JP4950288B2 - 屋根下遮蔽材 - Google Patents

Description

本発明は、屋根下遮蔽材（屋根下・遮熱シート）及びその製造方法に関する。

アスファルトを含浸した合成繊維の断熱層を含む屋根下遮蔽材（roofing underlay screen）が公知となっている。かかる屋根下遮蔽材は、９０ｃｍの距離で離間されている主たる垂木に固定されうるような充分の剛性を有している。しかしながら、このような屋根下遮蔽材は生産及び使用が容易でない。
米国特許6308482B1 ドイツ実用新案DE202004007543U1 ヨーロッパ特許出願公開EP1400348A2

本発明の一目的は、従来技術の短所を有しない屋根下遮蔽材を提供することにある。

上記の目的を達成するための本発明の屋根下遮蔽材は、−熱反射による遮熱膜を構成する、金属または金属被覆済み材料（金属で被覆した材料）である第１材料からなる第１層と、−織製された第２の材料からなり前記第１層に接合される第２層と、−断熱性の第3材料から形成され、前記第２層に接合される第３層と、−熱反射による遮熱膜を構成する金属材料または金属被覆済み材料である第4の材料から形成され、前記第３層に接合される第４層と、を含み、前記第１層及び第２層には、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ない（透湿防水性の）微細穿孔が備えられており、前記第４層には、水蒸気を透過させられるように（透湿性の）穿孔が備えられていることを特徴とする。

好ましくは、前記の種々の層の相互の貼り合わせが、熱融着によって行われる。好ましくは、前記微細穿孔の直径は、２０μｍより小さいか等しい。好ましくは、前記第１材料及び第４材料は、アルミニウムまたはアルミニウム被覆材である。好ましくは、前記織製された第2材料は織製ガラス繊維である。好ましくは、前記断熱性の第3材料は不織ガラス繊維である。

本発明はまた、−熱反射遮熱膜を構成する、金属材料または金属被覆済み材料の第１の材料から形成される第１層を供給する段階と、−織製された第2材料から形成される第２層を供給する段階と、−前記第１層に第２層を接合する段階と、−断熱性の第3材料から形成される第３層を供給する段階と、−前記接合されている第２層に第３層を接合する段階と、−熱反射遮熱膜を構成する金属材料または金属被覆済み材料である第4の材料から形成される第４層を供給する段階と、−前記接合されている第３層に第４層を接合する段階と、−前記第１層及び第２層に、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ない微細穿孔を形成する段階と、−前記第４層に水蒸気を透過させられるように穿孔を形成する段階と、を含むことを特徴とする、上述した変形例のうちの一つによる屋根下遮蔽材の製造方法を提供する。

具体例によれば、屋根下遮蔽材は通気性（breathing）の第５材料から形成される第５層をさらに含み、前記第５層は、第２層と第３層との間に接合される。

好ましくは、前記通気性の第5の材料は、ポリエチレン、ポリウレタンまたはポリプロピレン類またはこれらの生成物と炭酸カルシウムとの混合物である。

本発明はまた、−熱反射遮熱膜を構成する金属材料または金属被覆済み材料である第1の材料から形成される第１層を供給する段階と、−織製された第2材料から形成される第２層を供給する段階と、−前記第１層に第２層を接合する段階と、−通気性の第5の材料から形成される第５層を供給する段階と、−前記接合されている第２層に第５層を接合する段階と、−断熱性の第3材料から形成される第３層を供給する段階と、−前記接合されている第５層に第３層を接合する段階と、−熱反射遮熱膜を構成する金属材料または金属被覆済み材料である第4の材料から形成される第４層を供給する段階と、−前記接合されている第３層に第４層を接合する段階と、−前記第１層及び第２層に、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ない微細穿孔を形成する段階と、−前記第４層に、水蒸気を透過させられるように穿孔を形成する段階と、を含むことを特徴とする、上述した具体例による屋根下遮蔽材の製造方法を提供する。

