JP4946774B2 - シリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンの製造方法、特には太陽電池原料用シリコンに関する。
冶金グレードシリコンは、炭素、珪石を混合してアーク炉により還元製造されている。この冶金グレードシリコンとHClの反応によりトリクロルシランを合成し、これを精留精製後、水素を用いて高温で還元して半導体グレードシリコンが製造される。太陽電池用原料シリコンは、半導体グレードシリコンの規格外品を主な原料としている。
前記の半導体グレードシリコンの製法では、極めて高純度のシリコンを製造できるが、シリコンへの転換率が低く、この平衡をシリコンに有利にするために多量の水素が必要なこと、それでも転換率が低いために多くの未反応ガスを再度循環使用する必要があること、未反応ガス中に種々のハロゲン化シランが生成するため、再度蒸留によって分離が必要になること、最終的に水素で還元できない四塩化珪素が多量に生成してくること、などのために高コストである。
一方、太陽電池は、近年の炭酸ガスなどの環境問題に対しての有力な解決手段として注目されていて、需要も著しい伸びを示している。しかしながら、現在の太陽電池は、まだ高価なため、これにより得られる電力の価格は商業電力の電気代に比較して数倍である。現在、環境問題、増加するエネルギー需要に対応して太陽電池の需要が伸張して、従来の半導体規格外シリコンだけでは原料に不足する事態になりつつあり、多量の低コスト太陽電池の供給が望まれている。
従来から、四塩化珪素をアルミニウムで還元する方法(非特許文献1、特許文献1、特許文献2)、四塩化珪素の亜鉛還元法(非特許文献2)、トリクロルシランの流動床還元(非特許文献3)など、種々の提案がなされているが、いずれもまだ実用化されていない。
また、アルミニウムモノクロライドを用いてTiCl4を還元してTiを製造する方法が提案されている(特許文献3、特許文献4)。これはアイデアを述べただけの特許であり、アルミニウムモノクロライドが存在して還元剤として働いたかどうかについては何の実験データもない。実験例としては、これもアルミニウムサブハライドの確認がなされたわけではないが、アルミニウムサブハライドを用いて二酸化マンガンを還元するという提案がなされている(特許文献5)。
吉沢四郎、端野朝康、阪口新、四塩化ケイ素のアルミニウム還元、工業化学雑誌64(8) 1347-50(1961) 特開平2−64006号公報 特開昭59−182221号公報 Evaluation of selecdted chemical processes for production of low-cost silicon, J. M. Blocher, et. al. Jet propulsion laboratory final report (1981) 昭和55-62年度新エネルギー総合開発機構委託業務成果報告書「太陽光発電システム実用化技術開発 低コストシリコン実験精製検証」総括版 昭和63年、信越化学工業株式会社 USP2766111 USP6699305 USP3950162
本発明の目的は、高純度シリコンの新規で安価な製造方法、特に太陽電池用原料として好適に用いられる高純度シリコンの新規で安価な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、高純度シリコンの製造方法について鋭意検討した結果、アルミニウムサブハライドを用いてSiCl4を還元させることにより、高純度シリコンを製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、〔1〕下式(1)で表されるハロゲン化珪素を下式(2)で表されるアルミニウムサブハライドで還元することを特徴とするシリコンの製造方法に係るものである。
SiHn4-n: (1)
AlHm3-p-m: (2)
(式中、nは、0または1〜3の整数であり、mは0または1であり、mが0のときpは1または2、mが1のときpは1であり、Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。)
更に、本発明は、〔2〕下式(3)で表されるハロゲン化珪素を下式(4)で表されるアルミニウムサブハライドで還元することを特徴とするシリコンの製造方法
SiX4: (3)
AlX2-q: (4)
(式中、qは、0または1であり、Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。)、
〔3〕ハロゲン化珪素とアルミニウムサブハライドを400〜1400℃の温度で接触させることを特徴とする〔1〕または〔2〕記載のシリコンの製造方法、
〔4〕還元剤として使用するアルミニウムサブハライド中に含まれるシリコン原子が10%以下、かつ純度が99.9原子%以上である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法(ここでアルミニウムサブハライドの純度は、アルミニウムサブハライド中のシリコンを除いた金属原子の合計を100原子%とし、これから、含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛との合計の原子%を差し引いたものである。)、
〔5〕還元剤として使用するアルミニウムサブハライド中に含まれるシリコン原子が1%以下、かつ純度が99.9原子%以上である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔6〕アルミニウムサブハライドに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下である〔4〕または〔5〕に記載のシリコンの製造方法(ここで各元素の濃度は、アルミニウムサブハライド中の金属原子の合計に対して計算される数値である。)、
