JP4948216B2 - 一液常温硬化型木材保存剤 - Google Patents

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Description

この発明は、木材中に注入又は浸透し、防腐防蟻効果を発揮させるための木材保存剤、及びこの木材保存剤を用いて処理した防腐木材に関する。
一般的に木材を地面上に長期間放置しておくと、腐食が生じたり、蟻によって食われたりする場合がある。これを防ぐため、圧力注入、塗布、吹きつけ、浸漬、窄孔等の方法で、木材に木材保存剤を浸透させ、防腐防蟻効果を付与する方法が知られている。
このような木材保存剤には、従来からクロム、銅、砒素系の薬剤が防腐防蟻化合物として使用されているが、木材防腐防蟻効果は高いものの衛生上の問題がある。一方、衛生面から見て好ましいものとして、硫酸銅等の水溶性銅化合物、銅化合物のアンモニア性水溶液、水溶性の銅化合物とアミンとの水溶液等が知られている。しかし、これらを使った木材保存剤は安定性、異臭等の問題点を有する。
これに対し、安定性を保持したり、異臭を抑制したりした防腐防蟻化合物として、銅化合物にアニオン発生化合物を加えた混合物や、特定の有機銅化合物等を使用したものが知られている(特許文献1〜3等参照)。
特開平05−032511号公報 特開平05−065206号公報 特開平05−085905号公報
しかしながら、上記の木材保存剤は、防腐防蟻化合物を、水や有機溶剤等の溶剤を用いて分散又は溶解されたものなので、これを木材中に注入・浸透等させ、上記溶剤を蒸発逸散させることによって、防腐防蟻化合物を木材細胞内に沈着させ、防腐防蟻効果を発揮させるものである。このため、木材中に水や空気が流入し、次いで流出したとき、防腐防蟻化合物が水や空気と共に、流出し、防腐防蟻性能が経時的に低下する恐れがある。そして、この流出した防腐防蟻化合物が、シックハウス症候群や、化学物質過敏症、他の生態系への悪影響等の原因となる恐れがある。
これらのことから、防腐防蟻化合物として、従来多量に使用されてきた、銅、クロム、ヒ素系の化合物は、使用規制の強化が行われる方向にある。さらに、防腐防蟻性能の非常に高いほう酸塩は、木材からの流出が顕著であるため、その使用について、用途限定の必要性が議論されている。
そこで、この発明は、木材内に注入・浸透等し、かつ、水や空気の出入りにもかかわらず、防腐防蟻化合物の流出が抑制され、木材内にそのほとんどが残存する木材保存剤を得ることを目的とする。
この発明は、下記の(A),(B),(C)及び(D)の各成分を含有し、25℃における粘度が2〜100mPa・sである一液常温硬化型木材保存剤を用いることにより、上記課題を解決したのである。
(A)成分:下記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物、
Si(OR4−n (1)
(上記式(1)中、Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含む炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記のRとRとは、同一であってもよく、異なってもよい。また、nは、1〜3の整数を示す。)
(B)成分:下記式(2)で示されるアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物、
(R−RSi(OR (2)
(上記式(2)中、Rは、メルカプト基、アミノ基、フェニルアミノ基、アミノエチルアミノ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、イソシアネート基、又はビニル基を示す。Rは、炭素数0〜4の二価の炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含む炭化水素基を示す。また、mは、1〜3の整数を、pは1〜3の整数を、qは0〜2の整数、m+p+q=4を示す。)
(C)成分:硬化触媒
(D)成分:防腐防蟻化合物
所定のアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物である(A)成分及び(B)成分、及び硬化触媒である(C)成分を含むので、この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤を木材に注入・浸透等した後、硬化反応が生じる。このため、木材の空孔を封じ、かつ、固定化させることができる。このため、水や空気の出入りが生じても、一液常温硬化型木材保存剤の流出が抑制され、木材内に一液常温硬化型木材保存剤のほとんどを残存させることができる。
また、この一液常温硬化型木材保存剤は、防腐防蟻化合物である(D)成分を含有するので、一液常温硬化型木材保存剤の木材内での固定化と同時に、防腐防蟻化合物も固定化され、防腐防蟻効果を発揮することができる。さらに、防腐防蟻化合物の流出が抑制され、環境への悪影響を抑止することができる。
この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤は、所定のアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物からなる(A)成分及び(B)成分、硬化触媒からなる(C)成分、並びに防腐防蟻化合物からなる(D)成分を含有する、木材用の保存剤である。
