JP4951016B2 - 合成樹脂製ヒンジキャップ - Google Patents

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Description

この発明は、ガラス製又は合成樹脂製等の容器の口部に嵌着されるヒンジキャップに関するものであり、特に、前記容器内の内容物使用後に、該容器から分離される合成樹脂製ヒンジキャップに関するものである。
従来、外蓋の開閉に要する力(キャップオープン力)を大きくすることなくシャワー水の吸い込みを防止できるキャップとして、次のような合成樹脂製ヒンジキャップが用いられている。(例えば特許文献1参照)
(1):流通を阻止する遮断壁と、同心的に形成される注筒、容器の口部に圧接嵌合される嵌着部、および係合筒とを有する本体と、これと一体にヒンジを介して連結され閉蓋時には上記係合筒に係着する外蓋とを備えた合成樹脂製のヒンジキャップにおいて、閉蓋時における上記外蓋下端部に、その端面に開口する環状凹溝を設けることにより、該環状凹溝よりも中心側に存在する上記外蓋下端部に可撓性リングを形成し、この可撓性リングの内周面を上記本体外周側に形成した環状凸条に弾性的に当接可能としたことを特徴とするヒンジキャップ。
(2):流通を阻止する遮断壁と、同心的に形成される注筒、容器の口部に圧設嵌合される嵌着部、および係合筒とを有する本体と、これと一体にヒンジを介して連結され閉蓋時には上記係合筒に係着する外蓋とを備えた合成樹脂製のヒンジキャップにおいて、閉蓋時における上記外蓋の下端部内周面に環状凸条を形成し、上記本体外側に、上記環状凸条が当接する環状垂直外周壁と、その上端に連続して、上記環状凸条と対向し隙間形成可能な環状傾斜外周壁とを形成し、昇圧の際に上記外壁が係着状態において圧力調整を可能ならしめたことを特徴とするヒンジキャップ。
特開2001−270541号
従来のキャップは、外蓋に設けた環状凹溝により、弾性的に本体外周に当接可能なので、シャワー水の吸い込みを防止でき、又、環状凸条を設けることで昇圧の際の圧力調整を行える、という効果を奏するが、次のような問題がある。
(1):ヒンジキャップは、打栓装置を用いて容器口部に打栓装着されるが、この打栓装着の際、該外筒が拡径変形するとともに、係合筒が内側に倒れ込んでしまうので、該係合筒と環状突起との嵌合不良が発生する。
そこで、この問題を解決する方法として、外蓋のスカート、又は、嵌合筒を肉厚に設計し、両者間のオーバーラップ量を予め大き目にとること、考えられる。
しかし、この方法では、容器口部の径寸法にバラツキがある場合には、該係合筒と環状突条との係合力が強くなり過ぎるので、キャップオープン力が大きくなり、円滑に開蓋できなくなる。
又、前記の様に肉厚にすると、成形時に使用する樹脂量増加し不経済であると共に、ヒケの問題も発生する。
(2):従来例のシャワー水の吸込み防止機能は十分ではない。即ち、従来例のキャップは係止筒(頂面)と鍔部上面の2箇所で打栓力を保持するようになっているが、合成樹脂製のヒンジキャップの成形品は、離形後の収縮変形により、頂部及び鍔部上面が内方に倒れこみ打栓力の十分な保持ができない。
特に係止筒(頂面)付近が大きく倒れこむと、打栓力が鍔部上面に集中し、スカートの下面が鍔部上面に設けた周方鍔弱化部(分別時に引き裂き)にめり込んだ状態になり、鍔部上面とスカート下端との間の密封性が損なわれる。
この状態で、内容物充填時に容器外へ漏れた内容物を洗浄するためのシャワー水をかけると、この隙間から水を吸い込む。キャップ内に吸込まれた水の一部は乾燥しないままカビが発生するなどの不衛生な状態となってしまう。又キャップ本体の一部分が変形するため、容器口部中心と蓋の中心位置が合わず内筒が噛み込む等の打栓不良が発生する。
(3):閉蓋の際、外蓋は、閉蓋方向に回転し、その途中で環状凸条が環状垂直外周壁に当接するとともに、該環状垂直外周壁に当接しながら降下し、その下端面は、キャップ本体のシール面に当接するが、「カッチ」という閉蓋音が発生しない。そのため、使用者は、完全に閉蓋状態になったことを聴覚的に知ることができない。
この発明は、上記事情に鑑み、キャップオープン力を軽減することを目的とする。他の目的は、打栓不良が発生するのを防止すとともに、シャワー水の吸い込み防止機能を向上させることである。更に他の目的は、閉蓋の際、閉蓋音が発生するようにすることである。