〔7〕アルミニウムサブハライドに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である請求項4または5に記載のシリコンの製造方法、
〔8〕アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔9〕アルミニウムサブハライドに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、(XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20)≦1である〔4〕〜〔8〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔10〕アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が10ppm以下である〔4〕〜〔9〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔11〕アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下である〔4〕〜〔10〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔12〕アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが1ppm以下である〔4〕〜〔11〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔13〕ハロゲン化珪素の濃度が10体積%以上、アルミニウムサブハライドの濃度が10体積%以上であり、かつシリコンのアルミニウムに対するモル比が1以上となるような割合で接触させる〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔14〕ハロゲン化珪素の純度が4N以上である〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法、
〔15〕前記の〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載のシリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製する高純度シリコンの製造方法、
に係るものである。
本発明の製法により得られるシリコンは、純度が5N以上、さらには6N以上にすることができ、特に好ましくないとされる不純物のホウ素が1ppm以下、、リンが0.3ppm以下にすることができるので、太陽電池原料として好適に用いることができる。
本発明のシリコンの製造方法は、前記の式(1)で表されるハロゲン化珪素を式(2)で表されるアルミニウムサブハライドで還元することを特徴とするシリコンの製造方法である。本発明のシリコンの製造方法として、好ましくは、(3)で表されるハロゲン化珪素を式(4)で表されるアルミニウムサブハライドで還元することを特徴とするシリコンの製造方法が挙げられる。
本発明において、還元剤として用いるアルミニウムサブハライド中に含まれるシリコン原子が10%以下、かつ該アルミニウムサブハライドの純度は、99.9原子%以上が好ましく、アルミニウムサブハライド中に含まれるシリコン原子が1%以下が更に好ましい。該アルミニウムサブハライドの純度は、更に好ましくは99.99原子%以上、特に好ましくは99.995原子%以上である。本発明において、アルミニウムサブハライドの純度は、アルミニウムを100原子%とし、これから、アルミニウムサブハライドに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の原子%を差し引いたものである。本発明において、シリコンの純度は、100原子%から、シリコンに含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の原子%を差し引いたものである。
本発明において、純度分析は、グロー放電質量分析法により行う。
本発明におけるアルミニウムサブハライドは、それに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下であることが好ましい(ここで各元素の濃度は、アルミニウムサブハライド中の金属原子の合計に対して計算される数値である。)。
さらに、アルミニウムサブハライドに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下であることが好ましい。
また、本発明におけるアルミニウムサブハライドは、アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が150ppm以下、銅が290ppm以下、チタンが7ppm以下、バナジウムが20ppm以下であることが好ましい。
さらに、アルミニウムサブハライドに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、(XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20)≦1であることがより好ましい。
さらに、アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が10ppm以下であることが好ましい。
さらに、アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下であることが好ましい。