[(A)成分]
上記(A)成分は、下記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物である。この(A)成分を用いることにより、硬化後、木材表面に気孔を気孔内部から、又は気孔表面で封する、すなわち、封孔作用を発揮することができる。
Si(OR4−n (1)
上記の式(1)中、Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含む炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記のRとRとは、同一であってもよく、異なってもよい。また、nは、1〜3の整数を示す。
上記Rとしては、メチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等の芳香族基等があげられる。これらの中でも、Rの少なくとも1つがフェニル基であるのがより好ましい。
この(A)成分を構成するアルコキシシラン化合物の例としては、ブチルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシランやジアルキルジアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のフェニル基含有アルコキシシラン等があげられる。
また、アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物とは、上記アルコキシシラン化合物の単一物又は混合物に水を加え、塩酸、酢酸、蟻酸等の触媒の存在下で撹拌しながら昇温することにより、部分的に加水分解を生じさせて縮合させることにより得られた化合物をいう。
上記の複数種の化合物の混合物とは、上記アルコキシシラン化合物と、その部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物との混合物、上記部分加水分解縮合物から選ばれる複数種の化合物の混合物、上記アルコキシシラン化合物と、その部分加水分解縮合物から選ばれる複数種の化合物との混合物をいう。上記のうち、上記部分加水分解縮合物から選ばれる化合物を複数種用いて混合する場合、上記の各アルコキシシラン化合物を、別々に加水分解縮合してから混合してもよく、複数種の上記アルコキシシラン化合物を混合してから加水分解縮合してもよい。
上記加水分解を行う際に必要に応じて溶媒を用いることができる。溶媒としては、上記混合物を溶解して均一な溶液を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素化合物、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類等が用いられる。
[(B)成分]
上記(B)成分は、下記式(2)で示されるアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物である。この(B)成分を用いることにより、(A)成分のみを使用した場合に比べ、この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤を木材に塗布等して、注入・浸透させたとき、得られる硬化物又はこの硬化物からなる塗膜と木材との密着力がより向上し、実環境暴露時の耐久性がより向上する。
(R−RSi(OR (2)
上記式(2)中、Rは、メルカプト基、アミノ基、フェニルアミノ基、アミノエチルアミノ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、イソシアネート基、又はビニル基を示す。Rは、炭素数0〜4の二価の炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含む炭化水素基を示す。また、mは、1〜3の整数を、pは1〜3の整数を、qは0〜2の整数、m+p+q=4を示す。
上記(B)成分としてのアルコキシシラン化合物を加水分解縮合する方法、加水分解縮合の程度や使用する溶媒の種類等については、上記した(A)成分の場合と同様な方法、程度、溶媒の種類等を採用することができる。
この(B)成分を構成するアルコキシシラン化合物の例としては、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等があげられる。
また、アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物とは、上記アルコキシシラン化合物の単一物又は混合物に水を加え、塩酸、酢酸、蟻酸等の触媒の存在下で撹拌しながら昇温することにより、部分的に加水分解を生じさせて縮合させることにより得られた化合物をいう。
上記の複数種の化合物の混合物とは、上記アルコキシシラン化合物と、その部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物との混合物、上記部分加水分解縮合物から選ばれる複数種の化合物の混合物、上記アルコキシシラン化合物と、その部分加水分解縮合物から選ばれる複数種の化合物との混合物をいう。上記のうち、上記部分加水分解縮合物から選ばれる化合物を複数種用いて混合する場合、上記の各アルコキシシラン化合物を、別々に加水分解縮合してから混合してもよく、複数種の上記アルコキシシラン化合物を混合してから加水分解縮合してもよい。
