JP2007097075A - 圧電発振器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水平方向に小型化された圧電振動子を用いた場合であっても、厚み寸法を小さくできる圧電発振器、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】圧電振動片42が収容された圧電振動子40と、この圧電振動子40の裏面40aに固定され、発振回路を内蔵した発振回路素子50と、この発振回路素子50と電気的に接続されたリードフレーム20とを備えており、リードフレーム20は圧電振動子40と接続される接続用リード部62を有しており、この接続用リード部62の先端部62aが圧電振動子40に近接するようにして、先端部62aの上面62bが圧電振動子40の裏面40aと略同一面上に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、発振回路素子と電気的に接続されたリードフレームを圧電振動子に接続するようにした圧電発振器およびその製造方法に関する。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、パッケージ内に圧電発振器が広く使用されている。
図7はこの圧電発振器1の概略断面図であり(例えば、特許文献1参照)、図8はこの圧電発振器1の製造工程図である。
図7に示されるように、従来、リードフレーム2を用いて圧電発振器1を形成する場合、リードフレーム2を挟むようにして、リードフレーム2のダイパッド2aの上面に発振回路を構成する半導体素子からなる発振回路素子3を、下面に圧電振動片4aが収容された圧電振動子4を接合している。
すなわち、圧電発振器1を形成する場合、図8に示されるように、まず、リードフレームを載置できる治具を用意して(ST1)、その治具にリードフレームをセットする(ST2)。次いで、リードフレームのダイパッドに接着剤を塗布して(ST3)、その接着でダイパッドと圧電振動子とを接合する(ST4)。次いで、この圧電振動子とリードフレームとを接合したものを、リードフレームが上を向くようにして治具にセットし直し(ST5)、ダイパッドの圧電振動子が接合されていない面に接着剤を塗布して(ST6)、その接着剤でダイパッドと発振回路素子とを接合する(ST7)。次いで、各端子をワイヤボンディングして、その後の工程(樹脂モールド等)を経て、圧電発振器を完成させる。
ところが、このような圧電発振器1であると、圧電振動子4とリードフレーム2と発振回路素子3とを厚み方向に3つ並べているため、薄型化することが困難である。このため、図9に示すような圧電発振器10もある(例えば、特許文献2参照)。
図9は薄型化を目的として形成された圧電発振器10の概略平面図である。なお、この図では、理解の便宜のためリードフレームより上側のパッケージ部分を透明にして内部の構成を示している。
すなわち、図9の圧電発振器10は、圧電振動子5の裏面5aに発振回路素子6を直接接合し、さらに、この裏面5aの発振回路素子6が接合されていない領域に、リードフレーム7を接合するようにしている。
具体的には、リードフレーム7は、発振回路素子6とワイヤボンディングされて電気的に接続されたリード端子11,12,13,14を有しており、リード端子11は電源端子、リード端子12は出力端子、リード端子13はグランド端子、リード端子14はコントロール端子となる。そして、これらのリード端子11,12,13,14は、それぞれ圧電振動子5の裏面5aに形成された各外部端子部8の上で接合されている。なお、各端子の性質上、リード端子11,14と外部端子部8,8は絶縁性の接着剤を用いて接合されており、リード端子12,13と外部端子部8,8は導電性の接着剤を用いて接合されている。
また、圧電振動子5の裏面5aの外部端子部8,8,8,8及び発振回路素子6が設けられていない領域に、補助リード15,15を接合して、樹脂パッケージ9内での圧電振動子5の位置がずれないようにしている。
このようにして、圧電発振器10は、その部品の中で最も大きい圧電振動子5の裏面5aに、発振回路素子6とリードフレーム7とが重ならないようにして、発振回路素子6およびリードフレーム7を接合し、これにより、図7の圧電発振器1に比べてリードフレーム7の厚み分を薄くしている。
特開2005−33761の公開特許公報 特開2004−297770の公開特許公報
ところが、近年において電子機器の小型化はめざましく、この電子機器に用いられる圧電発振器10の小型化についてもめざましいものがある。このため、図9の圧電発振器10に用いられる圧電振動子5も、その水平方向の面積が極端に小さいのが現実であり、水平方向の面積が狭い圧電振動子5の裏面5aに、その他の全ての部品(発振回路素子6、リード端子11,12,13,14、補助リード15,15、ワイヤ)を、短絡させずに載置することが困難になってきている。