さらに、アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが1ppm以下であることが好ましい。
また、ハロゲン化珪素の濃度が10体積%以上、アルミニウムサブハライドの濃度が10体積%以上であり、かつシリコンのアルミニウムに対するモル比が1以上となるような割合で接触させることが好ましい。
該ハロゲン化珪素としては、四塩化珪素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロルシランが挙げられる。コストを考慮すると四塩化珪素が最も好ましい。これらのハロゲン化珪素は、工業的に良く知られている方法で製造された高純度品を使用できる。公知の製造方法としては、珪石と炭素の共存下、1000〜1400℃の高温で塩素化する方法、又は冶金グレードシリコンと塩素もしくは塩化水素の反応などにより製造する方法などがある。このようにして得られたハロゲン化珪素を蒸留することにより、6N以上の高純度ハロゲン化珪素を製造できる。
本発明における原料として用いるハロゲン化珪素の純度としては、4N以上が好ましく、6N以上がさらに好ましく、7N以上が特に好ましい。また、特にP、Bの含有量は0.5ppm以下が好ましく、0.3ppm以下が更に好ましく、0.1ppm以下が特に好ましい。
得られるシリコン中の鉄、銅、ガリウム、チタン、ニッケル、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛の各元素は方向凝固で精製可能ではあるが、方向凝固の収率を高めるためには、それぞれの元素の含有量については、鉄は好ましくは150ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
銅は好ましくは290ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
チタンは好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下、より更に好ましくは3ppm以下、もっとより更に好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下;
ニッケルは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、より更に好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下;
ナトリウムは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
マグネシウムは好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下;更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下;
亜鉛は好ましくは300ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは3ppm以下である。
アルミニウムサブハライドに含まれるこれらの元素以外のもので、Pについては、後に用いることがあるシリコンの精製工程である方向凝固で除くことができないため、アルミニウムサブハライドに含まれるPの濃度は、好ましくは0.5ppm以下、さらに好ましくは0.3ppm以下、特に好ましくは0.1ppm以下がよい。
また、ホウ素も方向凝固の精製が難しいために、アルミニウムサブハライドに含まれるホウ素の濃度は、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下がよい。
また、バナジウムは好ましくは20ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、更に好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.1ppm以下である。
これら影響のある各元素の合計値が好ましい数値以下であるだけでなく、好ましくは、アルミニウムサブハライドに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、(XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20)≦1である。
本発明におけるアルミニウムサブハライドは、通常市販の電解還元アルミニウム(普通アルミニウム)またはそれを、偏析凝固法、三層電解法などによって精製した高純度アルミニウムを、塩素、または三塩化アルミニウムとを高温で反応(800K以上)することにより合成される。
この合成反応に供するアルミニウムの形状としては、箔、粉末、融液などがありうる。反応速度の面からはできるだけ表面積の大きい形状が好ましい。
得られたアルミニウムサブハライドは高温(800K以上)で安定のため、合成後はこれ以下の温度に冷却することなくハロゲン化珪素との反応容器に送り込む必要がある。
本発明の製造方法において、ハロゲン化珪素とアルミニウムサブハライドの反応の方法としては、所定温度以上の耐熱性反応容器の中に予めハロゲン化珪素を吹き込んだ後、所定温度にてアルミニウムサブハライドを吹き込む方法、または反応容器内にアルミニウムサブハライドとハロゲン化珪素を同時に供給して反応させる方法などが挙げられる。
反応温度としては、好ましくは400℃〜1400℃、より好ましくは500℃〜1200℃、更に好ましくは600℃〜1000℃である。400℃以上の温度であれば、反応速度が充分であり好ましく、1400℃以下であれば、この反応は進行する。更に、1000℃以下であればハロゲン化珪素と反応生成物のシリコンの間の反応で低次のハロゲン化珪素が生成して、シリコンの収率が低下することが少なくなるので好ましい。
