電池等を適用することにより、既存の
化学電池と同等(又は、それ以上)の電池容量を実現す
るために必要となる発電用燃料の量を比較的少量に抑制
することができるとともに、既存の乾電池の外形形状及
び寸法、並びに、電気的特性と互換性を有する電源シス
テムを良好に実現することができる。具体的には、例え
ば、発電モジュール(電力発生部10)の上部に正極の
端子を配置し、燃料パック20側に負極の端子を配置
し、燃料パック20と発電モジュールが結合した状態
で、例えば、燃料電池本体110(図4参照)の燃料極
111が負極端子に、また、空気極112が正極端子
に、配線等を介して各々電気的に接続された構成を適用
する。なお、上述した燃料電池以外の発電手段を適用し
た発電部においては、各々の発電器の出力端子が正極端
子及び負極端子に電気的に接続された構成を適用する。
【0138】ここで、円形電池41、42、43は、具
体的には、市販のマンガン乾電池やアルカリ乾電池、ニ
ッケル・カドミウム電池、リチウム電池等に最も多用さ
れ、対応する機器も多いシリンダ型(円柱型:図28
(a))や、腕時計等に利用されるボタン型(図28
(b))、カメラや電子手帳等に利用されるコイン型
(図28(c))等の外形形状を有している。一方、非
円形電池44、45、46は、具体的には、コンパクト
カメラやデジタルスチルカメラ等、使用する機器の形状
等に対応して個別に設計(カスタマイズ)された特殊形
状型(図28(d))や、携帯音響機器等の小型軽量化
に対応した角形(図28(e))、ノート型パーソナル
コンピュータや携帯電話等の薄型大容量化や充電制御機
能に対応した電極構造を備えた平型(図28(f))等
の外形形状を有している。
【0139】したがって、本実施形態に係る電源システ
ムにおいて、図28に示した既存の電池形状を良好に適
用することができ、例えば、図29(a)、(b)に示
すように、燃料パック20を発電モジュール10M(電
力発生部10)に結合した状態、又は、両者を一体的に
構成した状態における外形寸法(例えば、長さLa、直
径Da)が、図29(c)に示すような汎用の化学電池
47の外形寸法(例えば、長さLp、直径Dp)と略同
等になるように構成することができる。
【0140】なお、図29においては、本発明に係る電
源システムの着脱構造(結合関係)と外観形状との関係
を概念的に示したものに過ぎず、具体的な電極構造等を
考慮したものではない。本発明に係る電源システムに各
電池形状を適用した場合の、発電モジュール10M及び
燃料パック20の着脱構造と、電極構造との関係につい
ては、後述する実施例において詳しく説明する。また、
図28、図29に示した外形形状はいずれも、日本国内
の規格に則って単独で、又は、デバイスに付属して流
通、販売されている化学電池の一例であって、本発明の
適用が可能な構成例のごく一部を示したものに過ぎな
い。すなわち、本発明に係る電源システムに適用可能な
外形形状は、上記具体例以外であってもよく、例えば、
世界各国で流通、販売されている化学電池、あるいは、
将来実用化が予定されている化学電池の形状に合致し、
さらには、電気的特性をも合致するように設計すること
ができることはいうまでもない。
【0141】次いで、本発明に係る電源システムに上述
した各電池形状を適用した場合の発電モジュール(電力
発生部)及び燃料パックの着脱構造と、電極構造との関
係について、図面を参照して詳しく説明する。 (着脱構造の第1の実施例)図30(a)〜図30
(d)及び図30(e)〜図30(h)は、それぞれ本
発明の第1の実施例に係る電源システムの燃料パック及
びホルダー部を上方向、前方向、横方向、後方向から見
た外形形状を示す概略構成図であり、図31は、本実施
例に係る電源システムにおける電力発生部(発電モジュ
ール)を備えたホルダー部と燃料パックの着脱構造を示
す概略図である。ここで、上述した各実施形態と同等の
構成については、その説明を簡略化又は省略する。
【0142】図30(a)〜図30(d)及び図30
(e)〜図30(h)に示すように、本実施例に係る電
源システムは、発電用燃料が所定の条件で封入された燃
料パック51(上述した実施形態における燃料パック2
0に相当)と、該燃料パックが着脱可能に構成され、電
力発生部10X及びI/F部30として機能するホルダ
ー部52と、を備えて構成されている。ここで、燃料パ
ック51は、図30(a)〜図30(d)に示すよう
に、発電用燃料FLを封入する透明の分解性高分子ケー
スであって、未使用の場合、バクテリア等の分解要因か
ら保護するパッケージ53によりケース(燃料パック5
1)の周囲全体を被覆、密封した状態で市場に流通させ
るものであってもよい。そして、燃料パック51をホル
ダー部52に結合する際には、図31(a)に示すよう
に、燃料パック51からパッケージ53を剥がせばよ
い。また、燃料パック51を透明なケースで構成すると
ともに、図30(a)に示すように、その側面に指標5
1cを設けた構成を適用することにより、燃料パック5
1内に残存する発電用燃料の量を視覚的に確認すること
ができる。
【0143】ホルダー部52は、大別して、上述した実
施形態と同等の構成を有する電力発生部10X及びI/
F部30が収納され、正極端子EL(+)が設けられた
ホルダー主要部52aと、負極端子EL(−)が設けら
れた対向部52bと、ホルダー主要部52aと対向部5
2bを連結するとともに、ホルダー主要部52aと負極
端子EL(−)を電気的に接続する連結部52cと、を
有して構成されている。ここで、ホルダー主要部52
a、対向部52b及び連結部52cにより囲まれた貫通
した空間SP1が、上記燃料パック51を結合した際の
収納位置となる。また、ホルダー部52は、対向部52
bの当接部分の周囲にバネ材等の弾性を有し、中央に孔
を有する凸部52dと、凸部52dの孔及び電力発生部
10Xの副生成物供給経路17a(後述する図34参
照)を連結する副生成物回収経路52eと、を備えてい
る。なお、ホルダー部52の連結部52cには、図30
(e)に示すように、図30(a)に示した燃料パック
51の指標51cに代えて、又は、指標51cと併設し
て指標52hが刻まれた構成を適用することができる。
これにより、ホルダー部52に燃料パック51を結合し
た際に、発電用燃料の残量がどれだけあるかを視覚的に
確認することができる。この場合、連結部52cは不透
