JP4594271B2 - 六塩化二珪素の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ジシラン等の原料に使用される六塩化二珪素の製造方法に関し、詳しくは、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程から排出されるガスを原料として用い、効率よく六塩化二珪素を製造する方法に関する。
近年のエレクトロニクス技術の発達により、アモルファスシリコン等の半導体用シリコンの需要が増加してきている。そのような中で、シリコンソースとしてのSi26(ジシラン)は、化学気相蒸着(CVD)によるシリコン膜の成長速度がSiH4(モノシラン)と比較して非常に大きく、電気特性も優れていることが確認されている。六塩化二珪素(Si2Cl6)はこのジシランの原料として有用であり、六塩化二珪素の製造方法について多くの研究がなされてきた。
六塩化二珪素の一般的な製造方法は、シリコン、あるいはフェロシリコン、カルシウムシリコン、マグネシウムシリコン等の金属珪化物の粉末と塩素を高温で反応させる方法である。しかしながら、これらの方法では、原料であるシリコンあるいは金属珪化物からの不純物の混入が避けられない。また、反応時に四塩化珪素(SiCl4)やオクタクロロトリシラン(Si3Cl8)等の高級塩化物が生成し、六塩化二珪素の収率を低下させるという問題もあった。
このような状況の中で、最近では、六塩化二珪素の収率の向上および高純度化のための研究がなされており、例えば、特許文献1には、シーメンス法による高純度の多結晶シリコン製造工程のシリコン生成反応炉(以下、単に「反応炉」ともいう)から排出されるガスを冷却凝縮し、凝縮液を蒸留して前記ガス中に含まれている六塩化二珪素を回収する方法が提案されている。この方法で製造される六塩化二珪素は金属不純物が少なく、ジシランの原料として、従来のシリコンあるいは金属珪化物と塩素を高温で反応させて得られる六塩化二珪素よりも高純度であることが確認されている。また、蒸留時に塩素を導入することにより六塩化二珪素の収率を向上させることができるとしている。
しかしながら、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程の反応炉から排出されるガスを原料として製造される六塩化二珪素の回収率は必ずしも高いとは言えず、より効率の良い高純度六塩化二珪素の製造方法の開発が望まれている。
国際公開番号WO02/012122
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、ジシラン等の原料として使用される高純度の六塩化二珪素を効率よく製造することができる方法を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程のシリコン生成反応炉から排出されるガス中に含まれる六塩化二珪素の回収方法について検討を重ねた。現在では、高純度の六塩化二珪素を製造する方法としてこの方法が最も適していると考えられるからである。
その検討の過程で、本発明者は、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程の反応炉から排出されるガス中の六塩化二珪素の濃度に変動があること、さらに、シリコン生成反応の初期には六塩化二珪素の発生量が極端に少なく、ほとんど発生しないが、シリコン生成反応が終了に近づくに伴い、排ガス中の六塩化二珪素の濃度が急激に高まることを見いだした。従来の多結晶シリコン製造工程における反応炉からの排出ガス中に含まれる六塩化二珪素を回収する方法で、回収率が必ずしも高くはなかったのは、当該排出ガスの一定量を六塩化二珪素回収工程に送り込んでいた(すなわち、送り込む排ガス量を一定としていた)ため、六塩化二珪素がほとんど存在しない排出ガスを対象に回収操作を実施することとなる場合があったことによるものである。
そこで、反応炉から排出されるガスの一定量を六塩化二珪素回収工程に送り込むのではなく、前記排出ガスの採取量(すなわち、六塩化二珪素回収工程に送り込むガス量)を変化させることとし、そのための最適条件について検討した。
