JP4954842B2 - ロール紙保持機構及びプリンタ - Google Patents
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Description
ところで、このサーマルプリンタを代表とする各種のプリンタで使用される記録紙は、円筒形状の芯管に巻回されたロール紙となった状態で通常使用されている。このロール紙は、収納空間に落とし込まれるドロップイン式、或いは、芯管にシャフトを挿通させることで軸支(回転自在に支持)する軸支式(例えば、特許文献1参照)の2通りの方法によって装着されるのが一般的である。
また、保持部材は、単に付勢部材によって付勢されているだけであるので、付勢方向に対して逆方向に力を受けるとその向きに移動するようになっている。これにより、ロール紙を容易に脱着できるようになっている。
しかしながら、上述のロール紙の保持構造にあっては、内径の異なるロール紙を保持する場合、収容部内に設けられた保持部材により保持できるロール紙の内径が既定されてしまうため、保持部材の径より小さな内径のロール紙を保持することができないという問題がある。
これに対して、収容部内に着脱可能な保持部材を設け、この保持部材をロール紙の内径に合わせて交換したり、保持部材に別体のアタッチメントを装着したりする構成も知られているが、この場合、保持部材の交換・切替作業に時間を要するという問題がある。その結果、プリンタを再始動させるために時間を要し、スピーディーな印刷を行うことができなかった。また、保持部材やアタッチメントを取り外した際に、これらを紛失してしまう場合が多々あった。
本発明に係るロール紙保持機構は、記録紙が中空孔を有するように巻回されたロール紙が収容される収容部を備えたケーシングと、該ケーシングに対して開閉可能に連結されたカバーと、前記収容部に収容された前記ロール紙を間に挟むように前記ケーシングの両側に設けられ、収容されたロール紙の中空孔に対向する位置に形成されたホルダ孔を有する一対のプレートと、前記一対のプレートと前記ケーシングとの間にそれぞれ同じ数だけ複数個配置され、収容された前記ロール紙の中空孔内に一部分が挿入される挿入部を有する保持部材と、前記挿入部を前記プレートに向けて所定の弾性力で付勢する付勢部と、指先で操作可能とされ、前記複数の保持部材のうち選択した保持部材を前記ホルダ孔に対向配置させると同時に該保持部材の前記挿入部をホルダ孔から前記収容部内に突出させて前記ロール紙を軸支させるように、ホルダ孔に対する複数の保持部材の相対的な位置を切り替える切替機構と、を備え、前記複数の保持部材がそれぞれ有する前記挿入部は、それぞれ異なる外径とされていることを特徴とするものである。
まず、切替機構を指先で操作すると、プレートに形成されたホルダ孔に対する複数の保持部材の相対的な位置を切り替えることができる。この際、各保持部材の挿入部は、付勢部によってプレート側に向けて所定の弾性力で付勢されているので、切替機構の操作によってホルダ孔に対向配置された挿入部のみをホルダ孔を通して収容部内に突出させることができる。このように、切替機構を操作することで、外径の異なる挿入部を順次収容部内に突出させることができる。そして、セットするロール紙の中空孔の径に応じて、最適な大きさ(外径)の挿入部を選択し、該選択した挿入部を収容部内に突出させる。
これと同時に、多数の発熱素子が適宜熱を発したサーマルヘッドによって、送り出された記録紙に対して各種の文字や図形等を明瞭に印刷することができる。その後、印刷された記録紙は、切断部によって適宜切断される。その結果、ロール紙に巻回された記録紙を、レシートやチケット等として使用することができる。
特に、上述したロール紙保持機構を備えているので、径の異なるロール紙へ付け替える際、その径に合わせた保持部材への切替作業が容易になり、作業効率を向上させることができるため、様々な径を有するロール紙を確実に保持した上で、メンテナンス性を向上させることができる。
また、本発明に係るサーマルプリンタによれば、上述したロール紙保持機構を備えているので、プリンタとしての信頼性の向上化を図ることができるとともに、使い易くメンテナンス性の向上化を図ることができる。また、ロール紙を迅速に付け替えることができるので、スピーディーな再始動を実現することができる。
