JP2004221573A - 電気回路の製造方法、有機薄膜トランジスタ素子の製造方法、これらの製造方法で製造された電気回路、有機薄膜トランジスタ素子及び有機薄膜トランジスタ素子シート - Google Patents

電気回路の製造方法、有機薄膜トランジスタ素子の製造方法、これらの製造方法で製造された電気回路、有機薄膜トランジスタ素子及び有機薄膜トランジスタ素子シート Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易に電極パターンを形成する電気回路の製造方法、有機薄膜トランジスタ素子の製造方法、これらの製造方法で製造された電気回路、有機薄膜トランジスタ素子及び有機薄膜トランジスタ素子シートを提供する。
【解決手段】 支持体上に、感光層を形成する工程と、前記感光層の上に電極材料反発層を形成する工程と、前記感光層に露光及び現像を行って前記電極材料反発層のパターニングを行う工程と、前記パターニングを行った電極材料反発層に電極材料を供給して電極パターンを形成する工程と、を有する電気回路の製造方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電気回路の製造方法及び該製造方法で製造した電気回路に関し、特に有機薄膜トランジスタ素子の製造方法、該製造方法で製造した有機薄膜トランジスタ素子及び有機薄膜トランジスタシートに関する。
従来は、基板上に電極パターンを形成する方法としては、フォトリソグラフィ技術で回路形状にパターニングするのが一般的である。フォトリソグラフィ技術とは、パターニングしたい薄膜上に感光性レジストを塗布し、フォトマスクを介して露光、現像した後、露出した薄膜部分をドライエッチングあるいはウエットエッチングする方法である。通常その後に、レジストを剥離し、さらなる材料を成膜してからフォトリソグラフィ工程が繰り返される。
また、情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。またさらに情報化の進展に伴い、従来紙媒体で提供されていた情報が電子化されて提供される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては液晶、有機EL、電気泳動などを利用した素子を用いて表示媒体を形成している。またこうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度などを確保するために、画像駆動素子として薄膜トランジスタ素子(TFT)により構成されたアクティブ駆動素子を用いる技術が主流になっている。
ここでTFT素子は、通常、ガラス基板上に、主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)などの半導体薄膜や、ソース、ドレイン、ゲート電極などの金属薄膜を基板上に順次形成していくことで製造される。このTFTを用いるフラットパネルディスプレイの製造には通常、CVD、スパッタリングなどの真空系設備や高温処理工程を要する薄膜形成工程に加え、精度の高いフォトリソグラフ工程が必要とされ、設備コスト、ランニングコストの負荷が非常に大きい。さらに、近年のディスプレイの大画面化のニーズに伴い、それらのコストは非常に膨大なものとなっている。
近年、従来のTFT素子のデメリットを補う技術として、有機半導体材料を用いた有機TFT素子の研究開発が盛んに進められている(特許文献1、非特許文献1等参照)。この有機TFT素子は低温プロセスで製造可能であるため、軽く、割れにくい樹脂基板を用いることができ、さらに、樹脂フィルムを支持体として用いたフレキシブルなディスプレイが実現できると言われている(非特許文献2参照)。また、大気圧下で、印刷や塗布などのウェットプロセスで製造できる有機半導体材料を用いることで、生産性に優れ、非常に低コストのディスプレイが実現できる。
従来の有機薄膜トランジスタ素子のソース電極、ドレイン電極の電極パターンを形成する方法としても、スパッタ、蒸着等の真空プロセスで、全面に導電体膜、絶縁膜、半導体膜、誘電体膜等を形成した後に、フォトリソグラフィ技術で回路形状にソース電極、ドレイン電極をパターニングするのが一般的である。
なお、自己組織化単分子膜の撥水性パターンを用い、導電ペーストなどの流動性の親水性電極材料を供給することにより、微細な導電性パターンを任意に形成する方法が提案されている(非特許文献3参照)。
特開平10−190001号公報 Advanced Material誌 2002年 第2号 99頁(レビュー) SID‘02 Digest p57 Applied Physics Letters Volume 79 p3536
しかしながら、従来の基板上に電極パターンを形成する製造方法では、製造工程が複雑であるという課題を有していた。また上記撥水性パターンと親水性電極材料を組み合わせる方法では、単分子膜はプロセス中に傷つきやすく、不安定であるため、安定した撥水性パターンを作れず、導電性パターン部分でショートが起き易いといった問題があった。
同様に、有機薄膜トランジスタ素子においても、ソース電極、ドレイン電極の電極形成をより簡易に行う製造方法が望まれていた。
さらに、ショートの発生が防止でき、安定した、微細な電極が形成可能な製造方法が望まれていた。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡易に電極パターンを形成する電気回路の製造方法、有機薄膜トランジスタ素子の製造方法、これらの製造方法で製造された電気回路、有機薄膜トランジスタ素子及び有機薄膜トランジスタ素子シートを提供することである。
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1)支持体上に感光層を形成する工程と、
前記感光層の上に電極材料反発層を形成する工程と、
前記感光層に露光及び現像を行って前記電極材料反発層のパターニングを行う工程と、
前記パターニングを行った電極材料反発層に電極材料を供給して電極パターンを形成する工程と、
を有することを特徴とする電気回路の製造方法。
(2)前記露光がレーザで行われることを特徴とする(1)に記載の電気回路の製造方法。
(3)前記感光層がアブレーション層であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電気回路の製造方法。
(4)流動性の電極材料を用いることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電気回路の製造方法。
