JP2001310302A - 木材用防腐・防虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法 - Google Patents
木材用防腐・防虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法Info
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- JP2001310302A JP2001310302A JP2000130197A JP2000130197A JP2001310302A JP 2001310302 A JP2001310302 A JP 2001310302A JP 2000130197 A JP2000130197 A JP 2000130197A JP 2000130197 A JP2000130197 A JP 2000130197A JP 2001310302 A JP2001310302 A JP 2001310302A
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- wood
- antiseptic
- insect repellent
- treating
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 木材の保存処理用注入装置の金属を腐食させ
ないで、木材に優れた防腐・防虫効果を付与でき、安全
性および安定性に優れた木材用防腐・防虫処理剤、およ
びそれを用いる処理方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 トロポロン系化合物を有効成分とし、こ
れに亜硝酸金属塩および水溶性ホウ素化合物を特定の割
合で配合した木材用防腐・防虫処理剤、およびその処理
剤を用いる木材の防腐・防虫処理方法により、上記の課
題を解決する。
ないで、木材に優れた防腐・防虫効果を付与でき、安全
性および安定性に優れた木材用防腐・防虫処理剤、およ
びそれを用いる処理方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 トロポロン系化合物を有効成分とし、こ
れに亜硝酸金属塩および水溶性ホウ素化合物を特定の割
合で配合した木材用防腐・防虫処理剤、およびその処理
剤を用いる木材の防腐・防虫処理方法により、上記の課
題を解決する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、木材の防腐・防
虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法に関する。
さらに詳細には、有効成分を高濃度に含有していても安
定性に優れ、しかも処理槽の金属を腐食させない木材用
防腐・防虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法に
関する。
虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法に関する。
さらに詳細には、有効成分を高濃度に含有していても安
定性に優れ、しかも処理槽の金属を腐食させない木材用
防腐・防虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法に
関する。
【０００２】
【従来の技術】木材は軽量でありながら強度が大きいこ
とや、加工のしやすさ、人体にやさしいなど、その優れ
た特質により様々な分野で重用されている。しかしなが
ら、生物系材料であるために避けられない幾つかの欠
点、すなわち燃え易い、狂い易い、腐り易い、虫に食わ
れ易い、変色し易い、割れ易いなどの性質を併せもって
いる。これらの欠点、特に木材腐朽菌による腐朽や、シ
ロアリ等による虫害を防ぐことは、木材の供用期間の延
長や木材製品の信頼性向上のために不可欠であり、これ
