JP4911488B2 - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4911488B2
JP4911488B2 JP2005277480A JP2005277480A JP4911488B2 JP 4911488 B2 JP4911488 B2 JP 4911488B2 JP 2005277480 A JP2005277480 A JP 2005277480A JP 2005277480 A JP2005277480 A JP 2005277480A JP 4911488 B2 JP4911488 B2 JP 4911488B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
temperature part
metal
chlorosilane
polycrystalline silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005277480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007084398A (ja
Inventor
一樹 森田
忠利 川邊
邦夫 三枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd, University of Tokyo NUC filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2005277480A priority Critical patent/JP4911488B2/ja
Publication of JP2007084398A publication Critical patent/JP2007084398A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4911488B2 publication Critical patent/JP4911488B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/546Polycrystalline silicon PV cells

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、太陽電池の原料として用いられる多結晶シリコンの製造方法に関する。
冶金グレードシリコンは、炭素、珪石を混合してアーク炉により還元製造されている。この冶金グレードシリコンとHClの反応によりトリクロルシランを合成し、これを精留精製後、水素を用いて高温で還元して半導体グレードシリコンが製造される。太陽電池用原料シリコンは、半導体グレードシリコンを製造する際に生じる規格外品を主な原料としている。
前記の半導体グレードシリコンの製法では極めて高純度のシリコンを製造できるが、シリコンへの転換率が低く、この平衡をシリコンに有利にするために多量の水素が必要なこと、それでも転換率が低いために多くの未反応ガスを再度循環使用する必要があること、未反応ガス中に種々のハロゲン化シランが生成するため、再度蒸留によって分離が必要になること、最終的に水素で還元できない四塩化珪素が多量に生成してくること、などのために高コストである。
一方、太陽電池は、近年の炭酸ガスなどの環境問題に対しての有力な解決手段として注目されていて、需要も著しい伸びを示している。しかしながら、現在の太陽電池は、まだ高価なため、これにより得られる電力の価格は商業電力の電気代に比較して数倍である。現在、環境問題、増加するエネルギー需要に対応して太陽電池の需要が伸張して、従来の半導体規格外シリコンだけでは原料に不足する事態になりつつあり、多量の低コスト太陽電池の供給が望まれている。
この需要を満たすべく、従来から高純度の炭素と高純度のシリカを合成し、高純度の炉材を用いた還元炉で還元して高純度シリコンを合成する方法が提案されたが、スケールアップが困難で、かつ収率があがらず低コスト化が難しかった等の問題があった。また、四塩化珪素をアルミニウムで還元する方法も提案された(非特許文献1、特許文献1、特許文献2)が、アルミニウム中のリンがシリコン中に残存して希望の純度にするのが困難であった。
この他四塩化珪素の亜鉛還元法(非特許文献2)、トリクロルシランの流動床還元(非特許文献3)など、種々の提案がなされているが、いずれもまだ実用化されていない。
吉沢四郎、端野朝康、阪口新、四塩化ケイ素のアルミニウム還元、工業化学雑誌64(8) 1347-50(1961) 特開平2−64006号公報 特開昭59−182221号公報 Evaluation of selecdted chemical processes for production of low-cost silicon, J. M. Blocher, et. al. Jet propulsion laboratory final report (1981) 昭和55-62年度新エネルギー総合開発機構委託業務成果報告書「太陽光発電システム実用化技術開発 低コストシリコン実験精製検証」総括版 昭和63年、信越化学工業株式会社
四塩化珪素をアルミニウムで還元して、得られるSi−Al融液からのシリコン析出を利用する製法の場合、還元生成したシリコンが飽和溶解度以上に達することなく、反応が停滞してしまうという問題があった。
