JP4948903B2 - シリンジ用キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、内部に感光性樹脂から成る歯冠用材料が充填されるシリンジ本体の上部注出口に外嵌されて使用される合成樹脂製のシリンジ用キャップであって、薄膜状の蝶番部のばね作用によって蓋部を閉じた際及び開いた際に蓋部をそれぞれ安定した静止状態に維持させることができ、また蓋部を押し上げて開ける際に、多少誤った方向から蓋部を押し上げても、薄膜状の蝶番部が破損するようなことがなく容易に開閉ができるシリンジ用キャップに関するものである。
感光性樹脂から成る歯冠用材料が内部に充填されたシリンジでは、感光性樹脂から成る歯冠用材料が感光硬化しないように、キャップの蓋部は閉じた状態で確実に維持させる必要があり、また実際に歯冠用材料を取り出す場合には、ヘラ等ですくい取らなければならないので蓋部が邪魔にならないように開いた状態で維持させる必要がある。このように蓋部を開いた状態と閉じた状態とでそれぞれ安定した状態に維持させるため、ばね作用のある薄膜状の蝶番部がしばしば利用される。
また歯冠用材料は比較的高価なため少量ごとに分けてシリンジに充填されて使用されるので、シリンジ及びそのキャップは小形のものが利用されており、またシリンジ用キャップは内部の感光性樹脂から成る歯冠用材料が感光硬化しないように光を透し難い不透明な黒色等で着色されていることが多い。従って、このように小形で黒色等に着色されているキャップは見誤り易く、その蓋部を多少異なる方向から開けることがしばしばある。その際、合成樹脂から形成されていて薄膜状である蝶番部は非常に破損し易く、キャップの取り替えが必要となったり、取り替えが直ちにできない場合には高価な歯冠用材料を無駄したりすることがあり、蝶番部をどのような材質で形成させるかということが非常に大きな問題となっている。
このような問題に対し、蝶番部に様々な材質のものが使用できるキャップとしては、キャップ基体と、キャップ基体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなるヒンジ式キャップにおいて、蝶番が、キャップ基体の側周壁と開閉蓋の側周壁の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって形成されていることを特徴とするヒンジ式キャップがある(例えば、特許文献1参照。)。このキャップはフィルム状の蝶番をインモールド成形によって別途接着させて形成させるため、蝶番にはキャップ基体等と異なる材質のものが使用できる。
しかしながら、このキャップはその表面に印刷等を施すことを目的として材質の変更を図ろうとするものであり、蝶番の強度や耐久性に対しては何らの工夫もなされていない。またフィルム状の蝶番を別途製作し接着させるなど作業工程が多く、生産性が低いものとなっており、更に蝶番の材質のみを変更しても、材質の異なる蝶番とキャップ基体等との境界部近傍で破損が起こり易いため、耐久性を大きく向上させることは難しいのである。
特開2002−326650号公報
また一般にキャップに蝶番部を設ける場合、十分なばね作用が得られるように、蝶番部には比較的硬いポリプロピレン(PP)等が使用されることが多いが、このポリプロピレン(PP)は柔軟性がないために強度が低く通常の開閉方向と異なる方向から力が加わると破損し易いという欠点がある。一方、柔らかい低密度ポリエチレン(LDPE)を蝶番部に使用すれば、破損等は起こり難いものの、十分なばね作用を得ることができないという問題がある。
更に生産性の向上のためキャップ全体を一体成形することが好ましいが、一体成形するとキャップ全体と蝶番部とに使用する材質を同一にしなければならないので、キャップ全体の剛性等も加味して材質を選定しなければならず、より一層材質の選択が難しいのである。
