JP4946074B2 - 表示装置、その駆動方法、および電子機器 - Google Patents
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Description
挙動を制御する技術に関する。
(以下「駆動電流」という)をトランジスタ(以下「駆動トランジスタ」という)によっ
て制御する構成が従来から提案されている。しかしながら、この構成においては、駆動ト
ランジスタの特性(特に閾値電圧)の個体差に起因して各発光素子の階調にバラツキが発
生するという問題がある。この階調のバラツキを抑制するために、例えば特許文献1には
、駆動トランジスタの閾値電圧の相違を補償する構成が開示されている。
されるように、駆動トランジスタTdrのゲートとドレインとの間にはトランジスタTr1が
介挿される。また、駆動トランジスタTdrのゲートには容量素子C0の一方の電極L2が接
続される。保持容量C1は、駆動トランジスタTdrのゲートとソースとの間に介挿された
容量である。一方、トランジスタTr2は、有機発光ダイオード素子(以下「OLED素子
」という)110に指定された輝度に応じた電位(以下「データ電位」という)VDが供
給されるデータ線14と容量素子C0の他方の電極L1との間に介挿されて両者の導通およ
び非導通を切り替えるスイッチング素子である。
せるとともに、信号S1によってトランジスタTr2をオン状態として容量素子C0の電極L
1とデータ線14とを導通させる。こうして駆動トランジスタTdrがダイオード接続され
ると、駆動トランジスタTdrのゲートの電位は「VEL−Vth」に収束する(Vthは駆動ト
ランジスタTdrの閾値電圧)。一方、データ線14にはある基準電位Vrefを与えてお
く。第2に、トランジスタTr1をオフ状態としたうえで、データ線14の電位を基準電位
Vrefからデータ電位VDに変化させる。。この動作によって、駆動トランジスタTdr
のゲートの電位は、電極L1における電位の変化分を容量素子C0と保持容量C1との容量
比に応じて分割したレベル(すなわち基準電位Vrefとデータ電位VDとの差分に応じ
たレベル)だけ変化する。第3に、トランジスタTr2をオフ状態としたうえで、信号S3
によってトランジスタTelをオン状態とする。この結果、閾値電圧Vthに依存しない駆動
電流Ielが駆動トランジスタTdrおよびトランジスタTelを経由してOLED素子110
に供給される。
リングのための容量素子C0といった2つの容量が必要となる。画素回路を形成する基板
において、容量は大きな面積を占有する。このため、限られた基板面積の中で2つの容量
を形成することは困難であった。
特に、高精細で大画面の表示装置では、画素回路の面積を縮小する必要がある。さらに
、大画面の表示装置では、入力端子を削減するため、所定数のデータ線を単位としてデマ
ルチプレクサを設けることがある。デマルチプレクサを用いる場合には、閾値電圧を補償
する期間が、そこに接続されるデータ線ごとに相違する。このため、補償の程度がデータ
線ごとに異なり、輝度ムラが生じるといった問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、データ線ごとの輝度ムラを抑
制するという課題の解決を目的としている。
線と、前記複数のデータ線に各々対応して設けられた複数の保持電位線と、前記複数の走
査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素回路とを備えるもの
であって、前記複数のデータ線はN(Nは2以上の自然数)本を1組とする複数の組を含
み、各データ線に供給すべきデータ電位を前記データ線の組ごとに時分割多重したデータ
信号を生成するデータ線駆動手段と、前記データ線の組ごとに設けられ、各々が当該組に
属するN本のデータ線を順次選択して前記データ信号を時分割で選択したデータ線に供給
する複数の選択手段と、
前記データ線の組に属するN本の前記保持電圧線の各々に個別の保持電位を供給する保
持電位生成手段とを備え、前記複数の画素回路の各々は、駆動電流に応じた輝度で発光す
る発光素子と、前記発光素子に、ゲートの電位に応じた前記駆動電流を供給する駆動トラ
ンジスタと、第1電極と前記駆動トランジスタのゲートに接続された第2電極とを有する
容量素子と、前記駆動トランジスタのゲート・ソース間の電位差が閾値電圧となるゲート
の電位を閾値電位としたとき、第1期間において前記駆動トランジスタのゲートに前記閾
値電位よりゲート・ソース間の電位差が広がる初期化電位を与え、且つ、前記駆動トラン
ジスタのドレインとゲートとを電気的に接続し、前記第1期間の後の第2期間において前
記データ線と前記第1電極とを電気的に接続し、且つ、前記駆動トランジスタのドレイン
とゲートとを電気的に接続し、前記第2期間の後の第3期間において前記保持電位線と前
記第1電極とを電気的に接続する制御手段とを備えることを特徴とする。
ダイオード接続された状態となる。このとき駆動トランジスタのゲート電位はゲート・ソ
ース間の電圧が閾値電圧となる所定電位に漸近していく。しかし、容量素子の第1電極は
データ線に電気的に接続されているため、ゲート電位はデータ線の電位の変動に伴って変
化する。選択手段は、N本のデータ線を順次選択し、選択されたデータ線にデータ信号を
供給する。データ信号がデータ線に供給されるとデータ線の電位が変動する。これに伴っ
て駆動トランジスタのゲート電位が変動するから、データ線の電位がデータ電位に遷移し
た時点で、駆動トランジスタのゲート電位が変化し、再び、所定電位に漸近していく。デ
ータ線の電位がデータ電位に遷移する時点は、組を構成するN本のデータ線の選択順序に
よって定まる。このため、データ線の選択順序によって閾値電圧の補償の程度が相違する
。第3期間においては、第1電極の電位が、第2期間が終了した時点の電位から保持電位
まで変化する。すると、第2電極の電位、即ち、駆動トランジスタのゲート電位が、第1
電極の電位の変化分だけ変化する。ここで、保持電圧生成手段は、データ線の組に属する
N本の保持電圧線の各々に個別の保持電位を供給するから、保持電位を適宜設定すること
によって、閾値電圧の補償の程度を補正することができる。
になる前記データ線が選択されてから前記第2期間が終了するまでの時間に応じて当該保
持電位線に供給する前記保持電位を設定することが好ましい。第2期間が終了した時点に