以下、本発明に係るロール紙保持機構及びプリンタの第1実施形態を、図1〜5を参照して説明する。なお、本実施形態では、プリンタの一例としてサーマルプリンタを例に挙げて説明する。また、図1,2において、FRは前方を、LHは左方を、UPは上方をそれぞれ示す。また、図3〜図5においては、発明を理解し易くするため、後述するロール紙保持機構のみを示している。
図1,2に示すように、サーマルプリンタ1は、中空孔6の芯管2に記録紙P1が巻回されたロール紙Pを収容する収容部21を備えたケーシング3と、ケーシング3に対して開閉可能なペーパーカバー(カバー)20とを備えている。なお、記録紙P1は、熱を加えると変色するものであり、各種ラベル、レシートやチケットの印刷等に好適に使用されている。
ケーシング3の上面10と側面12との間には、ペーパーカバーオープンボタン(以下、オープンボタンという)18が設けられている。
なお、ケーシング3内には、各種の電子機器が搭載された図示しない制御基板が設けられている。この制御基板は、サーマルヘッド17に電気信号や制御信号を出力したり、プラテンローラ22を駆動するモータに制御信号を出力したりして、各構成品の総合的な制御を行っている。
図2〜5に示すように、収容部21の両側の内壁7には、後述する保持部材50a,50b,50cの挿入部53が突出する円形のホルダ孔52が形成されている。また、収容部21の両側であって、ケーシング3の上面10には、矩形の貫通孔54が形成されている。
複数の保持部材50a,50b,50c(挿入部53)は、各々径が異なっており、例えば回転プレート51の周方向に順次、大径の保持部材50a、中径の保持部材50b、小径の保持部材50cとして設けられている。なお、以下の説明では、各保持部材50a,50b,50cを特に区別する必要がない場合は、まとめて保持部材50とする。また、複数の保持部材50は、径が異なる以外は同様の構成であるため、主として中径の保持部材50bについて説明し、その他(大径及び小径)の保持部材50a,50bの説明は省略する。
挿入部53は、その先端が球面形状に形成されたものであり、上述したホルダ孔52から突出するように構成されている。挿入部53は、その一部分がロール紙Pにおける芯管2の内面に当接してロール紙Pを軸支するものである。挿入部53には、基端部から先端部に向かってざぐり穴67が形成されており、このざぐり穴67内に回転プレート51のガイド壁56が遊嵌されている。挿入部53の基端部の周縁には、径方向外側に張り出すフランジ部68が形成されている。このフランジ部68が、ケーシング3における内壁7側からホルダ孔63の周縁に当接することで、挿入部53がホルダ孔63から抜けることを防止することができる。
また、回転プレート51の小径の保持部材50cに隣接した位置には、回転プレート51の表面58が単なる平坦面とされたブランク領域61が設けられている。これにより、回転プレート51を回転させて、ブランク領域61に移動させることで、ホルダ孔52から全ての保持部材50が突出しないようになっている。つまり、収容部21の両側は面一の状態となる。
まず、オープンボタン18を押圧してペーパーカバー20を開けた後、ロール紙をセットする。具体的には、収容部21内にロール紙を押し込むと、保持部材50aの挿入部53がロール紙の外周に接触することとなる。すると、挿入部53には、付勢部材57の付勢力に抗する力が作用し、ロール紙Pにより挿入部53が回転プレート51側に押し込まれる。また、挿入部53は、付勢部材57によって付勢されているので、ロール紙Pが押し込まれた後は、挿入部53の先端はロール紙Pの側面に常に接触している状態となっている。
ところで、内径の異なるロール紙を保持する場合、従来では収容部内に設けられた保持部材により保持できるロール紙の内径が既定されてしまうため、保持部材の径より小さな内径のロール紙を保持することができないという問題がある。これに対して、収容部内に着脱可能な保持部材を設け、この保持部材をロール紙の内径に合わせて交換したり、保持部材に別体のアタッチメントを装着したりする構成も知られているが、この場合、保持部材の交換・切替作業に時間を要し、スピーディーな印刷を行うことができなかった。また、保持部材やアタッチメントを取り外した際に、これらを紛失してしまう場合が多々あった。