この発明は、キャップ本体と外蓋とをヒンジ結合し、該キャップ本体には、その頂壁に立設した係止筒と、該キャップ本体の外面に形成した下係止部とを備え、前記外蓋のスカートの内面には、閉蓋時、前記係止筒に係合する上係合部と、前記下係止部に係合する下係合部とを備えているヒンジキャップにおいて;前記スカートの内面は、段状に連続する、前記上係合部を有する厚肉部内面と、前記下係合部を有する薄肉部内面とからなり、前記厚肉部の段部下端面に当接圧調整溝を設けて可撓性リングを形成し、そして、周方向弱化部をヒンジ固定部の近傍に位置する筒部の下端鍔部に設け、該可撓性リングの下端面であって、少なくとも、閉蓋時に前記周方向弱化部に対応する位置に設けられた周方向弱化部対応部分に、補助押圧シール突部を設けたことを特徴とする。
この発明は、下係止部が、下環状係止部であって、該下環状係止部が、外蓋の下係合部との係合の際、下係合部の下端縁の突起部と当接し、閉蓋音を発生させる有頂状突起を周方向に有していることを特徴とする。
この発明は、前記上係合部に対応する、前記外蓋のスカートの厚肉部の段部下端面に当接圧調整溝を設けて可撓性リングを形成したので、蓋の開閉時に係止筒と上係合部とが係脱する際には可撓性リングが当接圧に応じて変形する。そのため、蓋の開閉を円滑に行うことができる。
この発明は少なくとも、頂面の周方向弱化部対応部分、又は、閉蓋時に、前記上係合部の下端面の周方向弱化部対応部分に、補助押圧シール突部を設けたので、成型時に収縮変
形し閉蓋時にキャップ本体の頂面とスカートの段部下端面との間に隙間が発生していても
、打栓装着の際には補助押圧シーツ突部が、強制的に前記頂面の周方向弱化部対応部分に
圧接する。そのため、打栓時には、キャップ全体に均一の打栓力を与えることができ、設計通りの装着をすることができるので、打栓不良の発生を防止することができる。又、可撓性リングは、当接圧に応じて変形し、その下端面を頂面に圧接させるので、シャワー水の吸い込みを防止することができる。
この発明は、下係止部が、外蓋の下係合部を急激に変位させて閉蓋音を発生せしめる有頂状係止部であるので、閉蓋時には、カッチという閉蓋音を発生する。そのため使用者は閉蓋状態になったことを聴覚的に知ることができる。
本発明の第1実施の形態を示す正面図である。 開蓋状態の縦断面図である。 開蓋状態の平面図である。 開蓋状態の縦断面図である。 図4のヒンジ側の要部拡大図である。 図4の摘み部側の要部拡大図である。
この発明の合成樹脂製ヒンジキャップを図1〜図6により説明する。
ヒンジキャップ1は、キャップ本体(中蓋)3と、該本体3に被着される外蓋5と、両者3、5を連結するヒンジとしてのスナップヒンジを備えている。
前記本体3は、先端部が放射状の注筒6と、該注筒6に頂壁7を介して連結された筒部8とを備えている。該注筒6には、流体の流通を遮断する遮断壁11が設けられているが、この遮断壁11には、無端状の裂溝12とプルリング13とが設けられ、該プルリング13は裂溝12の内側に配設されている。
頂壁7には、注筒6と同心状の係止筒9が設けられている。この係止筒9は、該注筒6より大径に形成され、該係止筒9の外周の係止部9bには、環状突起が形成されている。
筒部8は、外筒15と該外筒15の下端に形成された鍔部16と、該鍔部16の下端部に連続するシール筒17とを備えている。
該外筒15は、容器20の口部21に圧接嵌合されるが、該口部21は該外筒15と内筒23とにより挟持される。この外筒15の下部内面には、環状突16bが設けられているが、この環状突条16bの配設位置は必要に応じて適宜選択され、例えば、鍔部16の内面が選ばれる。
外筒15の外周面の鍔部16の上側には、下環状係止部14が設けられているが、この下環状係止部14には、外蓋5の下係合部19と係合する際、「カッチ」という閉蓋音がでるようにするため、有頂状突起が周方向に形成されている。この突起の形状として、例えば断面略三角形状の突起が採用される。
鍔部16の上面16aは、頂壁7の頂面7aと平行な水平面であり、閉蓋時に外蓋5のスカート4の下端面4aが当接する。
鍔部16のヒンジ固定部28の両側には、径方向鍔弱化部29、30が形成され、また、該ヒンジ固定部28と外筒15との間には、周方向鍔弱化部としてのスリット31が設けられている。この径方向鍔弱化部29、30は、溝状となっているが、その形状等は必要に応じて適宜選択される。