[(A)成分と(B)成分の混合]
上記(A)成分及び(B)成分の混合比は、重量比で、(B)成分/(A)成分=5/95〜60/40がよく、7/93〜20/80が好ましい。(B)成分が5重量%より少ないと、この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤を木材内で硬化させたときに得られる硬化物の木材への密着がかける傾向があり、また、耐久性も低下する傾向がある。一方、(B)成分が60重量%より多いと、木材保存剤を木材内で硬化させたときに得られる硬化物の硬度が低下したり、耐久性が低下する傾向がある。
上記(A)成分及び(B)成分の組合せとして好ましいものとしては、(A)成分を構成するアルコキシシラン化合物として、メチルトリメトキシシランオリゴマー及びフェニルトリメトキシシランオリゴマーを用い、(B)成分を構成するアルコキシシラン化合物として、グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いる場合があげられる。
[(C)成分]
上記(C)成分は、硬化触媒からなり、上記(A)成分及び(B)成分を常温で十分に縮合させて硬化させるために必要な成分である。この(C)成分の例としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン等の有機チタン化合物、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物等の有機金属化合物、塩酸、クロム酸等の無機酸、酢酸、蟻酸、グリコール酸等の有機カルボン酸等から選ばれる1種の化合物又は2種以上の化合物の混合物があげられる。
上記(C)成分の中でも、常温で硬化可能となり、木材への腐蝕の影響がなく、使用条件に応じた硬化時間の調整が可能である点で、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン等の有機チタン化合物、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物が好ましい。
上記(C)成分の使用量(固形分)は、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部(固形分)に対し、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.1重量部より少ないと、常温での硬化速度が遅くなったり、硬化塗膜の強度が不足したりする場合がある。一方、10重量部より多いと、硬化速度が速くなりすぎて、ポットライフ(可使時間)が短くなるため、実用的でない。
[(D)成分]
上記(D)成分は、防腐防蟻化合物からなり、この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤を木材中に注入・浸透させた際、木材に対して防腐効果及び防蟻効果を発揮する化合物である。
この防腐防蟻化合物としては、クレオソート油、ホウ素化合物、無機銅化合物、無機クロム化合物、有機酸金属塩、有機金属化合物、4級アンモニウム塩系化合物、フェノール系化合物、有機ヨード系化合物、有機リン系化合物、ヒドロキシアミン系化合物、ナフタリン系化合物、キノリン系化合物、アニリド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ベンツチアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、チオシアネート系化合物、トリアゾール系化合物、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物等から選ばれる化合物があげられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、また、2種類以上を混合して用いてもよい。
この化合物の20℃における水への溶解度は、42.0重量%以下であることが好ましい。溶解度が42.0重量%より高いと、木材中に流入した水に溶解する量が多くなるため、この水の流出と共に、この防腐防蟻化合物が流出し、防腐防蟻性能の低下が著しくなる傾向がある。なお、この防腐防蟻化合物が水に溶解しないと、流出をより確実に防止できるので、この水への溶解度の下限は、0重量%がよい。
上記ホウ素化合物の具体例としては、ホウ砂、オルトホウ酸、メタホウ酸、InBO、Mg(BO等のオルトホウ酸塩、Mg、Co等の二ホウ酸塩、NaBO・2HO、NaBO・4HO、KBO、LiBO、Ca(BO等のメタホウ酸塩、Na・5HO等の四ホウ酸塩、KB・4HO、NH・4HO五ホウ酸アンモニウム等の五ホウ酸塩、Na13・4HO等の八ホウ酸塩、モクボーベネザーブ(商品名)等があげられる。
上記無機銅化合物の具体例としては、硫酸銅、酸化第二銅等があげられる。上記無機クロム化合物の具体例としては、無水クロム酸、重クロム酸ナトリウム等があげられる。上記有機酸金属塩の具体例としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、バーサチック酸亜鉛等があげられる。