このように、ロール紙Pの内径に対応して回転プレート51により、保持部材50の径を適切な径に変更することで、ロール紙Pより小さい内径のロール紙Pも確実に保持することができる。そして、ペーパーカバー20を閉じることで、ロール紙Pのセットが完了する。
まず、回転プレート51により中径の保持部材50bから小径の保持部材50cへの切り替えを行う。具体的には、上述した保持部材50bへの切替方法と同様に、回転プレート51を回転させる。これにより、保持部材50bが縮小してケーシング3の内壁7と外壁8との間に収納されるとともに、保持部材50cがホルダ孔52から突出し、保持部材50の切り替えが完了する。
まず、回転プレート51により小径の保持部材50cからブランク領域61への切り替えを行う。具体的には、上述した切替方法と同様に回転プレート51を回転させる。これにより、保持部材50cが縮小してケーシング3の内壁7と外壁8との間に収納されるとともに、ブランク領域61に切り替わる。この時、ホルダ孔52からは全ての保持部材50が突出せず、内壁7は面一の状態となる。
これと同時に、多数の発熱素子が適宜熱を発したサーマルヘッド17によって、送り出された記録紙P1に対して各種の文字や図形等を明瞭に印刷することができる。その後、印刷された記録紙P1を、切断部側に傾けて引張ることで、記録紙P1は切断される。その結果、ロール紙Pに巻回された記録紙P1を、レシートやチケット等として使用することができる。
まず、回転プレート51を指先で操作すると、内壁7に形成されたホルダ孔52に対する複数の保持部材50の相対的な位置を切り替えることができる。この際、各保持部材50の挿入部53は、付勢部材57によって内壁7側に向けて所定の弾性力で付勢されているので、回転プレート51の操作によってホルダ孔52に対向配置された挿入部53のみをホルダ孔52を通して収容部21内に突出させることができる。このように、回転プレート51を操作することで、外径の異なる挿入部53を順次収容部21内に突出させることができる。そして、セットするロール紙Pの中空孔6の径に応じて、最適な大きさ(外径)の挿入部53を選択し、該選択した挿入部53を収容部21内に突出させる。
したがって、サーマルプリンタ1としての信頼性の向上化を図ることができるとともに、使い易くメンテナンス性の向上化を図ることができる。その結果、ロール紙Pに巻回された記録紙P1を、レシートやチケット等として使用することができる。
次に、図6,7に基づいて本発明の第2実施形態について説明する。図6は第2実施形態に係るロール紙保持機構における図3のA−A’線に沿う断面図であり、図7は分解斜視図である。なお、本実施形態は、ロール紙保持機構の構成について上記第1実施形態と相違しているため、その他第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
この連結機構70は、ラック部材73とラック部材73に噛合した状態で回転プレート71に固定されたピニオンギア74とを備えた、いわゆるラック・ピニオン機構を採用している。
ラック部材73は2枚の平板から構成された部材であり、底板部78と、ノブ79からなる平面視T状の部材である。底板部78には、下面の長手方向に沿って歯部80が形成されており、この歯部80が上述したピニオンギア74の歯部80と噛合することで、ラック部材73がピニオンギア74に対してスライド可能に構成されている。ノブ79は、底板部78の中央部から垂直に立ち上がって形成されており、その先端が上述した貫通孔54から突出するように形成されている。
次に、図8に基づいて本発明の第3実施形態について説明する。図8は第3実施形態に係るロール紙保持機構の概略構成図である。なお、本実施形態は、ロール紙保持機構の構成について上記第1実施形態と相違しているため、その他第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。また、図8においては説明を分かり易くするため、内壁を省略する。
例えば、上述の第1または2実施形態と第3実施形態とを適宜組み合わせてもよい。つまり第1実施形態の回転プレートを円板状に形成し、その下側半周部分で互いの回転プレートを連結板で連結させるような構成としてもよい。