明である方が指標52hを視認しやすい。
【0144】このような構成を有する電源システムにお
いて、図31(a)に示すように、ホルダー主要部52
a、対向部52b及び連結部52cにより構成される空
間SP1に対して、パッケージ53を剥がした燃料パッ
ク51の燃料供給弁24A(後述する図34参照)が設
けられた燃料送出口(一端側)51aをホルダー部52
に当接させて支点とし、燃料パック51の他端側51b
を旋回させて押し込むことにより(図中、矢印P2)、
図31(b)に示すように、該燃料パック51の底部
(他端側)51bが対向部52bに当接して、燃料パッ
ク51が空間SP1に収納される。このとき燃料送出経
路となる燃料送出管52f(後述する図34参照)が、
バネで姿勢が固定されている燃料供給弁24Aを押し下
げて燃料パック51の漏出防止機能が解除されて、燃料
パック51に封入された発電用燃料FLが、毛細管52
g内及び燃料送出管52f内での表面張力により自動的
に搬送されて電力発生部10Xに供給される。
【0145】なお、図31(c)に示すように、燃料パ
ック51をホルダー部52に結合した未使用の電源シス
テムの周囲をバクテリア等の分解要因から保護するパッ
ケージ54でケースの周囲全体を被覆、密封した状態で
市場に流通させるようにしてもよい。この場合、デバイ
ス等の電源として利用する際にパッケージ54を剥がし
て装着する。また、電力発生部10Xに適用される発電
部として、燃料電池等のように燃料パック51の発電用
燃料と大気を構成する成分(酸素等)が反応して発電を
行う発電手段を適用した構成にあっては、パッケージ5
4により酸素を吸入するための通気孔110a(後述す
る図34参照)を被覆することにより、電源システムの
未使用時や誤動作等における不要な発電に伴う発電用燃
料の消費を防止し、デバイスへの装着の際にパッケージ
54を剥がすことにより、初めて発電動作が可能な状態
に移行するように電力発生部10Xの動作状態を制御す
ることができる。
【0146】ここで、電源システムは、燃料パック51
が空間SP1に収納され、ホルダー部52に結合された
状態において、例えば、上述した円柱形状の汎用の化学
電池(図28(a)、図29(c)参照)と略同等の外
形形状及び寸法を有するように構成されている。また、
このとき、燃料パック51が空間SP1に正常に収納さ
れた状態で、燃料パック51の燃料送出口51aがホル
ダー主要部52a側のI/F部に設けられた燃料送出経
路(図示を省略)に良好に当接して接続するように、燃
料パック51の他端側51bを適当な力で押圧するとと
もに、燃料パック51がホルダー部52から不用意に脱
落することを防止するために、燃料パック51の他端側
51bと対向部52bの当接部分が適当な押圧力で係合
するように構成されていることが望ましい。
【0147】具体的には、図31(a)、(b)に示す
ように、例えば、副生成物である水等を回収するために
燃料パック51の他端側51bに形成された副生成物取
込弁24Bが配置された凹部と、対向部52bの当接部
分の周囲にバネ材等の弾性を有する凸部52dと、の間
での係合機構を適用することができる。このとき、凸部
52dに押し上げられることにより、副生成物取込弁2
4Bが閉じた状態から開いた状態になるとともに、副生
成物回収経路52eと連結するため、副生成物が、副生
成物回収経路52eを介して、燃料パック51内に設け
られた副生成物回収用の所定の空間に回収、保持され
る。
【0148】これにより、燃料パックに封入された発電
用燃料が電力発生部10Xの発電部11に供給可能な状
態となり、上述した全体動作(図11参照)において説
明したように、電力保持部12の充電電圧の変化に応じ
て起動制御部15から出力制御部16に起動電力が供給
されて、発電部11において、所定の電力が発生され
て、電力保持部12に充電されるとともに、起動制御部
15にフィードバック電圧の生成のための電力として供
給される。また、本実施例に係る電源システムが所定の
デバイスDVCに装着されることにより、発電部11に
より発生され、電力保持部12に保持された電力が、ホ
ルダー主要部52aに設けられた正極端子EL(+)及
び対向部52bに設けられた負極端子EL(−)を介し
て、デバイスDVCに内蔵されたコントローラCNTを
駆動するための電力(供給電力)として出力される(初
期動作)。
【0149】したがって、本発明に係る電源システム
は、周知の汎用の化学電池と同様に簡易に取り扱うこと
ができ、汎用の化学電池と同一又は同等の外形形状及び
寸法(ここでは、円柱形状)を有するとともに、同一又
は同等の電気的特性を有する電力を供給することができ
る完全互換の電源システムを実現することができるの
で、既存の携帯機器等のデバイスに対して、汎用の化学
電池と全く同様に、動作電源として適用することができ
る。
【0150】特に、本実施例に係る電源システムにおい
て、電力発生部として燃料電池を備えた構成を適用し、
かつ、ホルダー主要部52aに対して着脱可能に構成さ
れた燃料パック51として、上述した分解性プラスチッ
ク等の材料を適用することにより、環境への影響(負
担)を抑制しつつ、高いエネルギー利用効率を実現する
ことができるので、既存の化学電池の投棄や埋め立て処
理による環境問題やエネルギー利用効率の問題等を良好
に解決することができる。また、本実施例に係る電源シ
ステムによれば、燃料パック51が収納されるホルダー
部52側の空間SP1が、貫通形状を有しているので、
燃料パック51の対向する両側面部を把持しながらホル
ダー部52に容易に装着することができ、また、2つの
開口部の一方から燃料パック51を押すことによって2
つの開口部の他方から燃料パック51が押し出されるの
で、燃料パック51の取り外しを簡易かつ確実に行うこ
とができる。
【0151】(着脱構造の第2の実施例)図32(a)
〜図32(c)は、それぞれ本発明の第2の実施例に係
る電源システムの燃料パックを前方向、横方向、後方向
から見た外形形状を示す概略構成図であり、図32
(d)〜図32(f)は、それぞれ本実施例に係る電源
システムのホルダー部を前方向、横方向、後方向から見
た外形形状を示す概略構成図であり、図33は、本実施
例に係る電源システムにおける電力発生部を備えたホル
ダー部と燃料パックの着脱構造を示す概略図である。こ
