JP4951438B2 - 継手構造 - Google Patents
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そして継手の締結時においては、拡径頭部を有する雄部を雌部の開口内に挿入することでスペーサを押し外して雌部内に嵌め込み、開口部で雄部の拡径頭部を締め込んで固定するようにしている。
また、特許文献2に開示された継手構造では、雌部材のハウジング内に設けた角筒状の係止部材が内側に雄部材の接合棒を係合保持するための溝部を有すると共に係止部材は2〜4個に分割されている。これら分割された係止部材はハウジングとの間に設けた板バネによって互いに接合・縮径する方向に付勢されている。そして、セグメント同士の接合に際して、接合棒の拡径頭部を雌部材の溝部内に押し込むと、係止部材は板バネの付勢力に抗して外側に押し広げられて接合棒の進入を許容し、その後、板バネの付勢力で複数の係止部材は縮径されて接合棒を係止する。これによって雄部材と雌部材を接合することになる。
そして、雄型継手金具の接合棒を雌型継手金具の保持空間内に挿入することで係止部材が板バネの付勢力に抗して拡径され、先端テーパ部が通過すると係止部材が板バネの付勢力によって縮径してくびれ部に係止することで雌型継手金具と雄型継手金具を接合することになる。
この発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、雌型継手の部品の形状がシンプルで組立の容易な継手構造を提供することを目的とする。
本発明による継手構造によれば、雄型継手に嵌合する雌型継手としてハウジング内に矩形平板状の係合部材を設けたものであるから、雄型継手本体をハウジング内に挿入して、雄型継手本体の頭部が係合部材を付勢部材の付勢力に抗して互いに離間させて乗り越えると、頭部の基端側に設けた係合凹部に係合部材を付勢部材の付勢力によって係合させることができる。係合部材はその形状が簡単で製造が容易である上に製造コストを低廉にすることができる。
ハウジングの外周面に切欠部を対向して形成したことで構造がより簡単で部品数が少なくてすみ、一層製造コストを低廉にできる。
また、ハウジングの外側はカバー部材で覆われていてもよく、ハウジング外周面を切り欠いて切欠部を形成してもセグメント等の部材の製造時にコンクリート等が内部に進入しない。
継手構造の係合部材と係合部材を収容する切欠部を有する係合板とをいずれも平板で形成できるから、製造を一層容易にできる。
また、切欠部を有する部材は、主桁板に固定されていて切欠部が設けられた対向する一対の平板状の係合板であってもよい。
この場合でも、係合部材と切欠部を有する係合板とをいずれも平板で形成できるから、製造を一層容易にできる。
また、雄型継手本体は、頭部と係合凹部とを仕切る壁面が係合凹部側に鋭角に傾斜していてもよい。
係合凹部に係合部材が収容された状態で、頭部と係合凹部とを仕切る壁面が係合凹部側に傾斜していることで係合部材が係合凹部から外れる方向に移動しにくく離脱しにくい。
図1乃至図4は本発明の第一実施形態による継手構造であり、図1は分離状態の雄型継手と雌型継手を一部断面で示す説明図、図2は雄型継手の部分拡大図、図3は雌型継手について図1におけるものと直交する方向の側面図、図4は図3に示す雌型継手のA−A線断面図であって雄型継手との接合状態を示す説明図である。
本実施形態による継手構造は、例えばセグメントリング同士をトンネルの軸方向に接合するためのリング間継手の接合構造に関するものである。
図1に示すように、一方のセグメント1Aの接合面である主桁板6に雄型継手3が設けられ、他方のセグメント1Bの主桁板14に雌型継手4が設けられている。
図2に示す接合棒9の頭部13は先端側にテーパ状をなすテーパ部13aが形成され、基端側は接合棒9の中心軸線Oに対して直交する方向から微小角度、例えば約5℃基端側に傾斜して傾斜凹部12に接続される壁面13bとされている。基部11の先端面は係合凹部12に向けてテーパ面を形成している。
