JP4956000B2 - 燃料電池スタック - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は,水素及び酸素を利用して発電を行う燃料電池に関するものであって、特に、電池を冷却するための冷媒流路を備えた燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素燃料等を利用して発電を行う燃料電池システムは、炭化水素燃料等から水素含有ガスを生成する改質器と、上記水素含有ガスから高純度の水素を取り出すための水素分離膜装置と、水素を水素プロトンの状態にし酸素と反応させて発電を行う燃料電池とを備えている。上記改質器は、例えば、炭化水素燃料と水とによる水蒸気改質反応及び炭化水素燃料と酸素とによる部分酸化反応等を行って、上記水素含有ガスを生成している。また、上記水素分離膜装置は、パラジウム又はバナジウム等からなる水素分離膜を備えており、この水素分離膜は水素のみを透過させる性質を持っている。また、上記燃料電池は、上記水素分離膜を透過した水素が供給されるアノード流路と、酸素や空気等の酸素含有ガスが供給されるカソード流路と、これらの流路の間に配設されたプロトン伝導体(電解質体)とを有している。
【0003】
そして、上記燃料電池システムにおいては、アノード流路に供給した水素を上記プロトン伝導体を透過させて水素プロトンの状態にし、カソード流路において、この水素プロトンと酸素とを反応させて水を生成しながら発電を行っている。このような燃料電池システムとしては、例えば、特許文献1及び2に示すものがある。
【0004】
また、燃料電池の種類としては、例えば、上記プロトン伝導体として固体高分子膜を用いた固体高分子膜型燃料電池や、上記プロトン伝導体として炭化ケイ素にリン酸を含浸させたものを用いたリン酸型燃料電池等がある。上記改質器においては、炭素の析出を抑制するために例えば400℃以上の高温で反応が行われる一方、上記各燃料電池の作動温度は、上記プロトン伝導体に水分を含浸させて使用する性質上、固体高分子膜型燃料電池では20〜120℃ぐらいであり、リン酸型燃料電池では120〜210℃ぐらいである。
【0005】
即ち、上記改質器により生成した水素含有ガスの温度及び上記水素分離膜を透過した水素の温度が、燃料電池に供給する水素の温度よりも大幅に高くなってしまう。そこで、上記従来の燃料電池システムにおいては、水素を燃料電池に供給するまでにその温度を大幅に低下させる必要があった。
具体的には、特許文献1においては、熱交換器により、上記改質器において生成した水素含有ガスとカソードオフガスとの熱交換を行い、水素含有ガスからカソードオフガスに熱量を与えると共にこの水素含有ガスの温度を低下させており、また、他の熱交換器により、上記水素分離膜を透過した水素の温度をさらに低下させてから、これを燃料電池に供給している。
また、特許文献2においては、水素分離膜を透過した水素を凝縮器を通過させることにより、この水素の温度を低下させてから、これを燃料電池に供給している。
【0006】
このように、上記従来の燃料電池システムにおいては、上記熱交換器又は上記凝縮器等の装置を用いる必要があった。その結果、従来の燃料電池システムは、エネルギーロスがあるだけでなく、上記燃料電池システムの構造が複雑になってしまうという問題があった。
【0007】
また、燃料電池においては、その電池反応にともなって発熱がおこる。しかし、上記のごとく、燃料電池の駆動温度の範囲は、そのプロトン伝導体の種類等によって決まっている。そのため、燃料電池の温度を一定の範囲に保持すべく、上記燃料電池には、これを冷却するための冷媒が供給され、そのための冷媒流路が備えられている。
【0008】
しかし、冷媒を冷媒流路に供給して温度調整を行う際には、冷媒の入口と出口と間において温度差が発生し、燃料電池の温度分布に偏りが発生し易い。具体的には、冷媒流路に冷媒を導入すると、冷媒の入口側においては冷媒とその周囲との温度差が大きいため過剰に冷却され、出口側では冷媒とその周囲との温度が小さくなり冷却が不充分になりやすい。その結果、冷媒の入口側と出口側において燃料電池の温度分布に偏りが発生し易くなる。
そこで、例えば下記の特許文献3〜7に示すごとく、燃料電池の温度分布の偏りを解消すべく開発が進められてきた。
【0009】
特許文献3には、電池スタックに介在する冷却ガス通路に、フッ素樹脂製のテーパ状パイプを挿入した燃料電池の冷却板が示されている。このようにテーパ状パイプを挿入することにより、冷却ガスの入口及び出口間の温度差を小さくすることができる。
また、特許文献4には、電池内部の冷媒流路に、起動時には酸化発熱用触媒として機能し、運転時には冷却ガスの流量抵抗体として機能する燃焼触媒体を装填した積層型燃料電池が示されている。このような触媒体を用いることにより燃料電池の積層方向における温度分布の偏りを低減することができる。
さらに、特許文献5には、カソードガス流路とセパレータ間にカソード流れと対向する冷却ガス流路を形成した燃料電池システムが示されている。
【0010】
また、特許文献6には、冷却ガス流路の入口側と酸化剤ガス流路の出口側を一体化して収めた第1のマニホールドと、冷却ガス流路の出口側と酸化剤ガス流路の入口側を一体化して収めた第2のマニホールドとを備え、酸化剤ガスと冷却ガスの流量を、設定温度条件に合わせて個別に制御可能となるように構成した燃料電池の制御装置が示されている。
さらに、特許文献7には、冷媒流路の内壁に、冷却ガスの流通方向に対して直交もしくは斜交する小突起を所定間隔で配置した燃料電池の冷却板が示されている。
【0011】
しかしながら、特許文献3〜7に示す冷却手段には、それぞれ下記のような問題があった。
即ち、特許文献3においては、テーパ状パイプを冷却ガス通路に挿入することが必要である。しかし、通常、燃料電池は、セパレータを数百枚積層してなっており、このセパレータには、一枚当たりに数百という多くのチャンネルが形成されているため、特許文献3に記載のテーパ状パイプを、各チャンネル毎に挿入することは、実際には非常に困難である。また、冷却ガスの入口通路に挿入したパイプは、冷媒の流れを妨げるため、圧力損失が大きくなり、冷却ガス等の流体の供給動力の損失が大きくなってしまう。その結果、燃料電池システムのエネルギー効率が低下するという問題が生じる。
【0012】
また、特許文献4の燃料電池においては、各冷媒流路に触媒体を充填する必要があるため、製造工程が複雑になるという問題があった。
また、このような触媒体を用いた燃料電池においては、燃料電池の温度分布の偏りを充分に低減することができないという問題があった。
【0013】
また、特許文献5の燃料電池システムにおいても、燃料電池における温度分布の偏りを充分に低減することができないという問題があった。即ち、このような燃料電池システムにおいては、冷却ガス流路の端部において温度が高くなり、中央部において温度が低くなるという不具合が生じるおそれがあった。
【0014】
また、特許文献6及び特許文献7に記載の冷却手段においても、燃料電池の温度分布の偏りを充分に低減することはできなかった。
特に、特許文献7に記載の小突起を設けた冷却板を用いるに当たっては、燃料電池における流路の高さが一般に数百μmと非常に小さいため、小突起によるじょう乱効果はほとんど発生しない。そのため、熱伝達の促進効果はほとんど得ることができず、温度分布の偏りを充分に解消することはできなかった。
【0015】
【特許文献1】
特開2003−151599号公報
【特許文献2】
特開2001−223017号公報
【特許文献3】
特開昭64−77874号公報
【特許文献4】
実開昭63−188865号公報
【特許文献5】
特開平11−283638号公報
【特許文献6】
特開昭63−276878号公報
【特許文献7】
特開平2−129858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、燃料電池システムの構造を簡単にすることができ、そのエネルギー効率を向上できると共に、温度分布の偏りを低減できる燃料電池スタックを提供しようとするものである。
【0017】
本発明の第1の側面は、水素又は水素含有ガスが供給されるアノード流路、酸素又は酸素含有ガスが供給されるカソード流路、及び該カソード流路と上記アノード流路との間に配設された電解質体を積層してなる単位電池セルを備えた燃料電池スタックにおいて、
上記電解質体は、上記アノード流路に供給された水素又は水素含有ガス中の水素を透過させるための水素分離金属層と、電気エネルギーを取り出すためのアノード電極と、上記水素分離金属層を透過した水素をプロトンの状態にして上記カソード流路に到達させるための、セラミックスよりなるプロトン伝導体層と、電気エネルギーを取り出すためのカソード電極とを順次積層してなり、
また、上記燃料電池スタックは、上記単位電池セルを冷却するための冷媒流路を有し、
上記冷媒流路においては、その冷媒の入口側に、下流側よりも熱伝導率が小さい低熱伝導部が形成されており、
該低熱伝導部は、上記冷媒流路の入口側における冷媒の置換を抑制する置換抑制部を設けることにより形成されていることを特徴とする燃料電池スタックにある。
本発明の第2の側面は、水素又は水素含有ガスが供給されるアノード流路、酸素又は酸素含有ガスが供給されるカソード流路、及び該カソード流路と上記アノード流路との間に配設された電解質体を積層してなる単位電池セルを備えた燃料電池スタックにおいて、