(5)前記電極材料反発層は、シリコーンゴム層であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電気回路の製造方法。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電気回路の製造方法で製造されたことを特徴とする電気回路。
(7)支持体上に、
ゲート電極、
ゲート絶縁層、
有機半導体層、
ソース電極及びドレイン電極、
を有する有機薄膜トランジスタ素子の製造方法において、
感光層を形成する工程と、
前記感光層の上に電極材料反発層を形成する工程と、
前記感光層に露光及び現像を行って前記電極材料反発層のパターニングを行う工程と、
前記パターニングを行った電極材料反発層に電極材料を供給してソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
(8)前記露光がレーザで行われることを特徴とする(7)に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
(9)前記感光層がアブレーション層であることを特徴とする(7)又は(8)に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
(10)流動性の電極材料を用いることを特徴とする(7)〜(9)のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
(11)前記電極材料反発層は、シリコーンゴム層であることを特徴とする(7)〜(10)のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
(12)(7)〜(11)のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法で製造されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ素子。
(13)(12)に記載された有機薄膜トランジスタ素子が複数配置されることを特徴とする有機薄膜トランジスタ素子シート。
本発明により、簡易に電極パターンを形成する電気回路の製造方法、有機薄膜トランジスタ素子の製造方法、これらの製造方法で製造された電気回路、有機薄膜トランジスタ素子及び有機薄膜トランジスタ素子シートを提供することができた。
以下、図を用いて本発明の実施形態について述べる。
本発明の電気回路の製造方法で製造される電気回路として、ここでは特に有機薄膜トランジスタ素子の製造方法で製造される有機薄膜トランジスタ素子について説明する。有機薄膜トランジスタ素子は、支持体上に有機半導体層に接したソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別され、具体的な素子の層構成例は図1、図2に示す如くなる。
図1はトップゲート型の層構成例を示し、図1は支持体1上にポリマー、又は無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含む下引き層2を有し、下引き層2に接して有機半導体層6を有し、さらに有機半導体層6に接して有機半導体保護層3を有し、有機半導体保護層3の貫通穴を通じて有機半導体層6に接合するソース電極4及びドレイン電極5を有し、さらに、ソース電極4及びドレイン電極5を形成する際に用いた感光層7及び電極材料反発層8があり、その上にゲート絶縁層9を介してゲート電極10を有するものである。
図2はボトムゲート型の層構成例を示し、図2は支持体1上にポリマー、又は無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層2、下引き層2に接してゲート電極10、ゲート絶縁層9を介して有機半導体層6を有している。さらに有機半導体層6に接して有機半導体保護層3を有しており、有機半導体保護層3の貫通穴を通じて有機半導体層6に接合するソース電極4及びドレイン電極5を有している。さらに、ソース電極4及びドレイン電極5を形成する際に用いた感光層7及び電極材料反発層8がある。
本発明の電気回路の製造方法では、支持体上に、感光層を形成する工程と、
この感光層の上に電極材料と反発する性能を有する電極材料反発層を形成する工程と、前記感光層に露光及び現像を行って前記電極材料反発層のパターニングを行う工程と、前記パターニングを行った電極材料反発層に前記電極材料を供給して電極パターンを形成する工程と、を有することを特徴としている。すなわち、パターニングが行われた電極材料反発層の除去された領域に流動性の電極材料を供給することで、流動性の電極材料が付着し、電極が形成され、これが電極パターンとなる。電極材料反発層表面では電極材料が弾かれるか、付着しないので、ショートやリークのない微細なパターンの電極を形成することが出来る。本発明の電気回路の製造方法はこのようにすることによって、簡易に電極パターンを形成することができる。
特に支持体上に、ゲート電極を形成する工程と、ゲート絶縁層を形成する工程と、有機半導体層を形成する工程と、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有する有機薄膜トランジスタの製造方法においては、感光層を形成する工程と、その感光層の上に電極材料と反発する性能を有する電極材料反発層を形成する工程と、さらに感光層に露光及び現像を行って電極材料反発層のパターニングを行う工程と、を有し、その後に、パターニングが行われた電極材料反発層の除去された領域に流動性の電極材料を供給することで、感光層の除去部分又は感光層中に、流動性の電極材料が供給され、半導体層と接合して、ソース電極及びドレイン電極を形成することを特徴としている。本発明の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法では、このようにすることで、ショートやリークのない微細なパターンの、有機薄膜トランジスタ素子のソース電極及びドレイン電極を簡易に形成することができる。
