JP4952083B2 - 圧電発振器 - Google Patents
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Description
従来、圧電発振器の構造において、圧電振動子と発振回路素子を備えた発振回路部をそれぞれ別のパッケージを用いて構成し、例えば、発振回路部の上に、圧電振動子を構成するパッケージを重ねて固定したものが知られている。
ところで、最近の情報機器や移動体通信機器の小型化の進展は著しく、これに伴って、搭載される圧電発振器への小型化、薄型化の要求はますます強くなってきている。特に、圧電発振器の平面サイズの小型化においては、例えば発振回路素子としてのICのサイズに極力近づけたいとのニーズが高まっている。また、圧電発振器の平面サイズを小型化するのに伴って、実装基板に接合するための外部端子を配設するスペースも小さくなるため、実装基板との接合面積が小さくなって接合強度が低下することが懸念される。
この課題を解決するため、圧電共振器のより小型化、薄型化を図る構造として、例えば特許文献1に、複数のリードフレームにより発振回路部を形成し、圧電振動子と重ねて固定した構成が提案されている。
図7に示す圧電発振器100は、二枚のリードフレームを用いて形成された発振回路素子としてのIC160を備えた発振回路部(積層リードフレーム)150と、パッケージ容器120に圧電振動片112が収納された圧電振動子110とが重ねて接合されている。圧電振動子110は、凹部121が形成されたパッケージ容器120の凹底部分に設けられたマウント電極122に、導電性接着剤113により一端部が接合されて片持ち状態に支持された圧電振動片112を備えている。マウント電極122は、パッケージ容器120の底面に形成された外部電極124と、引き出し電極124aにより導通している。そして、パッケージ120の上面にはリッド128が接合され、圧電振動片112がパッケージ120内に気密に封止されている。
一方、発振回路部150の二枚のリードフレームのうち、下側リードフレーム140は、略中央部に形成されたダイパッド(回路素子搭載部)152と、ダイパッド152の両側に所定の隙間を設けて配設された複数のリード142が同一平面上に形成されている。リード142は、IC160側の一端部から水平に形成されたワイヤボンディング用の接続端子部(パッド)144を有し、接続端子部144の外側が下側に折り曲げられて、図7紙面を貫く手前方向へ傾斜する傾斜部145を形成し、更に傾斜部145の外側が、図7紙面を貫く手前方向へ水平に折り曲げられて外部端子(実装端子)146が形成されている。ダイパッド152上には、上面側(能動面)に複数の接続パッド(図示せず)を有するIC160が固定されている。
また、上側のリードフレーム130は、外側の一端部からIC160の方向に水平に形成された圧電振動子110と接続される振動子接続部132を有し、この振動子接続部132の内側が下方に折り曲げられて傾斜部135が形成され、更に傾斜部135からIC160側に向けて水平に折り曲げられて接続端子部(パッド)134が形成されている。そして、接続端子部134は、IC160上の対応する接続パッドとボンディングワイヤ162により接続されている。この上側リードフレーム130が、下側リードフレーム140の上に一定の間隔を有して配置され、発振回路部150を構成している。
上記のように形成された発振回路部150上に圧電振動子110が重ねて接合され、このとき、外部電極124と振動子接続部132とが半田125により接続される。そして、発振回路部150の外部端子146の主面とリッド128の上面とを露出させつつ、封止樹脂170により発振回路部150および圧電振動子110を樹脂封止することにより、圧電発振器100が形成されている。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであって、その目的は、実装基板との接合強度を確保しながら、特に平面サイズの小型化が可能な圧電発振器を提供することにある。
また、下部リードの一部をハーフエッチングすることにより形成される凹部を回路素子搭載部として用いることができるので、上述の特許文献1に示された圧電発振器のように、リードを縦方向にフォーミングすることなく発振回路素子を載置することができる。これにより、製造工程を簡略化できるとともに、圧電発振器の薄型化が可能となる。
また、ハーフエッチングして形成される凹部を回路素子搭載部としているので、例えば、回路素子搭載部の平面形状を、発振回路素子搭載時の位置決めクリアランス分だけ発振回路素子の外形よりも大きくすることにより、発振回路素子搭載時の位置決めが容易となり作業性が向上し、搭載位置のずれを抑制することができる。
更に、圧電振動子と接続される振動子接続部を有したリードの一部をハーフエッチングすることにより、発振回路素子と接続される上側接続端子部が形成される。ハーフエッチング量は、例えば発振回路素子と上側接続端子部とをワイヤボンディングにより接続する場合に、接続されたボンディングワイヤのループ形状の高さより大きくする。これにより、特許文献1に示された圧電発振器のようにリードをフォーミングすることなく、同一リードに振動子接続部と上側接続端子部とを設けることができる。
