JP2007077007A - 珪素の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工程(i)を含む珪素の製造方法。
式(1)で示されるハロゲン化シランを金属により還元する工程(i)、
SiHnX4-n (1)
〔式中、nは0〜3の整数であり、XはF、Cl、Br及びIから選ばれる少なくとも1つであり、Xが複数のとき、複数のXは互いに同一でも異なってもよい。〕
前記金属は、融点が1300℃以下であり、還元反応時に液相であり、かつその液相の形状は球状であり、その半径をr(μm)とし、反応時間をt(分)、反応温度をx(℃)としたとき、式(A)、(B)及び(C)を満たす。
ln(r/√t)≦(10.5−7000/(x+273)) (A)
1≦r≦250 (B)
400≦x≦1300 (C)
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、珪素を効率的に製造する方法を提供することにあり、特に太陽電池製造に適した珪素を効率的に製造する方法を提供することにある。
すなわち本発明は、〔1〕工程(i)を含む珪素の製造方法を提供する。
式(1)で示されるハロゲン化シランを金属により還元する工程(i)、
SiHnX4-n (1)
〔式中、nは0〜3の整数であり、XはF、Cl、Br及びIから選ばれる少なくとも1つであり、Xが複数のとき、複数のXは互いに同一でも異なってもよい。〕
前記金属は、融点が1300℃以下であり、還元反応時に液相であり、かつその液相の形状は球状又は薄膜状であり、
球状の場合その半径をr(μm)とし、反応時間をt(分)、反応温度をx(℃)としたとき、式(A)、(B)及び(C)を満たし、
又は薄膜状の場合その厚みをr’(μm)とし、反応時間をt(分)、反応温度をx(℃)としたとき、式(A’)、(B’)及び(C)を満たす。
ln(r/√t)≦(10.5−7000/(x+273)) (A)
ln(r’/√t)≦(10.5−7000/(x+273)) (A’)
1≦r≦250 (B)
1≦r’≦500 (B’)
400≦x≦1300 (C)
本発明は、〔2〕さらに工程(ii)を含む前記1)記載の方法を提供する。
工程(i)で得られる珪素をハロゲン化金属から分離する工程(ii)。
また、本発明は、〔3〕さらに工程(iii)を含む前記1)又は2)記載の方法を提供する。
前工程で得られた珪素を精製する工程(iii)。
ハロゲン化シランは前記式(1)で示されるものであり、例えば、四塩化珪素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロルシランである。ハロゲン化シランは、従来法で調製した高純度品を使用すればよい。ハロゲン化シランの調製は、例えば、珪石と炭素の共存下、1000〜1400℃の高温でハロゲン化する方法、あるいは冶金グレード珪素とハロゲンまたはハロゲン化水素とを反応させる方法により行えばよい。こうして得られるハロゲン化シランを蒸留することにより、6N以上の高純度ハロゲン化シランが得られる。
金属は、例えば、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)であり、好ましくはAlである。これらは単独又は組合わせて用いればよい。
多数のノズルから吐出させる場合、ノズル径を変えて粒子の大きさを調節すればよい。
分離工程(ii)は、珪素をハロゲン化金属を分離する方法であればよく、ハロゲン化金属の形態に応じて、例えば、固気分離、固液分離、リーチング、水洗などで行えばよい。
こうして得られる珪素は太陽電池製造用として好適に使用される。
上記において、本発明の実施の形態を説明したが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
1.純度
試料を粉砕後、塩酸中に48hr浸漬後、ICPにより分析する。
2.断面観察
試料を樹脂に包埋後切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
3.元素分析
SEM観察したと同様な断面の微小部分についてEPMA(Electron Probe Microanalysis)により元素分析した。
三層電解高純度アルミニウム(住友化学(株)製、成分分析値は表1参照)をヘリウム(He)中でガスアトマイズ法により球状に加工し、更に篩で75−150μm(半径37.5−75μm)の範囲のアルミニウム粒子を選別した。アルミニウム粒子0.5gを電気炉の石英製炉心管内に置き、管内をArガスに置換した。
従って、ln(r/√t)=1.721、
10.5−7000/(x+273)=2.482であり、式(A)を満足した。
純度分析値を表1、断面観察写真を図1に示す。
図1に示すように、Al粒子はその外形を保ってSi粒子になっていた。また表1に示すように、P<0.5ppmの高純度珪素が得られた。
三層電解高純度アルミニウムを篩で37〜63μmに篩別した以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
反応後のSi粒子の粒径(=Al粒子の粒径)は50μmであった。
ln(r/√t)=0.622、