上記電解質体は、上記アノード流路に供給された水素又は水素含有ガス中の水素を透過させるための水素分離金属層と、電気エネルギーを取り出すためのアノード電極と、該水素分離金属層を透過した水素をプロトンの状態にして上記カソード流路に到達させるための、セラミックスよりなるプロトン伝導体層と、電気エネルギーを取り出すためのカソード電極とを順次積層してなり、
また、上記燃料電池スタックは、上記単位電池セルを冷却するための冷媒流路を有し、
上記冷媒流路においては、その冷媒の入口側に、下流側よりも熱伝導率が小さい低熱伝導部が形成されており、
上記冷媒流路は、その入口側より下流側における側面に、該側面から冷媒を導入するための側面入口を有していることを特徴とする燃料電池スタックにある。
なお、以下、本発明における燃料電池スタックを単に燃料電池という。
【0018】
本発明の燃料電池において、上記電解質体は、例えばペロブスカイト系などのセラミックスよりなる上記プロトン伝導体層を有しており、このようなプロトン伝導体層は、プロトンの伝導に水分を必要としない。そのため、上記燃料電池は、例えば300〜600℃という高温状態で作動させることができる。
また、本発明において、上記電解質体は、上記水素分離金属層と上記プロトン伝導体層とを積層してなる。そのため、従来のように水素分離金属と燃料電池とを別々に設ける必要がなく、その構成を簡単にすることができると共に、例えば改質器等から供給される水素や水素含有ガスを上記燃料電池に直接供給することができる。
【0019】
また、本発明の燃料電池においては、上記のごとく、燃料電池の作動温度を高温にすることができるため、例えば改質器等から供給される水素や水素含有ガスの温度と、燃料電池の作動温度とをほとんど同じにすることができる。そのため、本発明においては、改質器と燃料電池との間に、これらの温度の違いから必要となる熱交換器や凝縮器等を設ける必要がない。そのため、これらを用いたことによるエネルギーロスをなくし、エネルギー効率を向上させることができる。したがって、上記燃料電池を改質器等の他の装置と組み合わせて燃料電池システムを構成する際に、その構成を簡単にし、エネルギー効率を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の燃料電池は、上記冷媒流路における冷媒の入口側に、熱伝導率が小さい低熱伝導部を有している。
上記低熱伝導部は、上記冷媒流路の入口側に形成されており、冷媒流路の下流側よりも熱伝導率が小さくなっている。そのため、上記冷媒流路に冷媒を供給したときに、入口側における熱の移動を抑制し、入口側での過冷却を防止することができる。それ故、燃料電池における冷媒による冷却を均一に行うことができ、温度分布の偏りを防止できる。
【0021】
即ち、一般に、冷媒流路を備えた燃料電池において、冷媒流路に冷媒を導入したときには、冷媒流路の入口側における温度差が最も大きくなり、入口側において過冷却がおこりやすい傾向にある。その結果、冷媒流路の入口側と下流側とで温度差が大きくなり温度分布に偏りが発生する。
本発明においては、上記のごとく、上記冷媒流路の入口側に上記低熱伝導部を設けてあるため、冷媒の入口側における熱の移動を抑制し、入口側における過冷却を防止することにより、冷媒流路の温度分布の偏りを防止できる。
【0022】
また、本発明において、上記電解質体は、上記のごとく、水素分離金属層とプロトン伝導体層とを積層してなる。そのため、温度分布に偏りが起こり作動温度範囲を外れた場合には、例えばパラジウムやバナジウム等からなる水素分離金属層が劣化し、電池性能が低下するおそれがある。また、プロトン伝導体層の導電抵抗が温度依存性を有し、一般に低温域ではプロトン伝導体層の導電抵抗が増加することから、低温度方向へ偏ることは発電効率の低下を招くおそれがある。本発明の燃料電池においては、上記低熱伝導部を上記冷媒流路の入口側に形成してあるため、温度分布の偏りはほとんどおこらず、水素分離金属層の劣化や発電効率の低下を防止することができる。
【0023】
また、上記水素分離金属層は、上記アノード流路に供給された水素又は水素含有ガスから水素を透過させる。そして、水素分離金属層を透過した水素はプロトンの状態になって上記プロトン伝導体層を透過し、上記カソード流路に到達する。該カソード流路においては、該カソード流路に供給した酸素含有ガス中の酸素と、水素プロトン(H+、水素イオンともいう。)とが反応し、水が生成される。上記燃料電池においては、例えば上記電解質体にアノード電極やカソード電極を形成しておくことにより、上記の水の生成とともに、アノード電極及びカソード電極間から電気エネルギーを取り出すことができる。
【0024】
以上のごとく、本発明によれば、燃料電池システムの構造を簡単にすることができ、そのエネルギー効率を向上できると共に、温度分布の偏りを低減できる燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例1にかかる、燃料電池の構成を示す斜視図。
【図2】実施例1にかかる、燃料電池における電解質体の構成を示す部分断面図。
【図3】実施例1にかかる、冷媒流路の構成を示す燃料電池の断面図。
【図4】実施例2にかかる、冷媒流路の壁内に中空部を形成した燃焼電池の構成を示す断面説明図。
【図5】実施例3にかかる、冷媒流路の壁内に開口部を有する中空部を形成することにより、置換抑制部を形成した燃焼電池の構成を示す断面説明図。
【図6】実施例3にかかる、開口部を有する中空部が形成された冷媒流路に加熱ガスを導入したときの加熱ガスの流れを示す説明図。
【図7】実施例4にかかる、内部に隔壁を配設した冷媒流路の構成を示す斜視図。
【図8】実施例4にかかる、内部に厚みを傾斜させた隔壁を配設した冷媒流路の構成を示す斜視図。
【図9】実施例4にかかる、内部に凸状の隔壁を配設した冷媒流路を上方から見たときの平面図。
【図10】実施例4にかかる、冷媒流路の下流側において、隔壁によって分離された流路にさらに隔壁を配設した冷媒流路の構成を示す斜視図。
【図11】実施例4にかかる、冷媒流路の下流側において、隔壁によって分離された流路のうちの一部の流路のみにさらに隔壁を配設した冷媒流路の構成を示す斜視図。
【図12】実施例4にかかる、流路拡大部をアノード流路、カソード流路、及び電解質体の積層方向と略垂直な方向に分離する分離壁を、流路拡大部に配設した冷媒流路の構成を示す斜視図。
【図13】実施例5にかかる、冷媒流路の入口側における隔壁を切断することによって連通部を形成した冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図14】実施例5にかかる、冷媒流路の入口側における隔壁に、スリットを形成することによって連通部を形成した冷媒流路を示す、燃料電池の断面説明図。
【図15】実施例5にかかる、冷媒流路の入口側における隔壁に、複数の孔を形成することによって連通部を形成した冷媒流路を示す、燃料電池の断面説明図。
【図16】実施例6にかかる、隔壁と冷媒流路の内壁との間に離間部を形成した燃料電池の断面説明図。
【図17】実施例7にかかる、隔壁における冷媒流路の入口側にある部分を、部分的に低熱伝導材料にて形成した冷媒流路を有する燃料電池の断面説明図。
【図18】実施例8にかかる、側面に側面入口を有すると共に、シリアルな流路を有する冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図19】実施例9にかかる、区画壁にて複数のユニットに区画されてあると共に、パラレルな流路を有する冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図20】実施例10にかかる、隔壁にて分離された流路に遮断壁を形成した冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図21】実施例10にかかる、隔壁にて分離された流路に遮断壁を形成すると共に、該遮断壁を部分的に冷媒抵抗材料にて形成した冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図22】実施例10にかかる、隔壁にて分離された流路に遮断壁を形成すると共に、該遮断壁に絞り孔を形成した冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図23】実施例11にかかる、単一な流路により形成した冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図24】実施例11にかかる、単一な流路よりなり、遮断壁を形成した冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図25】実施例11にかかる、単一な流路よりなり、部分的に流量抵抗材料にて形成された遮断壁を有する冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【図26】実施例11にかかる、単一な流路よりなり、絞り孔を有する遮断壁を形成した冷媒流路を、上方から見たときの平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明の燃料電池における好ましい実施の形態について説明する。
本発明において、上記燃料電池は、上記アノード流路、上記カソード流路、及び上記電解質体とを積層してなる。
