JP4947974B2 - ウェットシート収納容器 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェットシートの収納容器に関するものである。より詳しくは、ウェットシートを重畳状態で収納し、上面中央部がゴム等の可撓性部材で形成され、この可撓性部材にスリット等からなるウェットシート引出部が形成された、ウェットシートの収納容器に関するものである。
図1に示すように、この種のウェットシート収納容器100としては、上面102の中央部がゴム等の可撓性部材103で形成され、この可撓性部材103に直線状のスリットからなるウェットシート引出部104が形成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
このウェットシート収納容器100は、複数枚のウェットシートを重畳状態で収納する。この重畳は、通常、図2の(1)に示すように、各ウェットシートTがそれぞれ半分に折り畳まれ、この折り畳みによって形成された各ウェットシートTの上側片Taが、その上のウェットシートTの上側片Taと下側片Tbとの間に、各ウェットシートTの下側片Tbが、その下のウェットシートTの上側片Taと下側片Tbとの間に、それぞれ挟み込まれた状態となっている。ウェットシートT,T…がこのような重畳状態にあるため、各ウェットシートTを取り出すと、次(下)のウェットシートTN(図2の(2)参照)の上側片Taがウェットシート引出部104から露出し、次のウェットシートTNを容易に引き出すことができる(ポップアップ機能)。
もっとも、この従来のウェットシート収納容器100によると、図2の(2)に示すように、各ウェットシートTを引き出すにあたり、次のウェットシートTNの上端縁が全長に渡ってウェットシート引出部104を囲む可撓性部材103の端縁103aに引っかかることがある。この引っかかりが生じると、次のウェットシートTNの上側片Taがウェットシート引出部104から露出せず、ウェットシート収納容器100内に落ちてしまう。結果、次のウェットシートTNを容易に引き出すことができなくなる。
そこで、この従来のウェットシート収納容器100は、ウェットシート引出部104を、ウェットシートTの引出中心部105において、2本以上のスリットが交わる構成としている。これにより、引出中心部105からウェットシート収納容器100内に指を挿入することができ、指を挿入してウェットシート収納容器100内に落ちた次のウェットシートTNを引き出すことができる。
なお、ウェットシートTは、通常、指で摘まれて引き出されるため、この指で摘まれた部位を中心に(指で摘まれた部位が先行して)引き出されることになる。本明細書では、この部位の平面位置を、引出中心部という。
しかしながら、ウェットシート収納容器100内に落ちた次のウェットシートTNを引き出すよりも、次のウェットシートTNがウェットシート収納容器100内に落ちてしまわない方が、当然に好ましく、引き出し容易といえる。また、ウェットシート収納容器100内に指を挿入することは、ウェットシート収納容器100内に残るウェットシートT,T…の乾燥の原因になる。通常、ウェットシート引出部104は、開閉蓋101等で覆ってまでして乾燥を防いでおり、この点は大きな問題といえる。さらに、引出中心部105において2本以上のスリットが交わる構成とすると、各ウェットシートTは、引き出されるにあたり、引出中心部105に向かう力を加えられることになるため、この引出中心部105に集まって(よって)、紐状になってしまう。通常の乾燥した(ドライ)シートであれば、紐状になったとしても比較的容易に広げることができるが、ウェットシートは一度紐状になってしまうと、広げるのが大変であり、引き出し容易とはいえなくなる。
特表2003−529505号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、ウェットシートを容易に引き出すことができる、ウェットシート収納容器を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
複数枚のウェットシートを重畳状態で、かつ各ウェットシートを取り出すと、次のウェットシートの上側片がウェットシート引出部から露出するように収納され、上面中央部が可撓性部材で形成され、この可撓性部材にウェットシートの引出部が形成された、ウェットシート収納容器であって、
前記引出部が、前記ウェットシートの上端縁と平行な直線状の線状貫通部からなる両端部と、これらの間を繋ぐ曲線状の線状貫通部とを有する構成とされ