前記スリット31は、ヒンジ固定部28に対応する部分は、前記径方向鍔弱化部29、30と連続して設けられているが、このスリット31の長さ形状等は、必要に応じて適宜選択され、例えば、ヒンジ固定部28に対応する部分の半分をスリットにし、他の半分を周方向薄肉部にしてもよい。この様にスリットと周方向薄肉部を半々にすると、前記周方向薄肉部が存在するため、成型時の樹脂の流れが良くなると共に鍔部の外方への変形を抑制することができる。
シール筒17には、前記径方向鍔弱化部29、30と連続する周方向弱化線36、縦方向弱化線37が設けられている。ここで、弱化線とは、他の部分より強度的に弱化した線状部を指称するが、その形状等は自由に選択され、例えば、溝やミシン目が採用される。
前記周方向弱化線36は、径方向鍔弱化部29に連続しており、鍔部16とシール筒17との間に形成されている。この弱化線36の長さ(中心角度θ)は270度であるが、その中心角度は必要に応じて適宜選択される。
前記縦方向弱化線37は、径方向鍔弱化部30に連続し、シール筒17の下端17aまで達している。なお、前記シール筒17は、前記外筒15より肉薄に形成されているので変形しやすい。
ヒンジ2としてのスナップヒンジは中央のばねヒンジ25とその両側に位置して回動支点となる一対の薄肉ヒンジ26から構成されていて、外蓋5を解放し、容器20内の内容物を注出する際に、該外蓋5から垂れ下がってこないようになっている。上記3点式スナップヒンジの両側には、一対のばね作用を有する補助バンド38が平行に配置され、この一対の補助バンド38の両端はキャップ本体3と外蓋5とに連結され一体となっている。
外蓋5は、天板50と、該天板50に連続するスカート4とを備えている。天板50の内面には、インナーリング54とアウターリング55が同心状に立設されている。この両リング54、55は、閉蓋時に注筒6の先端部に圧接し、シール状態にする。
スカート4は、ほぼ円筒状に形成され、厚肉部46と薄肉部47とから構成されている。スカート4の内面は、段状となっており、厚肉部内面46aと該厚肉部内面46aより大径の薄肉部内面47aとを備えている。前記厚肉部内46aには、係止筒9に係合する上係合部10が設けられ、又、前記薄肉部内面47aの下端部には、下係止部14に係合する下係合部19が設けられている。この上係合部10には、突起が設けられているが、この突起は、周方向に凹部と凸部とが繰り返し連続している環状突起である。この環状突起における該凹部を省略し、全部凸部にしてもよい。又、上係合部10の突起を廃止して、前記薄肉部内面47aの下端部を垂直壁状に形成しても良い。
厚肉部46の段部下端面46に、当接圧調整溝56を設け、その溝56により分離された、該肉厚部46の内側部分を可撓性リング58とする。この溝56は肉部のほぼ中央に軸方向に形成された環状の凹溝であり、その深さは、係止筒9の高さより大きな寸法が採用されている。しかし、前記溝56の形状、大きさ、深さ等は当接圧力等を考慮して適宜選択され、例えば、溝56の深さを係止筒9の高さとほぼ同じ寸法にし、又、該溝56の幅を、可撓性リング58の肉厚が、残っている外側の肉厚より僅かに小さくなるようにしてもよい。
可撓性リング58の段部下端面46に、補助押圧シール突部60を形成する。この補助押圧シール突部60は、周方向弱化部対応部分、即ち、ヒンジ固定部28近傍に形成した周方向弱化部であるスリット31と対応して設けられるが、その長さ、高さ、幅、形状等は、必要に応じて適宜選択され、例えば、その長さとして、ほぼヒンジ固定部28に対応する長さが選択される。
下係合部19には、有頂状突起が設けられているが、この突起として。例えば、断面ほぼ三角形状の環状突起が用いられ。スカート4の、ヒンジ2と反対側の下端部外周面には摘み部59が突設されている。
打栓装着
次に、めんつゆ等の内容物が充填されている壜などの容器20にヒンジキャップ1を打栓装着する場合の動作について説明する。
図4に示すように、容器20の口部21に、閉蓋状態のヒンジキャップを被せ打栓すると、筒部8が該容器の口部21嵌着され、環状突条16bは口部21の係合凹部21aに圧接係合し、シール筒17は口部21の外周面に当接する。