本発明は、水平方向に小型化された圧電振動子を用いた場合であっても、厚み寸法を小さくできる圧電発振器、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的は、第1の発明によれば、圧電振動片が収容された圧電振動子と、この圧電振動子の裏面に固定され、発振回路を内蔵した発振回路素子と、この発振回路素子と電気的に接続されたリードフレームとを備えており、前記リードフレームは前記圧電振動子と接続される接続用リード部を有しており、この接続用リード部の先端部が前記圧電振動子に近接するようにして、前記先端部の上面が前記圧電振動子の裏面と略同一面上に配置されている圧電発振器により達成される。
第1の発明の構成によれば、リードフレームの圧電振動子と接続される接続用リード部は、その先端部が圧電振動子に近接するようにして、先端部の上面が圧電振動子の裏面と略同一面上に配置されている。このため、接続用リード部の先端部の上面とこの先端部に近接した圧電振動子の裏面に、接着剤をかけわたすように塗布して、接続用リード部と圧電振動子とを接続することができる。したがって、圧電振動子の裏面上にリードフレームを配置しなくても、圧電振動子とリードフレームとを接続することができる。そして、圧電振動子と発振回路素子との間にダイパッドが介在するようなこともない。
かくして、水平方向に小型化された圧電振動子を用いた場合であっても、厚み寸法を小さくできる圧電発振器を提供することができる。
また、このように、接続用リード部の先端部を圧電振動子の裏面と近接、かつ、略同一面上に配置することで、接続用リード部を圧電振動子に接続するための接着剤を塗布する際、同じ圧電振動子の裏面に塗布する発振回路素子用の接着剤も同時期に塗布できるようになる。したがって、圧電振動子に発振回路素子とリードフレームを接続する工程を減らすことができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記接続用リード部は複数設けられており、前記圧電振動子の長手方向及び/又は短手方向を挟むように配置されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、接続用リード部は圧電振動子の長手方向及び/又は短手方向を挟むように配置されているので、圧電振動子の長手方向及び/又は短手方向の動きを確実に規制して、圧電振動子の位置ずれを確実に防止できる。
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記複数の接続用リード部の少なくとも一部が前記発振回路素子に近接していることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、複数の接続用リード部の少なくとも一部が発振回路素子に近接しているため、発振回路素子を接合するための接着剤を利用して、接続用リード部の先端部を圧電振動子に接続することができる。
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記リードフレームのインナーリード部と前記発振回路素子とが、その間に配置された中継用リード部を介してワイヤボンディングされていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、インナーリード部と発振回路素子とがワイヤボンディングされているが、その間に配置された中継用リード部を介してワイヤボンディングされているため、インナーリード部から発振回路素子に直接ワイヤをのばす場合に比べて、一本のワイヤの長さを短くできる。したがって、ワイヤのループの高さを低くして、圧電発振器の低背化を図ることができる。
また、上述の目的は、第5の発明によれば、圧電振動片が収容された圧電振動子とリードフレームとを接合し、前記圧電振動子の裏面に、発振回路を内蔵した発振回路素子を接合するようにした圧電発振器の製造方法であって、前記リードフレームを前記圧電振動子に接合するための接続用リード部の先端部を、前記圧電振動子に近接するようにして、前記先端部の上面を前記圧電振動子の裏面と略同一面上に配置し、その後、前記先端部の上面およびこの上面に近接した前記圧電振動子の裏面に接着剤を塗布する際、前記圧電振動子の裏面の前記発振回路素子を接合する領域にも接着剤を塗布する圧電発振器の製造方法により達成される。