前記曲線状の線状貫通部は、前記両端部の直線状の線状貫通部を繋ぐ中心線を挟んで一方に湾曲する曲線状の線状貫通部と、他方に湾曲する曲線状の線状貫通部とからなるものとされている、ことを特徴とするウェットシート収納容器。
〔請求項2記載の発明〕
前記引出部は、前記ウェットシートの引出中心部以外の部位において、2本以上の線状貫通部が交わる構成とされている、請求項1記載のウェットシート収納容器。
〔請求項記載の発明〕
前記線状貫通部が貫通孔とされ、かつこの貫通孔の幅が0.5〜10.0mmとされている、請求項1又は2記載のウェットシートの収納容器。
本発明によると、ウェットシートを容易に引き出すことができる、ウェットシート収納容器となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。なお、本形態のウェットシート収納容器は、従来のウェットシート収納容器と基本形態を同一とすることができ、ウェットシートの引出部が異なる点のみを、主な特徴とする。そこで、以下では、図3〜8に基づいて、ウェットシートTの引出部10を中心に説明する。
〔第1の形態(参考形態)〕
本形態のウェットシート収納容器は、従来のウェットシート収納容器100と同様に、上面(102)の中央部が可撓性部材3で形成され、この可撓性部材3にウェットシートTの引出部10が形成されて、主になる。
しかしながら、本形態のウェットシート収納容器は、従来は引出部104が直線状のスリットで構成されていたのに対し、引出部10が1本以上の線状貫通部で構成され、この線状貫通部の少なくとも1本が曲線状とされている、という点で、従来のウェットシート収納容器100と異なる。引出部10を1本以上の線状貫通部で構成し、この線状貫通部の少なくとも1本を曲線状とすると、各ウェットシートTを引き出すにあたり、次のウェットシートTNの上端縁が「全長に渡って」引出部10を囲む可撓性部材3の端縁に引っかかるということがなくなる。つまり、次のウェットシートTNの上端縁の少なくとも一部は、必ず引出部10を囲む可撓性部材3の端縁に引っかからなくなる。したがって、次のウェットシートTNの上側片Taの少なくとも一部は、必ず引出部10から露出することになる。しかも、線状貫通部の少なくとも1本を曲線状とすると、この曲線状貫通部と次のウェットシートTNの上側片Taとが交差することになるため、次のウェットシートTNの上側片Taが引出部10(曲線状貫通部)を囲む可撓性部材3の端縁によって挟み込まれた状態となる。したがって、次のウェットシートTNが収納容器内に落ちてしまうことがなく、次のウェットシートTNを容易に引き出すことができる。
本形態のウェットシート収納容器において、線状貫通部が何本あるか、そのうち何本が曲線状とされているかは、特に限定されない。例えば、図3に示すように、一方(紙面上方)に湾曲する曲線状の線状貫通部11、他方(紙面下方)に湾曲する曲線状の線状貫通部12、及び、一方(紙面上方)に湾曲する曲線状の線状貫通部13、がこの順につながって引出部10が構成された形態、つまり、線状貫通部が3本、その全てが曲線状とされた形態を例示することができる。この形態によると、次のウェットシートTNの上端縁が、少なくとも引出部10上の部位A及び部位Bにおいては引っかからなくなるため、これらの部位A及びBにおいては、次のウェットシートTNの上側片Taが必ず露出することになる。しかも、これらの部位A及びBにおいては、次のウェットシートTNの上側片Taが、引出部10(曲線状貫通部)を囲む可撓性部材3の端縁によって挟み込まれた状態となる。したがって、次のウェットシートTNが収納容器内に落ちてしまうことがなく、次のウェットシートTNを容易に引き出すことができる。
〔第2の形態(本発明に係る形態)〕
図4に示すように、本形態の引出部10は、直線状の線状貫通部15、一方(紙面上方)に湾曲する曲線状の線状貫通部16、他方(紙面下方)に湾曲する曲線状の線状貫通部17、及び、直線状の線状貫通部18、がこの順につながる構成とされている。
第1の形態では、曲線状貫通部11,12,13が小さく曲がっている(湾曲している)が、これに限定する趣旨ではない。本形態の曲線状貫通部16,17のように、大きく曲がっていてもよい。曲がり方が大きいと、次のウェットシートTNが、引出部10を囲む可撓性部材3の端縁に引っかからなくなる部位(第1の形態では、部位A及びB。)が、形成されやすくなる、との利点がある。また、次のウェットシートTNの上側片Taを、引出部10を囲む可撓性部材3の端縁が挟み込む力が大きくなる、との利点もある。
一方、第1の形態では、全ての線状貫通部が曲線状貫通部11,12,13とされていたが、これに限定する趣旨ではない。本形態のように、両端の線状貫通部を、直線状貫通部15,18とすることもできる。