本発明の目的は、還元剤の充分な利用効率とシリコンの歩留まりを得るため、液相線組成以上のSi濃度に達する(固液共存の状態になる)まで反応が進行する方法を提供することにあり、太陽電池用原料として、好適に用いられる高純度シリコンの新規で安価な製造方法、及び該製造方法で得られる高純度シリコンを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、多結晶シリコンの製造方法について鋭意検討した結果、気体のクロロシランを溶融金属中に吹き込む際に、溶融金属内に温度差を設けることにより、好ましくは50℃以上の温度差を設けることにより、低温部にシリコンが析出することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、〔1〕下式(1)で示される気体のクロロシランと、それを還元可能かつシリコンよりも融点の低い金属とを反応させることによってシリコンを製造する方法であって、該金属の融液中に温度差を付けて、高温部と低温部とを設け、該クロロシランを該高温部に導入し、還元反応を進行させ、還元生成したシリコンを該高温部から該低温部に拡散させ、該低温部で多結晶シリコンを析出させることを特徴とする多結晶シリコンの製造方法に係るものである。
SiHnCl4-n (1)
(式中、nは0〜3の整数を示す。)
さらに、本発明は、〔2〕以下の(ア)、(イ)の工程を有することを特徴とする多結晶シリコンの製造方法に係るものである。
(ア)下式(1)で示される気体のクロロシランと、それを還元可能かつシリコンよりも融点の低い金属とを反応させることによってシリコンを製造する方法であって、該金属の融液中に温度差を付けて、高温部と低温部とを設け、該クロロシランを該高温部に導入し、還元反応を進行させ、還元反応を進行させ、還元生成したシリコンを該高温部から該低温部に拡散させ、該低温部で多結晶シリコンを析出させる工程。
SiHnCl4-n (1)
(式中、nは0〜3の整数を示す。)
(イ)上記の工程で得られた多結晶シリコンを方向凝固することにより、高純度多結晶シリコンを製造する工程。
また、本発明は、〔3〕気体のクロロシランを溶融金属中に導入する際に、低温部を該溶融金属の融点以上1100℃以下の範囲に保持し、高温部と低温部との温度差を50℃以上とすることを特徴とする〔1〕または〔2〕記載の多結晶シリコンの製造方法、
〔4〕金属中に導入するクロロシランが単独または不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法、
〔5〕クロロシランと不活性ガスとの混合ガスにおけるクロロシランの濃度が10体積%以上であることを特徴とする〔4〕記載の多結晶シリコンの製造方法、
〔6〕金属がナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法、
〔7〕金属がアルミニウムである〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法、
〔8〕クロロシランが四塩化ケイ素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシランから選ばれる1種または2種以上である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法に係るものである
均質な金属融液によるクロロシランの還元プロセスでは、金属融液中のシリコン濃度が飽和に達すると、反応界面に析出した固体シリコンが反応を阻害するため還元反応の進行は停滞し、シリコンの飽和溶解度以上のシリコン−金属合金は得られない。
本発明の製造方法によれば、一旦融液中に溶解したシリコンを低温部で析出させることにより、高温部におけるシリコン濃度を常に飽和濃度以下に維持することができるため、高温部でのシリコン析出が還元反応を阻害することなく、連続的に還元反応を進行させることができる。また、静的状態ではアルミニウム融液中でのシリコンの拡散は速くないが、気体を吹き込むことで融液全体を乱流状態にし、生成物質の移動が反応を支配することがなく、化学反応と原料供給が律速である状態を維持している。
したがって、本発明の製造方法によれば、クロロシランとアルミニウムの反応性が高いため、多結晶シリコンの収率が高くなるので、工業的に極めて重要である。
本発明の多結晶シリコンの製造方法は、下式(1)で示される気体のクロロシランと、それを還元可能かつシリコンよりも融点の低い金属とを反応させることによってシリコンを製造する方法であって、該金属の融液中に温度差を付けて、高温部と低温部とを設け、該クロロシランを該高温部に導入し、還元反応を進行させ、還元生成したシリコンを該高温部から該低温部に拡散させ、該低温部で多結晶シリコンを析出させることを特徴とする。
SiHnCl4-n (1)
(式中、nは0〜3の整数を示す。)
該クロロシランとしては、四塩化珪素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロルシランが挙げられる。コストを考慮すると四塩化珪素が最も好ましい。これらのクロロシランは、工業的に良く知られている方法で製造された高純度品を使用できる。公知の製造方法としては、珪石と炭素の共存下、1000〜1400℃の高温で塩素化する方法、又は冶金グレードシリコンと塩素もしくは塩化水素の反応などにより製造する方法などがある。このようにして得られたクロロシランを蒸留することにより、6N以上の高純度クロロシランを製造できる。