また、本実施形態では芯管に記録紙が巻回されたロール紙を用いて説明したが、ロール紙を軸支する中空孔を有していれば、芯管を有していなくてもよい。
さらに、本実施形態では回転プレートを回転可能に構成したが、スライド可能にするような構成としてもよい。
Claims (9)
- 記録紙が中空孔を有するように巻回されたロール紙が収容される収容部を備えたケーシングと、
該ケーシングに対して開閉可能に連結されたカバーと、
前記収容部に収容された前記ロール紙を間に挟むように前記ケーシングの両側に設けられ、収容されたロール紙の中空孔に対向する位置に形成されたホルダ孔を有する一対のプレートと、
前記一対のプレートと前記ケーシングとの間にそれぞれ同じ数だけ複数個配置され、収容された前記ロール紙の中空孔内に一部分が挿入される挿入部を有する保持部材と、
前記挿入部を前記プレートに向けて所定の弾性力で付勢する付勢部と、
指先で操作可能とされ、前記複数の保持部材のうち選択した保持部材を前記ホルダ孔に対向配置させると同時に該保持部材の前記挿入部を前記ホルダ孔から前記収容部内に突出させて前記ロール紙を軸支させるように、前記ホルダ孔に対する前記複数の保持部材の相対的な位置を切り替える切替機構と、を備え、
前記複数の保持部材がそれぞれ有する前記挿入部は、それぞれ異なる外径とされていることを特徴とするロール紙保持機構。 - 請求項1に記載のロール紙保持機構において、
前記切替機構は、外周面の一部が前記ケーシングから露出した状態で該ケーシングの内部に回転可能に固定され、前記複数の保持部材を支持する回転プレートを有し、該回転プレートの回転により前記複数の保持部材を前記ホルダ孔に対向する位置に順次移動させることを特徴とするロール紙保持機構。 - 請求項2に記載のロール紙保持機構において、
前記回転プレートは、前記外周面が凹凸状に形成されていることを特徴とするロール紙保持機構。 - 請求項1に記載のロール紙保持機構において、
前記切替機構は、前記ケーシングの内部に回転可能に固定され、前記複数の保持部材を支持する回転プレートと、
少なくとも一部が前記ケーシングから露出した状態で該ケーシングに対して可動自在に固定された操作部と、
前記操作部の可動に伴って前記回転プレートを回転させるように両者を機械的に連結するとともに、前記操作部のポジションに応じて前記複数の保持部材を前記ホルダ孔に対向する位置に順次移動させる連結機構と、を備えていることを特徴とするロール紙保持機構。 - 請求項4に記載のロール紙保持機構において、
前記連結機構は、前記操作部に固定されたラック部材と、該ラック部材に噛合した状態で前記回転プレートに固定されたピニオンギアと、を備え、
前記操作部をスライド操作することで前記複数の保持部材の切り替えを行うことを特徴とするロール紙保持機構。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のロール紙保持機構において、
前記切替機構は、前記切り替えを行う際に、一方の前記プレートと前記ケーシングとの間に配置された複数の前記保持部材と、他方のプレートと前記ケーシングとの間に配置された前記複数の保持部材とを、互いに連動させた状態で切り替えることを特徴とするロール紙保持機構。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のロール紙保持機構において、
前記回転プレートには、表面が単なる平坦面とされたブランク領域が形成されており、該ブランク領域が前記ホルダ孔に対向する位置に移動可能とされていることを特徴とするロール紙保持機構。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載のロール紙保持機構を備えていることを特徴とするプリンタ。
- 請求項8に記載のプリンタは、
多数の発熱素子を有し、前記記録紙の幅方向に延びたサーマルヘッドと、
前記ロール紙から引き出された前記記録紙を間に挟んだ状態で前記サーマルヘッドに対して周面が接触可能とされ、回転することで記録紙を送り出すプラテンローラと、
前記サーマルヘッドを通過した前記記録紙を切断する切断部と、を備えたサーマルプリンタであることを特徴とするプリンタ。
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