おいて、駆動トランジスタのゲート電位が閾値電圧にどの程度近づくかは、データ線が選
択されてから第2期間が終了するまでの時間に応じて定まる。したがって、そのような時
間に応じて各保持電位を設定することによって、閾値電圧のバラツキを抑制しつつデータ
線ごとの輝度ムラを抑制することが可能となる。
よび非導通を切り替え、前記第2期間においてオン状態となる第1スイッチング素子(実
施形態のトランジスタTr1)と、前記データ線と前記第1電極との間に介挿されて前記第
2期間においてオン状態となる第2スイッチング素子(実施形態のトランジスタTr2)と
、前記保持電位線と前記第1電極との間に介挿されて前記第3期間においてオン状態とな
る第3スイッチング素子(実施形態のトランジスタTr3)とを備えることが好ましい。こ
の場合、第1スイッチング素子をオン状態にすることによって駆動トランジスタをダイオ
ード接続することができ、第2スイッチング素子と第3スイッチング素子を排他的にON
状態とすることで、容量素子の第1電極の接続先をデータ線と電位保持線とで切り替える
ことができる。
ンジスタのドレインとの間に介挿されて、前記第1期間においてオン状態となり前記第2
期間および前記第3期間においてオフ状態となる第4スイッチング素子(第1実施形態の
トランジスタTr4)を備えることが好ましい。この場合は、第1期間において容量素子の
両端を短絡して、そこに蓄積されている電荷を放電させることができる。また、初期化電
位を保持電位と兼用することができるので、初期化電位を別途生成する必要がなくなる。
ンと前記発光素子との間に介挿されて、前記第1期間および前記第3期間においてオン状
態となり前記第2期間においてオフ状態となる第5スイッチング素子(第2実施形態の発
光制御トランジスタTel)を備えることが好ましい。この場合には、第1期間において発
光素子に駆動電流を流すことにより、駆動トランジスタのゲート電位を初期化電位まで低
下させることができるので、初期化電位を別途生成する必要がなくなる。
素回路の発光素子は、3本のデータ線の各々に対応して赤色、緑色、または青色で発光す
るものであってもよい。ここで、前記保持電位生成手段は、前記選択手段によって前記保
持電位線と対になる前記データ線が選択されてから前記第2期間が終了するまでの時間お
よび前記発光素子の発光色に応じて当該保持電位線に供給する前記保持電位を設定するこ
とが好ましい。この場合には、データ線が選択されてから第2期間が終了するまでの時間
のみならず発光色を考慮して保持電位を設定するので、ホワイトバランスなどの色調整や
発光色の相違による発光効率の補正を同時に行うことができる。
ーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。
駆動方法は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数のデータ線に各々対応して設
けられた複数の保持電位線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応し
て設けられた複数の画素回路とを備え、前記複数の画素回路の各々は、駆動電流に応じた
輝度で発光する発光素子と、前記発光素子に、ゲートの電位に応じた前記駆動電流を供給
する駆動トランジスタと、第1電極と前記駆動トランジスタのゲートに接続された第2電
極とを有する容量素子とを備える表示装置を前提とし、前記複数のデータ線はN(Nは2
以上の自然数)本を1組とする複数の組を含み、各データ線に供給すべきデータ電位を前
記データ線の組ごとに時分割多重したデータ信号を生成し、前記データ線の組ごとに、当
該組に属するN本のデータ線を順次選択して前記データ信号を時分割で選択したデータ線
に供給し、前記データ線の組に属するN本の前記保持電圧線の各々に個別の保持電位を供
給し、前記複数の画素回路の各々において、前記駆動トランジスタのゲート・ソース間の
電位差が閾値電圧となるゲートの電位を閾値電位としたとき、第1期間において前記駆動
トランジスタのゲートに前記閾値電位よりゲート・ソース間の電位差が広がる初期化電位
を与え、且つ、前記駆動トランジスタのドレインとゲートとを電気的に接続し、前記第1
期間に続く第2期間において前記データ線と前記第1電極とを電気的に接続し、且つ、前
記駆動トランジスタのドレインとゲートとを電気的に接続し、前記第2期間に続く第3期
間において前記保持電位線と前記第1電極とを電気的に接続する。この発明によれば、デ
ータ線の組に属するN本の保持電圧線の各々に個別の保持電位を供給するから、保持電位
を適宜設定することによって、閾値電圧の補償の程度を補正することができる。
れてから前記第2期間が終了するまでの時間に応じて当該保持電位線に供給する前記保持
電位を設定することが好ましい。第2期間が終了した時点において、駆動トランジスタの
ゲート電位が閾値電圧にどの程度近づくかは、データ線が選択されてから第2期間が終了
するまでの時間に応じて定まる。したがって、そのような時間に応じて各保持電位を設定
することによって、閾値電圧のバラツキを抑制しつつデータ線ごとの輝度ムラを抑制する
ことが可能となる。
<A−1:表示装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この表示装
置Dは、画像を表示するための手段として各種の電子機器に採用される装置であり、複数
の画素回路Pが面状に配列された画素アレイ部10と、各画素回路Pを駆動する走査線駆
動回路22、データ線駆動回路24、複数のデマルチプレクサ25、プリチャージ回路2
6、表示装置Dで利用される各電圧を生成する電圧生成回路27、および制御回路29を
有する。なお、図1においては走査線駆動回路22とデータ線駆動回路24と電圧生成回
路27とが別個の回路として図示されているが、これらの回路の一部または全部が単一の
回路とされた構成も採用される。また、図1に図示されたひとつの走査線駆動回路22(
あるいはデータ線駆動回路24や電圧生成回路27)が複数のICチップに区分された態
様で表示装置Dに実装されてもよい。
、X方向と直交するY方向に延在する2n本のデータ線14が形成される(mおよびnは
自然数)。2n本のデータ線14は、第1データ線14aと第2データ線14bとを1組
とし、n組から構成される。また、第1データ線14aに対をなしてY方向に延在する第
1保持電位線17a、第2データ線14bに対をなしてY方向に延在する第2保持電位線