本発明は前記の問題に鑑み、内部に感光性樹脂から成る歯冠用材料が充填されるシリンジ本体の上部注出口に外嵌されて使用される合成樹脂製のシリンジ用キャップであって、薄膜状の蝶番部のばね作用によって蓋部を閉じた際及び開いた際に蓋部をそれぞれ安定した静止状態に維持させることができ、また蓋部を蝶番部の反対側から押し上げて開ける際に、多少誤った方向から蓋部を押し上げても、薄膜状の蝶番部が破損するようなことがなく容易に開閉ができるシリンジ用キャップを提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、薄膜状の蝶番部に柔軟性を持たせ破損しないようにするためには、柔らかい低密度ポリエチレン(LDPE)を使用しなければならないが、低密度ポリエチレン(LDPE)は柔らかすぎるため、剛性の高いポリプロピレン(PP)を或る程度配合しても、十分な剛性や蝶番部のばね作用が得られないので、柔軟性に加えて高い剛性を併せ持つ直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を主成分として、剛性の高いポリプロピレン(PP)を混合した合成樹脂からシリンジ用キャップを形成させ、その際の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とポリプロピレン(PP)との配合割合を直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に対してポリプロピレン(PP)を重量比で0.25倍以上となるようにすれば、シリンジ用キャップ全体の剛性や蝶番部のばね作用が損なわれることがなく、また直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に対してポリプロピレン(PP)を重量比で0.42倍以下となるように配合させれば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)による柔軟性が損なわれることもなく、
またこのような合成樹脂を使用して、内部に感光性樹脂から成る歯冠用材料が充填されるシリンジ本体の上部注出口に外嵌されるシリンジ用キャップを、略円筒状の基部とその上端に設けられた小さな外径の基台係合部とから成りシリンジ本体の上部注出口に外嵌される基台部と、上端が閉鎖され略円筒状の蓋部本体とその下端に設けられており基台係合部に係合される蓋係合部とから成る蓋部と、蓋部の蓋係合部の外周面に切り込まれた切込み部間と基台部の基部に切り込まれた切込み部間とに跨って形成された厚さが略均一な薄膜状の蝶番部とから一体に形成すれば、シリンジ用キャップを構成する基台部と蓋部と蝶番部とが一体に形成されているので、蝶番部と基台部等との境界部で破損が起こり難く、また生産性を向上させることができ、
更に蝶番部を、蓋部の切込み部間の下端側外周面の略中央部で外側に僅かに突出して形成された凸条部の上部を構成する線と、凸状部の各端部と対向する各該切込み部の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に蝶番部の厚さを残すように蓋係合部に形成された切取り部又は切分け部の上端とから始まり、基台部の切込み部間の上端側外周面の略中央部であって外側に僅かに突出して形成された凸条部の下部を構成する線と、凸条部の各端部と対向する各切込み部の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に蝶番部の厚さを残すように基部に形成された切取り部又は切分け部の下端とで終わらせれば、蓋部を大きく開いた際に、蓋部と基台部とは略円筒状をなしているので蝶番部の中心から円周方向に離れるに従って蓋部と基台部との間の距離は長くなるものの、蝶番部の上端及び下端は蝶番部の中心から円周方向に離れるに従って広がった略三角形状の斜辺となっているので、蓋部を開いた際にも損傷することがなく、またこれらの略三角形状の斜辺間の部分で大きなばね作用を得ることができ、更に蝶番部の中央は基台部や蓋部の外周面の外側に僅かに突出して形成された凸条部を覆うように形成されているので、蓋部を閉じた際に外周面から外側に向けて蝶番部全体がやや撓んだ状態となるから、蓋部を閉じた際に真っ直ぐに伸びきった状態とならないので、多少異なる方向から開けても破損し難くなることを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、内部に感光性樹脂から成る歯冠用材料が充填されるシリンジ本体の上部注出口に外嵌されるシリンジ用キャップであって、
