JP5028854B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池システムに関する。
従来、例えば特開平11−162490号公報には、燃料電池の負荷と加湿量が比例関係にあるという前提の基に、負荷に応じた加湿量となるように制御する方法が記載されている。同公報に記載された技術は、燃料電池の負荷と反応ガス量が比例関係にあり、反応ガス量と加湿量も比例関係にあることを前提として、燃料電池の加湿量を負荷に応じて制御するものである。
特開平11−162490号公報 特開2002−313379号公報 特開2001−283887号公報
しかしながら、燃料電池の作動状態によっては、上記の前提が成立しない領域があるため、燃料電池の加湿状態が不適切となり発電性能が低下する虞がある。例えば、燃料電池の負荷が同一の場合であっても、燃料電池の温度が異なる場合は、燃料電池内の水蒸気圧が異なり、ガスとともに外部に持ち去られる水分量が変化する。このため、燃料電池が必要とする加湿量は燃料電池の温度に応じて変化してしまう。
また、燃料電池内では発電に伴い水分が生成されるため、燃料電池の加湿量は生成水の量を考慮して決定する必要がある。例えば、燃料電池が高負荷域で運転される場合は、生成水の量が増加するため、燃料電池が必要とする加湿量が減少する。このため、生成水の量を考慮せずに加湿を行うと、燃料電池の加湿を最適に行うことが困難となる。
燃料電池の電界質膜では発電に伴ってプロトンが移動するが、プロトンの移動は水分を伴って行われる。このため、燃料電池への水分の供給が過度に不足する現象(ドライアップ)が生じると反応効率が低下するという問題が生じる。また、燃料電池への水分の供給が過剰になる現象(フラッディング)が生じると、触媒が水分で覆われてしまうため、反応ガスの供給が妨げられ、反応効率の低下といった問題が生じる。
更に、燃料電池のカソード側から加湿を行うことを想定した場合、カソードガスの加湿量を増加すると、カソードガス中の水蒸気分圧が上昇して酸素分圧が低下するため、触媒への酸素の供給に支障が生じ、燃料電池の反応効率が低下するという問題がある。上記従来の技術では、このような現象を考慮していないため、カソードガスの加湿によって反応効率が低下する虞がある。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、運転状態に応じて燃料電池の加湿量を最適に制御することで、燃料電池の反応効率を向上することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、アノードに水素を含むアノードガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含むカソードガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池と、前記燃料電池の負荷を取得する負荷取得手段と、前記燃料電池の温度を取得する温度取得手段と、前記アノードガス又は前記カソードガスを加湿する加湿手段と、前記燃料電池の負荷及び温度に基づいて、前記加湿手段による加湿量を制御する加湿量制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記加湿手段は、前記アノードガスを加湿するアノードガス加湿手段と、前記カソードガスを加湿するカソードガス加湿手段と、を含み、前記加湿量制御手段は、前記アノードガス加湿手段による前記アノードガスの加湿量と、前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿量のそれぞれを個別に制御することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記加湿量制御手段は、前記アノードガス加湿手段による前記アノードガスの加湿を前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿よりも優先して行うことを特徴とする。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、前記アノードガス加湿手段は、前記アノードから排出されたアノードオフガスを前記アノードへ循環させるアノードオフガス循環手段から構成されることを特徴とする。
第5の発明は、第2〜第4の発明のいずれかにおいて、前記カソードガス加湿手段は、前記カソードから排出されたカソードオフガス中の水分を前記カソードガスに供給する加湿モジュールから構成されることを特徴とする。
第6の発明は、第2〜第5の発明のいずれかにおいて、前記加湿量制御手段は、前記燃料電池の負荷が所定値以下であり、且つ前記燃料電池の温度が所定範囲の場合にのみ、前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿を行うことを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、前記加湿量制御手段は、前記燃料電池の負荷が運転状態に応じて変化する全負荷域を3分割して得られる負荷域のうちの最も低い負荷域に属し、且つ前記燃料電池の温度が運転状態に応じて変化する全温度域を3分割して得られる温度域のうちの中間の温度域に属する場合にのみ、前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿を行うことを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記加湿量制御手段は、前記燃料電池の負荷が1.4A/cm以下であり、且つ前記燃料電池の温度が70℃以上80℃以下の場合にのみ、前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿を行うことを特徴とする。