17bが形成される。以下の説明において第1保持電位線17aと第2保持電位線17b
を区別する必要がないときは、単に保持電位線17と表記する。各画素回路Pは、データ
線14と制御線12との交差に対応する位置に配置される。したがって、これらの画素回
路Pは、縦m行×横2n列のマトリクス状に配列する。
の回路である。一方、データ線駆動回路24は、各水平走査期間で走査線駆動回路22が
選択した1行分(2n個)の画素回路Pの各々に対応するデータ信号VD[1]〜VD[n]を生
成してn個のデマルチプレクサ25に出力する。k番目のデータ電位VD[k]には、左か
ら2k-1番目のデータ線14に供給すべきデータ電位VDa[k]と左から2k番目のデー
タ線14に供給すべきデータ電位VDb[k]とが時分割多重されている(kは1≦k≦nを
満たす整数)。ここで、第i行(iは1≦i≦mを満たす整数)が選択される水平走査期
間において第2k列目(kは1≦k≦nを満たす整数)のデータ線14(14b)に出力
されるデータ電位VDb[k]は、第i行の第2k列目に位置する画素回路Pに対して指定さ
れた階調に対応する電位となる。
側の電位(以下「接地電位」という)Gndと、第1保持電位VSTaおよび第2保持電位VS
Tbを生成する。第1保持電位VSTaおよび第2保持電位VSTbは、後述するように実質的な
補償期間ThaおよびThbの長さに応じて設定される。第1保持電位VSTaは第1保持電位
線17aに供給され、第2保持電位VSTbは第2保持電位線17bに供給される。
トランジスタTaの一端は奇数番目の第1データ線14aに接続される一方、トランジス
タTbの一端は偶数番目の第2データ線14bに接続される。そして、トランジスタTa
およびTbの他端にはデータ信号が供給される。デマルチプレクサ25は第1選択信号S
ELaと第2選択信号SELbとによって、いずれか一方のデータ線14を選択する。こ
の例では、第1選択信号SELaがアクティブのとき左側(奇数番目)の第1データ線1
4aを選択する一方、第2選択信号SELbがアクティブのとき右側(偶数番目)の第2
データ線14bを選択して、データ線駆動回路24から出力されるデータ信号VD[1]〜V
D[n]を各選択したデータ線14に供給する。例えば、k番目のデータ信号VD[k]には、デ
ータ電位VDa[k]とVDb[k]が時分割多重されており、デマルチプレクサ25によってデー
タ信号VD[k]がデータ電位VDa[k]とデータ電位VDb[k]とに分離される。なお、非選択と
なるデータ線14はフローティング状態となる。
がアクティブ(Hレベル)になると、プリチャージ電圧Vpreを各データ線14に供給す
る。制御回路29は、第1および第2選択信号SELaおよびSELb、ならびにプリチ
ャージ信号Spreの他、走査線駆動回路22およびデータ線駆動回路24を制御するため
の各種のタイミング信号を生成する。
2k列目に位置するひとつの画素回路Pのみが図示されているが、その他の画素回路Pも
同様の構成である。
同図に示されるように、画素回路Pは、電源電位VELが供給される電源線と接地電位G
ndが供給される接地線との間に介挿された発光素子11を含む。発光素子11は、これに
供給される駆動電流Ielに応じた輝度に発光する電流駆動型の素子であり、典型的には、
有機EL材料からなる発光層を陽極と陰極との間に介在させたOLED素子である。
は、実際には4本の配線(走査線121・第1制御線123・第2制御線125・発光制
御線127)を含む。各配線には走査線駆動回路22から所定の信号が供給される。例え
ば、第i行目の走査線121には、同行の画素回路Pを選択するための走査信号GWRT[i]
が供給される。また、第1制御線123にはリセット信号GRES[i]が供給され、第2制御
線125には初期化信号GINT[i]が供給される。さらに、発光制御線127には、発光素
子11が実際に発光する期間(後述する発光期間T4)を規定する発光制御信号GEL[i]
が供給される。なお、各信号の具体的な波形やこれに応じた画素回路Pの動作については
後述する。
駆動トランジスタTdrとnチャネル型の発光制御トランジスタTelとが介挿される。駆動
トランジスタTdrは、ゲートの電位Vgate_bに応じた駆動電流Ielを生成するための手段
であり、そのソースが電源線に接続されるとともにドレインが発光制御トランジスタTel
のドレインに接続される。発光制御トランジスタTelは、駆動電流Ielが実際に発光素子
11に供給される期間を規定するための手段であり、そのソースが発光素子11の陽極に
接続されるとともにゲートが発光制御線127に接続される。したがって、発光制御信号
GEL[i]がローレベルを維持する期間においては発光制御トランジスタTelがオフ状態と
なって発光素子11に対する駆動電流Ielの供給が遮断される一方、発光制御信号GEL[i
]がハイレベルに遷移すると発光制御トランジスタTelがオン状態となって発光素子11
に駆動電流Ielが供給される。なお、発光制御トランジスタTelはOLED素子の陰極と
接地線との間に介挿されてもよい。
が介挿される。このトランジスタTr1のゲートは第2制御線125に接続される。したが
って、初期化信号GINT[i]がハイレベルに遷移するとトランジスタTr1がオン状態となっ
て駆動トランジスタTdrがダイオード接続され、初期化信号GINT[i]がローレベルに遷移
するとトランジスタTr1がオフ状態となって駆動トランジスタTdrのダイオード接続は解
除される。
量である。第2電極L2は駆動トランジスタTdrのゲートに接続される。容量素子C0の第
1電極L1と第2データ線14bとの間にはnチャネル型のトランジスタTr2が介挿され
、第1電極L1と第2保持電位線17bとの間にはpチャネル型(すなわちトランジスタ
Tr2とは逆導電型)のトランジスタTr3が介挿される。トランジスタTr2は第1電極L1
と第2データ線14bとの導通および非導通を切り替えるスイッチング素子であり、トラ
ンジスタTr3は第1電極L1と第2保持電位線17bとの導通および非導通を切り替える
スイッチング素子である。トランジスタTr2のゲートとトランジスタTr3のゲートとは走
査線121に対して共通に接続される。したがって、トランジスタTr2とトランジスタT
r3とは相補的に動作する。すなわち、走査信号GWRT[i]がハイレベルであればトランジス
タTr2がオン状態となってトランジスタTr3がオフ状態となり、走査信号GWRT[i]がロー