略円筒状の基部とその上端に設けられており該基部の外径より小さな外径の基台係合部とから成りシリンジ本体の上部注出口に外嵌される基台部と、
上端が閉鎖され該基台部の基部と略同径の外径を有する略円筒状の蓋部本体とその下端に設けられており内径が該基台部の基台係合部の外径と略同一で該基台係合部に係合される蓋係合部とから成る蓋部と、
該蓋部の蓋係合部の少なくとも外周面に下端から該蓋部本体に至る該蓋部の中心軸と平行な直線状に切り込まれた切込み部間と、該蓋部と対向する該基台部の基部に該基部の上端から該基台部の中心軸と平行な直線状に該蓋部の切込み部と略同じ長さで且つ該切込み部と略同じ深さに切り込まれた切込み部間とに跨って形成された厚さが略均一な薄膜状の蝶番部とから一体に形成されていて、
該蝶番部は、該蓋部の切込み部間の下端側外周面の略中央部で外側に僅かに突出して形成された凸条部の上部を構成する線と、該凸状部の各端部と対向する各該切込み部の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に該蝶番部の厚さを残すように該蓋係合部に形成された切取り部又は切分け部の上端とから始まり、
該基台部の切込み部間の上端側外周面の略中央部であって外側に僅かに突出して形成された凸条部の下部を構成する線と、該凸条部の各端部と対向する各該切込み部の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に該蝶番部の厚さを残すように該基部に形成された切取り部又は切分け部の下端とで終わり、
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とポリプロピレン(PP)との重量比が1:0.25〜0.42である混合合成樹脂から形成されていることを特徴とするシリンジ用キャップである。
また、蓋部の切込み部が蓋係合部を貫通する深さの切込み部であり、該蓋部の蓋係合部と基台部の基部とにそれぞれ該蓋係合部の厚さから蝶番部の厚さを差し引いた厚さだけ略三角形状の部位を切り取った切取り部を形成すれば、厚さの異なる該蓋部の蓋係合部と該基台部の基部との間で略同様な形態でバランス良く蝶番部が形成され、偏った負荷等がかかることがないので蝶番部が破損し難くて好ましく、また蝶番部の反対側に位置する蓋部の外面に指当て部が更に設けられていれば、シリンジ用キャップが小形で黒色等に着色されていて見誤り易いような場合であっても、指当て部によって蓋部を開ける方向を確認することができて好ましいのである。
本発明に係るシリンジ用キャップは、内部に感光性樹脂から成る歯冠用材料が充填されるシリンジ本体の上部注出口に外嵌されるシリンジ用キャップであって、略円筒状の基部とその上端に設けられており該基部の外径より小さな外径の基台係合部とから成りシリンジ本体の上部注出口に外嵌される基台部と、上端が閉鎖され該基台部の基部と略同径の外径を有する略円筒状の蓋部本体とその下端に設けられており内径が該基台部の基台係合部の外径と略同一で該基台係合部に係合される蓋係合部とから成る蓋部と、該蓋部の蓋係合部の少なくとも外周面に下端から該蓋部本体に至る該蓋部の中心軸と平行な直線状に切り込まれた切込み部間と、該蓋部と対向する該基台部の基部に該基部の上端から該基台部の中心軸と平行な直線状に該蓋部の切込み部と略同じ長さで且つ該切込み部と略同じ深さに切り込まれた切込み部間とに跨って形成された厚さが略均一な薄膜状の蝶番部とから一体に形成されているから、シリンジ用キャップを構成する基台部と蓋部と蝶番部とが一体であるので蝶番部が基台部又は蓋部との境界部で破損し難いばかりでなく、シリンジ用キャップを一度で生産することが可能となり生産性が高く、