こで、上述した各実施形態と同等の構成については、そ
の説明を簡略化又は省略する。
【0152】図32(a)〜図32(f)に示すよう
に、本実施例に係る電源システムは、発電用燃料が所定
の条件で封入された透明な燃料パック71と、該燃料パ
ック71が複数本収納可能に構成されたホルダー部72
と、を備えて構成されている。ここで、燃料パック71
は、上述した各実施形態と同等の構成及び機能を有して
いるので、その説明を省略する。電力発生部10X及び
I/F部30として機能するホルダー部72は、大別し
て、電力発生部10Xが収納され、同一端面に正極端子
EL(+)及び負極端子EL(−)が設けられたホルダ
ー主要部72aと、ホルダー主要部72aとの間に空間
SP2を有するように設けられた上部カバー72bと、
空間SP2への燃料パック71の収納、取り出しを可能
とするとともに、空間SP2内に収納された燃料パック
71を押圧固定する開閉カバー72cと、を有して構成
されている。
【0153】このような構成を有する電源システムにお
いて、図33(a)に示すように、ホルダー部72の開
閉カバー72cを開状態として空間SP2の一面側を開
放状態として、複数本(ここでは、2本)の燃料パック
71を同一の向きに挿入した後、図33(b)、(c)
に示すように、開閉カバー72cを閉状態とすることに
より、燃料パック71が空間SP2に収納されるととも
に、開閉カバー72cが燃料パック71の他端側71b
を押圧して、燃料パック71の燃料送出口71aをホル
ダー主要部72a側のI/F部に設けられた燃料送出経
路(図示を省略)に当接させることにより、燃料パック
71の漏出防止機能が解除されて、燃料パック71に封
入された発電用燃料FLが燃料送出経路を介して、ホル
ダー主要部72aに内蔵された電力発生部10Xに供給
される。
【0154】ここで、電源システムは、燃料パック71
が空間SP2に収納され、ホルダー部72に結合された
状態において、例えば、上述した特殊形状の化学電池
(図28(d)〜(g)参照)と略同等の外形形状及び
寸法を有するように構成されている。これにより、上述
した各実施例と同様に、既存の化学電池と同一又は同等
の外形形状及び電気的特性を有する完全互換型のポータ
ブル型の電源システムを実現することができるととも
に、電力発生部に適用する発電手段の構成や着脱可能な
燃料パックの構成材料を適切に選択することにより、環
境への影響を大幅に抑制して、既存の化学電池の投棄や
埋め立て処理による環境問題やエネルギー利用効率の問
題等を良好に解決することができる。
【0155】(具体的構成例)次に、上述した各実施形
態(各構成例を含む)のいずれかを適用した電源システ
ム全体の具体構成例について、図面を参照して説明す
る。図34は、本発明に係る電源システム全体の具体構
成例を示す要部概略構成図である。また、図35は、本
具体構成例に適用される燃料改質部の構成例を示す概略
図である。ここでは、電力発生部(発電モジュール)に
設けられる発電部11として燃料改質方式の燃料電池が
適用されているものとする。また、上述した各実施形態
及び各構成例を適宜参照し、同等の構成については、同
一の符号を付して、その説明を簡略化する。
【0156】図34に示すように、本具体構成例に係る
電源システム1Aは、図2に示したように、電力発生部
10と燃料パック20がI/F部30を介して着脱可能
に構成され、全体として図28(a)又は図29に示し
たように円柱形状からなる外形形状を有している。ま
た、これらの構成(特に、電力発生部10)が、マイク
ロマシン製造技術等を用いてモジュール化されて微小空
間に構成され、汎用の化学電池と同等の外形寸法を有す
るように構成されている。
【0157】ホルダー主要部52aに内蔵される電力発
生部10Xは、概略、円柱形状の円周側面に沿って延在
する燃料電池本体(燃料セル部)110と、円柱状のホ
ルダー主要部52a内部に、各々、深さ及び幅がそれぞ
れ500μm以下の燃料流路が形成された水蒸気改質反
応部160X、水性シフト反応部160Y及び選択酸化
反応部160Zと、ホルダー主要部52a内部にマイク
ロチップ化されて収納された電力保持部12、電圧変換
部13、電圧モニタ・制御部14及び起動制御部15等
の回路機能素子を搭載したコントロールチップ90と、
ホルダー主要部52aの円柱側面から上記燃料電池本体
110の空気極112まで貫通し、外部の空気を取り入
れる複数の通気孔(スリット)110aと、上記空気極
112側において生成される副生成物(水等)を液化
(凝結)して分離回収する分離回収部17と、回収した
副生成物の一部を水蒸気改質反応部160X及び水性シ
フト反応部160Yに供給する副生成物供給経路17a
と、円柱上面から上記燃料電池本体110の空気極11
2まで貫通し、少なくとも、燃料電池本体110の燃料
極111側や水蒸気改質反応部160X、選択酸化反応
部160Zにおいて生成され、非回収物質である副生成
物(二酸化炭素等)をホルダー主要部52a(電力発生
部10X)の外部に排出する排出孔110bと、を備え
て構成されている。
【0158】燃料パック20(51、71)は、上述し
たような分解性プラスチックにより形成され、少なくと
も、発電部11に供給される発電用燃料FLが充填、封
入される空間と、副生成物(水)を固定的に保持する回
収用の空間と、ホルダー主要部52a(電力発生部10
X)との接続部にあって、発電用燃料FLの漏出を防止
する燃料供給弁24A(燃料漏出防止手段)と、を有し
て構成され、このような燃料パック20をI/F部(図
示を省略)を介してホルダー主要部52aに結合する
と、ホルダー主要部52a側に設けられた燃料送出管5
2fが、バネで姿勢が固定されている燃料供給弁24A
を押し下げて燃料パック51の漏出防止機能が解除さ
れ、燃料パック51に封入された発電用燃料FLが毛細
管52g及び燃料送出管52fを介して、表面張力によ
り電力発生部10X(燃料制御部16b)まで自動的に
搬送される。また、燃料パック20を電力発生部10X
及びI/F部から取り外すと、燃料供給弁24Aがバネ
の復元力で元の閉じた状態に戻って、発電用燃料FLの
漏出が防止される。
【0159】また、I/F部は、燃料パック20に封入
された発電用燃料FLを発電部11に供給する燃料送出
経路(燃料送出管52f)と、上記発電部11において