レベルであればトランジスタTr2がオフ状態となってトランジスタTr3がオン状態となる
。
電極L2との間に介挿されて両者の導通および非導通を切り替えるスイッチング素子であ
る。さらに詳述すると、トランジスタTr4は、一端がトランジスタTr3を介して第1電極
L1に接続されるとともに、他端がトランジスタTr1を介して第2電極L2に接続される。
このトランジスタTr4のゲートは第1制御線123に接続される。したがって、トランジ
スタTr1とトランジスタTr3とがオン状態を維持する期間において、リセット信号GRES[
i]がハイレベルに遷移するとトランジスタTr4がオン状態となって第1電極L1と第2電
極L2とが短絡する。
る。図3に示されるように、走査信号GWRT[1]ないしGWRT[m]は、水平走査期間(1H)
ごとに順番にハイレベルとなる。走査信号GWRT[i]のハイレベルへの移行は第i行の各画
素回路Pの選択を意味する。以下の説明では、データ電位VDa[k]が供給される第1デー
タ線14aの電位を「Da」、データ電位VDb[k]が供給される第2データ線14bの電
位を「Db」と表記する。なお、図3においては走査信号GWRT[i]の立ち下がりから所定
の時間が経過したタイミングで走査信号GWRT[i+1]が立ち上がる構成としているが、走査
信号GWRT[i]の立ち下がりとその次行の走査信号GWRT[i+1]の立ち上がりとを同時とした
構成であってもよい。
Da[k]が割り当てられ、その後半にデータ電位VDb[k]が割り当てられる。走査信号GWRT[
i]がハイレベルとなった後、プリチャージ信号Spreがハイレベルになる。すると、デー
タ線14の電位DaおよびDbはプリチャージ電位Vpreに漸近する。データ線14は配線
が長いため、そこには大きな寄生容量が付随する。このため、データ線14の電位を変化
させるには長時間を要する。この例では、データ線14をプリチャージ電位Vpreに充電
するので、データ電位VDa[k]およびVDb[k]の書き込みが容易となる。なお、データ電位
VDa[k]が供給される画素回路Pにおけるゲート電位Vgateを「Vgate_a」、データ電位
VDb[k]が供給される画素回路Pにおけるゲート電位Vgateを「Vgate_b」と表記する。
になる。リセット信号GRES[i]がハイレベルの期間をリセット期間T1(第1期間)と称
する。リセット期間T1では、駆動トランジスタTdrのゲート電位Vgate_aを第1保持電
位VSTaにし、ゲート電位Vgate_bを第2保持電位VSTbにする。また、リセット信号GRE
S[i]が立ち下がってから初期化信号GINT[i]が立ち下がるまでの期間は、書込・補償期間
T2である。書込・補償期間T2においては、データ電位VDa[k]およびデータ電位VDb[
k]が容量素子C0に書き込まれる。走査信号GWRT[i]がローベルになった後、発光制御信
号GEL[i]がハイレベルになるまでの期間は、駆動トランジスタTdrのゲート電位Vgate_
aおよびVgate_bを表示すべき階調に応じた電位に設定する設定期間T3である。さらに
、発光制御信号GEL[i]がハイレベルの期間は発光期間T4であり、発光素子11が発光
する。
次に、図3ないし図7を参照しながら画素回路Pの具体的な動作を、リセット期間T1
、書込・補償期間T2、設定期間T3および発光期間T4について説明する。
<A−2−1:リセット期間>
図4にリセット期間T1における画素回路Pの動作を示す。この例では、第2データ線
14b(偶数番目のデータ線14に接続される画素回路P)を例示するが、第1データ線
14a(奇数番目のデータ線14に接続される画素回路P)も同様に動作する。リセット
期間T1においては、図3に示されるように、初期化信号GINT[i]およびリセット信号G
RES[i]がハイレベルを維持するとともに走査信号GWRT[i]および発光制御信号GEL[i]が
ローレベルを維持する。したがって、図4に示されるように、トランジスタTr1とTr3と
Tr4とはオン状態に遷移し、トランジスタTr2と発光制御トランジスタTelとはオフ状態
を維持する。この状態においては、容量素子C0の第1電極L1と第2電極L2とがトラン
ジスタTr3、Tr4、およびTr1を介して導通するから、リセット期間T1の開始直後の時
点で容量素子C0に蓄積されていた電荷は完全に除去される。
この容量素子C0の電荷のリセットによって、リセット期間T1の開始の時点における
容量素子C0の状態(容量素子C0に残存している電荷)に拘わらず、その後の書込・補償
期間T2では駆動トランジスタTdrのゲート電位Vgate_bを高い精度で初期値に設定する
ことが可能となる。
r1およびTr4を介して第2保持電位線17bに導通するから、このゲート電位Vgate_bは
電圧生成回路27が生成した第2保持電位VSTbに略等しくなる。本実施形態における第
1保持電位VSTaおよび第2保持電位VSTbは、図5に示すように電源電位VELと駆動トラ
ンジスタTdrの閾値電圧Vthの差分値(VEL−Vth)以下のレベルである。本実施形態に
おける駆動トランジスタTdrはpチャネル型であるから、ゲートに対する第1および第2
保持電位VSTaおよびVSTbの供給によって駆動トランジスタTdrはオン状態となる。つま
り、第1および第2保持電位VSTaおよびVSTbは、駆動トランジスタTdrのゲートに供給
されたときに駆動トランジスタTdrをオン状態とする電位でもある。
図6に書込・補償期間T2における画素回路Pの動作を示す。この例では、第2データ
線14bに接続される画素回路Pを例示するが、第1データ線14aの画素回路Pにおい
て各トランジスタTr1〜Tr4、Tdr、Telは同様に動作する。書込・補償期間T2では、
リセット信号GRES[i]がローレベル、初期化信号GINIT[i]がハイレベル、走査信号GWRT
[i]がハイレベルとなるから、トランジスタTr1およびTr2がオン状態となる一方、トラ
ンジスタTr3およびTr4がオフ状態となる。
、駆動トランジスタTdrのゲート電位Vgate_bがVEL−Vthに漸近していく。ここで、図
3に示すように、第1選択信号SELaがハイレベルとなる期間を第1書込期間Twrta、
第2選択信号SELbがハイレベルとなる期間を第2書込期間Twrtbとする。
、第2データ線14bを選択しないので、第2データ線14bはフローティング状態とな