また、本発明の燃料電池は、上記アノード流路、カソード流路、及び上記電解質体を積層してなる単位電池セルをさらに複数積層して構成することができる。この場合には、各単位電池セルが冷却されるように、例えば単位電池セルと冷媒流路を交互に積層して、上記冷媒流路を複数形成することができる。
【0027】
また、上記電解質体は、上記水素分離金属層と上記プロトン伝導体層とを積層してなり、上記水素分離金属層としては、例えばパラジウム(Pd)とバナジウム(V)との積層膜等を用いることができる。また、パラジウム(Pd)からなる膜を単独で用いることもでき、また、パラジウム合金等を用いることもできる。
また、上記プロトン伝導体層としては、例えばペロブスカイト系の電解質膜等を用いることができる。ペロブスカイト系の電解質膜としては、例えば、BaCeO3系のもの、SrCeO3系のもの等がある。
【0028】
また、上記アノード流路には、水素又は水素含有ガスが供給される。この水素や水素含有ガスとしては、例えば改質器等を用いて炭化水素燃料を改質することによって得られる改質ガスを用いることができる。改質器においては、炭化水素燃料と水とによる水蒸気改質反応及び炭化水素燃料と酸素とによる部分酸化反応等を行って、水素含有ガス等の改質ガスを生成することができる。
また、アノード流路に供給される酸素含有ガスとしては、例えば酸素や空気などがある。
また、上記冷媒流路に供給する冷媒としては、例えば水蒸気、空気、上記改質ガス、上記燃料電池において反応後に排出されるオフガス、及び水等を用いることができる。
【0029】
また、上記冷媒流路においては、該冷媒流路に冷媒を導入するときの入口側に上記低熱伝導部が形成されている。該低熱伝導部においては、冷媒流路における冷媒の下流側よりも熱伝導率が低くなっている。このような低熱伝導部は、後述のごとく、断熱層、置換抑制部、中空部、開口部を形成したり、冷媒流路内に隔壁を配設することにより形成することができる。
また、上記冷媒流路は、例えばステンレス等によって形成することができ、ステンレスの熱伝導率は、およそ10〜30W/m・Kである。したがって、上記低熱伝導部は、例えば上記冷媒流路の入口側の熱伝導率を10W/m・Kよりも小さくすることにより形成することができる。より好ましくは、1W/m・K以下にすることがよい。
【0030】
次に、上記低熱伝導部は、上記冷媒流路における冷媒の入口側の内壁に断熱層を設けることにより形成することができる。
この場合には、上記冷媒流路における冷媒の入口側の通過熱抵抗を増大させることができる。即ち、この場合には、上記冷媒流路の入口側における熱伝導率を下流側よりも低くすることができ、上記低熱伝導部を容易に構成することができる。
【0031】
上記断熱層は、例えば熱伝導率10W/m/K以下の低熱伝導材料や多孔材を上記冷媒流路の入口側の内壁に塗布又は貼付することにより形成することができる。このような低熱伝導材料としては、例えば酸化アルミニウム等の酸化物、窒化物、セラミックス等を用いることができる。また、多孔材としては、例えば発泡金属、発泡セラミックス等を用いることができる。特に、上記断熱層を多孔材にて形成した場合には、冷媒を内包した状態でその流動を阻害することができる。その結果、多孔材の熱伝導率を内包した冷媒のレベルまで低くすることが可能になる。
【0032】
また、上記低熱伝導部は、上記冷媒流路における冷媒の入口側の壁内に中空部を設けることにより形成することができる。
このように上記冷媒流路の入口側の壁内に中空部を形成することにより、入口側の通過熱抵抗を増大させることができる。即ち、上記冷媒流路に入口側の壁内に中空部を形成することにより、冷媒流路の入口側は魔法瓶のような構造となる。その結果、上記冷媒流路の入口側における熱伝導率を下流側よりも低くすることができ、上記低熱伝導部を容易に構成することができる。
【0033】
また、上記中空部には、上記冷媒流路に開口する開口部を形成することができる。
この場合には、内部ガスの置換、循環、流動を抑制し、入口側での通過熱抵抗を増大させることができる。その結果、上記冷媒流路の入口側における熱伝導率を下流側よりも低くすることができ、上記低熱伝導部を容易に構成することができる。
【0034】
次に、上記低熱伝導部は、上記冷媒流路の入口側における冷媒の置換を抑制する置換抑制部を設けることにより形成されていることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路の入口側における冷媒の置換を抑制し、冷媒の循環や流動を抑制することができる。そのため、上記冷媒流路内に供給される冷媒が上記冷媒流路の入口側において順次置換されることを抑制し、上記冷媒流路の入口側における過冷却を防止することができる。
【0035】
上記置換抑制部は、上記冷媒流路における冷媒の入口側の壁内に設けられる中空部と、該中空部に設けられると共に上記冷媒流路に開口する開口部とを設けることにより形成されていることが好ましい。この場合は、上記開口部を有する上記中空部により、上記冷媒流路の入口側における冷媒の置換を抑制することができる。即ち、この場合には、上記置換抑制部を容易に実現することができる。
【0036】
また、上記開口部は、上記中空部における冷媒の入口側に位置する部分と下流側に位置する部分とが上記冷媒流路に開口するように形成されていることが好ましい。
この場合には、冷媒の流れと逆向きに上記冷媒流路に加熱ガスを供給することにより、内部ガスを置換し、上記開口部を効率的な昇温用フィンとして活用することができる。さらに、このとき、伝熱面積が大きくなるため、燃料電池を効率的に昇温させることができる。
【0037】
次に、上記冷媒流路内には、冷媒の流れを分離するための隔壁が冷媒の流動方向と略平行に配設されていることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路における冷媒の内部配流の偏りや重力等による偏りを防止することができる。上記隔壁は上記冷媒流路内に複数配設することができる。
【0038】
また、上記隔壁は、金属薄膜にて形成することができる。この場合には、上記隔壁の厚みを薄くすることができるので燃料電池全体の熱容量がほとんど増加しない。そのため、燃料電池の始動時におこる熱容量の増加という不具合を回避することができる。
このような金属薄膜としては、例えばSUS316L、SUS304、インコネル、ハステロイ、チタン合金、ニッケル合金、及びSUS430等からなる、耐熱性及び耐酸化性に優れたものを用いることができる。
【0039】
また、上記隔壁によって分離された冷媒の流路は、その入口側における流路間隔が下流側よりも大きくなるように形成した流路拡大部を有していることが好ましい。
この場合には、上記隔壁によって分離された流路の入口側における断面積が大きくなり、入口側における伝熱面積を小さくすることができる。これにより、上記冷媒流路における冷媒の入口側の熱伝導性が低くなり、上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
また、上述のごとく、上記冷媒流路の入口側に、上記断熱層、上記開口部を有する中空部、上記置換抑制部を形成する場合には、上記冷媒流路の入口側における流路抵抗(絞り損失)が大きくなり、冷媒動力損失が若干増加してしまうおそれがある。したがって、この場合には、上記断熱層、上記中空部、上記置換抑制部と共に、上記流路拡大部を形成することにより、流路抵抗の増大を防止することができる。
【0040】
また、上記流路拡大部は、例えば上記冷媒流路における入口側の流路間隔が下流側よりも大きくなるように、入口側における上記隔壁の数を下流側よりも少なくし、入口側における流路数を下流側よりも少なくすることにより形成できる。また、上記流路拡大部は、上記冷媒流路の入口側には上記隔壁を配設せず、下流側に隔壁を配設することによっても形成することができる。さらに、上記流路拡大部は、入口側における隔壁の厚みを小さくし、入口より下流側における隔壁の厚みを大きくすることによっても形成することができる。
【0041】
次に、上記流路拡大部は、上記隔壁により分離された流路のうちの一部の流路に形成されており、分離された流路のうちの残りの流路には、上記流路拡大部が形成されていないことが好ましい。
上記流路拡大部を上記隔壁にて分離された流路のすべてに形成すると、冷媒を供給したときの圧力損失が大きくなるおそれがある。上記隔壁にて分離された流路のうち、一部の流路のみに上記流路拡大部を形成することにより、圧力損失の増加を最小限にしつつ、上記冷媒流路における入口側の過冷却を防止することができる。
【0042】
また、上記流路拡大部には、上記アノード流路、上記カソード流路、及び上記電解質体の積層方向と略垂直な方向に上記流路拡大部を分離する分離壁が形成されていることが好ましい。
この場合には、熱流方向、即ち上記積層方向への熱流を抑制し、熱流方向と略直交する面内での熱流を促進することができる。そのため、熱流方向と略直行する面内の温度差を低減することができ、冷媒流路における入口側の過冷却を防止することができる。なお、上記分離壁は、複数形成することができる。
【0043】