生成され、回収された副生成物(水)の全部又は一部
を、燃料パック20に送出する副生成物回収経路52e
と、を有して構成されている。なお、図示を省略した
が、燃料パック20又はI/F部には、燃料パック20
に封入された発電用燃料FLの残量を検出する残量検出
手段や、発電用燃料の封入状態を安定化させる燃料安定
化手段が設けられた構成を有していてもよい。
【0160】ここで、水蒸気改質反応部160X及び水
性シフト反応部160Yは、反応に必要な水として、副
生成物供給経路17aを介して供給される燃料電池本体
110で生成された水、又は、燃料パック51内に発電
用燃料FLとともに封入された水の少なくとも一方を利
用する。また、水蒸気改質反応部160X、水性シフト
反応部160Y及び選択酸化反応部160Z内で各反応
により生じた微量の二酸化炭素は、排出孔110bを介
してホルダー主要部52a(電力発生部10X)の外部
に排出される。
【0161】なお、本具体構成例に係る電源システムに
適用される水蒸気改質反応部160Xは、例えば、図3
5(a)に示すように、シリコン等の微小基板161の
一面側に、半導体製造技術等の微細加工技術を用いて、
所定の溝形状及び所定の平面パターンを有するように設
けられた燃料吐出部162a、水吐出部162b、燃料
気化部163a、水気化部163b、混合部163c、
改質反応流路164、水素ガス排気部165と、上記改
質反応流路164の形成領域に対応する領域であって、
例えば、微小基板161の他面側に設けられた薄膜ヒー
タ166と、を備えて構成されている。
【0162】燃料吐出部162a及び水吐出部162b
は、上述したような水蒸気改質反応における原料物質と
なる発電用燃料及び水を、例えば、所定の単位量ごとに
液状粒として流路内に吐出する流体吐出機構を有してい
る。したがって、燃料吐出部162a及び水吐出部16
2bにおける発電用燃料又は水の吐出量に基づいて、例
えば、上記化学反応式(3)式に示した水蒸気改質反応
の進行状態が制御されることになるため(詳しくは、後
述する薄膜ヒータ166からの熱量も密接に関連す
る)、燃料吐出部162a及び水吐出部162bは、上
述した出力制御部16(燃料制御部16b)における燃
料供給量の調整機能の一部を担う構成を有している。
【0163】燃料気化部163a及び水気化部163b
は、それぞれ発電用燃料及び水の沸点等の揮発条件に応
じて加熱されるヒータであって、燃料吐出部162a及
び水吐出部162bから液状粒として吐出された発電用
燃料又は水を、加熱処理あるいは減圧処理等することに
より、蒸発過程を実行して気化し、混合部163cにお
いて、燃料ガスと水蒸気の混合ガスを生成する。改質反
応流路164及び薄膜ヒータ166は、上記混合部16
3cにおいて生成された混合ガスを改質反応流路164
に導入し、改質反応流路164の内壁面に付着形成され
た銅−亜鉛(Cu−Zn)系の触媒(図示を省略)、及
び、改質反応流路164の形成領域に対応して設けられ
た薄膜ヒータ166から、改質反応流路164に供給さ
れる所定の熱エネルギーに基づいて、上記化学反応式
(3)に示した水蒸気改質反応を生じさせて、水素ガス
(H)を生成する(水蒸気改質反応過程)。
【0164】水素ガス排気部165は、改質反応流路1
64において生成された一酸化炭素等を含む水素ガスを
排出して、水性シフト反応部160Y及び選択酸化反応
部160Zにおける水性シフト反応過程及び選択酸化反
応過程を介して、一酸化炭素(CO)を除去した後、発
電部11を構成する燃料電池本体110の燃料極111
に供給する。これにより、発電部11において、上記化
学反応式(6)及び(7)に基づく一連の電気化学反応
が生じて、所定の電力が生成される。
【0165】このような構成を有する電源システムにお
いて、上述した各実施形態に示した動作(初期動作、起
動動作、定常動作)に則して、例えば、I/F部を介し
て電力発生部10Xに燃料パック20が結合されると、
燃料供給弁24A(燃料漏出防止手段)による漏出防止
機能が解除されて、燃料パック20に封入された発電用
燃料(例えば、メタノール)FLが、燃料送出管52f
を介して出力制御部16を構成する燃料制御部16bに
送出されて、発電部11への燃料供給が可能な初期状態
に移行する。
【0166】そして、例えば、電源システムのユーザー
が電圧モニタ・制御部14を起動操作することにより、
起動制御部15及び電力保持部12に動作制御信号SC
1、SC2が出力されて、起動制御部15から出力制御
部16に起動電力が供給される。この起動電力は、出力
制御部16を構成する燃料制御部16bにおける発電用
燃料FLの供給制御に用いられるとともに、燃料改質部
16a(特に、水蒸気改質反応部160X)に設けられ
た薄膜ヒータ166を加熱して、所定量の発電用燃料F
L及び水を水蒸気改質反応部160Xの改質反応流路1
64に吐出する。
【0167】これにより、上述した化学反応式(1)〜
(3)に示した水蒸気改質反応、水性シフト反応及び選
択酸化反応により、水素ガス(H)及び二酸化炭素
(CO )が生成され、水素ガス(H)は、発電部1
1を構成する燃料電池本体110の燃料極111に供給
されて所定の電力が生成され、電力保持部12への充電
電力及び起動制御部15におけるフィードバック電圧生
成用の電力として供給される。このとき、出力制御部1
6(燃料改質部16a)における上記水蒸気改質反応、
水性シフト反応及び選択酸化反応に伴って生成される二
酸化炭素(CO)は、例えば、ホルダー主要部52a
(電力発生部10X)の上面に設けられた排出孔110
bを介して電源システムの外部に排出される。
【0168】また、発電部11における発電動作に伴っ
て生成される副生成物(水蒸気等の気体)は、分離回収
部17において、冷却されて液化されることにより、水
とそれ以外の気体成分とに分離され、水のみを回収して
一部を副生成物供給経路17aを介して、上記燃料改質
部16a(特に、水蒸気改質反応部160X及び水性シ
フト反応部160Y)に供給されるとともに、それ以外
の水を副生成物回収経路52eを介して、燃料パック2
0内の回収用の空間に不可逆的に保持される。
【0169】したがって、本具体構成例に係る電源シス
テムによれば、電源システムの外部から燃料の補給を受
けることなく、駆動される負荷(デバイスDVC)の駆
動状態に関わらず、常時一定の電力を自立的に出力する