っている。ただし、第2データ線14bの寄生容量の大きさは容量素子C0の容量値と比
較して大きいので、第1電極L1の電位は略固定されている。このため、第1書込期間T
wrtaにおいても容量素子C0に対して充電が実行され、ゲート電位Vgate_bはVEL−Vth
に漸近していく。そして、第2書込期間Twrtbが開始されたとき、第2データ線14bの
電位DbはVDb[k]である。このとき、容量素子C0の電位差は保たれたまま、第1電極L
1の電位がVDb[k]まで低下する。このため、ゲート電位Vgate_bは低下するが、再び、
VEL−Vthに漸近していく。つまり、第2書込期間Twrtbの開始でゲート電位Vgate_bは
一旦リセットされ、VEL−Vthに漸近していく。この意味において、第2データ線14b
に接続される画素回路Pにおいて駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vthを補償する実質的
な補償期間は、Thbとなる。
第1データ線14aにデータ電位VDa[k]が供給されるので、ゲート電位Vgate_aは第1
書込期間Twrtaの開始からVEL−Vthに漸近していく。そして、第1書込期間Twrtaが終
了しても容量素子C0に対する充電が続行される。この場合、ゲート電位Vgate_bのよう
に第2データ線14bの電位が変動しないので、ゲート電位Vgate_aがリセットされるこ
とはない。したがって、第1データ線14bに接続される画素回路Pにおいて駆動トラン
ジスタTdrの閾値電圧Vthを補償する実質的な補償期間は、Thaとなる。
回路Pにおいても、実質的な補償期間は、デマルチプレクサ25によって保持電位線17
と対になるデータ線14が選択されてから書込・補償期間T2(第2期間)が終了するま
でとなる。
よって、先に選択される第1データ線14aに接続される画素回路Pの補償期間Thaは、
後に選択される第2データ線14bに接続される画素回路Pの補償期間Thbと比較して長
くなる。この結果、書込・補償期間T2の終了時点において、ゲート電位Vgate_aはVpa
=VEL−Vth−Veaとなり、ゲート電位Vgate_bはVpb=VEL−Vth−Vebとなる。ここ
で、VeaとVebは誤差電圧であり、Veb>Vea>0となる。
漸近する。つまり、実質的な補償期間が長い方が補償の精度が高くなる。仮に、書込・補
償期間T2の終了時点におけるゲート電位Vgate_aおよびゲート電位Vgate_bを黒レベル
の基準として発光素子11を駆動すると、第2データ線14bに接続される画素回路Pの
方が明るくなり、輝度ムラが発生する。そこで、本実施形態では、実質的な補償期間Tha
およびThbの長さに応じて第1保持電位VSTaと第2保持電位VSTbとを設定し、補償の程
度を補正している。
図7に設定期間T3における画素回路Pの動作を示す。この例では、第2データ線14
bに接続される画素回路Pを例示するが、第1データ線14aに接続される画素回路Pも
同様に動作する。
設定期間T3においては、図3に示されるように、走査信号GWRT[i]がローレベルに遷
移し、初期化信号GINT[i]、リセット信号GRES[i]、および発光制御信号GEL[i]はロー
レベルを維持する。したがって、図7に示されるように、トランジスタTr1、Tr2および
Tr4と発光制御トランジスタTelとはオフ状態を維持する一方、トランジスタTr3がオン
状態に遷移して第2保持電位線17bと第1電極L1とが導通する。したがって、第1電
極L1の電位は、書込・補償期間T2で供給されていたデータ電位VDb[k]から第2保持電
位VSTbに変化する。
また、駆動トランジスタTdrのゲートのインピーダンスは充分に高い。したがって、第1
電極L1が書込・補償期間T2における電位VDb[k]から第2保持電位VSTbまで変化量Δ
Vb(=VDb[k]−VSTb)だけ変動すると、第2電極L2の電位(駆動トランジスタTdrの
ゲートの電位Vgate_b)は容量カップリングによってその直前の電位Vpb(=VEL−Vth
−Veb)から変動する。このときの第2電極L2の電位の変動量は、容量素子C0とその他
の寄生容量(例えば駆動トランジスタTdrのゲート容量やその他の配線に寄生する容量)
との容量比に応じて定まる。より具体的には、容量素子C0の容量値を「C」とし寄生容
量の容量値を「Cs」とすると、第2電極L2の電位の変化分は「ΔV・C/(C+Cs)
」と表現される。したがって、設定期間T3において駆動トランジスタTdrのゲートの電
位Vgate_bは以下の式(1)で表現されるレベルに安定する。
Vgate_b=Vpb−α・ΔVb=VEL−Vth−Veb−α・ΔVb……(1)
ただし、α=C/(C+Cs)
同様に、第1データ線14aに接続される画素回路Pでは、設定期間T3において駆動
トランジスタTdrのゲートの電位Vgate_aは以下の式(2)で表現されるレベルに安定する
。
Vgate_a=Vpa−α・ΔVa=VEL−Vth−Vea−α・ΔVa……(2)
ただし、ΔVa=VDa[k]−VSTa
図8に発光期間T4における画素回路Pの動作を示す。この例では、第2データ線14
bに接続される画素回路Pを例示するが、第1データ線14aに接続される画素回路Pも
同様に動作する。
発光期間T4においては、図3に示されるように、初期化信号GINT[i]とリセット信号
GRES[i]とがローレベルを維持するから、トランジスタTr1およびTr4はオフ状態を維持
する。また、走査信号GWRT[i]は発光期間T4においてローレベルを維持するから、図7
に示されるように、トランジスタTr2がオフ状態に遷移するとともにトランジスタTr3が
オン状態に遷移する。したがって、容量素子C0の第1電極L1は、オン状態となったトラ
ンジスタTr3を介して第2保持電位線17bに接続される。この結果、発光期間T4にお
いて第1電極L1の電位は第2保持電位VSTbに固定され、これによって駆動トランジスタ
Tdrのゲートの電位Vgate_b(第2電極L2の電位)は略一定に維持される。つまり、本
実施形態における容量素子C0は、補償・書込期間T2において第2データ線14bに接
続されていた第一電極L1が設定期間T3において保持電位線17bにつなぎ変えられる
ことで駆動トランジスタTdrのゲートを所期の電位(式(1)によって表現される電位)に
設定するカップリング容量として機能するとともに、第1電極L1が第2保持電位線17