第5の発明の構成によれば、リードフレームを圧電振動子に接合するための接続用リード部の先端部を圧電振動子に近接するようにして、先端部の上面を圧電振動子の裏面と略同一面上に配置する。したがって、第1の発明と同様に、圧電振動子の裏面上にリードフレームを接合しなくても、圧電振動子とリードフレームとを接続することができ、このため、水平方向に小型化された圧電振動子を用いた場合であっても、厚み寸法を小さくできる圧電発振器の製造方法を提供することができる。
しかも、このように、接続用リード部の先端部を圧電振動子の裏面と近接、かつ、略同一面上に配置することで、先端部の上面およびこの上面に近接した圧電振動子の裏面に接着剤を塗布する際、圧電振動子の裏面の発振回路素子を接合する領域にも接着剤を塗布できるようになる。したがって、このような接着剤の同時期の塗布を行なって、圧電振動子に発振回路素子とリードフレームを接続するための接着剤の塗布工程を1回で済ますことができ、製造工程数を減らすことができる。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る圧電発振器16であり、図1は圧電発振器16の概略平面図、図2は図1のA−A線概略断面図である。尚、図1では、理解の便宜のためリードフレームより上側(図2の上側)のパッケージ部分を透明にして内部の構成を示している。また、図2では、図面が煩雑にならないように、一部のワイヤを省略して図示している。
圧電発振器16は、モールド樹脂で形成されたパッケージ60内に、圧電振動片42が収容された圧電振動子40と、この圧電振動子40の裏面40aに固定され、発振回路を内蔵した発振回路素子50と、この発振回路素子50と電気的に接続されたリードフレーム20とが備えられている。
先ず、圧電振動子40について説明する。
本実施形態の圧電振動子40は、所謂表面実装型の振動子であり、図1および図2に示されるように、実装面側(図2の下側)に開口部が形成され、平面視が四角形となる矩形の箱状の振動子パッケージ44を有している。なお、振動子パッケージ44はセラミックから形成されており、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成される。
この振動子パッケージ44の開口部は、好ましくは、コバール等でなるシームリングなどの金属系のロウ材49が用いられて、例えば、金属系のFe−Ni−Coの合金等で形成された導体金属からなる蓋体46により封止されている。この蓋体46は、振動子パッケージ44内を引き回された導電部(図示せず)や、後述するグランド端子用のアウターリード部24−3を通じてアース接地することで、シールド効果を持たせている。そして、この蓋体46が下側を向くようにして圧電振動子40が配置されている。
また、図1に示すように、圧電振動子40の裏面40a(図2において上側の面)であって、一端側(図1の左側)には、例えば、タングステンメタライズ上にニッケルメッキ及び金メッキで形成した複数の外部端子部48,48が所定の間隔W1をあけて設けられている。この外部端子部48,48は、図2に示すシリコーン系あるいはエポキシ系等の導電性接着剤43を介して、振動子パッケージ44内に気密に収容された圧電振動片42と電気的に接続されている。また、外部端子部48,48は、その間の領域が後述するように接着剤70aが塗布される領域となるため、その間隔W1を広くし、かつ、後述するワイヤ52が平面視で重ならないように配置されている。
なお、圧電振動片42は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片42は、小型に形成して必要な性能を得るために、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕を備えて、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。
次に、発振回路素子50について説明する。
発振回路素子50は、内部に図示しない集積回路で形成した発振回路を収容した半導体素子であり、少なくとも圧電振動片42を発振させ、好ましくは、圧電振動子40の特性に応じた温度補償用のデータが書き込まれている。
具体的には、発振回路素子50は、圧電振動子40の外部端子部48を覆わないようにして、圧電振動子40の裏面40aに、非導電性の接着剤70bが用いられて、直接接合されている。具体的には、発振回路素子50は、圧電振動子40の裏面40aであって、一端側(図1および図2の左側)に設けられた外部端子部48,48とは反対側の他端側(図1および図2の右側)に接合されるようになっている。
発振回路素子50の上面には、発振回路の電源電圧端子、入出力端子、グランド端子、制御端子等の複数の端子部56,56,・・・が周縁に設けられており、複数の金線等からなるワイヤボンディグ用のワイヤ52,52,・・・を介して、各インナーリード部22および圧電振動子40の各外部端子部48と、それぞれ電気的に接続されている。