第9の発明は、第1〜第8の発明のいずれかにおいて、前記加湿量制御手段は、前記燃料電池の負荷、前記燃料電池の温度及び前記アノードガス若しくは前記カソードガスの加湿量との関係を規定したマップに基づいて、前記アノードガス又は前記カソードガスの加湿量を制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料電池の負荷及び温度に基づいて、燃料電池の加湿量を制御するため、燃料電池への水分の供給を最適に行うことが可能となる。従って、水分の供給不足又は供給過剰により燃料電池の反応効率が低下してしまうことを抑止できる。
第2の発明によれば、アノードガスの加湿量と、カソードガスの加湿量を個別に制御することができるため、プロトンの移動に伴う随伴水が必要なアノード側と、生成水による水分供給が可能なカソード側のそれぞれの特性を考慮した上で、加湿を最適に行うことが可能となる。
第3の発明によれば、カソードガスを加湿するとカソードガス中の水蒸気分圧が増加し、カソードガス中の酸素分圧が低下してしまうため、アノードガスの加湿をカソードガスの加湿よりも優先して行うことで、カソードガスの加湿を最小限に抑えることができ、反応効率の低下を抑止することが可能となる。また、アノードガスの加湿をカソードガスの加湿よりも優先して行うことで、カソード側の加湿モジュールを小型化、低コスト化することが可能となる。
第4の発明によれば、アノードから排出されたアノードオフガスを再度アノードへ循環させることで、アノードオフガスに含まれる水分をアノードに供給することができるため、アノードガスを加湿することができる。
第5の発明によれば、カソードオフガス中の水分をカソードガスに供給する加湿モジュールによりカソードガスを加湿することが可能となる。
第6の発明によれば、燃料電池の負荷が所定値以下であり、且つ燃料電池の温度が所定範囲の場合にのみ、カソードガスの加湿を行うため、カソードガスの加湿を必要最小限の運転状態のみで行うことができ、反応効率を向上することが可能となる。
第7の発明によれば、燃料電池の負荷が運転状態に応じて変化する全負荷域を3分割して得られる負荷域のうちの最も低い負荷域に属し、且つ燃料電池の温度が運転状態に応じて変化する全温度域を3分割して得られる温度域のうちの中間の温度域に属する場合にのみ、カソードガスの加湿を行うため、カソードガスの加湿を必要最小限の運転状態のみで行うことができ、反応効率を向上することが可能となる。
第8の発明によれば、燃料電池の負荷が1.4A/cm以下であり、且つ燃料電池の温度が70℃以上80℃以下の場合にのみ、カソードガスの加湿を行うため、カソードガスの加湿を必要最小限の運転状態のみで行うことができ、反応効率を向上することが可能となる。
第9の発明によれば、燃料電池の負荷、燃料電池の温度及びアノードガス若しくはカソードガスの加湿量との関係を規定したマップに基づいて、アノードガス又はカソードガスの加湿量を制御するため、実験等により必要な加湿量を求めて予めマップを作成しておくことで、燃料電池の加湿制御を簡便且つ最適に行うことが可能となる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システム10の構成を示す模式図である。燃料電池システム10は、例えば燃料電池自動車に搭載されるものである。燃料電池システム10は燃料電池12を備えている。本実施形態において、燃料電池(FC)12はフッ素系の固体高分子分離膜を備えた燃料電池(PEMFC)である。
燃料電池12は、電解質膜、アノード、カソード、およびセパレータとから構成される単位セルを複数積層して構成される。単位セルに設けられた電解質膜は、フッ素系の固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であるが、炭化水素系の固体高分子材料など、他の固体高分子材料で形成されたものであっても良い。後述するように、隣接する単位セル同士は、一方のセルのアノードと他方のセルのカソードがセパレータを介して対向した状態で積層されている。
図1に示すように、燃料電池12には、アノードガス流路14及びカソードガス流路16が導入されている。アノードガス流路14は高圧の水素タンク18と接続されており、水素タンク18から燃料電池12内のアノードへ水素リッチなアノードガスが送られる。アノードガス流路14には、水素タンク18の下流にレギュレータ20が設けられている。レギュレータ20は、燃料電池12の入口におけるアノードガスの圧力を要求される適正圧力に調圧するものである。
カソードガス流路16にはポンプ24が設けられており、ポンプ24の駆動により燃料電池12内のカソードへカソードガス(酸素を含む酸化ガス)が送られる。ポンプ24の上流にはエアフィルタ26が設けられており、ポンプ24の駆動によりエアフィルタ26からカソードガス流路16へカソードガスとしての空気が送られる。
