JP4945899B2 - 有機薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
有機半導体層上に、ソース電極およびドレイン電極の間のチャネル長を規定する所定幅を有する絶縁性のアブレーション層を形成し、
次いで、前記アブレーション層を覆い且つ該アブレーション層の幅方向の両端部から前記有機半導体層に接合する電極材料層を形成し、
次いで、前記アブレーション層の前記両端部を残して一部を高密度エネルギー光の照射によりアブレーションすることにより該アブレーション層上において前記電極材料層を分断して、該アブレーション層の幅方向の一方の端部から前記有機半導体層に亘る前記ソース電極と、該アブレーション層の幅方向の他方の端部から前記有機半導体層に亘る前記ドレイン電極とを形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項2)
前記アブレーション層をインクジェット法で形成することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項3)
前記アブレーションにレーザー光を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項4)
前記アブレーションにフラッシュ光を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
(請求項5)
請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタの製造方法によって製造されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
本発明でいう絶縁性のアブレーション層とは、高密度エネルギー光の照射によりアブレーションし、アブレーション層の上に形成された電極材料層を分断する層をいう。ここで言うアブレーションとは、物理的あるいは化学的変化によりアブレーション層が完全に飛散する、一部が破壊され飛散する、電極材料層との界面近傍のみに物理的あるいは化学的変化が起こり電極材料層を断裂するという現象を含み、アブレーションの結果、電極材料層が破壊される現象を利用するものである。
本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法において、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成する電極材料は、導電性ポリマーや金属微粒子などを好適に用いることができる。
次に、アブレーション層の上を覆い、且つ有機半導体に接合する電極材料層の上からエネルギーを与え、アブレーション層をアブレーションする高密度エネルギー光は、アブレーションを発生させる活性光であれば特に制限無く用いることができる。露光方法としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプなどによるフラッシュ光を、全面露光してもよく、またはフォトマスクを介して行ってもよく、レーザー光等を収束させ走査露光を行ってもよい。レーザー1ビーム当たりの出力は20〜200mWである赤外線レーザー、特に半導体レーザーが最も好ましく用いられる。エネルギー密度としては、好ましくは50〜500mJ/cm2、さらに好ましくは100〜300mJ/cm2である。
本発明において支持体は特に制限なはないが、樹脂材料、例えばプラスチックフィルムシートを好ましく用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
本発明の有機薄膜トランジスタの支持体の上には下引き層を有することが好ましく、無機酸化物および無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層およびポリマーを含む下引き層を有することが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタに用いる有機半導体層の材料としては、π共役系材料が用いられ、例えばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーや特開平11−195790号に記載された多環縮合体などを用いることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法により製造される有機薄膜トランジスタ素子は、有機半導体層に接して有機半導体保護層を有していることが好ましい。
本発明においては、有機半導体層上にチャネル長を規定する絶縁性のアブレーション層を形成し、アブレーション層上に形成した電極材料層をアブレーションにより分断することによりソース電極とドレイン電極を形成するものであるが、電極材料層の分断をより確実なものとするためにアブレーション層の上に更に電極材料反発層を形成してもよい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。また、前述の電極材料を用いることもできる。形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
本発明の有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
有機薄膜トランジスタの作製および評価
〈支持体1の作製〉
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と、塩化メチレン1.52gと、エタノール1.52gとを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20g
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2g
シリコーン系界面活性剤 1g
メチルエチルケトン 75g
メチルプロピレングリコール 75g
さらにその層の上に下記条件で連続的に大気圧プラズマ処理して厚さ50nmの酸化ケイ素膜を設け、これらの層を下引き層2とした。
不活性ガス:ヘリウム98.25体積%
反応性ガス:酸素ガス1.5体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(アルゴンガスにてバブリング)0.25体積%
(放電条件)
放電出力:10W/cm2
(電極条件)
電極は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材に対して、セラミック溶射によるアルミナを1mm被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmax5μmとした誘電体(比誘電率10)を有するロール電極であり、アースされている。一方、印加電極としては、中空の角型のステンレスパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆した。