また蓋部を閉じた際に薄膜状の蝶番部が、基台部や蓋部の外周面に沿って真っ直ぐに伸びきった状態となっていると、蓋部を多少異なる方向から開けた際に薄膜状の蝶番部は破損し易いが、蝶番部は、該蓋部の切込み部間の下端側外周面の略中央部で外側に僅かに突出して形成された凸条部の上部を構成する線と、該凸状部の各端部と対向する各該切込み部の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に該蝶番部の厚さを残すように該蓋係合部に形成された切取り部又は切分け部の上端とから始まり、該基台部の切込み部間の上端側外周面の略中央部であって外側に僅かに突出して形成された凸条部の下部を構成する線と、該凸条部の各端部と対向する各該切込み部の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に該蝶番部の厚さを残すように該基部に形成された切取り部又は切分け部の下端とで終わっているから、蓋部を大きく開いた際に、蓋部と基台部とは略円筒状をなしているので蝶番部の中心から円周方向に離れるに従って蓋部と基台部との間の距離は長くなるものの、蝶番部の上端及び下端は蝶番部の中心から円周方向に離れるに従って広がった略三角形状の斜辺となっているので、蓋部を開いた際にも損傷することがなく、またこれらの略三角形状の斜辺間の部分で大きなばね作用を得ることができ、更に蝶番部の中央は基台部や蓋部の外周面の外側に僅かに突出して形成された凸条部を覆うように形成されているので、蓋部を閉じた際に外周面から外側に向けて蝶番部全体がやや撓んだ状態となるから、蓋部を閉じた際に真っ直ぐに伸びきった状態とならないので、多少異なる方向から開けても破損し難く、
更にシリンジ用キャップはポリプロピレン(PP)のみで形成させると柔軟性がないために蝶番部が破損し易く、また低密度ポリエチレン(LDPE)のみで形成させると蝶番部のばね作用が十分に得られないが、本発明に係るシリンジ用キャップは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とポリプロピレン(PP)との重量比が1:0.25〜0.42である混合合成樹脂から形成されているから、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に対してポリプロピレン(PP)が重量比で0.25倍以上配合されていて、主成分となる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が柔軟性に加えて高い剛性を有している上に剛性の高いポリプロピレン(PP)が十分に配合されているので、シリンジ用キャップ全体の剛性及び蝶番部のばね作用が損なわれることがなく、更に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に対してポリプロピレン(PP)が重量比が0.42倍以下となるように配合されていて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)による柔軟性が損なわれることがないので蝶番部が破損し難いのである。
また、蓋部の切込み部が蓋係合部を貫通する深さの切込み部であり、該蓋部の蓋係合部と該基台部の基部とにそれぞれ該蓋係合部の厚さから蝶番部の厚さを差し引いた厚さだけ略三角形状の部位を切り取った切取り部を形成されている場合には、厚さの異なる蓋部の蓋係合部と基台部の基部との間で略同様な形態でバランス良く蝶番部が形成され、偏った負荷等がかかることがないので蝶番部が破損し難く、更に蝶番部の反対側に位置する蓋部の外面に指当て部が更に設けられている場合には、シリンジ用キャップが小形で黒色等に着色されていて見誤り易くなっていても、指当て部によって蓋部を開ける方向を確認することができるのである。
以下、図面を用いて本発明に係るシリンジ用キャップについて詳細に説明する。
図1は本発明に係るシリンジ用キャップの1実施例の蓋部が開いた状態で静止している様子を示す側面図、図2は図1のシリンジ用キャップの蓋部を閉じた状態を示す側面図、図3は図1のシリンジ用キャップの蓋部を更に押し開いた状態を示す平面図、図4は図3の側面断面図、図5はシリンジ用キャップが開閉する様子を示す説明図、図6は蝶番部の側端部が変形する様子を示す説明図、図7は本発明に係るシリンジ用キャップの他の実施例の側面図、図8は本発明に係るシリンジ用キャップの更に他の実施例の側面図である。