また、上記隔壁は、上記冷媒流路の入口側において、上記隔壁によって分離された流路を連通する連通部を有していることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路の入口側におけるフィン効率を低減させることができる。その結果、入口側の拡大伝熱面積が小さくなり、熱伝達特性を低くすることができる。即ち、この場合には、上記冷媒流路の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0044】
上記連通部は、例えば上記冷媒流路の入口側における上記隔壁を冷媒の流れ方向に離間して配設することにより形成することができる。この場合には、熱流方向へのフィン面積が小さくなり、拡大伝熱面積を小さくすることができる。
また、上記連通部は、上記隔壁に、その冷媒の流れ方向にスリットを設けることによっても形成することができる。この場合には、スリットにより熱流方向へのフィン内熱流束が分断されるため、伝熱面積を小さくすると共にフィン効率を著しく低減することができる。
さらに、上記連通部は、上記隔壁に1つ以上の孔を形成することによっても形成することができる。この場合には、上記隔壁に設けた孔により、熱流方向へのフィン内熱流束が分断されるため、伝熱面積を小さくすることができる。
【0045】
次に、上記冷媒流路の入口側には、上記隔壁と上記冷媒流路の内壁とが接する部分の少なくとも一部に、上記隔壁が上記冷媒流路の内壁から離間する離間部が形成されていることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路の入口側におけるフィン内熱流束が分断されるため、上記冷媒流路の入口側におけるフィン効率を低減させることができる。その結果、実際の伝熱面積が小さくなり、上記冷媒流路の入口側における熱伝達性を低くすることができる。即ち、この場合には、上記冷媒流路の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0046】
次に、上記隔壁の冷媒流路の入口側にある部分は、その下流側にある部分よりも熱伝導率が低くなるように構成されていることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路の入口側におけるフィン効率を低減させることができる。その結果、入口側の伝熱面積が小さくなり、冷媒流路における入口側の熱伝達性を低くすることができる。即ち、この場合には、上記冷媒流路の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0047】
上記隔壁の入口側の熱伝導率を下流側よりも低くする方法としては、例えば上記隔壁の入口側にある部分を低熱伝導材料により構成する方法がある。また、上記隔壁の入口側にある部分に低熱伝導材料を塗布又は貼付する方法がある。
このような低熱伝導材料としては、例えばセラミックス、ガラス、発泡金属、及び発泡セラミックス等がある。
【0048】
次に、上記冷媒流路は、その入口側より下流側における側面に、該側面から冷媒を導入するための側面入口を有していることが好ましい。
この場合には、下流側の側面に形成された上記側面入口からも冷媒を導入することができる。そして、上記側面入口から導入した冷媒は、冷媒流路の入口側からの冷媒と合流して流れる。即ち、上記冷媒流路はシリアルな流路となる。そのため、上記冷媒流路においては、下流側の冷媒流量を増加させることができる。即ち、冷媒流路の入口側(上流側)においては下流側よりも冷媒流量が低減し、入口側の熱伝達率の低下を図ることができる。なお、上記側面入口は複数形成することもできる。
【0049】
また、この場合には、熱容量流量が低下し、冷媒液膜温度を上昇させることができる。その結果、冷媒流路の入口側における過冷却を防止することができる。ここで、上記冷媒液膜温度は、隔壁の温度と冷媒の温度とから算出される冷媒の代表の温度であり、熱伝達量の算出時における温度差は、この冷媒液膜温度と隔壁の温度とから求められる。
【0050】
さらに、この場合には、冷却負荷の少ない低出力条件では入口側の冷媒流量を少量にしたり又は停止し、上記側面入口からのみに冷媒を流して冷媒流路の中央以降を集中的に冷却することが可能になる。その結果、上記燃料電池の出力レベルが広範囲に変化した場合においても、温度分布の均一化を容易に実現できる。
【0051】
また、上記冷媒流路は、冷媒の流動方向を複数のユニットに区画する区画壁を有し、各ユニットには、冷媒を導入するための導入口と、冷媒を排出するための排出口とがそれぞれ配設されていることが好ましい。
【0052】
この場合には、上記の各ユニットにおいて、独立して冷媒を供給及び排出することが可能になり、上記冷媒流路としてパラレルな流路を形成することができる。これにより、上記冷媒流路内の温度分布を任意に設定することができる。具体的には、例えば過冷却となりやすい冷媒流路の入口側における冷媒流量を少なくしたり、冷やされにくい下流側の冷媒流量を多くしたりできる。このように、各ユニットにおける冷媒流量を制御することにより、冷媒流路の入口側における熱伝導率を低くすることできる。これにより、上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0053】
次に、上記隔壁によって分離された流路のうちの一部の流路には、上記冷媒流路の入口側において冷媒の流れを遮断する遮断壁が配設されていることが好ましい。
この場合には、上記隔壁に分離された流路に、冷媒の流れる流路と流れない流路を設定することができる。即ち、上記冷媒流路の入口側に上記遮断壁を配設して、上記隔壁により分離された流路の一部に、冷媒の流れない流路を形成することにより、上記冷媒流路の入口側における熱交換能力を低下させることができる。これにより、上記冷媒流路の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0054】
また、上記遮断壁の少なくとも一部には、冷媒の流量を制限して冷媒を透過させる流量抑制部が形成されていることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路における冷媒の入口側に、冷媒の流量の多い流路と少ない流路とを形成することができる。これにより、上記冷媒流路の入口側における熱交換能力を低減させることができ、上記低熱伝導部を容易に形成することができる。また、冷媒流量の少ない流路の数が多く、冷媒流量の多い流路の数が少なくなるように、上記流量抑制部を形成することにより、上記冷媒流路の入口側における熱交換能力をさらに効果的に低減させることができる。これは、冷媒流量の少ない流路の数を多くし、冷媒流量の多い流路の数を少なくすると、流量の少ない流路の伝熱面積が大きくなり、また、冷媒流量の多い流路の伝熱面積が小さくなるからである。
【0055】
上記流量抑制部は、例えば上記遮断壁の少なくとも一部を、冷媒の流量を制限して透過する流量抵抗材料にて形成することにより形成できる。このような流量抵抗材料としては、例えばハニカム、多孔材、スリットプレート、及びパンチングメタル等がある。
また、上記流量抑制部は、例えば上記遮断壁の少なくとも一部に、冷媒の流量を制限するための絞り孔を形成することにより形成できる。
【0056】
また、上記隔壁における上記冷媒流路の入口側よりも下流側にある部分には、冷媒を再分配するための連通孔が設けられていることが好ましい。
上記遮断壁を形成した場合においては、上記冷媒流路の入口側から下流側の冷媒の流れが不均一になり、下流側において温度分布の偏りが起こるおそれがある。そこで、上記のごとく、上記隔壁において、その入口側よりも下流側にある部分に、冷媒を再分配するための上記連通孔を設けることにより、冷媒の流れの不均一性を改善させることができる。その結果、上記冷媒流路の下流側における温度分布の均一化を図ることができる。
【0057】
次に、上記冷媒流路は、単一の流路により形成することができる。
この場合には、上記冷媒流路内の内部配流を冷媒の流動方向と略直交する方向に拡散させることができ、その結果、上記冷媒流路内の内部配流を均一化することができる。上記冷媒流路を単一の流路にて形成することは、例えば上記冷媒流路内に上記隔壁等を配設しないこと等により実現できる。
また、この場合には、上記冷媒流路内に、該冷媒流路の内壁から冷媒流路の内側に突起する突起体を複数配設することが好ましい。これにより、上記冷媒流路内の冷媒の分散性をさらに向上させることができる。
【0058】
また、上記冷媒流路には、該冷媒流路の入口側で冷媒の流れの一部を遮断する遮断壁が配設されていることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路の入口側に、冷媒の流れる部分と流れない部分を設定することができる。このように、上記冷媒流路の入口側に冷媒の流れない部分を部分的に形成することにより、上記冷媒流路の入口側における熱交換能力を低下させることができる。即ち、上記冷媒流路の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0059】
また、上記遮断壁の少なくとも一部には、冷媒の流量を制限して冷媒を透過させる流量抑制部が形成されていることが好ましい。
この場合には、上記冷媒流路における冷媒の入口側に、冷媒の流量の多い部分と少ない部分とを形成することができる。このように、上記冷媒流路の入口側に、冷媒の流量の少ない部分を部分的に形成することにより、上記冷媒流路の入口側における熱交換能力を低減させることができる。即ち、上記冷媒流路の入口側に、上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