10.5−7000/(x+273)=2.482であり、式(A)を満足した。
反応終了後、得られた珪素を取り出し、粉砕して希塩酸、次いで純水で洗浄後乾燥して純度分析を行った。また、各粒子の断面を走査型電子顕微鏡及びEPMAで観察して反応率をAl/Siの面積比により求めた。反応率は99%以上であった。
反応条件を600℃180分から750℃5分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
固体Al粒子はAl融液粒子となってもほぼ同サイズを維持し、最終的に同サイズのSiに変化していることは反応前後の同一粒子の顕微鏡写真により確認できた。
ln(r/√t)=3.107、
10.5−7000/(x+273)=3.657であり、式(A)を満たした。
反応終了後、得られた珪素を取り出し、粉砕して希塩酸、次いで純水で洗浄後乾燥して純度分析を行った。また、各粒子の断面を走査型電子顕微鏡及びEPMAで観察して反応率をAl/Siの面積比により求めた。反応率は99%以上であった。
反応条件を600℃180分から680℃180分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
反応後のSi粒子の粒径は150μmであった。
ln(r/√t)=1.721、
10.5−7000/(x+273)=3.155であり、式(A)を満たした。
反応終了後、得られた珪素を取り出し、断面を走査型電子顕微鏡及びEPMAで観察して反応率をAl/Siの面積比により求めた。反応率は100%であった。
三層電解高純度アルミニウムの500μm以上篩別品を使用した以外は実施例4と同じ操作を行った。
反応後の粒子の粒径は1mmであった。
ln(r/√t)=3.618、
10.5−7000/(x+273)=3.154であり、式(A)を満たさなかった。
断面観察写真を図2に示す。
図2に示しように、粒子の外周部はSi、その内部はAl−Siの合金であり、Siへの還元反応は十分進行していなかった。
球状高純度アルミニウムの150〜500μm篩別品を使用したこと、及び反応条件を700℃5分に変更したこと以外は実施例1と同じ操作を行った。
反応後の粒子の粒径は300μmであった。
ln(r/√t)=4.206、
10.5−7000/(x+273)=3.306であり、式(A)を満たさなかった。
反応条件を700℃5分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
反応後のSi粒子の粒径(=Al粒子の粒径)は120μmであった。
ln(r/√t)=3.29、
10.5−7000/(x+273)=3.3058であり、式(A)を満たした。
反応率は98%であった。
反応条件を800℃5分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
反応後のSi粒子の粒径は125〜180μmであった。
粒径125μmの粒子は、
ln(r/√t)=3.330、
10.5−7000/(x+273)=3.9763であり、式(A)を満たし、
反応率が100%であった。
ln(r/√t)=3.695、
10.5−7000/(x+273)=3.9763であり、式(A)を満たし、反応率が99%であった。
三層電解高純度アルミニウムを篩で75〜500μmに篩別したこと、反応条件を900℃5分に変更したこと以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
反応後のSi粒子の粒径は130〜300μmであった。
ln(r/√t)=3.370、
10.5−7000/(x+273)=4.5324であり、式(A)を満たし、反応率は100%であった。
粒径300μmの粒子は、
ln(r/√t)=4.206、
10.5−7000/(x+273)=4.5324であり、式(A)を満たし、反応率は96%であった。
反応条件を800℃10分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
反応後のSi粒子の粒径は105〜150μmであった。
粒径105μmの粒子は、
ln(r/√t)=2.810、
10.5−7000/(x+273)=3.9763であり、式(A)を満たし、反応率は100%であった。
粒径150μmの粒子は、
ln(r/√t)=3.166、
10.5−7000/(x+273)=3.9763であり、式(A)を満たし、反応率は99%であった。
反応条件を800℃1分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行って珪素を得た。
反応後のSi粒子の粒径は84μmであった。
ln(r/√t)=3.736、
10.5−7000/(x+273)=3.9763であり、式(A)を満たし、反応率は99%であった。
三層電解高純度アルミニウムの150−500μm篩別品を使用したこと、反応条件を700℃5分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行った。
反応後の粒子の粒径は220〜330μmであった。
ln(r/√t)=3.896、
10.5−7000/(x+273)=3.3058であり、式(A)を満たさず、反応率は80%であった。
