JP4546757B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関し、特に、燃料電池の構造に関する。
燃料電池は、燃料ガス(例えば、主に水素を含有するガス)及び酸化ガス(例えば、主に酸素を含有するガス)の反応エネルギーを直接的に電気エネルギーへと変換する電池である。この燃料電池は、電解質の両側に、アノード側電極及びカソード側電極を配置して構成される接合体をセパレータによって狭持することにより構成されるセルを備えており、通常は、積層された複数のセルを有する燃料電池スタックの形態で使用される。代表的な燃料電池の一つである固体高分子型燃料電池(以下において、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と記述する。)は、上記接合体(以下において、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と記述する。)が、電解質膜、アノード、及びカソードから構成されており、当該接合体において水素イオンと酸素との電気化学反応を効率良く行わせるため、セパレータには多数のガス流路が形成されている。
ガス流路へと供給される酸化ガスは、セル内の電気化学反応が進行するにつれて、当該ガス内における酸素濃度が低下していく。電気化学反応に預かる酸素濃度と発電性能との間には相関があるため、酸化ガス流路の上流部では発電性能が高い反面、下流部では発電性能が低下する。また、酸化ガス流路の下流部では、電気化学反応により生成される水が当該流路内に滞留し、ガス拡散を阻害することにより、発電性能の一層の低下を招く。一方、セル内における発電性能が不均一である場合には、この不均一を是正すべく、セル内で電流が流れることが知られている。これにより、燃料電池外部に取り出し得る電流が減少するほか、燃料電池内の触媒層や電解質の損傷を招くため、燃料電池の耐久性を低下させることが問題となっている。したがって、発電性能の均一化を図ることで、これらの問題を解決することが望まれている。
これまでに、PEFCの発電性能の均一化を図ることを目的として、いくつかの技術開発が行われてきている。例えば、特許文献1には、MEAを挟んで酸化ガスの流れ方向と燃料ガスの流れ方向とが対向したセルを積層することにより、発電性能の均一化を図る技術が開示されている。また、特許文献2には、燃料ガスと酸化ガスを対向して供給するセルを積層して、各ガスをシリーズ供給することによって上記目的の達成を図る技術が、さらに、特許文献3には、酸化ガスの流入口と流出口を隣接して配置するとともに、これらの流入口及び流出口の間に多孔質材を配置する技術が、それぞれ開示されている。加えて、特許文献4には、面内電流密度の均一化を図るために、酸化ガス入口近傍における電気化学反応の反応面積を小さくする技術が、また、さらに、特許文献5には、酸化ガス及び燃料ガスの流し方を工夫することにより、発電性能の均一化を図る技術が、それぞれ開示されている。
特開2002−260710号公報 特開平6−203863号公報 特開2003−109620号公報 特開平6−89727号公報 特開平1−112673号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、充分な発電性能の均一化を図ることが困難であるという問題があり、発電電流密度の分布の均一性に改善の余地があった。さらに、特許文献2〜5に開示されている技術によっても、燃料電池における発電性能の充分な均一化を図ることが困難であるという問題があった。
そこで本発明は、セル内の発電密度分布を均一化することで、同じ出力でより小型の燃料電池を提供する、または、従来よりも長寿命の燃料電池、及び、凍結温度からの始動が容易な燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、電解質と、当該電解質の両側に配置されるカソード及びアノード、を備えるMEAの両側に、セパレータを配設して構成される、第1セル及び第2セルを有する燃料電池であって、第1セル及び第2セルは、第1のセパレータを挟んで互いに隣接するように積層されるとともに、ガスAを供給すべき第1ガス供給路及びガスBを供給すべき第2ガス供給路を備え、第1セルにおける第1ガス供給路の下流部と第2セルにおける第1ガス供給路の上流部とは連結されているとともに、第1セルにおける第1ガス供給路の上流部と第2セルにおける該供給路の下流部とは、第1のセパレータ及び第1セルにおける第2ガス供給路を介して積層方向に隣接しており、第1セル及び第2セルに供給される、ガスA及びガスBの流れ方向が、第1セル内では同一の方向であるとともに、第2セル内では対向する方向であり、ガスAが酸