図面中、1は略円筒状の基部1aとその上端に設けられており基部1aの外径より小さな外径の基台係合部1bとから成りシリンジ本体(図示無し)の上部注出口に外嵌される基台部である。本発明に係るシリンジ用キャップは、この基台部1の基部1aをシリンジ本体の上部注出口に外嵌させることで装着され、また基台部1の基台係合部1bに後述する蓋部2の蓋係合部2b係止させることによって蓋部2を確実に閉じることができる。
2は上端が閉鎖され基台部1の基部1aと略同径の外径を有する略円筒状の蓋部本体2aとその下端に設けられており内径が基台部1の基台係合部1bの外径と略同一で基台係合部1bに係合される蓋係合部2bとから成る蓋部である。この蓋部2は蓋部本体2aが略円筒状をなしていて基台部1の基部1aと略同径の外径を有しているので、蓋部2を閉じた際に基台部1と蓋部2とは略一体の円筒状となる。また図7及び図8の如く、後述する蝶番部3の反対側に位置する蓋部2の外面に指当て部2fが更に設けられている場合には、シリンジ用キャップが小形で黒色等に着色されていて見誤り易くなっていても、指当て部2fによって蓋部2を開ける方向を確認することができて好ましく、更に図8の如く、指当て部2fに加えて蓋部2の上端部が傾斜していれば、より確実に蓋部2を開ける方向を確認できる。
3は蓋部2の蓋係合部2bの少なくとも外周面に下端から蓋部本体2aに至る蓋部2の中心軸と平行な直線状に切り込まれた切込み部2c,2c間と、蓋部2と対向する基台部1の基部1aに基部1aの上端から基台部1の中心軸と平行な直線状に蓋部2の切込み部2c,2cと略同じ長さで且つ切込み部2c,2cと略同じ深さに切り込まれた切込み部1c,1c間とに跨って形成された厚さが略均一な薄膜状の蝶番部である。この蝶番部3は、蓋部2の切込み部2c,2c間の下端側外周面の略中央部で外側に僅かに突出して形成された凸条部2dの上部を構成する線と、この凸状部2dの各端部と対向する各切込み部2c,2cの各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に蝶番部3の厚さを残すように蓋係合部2bに形成された切取り部又は切分け部2e,2eの上端とから始まり、基台部1の切込み部1c,1c間の上端側外周面の略中央部であって外側に僅かに突出して形成された凸条部1dの下部を構成する線と、この凸条部1dの各端部と対向する各切込み部1c,1cの各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に蝶番部3の厚さを残すように基部1aに形成された切取り部又は切分け部1e,1eの下端とで終わっている。また、蓋部2の切込み部2c,2cが蓋係合部2bを貫通する深さの切込み部2c,2cであり、蓋部2の蓋係合部2bと基台部1の基部1aとにそれぞれ蓋係合部2bの厚さから蝶番部3の厚さを差し引いた厚さだけ略三角形状の部位を切り取った切取り部2e,2e,1e,1eが形成されている場合には、厚さの異なる蓋部2の蓋係合部2bと基台部1の基部1aとの間で略同様な形態で蝶番部3が形成され、偏った負荷等がかかることがないので蝶番部3が破損し難くて好ましい。
このような本発明に係るシリンジ用キャップは、内部に感光性樹脂から成る歯冠用材料が充填されるシリンジ本体の上部注出口に外嵌されるシリンジ用キャップであって、基台部1と蓋部2と蝶番部3とから一体に形成されており、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とポリプロピレン(PP)との重量比が1:0.25〜0.42である混合合成樹脂から形成されている。このように本発明に係るシリンジ用キャップを形成する混合合成樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に対してポリプロピレン(PP)を重量比で0.25倍以上配合させているから、主成分となる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が柔軟性に加えて高い剛性を有している上に剛性の高いポリプロピレン(PP)が十分に配合されているので、シリンジ用キャップ全体の剛性及び蝶番部3のばね作用が損なわれることがない。