bに接続される発光期間T4においては駆動トランジスタTdrのゲートを定電位に維持す
る保持容量として機能する。
8に示されるように、発光制御トランジスタTelがオン状態となって駆動電流Iel_bの経
路が形成される。したがって、駆動トランジスタTdrのゲートの電位Vgate_bに応じた駆
動電流Ielが電源線から駆動トランジスタTdrおよび発光制御トランジスタTelを経由し
て発光素子11に供給される。この駆動電流Iel_bの供給によって発光素子11はデータ
電位VDb[k]に応じた輝度に発光する。
は以下の式(3)によって表現される。ただし、「β」は駆動トランジスタTdrの利得係数
であり、「Vgs」は駆動トランジスタTdrのゲート−ソース間の電圧である。
Iel_b=(β/2)(Vgs+Vth)2
=(β/2)(Vgate_b−VEL+Vth)2……(3)
なお、通常、pチャネルトランジスタの閾値Vthは負の値で表現することが多いが、本明
細書では絶対値で定義している。従って、(3)式のVthの項の符号が、通常と反転して
いることに注意する必要がある。
Iel_b=(β/2){(VEL−Vth−Veb−α・ΔVb)−VEL+Vth}2
=(β/2)(Veb+α・ΔVb)2
=(β/2){Veb+α・(VDb[k]−VSTb)}2……(4)
同様に、第1データ線14aに接続される画素回路Pの駆動電流Iel_aは以下に示す式
(5)で与えられる。
Iel_a=(β/2){Vea+α・(VDa[k]−VSTa)}2……(5)
る。
VSTb=Veb/α+Vref……(6)
VSTa=Vea/α+Vref……(7)
但し、Vrefは一定電位であって、零でも良い。誤差電圧Vebは補償期間Thbの長さに
応じて定まり、誤差電圧Veaは補償期間Thaの長さに応じて定まる。したがって、第1保
持電位VSTaおよび第2保持電位VSTbは、補償期間Thbおよび補償期間Thaの長さに応じ
て定める。補償期間ThbおよびThaは、デマルチプレクサ25によって保持電位線17と
対になる第1データ線14bまたは14aが選択されてから書込・補償期間T2が終了す
るまでの時間である。電圧生成回路27はそのような時間に応じた第1保持電位VSTaお
よび第2保持電位VSTbを設定する。
Iel_b=(β/2){α・(VDb[k]−Vref)}2……(8)
Iel_a=(β/2){α・(VDa[k]−Vref)}2……(9)
このように、誤差電圧Veaを相殺するように第1保持電位VSTaを設定し、且つ、誤差
電圧Vebを相殺するように第2保持電位VSTbを設定したので、発光素子11に供給され
る駆動電流Iel_bまたはIel_aは、データ電位VDb[k]またはデータ電位VDa[k]のみによ
って決定され、駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vthには依存しない。したがって、画素
回路Pごとの閾値電圧Vthのバラツキに起因した輝度のムラを抑制しつつ、補償期間Tha
およびThbの相違に基づく、データ線14ごとの輝度ムラを同時に抑制することができる
。
ーティング状態となるためにその電位が変動し易い。従って、駆動トランジスタTdrのゲ
ートの電位を維持するためには、容量素子C0とは別個の保持容量C1を設ける必要がある
。これに対し、本実施形態においては、容量素子C0の第1電極L1が発光期間T4におい
て第1保持電位VSTaまたは第2保持電位VSTbに維持されるから、容量素子C0が保持容
量の機能も果たし、駆動トランジスタTdrのゲートの電位Vgate_aまたはVgate_bは発光
期間T4の全体にわたって略一定に維持される。したがって、駆動電流Ielの変動を防止
して発光素子11を高い精度で所期の輝度に発光させることができる。容量素子を2つ設
ける必要がない。また、図15の構成においては、データ電位VDの振幅を駆動トランジ
スタTdrのゲートに伝達する過程で、C0とC1との比により分圧されてしまうため、C
0に大きな容量が要求される。一方、容量素子がひとつで良い本実施形態では、そのよう
な問題がない。以上のように画素回路Pに要求される容量が低減されるから、本実施形態
には画素回路Pの規模が縮小されるという利点がある。
第2実施形態の表示装置Dは、画素回路Pおよび走査線駆動回路22の構成を除いて、
図1に示す第1実施形態の表示装置Dと同様である。図9に第2実施形態の画素回路Pを
示す。この画素回路Pは、図2に示す第1実施形態の画素回路Pと比較して、トランジス
タTr4を省略してある。このため、走査線駆動回路22はリセット信号GRESの生成を省
略できる。
セット期間T1では、走査信号GWRT[i]、初期化信号GINT[i]、および発光制御信号GEL
[i]がハイレベルとなる。したがって、駆動トランジスタTdrがダイオード接続された状
態で発光制御トランジスタTelがオン状態となる。この結果、駆動トランジスタTdrのゲ
ート電位Vgate_bの電位は充分低下する。
次に、補償・書込期間T2では、走査信号GWRT[i]および初期化信号GINT[i]がハイレ
ベルを維持したまま、発光制御信号GEL[i]がローレベルになる。すると、発光制御トラ
ンジスタTelがオフ状態になり、第1実施形態と同様にゲート電位Vgate_bがVEL−Vth
に漸近していく。
Tr2がオフ状態になる一方、トランジスタTr3がオン状態になり、第1電極L1がトラン
ジスタTr3を介して第2保持電位線17bに接続される。これにより、第1電極L1の電
位がデータ電位VDb[k]から第2保持電位VSTbに遷移する。すると、容量素子C0がカッ
プリング容量として作用し、ゲート電位Vgate_bがVDb[k]−VSTbだけ押し下げられる。
次に、発光期間T4において、発光制御信号GEL[i]がハイレベルになると、発光制御
トランジスタTelがオン状態となり、駆動トランジスタTdrのゲート電位Vgate_bに応じ
た駆動電流Iel_bが発光素子11に供給される。
この場合、駆動電流Iel_bは、上述した式(8)で与えられ、第1データ線14aに接続
される画素回路Pの駆動電流Iel_aは上述した式(9)で与えられる。したがって、第1実
施形態と同様に、画素回路Pごとの閾値電圧Vthのバラツキに起因した輝度のムラを抑制
しつつ、補償期間ThaおよびThbの相違に基づく、データ線14ごとの輝度ムラを同時に
抑制することができる。
上述した第1および第2実施形態では、データ信号VD[k]には2系統のデータ電位VDa