化ガスであるとともにガスBが燃料ガスであり、第1のセパレータは、第1セルの第2ガス供給路と第2セルの第1ガス供給路との間に配置されており、第1セルの第2ガス供給路の上流部と第2セルの第1ガス供給路の下流部とに挟まれる部位の少なくとも一部が多孔質部材により形成されていることを特徴とする、燃料電池である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池であって、ガスBが、第1セルと第2セルとで、独立に供給されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の燃料電池であって、多孔質部材に、酸化触媒が担持されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、多孔質部材を乾燥させた後に始動されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池の制御方法である。
請求項1に記載の発明によれば、第1セルにおける最大電流密度の部位と、第2セルにおける最小電流密度の部位とが積層されることにより、第1セル及び第2セル全体として、発電電流密度の均一化を図ることが可能な燃料電池を提供できる。また、セル内の電気化学反応により生成された酸化ガス中の水分が、多孔質部材を通して第1セルの未反応の燃料ガスに添加・加湿されることにより、良好な発電効率を有する燃料電池を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、ガスBを第1セルと第2セルと独立に供給することで、第2セルにおける発電電流密度を上昇させることが可能になるため、スタック全体における発電容積密度を向上させ得る燃料電池を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、燃料ガスと酸化ガスとの反応により発生する熱を用いて、燃料電池の始動時(特に、冷間時)に、早期に暖機し得る燃料電池を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、燃料ガスと酸化ガスとの反応により発生する熱を用いて、燃料電池の始動時(特に、冷間時)に、早期に暖機し得る燃料電池の制御方法を提供できる。
本発明の燃料電池の詳細を説明するにあたって、まず、その概要を以下に説明する。
本発明の燃料電池は、第1セル及び第2セルを積層して構成される2セルを最小単位とし、第1セルにおける最大電流密度部位と、第2セルにおける最小電流密度部位とを、セパレータを介してセルの積層方向に直列させるように配置する。このような配置とすることで、後述するように、第1セルにおける最大電流密度を低下させることが可能になるとともに、第2セルにおける最小電流密度を上昇させることが可能になる結果、当該2セル内における電流密度の均一化を図ることが可能になる。加えて、本発明の燃料電池は、かかる均一化を図るため、セル内へと供給される酸化ガス(以下において、「空気」と記述することがある。)及び燃料ガス(以下において、「水素ガス」と記述することがある。)の流れ方向、並びに、セパレータの構造を工夫することにより、上記課題の解決を図っている。
次に、本発明の燃料電池の詳細を、以下に説明する。
図1に、本発明の燃料電池の断面図を概略的に示す。本発明の燃料電池100の構成単位(モジュール)は、第1セル10及び第2セル20からなり、これらのセルは、それぞれ、電解質膜1、カソード2、及びアノード3を有するMEA5を備えている。第1セル10は、MEA5、第1ガス供給路15、及び、第2ガス供給路16、並びに、第1のセパレータ30、及び、セパレータ51を備える一方、第2セル20は、MEA5、第1ガス供給路15、及び、第2ガス供給路26、並びに、第1のセパレータ30、及びセパレータ52を備える。本発明の燃料電池100において、第1セル10の第2ガス供給路16と第2セル20の第1ガス供給路15との間に配置されている第1のセパレータ30は、少なくとも供給路16の上流部と供給路15の下流部とに挟まれる部位が多孔質部材35により構成されている。また、当該セパレータ30は、多孔質部材35以外の部位に、冷却水流路37が設けられている。なお、便宜上、第1セル10のセパレータ51の下端と第2セル20のセパレータ52の上端とは、直線で示したが、本発明の燃料電池100の通常使用時においては、これら2セルからなる構成単位が図1の上下方向へと積層されているものとする。また、ガス供給路15、16、26内の矢印は、各供給路内におけるガスの流れ方向を示している。
(1)ガスの流れ方向