その結果、シリコン生成反応の後期に、特に終了に近づくと共に、反応炉から排出されるガス(六塩化二珪素原料)の採取量を増大させることとし、反応開始後の経過時間と原料採取速度との関係を一次式(y=ax+b)で近似したときに、この一次式の切片bと反応の開始から終了までの全反応時間における六塩化二珪素原料の平均採取量ave(x)とが、b/ave(x)<1の関係を満たすものであれば、六塩化二珪素の量が多い排出ガスを原料として、高純度の六塩化二珪素を効率よく製造することが可能であることを知見した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は、下記の六塩化二珪素の製造方法にある。
すなわち、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程におけるシリコン生成反応炉から排出されるガスの少なくとも一部を六塩化二珪素原料として六塩化二珪素製造工程へ送って六塩化二珪素を製造する方法であって、シリコン生成反応炉の反応開始から反応終了までの時間を横軸(X軸)、六塩化二珪素原料の採取速度を縦軸(Y軸)とし、反応開始からの経過時間xに対する原料の採取速度yを一次式で近似し、最小二乗法により求めた一次式がy=ax+bであり、全反応時間における六塩化二珪素原料の平均採取量がave(x)であるとき、下記(1)式を満たすように六塩化二珪素原料を採取する六塩化二珪素の製造方法である。
b/ave(x)<1 ・・・(1)
ここで言う「反応開始」とは、シリコン生成反応炉への原料ガス(高純度のトリクロロシランおよび水素)の供給開始を意味し、「反応終了」とは前記原料ガスの供給終了を意味する。
前記本発明の六塩化二珪素の製造方法において、六塩化二珪素原料を採取する際に満たすべき条件を、(1)式に代えて下記(2)式とすれば、六塩化二珪素の収率を高めることができるので、望ましい。
b/ave(x)≦0.35 ・・・(2)
前記本発明の製造方法において、シリコン生成反応温度を1100℃以下とすれば、シリコン生成反応炉から排出されるガス中の六塩化二珪素の分解による含有量の低下を抑制することができる。
さらに、前記本発明の製造方法において、シリコン生成反応炉に供給される水素とトリクロロシランのモル比(水素モル量/トリクロロシランモル量)を7.0以上とすれば、反応炉における六塩化二珪素の生成量の減少を抑制することができ、望ましい。
本発明の六塩化二珪素の製造方法によれば、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程から排出されるガスを原料として用いるに際し、六塩化二珪素の量が多い排出ガスを原料として六塩化二珪素の製造工程に送り込み、ジシラン等の原料として使用される高純度の六塩化二珪素を効率よく製造することができる。
以下に、本発明の六塩化二珪素の製造方法について、図面を参照して具体的に説明する。
本発明の六塩化二珪素の製造方法は、前記のように、原料として、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程におけるシリコン生成反応炉から排出されるガスの少なくとも一部を用いることを前提としている。
原料としてこのような排出ガスを用いるのは、これによって、現在では最も高純度な六塩化二珪素を製造することができるからである。
シーメンス法は、トリクロロシランと水素の混合ガスを原料としてシリコン生成反応炉内に導入し、熱分解反応あるいは水素還元反応によって多結晶シリコンを生成させる方法であるが、前記反応炉から排出されるガス中には、未反応の原料ガス、副生する四塩化珪素の他に、六塩化二珪素等の高分子量成分〔ここでは、トリクロロシランや、四塩化珪素等と比較して高分子量の物質を指し、六塩化二珪素、テトラクロロジシラン(Si22Cl4)、オクタクロロトリシラン(Si3Cl8)などをいう〕が含まれている。しかも、精製蒸留により金属成分等が除去された高純度のトリクロロシランおよび高純度の水素を原料として用いるので、前記排出されるガスから回収した六塩化二珪素の純度が極めて高いことがその理由である。
なお、原料として用いるのは、シリコン生成反応炉から排出されるガスのうちの一部であってもよいし、全量であってもよい。
本発明では、この排出されるガスを六塩化二珪素製造工程へ送って、六塩化二珪素を製造する。
前記の「六塩化二珪素製造工程」とは、排出されるガス(これを、「原料ガス」ともいう)中に含まれる未反応のトリクロロシランや水素、四塩化珪素、その他の六塩化二珪素等の高分子量成分から、蒸留により六塩化二珪素を回収する工程である。例えば、前掲の特許文献1にも記載されるように、原料ガスを冷却凝縮させて水素を分離し、凝縮液を蒸留して、沸点差を利用し六塩化二珪素を留出、分離する。