本発明における原料として用いるクロロシランの純度としては、4N以上が好ましく、 6N以上がさらに好ましく、7N以上が特に好ましい。また、特にP、Bの含有量は0.5ppm以下が好ましく、0.3ppm以下が更に好ましく、0.1ppm以下が特に好ましい。
溶融金属中に吹き込むクロロシランは、単独でもよく、不活性ガスとの混合ガスでもよい。不活性ガスとの混合ガスの場合には、混合ガス中のクロロシランのガス濃度は、10体積%以上が好ましい。10%未満の場合は反応効率が悪く、シリコンの収率を高めるのに長時間を有するため経済的ではない。
該不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等を用いることができるが、反応性が低く安価なアルゴンガスを用いることが経済的に好ましい。
本発明において、還元剤として用いる金属は、クロロシランを還元可能かつシリコンよりも融点の低い金属であり、該金属として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種が挙げられる。その中でも生成したシリコン中やその表面に金属が残存しても、酸やアルカリによる溶解除去や偏析法での除去が容易であり、さらには反応炉の構造部材を腐食させない等の理由により、該金属として、アルミニウムを用いることが好ましい。金属の純度が高ければ生成されるシリコンの純度も高くなるため、99.98%以上の純度である金属を用いることが好ましい。以下特にことわりのないかぎり、金属としてアルミニウムを用いた場合を例にして説明する。
なお、本発明において、金属の純度とは、100重量%から、その金属自身を除く、金属に含まれる鉄と銅とガリウムとチタンとニッケルとナトリウムとマグネシウムと亜鉛の合計の重量%を差し引いたものと定義する。
鉄、銅、ガリウム、チタン、ニッケル、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛の各元素は、方向凝固で除去して、該金属を精製することが可能ではあるが、方向凝固の収率を高めるためには、これらの元素の合計量は、好ましくは30ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、最も好ましくは3ppm以下である。
これらの元素以外のもので、Pについては、後に用いることがあるシリコンの精製工程である方向凝固で除くことができないため、Pの濃度は、好ましくは1ppm以下、さらに好ましくは0.5ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下がよい。
また、ホウ素も方向凝固の精製が難しいために、ホウ素の濃度は、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下がよい。
本発明において、金属と反応して副生成物として生成する金属塩化物と原料のクロロシランガスを個別に回収して未反応のクロロシランガスを反応側に循環させれば、コストの低減が可能となる。
本発明において、気体のクロロシランを還元可能かつシリコンよりも融点の低い金属を融液として、公知の方法で該金属の融液中に温度差を付けて、高温部と低温部とを設ける。具体的には、融液中に、なだらかな温度勾配をつけて、該温度勾配の両端部を高温部と低温部としてもよく、融液中にほぼ一定温度の高温部とほぼ一定温度の低温部とを設けてもよく、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設定できる。
次に、該気体のクロロシランを該高温部に導入し、還元反応を進行させる。クロロシランガスを融液に導入する方法としては、ガス導入管を1個以上金属融液の上面や側面から投入してクロロシランガスを吹き込む方法や、金属融液を保持する容器の底部に表面張力によって金属融液が漏れない程度の孔を多数設置してクロロシランガスを吹き込む方法が挙げられる。
静的状態では、金属融液中でのシリコンの拡散は速くないが、気体を吹き込むことで融液全体を乱流状態にし、生成物質の移動が反応を支配することがなく、化学反応と原料供給が律速である状態を維持することができる。
高温部で還元生成したシリコンは、高温部では溶解度が高く、シリコンは高濃度であり、低温部では溶解度が低く、シリコンは低濃度であるために、高温部から低温部へ濃度勾配により拡散する。
このようにして、高温部で還元生成したシリコンが金属融液中で飽和に達する前に、低温部に拡散したシリコンが低温部において、溶解度を超えて多結晶シリコンとして析出する。
上記のように、一連の還元反応・拡散・析出反応が連続的に起きるため、溶融アルミニウムの高温部でシリコンが飽和に達して反応が停滞することなく、アルミニウム溶液の流動性が維持できる限り反応は進行する。
ここで、金属融液の低温部の温度は、該金属とSiとの共晶点まで下げることは可能であるが、以下に述べるように、実際には該金属の融点以上が操作が簡便である。
例えばアルミニウムの場合、融点は660℃であるが、Al−Siの共晶点は580℃以上であるので、まず660℃以上の溶融状態で反応を開始し、反応の進行に伴い、Siが生成すると共晶点以上で融液となるので、液相温度は580℃まで低下させることが可能である。この温度より低いと、全体が固体となりガスを吹き込むことができない。低温部の温度の上限は特にはなく、以下に述べる温度差および高温部の温度の要請を満たすものであれば良い。