また、上記冷媒流路の入口側に、冷媒流量の少ない部分が多く、冷媒流量の多い部分が少なくなるように、上記流量抑制部を形成することにより、上記冷媒流路の入口側における熱交換能力をさらに効果的に低減させることができる。
【実施例】
【0060】
(実施例1)
次に、本発明の実施例にかかる燃料電池につき、図1〜図3を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例の燃料電池1は、水素又は水素含有ガスGHが供給されるアノード流路2と、酸素又は酸素含有ガスGOが供給されるカソード流路3と、及びカソード流路3とアノード流路2との間に配設された電解質体4とを積層してなる。
また、本例の燃料電池1は、アノード流路2、電解質体4、及びカソード流路3を積層してなる単位電池セル15をさらに複数積層してなる。
【0061】
また、図2に示すごとく、電解質体4は、アノード流路2に供給された水素又は水素含有ガスGH中の水素を透過させるための水素分離金属層41と、この水素分離金属層41を透過した水素Hをプロトンの状態にしてカソード流路3に到達させるための、セラミックスよりなるプロトン伝導体層42とを積層してなる。
また、図1に示すごとく、上記燃料電池1は、これを冷却するための冷媒Cを供給するための冷媒流路5を有している。本例において、冷媒流路5は、各単位電池セル15をそれぞれ冷却するために、これらの間にそれぞれ形成されている。
また、図3に示すごとく、冷媒流路5には、その冷媒Cの入口側に、下流側よりも熱伝導率が小さい低熱伝導部55が形成されている。本例においては、低熱伝導部55は、冷媒流路5における上記入口側の内壁に断熱層51を配設することにより形成している。
【0062】
以下、本例の燃料電池1につき、詳細に説明する。
図1〜図3に示すごとく、本例の燃料電池1においては、上記電解質体4を挟むようにアノード流路2及びカソード流路3が形成されている。本例において、アノード流路2には、炭化水素燃料を改質して得られる水素含有ガスGHが供給される。また、カソード流路3には、酸素含有ガスGOとしての空気が供給される。
【0063】
図2に示すごとく、本例の水素分離金属層41は、パラジウム(Pd)とバナジウム(V)との積層膜からなる。なお、水素分離金属層41は、パラジウムだけでもよく、これを含有する合金とすることもできる。また、水素分離金属層41は、3気圧のアノードガス供給条件下において、電流密度に換算して10A/cm2を超える水素透過性能を有している。こうして、水素分離金属層41の導電抵抗は無視できる程度に小さくしている。
【0064】
また、本例のプロトン伝導体層42は、ペロブスカイト系の電解質膜からなる。そして、プロトン伝導体層42の導電抵抗は、固体高分子型電解質膜の導電抵抗と同じくらいになるまで小さくしている。また、ペロブスカイト系の電解質膜としては、例えば、BaCeO3系のもの、SrCeO3系のものがある。
【0065】
また、図2に示すごとく、本例の電解質体4は、プロトン電解質体層42におけるアノード流路2側の表面に形成したアノード電極47(陽極)と、プロトン伝導体層42におけるカソード流路3側の表面に形成したカソード電極48(陰極)とを有している。本例において、アノード電極47は、水素分離金属層41を構成するパラジウムにより構成している。また、カソード電極48は、Pt系の電極触媒により構成している。なお、アノード電極は、Pt系の電極触媒により構成することもできる。本例の燃料電池1においては、これらのアノード電極47及びカソード電極48から外部に電気エネルギーを取り出すことができる。
【0066】
また、本例においては、各単位電池セル15の間に、冷媒を供給するための、ステンレスよりなる冷媒流路5を形成してある。本例においては、冷媒Cとして水蒸気を用いている。
また、図3に示すごとく、本例の冷媒流路5においては、冷媒Cの入口側に酸化アルミニウムよりなる断熱層51を形成してある。この断熱層51は、冷媒流路5の入口側の内壁に酸化アルミニウムよりなる板を貼付することにより形成してある。
【0067】
次に、本例の燃料電池1における作用効果について、説明する。
本例の燃料電池1においては、図2に示すごとく、アノード流路2に水素含有ガスGHが供給されると、水素分離金属層41により水素含有ガスGHから水素ガスHが選択的に透過される。水素分離金属層41を透過した水素ガスHは、プロトン伝導体層42においてプロトン(H+)の状態になり、プロトン伝導体層42を透過する。そして、このプロトン伝導体層42を透過したプロトンと、カソード流路3に供給された酸素含有ガスGO(空気)中の酸素とが反応して水が生成される。この水の生成反応にともなって、図2に示すごとく、アノード電極47及びカソード電極48の間に電力が発生する。本例の燃料電池1においては、この電力を外部に取り出すことにより発電を行うことができる。なお、本例においては、燃料電池における反応が約300〜600℃という高温状態にて行われるため、上記のようにして生成された水は水蒸気となる。
【0068】
本例の燃料電池1は、上記のごとく、水素分離金属層41とプロトン伝導体層42とを積層してなる電解質体4を有している。そのため、本例の燃料電池1においては、従来のように水素分離金属と燃料電池とを別々に設けてあった場合とは異なり、例えば改質器等から供給される水素又は水素含有ガスGHを燃料電池1に直接供給することができる。また、プロトン伝導体層42はセラミックスよりなるため、本例の燃料電池1は、例えば300〜600℃という高温状態で作動させることができる。
【0069】
また、本例の燃料電池1は、上記のごとく、その作動温度を高温にすることができるため、改質器等から供給される水素や水素含有ガスGHの温度と、燃料電池1の作動温度とをほとんど同じにすることができる。そのため、本例の燃料電池1を用いる際には、水素含有ガスを供給するための改質器等と燃料電池1との間に、これらの温度の違いにより必要となる熱交換器や凝縮器等を設ける必要がない。そのため、熱交換器や凝縮器等を用いたことによるエネルギーロスが生ずることがなく、また、燃料電池システムの構造を簡単にすることができる。即ち、本例の燃料電池1は、これを用いた燃料電池システムの構造を簡単にすることができ、また、そのエネルギー効率を向上させることができる。
【0070】
また、図3に示すごとく、本例の燃料電池1においては、冷媒流路5における冷媒Cの入口側に、断熱層51が形成されている。この断熱層51が形成された部分は、冷媒流路における下流側よりも熱伝導率が小さくなり、低熱伝導部55となる。
そのため、本例の燃料電池1においては、冷媒流路5に冷媒を供給したときに、入口側における熱の移動を抑制し、入口側での過冷却を防止することができる。それ故、燃料電池1における冷媒Cによる冷却を均一に行うことができ、温度分布の偏りを防止できる。
【0071】
また、図2に示すごとく、電解質体4は、パラジウムとバナジウムとの積層膜からなる水素分離金属層41を有している。そのため、燃料電池1の温度分布に偏りが起こると、パラジウムやバナジウム等からなる水素分離金属層41が劣化し、電池性能が低下するおそれがある。また、プロトン伝導体層42の導電抵抗が温度依存性を有し、一般に低温域では増加することから、低温度方向へ偏ることは発電効率の発電効率の低下を招くおそれがある。
しかし、本例の燃料電池1においては、図3に示すごとく、上記低熱伝導部55を冷媒流路5の入口側に形成してあるため、温度分布の偏りはほとんどおこらず、水素分離金属層41の劣化を防止することができる。また、低温度方向へ偏ることもないため、発電効率の低下を防止することができる。
【0072】
以上のごとく、本例によれば、燃料電池システムの構造を簡単にすることができ、そのエネルギー効率を向上できると共に、温度分布の偏りを低減できる燃料電池を提供することができる。
【0073】
(実施例2)
本例は、上記冷媒流路における上記低熱伝導部を、冷媒流路の壁内に中空部を設けることにより形成した例である。
即ち、図4に示すごとく、本例の燃料電池1においては、冷媒流路5の入口側の壁内を部分的に空洞化させて中空部52を形成してある。これにより、冷媒流路5の入口側の通過熱抵抗を増大させることができる。即ち、冷媒流路5の入口側の壁内に中空部52を形成することにより、冷媒流路5の入口側は魔法瓶のような構造となり、この部分の熱の移動を抑制することができる。
【0074】
したがって、本例の燃料電池1においては、実施例1と同様に、冷媒流路5の入口側での過冷却を防止することができ、冷媒Cによる冷却を均一に行うことができる。それ故、燃料電池における温度分布の偏りを防止できる。なお、その他の構成は実施例1と同様である。
【0075】
(実施例3)
本例は、上記冷媒流路における上記低熱伝導部を、置換抑制部を設けることにより形成した例である。
即ち、図5に示すごとく、本例の燃料電池1においては、冷媒流路5の入口側に、冷媒Cの置換を抑制する置換抑制部551を形成することにより、低熱伝導部55を形成してある。同図に示すごとく、置換抑制部551は、冷媒流路5における冷媒Cの入口側の壁内に設けられる中空部52と、該中空部52に設けられると共に冷媒流路5に開口する開口部521,522とを設けることにより形成されている。