本発明は、このようにして六塩化二珪素を製造する方法であって、シリコン生成反応炉の反応開始からの経過時間を横軸(X軸)、原料ガスの採取速度(すなわち、単位時間あたりの採取量)を縦軸(Y軸)とし、反応開始からの経過時間xに対する原料の採取速度yを一次式「y=ax+b」で近似したときに、全反応時間における六塩化二珪素原料(すなわち、原料ガス)の平均採取量をave(x)として、下記(1)式を満たすように原料ガスを採取する製造方法である。なお、前記一次式の定数a、bは、最小二乗法により求める。
b/ave(x)<1 ・・・(1)
すなわち、本発明は、原料ガスの採取の仕方を規定したことを特徴とする六塩化二珪素の製造方法である。
以下の図1〜図8に、原料ガスの採取の仕方(原料ガス採取パターン)を例示する。なお、これらの採取パターンのうち、図2〜図8に示すパターンは、後述する実施例で採用した原料ガス採取パターンである。
これらの図1〜図8において、横軸(X軸)はシリコン生成反応炉の反応開始からの経過時間であり、縦軸(Y軸)は原料ガスの採取速度(単位時間あたりの採取量)である。なお、両軸とも数値を規格化(無次元化)して表示した。また、定数a、bを最小二乗法により求めて得られた一次式を併記した。
図1は、従来の原料ガスの採取パターン(従来パターン)を示す図である。
図1に破線で示するように、シリコン生成反応炉における反応開始から終了に至る全反応時間にわたり、反応炉から排出されるガスの一定量を六塩化二珪素回収工程に送り込む(すなわち、原料ガスの採取速度を一定とした)場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は100である。この場合、前記の一次式は、y=100(実線で表示)であり、実際の採取速度を示す破線と重なる。切片bが100であるから、b/ave(x)=1で、本発明で規定する(1)式の条件から外れている。
図2は、本発明で用いる原料ガス採取パターンの一例(パターンI)を示す図である。採取速度を、全反応時間の1/2を経過するまでは0とし、その後反応終了時まで200とした場合で(破線)、原料ガスの平均採取量ave(x)は100である。定数a、bを最小二乗法により求めて得られた一次式(実線)は、y=1.8988X−49.057で、切片bは−49.057となる。したがって、b/ave(x) <1で、この場合の原料ガスの採取の仕方は、本発明で規定する条件を満たしている。
図3は、本発明で用いる原料ガス採取パターンの他の例(パターンII)を示す図である。採取速度を、全反応時間の1/2を経過するまでは0とし、その後反応終了時で400となるように直線的に変化させた場合で(破線)、原料ガスの平均採取量ave(x)は100である。最小二乗法により得られた一次式(実線)の切片bは−98.113となるので、b/ave(x) <1で、本発明で規定する条件を満たしている。
図4は、本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンIII)を示す図である。同図中に破線で示すように、採取速度を全反応時間にわたって段階的に増加させ、反応終了時で320となるようにした場合で、原料ガスの平均採取量ave(x)は101である。
図5は、本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンIV)を示す図である。同図中に破線で示すように、採取速度を、反応時間が50を経過するまでは0とし、その後放物線状に増加させて、反応終了時で500となるようにした場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は101である。
図6は、本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンV)を示す図である。同図中に破線で示すように、採取速度を、反応時間が139を経過するまでは0とし、その後反応終了時まで900とした場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は103である。