らの欠点が克服されれば、資源としての木材をより一層
有効に利用でき、ひいては地球環境の保全に大きく寄与
できる。
とや、加工のしやすさ、人体にやさしいなど、その優れ
た特質により様々な分野で重用されている。しかしなが
ら、生物系材料であるために避けられない幾つかの欠
点、すなわち燃え易い、狂い易い、腐り易い、虫に食わ
れ易い、変色し易い、割れ易いなどの性質を併せもって
いる。これらの欠点、特に木材腐朽菌による腐朽や、シ
ロアリ等による虫害を防ぐことは、木材の供用期間の延
長や木材製品の信頼性向上のために不可欠であり、これ
らの欠点が克服されれば、資源としての木材をより一層
有効に利用でき、ひいては地球環境の保全に大きく寄与
できる。
【０００３】従来から、木材の保存を図るために、薬剤
による処理が行われてきており、その具体的な方法とし
て減圧・加圧注入法、浸漬法、塗布法等が採用されてい
る。これらの方法のうち、減圧・加圧注入法は、木材を
鉄などの金属製の注入缶に入れ、この注入缶に配管接続
された薬液貯蔵・回収タンクから減圧下に薬液を導入
し、木材を薬液に浸漬し、加圧して薬液を木材の内部ま
で浸透させた後、残った薬液を再び薬液貯蔵・回収タン
クに戻して再使用する方法であり、広く採用されてい
る。また、薬剤に関しては、安価で効力の持続性および
金属に対する防食性に優れた、加圧注入型水溶性防腐・
防虫薬剤として、銅・クロム・ヒ素を主成分とするＣＣ
Ａ薬剤がその主流として最近まで重用されてきた。
による処理が行われてきており、その具体的な方法とし
て減圧・加圧注入法、浸漬法、塗布法等が採用されてい
る。これらの方法のうち、減圧・加圧注入法は、木材を
鉄などの金属製の注入缶に入れ、この注入缶に配管接続
された薬液貯蔵・回収タンクから減圧下に薬液を導入
し、木材を薬液に浸漬し、加圧して薬液を木材の内部ま
で浸透させた後、残った薬液を再び薬液貯蔵・回収タン
クに戻して再使用する方法であり、広く採用されてい
る。また、薬剤に関しては、安価で効力の持続性および
金属に対する防食性に優れた、加圧注入型水溶性防腐・
防虫薬剤として、銅・クロム・ヒ素を主成分とするＣＣ
Ａ薬剤がその主流として最近まで重用されてきた。
【０００４】しかし、これらの有害な元素を含む薬剤
は、経済性と効力の面では都合が良いものの、そのよう
な薬剤で処理された木材が耐用年数を過ぎて廃棄される
際に、焼却されたりすると、有害な元素が環境中に拡散
する危険性があるため、環境汚染が大きな社会問題とな
っている昨今では、注入プラントからの排水規制強化へ
の対応が困難なことも相俟って、敬遠される傾向にあ
る。そのため、ＣＣＡ薬剤に代わる加圧注入型木材保存
薬剤として、銅化合物と有機系殺菌剤とを併用するもの
が上市されつつある。しかしながら、この薬剤は、銅耐
性菌の出現による効力低下の問題や、処理された木材を
屋外で使用した場合の有機系殺菌成分の効力持続性に問
題があり、しかも重金属である銅が環境規制に抵触する
懸念もある。
は、経済性と効力の面では都合が良いものの、そのよう
な薬剤で処理された木材が耐用年数を過ぎて廃棄される
際に、焼却されたりすると、有害な元素が環境中に拡散
する危険性があるため、環境汚染が大きな社会問題とな
っている昨今では、注入プラントからの排水規制強化へ
の対応が困難なことも相俟って、敬遠される傾向にあ
る。そのため、ＣＣＡ薬剤に代わる加圧注入型木材保存
薬剤として、銅化合物と有機系殺菌剤とを併用するもの
が上市されつつある。しかしながら、この薬剤は、銅耐
性菌の出現による効力低下の問題や、処理された木材を
屋外で使用した場合の有機系殺菌成分の効力持続性に問
題があり、しかも重金属である銅が環境規制に抵触する
懸念もある。
【０００５】また、第４級アンモニウム塩、ホウ酸系化
合物、水溶性アルカノールアミンおよび亜鉛イオン供給
化合物から構成される木材防腐・防虫薬剤を、木材に加
圧注入して防腐・防虫処理を行なう方法も提案されてい
るが（特公平５−２３１６３号公報）、この薬剤も重金