〔第3の形態(参考形態)〕
図5に示すように、本形態の引出部10は、一方(紙面下方)に小さく湾曲する線状貫通部21、一方(紙面下方)に小さく湾曲し、かつ線状貫通部21とこの線状貫通部21の一端(紙面右側端)を中心とする左右線対象とされた線状貫通部22、他方(紙面上方)に小さく湾曲し、かつ線状貫通部22とこの線状貫通部22の一端(紙面右側端)を中心とする点対象とされた線状貫通部23、及び、他方(紙面上方)に湾曲し、かつ線状貫通部23とこの線状貫通部23の一端(紙面右側端)を中心とする左右線対象とされた線状貫通部24、がこの順につながり、また、一方(紙面上方)に延在する直線状の線状貫通部25が線状貫通部21の一端(紙面右側端)(線状貫通部22の他端(紙面左側端)でもある。)である部位Cに、他方(紙面下方)に延在する直線状の線状貫通部26が線状貫通部24の他端(紙面左側端)(線状貫通部23の一端(紙面右側端)でもある。)である部位Dに、それぞれつながる構成とされている。つまり、本形態においては、引出部10が、ウェットシートTの引出中心部以外の部位である部位C及びDにおいて、2本以上の線状貫通部である線状貫通部21、線状貫通部22及び線状貫通部25が、又は、線状貫通部23、線状貫通部24及び線状貫通部26が、それぞれ交わる構成とされている。このように、本形態では、2本以上の線状貫通部が交わる構成とされているので、基本的に、次のウェットシートTNが収納容器10内に落ちてしまわない構成となってはいるが、仮に落ちてしまったとしても、部位C又は部位Dから指を挿入して、収納容器10内に落ちた次のウェットシートTNを引き出すことができる。また、本形態では、2本以上の線状貫通部が、ウェットシートTの引出中心部以外の部位において、交わる構成とされているので、各ウェットシートTを引き出すにあたり、このウェットシートTが引出中心部に集まって(よって)、紐状になってしまうおそれもない。
部位Cや部位D等の引出中心部以外の部位において、何本の線状貫通部が交差しているかは、特に限定されない。例えば、2本、3本、4本又はそれ以上の複数本の線状貫通部が交差している形態とすることができる。
〔第4の形態(参考形態)〕
図6に示すように、本形態の引出部10は、一方(紙面上方)に大きく湾曲する線状貫通部28、直線状貫通部29、及び、他方(紙面下方)に大きく湾曲する線状貫通部31、がこの順につながる構成とされている。つまり、本形態では、引出部10の両端部を構成する線状貫通部28及び31が、曲線状とされている。これにより、各ウェットシートTを引き出すにあたり、このウェットシートTの両端部が、可撓性部材3の引出部10を囲む端縁から、それぞれ一方外方(紙面左上)E又は他方外方(紙面右下)Fに向かう抵抗力を受け、この抵抗力により、各ウェットシートTが常に広がった状態で引き出されることになる。
ここで、両端部28及び31は、いずれか一方のみが曲線状とされているにすぎなくてもよいが、各ウェットシートTを全体にわたって広がった状態で引き出すという観点からは、本形態のように、両方が曲線状とされている方が好ましい。また、両端部28及び31の曲がり方も特に限定されないが、各ウェットシートTに確実に抵抗力を生じさせて確実に広げるという観点からは、本形態のように、円弧状とされている方が好ましい。さらに、両端部28及び31が一方(紙面上方)及び他方(紙面下方)のいずれに湾曲しているかは特に限定されないが、各ウェットシートTが確実に広がった状態で引き出すという観点からは、両者28及び29が相互に反対方向に湾曲しているのが好ましい。
〔第5の形態(参考形態)〕
図7に示すように、本形態の引出部10は、一方(紙面下方)に円弧状に大きく湾曲する線状貫通部33、他方(紙面上方)に大きく湾曲する線状貫通部34、一方(紙面下方)に大きく湾曲する線状貫通部35、及び、他方(紙面上方)に円弧状に大きく湾曲する線状貫通部36、がこの順につながる構成とされている。
第4の形態では、引出部10の両端部28及び31の間が、直線状貫通部29によって構成されていたが、これに限定する趣旨ではない。本形態のように、曲線状貫通部34,35で構成されていてもよい。本形態のように、曲線状貫通部34,35によって構成されていると、次のウェットシートTNの、引出部10を囲む可撓性部材3の端縁に引っかからなくなる部位(第1の形態でいう部位A及びB。)が、増えることになる、との利点がある。
〔第6の形態(参考形態)〕