燃料電池12のアノードでは、アノードガスが送り込まれると、このアノードガス中の水素から水素イオンを生成し(H→2H+2e)、カソードは、カソードガスが送り込まれると、このカソードガス中の酸素から酸素イオンを生成し、燃料電池12内では電力が発生する。また、これと同時にカソードにおいて、上記の水素イオンと酸素イオンとから水(生成水)が生成される((1/2)O+2H+2e→HO)。この水のほとんどは、燃料電池12内で発生する熱を吸収して水蒸気となり、カソードオフガス中に含まれて排出される。
燃料電池12内の各単位セルのアノードから排出されたアノードオフガスは、アノードオフガス流路38に送られる。アノードオフガス流路38にはポンプ40が設けられており、アノードオフガスは、ポンプ40の駆動により再びアノードガス流路14へ戻される。アノードガス流路14に戻されたアノードオフガスは、水素タンク18からの水素の補充を受けて、再度燃料電池12へ送られる。アノードオフガスを燃料電池12に送ることで、アノードオフガス中に含まれる未反応の水素を燃料電池12内で反応させることができ、水素の利用効率を高めることができる。また、燃料電池12に送られるアノードガスの流量は、レギュレータ20、ポンプ40により制御することができる。
アノードオフガス流路38には、アノードオフガス中の水分を捕集する気液分離器42が設けられている。気液分離器42には排水弁44が接続されている。気液分離器42に捕集されたアノードオフガス中の水分は、排水弁44を開くことで排出される。
また、アノードオフガス流路38において、ポンプ40の下流には、逆止弁46が設けられている。逆止弁46は、アノードガス流路14からポンプ40へ向かう流れを阻止する機能を有している。
一方、燃料電池12内の各単位セルのカソードから排出されたカソードオフガスは、カソードオフガス流路48に送られる。カソードオフガスは、カソードオフガス流路48から外部に排出される。
カソードオフガス流路48には加湿器50が設けられている。加湿器50は、燃料電池12内で生成されてカソードオフガスに含まれる水分を吸収し、吸収した水分によりカソードガス流路16中のカソードガスを加湿する加湿モジュールとしての機能を有している。カソードオフガス流路48において、加湿器50の下流には制御弁52が設けられている。また、カソードオフガス流路48には、加湿器50をバイパスするバイパス流路54が設けられている。そして、バイパス流路54には制御弁56が設けられている。
加湿器50には、カソードガス流路16が導入されている。また、カソードガス流路16には、加湿器50をバイパスするバイパス流路58が設けられている。そして、バイパス流路58には制御弁60が設けられている。
図2は、燃料電池12の単位セルの構成を示す断面図であって、単位セルの積層方向に沿った断面を示している。図2に示すように、燃料電池12の単位セルは、セパレータ62とシール一体型MEA64を交互に積層して構成される。セパレータ62は、シール一体型MEA64のカソード電極側に対向するカソード対向プレート66と、アノード電極側に対向するアノード対向プレート68と、カソード対向プレート66とアノード対向プレート68とに挟持される中間プレート70とを備えている。これらの3枚のプレートは、重ね合わせてホットプレスすることにより接合されている。
カソード対向プレート66、アノード対向プレート68、および中間プレート70は、ともに略四角形の金属製の薄板である。カソード対向プレート66、アノード対向プレート68、および中間プレート70には、所定の開口部が設けられている。そして、これらの3枚のプレートを重ね合わせて構成されるセパレータ62には、各プレートが備える開口部によって、カソードガス供給マニホールド72、カソードガス排出マニホールド74、アノードガス供給マニホールド76、アノードガス排出マニホールド78、冷却媒体流路80が構成されている。
図2中の左側のセパレータ62に示すように、カソード対向プレート66には、シール一体型MEA64のカソード電極と対向する部分の周縁部にカソードガス供給開口部82が形成されている。カソードガス供給開口部82は、カソードガス供給マニホールド72と接続されている。同様に、カソード対向プレート66には、カソードガス供給開口部82が設けられた領域の反対側において、カソード電極と対向する部分の周縁部にカソードガス排出開口部84が形成されている。カソードガス排出開口部84は、カソードガス排出マニホールド74と接続されている。
図2中の右側のセパレータ62に示すように、アノード対向プレート68には、シール一体型MEA64のアノード電極と対向する部分の周縁部にアノードガス供給開口部86が形成されている。アノードガス供給開口部86は、アノードガス供給マニホールド76と接続されている。同様に、アノード対向プレート68には、アノードガス供給開口部86が設けられた領域の反対側において、アノード電極と対向する部分の周縁部にアノードガス排出開口部88が形成されている。アノードガス排出開口部88は、アノードガス排出マニホールド78と接続されている。