しかしながら、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に対してポリプロピレン(PP)を重量比で0.42倍を超えて配合させると、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)による柔軟性が損なわれ、蝶番部3が破損し易くなるので、ポリプロピレン(PP)は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に対して重量比で0.42倍以下となるように配合する必要がある。
またこのような構成を有する本発明に係るシリンジ用キャップを実際に製造するには、シリンジ用キャップを構成する基台部1と蓋部2と蝶番部3とを混合合成樹脂から一体的に成型すればよいが、図4の如く基台部1や蓋部2は場所によって厚さが異なっており、また蝶番部3の近傍では切込み部1c,1c,2c,2cや切取り部又は切分け部2e,2e,1e,1e等が形成されていて複雑な形状をなしているので、図2のように蓋部2を閉じた状態で形成することは難しい。そのため基台部1と蓋部2と蝶番部3とを一体的に形成するには、基台部1及び蓋部2の内部や切取り部又は切分け部2e,2e,1e,1eが外側に露出した状態にする必要があり、例えば図3及び図4の如く蓋部2を大きく開いた状態で成型すれば、容易に製造することができる。
次に薄膜状の蝶番部3のばね作用について、蝶番部3の側端部を例にとって示す。図5の如く、開閉される蓋部2の大まかな回転中心をCとし、蝶番部3の側端部の上端をA(A1,A2,A3)及び下端をBとすれば、蓋部2は開閉の際におおよそ図5(a)〜(c)のように動く。その際、蝶番部3の側端部の上端Aも、図6の如くCを中心とした略円周上を動くのである。
先ず蓋部2を閉じた状態では、蝶番部3は外周面の外側に僅かに突出して形成された基台部1の凸条部1d及び蓋部2の凸条部2dを覆うように形成されているので、蝶番部3全体も外周面より外側に僅かに撓んでいるため、図5(a)及び図6の如く蝶番部3の側端部A1Bは直線ではなく外側に向けて僅かに湾曲した状態となっている。
この状態から蓋部2を徐々に押し上げれば、図5(b)及び図6の如く蝶番部3の側端部はA2Bの状態になり、Cを中心とした円の略直径即ちBCの2倍の長さとなるから側端部A2Bは最も伸びた状態となる。この時、蝶番部3には縮もうとする大きな力が働き最も不安定な状態となるため、僅かな力をCを中心とした円周方向に加えるだけで、蝶番部3の側端部A2Bは簡単にA1BやA3Bの状態になるのである。
蝶番部3の側端部がA2Bの状態から更に蓋部2が押し上げられれば、蝶番部3の側端部A3Bは、図1,図5(c)及び図6の如く僅かに反った状態になり、蓋部2はこの状態で静止する。このように蝶番部3の側端部がA3Bのように僅かに反った状態で安定する理由は、完全に反り返った状態では直線状(A2B)になろうとする力が働くが、反対にA2Bのような直線状になると大きく伸びた状態になるので撓んで縮もうとする力が働き、これらの力が釣り合ったA3Bのような僅かに反った状態で安定するのである。
また蓋部2を閉じた状態では、蝶番部3の側端部A1Bは外側に向けて僅かに湾曲した状態をなしているが、図6の如くA2BやA3Bの長さと比べてその長さが短く、伸びきった状態でないことが分かる。即ち蓋部2を閉じた状態は、曲げや伸びによるばね作用を殆ど受けていない略無負荷の状態で静止しているのである。そのため、蓋部2は僅かな力を加えるだけで簡単に動かすことができるため、本発明では例えば図4の如き係合用の凸条部が形成された基台係合部1bや蓋係合部2bによって確実に閉じた状態を維持させているのである。
またこのように蓋部2を閉じた状態では蝶番部3は略無負荷状態であるので、蓋部2を多少誤った方向からを押し上げて大きな負荷を加えても、蝶番部3にはその負荷に耐えるだけの十分な余裕があり破損し難いのである。
以上のような蝶番部3等の構成に加えて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とポリプロピレン(PP)との重量比が1:0.25〜0.42である混合合成樹脂から一体的に形成させることによって、本発明に係るシリンジ用キャップは、全体の剛性や蝶番部3のばね作用を損なうことなく、破損し難いシリンジ用キャップとすることができるのである。