圧電振動子10は、図2および図3に示すように、凹部が形成されたパッケージ容器11と、パッケージ容器11の凹部に収容される圧電振動片12と、パッケージ容器11の上面に接合されるリッド19とを有している。
凹部の凹底部分には一対のマウント電極15が設置されていて、パッケージ容器11の底面部分に形成された外部電極17と、図示しないスルーホールにより導通されている。なお、マウント電極15と外部電極17とを、パッケージ容器11の側面に形成した側面電極を介して導通させる構成としてもよい。
次に、発振回路部20の構造を説明する。
発振回路部20は、図1、図2および図3に示すように、IC70が搭載された下側リードフレーム31と、振動子接続部56と振動子支持用リード55とを有する上側リードフレーム51とが重ねて接合されて構成されている。ここでは、まず、下側リードフレーム31および上側リードフレーム51のそれぞれの構造について、図面に従って詳細に説明する。
リードフレーム30の下側リードフレーム31の形成領域には、枠部32の各辺から対向する辺に至る一つまたは複数のエッチング溝が形成されていて、枠部32を基部として画定された複数対のリードとしての下部リード33,34,35が形成されている。本実施形態では、下部リード33,34,35のそれぞれは、圧電振動片12の一対の励振電極13、IC70の接続パッドの一つである接地電極と周波数調整回路の電極のそれぞれと接続されるものとして説明するが、これに限らず、リード毎に割り振る機能は別途設定してもよく、また、所望の他の機能に供するリードを増設することもできる。
また、下側リードフレーム31形成部分の略中央部分、即ち、下部リード33,34,35の一部を平面視で略矩形状にハーフエッチング加工することにより回路素子搭載部36が形成されている。即ち、各下部リード33,34,35の一部に方形状のハーフエッチング部37が形成され、各リードには、ハーフエッチング部37と段差部とが形成される。下部リード33,34,35のそれぞれの段差部の上面側の一部は、後述するIC70とワイヤボンディングにより接続される下側接続端子部33a,34a,35aとなっている。
なお、図5(a)のリード33の先端部分に二点鎖線で図示している支持部33bは、上側リードフレーム51が重ねて接合されたときに、上側リードフレーム51の上側接続端子部57を下側から支持する部分を示している。
また、回路素子搭載部36の平面形状は、回路素子搭載部36に搭載されるIC70の外形よりも所定の寸法が加えられた、若干大きめに形成するのが望ましい。ここでいう所定の寸法とは、回路素子搭載部36にIC70を搭載する際に、IC70の位置決め基準となり且つ作業性を損なわない程度のクリアランスとなる寸法を指す。
図2および図4に示すように、下側リードフレーム31の回路素子搭載部36上には、絶縁体であるダイアタッチフィルム(Die attach film)85を介して、発振回路を有するIC70が接合されている。IC70内部には、発振回路とともに必要に応じて温度補償回路や周波数調整用回路などが設けられ、IC70の上面(能動面)には、接地用のGND接続パッドを含む複数の接続パッド71が配列され、ここに発振出力等の信号が引き出されている。
下側リードフレーム31の上には、絶縁性接着剤86,87により上側リードフレーム51が接合されている。絶縁性接着剤86は、下側リードフレーム31のリード33の上面と、上側リードフレーム51の上部リード53および上部リード54それぞれとの各接合面を接合するのに供している。このとき、上側リードフレーム51の上側接続端子部57が、リード33に支持されるように接合されている。また、絶縁性接着剤87は、IC70の上面(能動面)と、上側リードフレーム51の振動子支持用リード55との各接合面を接合するのに供している。
上記のように形成された発振回路部20の上面に有する振動子接続部56と、圧電振動子10の外部電極17とは、図2に示すように、半田95により接続されている。また、発振回路部20の振動子支持用リード55の上面と圧電振動子10の底面とが、絶縁性接着剤88により接合されている。そして、接合された発振回路部20と圧電振動子10とは、リッド19の上面と外部端子40,41、42とを外部に露出した状態で、封止樹脂90により樹脂封止され、樹脂パッケージとしての圧電発振器1が形成されている。
まず、図5に示すリードフレーム30の複数の下側リードフレーム31のそれぞれの回路素子搭載部36上に、図2に示すように、絶縁体としてのダイアタッチフィルム85によってIC70を接着固定する。なお、IC70を固定する方法は、ダイアタッチフィルム85を用いる方法に限らず、IC70と回路素子搭載部36とを絶縁された状態で接合できればよく、例えば、絶縁性の接着剤(ダイアタッチ剤)を用いる方法や、回路素子搭載部36上に予め絶縁膜を形成してから接着剤により接合する方法などを利用することも可能である。
なお、外部端子42を用いて周波数調整などの他の電気的特性の調整や、圧電振動子10と発振回路部20の各接続部分の導通確認などの圧電発振器1の電気的特性の検査を行なう構成とすることも可能である。また、圧電発振器1の電気的特性の調整、検査は、次の圧電発振器1の個片化後に行なう構成としてもよい。