属である亜鉛を含むために、環境面での配慮が必要とな
る傾向にある。したがって、既存の減圧・加圧注入装置
を利用できて、ＣＣＡ薬剤に代わり得る高い安全性と効
力持続性を兼ね備えた木材用防腐・防虫処理剤の早期開
発が望まれている。
合物、水溶性アルカノールアミンおよび亜鉛イオン供給
化合物から構成される木材防腐・防虫薬剤を、木材に加
圧注入して防腐・防虫処理を行なう方法も提案されてい
るが（特公平５−２３１６３号公報）、この薬剤も重金
属である亜鉛を含むために、環境面での配慮が必要とな
る傾向にある。したがって、既存の減圧・加圧注入装置
を利用できて、ＣＣＡ薬剤に代わり得る高い安全性と効
力持続性を兼ね備えた木材用防腐・防虫処理剤の早期開
発が望まれている。
【０００６】他方、青森ヒバ材などヒノキ科の木材に含
まれるヒノキチオールなどのトロポロン系化合物は、木
材の高耐久性の原因物質であることが報告されており、
現に天然または合成のヒノキチオールを抗菌剤として種
々の用途に応用する試みが行われており、木材用防腐剤
の成分として利用する提案もなされている。また、銅や
亜鉛などの重金属を含まない有効成分として、ホウ素化
合物が木材用の防虫剤として使用されている。ホウ素化
合物は魚毒性に配慮は要るものの、目薬の成分としても
使用されているなど、人体に対する安全性は高く、化学
的にも安定である。さらに、ホウ素化合物とヒノキチオ
ールとを配合してなる白蟻駆除剤（特開平１１−１４１
０号）や、ヒノキチオールを含む植物から抽出された精
油、水溶性界面活性剤、ホウ酸／ホウ砂、および／また
は防虫薬剤を混合してなる木材防虫処理剤（特開平６−
１３５８１２号）も提案されている。
まれるヒノキチオールなどのトロポロン系化合物は、木
材の高耐久性の原因物質であることが報告されており、
現に天然または合成のヒノキチオールを抗菌剤として種
々の用途に応用する試みが行われており、木材用防腐剤
の成分として利用する提案もなされている。また、銅や
亜鉛などの重金属を含まない有効成分として、ホウ素化
合物が木材用の防虫剤として使用されている。ホウ素化
合物は魚毒性に配慮は要るものの、目薬の成分としても
使用されているなど、人体に対する安全性は高く、化学
的にも安定である。さらに、ホウ素化合物とヒノキチオ
ールとを配合してなる白蟻駆除剤（特開平１１−１４１
０号）や、ヒノキチオールを含む植物から抽出された精
油、水溶性界面活性剤、ホウ酸／ホウ砂、および／また
は防虫薬剤を混合してなる木材防虫処理剤（特開平６−
１３５８１２号）も提案されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒノキ
チオールなどのトロポロン系化合物は、注入缶に使用さ
れている鉄などの金属イオンと錯体を作り易いため、鉄
製の注入缶が腐食され易いばかりでなく、ヒノキチオー
ル本来の効力が失活し易い。そのため、繰り返し使用さ
れる木材処理剤としては実用に供し難く、しかも鉄汚染
による着色を生じて木材の品質を低下させるなどの問題
があった。この問題を解決するために、ヒノキチオール
などのトロポロン系化合物に亜硝酸ナトリウムを添加す
ることを試みたが、金属腐食性は抑制されるものの、ヒ
ノキチオールの分解が促進され、効力の失活および着色
がより顕著になった。
チオールなどのトロポロン系化合物は、注入缶に使用さ
れている鉄などの金属イオンと錯体を作り易いため、鉄
製の注入缶が腐食され易いばかりでなく、ヒノキチオー
ル本来の効力が失活し易い。そのため、繰り返し使用さ
れる木材処理剤としては実用に供し難く、しかも鉄汚染
による着色を生じて木材の品質を低下させるなどの問題
があった。この問題を解決するために、ヒノキチオール
などのトロポロン系化合物に亜硝酸ナトリウムを添加す
ることを試みたが、金属腐食性は抑制されるものの、ヒ
ノキチオールの分解が促進され、効力の失活および着色
がより顕著になった。
【０００８】また、ホウ酸、ホウ砂などのホウ素化合物