図8に示すように、本形態の引出部10は、一方(紙面下方)に湾曲する線状貫通部37、一方(紙面下方)に湾曲する線状貫通部38、一方(紙面下方)に湾曲し、かつ線状貫通部38とこの線状貫通部38の一端(紙面右側端)を中心とする左右線対象とされた線状貫通部39、他方(紙面上方)に湾曲し、かつ線状貫通部39とこの線状貫通部39の一端(紙面右側端)を中心とする点対象とされた線状貫通部41、他方(紙面上方)に湾曲し、かつ線状貫通部41とこの線状貫通部41の一端(紙面右側端)を中心とする左右線対象とされた線状貫通部42、及び、他方(紙面上方)に湾曲する線状貫通部43、がこの順につながり、また、一方(紙面上方)に延在する直線状の線状貫通部44が線状貫通部38の一端(紙面右側端)(線状貫通部39の他端(紙面左側端)でもある。)に、他方(紙面下方)に延在する直線状の線状貫通部45が線状貫通部42の他端(紙面左側端)(線状貫通部41の一端(紙面右側端)でもある。)に、それぞれつながる構成とされている。つまり、本形態は、以上第1〜5の形態における指挿入機構や両端部拡幅機構などを併せもった形態とされている。
〔その他〕
(1)本形態において、線状貫通部は、線状となっており、かつ収納容器10の外側と内側とを連通させる、つまり貫通した構成となっている。線状貫通部は、例えば、スリットなどで形成することができる。ただし、線状貫通部は、貫通孔とされ(この場合、引出部は引出口となる。)、かつこの貫通孔の幅L(図3中の拡大図参照)が、0.5〜10.0mm、好ましくは1.0〜5.0mm、より好ましくは2.0〜4.0mmとされているのが望ましい。幅Lが0.5mm以上とされていると、(第1の形態でいう部位A及びBによる)次のウェットシートTNの引っかかり防止効果が確実に得られる。他方、幅Lが10.0mm以下とされていると、次のウェットシートTNが引出部10を囲む可撓性部材3の端縁によって確実に挟まれ、収納容器10内に落ちてしまうことがなくなる。
(2)本形態において、可撓性部材の素材は特に限定されない。従来と同様に、例えば、シリコン樹脂等の軟材質、加硫ゴム、熱可塑性エラストマー、弾性繊維、弾性発泡体、合成ゴム、発泡ポリエチレン等の弾性体を使用することができる。
(3)本明細書において、線状貫通部の本数は、曲線状から直線状に変わる等の形状変化がある場合に、それぞれを別の線状貫通部ととらえ、それぞれを1本として表現している。しかしながら、これは本発明を説明するための便宜上の表現であり、例えば、「1本の線状貫通部の一部が曲線状(残りは直線状)になっている」などと表現することもできる。つまり、これらは、表現(説明)の仕方の違いにすぎないことを付言しておく。
本発明は、家庭、オフィス、自動車内などのさまざまな生活空間において使用されるウェットシートの収納容器として、適用可能である。
従来のウェットシート収納容器の斜視図である。 ウェットシートの積層状態を示す図である。 引出部の形態例である。 引出部の形態例である。 引出部の形態例である。 引出部の形態例である。 引出部の形態例である。 引出部の形態例である。
3…可撓性部材、10…引出部、11,12,13,15,16,17,18,21,22,23,24,25,26,28,29,31,33,34,35,36,37,38,39,41,42,43…線状貫通部、100…ウェットシート収納容器、101…開閉蓋、102…上面、103…可撓性部材、104…引出部、105…引出中心部、T…ウェットシート、TN…次のウェットシート、Ta…上側片、Tb…下側片。

Claims (3)

  1. 複数枚のウェットシートを重畳状態で、かつ各ウェットシートを取り出すと、次のウェットシートの上側片がウェットシート引出部から露出するように収納され、上面中央部が可撓性部材で形成され、この可撓性部材にウェットシートの引出部が形成された、ウェットシート収納容器であって、
    前記引出部が、前記ウェットシートの上端縁と平行な直線状の線状貫通部からなる両端部と、これらの間を繋ぐ曲線状の線状貫通部とを有する構成とされ
    前記曲線状の線状貫通部は、前記両端部の直線状の線状貫通部を繋ぐ中心線を挟んで一方に湾曲する曲線状の線状貫通部と、他方に湾曲する曲線状の線状貫通部とからなるものとされている、ことを特徴とするウェットシート収納容器。
  2. 前記引出部は、前記ウェットシートの引出中心部以外の部位において、2本以上の線状貫通部が交わる構成とされている、請求項1記載のウェットシート収納容器。
  3. 前記線状貫通部が貫通孔とされ、かつこの貫通孔の幅が0.5〜10.0mmとされている、請求項1又は2記載のウェットシートの収納容器。
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