ことができるので、汎用の化学電池と同等の電気的特性
及び簡易な取り扱いを実現しつつ、高いエネルギー変換
効率で発電動作を行うことができるとともに、少なくと
も燃料パック20の自然界への投棄、埋め立て等による
環境への負担が少ないポータブル型の電源システムを実
現することができる。
【0170】なお、本具体構成例においては、発電部1
1において生成され、回収された副生成物(水)の一部
を燃料改質部16aに供給して再利用する構成を示した
が、このような副生成物の回収、再利用を行わない構成
を有する電源システムにおいては、燃料パック20に発
電用燃料(メタノール等)とともに封入された水を利用
して、燃料改質部16aにおける水蒸気改質反応を実行
する。したがって、このように予め水が混合して封入さ
れた発電用燃料を用いて発電動作を行う場合にあって
は、図35(b)に示すように、燃料改質部16aを構
成する水蒸気改質反応部160Xの構成として、微小基
板161の一面側に、燃料吐出部162、燃料気化部1
63、改質反応流路164及び水素ガス排気部165の
みからなる単一の流路が形成された構成を適用すること
ができる。
【0171】以上説明したように、本発明に係る電源シ
ステムは、上述した各構成例の部材、各実施形態の電力
発生部、並びに、各実施例の着脱構造を任意に組み合わ
せてなるものであり、場合によっては、発電部を構成す
る燃料電池等の発電手段を複数個並列に設けた構成や、
複数種の発電手段を並列に設けた構成を適用するもので
あってもよく、このような構成によりデバイス(負荷)
の駆動状態に関わらず、簡易な信号制御により常時一定
の電力を出力するように発電部の動作状態及び電力保持
部の充電状態が制御されるので、発電用燃料の浪費を抑
制して、エネルギー資源の利用効率を向上することがで
き、リムーバルの汎用電池を電源として適用していた携
帯電話や携帯情報端末(PDA)、ノート型パーソナル
コンピュータ、デジタルビデオカメラやデジタルスチル
カメラ等の携帯機器に広く利用することができる。
【0172】また、上述した各具体構成例においてはモ
ジュール化された電力発生部(発電モジュール)に燃料
パックが結合された状態における電源システム全体の外
形形状や寸法を、汎用の化学電池と同等にすることによ
り互換性を実現する場合についてのみ説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、本発明に係る電源
システムの少なくとも燃料パックが電力発生部に対して
着脱可能に構成されているものであればよく、例えば、
電力発生部の全て又はその一部がデバイスに一体的に付
設又は内蔵された構成を有しているものであってもよ
い。
【0173】具体的には、図32、図33に示したよう
な燃料パック71及びホルダー部72からなる電源シス
テムにおいて、ホルダー部72がデバイスに付設又は内
蔵されるように一体化された構成を適用することができ
る。このような電力発生部(ホルダー部72に相当)の
全て又はその一部を内蔵等したデバイスによれば、発電
用燃料が封入された燃料パックを、例えば、発電用燃料
を使い切るたびに着脱して交換する使用形態を実現する
ことができ、既存の化学電池を着脱して動作電源を確保
する周知のデバイスと同等の使用形態を実現することが
できる。また、この場合、一般的なデバイスにおいては
時計機能やメモリのバックアップ用に予備電源を備えて
いるので、例えば、上述した第2乃至第4の実施形態に
示したような電力発生部内に設けられたコンデンサを外
部電源により充電する必要がある場合であっても、予備
電源から必要な電力を取り込むように構成することもで
きる。
【0174】さらに、上述した各実施形態及び構成例に
おいては、電力発生部に含まれる各構成が、単一のモジ
ュールに含まれるように設けられた場合について記載し
たが、本発明に係る電源システムは、これに限定される
ものではない。要するに、本発明に係る電源システムを
構成する電力発生部は、少なくとも、発電部、電力保持
部、電圧モニタ・制御部、起動制御部及び出力制御部を
有するものであればよく、これらの各構成もしくは一部
の構成が個別独立して設けられているものであってもよ
いし、上述したように、これらの構成全てを単一のモジ
ュール(発電モジュール)に含むように設けたものであ
ってもよい。
【0175】また、上述した各実施形態及び構成例にお
いては、電源システム(電力発生部)内に電圧変換部を
設けて、電力保持部における充電電圧をデバイス(負
荷)の駆動に適した一定の出力電圧Voutを有する電力
(供給電力)に変換して出力する場合について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、電源シス
テムの外部に設けられた電圧変換部を利用して上記電圧
変換動作を行うものであってもよい。例えば、既存のデ
バイスの大半は、汎用の化学電池や交流電源等から供給
される電力に対して、負荷の駆動に適した電圧を生成す
るためのコンバータを予め内蔵しているので、このよう
なコンバータの機能を利用することにより、電源システ
ム内部に上記電圧変換部を備えていない構成を適用する
ことができる。
【0176】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
燃料封入部(燃料パック)に充填、封入された液体又は
気体からなる発電用燃料、又は、該発電用燃料から供給
される特定の成分(例えば、水素)を用いて、所定の電
力を発生する発電手段を備え、所定の二電極端子(正極
端子、負極端子)を介して該電力の出力が可能なポータ
ブル型の電源システムにおいて、発電手段における最初
の起動動作の初期の段階では、起動制御部により上記発
電手段が発生する電力とは独立した電源部から得られる
電力(起動用電源部により供給される電力、又は、電力
保持手段に予め充電された電力)が起動電力として上記
出力制御部に供給され、発電手段の起動後の段階では、
起動制御部により上記発電手段が発生する電力に基づい
て生成される電力(フィードバック電圧)が起動電力
(動作継続用の電力)として供給され、さらに、発電手
段の再起動動作の初期の段階では、起動制御部により上
記発電手段が発生する電力に基づいて蓄積された電力
(補助電力保持部に保持された電力)が起動電力(再起
動用の電力)として供給される構成を有し、加えて、該