図7は、本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンVI)を示す図である。同図中に破線で示すように、採取速度を、反応開始から全反応時間の1/3を経過するまでは50とし、1/3〜2/3の範囲で100とし、2/3〜反応終了時までを150とした場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は103である。
また、図8は、本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンVII)を示す図である。同図中に破線で示すように、採取速度を、反応時間が145を経過するまでは0とし、その後、採取速度を1300前後とし、集中的に採取した場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は99である。
前記の図4〜図8において、最小二乗法により得られた一次式(実線)の切片bはそれぞれ図示したとおりである。いずれも、b/ave(x) <1であり、本発明で規定する条件を満たしている。
図9は、前述のパターンI〜パターンVIをまとめて示した図である。同図中の一点鎖線は従来パターンである。
この図9から、本発明で用いる原料ガス採取パターンでは、反応の後半に原料ガスの採取速度を上げていることがわかる。後述する実施例にそれぞれの採取パターンで原料ガスを採取した場合の六塩化二珪素の収率を示すが、特に反応終了付近で原料ガスの採取速度を上げるほど(例えば、パターンV、パターンIVなど)六塩化二珪素の収率が高くなる。
本発明の六塩化二珪素の製造方法において、b/ave(x)の下限は特に設けないが、反応終了時の直前のみから原料ガスを採取すると、十分な原料採取料が確保できないおそれがある上に、大型のバッファータンクが必要になるため、「−1.7≦b/ave(x)」とするのが望ましい。
以上述べた本発明の六塩化二珪素の製造方法において、六塩化二珪素原料を採取する際に満たすべき条件を、(1)式「b/ave(x)<1」に代えて前記(2)式「b/ave(x)≦0.35」とすれば、後述する実施例で示すように、六塩化二珪素の収率を高めることができるので、望ましい。更に望ましくは、「b/ave(x)≦−0.51」である。
また、本発明の六塩化二珪素の製造方法において、シリコン生成反応温度を1100℃以下とすれば、シリコン生成反応炉から排出されるガス中の六塩化二珪素の分解による含有量の低下を抑制することができる。
シリコンをCVD成長させる際の多結晶シリコン心棒の表面温度を1100℃以下とすることにより六塩化二珪素の分解を抑制できるのは、以下の理由による。すなわち、反応炉で発生した六塩化二珪素等の高分子量成分(六塩化二珪素、テトラクロロジシラン、オクタクロロトリシランなど)は、500℃以上の高温では分解して低分子成分に変化するので、前記多結晶シリコン心棒の表面温度が高温であると、反応炉内の500℃以上の部分が多くなり、発生した六塩化二珪素等を含む高分子量成分の分解量が多くなって、反応炉から排出されるガス中の六塩化二珪素量が少なくなるからである。
反応温度は低い程よいが、あまりに低温であるとシリコン生成効率が極端に低くなるため、実際の操業では、前記表面温度を900〜1100℃の範囲内としてシリコン生成反応を行わせるのが望ましい。
さらに、前記六塩化二珪素の製造方法において、シリコン生成反応炉に供給される水素とトリクロロシランのモル比(水素モル量/トリクロロシランモル量)を7.0以上とすれば、反応炉における六塩化二珪素の生成量の減少を抑制することができ、望ましい。
前記モル比を7.0以上とするのは、モル比が7.0より小さいと、六塩化二珪素等を含む高分子量成分の発生量が少なくなるからである。モル比の上限は特に規定しないが、モル比が大きくなるに伴い、原料ガス中におけるトリクロロシランの割合が減少して反応効率が低下し、また、後工程の水素をトリクロロシラン等の塩化物から分離する工程の負荷が増大する。したがって、前記モル比を7.0〜12.0の範囲として操業するのが望ましい。
以上述べた本発明の六塩化二珪素の製造方法によれば、後述する実施例に示すように、六塩化二珪素の収率を高めることができ、ジシラン等の原料として使用される高純度の六塩化二珪素を効率よく製造することができる。