支持体1上に形成された下引き層2上に、スパッタ法により、厚さ300nmのアルミニウム皮膜を一面に成膜した。さらに下記組成の光感応性樹脂1組成物を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの光感応性樹脂層を形成した。
色素A 7部
ノボラック樹脂(フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させたノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38)) 90部
クリスタルバイオレット 3部
〈陽極酸化皮膜形成工程〉
以上のフィルム基板をよく洗浄した後、0.3質量%酒石酸のエチレングリコール溶液中で、電流密度0.2mA/cm2にて化成電圧80Vまで陽極酸化した後、定電圧80Vで十分間保持してゲート電極10表面に陽極酸化皮膜(不図示)を作製し、超純水でよく洗浄した。
さらにフィルム温度200℃にて、上述した大気圧プラズマ法の使用ガスを下記に変更し、厚さ30nmの酸化ケイ素層であるゲート絶縁層9を設けた。
不活性ガス:ヘリウム98.9体積%
反応性ガス:酸素ガス0.8体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(150℃に加熱した液体にアルゴンガスをバブリング)0.3体積%
ゲート絶縁層の表面に、オクタデシルトリクロロシランによる表面処理を行った。
次に、ゲート絶縁層9の上に、下記化合物Cのクロロホルム溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いて、チャネルを形成すべき領域に吐出し、窒素ガス中で、50℃で3分乾燥し、200℃で10分の熱処理を行い、厚さ50nmのペンタセン薄膜である有機半導体層6を形成した。
ポリビニルアルコール:カーボンブラック=7:3(質量比)の水分散物をインクジェット法を用いて有機半導体層の上に、図2(4)に示すように吐出し、100℃で乾燥しアブレーション層7を形成した。
ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)を、図2(5)に示すようにインクジェット法を用いて塗設し、100℃で乾燥させ、厚さ10nmの導電性ポリマーからなる電極材料層20を形成した。
有機半導体層、アブレーション層、電極材料層の順に積層された電極材料層の上から、発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで300mJ/cm2のエネルギー密度で描画し、アブレーションを行い、アブレーションにより電極材料層は分断される。さらに200℃で30分加熱処理し、各々ソース電極とドレイン電極が形成された。
実施例1においてアブレーションによる電極材料層の分断に用いた半導体レーザーに代えてキセノンフラッシュによる全面露光とした。実施例1と同様に優れた性能を示す有機薄膜トランジスタを得ることができた。
実施例1の有機薄膜トランジスタの作製において、図2(1)〜(3)の有機半導体層の形成までは同様にして図3(1)〜(3)の工程を行い、さらに以下の工程を行った。
有機半導体層6が形成された絶縁層上に、十分に精製を行ったポリビニルアルコールを超純水製造装置で精製された水に溶解した水溶液を塗設し、窒素ガス雰囲気中100℃にて、よ乾燥させ、厚さ1μmのポリビニルアルコールの有機半導体保護層12を形成した。
下記組成物A、Bをサンドミルを用いて別々に混練分散し、次いで組成物A、組成物Bおよびポリイソシアネート化合物を質量比で100:2.39:0.37で混合し、ディゾルバーで攪拌して塗布液を調製し、この塗布液をエクストルージョンコータを用いて有機半導体保護層12上に塗布し、窒素ガス雰囲気中100℃で5分間熱処理し、厚さ0.3μmのアブレーション層7を形成した。
Fe−Al系強磁性金属粉末 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8200〕 10.0部
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロン280〕 5.0部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 105.0部
トルエン 105.0部
シクロヘキサノン 90.0部
組成物B
α−アルミナ(平均粒子径:0.18μm)〔住友化学(株)製、高純度アルミナHIT60G〕 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8700〕 15部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 41.3部
トルエン 41.3部
シクロヘキサノン 35.4部
〈アブレーション層への露光工程〉(図3(6))
アブレーション層7に発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度で、有機半導体層上にチャネル長を規定する絶縁性のアブレーション層を残す様にパターン露光をし、レジスト像を得た。
さらに水でよく洗浄すると、レジスト像以外の部分のポリビニルアルコールの保護層を除去した。
上記の基板表面一面に、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)を塗布し、100℃で乾燥させた。さらに特開平11−80647号公報に記載されるAg微粒子の水分散液を塗布し乾燥させた。
電極材料層が形成された基板表面にキセノンフラッシュ光の全面露光を行い、アブレーション層を全てアブレーションし電極材料層を分断した。
実施例3の有機薄膜トランジスタの作製において、図3(1)〜(5)のアブレーション層の形成までは同様にして図4(1)〜(5)の工程を行い、さらに以下の工程を行った。
アブレーション層7上にさらに下記組成物2をアイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)単独溶媒で固形分濃度10.3質量%に希釈した液体を塗設し、厚さ0.4μmのシリコーンゴム層の電極材料反発層14を形成した。
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約60,000)
100部
HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分子量=0.69mol/g、チッソ(株)製) 7部
ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン 3部
SRX−212(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、) 5部
〈感光層露光工程および現像工程〉(図4(7))
発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで300mJ/cm2のエネルギー密度でソース電極、ドレイン電極(画素電極)の電極パターンを露光してアブレーションし、有機半導体層上にチャネル長を規定する絶縁性のアブレーション層をレジスト像として残した後、露光部のシリコーンゴム層をブラシ処理で除去した。