[k]およびVDb[k]が時分割多重されていた。これに対して、第3実施形態の表示装置Dは
データ信号VD[k]にRGB各色の3系統のデータ電位VDa[k]、VDb[k]、およびVDc[k]
を多重するものである。
図11に第3実施形態の表示装置Dの構成を示す。この表示装置Dは、3n本のデータ
線14を有する。3n本のデータ線14は、3本の第1データ線14a、第2データ線1
4bおよび第3データ線14cの組をn組備える。1個のデマルチプレクサ25には1組
のデータ線14a〜14cが接続される。各デマルチプレクサ25は、制御回路29から
供給される第1〜第3選択信号SELa〜SELcに基づいて、データ信号VD[k]を時分
割で分離してデータ電位VDa[k]、VDb[k]、およびVDc[k]を出力する。
電位VSTa、第2データ線14bと対になる保持電位線17に第2保持電位VSTb、第3デ
ータ線14cと対になる保持電位線17に第3保持電位VSTcを各々出力する。ここで、
書込・補償期間T2が終了した時点において、第3データ線14cに接続される画素回路
Pの誤差電圧をVecとする。
この場合、第1保持電位VSTa、第2保持電位VSTb、および第3保持電位VSTcは、以
下に示す式(10)〜(12)で与えられる。
VSTa=Vea/α+VR+Vref……(10)
VSTb=Veb/α+VG+Vref……(11)
VSTc=Vea/α+VB+Vref……(12)
ここで、VR、VG、およびVBは、RGB各色の調整用のパラメータである。VR、VG
、およびVBを適宜設定することによって、色調整を行うことが可能となる。発光素子の
発光効率は発光色によって相違するのが通常である。したがって、補償期間と発光色に応
じて第1保持電位VSTa、第2保持電位VSTb、および第3保持電位VSTcを設定すること
によって、閾値電圧Vthのバラツキに起因する輝度ムラ、分割分離の順序(補償期間の長
さ)に起因するデータ線ごとの輝度ムラ、および発光効率に起因する輝度ムラを抑制する
ことができる。
らなり、データ線駆動回路24は各データ線14に供給すべきデータ電位をデータ線の組
ごとに時分割多重したデータ信号を生成したが、組を構成するデータ線の本数はN(Nは
2以上の自然数)本以上であればよい。この場合、デマルチプレクサ25は、データ線の
組ごとに設けられ、組に属するN本のデータ線を順次選択してデータ信号を時分割で選択
したデータ線に供給すればよい。さらに、電圧生成回路27は、データ線の組に属するN
本の保持電圧線の各々に個別の保持電位を供給すればよい。
また、画素回路Pを構成する各トランジスタの導電型は適宜に変更される。例えば、図
2における駆動トランジスタTdrはnチャネル型であってもよい。この場合においても、
保持電位線17に供給される電位VSTは、駆動トランジスタTdrのゲートに供給されたと
きにこの駆動トランジスタTdrをオン状態とする電位に設定される。なお、駆動トランジ
スタTdrがnチャネル型である構成においてトランジスタTelは駆動トランジスタTdrの
ドレインと電源線(電位VEL)の間に介挿され、駆動トランジスタTdrのソースはOLE
D素子の陽極に接続される。また、OLED素子は発光素子11の一例に過ぎない。例え
ば、OLED素子に代えて、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子といっ
た様々な素子を本発明における発光素子として採用することができる。本発明における発
光素子は、電流の供給によって階調(典型的には輝度)が変化する素子であれば足り、そ
の具体的な構造の如何は不問である。
次に、本発明に係る表示装置Dを利用した電子機器について説明する。図12は、以上
に説明した何れかの形態に係る表示装置Dを採用したモバイル型のパーソナルコンピュー
タの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置Dと本体部
2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード20
02が設けられている。この表示装置Dは電気光学素子11にOLED素子を使用してい
るので、視野角が広く見易い画面を表示できる。更に、本発明により均一な表示が得られ
るとともに、データ線に対してデータ線駆動回路の個数が減らされているため低コストで
ある。
3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示
装置Dを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、表示装置Dに表示
される画面がスクロールされる。
ital AssiSTants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001
および電源スイッチ4002、ならびに表示装置Dを備える。電源スイッチ4002を操
作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示装置Dに表示される。
たもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置
、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、
テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネル
を備えた機器等などが挙げられる。
……制御線、121……走査線、123……第1制御線、125……第2制御線、127
……発光制御線、14……データ線、17a,17b……第1保持電位線,第2保持電位
線、22……走査線駆動回路、24……データ線駆動回路、27……電圧生成回路、Tdr
……駆動トランジスタ、Tel……発光制御トランジスタ、Tr1,Tr2,Tr3,Tr4……ト
ランジスタ、GWRT[i]……走査信号、GRES[i]……リセット信号、GINT[i]……初期化信
号、GEL[i]……発光制御信号、T1……リセット期間、T2……書込・補償期間、T3
……設定期間、T4……発光期間。
Claims (6)
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数のデータ線に各々対応して設けられた複数の保持電位線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素回路とを備える表示装置であって、