なお、説明の便宜上、図2中の左右のセパレータ62は、紙面垂直方向で異なる位置の断面を示している。図2中の左側のセパレータ62に設けられたアノード対向プレート68の異なる断面の位置には、右側のセパレータ62のアノード対向プレート68と同様に、アノードガス供給開口部86、アノードガス排出開口部88、アノードガス供給マニホールド76、アノードガス排出マニホールド78が設けられている。同様に、図2中の右側のセパレータに設けられたカソード対向プレート66の異なる断面の位置には、左側のセパレータ62のカソード対向プレート66と同様にカソードガス供給開口部82、カソードガス排出開口部84、カソードガス供給マニホールド72、カソードガス排出マニホールド74が設けられている。
シール一体型MEA64は、MEA部90(図2中で一点鎖線で囲まれた領域で示す)とMEA部90の外周縁部に接合されたシール部92を備えている。MEA部90は、図2に示すように、イオン交換膜からなる電解質膜94と、電解質膜94のアノード側に配置されたアノード側触媒層96、電解質膜94のカソード側に配置されたカソード側触媒層98、各触媒層96,98のセパレータ62側にそれぞれ配置された拡散層100、拡散層100よりもセパレータ62側にそれぞれ配置された金属多孔体102を備えている。
金属多孔体102は、アノードガス、カソードガスが通過する微細な孔を備えている。図2中において、MEA部90の左側に設けられた金属多孔体102には、カソード対向プレート66に設けられたカソードガス供給開口部82およびカソードガス排出開口部84が接続されている。また、図2中において、MEA部90の右側に設けられた金属多孔体102には、アノード対向プレート68に設けられたアノードガス供給開口部86およびアノードガス排出開口部88が接続されている。
図1に示すアノードガス流路14は、図2に示すアノードガス供給マニホールド76と接続されている。また、アノードオフガス流路38は、図2に示すアノードガス排出マニホールド78と接続されている。アノードガス流路14からアノードガス供給マニホールド76に供給されたアノードガスは、アノードガス供給開口部86からアノード極側の金属多孔体102に送られる。金属多孔体102に供給されたアノードガスは、金属多孔体102が備える微細孔を通って拡散層100へ送られる。そして、反応後のアノードガスは、アノードガス排出開口部88からアノードガス排出マニホールド78へ送られ、アノードオフガス流路38へ排出される。
また、図1に示すカソードガス流路16は、図2に示すカソードガス供給マニホールド72と接続されている。また、カソードオフガス流路48は、図2に示すカソードガス排出マニホールド74と接続されている。カソードガス流路16からカソードガス供給マニホールド72に供給されたカソードガスは、カソードガス供給開口部82からカソード極側の金属多孔体102に送られる。金属多孔体102に供給されたカソードガスは、金属多孔体102が備える微細孔を通って拡散層100へ送られる。そして、反応後のカソードガスは、カソードガス排出開口部84からカソードガス排出マニホールド74へ送られ、カソードオフガス流路48へ排出される。
以上のような構成によれば、アノードガス、カソードガスは、ともに金属多孔体102を介して各拡散層100へ供給されるため、MEA部90の全域においてアノードガス、カソードガスを供給することができる。従って、所定形状の流路を用いて拡散層100へアノードガス、カソードガスを供給する構造に比べて、拡散層100へのガス供給を効率良く行うことができる。従って、本実施形態の燃料電池12によれば、反応効率を大幅に向上することが可能となり、より高負荷域(電流密度1.4[A/cm]以上)での運転が可能となる。
ところで、燃料電池12が発電を行う際には、アノード極からカソード極へプロトン(H)が移動する。この際、プロトンは水分(随伴水)とともに移動するため、アノード側で水分が不足する現象(ドライアップ)が発生すると、プロトンの移動に影響が生じ、発電効率が低下する場合がある。従って、特にアノード側から優先的に加湿を行う必要がある。一方、アノード極、カソード極で水分の供給が過剰になると、電解質膜94の表面が水分で覆われてしまい、発電効率が低下する場合がある。このため、燃料電池12内では、アノード極、カソード極の双方から適度に水分を供給する必要がある。
また、上述のように燃料電池12内では発電に伴って水分が生成される。特に、カソード側は発電に伴う生成水によって自己加湿されるため、カソード側からの加湿が過度にならないように留意する必要がある。そして、生成水の量は燃料電池12の負荷に応じて変化するため、加湿量は燃料電池12の発電量(負荷)を考慮して制御する必要がある。
更に、燃料電池12は発電により昇温するため、燃料電池12の温度に応じて燃料電池12内部の水蒸気量、水蒸気分圧が変化する。このため、燃料電池12の加湿量は、燃料電池12の温度を考慮して制御する必要がある。
このため、本実施形態のシステムでは、燃料電池12の負荷、および燃料電池12の温度に応じて、アノード側、カソード側からの加湿量を最適に制御することとしている。なお、燃料電池12の負荷は、燃料電池12の電流値から求めることができ、燃料電池12の温度は、例えば冷却水温を検出するセンサから求めることができる。