さらに水でよく洗浄すると、露光部のポリビニルアルコールの有機半導体保護層12が除去された。
上記の基板表面一面に、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)を塗布し、100℃で乾燥させた。さらに特開平11−80647号公報に記載されるAg微粒子の水分散液を塗布し乾燥させて電極材料層20を形成した。電極材料反発層14上では電極材料層が部分的に分断されているが、一部が残り、このままでは短絡の可能性がある。
電極材料層20が形成された基板表面にキセノンフラッシュの全面露光を行い、残るアブレーション層がアブレーションし、有機半導体層上で電極材料層を完全に分断した。
実施例1の有機薄膜トランジスタの作製において、図2(1)〜(3)の有機半導体層の形成までは同様にして図5(1)〜(3)の工程を行い、さらに以下の工程を行った。
下記組成の光感応性樹脂1を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの光感応性樹脂層13を形成した。
色素A 7部
ノボラック樹脂(フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させたノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38)) 90部
クリスタルバイオレッド 3部
〈光感応性樹脂層露光および現像〉(図5(5))
光感応性樹脂層13に発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度でフォトマスク16を用いてアブレーション層の形成パターンを露光した後、アルカリ水溶液で現像し、レジスト像を得た。
得られたレジスト像に、十分に精製を行ったポリビニルアルコールを超純水製造装置で精製された水に溶解した水溶液を塗設し、窒素ガス雰囲気中100℃にて、よ乾燥させ、厚さ1μmのポリビニルアルコールの有機半導体保護層12を形成した。
下記組成物A、Bをサンドミルを用いて別々に混練分散し、次いで組成物A、組成物Bおよびポリイソシアネート化合物を質量比で100:2.39:0.37で混合し、ディゾルバーで攪拌して塗布液を調製し、この塗布液をエクストルージョンコータを用いて有機半導体保護層12上に塗布し、窒素ガス雰囲気中100℃で5分間熱処理し、厚さ0.3μmのアブレーション層7を形成した。
Fe−Al系強磁性金属粉末 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8200〕 10.0部
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロン280〕 5.0部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 105.0部
トルエン 105.0部
シクロヘキサノン 90.0部
組成物B
α−アルミナ(平均粒子径:0.18μm)〔住友化学(株)製、高純度アルミナHIT60G〕 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8700〕 15部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 41.3部
トルエン 41.3部
シクロヘキサノン 35.4部
〈光感光性樹脂層の除去〉(図5(8))
MEKを用いて上記光感応性樹脂層13の残存部を除去した。
実施例5の有機薄膜トランジスタの作製において、図5(1)〜(7)のアブレーション層7の形成までは同様にして図6(1)〜(7)の工程を行い、さらに以下の工程を行った。
アブレーション層13上にさらに下記組成物2をアイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)単独溶媒で固形分濃度10.3質量%に希釈した液体を塗設し、厚さ0.4μmのシリコーンゴム層の電極材料反発層14を形成した。
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約60,000)
100部
HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分子量=0.69mol/g、チッソ(株)製) 7部
ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン 3部
SRX−212(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、) 5部
〈光感光性樹脂層の除去〉(図6(9))
MEKを用いて上記光感応性樹脂層13の残存部を除去した。
本発明の方法を用いることにより、有機半導体層上に、チャネル長を規定する絶縁性のアブレーション層を形成し、その上に電極材料層を形成し、アブレーション層をアブレーションすることにより、電極材料層が分断され、ソース電極およびドレイン電極が形成される方法により、効率的にトランジスタアレイを形成することが可能である。
2 下引き層
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 有機半導体層
7 アブレーション層
9 ゲート絶縁層
10 ゲート電極
12 有機半導体保護層
13 光感応性樹脂層
14 電極材料反発層
16 フォトマスク
20 電極材料層
Claims (5)
- 有機半導体層上に、ソース電極およびドレイン電極の間のチャネル長を規定する所定幅を有する絶縁性のアブレーション層を形成し、
次いで、前記アブレーション層を覆い且つ該アブレーション層の幅方向の両端部から前記有機半導体層に接合する電極材料層を形成し、
次いで、前記アブレーション層の前記両端部を残して一部を高密度エネルギー光の照射によりアブレーションすることにより該アブレーション層上において前記電極材料層を分断して、該アブレーション層の幅方向の一方の端部から前記有機半導体層に亘る前記ソース電極と、該アブレーション層の幅方向の他方の端部から前記有機半導体層に亘る前記ドレイン電極とを形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記アブレーション層をインクジェット法で形成することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記アブレーションにレーザー光を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記アブレーションにフラッシュ光を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタの製造方法によって製造されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
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