起動電力の供給制御により発電手段において発生された
電力が電力保持手段に一旦保持された後、所定電圧の電
力に変換されて、所定の負荷(デバイス)に対して供給
電力として出力される構成を有している。
【0177】ここで、本発明に係る電源システムにおい
ては、発電手段の動作状態を切り換え制御する具体的な
手法として、上記電力保持手段に保持された電力(保持
電力)の電圧成分の変化を検出し、該変化に応じて出力
制御部への起動電力を供給又は遮断のいずれかの状態
に、切換手段(スイッチ)により一義的に切り換え設定
する制御方法を適用することができるので、発電手段の
装置構成及び動作制御を簡素化しつつ、発電手段により
断続的に発生され、電力保持手段に保持される電力を所
定の電圧範囲内に維持して、常時略一定の供給電力を負
荷に出力することができるとともに、発電手段における
不要な発電動作を回避して、エネルギー利用効率が高
く、長期の稼働が可能な電源システムを実現することが
できる。また、発電手段における最初の起動動作のごく
初期の段階においてのみ、起動用電源部や電力保持手段
から起動電力を供給し、その後、起動制御部内で生成さ
れるフィードバック電圧や、補助電力保持部に保持され
た電力が出力制御手段に供給されるので、起動用電源部
として電池容量のごく小さい一次電池等を良好に適用し
つつ、長期にわたって良好な発電動作を行うことができ
る。
【0178】また、上記電力保持手段として、1以上の
容量素子からなる構成を適用することができ、特に、複
数の容量素子を所定の関係で接続した構成、例えば、直
列・並列接続切り換え可能な回路構成等を適用すること
もできるので、電力保持手段からの電力により駆動する
負荷において、駆動状態の急激な変動が生じた場合であ
っても、電力保持手段を構成する容量成分により電圧変
動が緩和されるとともに、電力保持手段として汎用の二
次電池等を適用した場合に比較して、装置重量を大幅に
軽量化することができる。また、電力保持手段への充電
動作時に複数の容量素子を直列接続することにより、見
かけ上の容量値を小さくして充電電流値を小さく、又
は、充電時間を短縮させることができるとともに、放電
動作時に複数の容量素子を並列接続することにより、全
体の容量値を直列接続時よりも増大させて負荷駆動能力
を向上させることができる。
【0179】さらに、上記電源システムは、電源システ
ムから出力される供給電力により駆動する負荷に対し
て、システム全体が着脱可能な構成、もしくは、少なく
とも、燃料封入部以外の各構成部分(電力発生部)が着
脱可能な構成、さらに、燃料封入部以外の各構成部分
(電力発生部)に対して、燃料封入部が着脱可能な構成
を有していることにより、燃料封入部に封入された発電
用燃料がなくなったときや少なくなったときに、燃料封
入部を電力発生部から取り外して新たな燃料封入部に交
換、あるいは、燃料封入部に発電用燃料を注入して補充
することができるので、燃料封入部以外の各構成部分を
繰り返し継続的に利用することができるとともに、電源
システム全体又は燃料封入部をあたかも汎用の化学電池
のように簡便に使用することができる。また、燃料封入
部の交換や回収が可能となるので、電源システム自体の
廃棄量を削減することができる。
【0180】加えて、上記電力発生部を適用した電源シ
ステムは、その全部又は一部がモジュール化されて構成
され、燃料封入部が結合された電源システム全体の物理
的外形形状が、汎用の化学電池のうちの任意の1種、例
えば、円形電池や単1型等のように日本工業規格で規格
化された電池(二電極端子構造)や、装着される機器に
応じた特殊形状を有する二次電池等と同等の形状及び寸
法を有するように構成されていることにより、負荷の駆
動状態に関わらず、常時略一定の供給電力を出力できる
電気的特性のみならず、外形形状においても、汎用の化
学電池との高い互換性を確保することができるので、極
めてエネルギー変換効率の高い電源システムを既存の化
学電池の市場に支障なく普及させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源システムの適用形態の一例を
示す概念図である。
【図2】本発明に係る電源システムの基本構成概念を示
すブロック図である。
【図3】本発明に係る電源システムに適用される電力発
生部の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る発電部に適用可能な燃料電池
本体の一構成例を示す概略構成図である。
【図5】本構成例に係る発電部に適用される燃料改質部
の構成概念図である。
【図6】本実施形態に係る電力発生部に適用される出力
制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態に係る電力発生部に適用される起動
制御部の具体的な構成例を示す回路構成図である。
【図8】本実施形態に係る電力発生部に適用される電力
保持部の構成例を示す回路ブロック図である。
【図9】本実施形態に係る電力発生部に適用される電圧
変換部の構成例を示す回路ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る電力発生部に適用される電
圧変換部の具体的な構成例を示す回路構成図である。
【図11】本実施形態に係る電源システムの概略動作を
示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る電源システムの初期動作を
示す動作概念図である。
【図13】本実施形態に係る電源システムの起動動作を
示す動作概念図である。
【図14】本実施形態に係る電源システムの起動後の状
態を示す動作概念図である。
【図15】本実施形態に係る電源システムの定常動作時
の状態を示す動作概念図である。
【図16】本発明に係る電源システムに適用される電力
発生部の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図17】本実施形態に係る電力発生部に適用される起
動制御部の構成例を示す回路ブロック図である。
【図18】本実施形態に係る起動制御部の具体的な構成
例を示す回路構成図である。
【図19】本実施形態に係る電源システムの初期動作を
示す動作概念図である。
【図20】本実施形態に係る電源システムの起動動作を
示す動作概念図である。