粒径330μmの粒子は、
ln(r/√t)=4.206、
10.5−7000/(x+273)=3.3058であり、式(A)を満たさなかった。得られた粒子はその外形を保っていて外側はSiであったが内部は共晶組成のAl−Siで、未反応Alが残存していた。
三層電解高純度アルミニウムの150〜500μm篩別品を使用したこと、反応条件を550℃30分に変更した以外は実施例1と同じ操作を行った。
反応後の粒子の粒径は200μmであった。
ln(r/√t)=2.905、
10.5−7000/(x+273)=1.995であり、式(A)を満たさなかった。得られた粒子はその外形を保っていて外側はSiであったが内部は共晶組成のAl-Siで、未反応Alが残存していた。
三層電解高純度アルミニウムの500μm以上篩別品を使用したこと、反応条件を800℃1分に変更したこと以下は実施例1と同じ操作を行った。
反応後のSi粒子の粒径は750μmであった。
ln(r/√t)=5.927、
10.5−7000/(x+273)=3.980であり、式(A)を満たさなかった。得られた粒子はその外形を保っていて外側はSiであったが内部は共晶組成のAl-Si粒子で、未反応Alが残存していた。
Claims (20)
- 工程(i)を含む珪素の製造方法。
式(1)で示されるハロゲン化シランを金属により還元する工程(i)、
SiHnX4-n (1)
〔式中、nは0〜3の整数であり、XはF、Cl、Br及びIから選ばれる少なくとも1つであり、Xが複数のとき、複数のXは互いに同一でも異なってもよい。〕
前記金属は、融点が1300℃以下であり、還元反応時に液相であり、かつその液相の形状は球状又は薄膜状であり、球状の場合その半径をr(μm)、反応時間をt(分)、反応温度をx(℃)としたとき、式(A)、(B)及び(C)を満たし、又は薄膜状の場合その厚みをr’(μm)、反応時間をt(分)、反応温度をx(℃)としたとき、式(A’)、(B’)及び(C)を満たす。
ln(r/√t)≦(10.5−7000/(x+273)) (A)
ln(r’/√t)≦(10.5−7000/(x+273)) (A’)
1≦r≦250 (B)
1≦r’≦500 (B’)
400≦x≦1300 (C) - さらに、工程(ii)を含む請求項1記載の方法。
工程(i)で得られる珪素をハロゲン化金属から分離する工程(ii)。 - さらに、工程(iii)を含む請求項1又は2記載の方法。
前工程で得られた珪素を精製する工程(iii)。 - 精製は、方向凝固又は真空溶解で行われる請求項3記載の方法。
- 精製は、方向凝固で行われる請求項4記載の方法。
- ハロゲン化シランは不活性ガスとの混合ガスとして供給される請求項1記載の方法。
- 混合ガス中のハロゲン化シラン濃度は5vol%以上である請求項6記載の方法。
- ハロゲン化シランはハロゲン化シランガスとして供給される請求項1記載の方法。
- 金属はNa、K、Mg、Ca、Al及びZnからなる群より選ばれた少なくとも1つである請求項1記載の方法。
- 金属はAlである請求項9記載の方法。
- 金属は純度が99.9%以上である請求項1記載の方法。
〔金属の純度は100%からそれ自身、Fe、Cu、Ga、Ti及びNiの含有量の合計を差し引いたもの。〕 - 金属はホウ素含有量が5ppm以下、リン含有量が1ppm以下、Fe含有量が30ppm以下である請求項1記載の方法。
- 金属は、厚み200μm以下の薄膜状である請求項1記載の方法。
- 金属は、半径100μm以下の球状である請求項1記載の方法。
- 前工程で得られた珪素は、ホウ素含有量が1ppm以下、リン含有量が1ppm以下、Fe、Cu、Ga、Ti、Niの各元素の含有量が10ppm以下である請求項3記載の方法。
- 工程(i')を含む珪素の製造方法。
式(1)で示されるハロゲン化シランを金属により還元する工程(i')、
SiHnX4-n (1)
〔式中、nは0〜3の整数であり、XはF、Cl、Br及びIから選ばれる少なくとも1つであり、Xが複数のとき、複数のXは互いに同一でも異なってもよい。〕
前記金属は、融点が1300℃以下であり、供給する時の形状は球状又は薄膜状であり、球状の場合その半径をr(μm)、反応時間をt(分)、反応温度をx(℃)としたとき、式(A)、(B)及び(C)を満たし、又は薄膜状の場合その厚みをr’(μm)、反応時間をt(分)、反応温度をx(℃)としたとき、式(A’)、(B’)及び(C)を満たす。
ln(r/√t)≦(10.5−7000/(x+273)) (A)
ln(r’/√t)≦(10.5−7000/(x+273)) (A’)
1≦r≦250 (B)
1≦r’≦500 (B’)
400≦x≦1300 (C) - さらに、工程(ii)を含む請求項16記載の方法。
工程(i)で得られる珪素をハロゲン化金属から分離する工程(ii)。 - さらに、工程(iii)を含む請求項16又は17記載の方法。
前工程で得られた珪素を精製する工程(iii)。 - 精製は、方向凝固又は真空溶解で行われる請求項18記載の方法。
- 精製は、方向凝固で行われる請求項19記載の方法。
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