アノードガスの加湿量の制御は、レギュレータ20、およびポンプ40の駆動量を制御することで行う。例えば、燃料電池12が必要とする水素量の理論値に対する、実際のアノードガスの供給量の比(ストイキ比)を1.0として運転を行う場合、燃料電池12に供給された水素は全て反応するため、アノードオフガス流路38に排出される水素量は理論上は0となる。一方、ストイキ比を1.2とすると、燃料電池12が必要とする水素量の理論値よりも多く水素ガスが供給されるため、アノードオフガスに未反応の水素が排出される。この際、アノードオフガス流路38には未反応の水素とともに燃料電池12内で生成された水分が排出される。従って、アノードガスのストイキ比を可変し、気液分離器42による気液分離を考慮した上で、アノードオフガスに含まれる水分をアノードガス流路14へ戻すことで、アノードガスの加湿量を制御することができる。この場合において、必要に応じてレギュレータ20及びポンプ40の駆動量を制御することが好適である。従って、アノードガスを加湿する際には、カソード側の加湿器50のような加湿モジュールは不要である。
一方、カソードガスについては、加湿器50によるカソードガスの加湿量を制御することで、加湿量を制御することができる。加湿器50に送られるカソードオフガスの量は、制御弁52,56の開度を可変することにより制御することができる。例えば、制御弁52の開度を大きくし、制御弁56の開度を小さくすると、より多くのカソードオフガスを加湿器50に送ることができ、カソードオフガスとともに多くの水分を加湿器50に送ることができる。また、制御弁52の開度を小さくし、制御弁56の開度を大きくすると、加湿器50に送られる水分量を少なくすることができる。従って、制御弁52,56を制御することで、加湿器50内の水分量を制御することができる。
カソードガスの加湿量は、カソードガス流路16のバイパス流路58に設けられた制御弁60の開度を制御することによって可変することができる。例えば、制御弁60の開度を小さくすると、カソードガスの殆どが加湿器50を通過するため、カソードガスの加湿量を増加することができる。一方、制御弁60の開度を大きくすると、加湿器50を通過せずにバイパス流路58を流れるカソードガス量が増加するため、カソードガスの加湿量を低下させることができる。
以下、アノードガス、カソードガス中の水分量を最適に制御する手法について説明する。図3は、燃料電池12の電流密度[A/cm]と、単位セルの電圧(セル電圧)[V]およびセル抵抗[mΩ・cm]との関係を燃料電池12の温度(40℃、60℃、70℃、80℃)毎に示した特性図である。図3の特性は、アノードガスの加湿量を20%とし、カソードガスを無加湿とした場合の特性である。上述したように、本実施形態の燃料電池12は、金属多孔体102を用いることでアノード極、カソード極へのガス供給を効率良く行うことができるため、図3に示すように、電流密度が1.4[A/cm]〜2.0[A/cm]となる高負荷域においても安定して運転を行うことができる。なお、金属多孔体102を用いた場合に限らず、燃料電池12へのガス供給の効率を向上させると高負荷域での運転が可能となり、図3に示すような電流密度が1.4[A/cm]以上となる特性を得ることができる。
図3に示すように、セル電圧は、燃料電池12の電流密度が増加すると低下する。図3に示すように、各温度(40℃、60℃、70℃、80℃)において、この傾向は発生する。しかし、燃料電池12の温度が80℃の場合は、電流密度が1.2[A/cm]以下の負荷領域において、他の温度(40℃、60℃、70℃)に比べてセル電圧がより低下する現象が生じている。この現象は、中負荷域、低負荷域(低電流密度域)の運転では、発電に伴う水分の生成量が少なくなるため、燃料電池12の温度が高温になると、電解質膜94が乾き易くなり、反応が抑制される現象(ドライアップ)が発生することに起因すると考えられる。従って、燃料電池12の温度が比較的高温の場合に、中負荷域、低負荷域で運転が行われると、反応効率が低下することが判る。
一方、図3に示すように、燃料電池12の温度が80℃未満(70℃以下)の場合は、中負荷域、低負荷域の運転においてもセル電圧の低下は生じておらず、セル抵抗の上昇も生じていない。これは、燃料電池12の温度が低下すると水蒸気圧が低下し、セル内に液水がより滞在し易くなり、電解質膜94に適度な水分が供給されるためである。従って、燃料電池12の温度が中温以下の場合は、中負荷域、低負荷域で運転が行われた場合であっても、カソードガスを無加湿とすることができる。
燃料電池12の温度が80℃の場合であっても、電流密度が1.2[A/cm]以上の高負荷領域では、発電に伴う水分の生成量が多くなるため、電解質膜94の周辺に十分な量の水分が供給される。従って、図3に示すように、燃料電池12の温度が80℃の特性は、他の温度(40℃、60℃、70℃)の特性と同等になる。このように、電流密度が1.2[A/cm]以上の高負荷域を含む運転状態では、セル面の単位面積当たりの生成水量が多くなり、電解質膜94が自己加湿されるため、全ての温度域において、特にカソード極側を無加湿として運転を行うことが可能である。