この時、成型時における収縮変形のためにスリット31近傍の外筒15や係止筒9が内方に変形していても、図5に示すように、頂面7aの周方向の弱化部対応部分7が補助押圧シール突部60により確実に押圧される。従って、外筒15には均等な打栓力が加えられるので、設計通りの打栓装着を行うことができる。又、図6に示すように、係止筒9の係止部9bが上記可撓性リング58に弾性的に当接することにより、容器20の口部21の寸法にバラツキがあったとしても、そのバラツキを十分に吸収することが出来る。
上記ヒンジキャップ1は、筒部8を外筒15とシール筒17とに分け、外筒15には、弱化線が形成されていないので、外筒15を強く口部21に嵌合しても、前記弱化線が裂け切れることはない。従って、該嵌合力を低下させる必要はなく嵌合力の大きなキャップを得ることができる。また、シール筒17には弱化線36、37が形成されているが、このシール筒17はその下端17aが口部21外周に当接しているだけなので、該弱化線36、37が切れ易くなることもない。
シャワー洗浄
打栓装着後、該容器のシャワー洗浄を行い、該容器に付着した液滴等の除去を行う。このときキャップ本体の係止部14と外蓋の係合部19とは密接しているので、シャワー水を吸い込むことがない
開蓋
容器20より内容物を取出すにあたり、予め、プルリング13に指を掛け、引張り上げることにより遮断壁11を除去しておく。
使用時には、外蓋5の摘み部59を指先にて押し上げることによって、キャップ本体3の係止部9b、14と外蓋5の係合部10、19の係合が解除されるとともに、バネヒンジ25のバネ力によって開口させるが、この実施例では一対のばね作用を有する補助バンド38のばね力によって開放角度が大きくなり、開口部の視認性が良くなる。
また、前記係合部10は、可撓性リング58上に位置するので、該係合部10が係止筒9の係止部9bに圧接すると、該可撓性リング58は押されて外側に変位する。そのため、係合部10の当接力が緩和されるので、円滑に開蓋することができる。
閉蓋
内容物の取出しを終わり、外蓋5を閉じるとき、指先とバネヒンジ25のバネ力によって閉口するが、キャップ本体3の下係止部14が有頂突起14aとなっているので、外蓋5の下係合部19の突起部が前記突起14aの頂部を通過した後、急激に降下し、鍔部16の上面16aに当接する。そのため、「カチ」という閉蓋音が発生するので、聴覚により閉蓋を確認することができる。
分別回収
内容物の使用後、開蓋状態にして上蓋5を掴み、下方に引っ張ると、スリット31と連続している縦方向弱化線37が切れる。更に該上蓋5を周方向に引っ張るとシール筒17が鍔部16から一部の接続部分を残して周方向弱化部36からきれる。続けて、該シール筒17を上方に押し上げると、筒部8が容器の口部21から分離する。
1 ヒンジキャップ
2 ヒンジ
3 キャップ本体
4 スカート
5 外蓋
7 頂壁
7a 頂面
7s 周方向弱化部対応部分
8 筒部
9 係止筒
15 外筒
46 厚肉部
46 段部下端面
47 薄肉部
56 当接圧調整溝
58 可撓性リング
60 補助押圧シール突部

Claims (2)

  1. キャップ本体と外蓋とをヒンジ結合し、該キャップ本体には、その頂壁に立設した係止筒と、該キャップ本体の外面に形成した下係止部とを備え、前記外蓋のスカートの内面には、閉蓋時、前記係止筒に係合する上係合部と、前記下係止部に係合する下係合部とを備えているヒンジキャップにおいて
    前記スカートの内面は、段状に連続する、前記上係合部を有する厚肉部内面と、前記下係合部を有する薄肉部内面とからなり、前記厚肉部の段部下端面に当接圧調整溝を設けて可撓性リングを形成し、そして、周方向弱化部をヒンジ固定部の近傍に位置する筒部の下端鍔部に設け、該可撓性リングの下端面であって、少なくとも、閉蓋時に前記周方向弱化部に対応する位置に設けられた周方向弱化部対応部分に、補助押圧シール突部を設けたことを特徴とする合成樹脂製ヒンジキャップ。
  2. 下係止部が、下環状係止部であって、該下環状係止部が、外蓋の下係合部との係合の際、下係合部の下端縁の突起部と当接し、閉蓋音を発生させる有頂状突起を周方向に有していることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製ヒンジキャップ。












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