は水に対する溶解度が常温では数％と低いため、濃縮タ
イプの薬剤を調製すると、低温環境下で結晶が析出する
などの問題があり、木材の防腐・防虫処理剤として満足
できるものではなかった。この発明は上記のような現状
に鑑みてなされたものであり、安全で環境面に悪影響が
なく、製剤の安定性に優れ、鉄などの金属に対する腐食
性がなく、かつ長期間にわたって効力が持続する木材用
防腐・防虫処理剤、およびそれを用いる処理方法を提供
することを課題とするものである。
は水に対する溶解度が常温では数％と低いため、濃縮タ
イプの薬剤を調製すると、低温環境下で結晶が析出する
などの問題があり、木材の防腐・防虫処理剤として満足
できるものではなかった。この発明は上記のような現状
に鑑みてなされたものであり、安全で環境面に悪影響が
なく、製剤の安定性に優れ、鉄などの金属に対する腐食
性がなく、かつ長期間にわたって効力が持続する木材用
防腐・防虫処理剤、およびそれを用いる処理方法を提供
することを課題とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
上記の課題を解決するため鋭意研究の結果、ヒノキチオ
ール等のトロポロン系化合物を有効成分とし、これに亜
硝酸金属塩および水溶性ホウ素化合物を特定割合で配合
することにより、金属防食性に優れ、さらにヒノキチオ
ール等のトロポロン系化合物の分解が抑制され、長期間
に亘って効力が持続する木材用防腐・防虫処理剤が得ら
れることを見出した。
上記の課題を解決するため鋭意研究の結果、ヒノキチオ
ール等のトロポロン系化合物を有効成分とし、これに亜
硝酸金属塩および水溶性ホウ素化合物を特定割合で配合
することにより、金属防食性に優れ、さらにヒノキチオ
ール等のトロポロン系化合物の分解が抑制され、長期間
に亘って効力が持続する木材用防腐・防虫処理剤が得ら
れることを見出した。
【００１０】かくして、この発明によれば、トロポロン
系化合物１重量部に対して、亜硝酸金属塩を２〜２５重
量部および水溶性ホウ素化合物を２０〜２００重量部配
合したことを特徴とする木材用防腐・防虫処理剤が提供
される。
系化合物１重量部に対して、亜硝酸金属塩を２〜２５重
量部および水溶性ホウ素化合物を２０〜２００重量部配
合したことを特徴とする木材用防腐・防虫処理剤が提供
される。
【００１１】また、この発明によれば、トロポロン系化
合物１重量部に対して、亜硝酸金属塩を２〜２５重量部
および水溶性ホウ素化合物を２０〜２００重量部配合し
てなる木材用防腐・防虫処理剤で、木材を処理すること
を特徴とする木材の防腐・防虫処理方法が提供される。
合物１重量部に対して、亜硝酸金属塩を２〜２５重量部
および水溶性ホウ素化合物を２０〜２００重量部配合し
てなる木材用防腐・防虫処理剤で、木材を処理すること
を特徴とする木材の防腐・防虫処理方法が提供される。
【００１２】
【発明の実施の形態】この発明で用いられるトロポロン
系化合物としては、ヒノキチオール（β−ツヤプリシ
ン）、α−ツヤプリシン、γ−ツヤプリシン、β−ドラ
ブリンおよびノートカチンなどが挙げられ、これらの中
でもヒノキチオールが特に好ましく、天然物からの抽出
品、合成品を問わず好適に用いることができる。亜硝酸
金属塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムな
どの亜硝酸アルカリ金属塩が好ましく、これらの中でも
亜硝酸ナトリウムが特に好ましい。
系化合物としては、ヒノキチオール（β−ツヤプリシ
ン）、α−ツヤプリシン、γ−ツヤプリシン、β−ドラ
ブリンおよびノートカチンなどが挙げられ、これらの中
でもヒノキチオールが特に好ましく、天然物からの抽出
品、合成品を問わず好適に用いることができる。亜硝酸
金属塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムな
どの亜硝酸アルカリ金属塩が好ましく、これらの中でも
亜硝酸ナトリウムが特に好ましい。