なお、端子の数は発振回路素子50の種類によりこれよりも多い場合も少ない場合もあるのは勿論である。
次にパッケージ60について説明する。
パッケージ60は、リードフレーム20の後述するアウターリード部24を除いた全体を、例えばエポキシ樹脂などの絶縁部材でインジェクションモールドして形成されている樹脂パッケージである。これにより、パッケージ60内にあるリードフレーム20、発振回路素子50、圧電振動子40、ワイヤ52の各部品間、及び圧電発振器16と他の電子デバイスとの間を絶縁すると共に、これらの各部品20,50,40,52の位置を固定している。
次に、リードフレーム20について説明する。
リードフレーム20は、通常用いられる素材、例えば、42アロイ等のFe合金、あるいはCu−Sn,Cu−Fe,Cu−Zn,Cu−Ni等のCu合金、あるいはこれらに第三の元素を添加した三元合金等により形成されている。
このリードフレーム20は、平面視において圧電振動子40と重ならないように、圧電振動子40の周囲に配置されている。なお、図1及び図2の圧電発振器16は完成品の姿であり、リードフレームの枠部分は切断されているため図示されていない。
具体的には、まずリードフレーム20は、パッケージ60内のインナーリード部22と、このインナーリード部22と一体に形成され、外部に露出したアウターリード部24とを有している。
インナーリード部22は、図1に示すように、発振回路素子50の端子56とワイヤ52を用いて結線され、樹脂モールドされている。本実施形態のインナーリード部22は、圧電振動子40の水平方向の略四隅に配置され、その各端面22aが圧電振動子40の側面40b,40cに近接して配置されている。このため、この四隅の端面22a,22a,22a,22aが圧電振動子40の水平方向の動きを規制して、位置ずれを防止している。
また、このインナーリード部22、外部端子部48、及び発振回路素子50の端子56は、一列にそろって並んでおり(図1では長手方向に沿って並んでおり)、その並んだ方向と垂直方向の幅について、端子56の幅W4、外部端子部48の幅W3、インナーリード部22の幅W2の順に寸法が大きくなって、ワイヤボンディングしてもワイヤが重ならないようになっている。
アウターリード部24は、図2に示すように所謂Jリード型の端子とされており、図1に示すように、パッケージ60の略四隅に設けられている。本実施形態の場合、アウターリード部24は、例えば、図1の左上のアウターリード部24−1が電源電圧端子、左下のアウターリード部24−2が外部制御端子、右上のアウターリード部24−4が出力端子、右下のアウターリード部24−3がグランド端子であるが、これらリード端子の数や種類は発振回路素子50の種類により異なるのは勿論である。
また、リードフレーム20は、圧電振動子40や発振回路素子50の動作を検査及び/又は調整する信号を発振回路素子50に書き込むための制御用端子27も有しており、ワイヤ52を介して、発振回路素子50の制御用の端子56と接続されている。本実施形態の制御用端子27は2箇所に設けられており、この2箇所の制御用端子27,27の端面27a,27aは、インナーリード部22が近接する圧電振動子40の側面40b,40cと垂直方向の側面40d,40eに近接し、圧電振動子40を挟むように配置されている。また、制御用端子27は、外側に比べて圧電振動子40側が、圧電振動子40の側面40d,40eに沿って、その幅が大きくなるように形成されている。
ここで、リードフレーム20は圧電振動子40と機械的に接続され、固定される接続用リード部62を有している。すなわち、接続用リード部62は、製造過程において圧電振動子40とリードフレーム20とを接続しておくために必要なリード部となる。
この接続用リード部62は、その先端部62aが圧電振動子40に近接するようにして、先端部62aの上面(図2の上側の面)62bが、圧電振動子40の裏面40aと略同一面上に(高さ方向の位置が略同じに)配置されている。
具体的には、接続用リード部62は複数設けられており、その先端部62a,62aが対向するようにして、圧電振動子40の長手方向を挟むように配置されている。
また、平面視において、この複数の接続用リード部62,62の各々は、2つのインナーリード部22,22の間に配置されている。
なお、本実施形態では、接続用リード部62,62と圧電振動子40の側面40b,40cとは、接触する位に近接しているが、両者の間には僅かな隙間が設けられている。
そして、この近接した接続用リード部62の先端部62aの上面62bと圧電振動子40の裏面40aに、非導電性の接着剤70aが塗布され、この接着剤70aが硬化することにより、圧電振動子40と接続用リード部62とが接合されるようになっている。すなわち、接続用リード部62の先端部62aの上面62bと、裏面40aの2つの外部端子部48,48の間の領域とをかけわたすようにして、接着剤70aが塗布されている。