具体的には、図5に示すごとく、冷媒流路5における冷媒Cの入口側の壁内を空洞化させて中空部52を形成すると共に、該中空部52に、冷媒流路5に開口する開口部521,522を形成してある。同図に示すごとく、開口部521,522は、中空部52における冷媒Cの入口側に位置する部分と、下流側に位置する部分とが上記冷媒流路5に開口するように形成されており、特に、本例においては冷媒Cの流れに対して垂直に開口する開口部521と、冷媒Cの流れに対して平行に開口する開口部522とを形成してある。また、冷媒Cの流れに対して垂直に開口する開口部521は、中空部52における、冷媒Cの流れの上流側部分に形成し、冷媒Cの流れに対して平衡に開口する開口部522は、中空部52における、冷媒Cの流れの下流側部分に形成した。
【0076】
このように、中空部52に開口部521,522を冷媒流路5の入口側に設けることにより、図5に示すごとく、冷媒流路5の入口側において冷媒Cの置換を抑制する置換抑制部551を形成することができる。そのため、冷媒流路5における内部ガスの置換、循環、及び流動を抑制することができる。その結果、冷媒流路5の入口側での通過熱抵抗を大きくとることができる。
【0077】
また、図6に示すごとく、冷媒流路5には、燃料電池1の始動時に加熱ガスFを導入することができる。このとき、上記のごとく中空部52及び開口部521,522が形成されてあると、加熱ガスFを冷媒Cと反対向き、即ち開口部522と対向する向きに加熱ガスFを供給することにより、加熱ガスFの中空部52への流れが形成される。その結果、中空部52を効率的な昇温用フィンとして活用することができる。
即ち、同図に示すごとく、冷媒Cと反対向きに冷媒流路5内に導入された加熱ガスFの一部は、冷媒Cとは反対向きで冷媒流路5を流れて冷媒Cの入口から外部へ排出される。一方、冷媒流路5内に導入された加熱ガスFの一部は、開口部522から中空部52を通って開口部521から再び冷媒流路5を通って外部に排出される。
このように、本例においては、燃料電池1の始動時等に、上記のごとく冷媒流路5に加熱ガスFを導入することにより、中空部52を効率的な昇温用フィンとして活用することができる。
【0078】
(実施例4)
本例は、上記冷媒流路に、冷媒の流れを分離する隔壁を形成すると共に、該隔壁によって分離された流路の流路間隔を冷媒流路の入口側と下流側とで変えることにより、上記低熱伝導部を形成した例である。
即ち、本例の燃料電池においては、図7に示すごとく、上記冷媒流路5内に冷媒Cの流れを分離する複数の隔壁6を形成してある。また、隔壁6によって分離された冷媒の流路65は、その入口側における流路間隔が下流側よりも大きくなるように隔壁6を配置して形成されている。具体的には、図7においては、冷媒流路5の入口側における隔壁6の数が下流側よりも少なくなるように隔壁6を配置した。これにより、隔壁6により分離された流路65の入口側には、下流側よりも流路間隔が大きい流路拡大部53が形成される。
【0079】
そのため、本例においては、冷媒流路5に冷媒Cが供給されると、冷媒Cは隔壁6により冷媒流路5内に分散され、冷媒Cの内部配流や重力による偏りを防止することができる。それ故、均一な冷却を実現することができる。
また、上記のごとく、冷媒Cの入口側に上記流路拡大部53が形成されており、隔壁6によって分離された流路65は、その断面積が入口側にて大きくなっているため、この部分の伝熱面積が小さくなる。これにより、冷媒流路5における入口側の熱伝導性が低くなり、冷媒流路5に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。なお、図7、後述の図8、及び図10〜図12においては、冷媒流路内の隔壁の構成を明示するため、燃料電池における冷媒流路の部分のみを斜視図にて示してある。
【0080】
また、上記流路拡大部53は、図8に示すごとく、隔壁6の厚みを冷媒流路5の入口側で小さくし、下流側で大きくすることによっても形成することができる。即ち、本例においては、同図に示すごとく、隔壁6における冷媒流路5の入口側に配置される部分を、入口側の厚みが小さくなるように傾斜させてある。これにより、隔壁6により分離された流路65においては、その入口側の流路間隔が下流側よりも大きくなり、入口側に上記流路拡大部53を形成することができる。そして、このようにして流路拡大部53を形成した場合においても、冷媒流路5における冷媒Cの入口側の熱伝導性を低くすることができ、冷媒流路5に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0081】
また、上記のごとく隔壁の厚みを変更して流路拡大部を形成する場合には、図9に示すごとく、入口側の隔壁6の厚みが下流側よりも小さくなるように、凸状の隔壁6を配置することもできる。この場合においても、隔壁6により分離された流路65においては、その入口側の流路間隔が下流側よりも大きくなり、入口側に上記流路拡大部53を形成することができる。なお、図9においては、隔壁6の厚みの変化を明示するため、冷媒流路5を上方から見たときの平面図を示してある。
【0082】
また、冷媒流路の入口側における流路拡大部は、図10に示すごとく、冷媒流路5に、その入口側から下流側まで延びる隔壁6を配置し、この隔壁6にて分離された流路65内において、その入口より下流側の部分だけに隔壁6をさらに追加して配置することにより形成することもできる。この場合においても、入口側における隔壁6の数は下流側よりも少なくなり、隔壁6によって分離された流路65においては、その入口側の流路間隔が下流側よりも大きくなる。即ち、入口側に流路拡大部53が形成される。そして、このようにして流路拡大部53を形成した場合においても、冷媒流路5における入口側の熱伝導性を低くすることができ、冷媒流路5に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0083】
また、上記流路拡大部は、上記隔壁により分離された流路の一部にだけ形成することもできる。
即ち、図11に示すごとく、隔壁6により分離された流路65のうち、一部の流路65にはその下流側に隔壁6をさらに追加して配置し流路拡大部53を形成する。一方、隔壁6により分離された流路65のうちの残りの流路には、隔壁6は追加しない。このように隔壁6を配置することにより、隔壁6により分離された流路65には、流路拡大部53を有する流路と流路拡大部のない流路ができる。
【0084】
上記流路拡大部53を隔壁6にて分離された流路65のすべてに形成すると、冷媒Cを供給したときの圧力損失が大きくなるおそれがある。そこで、上記のごとく、隔壁6にて分離された流路65のうち一部の流路のみに流路拡大部53を形成することにより、圧力損失の増加を最小限にしつつ、流路拡大部53の形成による過冷却防止効果を得ることができる。
【0085】
また、図12に示すごとく、流路拡大部53には、該流路拡大部53を、アノード流路、カソード流路、及び冷媒流路の積層方向Aと略垂直な方向に分離する分離壁535を形成することができる。
即ち、同図に示すごとく、冷媒流路5に、その入口側から下流側まで延びる隔壁6を配置し、隔壁6にて分離された流路65において、入口より下流側だけに隔壁6をさらに追加することにより、冷媒流路5の入口側に流路拡大部53を形成する。そして、この流路拡大部53に、アノード流路、カソード流路、及び電解質体の積層方向Aと略垂直な方向に流路拡大部53を分離する分離壁535を複数形成する。なお、図12においては、アノード流路、カソード流路、及び電解質体は示していないが、その積層方向を矢印Aにて示してある。
【0086】
このように分離壁535を形成することにより、熱流方向、即ち上記積層方向Aへの熱流を抑制し、熱流方向と略直行する面内の温度差を低減することができ、冷媒流路5における入口側の過冷却を防止することができる。
【0087】
(実施例5)
本例は、冷媒流路の入口側において、上記隔壁に連通部を形成することにより、上記低熱伝導部を形成した例である。
即ち、本例においては、図13に示すごとく、冷媒流路5に、冷媒Cの流れを分離するための隔壁6を形成すると共に、該隔壁6における冷媒流路5の入口側にある部分に連通部62を形成してある。図13においては、連通部62は、入口側の隔壁6が冷媒の流動方向に離間するように隔壁6を配置して形成してある。
【0088】
そのため、本例においては、冷媒流路5の入口側における伝熱面積を低減させることができる。その結果、入口側における拡大伝熱面積を縮小することができる。即ち、この場合には、上記冷媒流路5の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。なお、図13は、冷媒流路5の入口側において隔壁6が離間されていることを明示するため、冷媒流路5を上方から見た平面図を示している。
【0089】
また、図14に示すごとく、連通部62は、上記隔壁6に、その冷媒Cの流れ方向にスリットを設けることによっても形成することができる。この場合には、スリットにより熱流方向へのフィン内熱流束が分断されるため、伝熱面積を小さくすることができる。
さらに、図15に示すごとく、連通部62は、上記隔壁6に複数の孔を形成することによっても形成できる。この場合には、隔壁6に設けた孔により、熱流方向へのフィン内熱流束が分断されるため、伝熱面積を小さくすることができる。