【００１３】また、水溶性ホウ素化合物としては、オル
トホウ酸、メタホウ酸などのホウ酸化合物およびそれら
のアルカリ金属塩であるホウ砂（Borax、四ホウ酸ナト
リウム十水塩）、ティンボア（八ホウ酸二ナトリウム四
水塩）などが挙げられ、取扱い易さ、作業性および防腐
・防虫効果の点から、オルトホウ酸およびホウ砂から選
ばれた１種以上が特に好ましい。なお、ホウ砂単独、あ
るいはホウ酸化合物とホウ砂との混合物を水溶性ホウ素
化合物として用いる場合には、亜硝酸金属塩の添加量が
極めて少量でも金属腐食性が抑制され、顕著な防腐・防
虫効果を有する木材用防腐・防虫処理剤が得られること
から、特に好ましい実施態様である。
トホウ酸、メタホウ酸などのホウ酸化合物およびそれら
のアルカリ金属塩であるホウ砂（Borax、四ホウ酸ナト
リウム十水塩）、ティンボア（八ホウ酸二ナトリウム四
水塩）などが挙げられ、取扱い易さ、作業性および防腐
・防虫効果の点から、オルトホウ酸およびホウ砂から選
ばれた１種以上が特に好ましい。なお、ホウ砂単独、あ
るいはホウ酸化合物とホウ砂との混合物を水溶性ホウ素
化合物として用いる場合には、亜硝酸金属塩の添加量が
極めて少量でも金属腐食性が抑制され、顕著な防腐・防
虫効果を有する木材用防腐・防虫処理剤が得られること
から、特に好ましい実施態様である。
【００１４】この発明の木材用防腐・防虫処理剤に配合
されるトロポロン系化合物、亜硝酸金属塩および水溶性
ホウ素化合物は、いずれもそれぞれ単独でまたは２種以
上のものを組合せて用いることができる。そして、処理
剤中の各成分の配合割合は、トロポロン系化合物１重量
部に対して、亜硝酸金属塩が２〜２５重量部、好ましく
は２〜１０重量部であり、水溶性ホウ素化合物が２０〜
２００重量部、好ましくは１００〜２００重量部であ
る。
されるトロポロン系化合物、亜硝酸金属塩および水溶性
ホウ素化合物は、いずれもそれぞれ単独でまたは２種以
上のものを組合せて用いることができる。そして、処理
剤中の各成分の配合割合は、トロポロン系化合物１重量
部に対して、亜硝酸金属塩が２〜２５重量部、好ましく
は２〜１０重量部であり、水溶性ホウ素化合物が２０〜
２００重量部、好ましくは１００〜２００重量部であ
る。
【００１５】また、この発明の木材用防腐・防虫処理剤
に、ジエチレングリコールモノメチルエーテル（ＭＤ
Ｇ）のようなグリコール系溶剤や、ツインタイプの界面
活性剤などを配合すると、処理剤中のトロポロン系化合
物および水溶性ホウ素化合物の溶解性をさらに一層高め
ることができて好ましい。
に、ジエチレングリコールモノメチルエーテル（ＭＤ
Ｇ）のようなグリコール系溶剤や、ツインタイプの界面
活性剤などを配合すると、処理剤中のトロポロン系化合
物および水溶性ホウ素化合物の溶解性をさらに一層高め
ることができて好ましい。
【００１６】この発明によれば、上記のようにしてなる
木材用防腐・防虫処理剤を用いて、木材処理用の減圧・
加圧可能な注入缶、薬液貯蔵・回収用タンクおよびこれ
らを接続する配管から構成される木材注入処理系内で、
木材を常法により処理することからなる木材の防腐・防
虫処理方法が提供される。木材の処理方法は、この減圧
・加圧注入法のほかに、塗布とか浸漬などの通常の方法
であってもよい。この方法で木材に注入されるべき処理
剤中の各成分の量は、処理される木材の種類や用途、形
状によっても左右されるが、通常、木材１ｍ3当たり、
トロポロン系化合物は約５０ｇである。そのためには処
理液中のトロポロン系化合物の濃度を５０〜１０００ｍ
ｇ／ｋｇとすると都合がよい。水溶性ホウ素化合物の注
入量は、通常、木材１ｍ3当たりホウ酸換算で約４ｋ
ｇ、好ましくは約６ｋｇ以上であり、そのためには処理
液中の水溶性ホウ素化合物の濃度を１０〜５０ｇ／ｋｇ
とすると都合がよい。また、亜硝酸金属塩の処理液中の
濃度を０．１〜２０ｇ／ｋｇとすると都合がよい。
木材用防腐・防虫処理剤を用いて、木材処理用の減圧・
加圧可能な注入缶、薬液貯蔵・回収用タンクおよびこれ