具体例によれば、屋根下遮蔽材は、前記第４層に接合され、第３層と第４層との間に配置される織布で構成された第６材料から形成される第６層をさらに含む。

好ましくは、前記第６層には、第４層の穿孔と合わせられる穿孔が形成されている。

好ましくは、前記第６材料は、ガラス繊維からなる織布で構成される。

前述した内容及びその他の本発明の特徴が、添付の図面に基づく以下の実施例に関する説明から、より明らかになる。

図１に示すように、本発明の屋根下遮蔽材100は、−熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属材料またはアルミニウム被覆材の類の第１材料から形成される第１層102と、−織製された第２材料からなり第１層102に貼り合わされている第２層108と、−断熱性の第３材料からなり第２層108に貼り合わされている第３層106と、−熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属材料またはアルミニウム被覆材の類の第４材料からなり第３層106に貼り合わされている第４層104と、を含む。

第１層102及び第２層108には、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ない微細穿孔110が備えられており、第４層104には水蒸気を透過させられるように穿孔112が備えられている。

屋根下遮蔽材100を建物の屋根の下に設置する場合には、第１層102が屋根に向けて、すなわち、建物の外側に向けて配置され、第４層104が建物の内側に向けて配置される。

第１層102は、建物内へと進入しようとする外部の熱を反射させる熱遮断膜の役割を担う。このような第１層102は、例えば、アルミニウムのような金属材料、または何らかの材料をアルミニウムで被覆したアルミニウム被覆材から設けることできる。

第４層104は、建物から抜け出そうとする内部熱を反射させる熱遮断膜の役割を担う。このような第４層104は、例えば、アルミニウムのような金属材料またはアルミニウム被覆材から設けることができる。

第２層108は織物としたので引裂きに対する耐性が高く、よって、屋根下遮蔽材100をより頑丈にする材料である。このような、より頑丈な構造によって、屋根下遮蔽材100が９０ｃｍの距離で離間されている主たる垂木上に配置されることができるわけである。具体例によれば、第２層108は、ガラス繊維織布から形成され、ガラス繊維の直径は略８μｍ〜１８μｍである。

第３層106は、他の構成要素との間において、第１層102と第４層104間の断熱体としての役割を果たし、熱橋現象（heat bridge）を防止する。具体例によれば、第３層106は、ガラス繊維不織布から形成された緩衝材(matelas)である。

第１層102の背面に発生した、すなわち建物の内側に発生した水蒸気は、第１層102の前面に、すなわち建物の外側へと排出されなければならない。このため、第１層102と第２層108には微細穿孔110が形成されている。微細穿孔(microperforations)110は、水蒸気は通過し得るが、滴下する水は浸透し得ないような大きさに形成される。このようにすることで、第１層102の外側に存在する水蒸気は、外部温度の影響によって第１層102に浸透されることなく凝縮され、第１層102上に滴下するようになる。したがって、第１層102は、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ないない遮断膜をなす。

具体例によれば、微細穿孔110は、略２０μｍの直径を持つが、１０μｍ〜６０μｍの範囲で変更可能である。

建物の内側に発生した水蒸気の排出が可能なように、第４層104に穿孔112が形成されている。穿孔(perforations)112は水蒸気の通過を許容する。このような穿孔112は、第１層102の外側から来る水に対する屋根下遮蔽材１００の非透過性（防水性）とは関連がないので、穿孔112の直径は、微細穿孔110の直径と等しいか、または、より大きいものとすることができる。

具体例によれば、穿孔112は、略５０μｍ〜１５０μｍの直径を有する。

屋根下遮蔽材100の水蒸気透過性及び気密性をより補強するためには、屋根下遮蔽材が、通気性かつ防水（水密）性の第５の材料から形成される第５層120を含む。第５層120は、第２層108と第３層106との間に接合されている。通気性の第5材料は、ポリエチレン、ポリウレタンまたはポリプロピレンの類、または、これら樹脂と炭酸カルシウムとのブレンドとすることができる。具体例によれば、第５層１２０の厚さは、２０μｍ〜５０μｍである。このような第５層120は、水蒸気の通過を許容する微細導路をなす網状組織を形成するように、延伸法（stretching）で形成されることができる。

前述の種々の層102,108,106,104,120は、互いに、熱融着方式で貼り合わせることができる。例えば、複数の層１02,108,106,104の間に、接着層をなすポリエチレンを用いることができる。