シーメンス法における多結晶シリコン製造工程の反応炉から排出されるガスの一部を原料ガスとして六塩化二珪素を製造するに際し、原料ガスの採取パターンを変化させ、前記(1)式または(3)式のb/ave(x)の変化に伴う六塩化二珪素の収率の変動を調査した。なお、六塩化二珪素の収率とは、「製造された六塩化二珪素量/原料ガス量」であり、従来の原料ガスの採取パターンで六塩化二珪素を製造したときの収率を100として表示した。
(実施例1)
前記図3に示したパターンIIに従って、すなわち、原料ガスの採取速度を、全反応時間の1/2を経過するまでは0とし、その後反応終了時で400となるように直線的に変化させて原料ガスを採取し、その原料ガスを六塩化二珪素製造工程へ導入して六塩化二珪素を製造した。
原料ガスの平均採取量ave(x)は100である。また、定数a、bを最小二乗法により求めて得られた一次式は、y=2.5237X−98.113となった。なお、前記一次式の導出に際し、原料ガスの採取速度は1時間毎の平均値をとってグラフ上にプロットし、最小二乗法を適用した。後述する実施例2〜7においても同様である。
前記一次式から、切片bは−98.113となる。したがって、b/ave(x)=−0.98で、本発明で規定する前記(1)式、(2)式の条件を満たしている。
六塩化二珪素の収率は、192で、従来の原料ガスの採取パターンで六塩化二珪素を製造したときの、すなわち従来法による収率(100)に比べて、2倍近い高い収率が得られた。
(実施例2)
前記図7に示したパターンVIに従って、すなわち、原料ガスの採取速度を、反応開始から全反応時間の1/3を経過するまでは50とし、1/3〜2/3の範囲で100とし、2/3〜反応終了時までを150として原料ガスを採取し、その原料ガスを六塩化二珪素製造工程へ導入して六塩化二珪素を製造した。
原料ガスの平均採取量ave(x)は99である。定数a、bを最小二乗法により求めて得られた一次式は、y=0.8255X+34.249で、切片bは34.249となった。したがって、b/ave(x)=0.35で、本発明で規定する前記(1)式、(2)式の条件を満たしている。
六塩化二珪素の収率は、143で、従来法による収率(100)に比べて、高い収率であった。
(実施例3〜7)
実施例3は、前記図2に示したパターンIに従って原料ガスを採取し、その原料ガスを六塩化二珪素製造工程へ導入して六塩化二珪素を製造した場合である。
原料ガスの平均採取量ave(x)は100で、切片bは−49.057となった。したがって、b/ave(x)=−0.49で、本発明で規定する前記(1)式、(2)式の条件を満たし、六塩化二珪素の収率は、168であった。
実施例4は、前記図4に示したパターンIIIに従って原料ガスを採取た場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は101で、切片bは−51.658となった。したがって、b/ave(x)=−0.51で、本発明で規定する前記(1)式、(2)式の条件を満たし、六塩化二珪素の収率は、173であった。
実施例5は、前記図5に示したパターンIVに従って原料ガスを採取した場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は101で、切片bは−99.637となった。したがって、b/ave(x)=−0.99で、本発明で規定する前記(1)式、(2)式の条件を満たしている。シリコン生成反応の終了時点に近づくに伴い放物線状に原料ガスの採取速度を上げているため、六塩化二珪素の収率が高く、198であった。
実施例6は、前記図6に示したパターンVに従って原料ガスを採取した場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は103で、切片bは−168.31となった。したがって、b/ave(x)=−1.63で、本発明で規定する前記(1)式、(2)式の条件を満たしている。シリコン生成反応の終了付近で原料ガスの採取速度を上げた場合で、六塩化二珪素の収率は、205と高かった。
実施例7は、前記図8に示したパターンVIIに従って原料ガスを採取た場合である。原料ガスの平均採取量ave(x)は99で、切片bは−173.37となった。したがって、b/ave(x)=−1.73で、本発明で規定する前記(1)式、(2)式の条件を満たしている。原料ガスの採取をシリコン生成反応の終了間際に集中して行った場合であるが、六塩化二珪素の収率は、202と高かった。