金属融液の高温部と低温部との温度差は、大きいほうが一般に好ましく、50℃以上、好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上である。
なお、反応の収率の観点からは、高温部の温度は高いほど好ましく、700℃以上、更に好ましくは800℃以上、特に好ましくは900℃以上である。しかしながら高温部では、例えばクロロシランが四塩化ケイ素の場合、
Si+SiCl4→2SiCl2
の反応が顕著となり、還元して析出したシリコンが原料ガスである四塩化ケイ素ガスとさらに反応して二塩化ケイ素を生成すると考えられる。この物質は不安定な気体であり、生成しても低温部で直ぐに逆反応の、
2SiCl2→Si+SiCl4
となる不均化反応を起こし、そのため所定位置でのシリコンの収率が低下する可能性があるため、高温部の温度はこの反応が顕著に生じない1100℃以下が好ましい。
本発明によると、用いるアルミニウムの重量の40%より多量のシリコンを得ることができ、さらには45%より多量のシリコンを得るので、得られるシリコンの収率が高く、経済的に有利である。本発明の方法において、反応性を制御するためにクロロシランを不活性ガスにて希釈して供給しても良い。
金属を保持する容器、及びクロロシランを導入するガス導入管の材質は、用いる金属と反応しないものが必要であり、例えば、酸化物としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、マグネシア、酸化スズ等が挙げられ、窒化物としては、窒化珪素、窒化アルミニウムが挙げられ、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも含まれる。例えば、シリコンとアルミニウムと酸素と窒素からなるサイアロン等の化合物も用いることができる。炭化物としては、SiC、グラファイト等が挙げられ、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも用いることができる。
本発明の方法において、得られる金属塩化物は、極めて高純度であるので、例えばアルミニウムの場合には、そのまま無水塩化アルミニウムとして触媒などに利用することも可能であるし、水と反応させてポリ塩化アルミニウムとしたり、それを中和することによって水酸化アルミニウムとしたり、水蒸気、または酸素と高温で反応させてアルミナとすることも可能である。
本発明の方法において、クロロシランとアルミニウムとの反応の自由エネルギーが大きな負のために、反応は平衡論的には化学量論比で進行するが、速度論的な観点、後の分離工程から考えて、アルミニウムよりもクロロシランを過剰量とするほうが好ましい。
本発明の方法において、反応の雰囲気は、クロロシランガス、又はクロロシランガスと不活性ガスであるが、反応の進行のためには、水、酸素などが存在しないことが好ましい。
また、塩化水素が存在すると、それに応じてアルミニウムの原単位が悪化するが、シリコンの精製効果も期待されるため、精製が必要な場合には必要最小限の使用も考えられる。
なお、本発明における純度分析はグロー放電質量分析法を利用した。
上記のようにして得られた多結晶シリコンは、高純度であり、太陽電池用シリコンの原料として好適に用いられる。
必要に応じて、得られた多結晶シリコンは、付着した金属成分の残渣や未反応金属成分を取り除くために酸やアルカリによる処理、さらに方向凝固等の偏析、高真空化での溶解等を行うことによりシリコン中に含まれる不純物元素をさらに低減することができ、特に得られた多結晶シリコンを方向凝固することにより高純度化することが好ましい。
本発明で得られる多結晶シリコンを用いた太陽電池について説明する。
本方法で得られるシリコンを用いて、キャスト法または電磁鋳造法によって、インゴットを作製する。太陽電池の基板の導電型は、一般にはp型であって、ドーパントの導入としては、例えばホウ素を添加することや、アルミニウムを残存させることによって達成できる。インゴットは、内周刃切断等によりスライシングされる。スライシング後は遊離砥粒を用いて両面がラッピングされ、さらに、ダメージ層を除去するために弗酸等のエッチング液に浸漬する等して多結晶基板が得られる。表面での光反射損出を低減するためには、ダイシングマシンを用いて機械的にV溝を形成したり、反応性イオンエッチングや、酸を用いた等方性エチングによりテクスチャー構造を形成したりする。続いて、受光面にリンや砒素等のn型ドーパントの拡散層を形成することによりp−n接合部を得る。さらに、TiO2等の酸化膜層を表面に形成した後に各面に電極を付け、反射による光エネルギーの損失を減らすためのMgF2等の反射防止膜を付けることにより太陽電池を作製することができる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
実施例1
図1に反応装置の概略を示す。
アルミニウム(ニラコ(株)製、4N)を内径8mm、深さ50mmの黒鉛坩堝3に溶融状態で融液の深さが約40mmになるように、4.1564g仕込み、これをムライト炉心管中に保持し、電気炉中にセットした。次にこのAl融液の高温部を950℃、低温部の温度を717℃になるように温度を制御した。
このAl融液中に、ガス導入管2を通じて、Arで希釈したSiCl4(関東化学(株)製、4N)をSiCl4分圧78.12mmHgに制御して150ml/分の流量で導入して反応させた。反応時間は420分である。