本発明の燃料電池100において、空気は第1ガス供給路15よりMEA5へと供給されるとともに、水素ガスは第2ガス供給路16、26よりMEA5へと供給されている。そして、本発明の燃料電池100では、第1セル10における第1ガス供給路15の下流部と、第2セル20における当該供給路15の上流部とが接続されている。すなわち、燃料電池100において、第1セル10の供給路15と第2セル20の供給路15とは通じている。そのため、第1セル10における供給路15の上流部より導入された空気は、第1セル10における供給路15の下流部、及び、第2セル20における供給路15の上流部を経て、第2セル20における供給路15の下流部よりセル外へと導かれる。したがって、図1に矢印として示すように、第1セル10内における空気の流れ方向と、第2セル内における空気の流れ方向とは、逆方向になり、第1セル10における供給路15の上流部から第2セル20における供給路15の下流部へと流れるにつれて、当該空気内に含まれる酸素の濃度は徐々に低下していく。
これに対し、水素ガスは、第1セル10内の供給路16、及び、第2セル20内の供給路26へと並列に供給されている。そのため、本発明の燃料電池100では、第1セル10内では、空気と水素ガスとの流れ方向が同一方向であるのに対し、第2セル20内では、これらのガスの流れ方向が対向する方向となる。
このような形態でガスを供給することにより、本発明の燃料電池100では、第1セル10内における電流密度が最大となる発電部(以下において、「最大発電部」と記述する。)と、第2セル20内における電流密度が最小となる発電部(以下において、「最小発電部」と記述する。)とが、セルの積層方向に直列に配置される。一方で、セルの面内で発電量に分布がある場合には、面内にその電圧を緩和するための電流が流れる。したがって、かかる配置形態とすることにより、本発明の燃料電池100では、セパレータ30を貫通して、最大発電部から最小発電部へと電圧を緩和するための電流が流れ、その結果として、最大発電部の発電量が従来よりも抑えられる。なお、セパレータ30を貫通して電流が流れる際、一部の電流は、最小発電部以外の部位へと流れるが、その割合は少ないため、電流はほとんどまっすぐに、最大発電部から最小発電部へと流れる。
最大発電部の発電量が抑えられることで、当該部位において消費される空気内の酸素量が減少する。そして、空気内の酸素が、従来よりも供給路15の中流部及び下流部へと供給されやすくなり、中流部及び下流部における発電性能を向上させることが可能になる。その結果、本発明の燃料電池100では、電流密度の均一化を図ることが可能になる(図3参照)。なお、上流部における発電量を抑えると中下流部における発電性能が向上する関係は、上流部が例えば膜の乾燥により発電性能が低下した場合でも同様に生じることが、確認されている(図4参照)。
図2に、空気流路位置と電流密度との関係を概略的に示す。図2において、縦軸は電流密度(A/mm)、横軸は空気流路に沿った位置を示している。
図中のA(実線)は、グラフにおける横軸半分の長さの空気流路を備えるセルにおける、典型的な発電分布を示している。空気流路内の各部位における電流密度は、このように、一般的には空気流路の上流から下流にかけて、単調に減少する分布を示す。また、図中のB(実線)は、グラフにおける横軸の長さ(上記Aにおける空気流路の2倍の長さ)の空気流路を備えるセルに、上記Aの2倍の量のガスを供給した場合における、発電分布を示している。この分布は、上記Aのセルを直列に2セル繋いだ場合に相当する。さらに、図中のC(点線)は、上記Bにおける下流側半分の特性を、中央にて半分に折って示した特性である。一方、図中のD(一点鎖線)は、本発明の燃料電池における、発電特性を示している。上述のように、本発明の燃料電池では、最大発電部の発電量が従来よりも抑えられる反面、最小発電部の発電量が従来よりも増加すると考えられるため、図2における上記Bの上流側半分と、上記Cとの中間の値を示す。
図3に、空気の入口が互い違いになるように2つのセルを積層させた場合における電流密度の概念図を示す。図3における第2セルの上記概念図は、第1セルにおける空気流路の上流及び下流を逆にした場合における電流密度と空気流路位置との関係を示している。これに対し、第1セルの上記概念図には、第1セル単独の場合の発電分布(実線)、第2セル単独の場合の発電分布(点線)、及び、第1セル及び第2セルを積層した場合における発電分布(一点鎖線)をあわせて示している。図3に一点鎖線で示すように、発電量の異なる部位を重ねて配置することで、発電量の異なる部位における発電性能が影響し合い、2セル全体の電流密度分布がより均一になる(一点鎖線)。なお、図3における第1セル及び第2セルの双方において、縦軸は電流密度(A/mm)を、横軸は空気流路に沿った位置をそれぞれ示している。