らを接続する配管から構成される木材注入処理系内で、
木材を常法により処理することからなる木材の防腐・防
虫処理方法が提供される。木材の処理方法は、この減圧
・加圧注入法のほかに、塗布とか浸漬などの通常の方法
であってもよい。この方法で木材に注入されるべき処理
剤中の各成分の量は、処理される木材の種類や用途、形
状によっても左右されるが、通常、木材１ｍ3当たり、
トロポロン系化合物は約５０ｇである。そのためには処
理液中のトロポロン系化合物の濃度を５０〜１０００ｍ
ｇ／ｋｇとすると都合がよい。水溶性ホウ素化合物の注
入量は、通常、木材１ｍ3当たりホウ酸換算で約４ｋ
ｇ、好ましくは約６ｋｇ以上であり、そのためには処理
液中の水溶性ホウ素化合物の濃度を１０〜５０ｇ／ｋｇ
とすると都合がよい。また、亜硝酸金属塩の処理液中の
濃度を０．１〜２０ｇ／ｋｇとすると都合がよい。
【００１７】この発明の木材用防腐・防虫処理剤で処理
された木材を、浸透性・造膜性を有する硬化型合成樹脂
塗料でさらに全面塗装処理すれば、処理済みの木材を屋
外で使用しても水溶性ホウ素化合物が木材から溶脱し難
く、さらにトロポロン系化合物の木材からの揮発が抑制
されて、防腐・防虫効果がより一層補強され、屋外での
長期使用にも十分耐え得る性能を有する。そのような硬
化型合成樹脂塗料としては、例えばポリウレタン樹脂塗
料などが挙げられる。
された木材を、浸透性・造膜性を有する硬化型合成樹脂
塗料でさらに全面塗装処理すれば、処理済みの木材を屋
外で使用しても水溶性ホウ素化合物が木材から溶脱し難
く、さらにトロポロン系化合物の木材からの揮発が抑制
されて、防腐・防虫効果がより一層補強され、屋外での
長期使用にも十分耐え得る性能を有する。そのような硬
化型合成樹脂塗料としては、例えばポリウレタン樹脂塗
料などが挙げられる。
【００１８】
【実施例】この発明を実施例により詳細に説明するが、
これらの実施例によりこの発明が限定されるものではな
い。なお、実施例における「ＭＤＧ」はジエチレングリ
コールモノメチルエーテルの略称であり、各成分の配合
割合を示す数字は、特に断りのないかぎり重量部を示
す。「界面活性剤」としては、三洋化成工業株式会社製
のイオネットＴ−６０ｃ（商品名）を、「ヒノキチオー
ル」としては、大阪有機化学工業株式会社製の合成ヒノ
キチオールＳ−ＨＴ（商品名）を用いた。
これらの実施例によりこの発明が限定されるものではな
い。なお、実施例における「ＭＤＧ」はジエチレングリ
コールモノメチルエーテルの略称であり、各成分の配合
割合を示す数字は、特に断りのないかぎり重量部を示
す。「界面活性剤」としては、三洋化成工業株式会社製
のイオネットＴ−６０ｃ（商品名）を、「ヒノキチオー
ル」としては、大阪有機化学工業株式会社製の合成ヒノ
キチオールＳ−ＨＴ（商品名）を用いた。
【００１９】実施例１〜６ 後記の表１および表２に記載の各成分を含む処理剤を水
に溶解して、表１および表２に記載の数字で示される濃
度（重量％）となるように処理液を調製した。
に溶解して、表１および表２に記載の数字で示される濃
度（重量％）となるように処理液を調製した。
【００２０】比較例１〜４ 後記の表１および表２に記載の各成分を含む処理剤を水
に溶解して、表１および表２に記載の数字で示される濃
度（重量％）となるように処理液を調製した。
に溶解して、表１および表２に記載の数字で示される濃
度（重量％）となるように処理液を調製した。
【００２１】試験例 ［腐食抑制効果確認試験］上記の実施例１〜６および比
較例１〜３で得られた各処理液について、鉄腐食抑制性
能を試験した。
較例１〜３で得られた各処理液について、鉄腐食抑制性
能を試験した。
【００２２】試験方法 ＳＰＣＣ（低炭素鋼）のプレート（３０×５０×１ｍ
ｍ）をキシレンおよびアセトンで洗浄し、このプレート
を各処理液に完全に浸して４０℃で５日間静置した。静
置後、プレートを脱イオン水で洗浄し、プレート表面を
目視により観察して腐食の程度を評価した。
ｍ）をキシレンおよびアセトンで洗浄し、このプレート