前記複数のデータ線はN(Nは2以上の自然数)本を1組とする複数の組を含み、各データ線に供給すべきデータ電位を前記データ線の組ごとに時分割多重したデータ信号を生成するデータ線駆動手段と、
前記データ線の組ごとに設けられ、各々が当該組に属するN本のデータ線を順次選択して前記データ信号を時分割で選択したデータ線に供給する複数の選択手段と、
前記データ線の組に属するN本の前記保持電圧線の各々に互いに異なる電位の保持電位を供給する保持電位生成手段と、
制御手段と、
を備え、
前記複数の画素回路の各々は、
駆動電流に応じた輝度で発光する発光素子と、
ドレインが前記発光素子に接続されて、前記発光素子にゲートの電位に応じた前記駆動電流を供給する駆動トランジスタと、
第1電極と前記駆動トランジスタのゲートに接続された第2電極とを有する容量素子と、
前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に接続され、前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの導通および非導通を切り替える第1スイッチング素子と、
前記データ線と前記第1電極との間に接続されて前記第2期間においてオン状態となる第2スイッチング素子と、
前記保持電位線と前記第1電極との間に接続された第3スイッチング素子と、
前記保持電位線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第4スイッチング素子と、を備え、
前記制御手段は、
第1期間において、前記第1スイッチング素子、前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオン状態として、前記駆動トランジスタのゲートに、前記駆動トランジスタの閾値電圧よりゲート・ソース間の電圧を大きくする初期化電位が与えられ、
前記第1期間の後の第2期間において、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をオン状態とし、
前記第2期間の後の第3期間において、前記第3スイッチング素子をオン状態とし、
前記保持電位生成手段は、前記選択手段によって前記保持電位線と対になる前記データ線が選択されてから前記第2期間が終了するまでの時間に応じて当該保持電位線に供給する前記保持電位を設定すること
を特徴とする表示装置。 - 前記複数の画素回路の各々は、さらに、前記駆動トランジスタのドレインと前記発光素子との間に接続される第5スイッチング素子を備え、
前記制御手段は、
前記第1期間及び第2期間において、前記第5スイッチング素子をオフ状態とし、
前記第3期間において前記第3スイッチング素子がオン状態とされた後に前記第5スイッチング素子をオン状態とすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記データ線の組は3本のデータ線から構成され、前記画素回路の発光素子は、3本のデータ線の各々に対応して赤色、緑色、または青色で発光することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
- 前記保持電位生成手段は、前記選択手段によって前記保持電位線と対になる前記データ線が選択されてから前記第2期間が終了するまでの時間および前記発光素子の発光色に応じて当該保持電位線に供給する前記保持電位を設定することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の表示装置を備えた電子機器。
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数のデータ線に各々対応して設けられた複数の保持電位線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素回路とを備え、前記複数の画素回路の各々は、駆動電流に応じた輝度で発光する発光素子と、ドレインが前記発光素子に接続され、前記発光素子にゲートの電位に応じた前記駆動電流を供給する駆動トランジスタと、第1電極と前記駆動トランジスタのゲートに接続された第2電極とを有する容量素子とを備える表示装置の駆動方法であって、
前記複数のデータ線はN(Nは2以上の自然数)本を1組とする複数の組を含み、各データ線に供給すべきデータ電位を前記データ線の組ごとに時分割多重したデータ信号を生成し、
前記データ線の組ごとに、当該組に属するN本のデータ線を順次選択して前記データ信号を時分割で選択したデータ線に供給し、
前記データ線の組に属するN本の前記保持電圧線の各々に互いに異なる電位の保持電位を供給し、
前記複数の画素回路の各々において、
前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの間に接続され、前記駆動トランジスタのゲートとドレインとの導通および非導通を切り替える第1スイッチング素子と、
前記データ線と前記第1電極との間に接続されて前記第2期間においてオン状態となる第2スイッチング素子と、
前記保持電位線と前記第1電極との間に接続された第3スイッチング素子と、
前記保持電位線と前記駆動トランジスタのドレインとの間に接続された第4スイッチング素子と、を備えるものとし、
第1期間において、前記第1スイッチング素子、前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオン状態として、前記駆動トランジスタのゲートに、前記駆動トランジスタの閾値電圧よりゲート・ソース間の電圧を大きくする初期化電位を与え、
前記第1期間の後の第2期間において、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をオン状態とし、
前記第2期間の後の第3期間において、前記第3スイッチング素子をオン状態とし、
前記保持電位線と対になる前記データ線が選択されてから前記第2期間が終了するまでの時間に応じて当該保持電位線に供給する前記保持電位を設定する
ことを特徴とする表示装置の駆動方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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