表1に、前述の実施例1〜実施例7における原料ガスの平均採取量、切片b、b/ave(x)および六塩化二珪素の収率をまとめて示した。なお、表1における従来例は、前記図1に示した従来パターンで原料ガスを採取し、その原料ガスを六塩化二珪素製造工程へ導入して六塩化二珪素を製造した場合である。
Figure 0004594271
また、図10は、実施例1〜7、および従来例におけるb/ave(x)と六塩化二珪素の収率の関係を示す図である。同図中の測定点に付した記号I〜VIIはそれぞれ原料ガス採取パターンI〜VIIに該当する。
図10から明らかなように、b/ave(x)の値が減少するに伴い六塩化二珪素の収率が増大する。図中に示した「本発明で規定する範囲」は、前記(1)式「b/ave(x)<1」を満たす範囲であり、「望ましい範囲」は、前記(2)式「b/ave(x)≦0.35」を満たす範囲である。また、原料ガスの採取をシリコン生成反応の終了間際に集中して行ったパターンVIIのb/ave(x)の値が−1.73であることから、前述のように、b/ave(x)の望ましい下限を−1.7とした。
本発明の六塩化二珪素の製造方法によれば、シーメンス法による多結晶シリコン製造工程から排出されるガスを原料として用い、高純度の六塩化二珪素を効率よく製造することができる。したがって、本発明の製造方法は、ジシラン等の原料として使用される高純度六塩化二珪素の製造方法として好適であり、半導体用シリコンの製造分野において有効に利用し得る方法である。
従来の原料ガスの採取パターン(従来パターン)を示す図である。 本発明で用いる原料ガス採取パターンの一例(パターンI)を示す図である。 本発明で用いる原料ガス採取パターンの他の例(パターンII)を示す図である。 本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンIII)を示す図である。 本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンIV)を示す図である。 本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンV)を示す図である。 本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンVI)を示す図である。 本発明で用いる原料ガス採取パターンのさらに他の例(パターンVII)を示す図である。 原料ガス採取パターンI〜VIをまとめて示す図である。 実施例1〜7、および従来例におけるb/ave(x)と六塩化二珪素の収率の関係を示す図である。

Claims (4)

  1. シーメンス法による多結晶シリコン製造工程におけるシリコン生成反応炉から排出されるガスの少なくとも一部を六塩化二珪素原料として六塩化二珪素製造工程へ送って六塩化二珪素を製造する方法であって、シリコン生成反応炉の反応開始から反応終了までの時間を横軸(X軸)、六塩化二珪素原料の採取速度を縦軸(Y軸)とし、反応開始からの経過時間xに対する原料の採取速度yを一次式で近似し、最小二乗法により求めた一次式がy=ax+bであり、全反応時間における六塩化二珪素原料の平均採取量がave(x)であるとき、下記(1)式を満たすように六塩化二珪素原料を採取することを特徴とする六塩化二珪素の製造方法。
    b/ave(x)<1 ・・・(1)
  2. 前記六塩化二珪素原料を採取する際に満たすべき(1)式が、下記(2)式であることを特徴とする請求項1に記載の六塩化二珪素の製造方法。
    b/ave(x)≦0.35 ・・・(2)
  3. シーメンス法による多結晶シリコン製造工程におけるシリコン生成反応炉から排出されるガスの少なくとも一部を六塩化二珪素原料として六塩化二珪素製造工程へ送って六塩化二珪素を製造する方法であって、シリコン生成反応温度を1100℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載の六塩化二珪素の製造方法。
  4. シーメンス法による多結晶シリコン製造工程におけるシリコン生成反応炉から排出されるガスの少なくとも一部を六塩化二珪素原料として六塩化二珪素製造工程へ送って六塩化二珪素を製造する方法であって、シリコン生成反応炉に供給される水素とトリクロロシランのモル比を7.0以上とすることを特徴とする請求項1に記載の六塩化二珪素の製造方法。
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