反応容器の材質は、反応温度における耐熱性があり、シリコンを汚染しない材料が好ましく、炭素、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、石英などが挙げられる。
本発明の方法において、反応性を制御するためにハロゲン化珪素を不活性ガスにて希釈して供給しても良い。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などが挙げられる。
本発明の反応においては、精製されたシリコンのほかに副生物が生じることがある。副生物は、例えば三塩化アルミニウムである。三塩化アルミニウムは、200℃以上においてはガスであるので、反応系を200℃以上に保持して、未反応ハロゲン化珪素、希釈ガス、三塩化アルミニウムガスの混合ガスとシリコンとの固気分離を行なうことが好ましい
本発明の方法により生成した未反応ハロゲン化珪素、希釈ガス、三塩化アルミニウムガスの混合ガスを、引き続き200℃以下に冷却することにより、三塩化アルミニウムを固体とし、未反応ハロゲン化珪素+希釈ガスの気体と分離することが好ましい。
未反応ハロゲン化珪素は、必要に応じて希釈ガスから分離して、再度アルミニウムサブハライドとの反応に用いることができる。希釈ガスからの分離は、冷却してハロゲン化珪素を液体とし、気液分離により行うことができる。
本発明の方法において、得られた三塩化アルミニウムは極めて高純度であるので、そのまま、または必要に応じて精製後、再度アルミニウムと反応させてアルミニウムサブハライドを合成するための原料とする。このアルミニウムサブハライドを合成後の余剰分は、そのまま無水三塩化アルミニウムとして触媒などに利用することも可能であるし、水と反応させてポリ塩化アルミニウムとしたり、それを中和することによって水酸化アルミニウムとしたり、水蒸気、または酸素と高温で反応させてアルミナとすることも可能である。
本発明の方法において、ハロゲン化珪素とアルミニウムサブハライドは、反応の自由エネルギーが大きな負のために反応は平衡論的には化学量論比で進行するが、速度論的な観点、後の分離工程から考えて、アルミニウムサブハライドよりもハロゲン化珪素を過剰量とするほうが好ましい。
本発明の方法において、反応の雰囲気はハロゲン化珪素ガス、又はハロゲン化珪素ガスと不活性ガスの混合ガスが好ましく、反応の進行のためには、水、酸素などが存在しないことが好ましい。
また、塩化水素が存在すると、それに応じてアルミニウムサブハライドの原単位が悪化するが、シリコンの精製効果も期待されるため、精製が必要な場合には必要最小限の使用も考えられる。
本発明の方法において、反応時間は、反応の形式にもよるが、好ましくは0.1秒以上2時間以下、より好ましくは1秒以上1時間以下である。反応時間は一般的には短いが、生成物の回収を考慮してやや長時間としても良い。
本発明の方法において得られたシリコン中には、反応条件により若干の三塩化アルミニウムが残存する場合があるため、必要に応じてシリコンを粉砕後、酸洗してアルミニウムを除去することが好ましい。使用する酸としては、金属不純物の少ないものが好ましく、種類としては塩酸、硝酸、硫酸などが好適に用いうる。
本発明のシリコンの製造方法により得られたシリコンを、方向凝固により精製することは、より高純度のシリコンを得ることができるので好ましい。方向凝固としては、既知の石英坩堝などの坩堝にシリコンを仕込み、シリコンの融点以上、1450−1500℃程度で溶融後、坩堝を引き下げ、あるいは炉を上昇、または炉を制御しながら冷却することによりシリコンの結晶を一方向に成長させる方法を用いることができる。
本発明で得られる多結晶シリコンを用いた太陽電池について説明する。
本方法で得られるシリコンを用いて、キャスト法または電磁鋳造法によって、インゴットを作製する。太陽電池の基板の導電型は、一般にはp型であって、ドーパントの導入としては、例えばホウ素を添加することや、アルミニウムを残存させることによって達成できる。インゴットは、内周刃切断やマルチワイヤーソー等によりスライシングされる。スライシング後は必要に応じて遊離砥粒を用いて両面がラッピングされ、さらに、ダメージ層を除去するために弗酸等のエッチング液に浸漬する等して多結晶基板が得られる。表面での光反射損失を低減するためには、ダイシングマシンを用いて機械的にV溝を形成したり、反応性イオンエッチングや、酸、アルカリなどを用いたエッチングによりテクスチャー構造を形成したりする。続いて、受光面にリンや砒素等のn型ドーパントの拡散層を形成することによりp−n接合部を得る。さらに、TiO2等の酸化膜層を表面に形成した後に各面に電極を付け、反射による光エネルギーの損失を減らすためのMgF2等の反射防止膜を付けることにより太陽電池を作製することができる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の測定における純度分析は、グロー放電質量分析法(VG社製、VG−9000)を利用する。また、拡散長は、Surface PhotoVoltage (SPV)表面光起電圧法(SDI社製、CMS4010)により行う。拡散長は50μ以上あれば太陽電池として使用可能である。
実施例1
三層電解高純度アルミニウム板(住友化学(株)製、1mm厚、成分分析値は表1参照)5gをアルミナるつぼに入れ、電気炉1の石英製炉心管内に置き、800℃に保つ。アルミニウムは溶融している。
次いで三塩化アルミニウム25gを電気炉2の石英炉心管内の石英ボートにおき、200℃に保持しつつArを100cc/分で通過させ、このガスを電気炉1に導き溶融アルミニウム中に吹き込む。出てきたアルミニウムサブハライドガスはただちに隣接した800℃に保持し、アルミナ炉心管を備えた電気炉3中に送られる。