この接着剤70aは、発振回路素子50を圧電振動子40に接合するための接着剤70bと同じ接着剤である。すなわち、発振回路素子50と圧電振動子40とを接合するための接着剤70bと、接続用リード部62と圧電振動子40とを接合するための接着剤70aは、同一面上に塗布され、かつ、同じ非導電性の接着剤が用いられるため、後述する製造方法で説明するように、同時に塗布することができるようになっている。
なお、これら接着剤70a,70bは、導電性の接着剤であっても構わないが、互いの間隔が極めて短い各部品間の短絡を防止するために、非導電性の接着剤を用いるようにしている。
さらに、複数の接続用リード部62,62の先端部62a,62aのうち少なくとも一部(図2の右側の先端部62a)が、発振回路素子50に近接しており、このため、図2に示すように、発振回路素子50を圧電振動子40に接合するための接着剤70bを、接続用リード部62を圧電振動子40に接合するために利用することができ、接着剤70aの塗布量を少なくしても、接続用リード部62と圧電振動子40とを確実に接合できるようにしている。
本発明の圧電発振器16は以上のように構成され、次にこの圧電発振器16の製造方法について説明する。
図3ないし図5は、圧電発振器の製造方法を説明するための図であり、図3は圧電発振器の概略工程図、図4は図3のST11ないしST13に対応した概念図、図5は図3のST14ないしST16に対応した概念図である。
なお、図4(a)〜(c)、及び図5(d)〜(f)の各図の上段は概略平面図を、下段は上段の概略平面図の中央縦断面図である。
これらの図に示されるように、本実施形態の圧電発振器では、図1および図2で既に説明した発振回路素子、リードフレーム、及び圧電振動子を別々に形成しておく。
そして、図4(a)に示されるように、治具72を用意しておく(図3のST11)。この治具72は、連続して形成された第1の凹部73と第2の凹部74とを有している。第1の凹部73は、圧電振動子の水平方向の外形に対応しており、深さD1が圧電振動子の厚み寸法よりもリードフレームの厚み寸法分だけ小さくなっている。第2の凹部74は、リードフレームの水平方向の外形に対応しており、第1の凹部73の周囲に形成されている。
次いで、図4(b)に示すように、この治具72に、既に完成させた圧電振動子40を蓋体46が下を向くようにして、すなわち蓋体46が第1の凹部73の底面73aに接触するようにして載置する(図3のST12)。そうすると、上述のように、第1の凹部73の深さD1は圧電振動子の厚み寸法よりもリードフレームの厚み寸法分だけ小さくなっているので、圧電振動子40はリードフレームの厚み寸法分だけ第1の凹部73から上方に突出することになる。
次いで、図4(c)に示すように、治具72の第2の凹部74にリードフレーム20を載置する(図3のST13)。すなわち、リードフレーム20の各リード部或いは端子部62,22,27の各先端部を、圧電振動片40の第1の凹部73から上方に突出した側面に近接させるとともに、これら各先端部の上面、特に、接続用リード部62の先端部62aの上面62bを圧電振動子40の裏面40aと略同一面上に配置する。
そして、図5(d)に示すように、接続用リード部62の先端部62aの上面62bおよびこの上面62bに近接した圧電振動子40の裏面40aに接着剤70aを塗布する(図3のST14)。すなわち、接続用リード部62の上面62bと圧電振動子40の裏面40aとを接合するように、上面62bから裏面40aにかけてまたがるように接着剤70aを塗布する。
この接着剤70aの塗布の際、圧電振動子40の裏面40aの発振回路素子50を接合する領域にも接着剤70bを塗布する。すなわち、接着剤70aと接着剤70bとは同じ成分を有する接着剤であり、しかも、同一面上に塗布されるものであるため、両接着剤70a,70bを同時に塗布できる状態となっており、このため、次の発振回路素子を接合する工程(図3のST15)で利用される接着剤70bを塗布してしまうものである。
次いで、図5(e)に示すように、発振回路素子50を接着剤70bの上に載置し、例えば、加熱炉内で圧電発振器全体を加熱して、接着剤70bを硬化させて発振回路素子50と圧電振動子40とを接合する(図3のST15)。そうすると、接着剤70bと接着剤70aとは同時期に塗布されており、かつ、両者とも同じ成分を有する接着剤であるので、同じ加熱温度で接着剤70aも硬化することになり、接続用リード部62と圧電振動子40も同時に接合されることになる。