図3の特性によれば、燃料電池12の通常動作時の温度域(80℃程度)では、中負荷域、低負荷域の運転では加湿が必要であるが、他の負荷領域では加湿が不要であることが判る。このため、本実施形態では、燃料電池12の温度が80℃程度であり、燃料電池12が低負荷域〜中負荷域で運転される場合のみ、カソードガスを適度に加湿するようにしている。これにより、燃料電池12の温度が高い場合に電解質膜94が乾いてしまうことを抑えることができ、セル電圧が低下してしまうことを抑止することができる。また、カソードガスの加湿を最小限に抑えることができるため、カソード側の過加湿によるフラッディング等の発生を抑えることができ、反応効率を向上することができる。更に、カソードガスの加湿を最小限に抑えることができるため、加湿器50の加湿性能を必要最小限の性能とすることができ、加湿器50の小型化、低コスト化を達成できる。
一方、アノード側については、アノードガスのストイキ比の常用域で運転が行われる場合は、燃料電池12内の生成水がアノードオフガスとともにアノードガス流路14に送られるため、生成水による加湿で賄うことができる。アノードガスのストイキ比を常用域よりも増加させて、アノード側から積極的に加湿を行うのは、後述するように高温域、高負荷域の運転の場合である。
従って、本実施形態のシステムでは、アノードガスの加湿については、アノードオフガスを循環させることで、カソードガスの加湿よりも優先して行われる。一方、カソード側からの加湿については、燃料電池12の温度が80℃程度の中温域であり、燃料電池12が低負荷域〜中負荷域で運転される場合のみ加湿を行う。これにより、必要最小限の加湿により反応効率の低下を抑止することが可能である。
図4は、図3において、燃料電池12の温度が80℃の場合の特性を詳細に説明するための特性図である。上述のように、燃料電池12の温度が80℃の場合に、電流密度が1.2[A/cm]以下の中負荷域、低負荷域で運転が行われると、他の温度(40℃、60℃、70℃)に比べてセル電圧が低下する。しかし、中負荷域、低負荷域で運転が行われる場合であっても、高負荷域の運転から中負荷域、低負荷域の運転に移行した直後は、高負荷域の運転で生成された水分が燃料電池12内に残留するため、セル電圧は図4中に破線で示す特性となり、セル電圧の低下は殆ど生じない。そして、中負荷域、低負荷域の運転に移行してからある程度の時間が経過すると、図4中に矢印Aで示すように、破線の特性から実線の特性へセル電圧が次第に低下していく。従って、高負荷域から中負荷域、低負荷域に運転状態が移行した場合は、移行直後からカソードガスの加湿を行う必要はなく、移行後、所定時間が経過してから加湿を行うことで十分である。または、中負荷域、低負荷域の運転に移行した後、電圧が所定値以下に低下した場合に加湿を行うこととしても良い。また、高負荷域の運転から一時的に中負荷域、低負荷域の運転に移行した場合は、カソード側を無加湿とした状態で運転を行うことができる。特に、本実施形態では、ガス流路を金属多孔体102から構成しているため、拡散層100に加えて金属多孔体102に水分を蓄えることができる。従って、高負荷域の運転から中負荷、低負荷域の運転に移行した場合の加湿量を最小限に抑えることができる。
以上のように、燃料電池12の温度が80℃程度の中温域の場合は、中負荷域、低負荷域の運転でカソード側からの加湿が必要である。次に、この場合のカソード側からの加湿量について説明する。図5は、燃料電池12の温度が80℃の場合に、カソードガスの加湿量を0%、10%、20%、30%に可変した際の電流密度とセル電圧、セル抵抗との関係を示す特性図である。図5の特性では、アノードガスの加湿量は一定値(例えば20%程度)である。なお、以下の説明において、加湿量(%)は、湿度(RH)を表すものとする。
図5に示すように、燃料電池12の温度が80℃の場合、電流密度が1.2[A/cm]以下であり、且つカソードガスの加湿量が0%になると、図3の場合と同様に、セル電圧が低下し、また、セル抵抗が上昇する。一方、カソードガスの加湿量が10%、20%、30%の場合は、セル電圧の低下、セル抵抗の上昇は殆ど生じていない。従って、カソードガスの加湿量は、10%程度で良く、20%あれば十分であると判断できる。
一方、カソードガスの加湿量が過度に多くなると、燃料電池12の効率が低下する場合がある。特に、高負荷域の運転では、この傾向が見られる。図6は、カソードガスのストイキ比とセル電圧、セル抵抗との関係を、カソードガスの加湿量毎(0%、10%、20%、30%)に示す特性図である。図6の特性は、燃料電池12の温度が80℃であり、電流密度が1.6[A/cm]の場合の特性を示している。
図6のように電流密度1.6[A/cm]程度の高負荷域で運転される場合は、カソードガスのストイキ比の常用域は、1.5程度の値とされる。つまり、この条件下では、電流密度に応じたカソードガスの理論値に対して1.5倍程度のカソードガスが供給される。図6に示すように、カソードガスのストイキ比の常用域では、カソードガスの加湿量を多くしていくと、セル電圧が低下する。常用域で最もセル電圧が高くなるのは、カソードガスを無加湿とした場合である。このため、カソードガスの加湿量は必要最小限に抑えることが望ましい。
カソードガス中の酸素の反応効率を高くするためには、カソードガス中の酸素分圧を高く維持することが必要である。カソードガスの加湿量を必要以上に多くすると、カソードガス中の水蒸気分圧が高くなり、酸素分圧が低下してしまう。従って、上述のように、カソードガスの加湿量は最小限に抑えることで、酸素分圧の低下を抑えることができ、セル電圧を高く保つことが可能となる。