図4に、電流負荷(供給ガス)量を一定にした場合における、空気流路位置と電流密度との関係を概略的に示す。図4において、縦軸は電流密度(A/mm)、横軸は空気流路に沿った位置を示している。
図中のA(実線)は、空気流路上流側に位置するMEA内の膜が乾燥している場合における、空気流路位置と電流密度との関係を示している。これに対し、図中のB(一点鎖線)は、空気流路上流側に位置するMEA内の膜が乾燥していない場合における、空気流路位置と電流密度との関係を示している。
図4におけるAでは、空気流路上流側に位置する膜が乾燥しているので、当該部位における空気内の酸素消費が抑えられる。その結果、上流部以外の中下流側へと酸素が届きやすくなり、図4のAは、Bよりも中下流側における発電性能が向上する。
図5に、一般的な燃料電池における電流密度と電圧との関係(I−V特性)を概略的に示す。図5において、縦軸は電圧(V)、横軸は電流密度(A/mm)である。
図5に示すように、一般に、空気流路の上流部におけるI−V特性(A)と、空気流路の下流部におけるI−V特性(B)とは、異なっており、燃料電池全体のI−V特性(C)は、これら2つの特性を有する電池(A及びB)を並列に接続させた並列電池としての特性を示す。そして、燃料電池の使用時における最大負荷電流は、図中Cの電圧値が下がり過ぎない値(図中 d(V))として決定される。
このように、燃料電池全体としては平均して図のCの特性を示すため、空気流路の上流部において図のAの特性にて作動するということは、すなわち、当該部位における電流負荷が他の部位のそれと比べて多いことを示している。したがって、他よりも電流負荷が多い空気流路の上流部では、触媒層や電解質膜が劣化しやすく、これらの耐久性という観点からは、他の部位よりも部分的に劣る。燃料電池の耐久性は、最も劣化しやすい部位の寿命をその判断基準の1つとするため、耐久性の向上を図るためには、最も劣化しやすい部位の寿命を延ばすことが好ましい。そこで、本発明では、セル内における発電量を均一にすることで、触媒層や電解質膜等の部分的な劣化を抑制する。
図6に、発電分布が比較的均一な本発明にかかる燃料電池における電流密度と電圧との関係(I−V特性)と、従来技術による一般的な燃料電池におけるI−V特性とを、あわせて示す。図6において、縦軸は電圧(V)、横軸は電流密度(A/mm)である。また、図6において、実線は発電分布が比較的均一な本発明の燃料電池(以下において、「均一電池」と記述する。)におけるI−V特性を、点線は従来技術による一般的な燃料電池(以下において、「不均一電池」と記述する。)におけるI−V特性を、それぞれ示している。
均一電池及び不均一電池における最大負荷電流を与える電圧値(d(V))を一定とした場合における、
均一電池の空気流路上流部(図中A’)における電流密度を a’(A/mm
不均一電池の空気流路上流部(図中A)における電流密度を a (A/mm
均一電池の空気流路下流部(図中B’)における電流密度を b’(A/mm
不均一電池の空気流路下流部(図中B)における電流密度を b (A/mm
均一電池と不均一電池のセル全体(図中C’)における電流密度をc’(A/mm
とするとき、これらの値は、それぞれ、
a’<a
b<b’
の関係を満たす。すなわち、均一電池における最大電流密度a’は、不均一電池における最大電流密度aよりも小さいため、触媒層や電解質膜等の部分的な劣化を抑制することができ、燃料電池の長寿命化を図ることが可能になる。一方で、ガスの供給量を増やすことで、均一電池における最大電流密度a’は、aと同じにすることができる。
均一電池における最大電流密度a’をaと同じにした場合の、均一電池のセル全体(図中の一点鎖線C)における電流密度を c (A/mm)とするとき、
c’<c
の関係が成り立つ。従って、最大電流密度a=(a’)が燃料電池の寿命に問題ないレベルであるならば、より多くのガスを供給することで、セル全体の電流密度をcに向上させることが可能である。すなわち、均一電池は、より多くのガスを供給して、不均一電池より大きな電流密度を同じ寿命レベルで実現できることから、不均一電池よりも単位体積あたりの発電量が大きい燃料電池であるということができる。ここで、本発明の燃料電池100は、従来の燃料電池よりも発電分布が均一な燃料電池であることから、本発明の燃料電池100は、単位体積あたりの発電量が大きい燃料電池であるといえる。