ハウジング16に設けた各切欠部18は図1に示す正面視で略長方形状をなすように外周面16aが切除されており、この切欠部18に矩形平板状、例えば長方形平板状の係合部材20が設置されている。図3に示すようにこの係合部材20はハウジング16の外周面16a内面基端側に一端が固定された付勢部材である板バネ21によって押圧されている。
板バネ21は例えば短冊形状とされ、固定された基端側から先端側に向けて中心軸線O方向に傾斜して先端屈曲部で係合部材20を押圧する。これによって係合部材20は切欠部18内でハウジング20の中心軸線O方向に進退可能であると共に板バネ21で径方向内側に付勢されて保持されている。
なお、切欠部18、18は、接合棒9の頭部13が通過する際に、切欠部18から係合部材20、20が外れない程度の深さに設定されているものとする。
ハウジング16の外側には筒状のカバー部材23がほぼ同軸に配設され、その両端は主桁板14と基板17に溶接等で固定されている。ハウジング16内には基部17にナット24が中心軸線O上に固着されており、雌型部材4を図示しないセグメント用型枠に固定する際に型枠から突出するボルトにナット24を螺合することで位置決め固定し、コンクリート等を充填することになる。その場合、ハウジング16の外側にはカバー部材23が設けられているのでハウジング16内にコンクリートが進入することはない。
この状態でコンクリートを型枠内に充填し、養生することでセグメント1Bを製造する。
図1において、セグメント1A、1Bの主桁板6、14同士を対向させ、雌型継手4に対して雄型継手3をほぼ同軸状に保持して押し込む。雄型継手3の接合棒9は頭部13のテーパ部13aが雌型継手4内の切欠部18,18内に設置された係合部材20,20に当接し、これら係合部材20,20を板バネ21、21の付勢力に抗して切欠部18,18内の外側に押しだして乗り越える。
そして、接合棒9の頭部13が係合部材20,20を乗り越えると、切欠部18,18内で係合部材20,20が係合凹部12に当接するまで板バネ21、21の付勢力によって押し込まれる。これによって、接合棒9は雌型継手4内に係合状態に保持され、セグメント1Aとセグメント1Bとが雄型継手3と雌型継手4によって接合させられる。
しかも、接合棒9の係合凹部12を挟むように切欠部18,18内の一対の係合部材20、20が係合凹部12に押し付けられて係合した状態で、接合棒9を引き抜く方向に力が作用しても係合状態を保持できる。特に本実施形態では、接合棒9の係合凹部12と頭部13の側壁13bとが90°より若干小さい鋭角に設定されているから、係合部材20、20が係合凹部12から離脱する方向に動くことが抑制され、離脱を防止して確実な係合状態を確保できる。
図5及び図6は本発明の第二実施形態による継手構造を示すものであって雄型継手3は第一実施形態のものと同一であり、雌型継手4のハウジング16が相違しているので、これについて説明する。
図5及び図6において、ハウジング16は全体に略角筒形状をなしており、角筒本体26と角筒頭部27が別個に形成されている。角筒本体26と角筒頭部27を若干離間させた状態に保持し、その両側面に切欠部18、18を先端側に形成した側板28、28を溶接等で固着する。各側面28にはアンカー部材29がそれぞれ溶接等で固着されている。
角筒本体26の基端側にはナット24を固着した基板17を溶接等で固着する。
係合部材20,板バネ21等は上述した第一実施形態のものと同一に配設する。
本第三実施形態による継手構造においても、雄型継手3は第一実施形態と同一構成を備えている。図7は雌型継手の内部構造を示す側面図、図8は図7を90°異なる方向から見た平面図、図9は図7においてハウジングの蓋を取った状態のB方向矢視図である。