高純度四塩化珪素を充填したボンベに、Arを300cc/分の速度で通過させ、四塩化珪素とArの混合ガスを800℃に保った電気炉3に導入し、アルミニウムサブハライドと四塩化珪素とを約10分間反応させる。その後ガスをArに切り替えて降温する。
反応終了後、得られたシリコンを取り出し、純水で洗浄後乾燥して純度分析を行う。高純度のシリコンが得られる。
さらに、得られた高純度シリコンを石英るつぼに仕込み、1440℃に昇温後、温度を一定に保ったままるつぼを0.4mm/分で引き下げて方向凝固することにより、さらに高純度のシリコンが得られる。

Claims (15)

  1. 下式(1)で表されるハロゲン化珪素を下式(2)で表されるアルミニウムサブハライドで還元することを特徴とするシリコンの製造方法。
    SiHn4-n: (1)
    AlHm3-p-m: (2)
    (式中、nは、0または1〜3の整数であり、mは0または1であり、mが0のときpは1または2、mが1のときpは1であり、Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。)
  2. 下式(3)で表されるハロゲン化珪素を下式(4)で表されるアルミニウムサブハライドで還元することを特徴とするシリコンの製造方法。
    SiX4: (3)
    AlX2-q: (4)
    (式中、qは、0または1であり、Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群から選ばれた1種または2種以上のハロゲン原子である。)
  3. ハロゲン化珪素とアルミニウムサブハライドを400〜1400℃の温度で接触させることを特徴とする請求項1または2記載のシリコンの製造方法。
  4. 還元剤として使用するアルミニウムサブハライド中に含まれるシリコン原子が10%以下、かつ純度が99.9原子%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコンの製造方法(ここでアルミニウムサブハライドの純度は、アルミニウムサブハライド中のシリコンを除いた金属原子の合計を100原子%とし、これから、含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛との合計の原子%を差し引いたものである。)。
  5. 還元剤として使用するアルミニウムサブハライド中に含まれるシリコン原子が1%以下、かつ純度が99.9原子%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  6. アルミニウムサブハライドに含まれるホウ素が5ppm以下、かつリンが0.5ppm以下である請求項4または5に記載のシリコンの製造方法(ここで各元素の濃度は、アルミニウムサブハライド中の金属原子の合計に対して計算される数値である。)。
  7. アルミニウムサブハライドに含まれるホウ素が0.5ppm以下、かつリンが0.3ppm以下である請求項4または5に記載のシリコンの製造方法。
  8. アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が150ppm以下、銅が290ppm以下、チタンが7ppm以下、バナジウムが20ppm以下であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  9. アルミニウムサブハライドに含まれる鉄濃度をXFeppm、銅濃度をXCuppm、チタン濃度をXTippm、バナジウム濃度をXVppmとしたとき、(XFe/150+XCu/290+XTi/7+XV/20)≦1であることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  10. アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が10ppm以下であることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  11. アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が10ppm以下、銅が10ppm以下、チタンが1ppm以下、バナジウムが5ppm以下であることを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  12. アルミニウムサブハライドに含まれる鉄が3ppm以下、銅が3ppm以下、チタンが0.3ppm以下、バナジウムが1ppm以下であることを特徴とする請求項4〜11のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  13. ハロゲン化珪素の濃度が10体積%以上、アルミニウムサブハライドの濃度が10体積%以上であり、かつシリコンのアルミニウムに対するモル比が1以上となるような割合で接触させることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  14. ハロゲン化珪素の純度が4N以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のシリコンの製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のシリコンの製造方法により得られたシリコンを方向凝固により精製することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
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