図7に、本発明の燃料電池100に空気、水素、及び、水を供給するためのマニホールドにおける、各流体の入口、出口等の配置例を示す。図7において、水素ガス入口81から導入される水素ガスは、燃料電池100内の各セルの第2ガス流路16、26に相当する流路へと一方向に供給され、余った水素は、水素ガス出口82から燃料電池外へと導かれる。これに対し、空気入口83から導入される空気は、電池100内における第1セル10に相当するセルの第1ガス流路15へと供給された後、空気偏向口84においてその方向を変え、引き続き、電池100内における第2セル20の第1ガス流路15に相当する流路へと供給された後、空気出口85から燃料電池外へと導かれる。他方、燃料電池内のセパレータを冷却する水は、水入口86から電池100内の各セパレータへと供給された後、水偏向口87においてその方向を変え、引き続き、電池100内における第1のセパレータ30に相当するセパレータの冷却水流路37に相当する流路へと供給された後、水出口88から燃料電池外へと導かれる。
本発明の燃料電池において、マニホールドと各流路(空気流路、水素ガス流路、及び、冷却水流路)とは、マニホールドに形成された連通溝を介して接続される。また、本発明の燃料電池におけるマニホールドの配置形態を図7に示す形態とする場合、マニホールドにおける偏向口は、燃料電池において上記2セルにより構成される全ての構成単位において共有される。
また、本発明の燃料電池100において使用されるマニホールド、及び、電池100に供給される各流体の供給形態は、上記形態に限定されるものではなく、各流体の供給形態を別の形態とする場合には、その形態に応じてマニホールドの形態を適宜変更することができる。
別の方法としては、ターンする流体が、2セル1モジュールの隣のセルにのみ流れるように構成してもよい。この場合、マニホールドは全部貫通ではなく1セル飛ばしに閉じたマニホールドを挟む構成となる。つまり、偏向口(空気と水のマニホールドでUターンする部分)は、2セル1モジュールにのみ連通しており、隣のモジュールとは独立していてもよい。
図8に、図1における多孔質部35、及びその周囲を拡大して示す。なお、図8の燃料電池100において、図1と同じ構成部材については、図1と同一の参照符号を付して、それらの説明を省略することがある。
本発明の燃料電池100は、第1セル10と第2セル20とが第1のセパレータ30を挟んで積層されており、当該セパレータ30は、第1セル10における第2ガス供給路16と第2セル20における第1ガス供給路15との間の部位が、多孔質部35により構成されている。上述のように、図8において、多孔質部35の下方に位置している第1セル10内の第1ガス供給路15は、当該供給路15の上流部であるとともに、図8において多孔質部35の上方に位置している第2セル20内の第1ガス供給路15は、当該供給路15の下流部である。そのため、上述のように、多孔質部35は、第1セル10における最大発電部と第2セル20における最小発電部との間に配置されている。なお、セパレータ30における多孔質部35と非多孔質部との境界は、ガスパッキンないし一体成形によりシールされている。
通常の燃料電池の使用時において、電気化学反応により生成された水は、冷却されているセパレータに触れることにより結露して水滴となる。当該水滴は、空気流路内を流れる空気により当該流路の下流部へと運ばれるため、燃料電池における空気流路の最下流部は、水が滞留し易い。滞留した水は、空気流路内におけるガス拡散を阻害し、燃料電池の発電性能を低下させる。したがって、燃料電池の発電性能を向上させるためには、当該滞留水を除去することが好ましい。そこで、本発明では、空気が流れる第1ガス流路15の下流部と接しているセパレータ部位を多孔質部材により構成することで、滞留水を除去しやすい燃料電池としている。
多孔質部35を最大発電部と最小発電部との間に配置させることにより、本発明の燃料電池100では、最小発電部近傍において滞留している水を、多孔質部35を介して最大発電部の方へと移動させることが可能になる。図8に示すように、多孔質部35は、第1ガス流路15の下流部と、第1セルにおける第2ガス流路16の上流部との間に配置されているため、多孔質部35を通過した上記水は、第1セル10における第2ガス流路16の上流部へと移動し、第2ガス流路16へと供給される水素ガスを加湿する。第1セル10内の水素ガスが加湿されることにより、当該セル10のMEA5において、水素ガス上流部の電解質膜1における乾燥を防止することができ、第1セル10における発電能力の低下を抑制することが可能になる。
このように、燃料電池の通常使用時には、電気化学反応により水が生成されるため、第2セル20にて生成された水は、多孔質部35を介して第1セル10へと運ばれる。一方で、燃料電池が低温環境に置かれた場合に、当該電池内に残存する水の凍結を防止することを目的として、通常、燃料電池は、その使用停止前に、セル内ガス流路が充分に乾燥される。そのため、本発明の燃料電池100の始動時には、多孔質部35は乾燥している。