本実施形態による雌型継手4において、主桁板14の内面に角筒形状のハウジング16がその先端を溶接等で固着され後端には蓋32が装着されている。ハウジング16の内部には平板状板材からなる係合板31が配設されている。係合板31は、主桁板14に当接して固着された中央部31aとその両端側で折り曲げられた平板状の端部31b、31cとによって側面視略コの字形状に形成されている(図7参照)。
図7及び図9において、ハウジング16の上下方向位置には、主桁板14に支持板36、36が固定され、これら支持板36、36にはアンカー部材37,37が溶接等で固定されている。
本実施形態による雌型継手4はハウジング16によって内部が封止されているので、型枠内でコンクリートを充填する際、その外側にカバー部材23を配設しておく必要がない。
図10、図11において、雌型継手4の第三実施形態と異なる部分について説明すると、ハウジング16の基端部は蓋32に代えて弾性変形可能な蛇腹部39aを備えた例えば樹脂製からなるキャップ39が基板として嵌合されている。そして、ハウジング16の対向する外側面にはアンカー部材37,37が溶接等で固着されている。その余の構成は第三実施形態によるものと同一である。
図12、図13において、雌型継手4の第四実施形態と異なる部分について説明すると、係合板31に代えてハウジング16内に対向して一対の略T字形状の係合板41、41が横向きに設けられ、各係合板41の基部は主桁板14に溶接等で固着されている。そのため、各係合板41はT字の頭部41aと主桁板14との間の凹部が係合部材20を載置させる切欠部18として構成される。
その余の構成は第四実施形態によるものと同一である。
この実施形態によれば、切欠部18,18を形成する構成が第四実施形態による継手構造と比較して一層簡略化されている。
例えば、平板状の係合部材20を切欠部18内に付勢する付勢部材として、板バネ21に限定されることなく、腹の部分で係合部材20を押圧する略円弧状の板バネやゴム等の弾性部材等、適宜形状の部材を用いることができる。
またそれぞれ切欠部18を有するハウジング16の外周面16a、側板28,係合板31、係合板41等は、切欠部を有する部材を構成する。
3 雄型継手
4 雌型継手
9 接合棒(雄型継手本体)
12 係合凹部
13 頭部
13b 壁面
16 ハウジング
18 切欠部
20 係合部材
21 板バネ(付勢部材)
28 側板(係合板)
31 係合板
41 係合板
Claims (6)
- 雄型継手と雌型継手を係合して雄型継手を有する部材と雌型継手を有する部材とを互いに接合する継手構造であって、
前記雄型継手は、先端側に設けた頭部の基端側に係合凹部を設けた雄型継手本体を備え、
前記雌型継手は、雄型継手本体を挿入するハウジングと、該ハウジングまたはハウジング内に設けられていて対向する位置に切欠部を有する部材と、該切欠部に進退可能に設けられていて前記雄型継手本体の係合凹部に係合可能な矩形平板状の係合部材と、該係合部材を前記切欠部内に押圧する方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記雌型継手のハウジング内に前記雄型継手本体を挿入する際、前記雄型継手本体の頭部が前記係合部材を付勢部材の付勢力に抗して互いに離れる方向に移動させて乗り越えて前記係合凹部に係合部材を係合させるようにしたことを特徴とする継手構造。 - 前記切欠部を有する部材は、前記ハウジングの対向する外周面である請求項1に記載の継手構造。
- 前記ハウジングはカバー部材で覆われている請求項2に記載の継手構造。
- 前記切欠部を有する部材は、平板を略コの字状に折り曲げて形成し且つ対向する平板状の端部に一対の前記切欠部が形成されている係合板である請求項1に記載の継手構造。
- 前記切欠部を有する部材は、主桁板に固定されていて前記切欠部が設けられた対向する一対の平板状の係合板である請求項1に記載の継手構造。
- 前記雄型継手本体は、前記頭部と係合凹部とを仕切る壁面が前記係合凹部側に鋭角に傾斜している請求項1乃至5のいずれかに記載の継手構造。
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