本発明に係るシリンジ用キャップの1実施例の蓋部が開いた状態で静止している様子を示す側面図である。 図1のシリンジ用キャップの蓋部を閉じた状態を示す側面図である。 図1のシリンジ用キャップの蓋部を更に押し開いた状態を示す平面図である。 図3の側断面図である。 シリンジ用キャップが開閉する様子を示す説明図である。 蝶番部の側端部が変形する様子を示す説明図である。 本発明に係るシリンジ用キャップの他の実施例の側面図である。 本発明に係るシリンジ用キャップの更に他の実施例の側面図である。
1 基台部
1a 基部
1b 基台係合部
1c 切込み部
1d 凸条部
1e 切取り部又は切分け部
2 蓋部
2a 蓋部本体
2b 蓋係合部
2c 切込み部
2d 凸条部
2e 切取り部又は切分け部
2f 指当て部
3 蝶番部

Claims (3)

  1. 内部に感光性樹脂から成る歯冠用材料が充填されるシリンジ本体の上部注出口に外嵌されるシリンジ用キャップであって、
    略円筒状の基部(1a)とその上端に設けられており該基部(1a)の外径より小さな外径の基台係合部(1b)とから成りシリンジ本体の上部注出口に外嵌される基台部(1)と、
    上端が閉鎖され該基台部(1)の基部(1a)と略同径の外径を有する略円筒状の蓋部本体(2a)とその下端に設けられており内径が該基台部(1)の基台係合部(1b)の外径と略同一で該基台係合部(1b)に係合される蓋係合部(2b)とから成る蓋部(2)と、
    該蓋部(2)の蓋係合部(2b)の少なくとも外周面に下端から該蓋部本体(2a)に至る該蓋部(2)の中心軸と平行な直線状に切り込まれた切込み部(2c,2c)間と、該蓋部(2)と対向する該基台部(1)の基部(1a)に該基部(1a)の上端から該基台部(1)の中心軸と平行な直線状に該蓋部(2)の切込み部(2c,2c)と略同じ長さで且つ該切込み部(2c,2c)と略同じ深さに切り込まれた切込み部(1c,1c)間とに跨って形成された厚さが略均一な薄膜状の蝶番部(3)とから一体に形成されていて、
    該蝶番部(3)は、該蓋部(2)の切込み部(2c,2c)間の下端側外周面の略中央部で外側に僅かに突出して形成された凸条部(2d)の上部を構成する線と、該凸状部(2d)の各端部と対向する各該切込み部(2c,2c)の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に該蝶番部(3)の厚さを残すように該蓋係合部(2b)に形成された切取り部又は切分け部(2e,2e)の上端とから始まり、
    該基台部(1)の切込み部(1c,1c)間の上端側外周面の略中央部であって外側に僅かに突出して形成された凸条部(1d)の下部を構成する線と、該凸条部(1d)の各端部と対向する各該切込み部(1c,1c)の各端部とを結ぶ略三角形状の部位にその外周面側に該蝶番部(3)の厚さを残すように該基部(1a)に形成された切取り部又は切分け部(1e,1e)の下端とで終わり、
    直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とポリプロピレン(PP)との重量比が1:0.25〜0.42である混合合成樹脂から形成されていることを特徴とするシリンジ用キャップ。
  2. 蓋部(2)の切込み部(2c,2c)が蓋係合部(2b)を貫通する深さの切込み部(2c,2c)であり、該蓋部(2)の蓋係合部(2b)と基台部(1)の基部(1a)とにそれぞれ該蓋係合部(2b)の厚さから蝶番部(3)の厚さを差し引いた厚さだけ略三角形状の部位を切り取った切取り部(2e,2e,1e,1e)が形成されている請求項1に記載のシリンジ用キャップ。
  3. 蝶番部(3)の反対側に位置する蓋部(2)の外面に指当て部(2f)が更に設けられている請求項1又は2に記載のシリンジ用キャップ。
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