なお、図14及び図15においては、隔壁6に設けたスリット及び孔を明示するために、燃料電池1を側面から見た断面図で示してある。
【0090】
(実施例6)
本例は、上記冷媒流路の入口側において、隔壁と冷媒流路の内壁との間に離間部を形成することにより、上記低熱伝導部を形成した例である。
即ち、本例においては、図16に示すごとく、冷媒流路5内に冷媒Cの流れを分離するための隔壁6を形成すると共に、冷媒流路5の入口側においては、隔壁6と冷媒流路5の内壁500とが接する部分の少なくとも一部に、隔壁6が冷媒流路5の内壁500から離間する離間部58を形成してある。
【0091】
そのため、本例の冷媒流路5においては、その入口側におけるフィン内熱流束が分断されるため、冷媒流路5の入口側におけるフィン効率を低減させることができる。その結果、実際の伝熱面積が小さくなり、冷媒流路5の入口側における熱伝達特性を低くすることができる。即ち、冷媒流路5の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。なお、図16においては、隔壁6と冷媒流路5の内壁500との間に設けた離間部58を明示するために、燃料電池1を側面から見た断面図で示してある。
【0092】
(実施例7)
本例は、上記隔壁における上記冷媒流路の入口側にある部分を低熱伝導材料にて形成した例である。
すなわち,本例においては,図17に示すごとく、冷媒流路5内に冷媒Cの流れを分離するための隔壁6を形成すると共に、該隔壁6の冷媒流路5の入口側にある部分68を下流側よりも熱伝導性の低い低熱伝導材料にて形成してある。本例においては、低熱伝導材料として、酸化アルミニウムを用いた。
【0093】
このように隔壁の入口側にある部分68を低熱伝導材料にて形成することにより、冷媒流路の入口側におけるフィン効率を低減させることができる。その結果、入口側の伝熱面積が小さくなり、熱伝導性を低くすることができる。即ち、この場合には、上記冷媒流路5の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。なお、図17は、隔壁6を部分的に低熱伝導材料で構成したことを明示するために、燃料電池1を側面から見た断面図で示してある。また、図17においては、隔壁6における低熱伝導材料にて構成した部分68をハッチングを変えて示してある。
【0094】
(実施例8)
本例は、冷媒流路の側面に、冷媒を導入するための側面入口を形成した例である。
即ち、図18に示すごとく、本例の冷媒流路5においては、該冷媒流路の側面に、冷媒Cを導入するための側面入口56が複数形成されている。側面入口56は、冷媒流路の入口側より下流側に形成されている。なお、図18及び後述の図19は、冷媒流路5における冷媒Cの流れを明確にするため、冷媒流路5を上方から見たときの平面図を示してある。そして、図18及び図19においては、アノード流路、カソード流路、及び電解質体は示されていないが、紙面と垂直な方向がこれらの積層方向である。
【0095】
本例においては、冷媒流路5における下流側の側面に形成された上記側面入口56からも冷媒Cを導入することができる。そして、側面入口56から導入された冷媒Cは、冷媒流路5の入口側からの冷媒と合流して流れる。即ち、冷媒流路5はシリアルな流路となる。そのため、本例の冷媒流路5においては、下流側の冷媒流量を増加させることができる。即ち、冷媒流路5の入口側(上流側)においては下流側よりも冷媒流量が低減するため、入口側における冷却速度が低下し、入口側の熱伝達率の低下を図ることができる。
【0096】
また、本例の冷媒流路5内には、複数の隔壁6が配置されている。そして、側面入口56から導入された冷媒Cが隔壁6により分離されて流れるように、隔壁6は、側面入口からその対向する冷媒流路の内壁59におろした垂線よりも冷媒Cの流動方向に前進又は後退するように配設されている。即ち、図18に示すごとく、側面入口56と対向する上記冷媒流路の内壁59と、側面入口56とを結ぶ線上には、隔壁6が形成されていない。そして、側面入口56から導入された冷媒Cは、冷媒流路5内において隔壁6により分離された流路65に分配されて流れる。そのため、側面入口56から導入された冷媒Cも冷媒流路内を分散して流れ、偏りのほとんどない冷却を可能にしている。
【0097】
(実施例9)
本例は、冷媒流路を複数のユニットに区画した例である。
即ち、図19に示すごとく、本例の冷媒流路5は、冷媒Cの流動方向を複数のユニット7に区画する区画壁75を有している。そして、各ユニット7には、冷媒を導入するための導入口76と、冷媒を排出するための排出口77とが配設されている。
【0098】
このように、導入口76及び排出口77を有する複数のユニット7にて冷媒流路5を形成することにより、冷媒流路5としてパラレルな流路を形成することができる。そして、各冷媒ユニット7は、独立して冷媒Cを供給及び排出することができるため、冷媒流路5内の温度分布を任意に設定することができる。具体的には、例えば過冷却となりやすい冷媒流路5の入口側における冷媒流量を少なくしたり、冷やされにくい下流側の冷媒流量を多くしたりできる。このように、各ユニット7における冷媒流量を制御することにより、冷媒流路5の入口側における熱伝導率を低くすることできる。これにより、冷媒流路5の入口側に上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
【0099】
また、本例においては、図19に示すごとく、各ユニット7内に、複数の隔壁6が配置されている。そして、導入口76から導入された冷媒Cが隔壁6により分離されるように、隔壁6は、導入口76と対向する冷媒流路の内壁59におろした垂線よりも冷媒Cの流動方向に前進するように配設されている。即ち、図19に示すごとく、導入口76と対向する冷媒流路の内壁59と、導入口76とを結ぶ線上には、隔壁6は形成されていない。また、排出口77側においても、隔壁6により分離された冷媒Cが合流して排出口77から排出されるように、排出口、及びこれと対向する内壁を結ぶ線上には、隔壁6は形成されていない。
【0100】
(実施例10)
本例は、隔壁によって分離された流路のうち少なくとも一部の流路に、遮断壁を形成した例である。
すなわち、図20に示すごとく、本例の冷媒流路5においては、冷媒流路5内に冷媒Cの流れの分離するための複数の隔壁6が配設されている。そして、隔壁6によって分離された流路65のうちの一部の流路には、その入口側において冷媒Cの流れを遮断する遮断壁8が配設されている。
したがって、本例の冷媒流路5の入口側においては、冷媒Cの流れる流路と流れない流路が形成される。そのため、冷媒流路5に冷媒Cを導入しても、その入口側においては一部の流路に冷媒Cが流れない。その結果、冷媒流路の入口側における熱交換能力を低下させることができる。なお、図20、後述の図21及び図22においては、遮断壁8を明示するため、冷媒流路5を上方から見たときの平面図を示してある。
【0101】
また、図20に示すごとく、本例の冷媒流路5においては、上記隔壁6に連通孔67が形成されている。この連通孔67は、冷媒流路5における冷媒Cの入口側より下流側に形成されている。そのため、入口側においては、遮断壁65を形成した流路に冷媒は流れないが、入口側よりも下流側においては、冷媒Cは連通孔65をとおって再分配されて流れる。
【0102】
上記遮断壁65を形成した場合においては、冷媒流路5の下流側における冷媒Cの流れが不均一になり、下流側において温度分布の偏りが起こるおそれがある。しかし、本例の冷媒流路5においては、上記のごとく、隔壁67の下流側にある部分に冷媒を再分配するための連通孔67を設けてあるため、下流側において冷媒の流れが不均一になることを防止できる。その結果、上記冷媒流路の下流側における温度分布の均一化を図ることができる。
【0103】
また、本例においては、上記遮断壁の少なくとも一部に、冷媒の流量を制限して冷媒を透過させる流量抑制部を形成することができる。
即ち、図21に示すごとく、遮断壁8の少なくとも一部に冷媒Cの流量を制限して冷媒Cを透過する流量抑制部81を形成した。この流量抑制部81は、遮断壁8の少なくとも一部を冷媒抵抗材料にて形成することにより形成できる。本例においては、冷媒抵抗材料として、ステンレスよりなる多孔材を用いた。
【0104】
そのため、本例の冷媒流路5に冷媒Cを導入すると、冷媒Cの入口側に、冷媒流量の多い流路と、冷媒流量の少ない流路が形成される。これにより、冷媒流路5の入口側における熱交換能力を低減させることができ、上記低熱伝導部を容易に形成することができる。
また、この場合においても、隔壁67の下流側の部分に冷媒を再分配するための連通孔67を設けることにより、下流側において冷媒Cの流れが不均一になることを防止できる。
【0105】
また、図22に示すごとく、上記遮断壁8の少なくとも一部に絞り孔を形成することにより、流量抑制部81を形成することもできる。
即ち、同図に示すごとく、本例の冷媒流路5においては、遮断壁8の少なくとも一部に、冷媒を少量通過させる絞り孔を形成してある。この場合においても、冷媒流路5における冷媒Cの入口側に、冷媒流量の多い流路と、冷媒流量の少ない流路が形成される。そのため、冷媒流路5の入口側における熱交換能力を低減させることができる。
また、この場合においても、隔壁6の下流側の部分に冷媒を再分配するための連通孔67を設けることにより、下流側において冷媒Cの流れが不均一になることを防止できる。