【図21】本実施形態に係る電源システムに適用される
電力発生部の第3の実施形態に適用される起動制御部の
構成例を示す回路構成図である。
【図22】本実施形態に係る電源システムの初期動作を
示す動作概念図である。
【図23】本実施形態に係る電源システムの起動動作を
示す動作概念図である。
【図24】本発明に係る電源システムに適用される電力
発生部の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図25】本実施形態に係る電源システムの初期動作を
示す動作概念図である。
【図26】本実施形態に係る電源システムの起動動作を
示す動作概念図である。
【図27】上述した本発明に係る電源システムに適用さ
れる電力発生部の第1乃至第4の実施形態の電力保持部
に適用可能な他の具体構成例を示す回路構成図である。
【図28】本発明に係る電源システムに適用可能な外形
形状の具体例を示す概略構成図である。
【図29】本発明に係る電源システムに適用される外形
形状と、汎用の化学電池の外形形状との対応関係を示す
概念図である。
【図30】本発明の第1の実施例に係る電源システムの
燃料パック及びホルダー部の外形形状を示す概略構成図
である。
【図31】本実施例に係る電源システムにおける電力発
生部を備えたホルダー部と燃料パックの着脱構造を示す
概略図である。
【図32】本発明の第2の実施例に係る電源システムの
燃料パック及びホルダー部の外形形状を示す概略構成図
である。
【図33】本実施例に係る電源システムにおける電力発
生部を備えたホルダー部と燃料パックの着脱構造を示す
概略図である。
【図34】本発明に係る電源システム全体の具体構成例
を示す要部概略構成図である。
【図35】本具体構成例に適用される燃料改質部の構成
例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 電源システム 10、10A〜10D 電力発生部 11 発電部 12、12A〜12E 電力保持部 13 電圧変換部 14 電圧モニタ・制御部 15、15A〜15D 起動制御部 16 出力制御部 16a 燃料改質部 16b 燃料制御部 20、20A〜20D 燃料パック 30、30A〜30D I/F部 DVC デバイス
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01M 8/06 H01M 8/06 G 8/10 8/10 Fターム(参考) 5G003 AA05 BA01 CA14 DA07 DA15 GB03 5H026 CX10 5H027 KK52 KK54

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の発電用燃料を用いて供給電力を発
    生する電源システムであって、少なくとも、 前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、 前記発電用燃料を用いて発電電力を発生する発電手段
    と、 前記発電手段を動作又は停止させる出力制御手段と、 前記出力制御手段を動作させるための起動電力を供給す
    る起動制御手段と、を備えていることを特徴とする電源
    システム。
  2. 【請求項2】 前記電源システムは、前記発電手段によ
    り発生される前記発電電力に基づく電荷を保持する電力
    保持手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の
    電源システム。
  3. 【請求項3】 所定の発電用燃料を用いて供給電力を発
    生する電源システムであって、少なくとも、 前記発電用燃料が封入された燃料封入部と、 前記発電用燃料を用いて発電電力を発生する発電手段
    と、 前記発電手段により発生される前記発電電力に基づく電
    荷を保持する電力保持手段と、 前記電力保持手段に保持された保持電力の変化に応じ
    て、前記発電手段の動作又は停止、及び、前記電力保持
    部への充電又は停止を制御するシステム制御手段と、を
    備えていることを特徴とする電源システム。
  4. 【請求項4】 前記システム制御手段は、少なくとも、 前記発電手段への前記発電用燃料の供給又は遮断を制御
    することにより、前記発電手段を動作又は停止させる出
    力制御手段と、 前記電力保持手段に保持された前記保持電力の電圧成分
    を監視し、該電圧成分の変化に応じて、前記発電手段の
    起動及び停止を制御する第1の制御信号と、前記電力保
    持手段への充電又は停止を制御する第2の制御信号とを
    出力する電圧モニタ・制御部と、 少なくとも、前記電圧モニタ・制御部からの前記第1の
    制御信号に基づいて、前記出力制御手段を動作させるた
    めの起動電力の供給を制御して、前記発電手段の動作状
    態を制御する起動制御手段と、を備えていることを特徴
    とする請求項3記載の電源システム。
  5. 【請求項5】前記電圧モニタ・制御部は、少なくとも、 前記電力保持手段に保持された前記保持電力の電圧が所
    定の上限値に達した場合に、前記発電手段を停止制御す
    る前記第1の制御信号を出力し、 前記電力保持手段における前記保持電力の電圧が所定の
    下限値以下に低下した場合に、前記発電手段を起動制御
    する前記第1の制御信号を出力することを特徴とする請
    求項4記載の電源システム。
  6. 【請求項6】 前記電源システムは、前記電力保持手段
    に保持された前記保持電力に基づいて、前記供給電力を
    生成する供給電力生成手段を備えていることを特徴とす
    る請求項2又は3記載の電源システム。
  7. 【請求項7】 前記供給電力生成手段は、前記保持手段
    における前記保持電力に基づいて、所定電圧の前記供給
    電力を生成する電圧変換手段を備えていることを特徴と
    する請求項6記載の電力システム。
  8. 【請求項8】 前記起動制御手段は、 前記発電手段の起動時には、該発電手段の動作とは独立
    した電力を前記起動電力として前記出力制御手段に供給
    し、 前記発電手段の起動後には、該発電手段により発生され
    る前記発電電力に基づく電力を、前記起動電力として前
    記出力制御部に供給することを特徴とする請求項1又は