を各処理液に完全に浸して４０℃で５日間静置した。静
置後、プレートを脱イオン水で洗浄し、プレート表面を
目視により観察して腐食の程度を評価した。
【００２３】試験結果 試験で用いられた各処理液中の各成分の濃度（ｍｇ／ｋ
ｇ）および試験結果を表１に示す。また、表１中の各記
号は次の意味である。 ○：腐食なし ＋：ごく一部に腐食あり ++：部分的な腐食あり +++：全体が腐食
ｇ）および試験結果を表１に示す。また、表１中の各記
号は次の意味である。 ○：腐食なし ＋：ごく一部に腐食あり ++：部分的な腐食あり +++：全体が腐食
【００２４】
【表１】
【００２５】［ヒノキチオール分解抑制効果確認試験］
上記の実施例４、比較例１および比較例４で得られた各
処理液について、ヒノキチオール分解抑制性能を試験し
た。
上記の実施例４、比較例１および比較例４で得られた各
処理液について、ヒノキチオール分解抑制性能を試験し
た。
【００２６】試験方法 各処理液をメタノールで希釈して、次に示す条件の高速
液体クロマトグラフィー（ＨＰＬＣ）により、製剤を調
製した後に室温で１日間保存した後と、その後さらに製
剤を６０℃で７日間保存した後のヒノキチオール濃度
（ＨＴ濃度：ｍｇ／ｌ）を定量した。 ＨＰＬＣ条件： 移動相 （1ｍM EDTA ＋ 20ｍM KH2PO4）：アセトニト
リル＝60：40 (v/v) 流速 1.0 ml/min、 カラム温度 40℃、 検出波長
320nm カラム 資生堂 CAPCELL PAK C18 UG120 (Size 4.6mm
×150mm)
液体クロマトグラフィー（ＨＰＬＣ）により、製剤を調
製した後に室温で１日間保存した後と、その後さらに製
剤を６０℃で７日間保存した後のヒノキチオール濃度
（ＨＴ濃度：ｍｇ／ｌ）を定量した。 ＨＰＬＣ条件： 移動相 （1ｍM EDTA ＋ 20ｍM KH2PO4）：アセトニト
リル＝60：40 (v/v) 流速 1.0 ml/min、 カラム温度 40℃、 検出波長
320nm カラム 資生堂 CAPCELL PAK C18 UG120 (Size 4.6mm
×150mm)
【００２７】試験結果 試験で用いられた各処理液中の各成分の濃度（ｍｇ／ｋ
ｇ）および試験結果を表２に示す。
ｇ）および試験結果を表２に示す。
【００２８】
【表２】
【００２９】
【発明の効果】この発明によれば、濃縮タイプでありな
がら、安定性および安全性に優れ、かつ金属製の処理装
置に対する腐食性が抑制された木材用防腐・防虫処理剤
を提供できる。したがって、この発明の木材用防腐・防
虫処理剤およびそれを用いる処理方法は、ヒノキチオー
ルによる注入缶の腐食問題を回避でき、しかも処理液の
繰り返し使用にも適しており、環境面、安全性、処理操
作、効率のいずれの点でも極めて優れている。
がら、安定性および安全性に優れ、かつ金属製の処理装
置に対する腐食性が抑制された木材用防腐・防虫処理剤
を提供できる。したがって、この発明の木材用防腐・防
虫処理剤およびそれを用いる処理方法は、ヒノキチオー
ルによる注入缶の腐食問題を回避でき、しかも処理液の
繰り返し使用にも適しており、環境面、安全性、処理操
作、効率のいずれの点でも極めて優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ０１Ｎ 65/00 Ａ０１Ｎ 65/00 Ａ Ｆターム(参考） 2B230 AA01 AA04 BA01 BA17 BA18 CA01 CA14 CB30 DA02 EB02 EB03 EB13 4H011 AA02 AC03 BA04 BA06 BB05 BB18 BB22 BC18 DD07
Claims (5)
- 【請求項１】 トロポロン系化合物１重量部に対して、
亜硝酸金属塩を２〜２５重量部および水溶性ホウ素化合
物を２０〜２００重量部配合したことを特徴とする木材
用防腐・防虫処理剤。 - 【請求項２】 トロポロン系化合物が、ヒノキチオール