上記有機金属化合物の具体例としては、オキシキノリン銅、ビストリブチルスズオキシド、トリブチルスズフタレート、トリス−(N−シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−アルミニウム(略称:NCH−Al)等があげられる。上記4級アンモニウム塩系化合物の具体例としては、塩化ベンザルコニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド等があげられる。
上記フェノール系化合物の具体例としては、2−フェニルフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、トリクロロフェノール、4−ブロム−2,5−ジクロロフェノール(略称:BDCP)、p−(2−フェニル−i−プロピル)フェノール(一般名:p−クミルフェノール)等があげられる。
上記有機ヨード系化合物の具体例としては、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール(一般名:IF−1000)、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート(一般名:サンプラス)等があげられる。
上記有機リン系化合物の具体例としては、0,0−ジエチル−0−(α−シアノベンジリデンアミノ)チオホスフェート(一般名:ホキシム)、0,0−ジメチル−0−(3−メチル−4−ニトロフェジル)チオホスフェート(一般名:フェニトロチオン)、0,0−ジエチル−0−(3−オキシ−2−フェニル−2Hピリダジン−6−イル)ホスホロチオエート(一般名:ピリダフェンチオン)、0,0−ジエチル−0−3,5,6−トリクロル−2−ピリジルホスホロチオエート(一般名:クロルピリホス)、0,0−ジエチル−0−2,4−ジクロロフェニルチオホスフェート(一般名:ジクロロフェンチオン)、0−[(E)−2−イソプロポキシカルボニル−1−メチルビニル]−0−メチルエチルホスホラミドチオエート(一般名:プロペタンホス)、2−クロロ−1−(2,4,5−トリクロロフェニル)ビニルメチルホスフェート(一般名:テトラクロルビンホス)等があげられる。
上記ヒドロキシアミン系化合物の具体例としては、N−ニトロソーN−シクロヘキシルヒドロキシルアミンカリウム、N−ニトロソ−N−シクロヘキシルヒドロキシルアミンアルミニウム(一般名キシラザンAL)等があげられる。
上記ナフタリン系化合物の具体例としては、モノクロロナフタリン等があげられる。上記キノリン系化合物の具体例としては、8−キノリノール(一般名:オキシン)等があげられる。
上記アニリド系化合物の具体例としては、N−メトキシ−N−シクロヘキシル−4−(2,5−ジメチルフラン)カルボアニリド、3−i−ブロボキシ−3’−トリフルオロメチルカルボアニリド等があげられる。
上記ハロアルキルチオ系化合物の具体例としては、N,N−ジメチル−N‘−(ジクロロフルオロメチルチオ)スルファミド、テトラクロロエチルチオテトラヒドロフタルイミド等があげられる。上記ベンツチアゾール系化合物の具体例としては、2−メルカプトベンズチアゾール、2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール(略称:TCMTB)等があげられる。
上記ベンゾイミダゾール系化合物の具体例としては、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンズイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(略称:TBZ)等があげられる。上記チオシアネート系化合物の具体例としては、メチレンビスチオシアネート(略称:MBT)等があげられる。
上記トリアゾール系化合物の具体例としては、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)]−1H−1,2,4−トリアゾール(一般名:プロピコナゾール)、1−(p−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルペンタン−3−オール(一般名:テブコナゾール)、2−(4−クロロフェニル)−3−シクロプロピル−1−(1,2,4−トリアゾールー1−イル)ブタンー2−ジオール(一般名:シプロコナゾール)、1−[{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキシソラン−2−イル}メチル]−1H−1,2,4−トリアゾールと1−[{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキシソラン−2−イル}メチル]−1H−1,3,4−トリアゾールとの混合物である一般名アザコナゾール等があげられる。
上記カーバメート系化合物の具体例としては、1−ナフチル−N−メチルカーバメート(一般名:カルバリル)、2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート(一般名:ブロボクスル)、2−sec−ブチルフェニル−N−メチルカーバメート(一般名:フェノブカルブ)等があげられる。