    4記載の電源システム。
  9. 【請求項9】 前記起動制御手段は、前記発電手段の起
    動時及び起動後における前記出力制御手段への前記起動
    電力の供給を切り換える切換手段を具備していることを
    特徴とする請求項1又は4記載の電源システム。
  10. 【請求項10】 前記起動制御手段は、前記発電手段の
    動作とは独立して所定の電力を保持する起動用電源部を
    具備し、前記発電手段の起動時に、前記起動用電源部か
    らの前記電力を、前記起動電力として前記出力制御手段
    に供給することを特徴とする請求項1又は4記載の電源
    システム。
  11. 【請求項11】 前記起動制御手段は、前記発電手段の
    起動時に、前記電力保持手段に保持された前記保持電力
    の一部を、前記起動電力として前記出力制御手段に供給
    することを特徴とする請求項2又は4記載の電源システ
    ム。
  12. 【請求項12】 前記起動制御手段は、前記発電手段に
    より発生される前記発電電力の一部を充電する補助電力
    保持部を具備し、 前記発電手段の起動後に、前記補助電力保持部の充電電
    力を、前記起動電力として前記出力制御手段に供給する
    ことを特徴とする請求項1又は4記載の電源システム。
  13. 【請求項13】 前記起動制御部は、前記起動用電源部
    及び前記補助電力保持部を兼用した構成を有しているこ
    とを特徴とする請求項10又は12記載の電源システ
    ム。
  14. 【請求項14】 前記起動用電源部は、少なくとも、前
    記発電手段の起動動作に先立って、前記電源システムの
    外部から供給される電力により充電されて、所定の電力
    を保持していることを特徴とする請求項10又は13記
    載の電源システム。
  15. 【請求項15】 前記電力保持手段は、1以上の容量素
    子から構成されていることを特徴とする請求項2又は3
    記載の電源システム。
  16. 【請求項16】 前記電力保持手段は、複数の容量素子
    を所定の関係で接続した構成を有していることを特徴と
    する請求項2又は3記載の電源システム。
  17. 【請求項17】 前記発電手段は、前記燃料封入部から
    供給される前記発電用燃料を用いた電気化学反応によ
    り、前記発電電力を発生する燃料電池を備えていること
    を特徴とする請求項1又は3記載の電源システム。
  18. 【請求項18】 前記燃料電池は、前記発電用燃料を改
    質して、特定の成分を抽出する燃料改質器と、該特定の
    成分が供給される燃料極と、空気中の酸素が供給される
    空気極と、を備えた燃料改質型の燃料電池であることを
    特徴とする請求項17記載の電源システム。
  19. 【請求項19】 少なくとも、前記電源システムにおけ
    る前記燃料封入部以外の各構成部分は、前記供給電力に
    より駆動する負荷に対して、着脱可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の
    電源システム。
  20. 【請求項20】 前記燃料封入部は、前記電源システム
    における前記燃料封入部以外の各構成部分に対して、着
    脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至
    19のいずれかに記載の電源システム。
  21. 【請求項21】 前記電源システムは、該電源システム
    の全部又は一部がモジュール化されて構成され、前記電
    源システムの物理的外形形状が、各種汎用の化学電池の
    うちの1種と同等の形状及び寸法を有して構成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載
    の電源システム。
  22. 【請求項22】 前記電源システムは、日本工業規格で
    規格化された電池の形状及び寸法に則った外形を有して
    いることを特徴とする請求項21記載の電源システム。
  23. 【請求項23】 前記電源システムは、一対の電極端子
    からなる二電極端子構造を有し、前記供給電力により駆
    動する負荷に対して、前記一対の電極端子を介して前記
    供給電力を供給することを特徴とする請求項21又は2
    2記載の電源システム。
  24. 【請求項24】 所定の発電用燃料が封入された燃料封
    入部と、前記発電用燃料を用いて発電電力を発生する発
    電手段と、前記発電手段を動作又は停止させる出力制御
    手段と、前記出力制御手段を動作させるための起動電力
    を供給する起動制御手段と、を具備する電源システムに
    接続され、前記発電用燃料を用いて発生される供給電力
    により駆動する負荷を備えたことを特徴とする電子機
    器。
  25. 【請求項25】 所定の発電用燃料が封入された燃料封
    入部と、前記発電用燃料を用いて発電電力を発生する発
    電手段と、前記発電手段により発生される前記発電電力
    に基づく電荷を保持する電力保持手段と、前記電力保持
    手段に保持された保持電力の変化に応じて、前記発電手
    段の動作又は停止、及び、前記電力保持部への充電又は
    停止を制御するシステム制御手段と、を具備する電源シ
    ステムに接続され、前記発電用燃料を用いて発生され、
    前記電力保持手段に保持された保持電力に基づいて生成
    される供給電力により駆動する負荷を備えたことを特徴
    とする電子機器。
  26. 【請求項26】 前記電源システムにおける前記燃料封
    入部以外の各構成部分が、前記電子機器に対して一体的
    に構成されていることを特徴とする請求項24又は25
    記載の電子機器。
  27. 【請求項27】 前記電源システムは、該電源システム
    の全部又は一部がモジュール化されて構成され、少なく
    とも、前記燃料封入部が前記電子機器に対して着脱可能
    に構成されていることを特徴とする請求項24乃至26
    のいずれかに記載の電子機器。
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