このように、本実施形態によれば、治具72を準備してから発振回路素子50を接合するまでの工程(図3のST11からST15)が5ステップで済み、従来の治具を準備してから発振回路素子を接合するまでの工程(図8のST1からST7)に比べて、2ステップもの工程を省略することができる。すなわち、接着剤を塗布する工程(図8のST6)を一つ減らし、また、圧電振動子をひっくり返して治具にセットし直す工程(図8のST5)を不要にすることができる。
また、本実施形態の場合、図5(e)に示すように、接続用リード部62の先端部62aの少なくとも一部(図5(e)の右側の先端部62a)と発振回路素子50とが近接しているので、発振回路素子50を接合するための接着剤70bを利用して、接続用リード部62の先端部62aを圧電振動子40に接合することができる。
次いで、図5(f)に示すように、発振回路素子50の各端子56、各インナーリード部22、及び各外部端子部48について、それぞれ決められた端子同士をワイヤボンディングする(図3のST16)。
その後、上述したリードフレーム20と圧電振動子40と発振回路素子50とを接合してワイヤボンディングしたものを治具72から取り出して、例えば金型装置に搬送し、図2に示すように、アウターリード部24を除いた全体を樹脂モールドしてパッケージ60を形成する(図3のST17)。
次いで、図2に示すように、アウターリード部24を底面に向けて折り曲げ加工して所謂Jリードタイプの実装端子にし(図3のST18)、その後、リードフレーム20の枠部29(図5(f)参照)を各リード部あるいは端子部から切り離す。
次いで、制御用端子27のパッケージ60から突出した部分(図示せず)にプロービングして製品の動作などの検査及び/又は調整をし、その後、この制御用端子27のパッケージ60から突出した部分を切断して(図3のST19)、製品を完成させる。
本発明の実施形態は以上のように構成されており、リードフレーム20の圧電振動子40と接続される接続用リード部62は、その先端部62aが圧電振動子40に近接するようにして、先端部62aの上面62bが圧電振動子40の裏面40aと略同一面上に配置されている。このため、圧電振動子40の裏面40aの上にリードフレーム20を配置しなくても、接続用リード部62の先端部62aの上面62bとこの先端部62aに近接した圧電振動子40の裏面40aに接着剤70aをかけわたすように塗布して、圧電振動子40とリードフレーム20とを接続することができる。
図6は、本発明の実施形態の変形例に係る圧電発振器80の概略平面図である。
この図において、図1ないし図5の実施形態で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
この圧電発振器80が、図1ないし図5の圧電発振器16と主に異なるのは、リードフレーム20の形状についてである。
すなわち、図6の圧電発振器80は、リードフレーム20のインナーリード部22と発振回路素子50とが、その間に配置された中継用リード部64を介してワイヤボンディングされている。この中継用リード部64は、上述のようにリードフレーム20が圧電振動子40の周囲に配置され、インナーリード部22と発振回路素子50の端子56との距離が遠くなったために用いられるものであり、端子56とワイヤ66で接続されると共に、インナーリード部22ともワイヤ66で接続されている。本実施形態においては、上述のように、発振回路素子50が一部の接続用リード部62に近接するように図6の右側に配置されているので、この一部の接続用リード部62の反対側に配置された図2の左側のインナーリード部22が発振回路素子50から遠ざかる方向に配置されている。そこで、中継用リード部64は、左側のインナーリード部22と発振回路素子50との間に介在している。
具体的には、中継用リード部64は複数設けられており、その端面64a,64aが圧電振動子40の側面40d,40eに近接し、圧電振動子40を挟むように配置されている。また、中継用リード部64は、外側に比べて圧電振動子40側が、圧電振動子40の側面40d、40eに沿って、その幅が大きくなるように形成されており、端子56側に延伸すると共にインナーリード部22側にも延伸された拡幅部64bを有している。そして、この拡幅部64bの一端側が、この一端側に近い端子56とワイヤボンディングされ、他端側が、この他端側に近いインナーリード部22と接続されている。このようにして、拡幅部64bは、圧電振動子40の動きを規制するとともに、端子56と中継用リード部64の間、およびインナーリード部22と中継用リード部64の間のワイヤ66を短くしている。