上記の屋根下遮蔽材100は、操作が簡単で、織製された第2材料の提供による補強構造を有し、水蒸気透過性の防水膜だけでなく、断熱遮断膜をなすことができる。

図２には、前述した実施例のうちの一つによる屋根下遮蔽材100についての製造装置200が示されている。

製造装置200は、第１貼り合わせ装置220、第２貼り合わせ装置222、第３貼り合わせ装置224、及び穿孔装置を含む。

本発明の一実施例において、それぞれの貼り合わせ装置220,222,224は、一対のローラ形態をなしており、１対のローラのうちいずれか一方または両方のローラの温度を上昇させることができ、相互に加圧を行うように配置され、貼り合わされる部材が両方のローラの間を通過することになる。

熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属製の第１材料は、第１ロール202の形態で貯留されている。織製された第2材料は第２ロール208の形態で貯留されており、断熱性の第3材料は第３ロール206の形態で貯留されている。熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属製の第４材料は、第４ロール204の形態で貯留されている。

本発明で、穿孔装置は、微細穿孔110を形成するように設計された第１穿孔ローラ210と、穿孔112を形成するように設計された第２穿孔ローラ212とからなる形態を有する。このため、第１穿孔ローラ210と第２穿孔ローラ212には、穿孔ローラ210,212の表面から突出し、一方から第１層102及び第２層108を穿孔し、他方からは第４層104を穿孔するスパイクないし針が形成されることができる。

屋根下遮蔽材100が第５層を備える場合、製造装置は、第１貼り合わせ装置220の下流と、第２貼り合わせ装置222の上流との間に配置される第５ローラ及び第４貼り合わせ装置をさらに含む。

このような製造装置200によって実施される屋根下遮蔽材100の製造方法は、−第１ロール202により、熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属製の第１材料からなる第１層102を供給する段階と、−第２ロール208により、織製された第２材料からなる第２層108を供給する段階と、−第１貼り合わせ装置220により、第１層102に第２層108を貼り合わせる段階と、−第３ロール206により、断熱性の第３材料からなる第３層106を供給する段階と、−第２貼り合わせ装置222により、上記のように貼り合わされている第２層108に、第３層106を貼り合わせる段階と、−第４ロール204により、熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属製の第４材料からなる第４層104を供給する段階と、−第３貼り合わせ装置224により、上記のように貼り合わされている第３層106に、第４層104を貼り合わせる段階と、−第１穿孔ローラ210により、第１層102及び第２層108に、水蒸気は透過させることができるが、水は透過させることができないように微細穿孔110を形成する段階と、−第２穿孔ローラ212により、第４層104に水蒸気を透過させられるように穿孔112を形成する段階と、を含む。

屋根下遮蔽材100が第５層120を含む場合には、上記製造方法は、−熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属製の第１材料から形成される第１層102を供給する段階と、−織製された第2材料から形成される第２層108を供給する段階と、−第１層102に第２層108を貼り合わせる段階と、−通気性の第5材料から形成される第５層120を供給する段階と、−上記のように貼り合わせた第２層108に第５層120を貼り合わせる段階と、−断熱性の第3材料から形成される第３層106を供給する段階と、−上記のように貼り合わせた第５層120に第３層106を接合する段階と、−熱反射遮熱膜を構成する、例えば金属製の第４材料から形成される第４層104を供給する段階と、−上記のように貼り合わせた第３層106に第４層104を貼り合わせる段階と、−第１層102及び第２層108に、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ない微細穿孔110を形成する段階と、−第４層104に、水蒸気を透過させられるように穿孔112を形成する段階と、を含む。

図３には、屋根下遮蔽材100が、第４層104に接合され、第３層106と第４層104との間に配置される、織布（woven sheet）からなる第６材料から形成される第６層302を含む他の実施例を示す。第６層302は、織製されているので、引裂きに対する耐性が高く、よって、屋根下遮蔽材100をより頑丈にする材料である。水蒸気を透過させられるように、第６層302には第４層104の穿孔112と組み合わせられる穿孔304が形成されている。具体例によれば、第６材料は、ガラス繊維からなる織布で構成される。

このような屋根下遮蔽材100を製造するための方法は、第４層104を供給する以前または以降に、第６層302を供給する段階と、第４層104に第６層302を接合する段階と、をさらに含む。また、第３層106に第４層104を貼り合わせる段階は、第３層106に第６層302を貼り合わせる段階に置き換えられている。