上記ピレスロイド系化合物の具体例としては、3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名:ペルメトリン)、(2−メチル[1,1−ビフェニル]−3−イル)メチル3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシロクロプロパンカルボキシラート(一般名:ビフェントリン)、α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシラート(一般名:トラロメスリン)、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシリックアシドシアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(一般名:シフェノトリン)、α−シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシ)ベンジル=2−(2,2−ジクロロビニル)−3,3−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート(一般名:シフルトリン)、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル(一般名:エトフェンブロックス)、α−シアノ−3−フェノキシベンジル−3−(2,2−ヂクロロビニル)−2,2−ジメチルクロロプロパンカルボキシラート(一般名:α−シペルメトリン)及びその異性体混合物等があげられる。
上記ネオニコチノイド系化合物の具体例としては、1−[(6‘−クロロ−3’−ピリジル)メチル]イミダゾリジン−2−(N−ニトロ)イミン(一般名イミダクロブリド)、(E)−N[6−クロロ−3−ピリジル]メチル]−N−シアノ)−N−メチルアセトアミジン(一般名アセタミプリド)等があげられる。
上記(D)成分の含有量は、上記(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。0.1重量部より少ないと、防腐防蟻性能を十分に発揮することができず、一方、30重量部より多いと、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分への分散が不安定となり、木材中への浸透が不均一化する傾向がある。
[(E)成分]
この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤には、必要に応じて、(E)成分である無機顔料及び/又は有機顔料を含有させることができる。この無機顔料は、得られる塗膜の着色の他、防食性、耐熱性などの諸性能を付与するために使用される。この無機顔料としては、特に制限されないが、金属及び合金並びにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、硫化物、窒化物等があげられる。また、上記有機顔料は、得られる塗膜の着色のために使用されるものであり、アゾ化合物、フタロシアニン化合物、染色レーキ、キノン化合物等があげられる。
具体例としては、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、ケイ酸鉛、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、硫酸鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭化珪素、窒化珪素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫化銅、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、雲母、カーボンブラック等の無機顔料や、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ、イソインドリン、キナクリドリン、ジオキサジンバイオレット等の有機顔料をあげることができる。これらは、目的とする色彩を得るために、1種のみを使用することができる他、2種以上を併用して使用することができる。
上記無機顔料及び有機顔料の平均粒子径は、体積換算のメジアン径で0.1〜5μmが好ましく、0.2〜2μmがより好ましい。平均粒子径が0.1μm未満では得られる塗膜の隠蔽性が低くなりやすく、5μmを超えると顔料の沈降が起こりやすくなったり、細孔への浸透性が低下したりする傾向となり良好な封孔剤が得られない。
また、上記無機顔料の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部に対して、5〜100重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。添加量が5重量部未満では得られる塗膜の隠蔽性が低くなりやすく、100重量部を超えると顔料の沈降が起こりやすくなったり、塗膜の可撓性が低下したりするなど良好な塗膜が得られない場合がある。
上記無機顔料の分散方法は、特に指定はないが、ビーズミル、ボールミル、三本ロール、ペイントシェーカー、サンドミルなど既知の湿式または乾式の分散機によって微粒子化され、分散されることが好ましい。また、この発明における着色木材保存剤は、顔料の分散の際に特に分散剤を必要としないが、必要に応じて既存の顔料分散剤を使用することも可能である。
[一液常温硬化型木材保存剤の製造]