図8に示すように、多孔質部35は、第2セル20における第1ガス流路15と第1セル10における第2ガス流路16との間に配置されている。そのため、燃料電池100の始動時には、流路15、16と多孔質部35との間の差圧やガス濃度差に起因して、当該多孔質部35の両側に配置されている流路15及び16から、当該多孔質部35内部へとガスが透過する。ここで、流路15には空気が、流路16には水素ガスが供給されている。そこで本発明では多孔質部35に酸化触媒を担持することで、酸化触媒にて透過してきた空気と酸素とを触媒燃焼させる。かかる形態とすれば、燃料電池の始動時において、触媒燃焼により生じた燃焼熱により当該電池内の少なくとも一部を暖機させることが可能になる。なお、燃料電池の始動時において、多孔質部35を透過燃焼するガス量を調整するために、空気及び/又は水素ガスの供給圧及び/又は排圧を制御することで、始動時における発熱量を制御することが可能である。
燃料電池の通常使用時には、上述の通り、カソード側で水が生成され、この水が多孔質部35へと浸透する。そのため、電池の通常使用時には、ガスの透過は極端に低下し、上記燃焼反応は終了する。したがって、セパレータ30の一部を多孔質部35としても、通常運転時には当該多孔質部内におけるガス透過は困難であることから、ガス透過に起因した発電性能の低下は、生じない。
本発明において使用される多孔質部35は、燃料電池の始動時にはガスを、又、燃料電池の通常使用時には水を、それぞれ透過させ得るものであれば、その材質は特に限定されない。また、当該多孔質部35に坦持される酸化触媒は、通常の酸化触媒であれば特に限定されるものではなく、具体的には白金等を挙げることができる。加えて、セパレータ30における多孔質部35と非多孔質部との境界におけるパッキンは、ガスパッキンに限定されるものではなく、冷却水流路37内の水が多孔質部35へと浸透することを防止し得るものであれば、好適に使用することができる。
本発明の燃料電池を概略的に示す断面図である。 空気流路位置と電流密度との関係を概略的に示す図である。 空気流路位置と電流密度との関係を概略的に示す図である。 空気流路位置と電流密度との関係を概略的に示す図である。 燃料電池における電流密度と電圧との関係を概略的に示す図である。 燃料電池における電流密度と電圧との関係を概略的に示す図である。 マニホールドを概略的に示す図である。 本発明の燃料電池における多孔質部とその周辺とを拡大して示す概略図である。
符号の説明
1 電解質
2 カソード
3 アノード
5 MEA
10 第1セル
15 第1ガス供給路
16、26 第2ガス供給路
20 第2セル
30 第1のセパレータ
35 多孔質部
100 燃料電池

Claims (4)

  1. 電解質と、前記電解質の両側に配置されるカソード及びアノード、を備えるMEAの両側に、セパレータを配設して構成される、第1セル及び第2セルを有する燃料電池であって、
    前記第1セル及び前記第2セルは、第1のセパレータを挟んで互いに隣接するように積層されるとともに、ガスAを供給すべき第1ガス供給路及びガスBを供給すべき第2ガス供給路を備え、
    前記第1セルにおける前記第1ガス供給路の下流部と前記第2セルにおける前記第1ガス供給路の上流部とは連結されているとともに、前記第1セルにおける前記第1ガス供給路の上流部と前記第2セルにおける該供給路の下流部とは、前記第1のセパレータ及び前記第1セルにおける第2ガス供給路を介して前記積層方向に隣接しており、
    前記第1セル及び前記第2セルに供給される、前記ガスA及び前記ガスBの流れ方向が、
    前記第1セル内では同一の方向であるとともに、
    前記第2セル内では対向する方向であり、
    前記ガスAが酸化ガスであるとともに前記ガスBが燃料ガスであり、
    前記第1のセパレータは、前記第1セルの前記第2ガス供給路と前記第2セルの前記第1ガス供給路との間に配置されており、前記第1セルの前記第2ガス供給路の上流部と前記第2セルの前記第1ガス供給路の下流部とに挟まれる部位の少なくとも一部が多孔質部材により形成されていることを特徴とする、燃料電池。
  2. 前記ガスBが、前記第1セルと前記第2セルとで、独立に供給されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記多孔質部材に、酸化触媒が担持されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記多孔質部材を乾燥させた後に始動されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池の制御方法
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