金属製の第１材料、金属製の第４材料、ガラス繊維からなる第２材料、そしてガラス繊維からなる第３材料を使用することによって、高度に不燃性の屋根下遮蔽材１００を得ることができる。

第５材料がポリエチレンからなる場合、前述した不燃性の性能は減少するが、第５材料の比率を低く保持する限り、屋根下遮蔽材100の不燃性は、従来技術の屋根下遮蔽材のそれよりも依然として非常に高い。

本発明は上述の例及び実施例に制限されず、利用可能な多様な変形例が、該業界の熟練した者には明らかである。

本発明による屋根下遮蔽材の断面図である。 本発明による屋根下遮蔽材製造装置を示す図である。 本発明の他の実施例による屋根下遮蔽材の断面図である。

Claims (11)

1. −熱反射遮熱膜を構成する金属材料または金属被覆済み材料である第1の材料から形成される第１層（102）と、
   −織製された第2材料から形成され、前記第１層（102）に接合される第２層（108）と、
   −断熱性の第3材料から形成され、前記第２層（108）に接合される第３層（106）と、
   −熱反射遮熱膜を構成する金属材料または金属被覆済み材料である第4材料から形成され、前記第３層（106）に接合される第４層（104）と、
   を含み、
   第１層（102）及び第２層（108）には、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ない微細穿孔（110）が備えられており、前記第４層（104）には、水蒸気を透過させられるように穿孔（112）が備えられており、
   通気性の第5材料から形成される第５層（120）をさらに含み、この第５層（120）は、第２層（108）と第３層（106）との間に貼り合わされていることを特徴とする屋根下遮蔽材（100）。
2. 相異なる層（102,108,106,104,120）同士の接合が、熱融着によって行われることを特徴とする請求項１に記載の屋根下遮蔽材（100）。
3. 微細穿孔（110）の直径が、２０μｍより小さいか、これに等しいことを特徴とする請求項１または２に記載の屋根下遮蔽材（100）。
4. 前記の第１材料及び第４材料が、アルミニウム、またはアルミニウム被覆済み材料であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の屋根下遮蔽材（100）。
5. 前記の織製された第2材料が、ガラス繊維不織布であることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の屋根下遮蔽材（100）。
6. 前記の断熱性の第3材料が、ガラス繊維不織布であることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の屋根下遮蔽材（100）。
7. 前記の通気性の第5材料が、ポリエチレン、ポリウレタンまたはポリプロピレン類またはこれら樹脂と炭酸カルシウムとのブレンドであることを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載の屋根下遮蔽材（100）。
8. 前記第４層（104）に貼り合わされ、第３層（106）と第４層（104）との間に配置され、織布からなる第６材料から形成される第６層（302）を、さらに含むことを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の屋根下遮蔽材（100）。
9. 前記第６層（302）に、第４層（104）の穿孔（112）と組み合わせられる穿孔（304）が形成されていることを特徴とする請求項８に記載の屋根下遮蔽材（100）。
10. 前記第６材料が、ガラス繊維からなる織布で構成されることを特徴とする請求項８または９に記載の屋根下遮蔽材（100）。
11. −熱反射遮熱膜を構成する金属材料または金属被覆済み材料である第1材料から形成される第１層（102）を供給する段階と、
    −織製された第2材料から形成される第２層（108）を供給する段階と、
    −第１層（102）に第２層（108）を貼り合わせる段階と、
    −通気性の第5材料から形成される第５層（120）を供給する段階と、
    −第１層（102）に貼り合わされている第２層（108）に第５層（120）を貼り合わせる段階と、
    −断熱性の第3材料から形成される第３層（106）を供給する段階と、
    −第２層（108）に貼り合わされている第５層（120）に第３層（106）を貼り合わせる段階と、
    −熱反射遮熱膜を構成する、金属材料または金属被覆済み材料である第4材料から形成される第４層（104）を供給する段階と、
    −第５層（120）に貼り合わされている第３層（106）に第４層（104）を貼り合わせる段階と、
    −前記の第１層（102）及び第２層（108）に、水蒸気は透過し得るが、水は透過し得ない微細穿孔（110）を形成する段階と、
    −前記第４層（104）に、水蒸気を透過させられるように穿孔（112）を形成する段階と、
    を含むことを特徴とする、請求項１〜７のいずれかの屋根下遮蔽材（100）を製造する方法。

Images