この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤は、上記(A)成分、(B)成分〜(D)成分、及び必要に応じて(E)成分を、それぞれ上記した範囲の量ずつ混合することにより製造することができる。
[一液常温硬化型木材保存剤の粘度]
上記一液常温硬化型木材保存剤の粘度は、上記(E)成分を含まない場合は、当該一液常温硬化型木材保存剤の25℃において、2〜100mPa・sが必要で、6〜20mPa・sが好ましい。この範囲とすることによって、この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤として、溶剤を含まない無溶剤系の保存剤としても、流動性を保持することができ、木材内部への注入・浸透が可能となる。
また、上記(E)成分を含む上記一液常温硬化型木材保存剤の粘度は、当該一液常温硬化型木材保存剤から、(E)成分を除いたときに、上記の粘度範囲を満たせばよい。これは、(E)成分を含有する場合、この(E)成分は、塗工対象の木材表面に残るが、残りの(A),(B),(C)及び(D)の各成分は、木材内部への注入・浸透していくので、(A),(B),(C)及び(D)の各成分の混合物のみが、上記粘度条件を満たせば十分だからである。
[無溶剤型一液常温硬化型木材保存剤]
上記一液常温硬化型木材保存剤は上記各成分以外に、溶剤を用いてもよいが、溶剤を用いない、無溶剤型とした方が、木材に浸透させ、硬化、乾燥後に木材内に残る一液常温硬化型木材保存剤由来の固形分量が増加し、(A)成分及び(B)成分による封孔作用、(D)成分による防腐防蟻作用をより効率よく発揮することができる。また、木材表面に形成される硬質皮膜に溶剤の揮散による気孔が生じるのを防止でき、封孔作用をより確実に発揮することができる。
上記無溶剤型の一液常温硬化型木材保存剤とは、上記の(A)成分〜(D)成分、及び必要に応じて(E)成分を混合した後、また、必要に応じて、部分加水分解した後、使用していた溶剤を留出させ、この溶剤の留出がなくなった状態の一液常温硬化型木材保存剤をいう。具体的には、一般的に溶剤と呼ばれる化合物、例えば、沸点が145℃以下の炭化水素化合物や、酸素含有炭化水素化合物、窒素含有炭化水素化合物等の含有割合が、0.1重量%以下の一液常温硬化型木材保存剤をいう。上記の沸点が145℃以下の炭化水素化合物、酸素含有炭化水素化合物、及び窒素含有炭化水素化合物の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トリエチルアミン、トリメチルアミン等があげられる。
[防腐木材の製造]
この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤を、刷毛塗り、ローラー塗り、吹きつけ、浸漬等の方法によって木材に塗工することにより、この一液常温硬化型木材保存剤を木材内に注入又は浸透させ、上記(A)成分及び(B)成分を加水分解縮合させて硬化することにより、木材気孔内に防腐防蟻化合物を含有した樹脂を固定化させ、かつ、木材表面に硬化塗膜を形成させた防腐木材を得ることができる。
また、塗工量の調節、又は塗工後、硬化前にウェス等で木材表面の塗膜を拭い去ることにより、木材表面に塗膜を形成させることなく、木材気孔内のみに防腐防蟻化合物を含有した樹脂を固定化した防腐木材を得ることができる。
上記一液常温硬化型木材保存剤の木材への注入量又は浸透量は、木材の樹種や木材の乾燥程度によって大きく左右される。このため、木材としては、気乾材なみに乾燥されているものが好ましい。上記木材の樹種としては、スギ、ヒノキ、サワラ、マツ、ヒバ等があげられる。また、上記木材としては、上記の各単独樹種からなるものや、合板、パーティクルボード、ファイバーボード、集成材等、複数樹種を用いたもの等があげられる。
また、上記木材の乾燥の程度は、木材の完全乾燥体重量(すなわち、木材の細胞壁重量)に対する含有水分量、すなわち、含水率は、10〜20%が好ましい。20%より大きいと、上記一液常温硬化型木材保存剤の注入量又は浸透量が十分でない場合がある。一方、10%より少なくともよいが、乾燥機にかける必要が生じ、手間がかかるので、10%あれば十分である。
上記一液常温硬化型木材保存剤の木材への注入量又は浸透量は、20〜400g/mがよく、50〜150g/mが好ましい。20g/mより少ないと、防腐防蟻性能が十分に発揮できなかったり、防腐防蟻効果の持続時間が短くなったりしてしまうおそれがある。一方、400g/mより多いと、防腐防蟻化合物の溶出が起こることがあり、防腐防蟻効果が長続きせず、安全性に欠けるおそれがある。
また、上記一液常温硬化型木材保存剤からなる硬質塗膜を木材表面にも形成させる場合、得られる硬化塗膜の厚みは、10〜300μmが好ましく、40〜120μmがより好ましい。10μmより薄いと、隠蔽性が不十分で、意匠性を発揮できない場合がある。一方、300μmより厚いと、経時的に、塗膜にクラックを発生することがある。
さらに、上記一液常温硬化型木材保存剤を木材中に注入又は浸透させ、かつ、木材表面に硬質塗膜を形成させる場合、上記一液常温硬化型木材保存剤の塗工量は、40〜1000g/mがよく、100〜300g/mが好ましい。40g/mより少ないと、防腐防蟻性能がみたされなかったり、防腐防蟻効果の持続時間が短くなったりするおそれがある。一方、1000g/mより多いと、塗膜が厚くなりすぎ、経時的に、塗膜にクラックが発生する場合がある。