また、本変形例の場合、この中継用リード部64とインナーリード部22との位置関係について、ワイヤ66のループが圧電振動子40をまたがないように工夫されている。すなわち、ワイヤ66が圧電振動子40をまたぐようにループすると、圧電振動子40との接触を避けるために、そのループの高さを大きくしなければならない。このため、図6では、左上のインナーリード部22に示すように、インナーリード部22の一部22aを、圧電振動子40の側面40dよりも中継用リード部64側(インナーリード部22に近い中継用リード部64側)に配置し、中継用リード部64とインナーリード部22とが圧電振動子40の外側でボンディングされるようにしている。
さらに、本変形例の場合、この中継用リード部64と略同様の形状をしたリード部68,68を、圧電振動子40を挟むように短手方向に配置し、このリード部68,68と圧電振動子40とを接着剤70c,70cで接合して、圧電振動子40とリードフレーム20との接合強度を向上させている。すなわち、リード部68は、接続用リード部62の機能と同じであり、その先端部68aが圧電振動子40に近接するようにして、先端部68aの上面68bが圧電振動子40の裏面40aと略同一面上に配置されている。また、接続用リード部62および発振回路素子50を圧電振動子40に接合する際に用いられた接着剤70a,70bと同じ接着剤70cが用いられている。
本発明の実施形態の変形例に係る圧電発振器80は以上のように構成されており、インナーリード部22と発振回路素子50とは、その間に配置された中継用リード部64を介してワイヤボンディングされているため、インナーリード部22から発振回路素子50に直接ワイヤをのばす場合に比べて、一本のワイヤ66の長さを短くできる。したがって、ワイヤ66のループの高さを低くして、圧電発振器80の低背化を図ることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態や各変形例の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
本発明の実施形態に係る圧電発振器の概略平面図。 図1のA−A線概略断面図。 圧電発振器の製造方法を説明するための概略工程図。 図3のST11ないしST13に対応した概念図。 図3のST14ないしST16に対応した概念図。 本発明の実施形態の変形例に係る圧電発振器の概略平面図。 従来の圧電発振器の概略断面図。 従来の圧電発振器の製造工程図。 薄型化を目的として形成された従来の圧電発振器の概略平面図。
符号の説明
16,80・・・圧電発振器、20・・・リードフレーム、22・・・インナーリード部、24・・・アウターリード部、42・・・圧電振動片、62・・・接続用リード部、62a・・・先端部、62b・・・上面、40・・・圧電振動子、50・・・発振回路素子、60・・・パッケージ

Claims (5)

  1. 圧電振動片が収容された圧電振動子と、
    この圧電振動子の裏面に固定され、発振回路を内蔵した発振回路素子と、
    この発振回路素子と電気的に接続されたリードフレームと
    を備えており、
    前記リードフレームは前記圧電振動子と接続される接続用リード部を有しており、この接続用リード部の先端部が前記圧電振動子に近接するようにして、前記先端部の上面が前記圧電振動子の裏面と略同一面上に配置されている
    ことを特徴とする圧電発振器。
  2. 前記接続用リード部は複数設けられており、前記圧電振動子の長手方向及び/又は短手方向を挟むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
  3. 前記複数の接続用リード部の少なくとも一部が前記発振回路素子に近接していることを特徴とする請求項2に記載の圧電発振器。
  4. 前記リードフレームのインナーリード部と前記発振回路素子とが、その間に配置された中継用リード部を介してワイヤボンディングされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電発振器。
  5. 圧電振動片が収容された圧電振動子とリードフレームとを接合し、前記圧電振動子の裏面に、発振回路を内蔵した発振回路素子を接合するようにした圧電発振器の製造方法であって、
    前記リードフレームを前記圧電振動子に接合するための接続用リード部の先端部を、前記圧電振動子に近接するようにして、前記先端部の上面を前記圧電振動子の裏面と略同一面上に配置し、
    その後、前記先端部の上面およびこの上面に近接した前記圧電振動子の裏面に接着剤を塗布する際、前記圧電振動子の裏面の前記発振回路素子を接合する領域にも接着剤を塗布する
    ことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
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