ガスバブリングを行うため、ガス導入管[アルミナ製、(外径φ6、内径φ4)]の先端と黒鉛坩堝底部の距離は5mmとした。
図2に四塩化ケイ素ガスの供給系を示す。
四塩化ケイ素の移送は、アルゴンガスをキャリアガス8として、四塩化ケイ素9に吹き込み、四塩化ケイ素の蒸気をアルゴンガスと共に移送した。その際、アルゴンガスを希釈ガス7として用いて、四塩化ケイ素の濃度を調整した。
反応後、冷却して1.9195gのサンプルを回収した。サンプルを塩酸で溶解して、サンプル中のシリコン重量を求めたところ43%であることがわかった。このうち、高温部の試料ではSi濃度は35.9%であったが、低温部では54.5%と、全体のSi濃度も高く、特に低温部で高Si濃度になることがわかった。
実施例2
高温部を800℃、低温部を710℃とした以外は実施例1と同様の方法で実験を行った。ただし、使用したアルミニウムは2.4518g、反応時間は540分である。反応終了後サンプルを取り出し、シリコン重量を求めたところ、32.2%であることがわかった。このうち、試料の高温部分では21.7%、低温部では45.0%と、全体のSi濃度も高く、特に低温部で高Si濃度になることがわかった。
比較例1
反応温度を756℃で温度差をつけない条件で、実施例1と同様の実験を行った。
使用したアルミニウム量は1.7542g、反応時間は510分である。反応後冷却して試料を取り出し、シリコン重量を求めたところ、22.8%であることがわかった。
比較例2
反応温度を852℃にした以外は、実施例1と同様の実験を行った。
使用したアルミニウムは0.4286g、反応時間は150分である。反応後、サンプル中のシリコン重量%を求めたところ30.0%であり、実施例の濃度には到達しなかった。
反応装置の概略図 ガス供給系を示す図
符号の説明
電気炉・・・・・・・・1
ガス導入管・・・・・・2
黒鉛坩堝・・・・・・・3
ムライト炉心管・・・・4
アルミニウム・・・・・5
SiCl4/Ar・・・6
希釈ガス・・・・・・・7
キャリアガス・・・・・8
SiCl4・・・・・・9
恒温槽・・・・・・・10
低温部・・・・・・・11
高温部・・・・・・・12
シリコン・・・・・・13

Claims (8)

  1. 下式(1)で示される気体のクロロシランと、それを還元可能かつシリコンよりも融点の低い金属とを反応させることによってシリコンを製造する方法であって、該金属の融液中に温度差を付けて、高温部と低温部とを設け、該クロロシランを該高温部に導入し、還元反応を進行させ、還元生成したシリコンを該高温部から該低温部に拡散させ、該低温部で多結晶シリコンを析出させることを特徴とする多結晶シリコンの製造方法。
    SiHnCl4-n (1)
    (式中、nは0〜3の整数を示す。)
  2. 以下の(ア)、(イ)の工程を有することを特徴とする多結晶シリコンの製造方法。
    (ア)下式(1)で示される気体のクロロシランと、それを還元可能かつシリコンよりも融点の低い金属とを反応させることによってシリコンを製造する方法であって、該金属の融液中に温度差を付けて、高温部と低温部とを設け、該クロロシランを該高温部に導入し、還元反応を進行させ、還元反応を進行させ、還元生成したシリコンを該高温部から該低温部に拡散させ、該低温部で多結晶シリコンを析出させる工程。
    SiHnCl4-n (1)
    (式中、nは0〜3の整数を示す。)
    (イ)上記の工程で得られた多結晶シリコンを方向凝固することにより、高純度多結晶シリコンを製造する工程。
  3. 気体のクロロシランを溶融金属中に導入する際に、低温部を該溶融金属の融点以上1100℃以下の範囲に保持し、高温部と低温部との温度差を50℃以上とすることを特徴とする請求項1または2記載の多結晶シリコンの製造方法。
  4. 金属中に導入するクロロシランが単独または不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  5. クロロシランと不活性ガスとの混合ガスにおけるクロロシランの濃度が10体積%以上であることを特徴とする請求項4記載の多結晶シリコンの製造方法。
  6. 金属がナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  7. 金属がアルミニウムである請求項1〜6のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  8. クロロシランが四塩化ケイ素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシランから選ばれる1種または2種以上である請求項1〜7のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法
JP2005277480A 2005-09-26 2005-09-26 多結晶シリコンの製造方法 Active JP4911488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005277480A JP4911488B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 多結晶シリコンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005277480A JP4911488B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 多結晶シリコンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007084398A JP2007084398A (ja) 2007-04-05