この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤は、常温で十分硬化可能であるが、必要に応じて加熱処理を行うと、より速く硬化を行うことができる。
上記防腐木材は、プレスカット部材、屋外製品部材、足場板、合板、集成材、単板積層材等に使用することができ、また、既存の木造構築物に使用することもできる。さらに、この発明にかかる一液常温硬化型木材保存剤は、既存の木材構築物に塗工して、防腐木材とすることができる。
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明する。まず、実施例及び比較例で用いた原材料、及び評価方法について説明する。
[原材料]
((A)成分)
・メチル基及びフェニル基含有アルコキシシランオリゴマー…信越化学工業(株)製:KR−213(以下、「KR213」と称する。)
・メチルトリメトキシシランオリゴマー…信越化学工業(株)製:KC89S(以下、「KC89S」と称する。)
((B)成分)
・γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン…信越化学工業(株)製:KBM−803(以下、「KBM803」と称する。)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン…東レ・ダウコーニング(株)製:SH6040(以下、「SH6040」と称する。)
((C)成分)
・テトラ−n−ブトキシチタン…日本曹達(株)製:B−1(以下、「チタン触媒」と称する。)
((D)成分)
・四ホウ酸ナトリウム…キシダ化学(株)製:試薬特級(水への溶解度(20℃):3.59重量%、以下、「ホウ酸Na」と称する。)
・四ホウ酸リチウム…キシダ化学(株)製:試薬特級(水への溶解度(20℃):2.8重量%、以下、「ホウ酸Li」と称する。)
・四ホウ酸カリウム…キシダ化学(株)製:試薬特級(水への溶解度(20℃):15.8重量%、以下、「ホウ酸K」と称する。)
・メタホウ酸ナトリウム…キシダ化学(株)製:試薬特級(水への溶解度(20℃):41.9重量%、以下、「メタホウ酸Na」と称する。)
・モクボーベネザーブ…大日本木材防腐(株)製、(水への溶解度(20℃):無限大、以下、「モクボーベネザーブ」と称する。)
((E)成分)
・顔料…アサヒ化成工業(株)製:コバルトグリーン1250(以下、「コバルト」と称する。)
[評価方法]
(溶出試験)
実施例及び比較例で得られた保存剤の溶出試験を、JIS K1571の「4.2.1.2.3 木材保存材表面処理用の耐侯操作」に基づき、下記の方法に従って行った。
1)試験体の調整…すぎ辺材(5mm×20mm×40mm(木口面:5mm×20mm、まさ目面:20mm×40mm)、温度60±2℃の循環式乾燥器で48時間乾燥し、30分間デシケーター中に放置した後、吸湿しないようにデシケーター中に保管したもの)を用いた。まず、このすぎ辺材の木口面をエポキシ樹脂塗料(コニシ(株)製:ボンドクイックメンダー)でシールし、次いで、まさ目面に、実施例又は比較例で得られた保存剤を刷毛にて、120g/m程度塗工した。
次に、顔料を含まない実施例1〜2、及び比較例1の保存剤を用いたものについては、塗工10分後、清浄な布にて試験体表面の保存剤を拭き取り、重量測定により、すぎ辺材に浸透した保存剤量(表1中において、「浸透量」と称する。)を測定した。
また、顔料を含む実施例3を用いたものについては、塗工10分後、試験体表面の保存剤を拭き取らずに、重量測定及び保存剤の膜厚を下記の方法で測定し、塗工した保存剤の全量、及びすぎ辺材表面に形成された膜の全量を算出することにより、すぎ辺材に浸透した保存剤量(表1中において、「浸透量」と称する。)を測定した。
そして、10日間、室温にて放置し、試験体を得た。
2)耐侯操作…上記試験体9個を、それぞれ500mlビーカーに入れ、試験体容積の10倍量の脱イオン水を加え、試験体をこの脱イオン水の中に沈めた。このときの脱イオン水の温度を25±3℃に調整した。5時間静置後、脱イオン水から取り出し、表面の水切りを行った。そして、40±2℃の循環式乾燥機中に19時間静置し、揮発分を揮発させた。これらの操作を10回繰り返した。
3)溶出量測定…10回、上記の操作を繰り返しビーカー中の脱イオン水を、JIS
K1570の「7.5.3 ほう素化合物の測定法(ICP発光分光分析)」に基づき、ホウ酸Naの溶出量を測定した。
そして、浸透させたホウ酸Naの量とから、溶出割合を算出した。
(防腐試験)
上記耐候操作後の試験体を用いて、JIS K1571の「4.2.1.2.3 木材保存剤表面処理用の耐侯操作」にしたがい、菌種として、オオウズラダケ及びカワラダケを用いて、防腐試験を行い、試験前後の木材質量を測定し、腐食による木材質量の減少率を算出し、JIS K1571の6.性能基準にしたがって、合否を判定した。評価基準は下記の通りである。
○:合格…質量減少率が3%以下
×:不合格…質量減少率が3%を超える
(防蟻試験)
上記耐候操作後の試験体を用いて、JIS K1571の「4.3.1.2.3 木材保存材表面処理用の食害操作」にしたがって防蟻性能試験を行い、蟻の死亡率、すなわち、死虫率を調べた。