なお、図6において、カソードガスの加湿量を必要以上に増加した場合(20%、30%)であっても、カソードストイキ比を常用域よりも高くすれば、酸素の反応効率が上昇するため、セル電圧の低下は抑えられる。しかし、この場合は、カソードガスの流量を増加するためにポンプ24の駆動量が増加してしまう。従って、このような弊害を抑えるためにも、カソードガスの加湿量は必要最小限の値に抑えることが好適である。
図5の特性によれば、燃料電池12の温度が80℃の場合は、カソードガスの加湿量が10%以上であれば、中負荷域、低負荷域におけるセル電圧の低下、およびセル抵抗の上昇は殆ど発生していない。従って、この場合のカソードガスの加湿量は10%あれば十分であり、これ以上加湿量を増加すると、高負荷域の運転に移行した際にセル電圧が低下することが考えられる。従って、燃料電池12の温度が80℃の場合に、中負荷域、低負荷域で運転が行われる場合は、カソードガスの加湿量を10%とするのが良い。
以上の検討結果に基づき、本実施形態では、燃料電池12の負荷(電流密度)、燃料電池12の温度に応じて、アノードガス、カソードガスの加湿量を最適に制御するようにしている。図7は、燃料電池12の負荷、温度に応じて加湿量を制御するためのマップを示している。
図7のマップは、燃料電池12の負荷が変化する範囲を0〜1.4[A/cm]以上の範囲に設定している。そして、負荷が変化する範囲を3つに分割し、分割された3つの範囲を負荷の低い側から順に、低負荷域(0.5[A/cm]以下)、中負荷域(0.5[A/cm]〜1.4[A/cm])、高負荷域(1.4[A/cm]以上)としている。また、図7のマップでは、燃料電池12の温度が変化する範囲を0〜80℃以上の範囲に設定している。そして、温度が変化する範囲を3つに分割し、分割された3つの領域を温度の低い側から順に低温域(70℃以下)、中温域(70℃〜80℃)、高温域(80℃以上)としている。そして、図7に示すように、各負荷域と各温度域の組み合わせから得られる7つの領域において、アノード側で必要な加湿量と、カソード側で必要な加湿量が設定されている。図7中において、記号◎は必要な加湿量が20%であることを示しており、記号○は必要な加湿量が10%であることを示している。また、記号×は、無加湿で運転が可能であることを示している。例えば、中負荷域(0.5[A/cm]〜1.4[A/cm])、且つ中温域(70℃〜80℃)で燃料電池12が運転される場合は、アノード側で必要な加湿量は10%(○印)であり、カソード側で必要な加湿量は10%(○印)である。
先ず、図3及び図5の検討結果に基づいて、燃料電池12の温度が中温(70℃〜80℃)の場合の加湿量の制御について説明する。燃料電池12が通常に運転される場合、燃料電池12の温度は中温(70℃〜80℃)となる。図7に示すように、燃料電池12の温度が中温(70℃〜80℃)の場合において、電流密度が1.4[A/cm]以下の中負荷域、低負荷領域で運転が行われる場合は、図3及び図5の検討結果に基づいて、カソード側の加湿量を10%程度にしてカソード側から加湿を行う。これにより、セル電圧の低下、およびセル抵抗の上昇を確実に抑えることができる。
また、燃料電池12の温度が中温(70℃〜80℃)の場合において、電流密度が1.4[A/cm]以上の高負荷領域では、カソード側の加湿量を0に設定する。これにより、カソード側の加湿量を必要最小限に抑えることができる。
また、燃料電池12の温度が中温(70℃〜80℃)の場合、アノード側では、アノードオフガスをアノードガス流路14に循環させることで、加湿量を10%程度にしてアノードガスを加湿する。このように、アノード側からの加湿をカソード側よりも優先して行うことで、電解質膜94に適度な水分を供給することができ、セル電圧の低下、およびセル抵抗の上昇を確実に抑えることができる。また、加湿器50の小型化、低コスト化を達成することができる。
次に、燃料電池12が低温域(70℃以下)で運転される場合について説明する。燃料電池12が低温域(80℃以下)で運転されるのは、主として燃料電池12の起動時である。この場合は、電解質膜94に供給される水分を燃料電池12内の生成水で賄うことができるため、図7に示すように、カソードガスを無加湿して運転を行うことができる。また、アノード側についても、電流密度が0.5[A/cm]以下の低負荷領域のみ10%の加湿量で加湿を行い、電流密度が0.5[A/cm]以上の中負荷、高負荷領域では加湿は不要である。このように、低温域の運転では、燃料電池12内に水分が液水として残留するため、アノード側、カソード側の加湿量を最小限に抑えることができる。
次に、燃料電池12の温度が高温域(80℃以上)で運転される場合について説明する。燃料電池12の温度が80℃以上の高温になるのは、電流密度が1.4[A/cm]以上の高負荷域で運転される場合である。
図7に示すように、燃料電池12の温度が高温(80℃以上)の場合は、アノードガスの加湿量が20%に設定される。燃料電池12の温度が高温の場合は、水蒸気分圧が高くなり、燃料電池12内の生成水が排出ガスとともに燃料電池12内から外部に持ち去られる。従って、この場合はアノードガスの加湿量を20%程度にする必要がある。一方、アノードガスを加湿することによって、カソードガスは無加湿として運転を行うことができる。