また、回路素子搭載部36の平面形状は、IC70の外形よりも所定量大きく形成する構成としたので、IC70の位置決めが容易となって作業性が向上し、IC70の搭載位置のずれを抑制することができる。
更に、ハーフエッチング部37により形成された回路素子搭載部36の外側上面の段差部に下側接続端子部33a,34a,35aが形成されている。これにより、ハーフエッチング部37の側壁に隔てられて、ダイアタッチフィルム85が下側接続端子部33a,34a,35a上にはみ出すのを抑えることができる。なお、IC70の接合に、例えば液状のダイボンディング剤を使用した場合には、ハーフエッチング部37の側壁によってダイボンディング剤が濡れ広がり難くなるので、下側接続端子部33a,34a,35aが汚染されることによるボンディング不良を回避する効果を顕著に奏する。
この構成によれば、上部リード53の振動子接続部56と上側接続端子部57とが、ハーフエッチング部59により、それぞれ異なる面に画定されて形成される。これにより、振動子接続部56に圧電振動子10を半田95により接続する際に、溶融した半田95が上側接続端子部57に濡れ広がるのを抑えることができるので、上側接続端子部57が半田95で汚染されることにより発生するボンディング不良を抑制することができる。
また、上側接続端子部57は、絶縁性接着剤86を介して支持部33bに支持されて設けられているので、ワイヤボンディングにより接続する際の良好なボンダビリティを得ることが可能になる。
この構成によれば、IC70に支持された振動子支持用リード55により、更に圧電発振器1が支持されているので、特許文献1に示された圧電発振器が圧電振動子の支持部をIC固定領域の外に設け、圧電振動子が封止樹脂により支持されている構造に比して、より強固に補強される。これにより、例えば、封止樹脂90を注入する際の耐性などが向上し、圧電発振器1製造の歩留り向上に寄与することができる。また、金属からなる振動子支持用リード55が、IC70と圧電振動子10との間に接触するように設けられているので、IC70と圧電振動子10との熱伝導が良好に確保される。これにより、温度補償素子(温度センサ)が形成されたIC70を用いた場合に、IC70と圧電振動子10との温度差が軽減し、周波数ずれなどの温度補償エラーが抑えられ、優れた温度補償機能を備えた圧電発振器を提供することができる。
上記実施形態の圧電発振器1では、下側リードフレーム31に形成された周波数調整用端子の一端部をボンディングワイヤ80によりIC70の周波数調整用の接続パッド71と接続し、他端部を樹脂パッケージの底面に露出させて周波数調整用外部端子として利用したが、これに限らない。
周波数調整用外部端子の樹脂パッケージからの露出部分を樹脂パッケージの側面側に設けてもよい。または、上側リードフレーム51に周波数調整用リードを形成して、一端部をIC70と接続し、他端部を樹脂パッケージの側面側から露出してもよい。更に、上記のいずれの変形例においても、樹脂パッケージから露出させる周波数調整用外部端子を、樹脂パッケージから所定量突出させて利用することもできる。
これらの構成によれば、周波数調整用外部端子が樹脂パッケージの側面側に設けられるので、周波数調整を行なう際に、周波数調整用データ書き込み装置に接続されたプローブピンを接触させ易く、周波数調整工程の作業性が向上する。
Claims (2)
- 外部実装端子を有しているリードと、発振回路素子とを有する発振回路部と、前記発振回路部に重ねて固定され、パッケージと前記パッケージ内部に収容されている圧電振動片とを有する圧電振動子とを備え、前記外部実装端子が露出するように少なくとも前記発振回路部を封止樹脂により封止して形成された圧電発振器であって、
前記リードは、
前記発振回路素子が載置されている回路素子搭載部と、前記発振回路素子が接続されている下側接続端子部と、を一方の面側に有する複数の下部リードと、
前記圧電振動子を支持している支持用リードと、
前記圧電振動子と接続されている振動子接続部と、前記発振回路素子と接続されている上側接続端子部と、を一方の面側に有し、他方の面が前記複数の下部リードの少なくともいずれかの前記一方の面に絶縁体を介して固定されている上部リードと、
を含み、
前記下部リードは、他方の面の少なくとも一部に前記外部実装端子を有し、
前記下部リードの前記回路素子搭載部は、平面視における前記外部実装端子の領域内に、ハーフエッチングにより形成された第1の凹部を有し、
前記発振回路素子の一方の面が前記第1の凹部の底面に絶縁体を介して固定されており、
前記上部リードの前記上側接続端子部は、平面視における前記外部実装端子の領域内に、ハーフエッチングにより形成されている第2の凹部を有し、
前記支持用リードが前記発振回路素子の他方の面に絶縁体を介して固定されていることを特徴とする圧電発振器。 - 請求項1の圧電発振器において、
前記支持用リードの前記発振回路素子と対向する側の面の一部がハーフエッチングされていることを特徴とする圧電発振器。
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