JP4911488B2 true JP4911488B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=37971778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005277480A Active JP4911488B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 多結晶シリコンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4911488B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2407893A1 (fr) * 1977-11-04 1979-06-01 Rhone Poulenc Ind Silicium polycristallin en couche mince pour conversion photovoltaique
DE3310828A1 (de) * 1983-03-24 1984-09-27 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von silicium
DE3824065A1 (de) * 1988-07-15 1990-01-18 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von solarsilicium

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007084398A (ja) 2007-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chigondo From metallurgical-grade to solar-grade silicon: an overview
Gribov et al. Preparation of high-purity silicon for solar cells
Chen et al. Boron removal for solar-grade silicon production by metallurgical route: A review
JP5311930B2 (ja) シリコンの製造方法
US8303796B2 (en) Method for producing silicon
Woditsch et al. Solar grade silicon feedstock supply for PV industry
CN101122047B (zh) 一种太阳能电池用多晶硅制造方法
US20170101319A1 (en) Recovery of silicon value from kerf silicon waste
US20100061911A1 (en) METHOD TO CONVERT SILICON POWDER TO HIGH PURITY POLYSILICON THROUGH INTERMEDIATE SiF4
US8173094B2 (en) Method for producing polycrystalline silicon
JP4900600B2 (ja) 高純度シリコンの製造方法
JP2007055891A (ja) 多結晶シリコンの製造方法
KR20100015694A (ko) 고순도 실리콘 제조 방법 및 고순도 실리콘 제조용 리액터
JP5256588B2 (ja) 高純度シリコンの製造方法
Maurits Silicon production
WO2007013644A1 (ja) 多結晶シリコンの製造方法
JP4911488B2 (ja) 多結晶シリコンの製造方法
WO2007001093A1 (ja) 高純度シリコンの製造方法
JP5217162B2 (ja) 多結晶シリコンの製造方法
JP4946774B2 (ja) シリコンの製造方法
Islam et al. Solar-grade silicon: current and alternative production routes
US20120045383A1 (en) Method for the Manufacture of Photovoltaic Grade Silicon Metal
JP5236897B2 (ja) シリコンの製造方法
JP2009084129A (ja) 高純度シリコンの製造方法
RU2519460C1 (ru) Способ получения кремния с использованием субхлорида алюминия

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080520

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350