【0106】
(実施例11)
本例においては、冷媒流路内に隔壁を形成せず、冷媒流路を単一の流路により形成した例である。
即ち、本例においては、図23に示すごとく、冷媒流路5は単一の流路により構成されており、実施例4〜10のような隔壁は形成されていない。なお、図23及び後述の図24〜図26においては、冷媒流路5内に隔壁6が形成されていないことを明示するため、冷媒流路5を上方から見たときの平面図を示してある。
【0107】
また、冷媒流路5の内部には、該冷媒流路5の内壁から内側に突起する突起体9が複数形成されている。これらの突起体9は、冷媒流路5の内壁と一体的に形成されている。また、本例においては、冷媒流路5の入口側に低熱伝導部55を形成するために、実施例1と同様に、入口側の内壁に、酸化アルミニウムよりなる断熱層51を形成してある。
【0108】
本例の冷媒流路5は、上記のごとく単一の流路により構成されているため、冷媒流路内の内部配流を均一化することができる。
即ち、上記実施例4〜10のごとく、冷媒流路内に隔壁を形成すると、冷媒の流れが不均一になり、冷媒の下流側において温度分布の偏りが発生するおそれがある。
本例のごとく、単一の流路にて冷媒流路5を構成することにより、この不均一性を解消することができる。
また、本例の冷媒流路5においては、冷媒流路内に複数の突起体9が形成されている。そのため、冷媒流路5内に導入された冷媒Cは、この突起体9により冷媒流路5内を均一に分散して流れる。
【0109】
また、本例においては、冷媒流路5の入口側の内壁に実施例1と同様の断熱層51が形成されている。そのため、冷媒流路5における入口側の熱の移動が抑制され、冷媒流路の入口側に上記低熱伝導部55を容易に形成することができる。
【0110】
また、本例においては、冷媒流路の入口側に、実施例9と同様の遮断壁を形成することができる。
即ち、図23に示すごとく、単一の流路よりなる本例の冷媒流路5においても、その入口側に、冷媒Cの流れを部分的に遮断する遮断壁8を形成することができる。
このように遮断壁8を形成することにより、冷媒流路5の入口側に冷媒の流れない部分を部分的に形成できる。そして、これにより冷媒流路5の入口側における熱交換能力を低下させることができる。
【0111】
また、図25に示すごとく、上記遮断壁5の少なくとも一部には、冷媒の流量を制限して冷媒を透過させる流量抑制部81を形成することができる。この流量抑制部81は、遮断壁8の一部を、実施例9と同様の冷媒抵抗材料にて形成することにより形成できる。
そのため、本例の冷媒流路5に冷媒Cを導入すると、冷媒流路5の入口側に、冷媒流量の多い部分と、冷媒流量の少ない部分が形成され、冷媒流路5の入口側における熱交換能力を低減させることができる。
【0112】
また、図26に示すごとく、流量抑制部81は、実施例9と同様に、遮断壁8の少なくとも一部に絞り孔を形成することによっても形成できる。
この場合においても、冷媒流路5における冷媒Cの入口側に、冷媒流量の多い部分と、冷媒流量の少ない部分が形成され、冷媒流路5の入口側における熱交換能力を低減させることができる。
Claims (16)
- 水素又は水素含有ガスが供給されるアノード流路、酸素又は酸素含有ガスが供給されるカソード流路、及び該カソード流路と上記アノード流路との間に配設された電解質体を積層してなる単位電池セルを備えた燃料電池スタックにおいて、
上記電解質体は、上記アノード流路に供給された水素又は水素含有ガス中の水素を透過させるための水素分離金属層と、電気エネルギーを取り出すためのアノード電極と、上記水素分離金属層を透過した水素をプロトンの状態にして上記カソード流路に到達させるための、セラミックスよりなるプロトン伝導体層と、電気エネルギーを取り出すためのカソード電極とを順次積層してなり、
また、上記燃料電池スタックは、上記単位電池セルを冷却するための冷媒流路を有し、
上記冷媒流路においては、その冷媒の入口側に、下流側よりも熱伝導率が小さい低熱伝導部が形成されており、
該低熱伝導部は、上記冷媒流路の入口側における冷媒の置換を抑制する置換抑制部を設けることにより形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。 - 請求項1において、上記置換抑制部は、上記冷媒流路における冷媒の入口側の壁内に設けられる中空部と、該中空部に設けられると共に上記冷媒流路に開口する開口部とを設けることにより形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項2において、上記開口部は、上記中空部における冷媒の入口側に位置する部分と下流側に位置する部分とが上記冷媒流路に開口するように形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 水素又は水素含有ガスが供給されるアノード流路、酸素又は酸素含有ガスが供給されるカソード流路、及び該カソード流路と上記アノード流路との間に配設された電解質体を積層してなる単位電池セルを備えた燃料電池スタックにおいて、
上記電解質体は、上記アノード流路に供給された水素又は水素含有ガス中の水素を透過させるための水素分離金属層と、電気エネルギーを取り出すためのアノード電極と、該水素分離金属層を透過した水素をプロトンの状態にして上記カソード流路に到達させるための、セラミックスよりなるプロトン伝導体層と、電気エネルギーを取り出すためのカソード電極とを順次積層してなり、
また、上記燃料電池スタックは、上記単位電池セルを冷却するための冷媒流路を有し、
上記冷媒流路においては、その冷媒の入口側に、下流側よりも熱伝導率が小さい低熱伝導部が形成されており、
上記冷媒流路は、その入口側より下流側における側面に、該側面から冷媒を導入するための側面入口を有していることを特徴とする燃料電池スタック。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、上記冷媒流路内には、冷媒の流れを分離するための隔壁が冷媒の流動方向と平行に配設されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5において、上記隔壁によって分離された冷媒の流路は、その入口側における流路間隔が下流側よりも大きくなるように形成した流路拡大部を有していることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項6において、上記流路拡大部は、上記隔壁により分離された流路のうちの一部の流路に形成されており、分離された流路のうちの残りの流路には、上記流路拡大部が形成されていないことを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項6又は7において、上記流路拡大部には、上記アノード流路、上記カソード流路、及び上記電解質体の積層方向と垂直な方向に上記流路拡大部を分離する分離壁が形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5〜8のいずれか1項において、上記隔壁は、上記冷媒流路の入口側において、上記隔壁によって分離された流路を連通する連通部を有していることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5〜9のいずれか1項において、上記冷媒流路の入口側には、上記隔壁と上記冷媒流路の内壁とが接する部分の少なくとも一部に、上記隔壁が上記冷媒流路の内壁から離間する離間部が形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5〜10のいずれか1項において、上記隔壁の冷媒流路の入口側にある部分は、その下流側にある部分よりも熱伝導率が低くなるように構成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項5〜11のいずれか1項において、上記隔壁によって分離された流路のうちの一部の流路には、上記冷媒流路の入口側において冷媒の流れを遮断する遮断壁が配設されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項12において、上記遮断壁の少なくとも一部には、冷媒の流量を制限して冷媒を透過させる流量抑制部が形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項12又は13において、上記隔壁における上記冷媒流路の入口側よりも下流側にある部分には、冷媒を再分配するための連通孔が設けられていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記冷媒流路には、冷媒の流れを分離し、冷媒の流動方向と平行に配設される隔壁が形成されておらず、上記冷媒流路の入口側で冷媒の流れの一部を遮断する遮断壁が配設されていることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項15において、上記遮断壁の少なくとも一部には、冷媒の流量を制限して冷媒を透過させる流量抑制部が形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
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