図4で説明したように、高温(80℃以上)、高負荷域(1.4[A/cm]以上)で運転が行われた後、中温域(70℃〜80℃)、低負荷域(0.5[A/cm]以下)の運転に移行した場合(図7中に矢印Bで示す)は、直ちに加湿量を増加する必要はない。この場合は、中温域、低負荷域の運転に移行した後、所定の時間が経過してからカソードガスの加湿を行う。また、高温、高負荷域の運転から一時的に中温、低負荷域の運転に移行した場合は、高温、高負荷域の加湿量のままで運転を行うことができる。
図7のマップは、実験等により各運転状態での必要な加湿量を求めることで作成することができる。従って、このようなマップを予め作成しておくことで、マップに基づいて燃料電池12の運転状態に応じた最適な加湿制御を行うことが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、燃料電池12の温度、負荷に応じてアノードガス、カソードガスの加湿量を最適に制御することができる。従って、燃料電池12内への水分の供給を最適に行うことが可能となり、燃料電池12の反応効率を向上することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す模式図である。 燃料電池の単位セルの構成を示す断面図である。 燃料電池の電流密度と、単位セルの電圧およびセル抵抗との関係を燃料電池の温度(40℃、60℃、70℃、80℃)毎に示した特性図である。 図3において、燃料電池の温度が80℃の場合の特性を詳細に説明するための特性図である。 燃料電池の温度が80℃の場合に、カソードガスの加湿量を0%、10%、20%、30%に可変した際の電流密度とセル電圧、セル抵抗との関係を示す特性図である。 カソードガスのストイキ比とセル電圧、セル抵抗との関係を、カソードガスの加湿量毎(0%、10%、20%、30%)に示す特性図である。 燃料電池12の負荷、温度に応じて加湿量を制御するためのマップを示す模式図である。
符号の説明
10 燃料電池システム
12 燃料電池
38 アノードオフガス流路
40 ポンプ
50 加湿器

Claims (6)

  1. アノードに水素を含むアノードガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含むカソードガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池と、
    前記燃料電池の負荷を取得する負荷取得手段と、
    前記燃料電池の温度を取得する温度取得手段と、
    前記アノードガスまたは前記カソードガスを加湿する加湿手段と、
    前記燃料電池の負荷及び温度に基づいて、前記加湿手段による加湿量を制御する加湿量制御手段と、
    を備え、
    前記加湿手段は、前記カソードガスを加湿するカソードガス加湿手段を含み、
    前記加湿量制御手段は、前記燃料電池の電流密度が1.2A/cm以下となる所定負荷域にあり、且つ前記燃料電池の温度が70℃以上80℃以下の所定温度域にある場合に限り、前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿を行うと共に、前記所定負荷域よりも高負荷域側から前記所定負荷域への負荷域移行があった場合には、前記所定高負荷域への移行後、所定時間が経過するまで前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿を禁止することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記加湿手段は、前記アノードガスを加湿するアノードガス加湿手段を含み、
    前記加湿量制御手段は、前記アノードガス加湿手段による前記アノードガスの加湿量と、前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿量のそれぞれを個別に制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記加湿量制御手段は、前記アノードガス加湿手段による前記アノードガスの加湿を前記カソードガス加湿手段による前記カソードガスの加湿よりも優先して行うことを特徴とする請求項記載の燃料電池システム。
  4. 前記アノードガス加湿手段は、前記アノードから排出されたアノードオフガスを前記アノードへ循環させるアノードオフガス循環手段から構成されることを特徴とする請求項2又は3記載の燃料電池システム。
  5. 前記カソードガス加湿手段は、前記カソードから排出されたカソードオフガス中の水分を前記カソードガスに供給する加湿モジュールから構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記加湿量制御手段は、前記燃料電池の負荷、前記燃料電池の温度及び前記アノードガス若しくは前記カソードガスの加湿量との関係を規定したマップに基づいて、前記アノードガス又は前記カソードガスの加湿量を制御することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の燃料電池システム。
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