また、試験前後の木材質量を測定し、蟻による木材質量の減少率を算出し、JIS K1571の6.性能基準にしたがって、合否を判定した。評価基準は下記の通りである。
○:合格…質量減少率が3%以下
×:不合格…質量減少率が3%を超える
(粘度)
東機産業(株)製:TVE−22H型粘度計を用い、コーン:1°34’(R:24)、20rpmの条件下で測定した。なお、実施例3においては、(A)成分〜(D)成分を混合した段階で測定し、かつ、次いで(E)成分を加えた後も測定した。
(ウェット膜厚の測定)
膜厚は、BYK−Gardner社製:ウェット膜厚計3504(測定レンジ 5〜150μm)にて、ウェット膜厚を測定した。
(実施例1〜6)
(A)成分〜(D)成分(実施例3は、(A)成分〜(E)成分)として、表1に示す各成分を表1に記載の量ずつ混合し、保存剤を製造した。得られた保存剤を用いて、上記の溶出試験、防腐試験、防蟻試験を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1、2)
保存剤として、従来の木材保存剤である、四ホウ酸ナトリウム(上記と同様。「ホウ酸Na」)又はモクボーベネザーブの4.4重量%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、各試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004948216

Claims (6)

  1. 下記の(A),(B),(C)及び(D)の各成分を含有し、25℃における粘度が2〜100mPa・sである一液常温硬化型木材保存剤。
    (A)成分:下記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物、
    Si(OR4−n (1)
    (上記式(1)中、Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含む炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記のRとRとは、同一であってもよく、異なってもよい。また、nは、1〜3の整数を示す。)
    (B)成分:下記式(2)で示されるアルコキシシラン化合物、及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種の化合物又は複数種の化合物の混合物、
    (R−RSi(OR (2)
    (上記式(2)中、Rは、メルカプト基、アミノ基、フェニルアミノ基、アミノエチルアミノ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、イソシアネート基、又はビニル基を示す。Rは、炭素数0〜4の二価の炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記Rは、炭素数1〜10の芳香族基を含む炭化水素基を示す。また、mは、1〜3の整数を、pは1〜3の整数を、qは0〜2の整数、m+p+q=4を示す。)
    (C)成分:硬化触媒
    (D)成分:防腐防蟻化合物
  2. (E)成分として無機顔料及び/又は有機顔料を含み、この(E)成分を除いたときの25℃における粘度が2〜100mPa・sである請求項1に記載の一液常温硬化型木材保存剤。
  3. 上記(C)成分を構成する硬化触媒が、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機アルミニウム化合物から得られる1種の化合物又は2種以上の化合物の混合物である請求項1又は2に記載の一液常温硬化型木材保存剤。
  4. 上記(D)成分を構成する防腐防蟻化合物が、クレオソート油、ホウ素化合物、無機銅化合物、無機クロム化合物、有機酸金属塩、有機金属化合物、4級アンモニウム塩系化合物、フェノール系化合物、有機ヨード系化合物、有機リン系化合物、ヒドロキシアミン系化合物、ナフタリン系化合物、キノリン系化合物、アニリド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ベンツチアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、チオシアネート系化合物、トリアゾール系化合物、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物、及びネオニコチノイド系化合物から選ばれ、かつ、20℃における水への溶解度が42.0重量%以下である化合物の1種又は2種以上の混合物である請求項1乃至3のいずれかに記載の一液常温硬化型木材保存剤。
  5. 上記(E)成分を構成する無機顔料及び/又は有機顔料の平均粒子径が0.1〜5μmである請求項2乃至4のいずれかに記載の一液常温硬化型木材保存剤。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の一液常温硬化型木材保存剤を木材に塗工され、この一液常温硬化型木材保存剤の上記(A)成分及び(B)成分の加水分解縮合によって、上記一液常温硬化型木材保存剤が上記木材内で固定化された防腐木材。
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