（β−ツヤプリシン）である請求項１に記載の木材用防
腐・防虫処理剤。 - 【請求項３】 亜硝酸金属塩が、亜硝酸アルカリ金属塩
である請求項１または２に記載の木材用防腐・防虫処理
剤。 - 【請求項４】 水溶性ホウ素化合物がオルトホウ酸およ
びホウ砂から選ばれた１種以上である請求項１〜３のい
ずれかに記載の木材用防腐・防虫処理剤。 - 【請求項５】 トロポロン系化合物１重量部に対して、
亜硝酸金属塩を２〜２５重量部および水溶性ホウ素化合
物を２０〜２００重量部配合してなる木材用防腐・防虫
処理剤で、木材を処理することを特徴とする木材の防腐
・防虫処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000130197A JP2001310302A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 木材用防腐・防虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000130197A JP2001310302A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 木材用防腐・防虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001310302A true JP2001310302A (ja) | 2001-11-06 |
Family
ID=18639344
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|---|---|---|---|
| JP2000130197A Pending JP2001310302A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 木材用防腐・防虫処理剤およびそれを用いる木材の処理方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2001310302A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US7462227B2 (en) | 2005-12-30 | 2008-12-09 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Ibuprofen complexes as wood preservatives |
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| CN102845416A (zh) * | 2011-07-01 | 2013-01-02 | 大日本除虫菊株式会社 | 芳香性防虫驱虫剂 |
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| CN104057509A (zh) * | 2014-05-27 | 2014-09-24 | 定远县林能木业有限责任公司 | 一种木地板用木材疏水改性处理剂 |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000130197A patent/JP2001310302A/ja active Pending
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| WO2015008811A1 (ja) * | 2013-07-19 | 2015-01-22 | 株式会社片山化学工業研究所 | 鉄の防食方法及び木材処理方法 |
| CN104057509A (zh) * | 2014-05-27 | 2014-09-24 | 定远县林能木业有限责任公司 | 一种木地板用木材疏水改性处理剂 |
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