本発明において、電極材料反発層とは、電極となる電極材料と反発する性能を有している層であり、後述する感光層に露光及び現像を行うことにより、パターニングを行うことのできる層である。このような電極材料反発層としては、電極材料と反発する性能を有するそうであればどのようなものを用いても構わないが、特開平9−292703号公報、特開平9−319075号公報、特開平10−244773号公報、特公昭54−26923号公報、特公昭56−23150号公報、特公昭61−614号公報、特開平8−82921号公報、特開平10−319579号公報、特開2000−275824号公報、特開2000−330268号公報、特開2001−201849号公報、特開2001−249445号公報、特開2001−324800号公報、特開2002−229189号公報、特開平4−324865号公報、特開平5−53318号公報、特開平5−257269号公報、特開平6−89023号公報、特開平7−199454号公報、特開平8−328240号公報、特開平9−62001号公報、特開平9−120157号公報、特開平11−30852号公報、特開2001−188339号公報、特開2001−343741号公報、特開2002−131894号公報、特開2002−268216号公報に記載されるいわゆる水なし平板のインキ反発性層等を用いることができ、パターニング時の解像度や、電極間のリーク電流をなくすことが出来るという観点から、シリコーンゴム層を用いることが好ましい。
シリコーンゴム層は、特開平7−164773号公報等に記載されているような公知のものから適宜選択できるが、特開平10−244773号公報に記載される、縮合反応によりシリコーンゴム層組成物を硬化させる縮合架橋タイプと、付加反応によりシリコーンゴム層組成物を硬化させる付加架橋タイプの2つのタイプのものが好ましく用いられる。
縮合架橋タイプのシリコーンゴム層は、両末端に水酸基を有する線状オルガノポリシロキサンと該オルガノポリシロキサンと架橋しシリコーンゴム層を形成させる反応性シラン化合物を必須成分として含むものを挙げることが出来る。
縮合架橋タイプのシリコーンゴム層は、上記の両末端に水酸基を有するオルガノポリシロキサンと反応性シラン化合物の縮合架橋反応の反応効率を高めるため、有機カルボン酸、チタン酸エステル、錫酸エステル、アルミ有機エーテル、白金系触媒等の縮合触媒を適宜反応させ縮合反応を行い硬化させることが出来る。上記両末端に水酸基を有するオルガノポリシロキサン、反応性シラン化合物及び縮合触媒のシリコーンゴム層中での配合率は、全シリコーンゴム層の固形分に対し、両末端水酸基を有するオルガノポリシロキサンが80〜98質量%、好ましくは85〜98質量%、反応性シラン化合物が、通常2〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、さらに好ましくは2〜7質量%、縮合触媒が0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
また、縮合架橋タイプのシリコーンゴム層には、上記の両端に水酸基を有するポリオルガノシロキサン以外のポリシロキサンをシリコーンゴム層全固形分に対し、2〜15質量%、好ましくは3〜12質量%含有させることが出来る。該ポリシロキサンとして例えば、両末端がトリメチルシリル化されたMw10000〜1000000のポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
一方、付加架橋タイプのシリコーンゴム層は、1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、該オルガノポリシロキサンと架橋しシリコーンゴム層を形成させる、1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを必須成分として含むものを挙げることが出来る。
1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、鎖状が好ましい。脂肪酸不飽和基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等のシクロアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基等が挙げられる。これらのうち、反応性の点から末端に不飽和結合を有するアルケニル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。また、脂肪族不飽和基以外の残余の置換基は、メチル基が好ましい。
1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常500〜500000であり、好ましくは、1000〜3000000である。
1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンは、
その構造が、鎖状、環状、分岐状のいずれでもよいが、鎖状が好ましい。Si−H結合は、シロキサン骨格の末端あるいは中間のいずれにあっても良く、置換基の総数に対する水素原子の占める割合は通常1〜60%であり、好ましくは2〜50%である。また、水素原子以外の残余の置換基はメチル基が好ましい。1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンのMwは通常300〜300000であり、好ましくは500〜200000である。Mwが著しく高いと感度の低下、画像再現性の低下を起こしやすい。
1分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを付加反応させるために、通常、付加反応触媒を用いる。この付加反応触媒としては、公知のものの中から任意に選ぶことが出来るが、白金系触媒が好ましく、白金族金属及び白金系化合物から選ばれる1種又は2種以上の混合物が使用される。
白金族金属としては、白金の単体(例えば白金黒)、パラジウムの単体(例えばパラジウム黒)、ロジウムの単体等が例示される。また白金族系化合物としては、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−ケトン錯体、白金とビニルシロキサンの錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が例示される。これらの内でも、塩化白金酸又は白金−オレフィン錯体をアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などに溶解したものが特に好ましい。
前記したシリコーンゴム層を形成する各組成物の配合率は、シリコーンゴム層の全固形分に対して、1分子中に脂肪酸不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが、80〜98質量%、好ましくは85〜98質量%であり、1分子中にSi−H結合を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンが、2〜20質量%、好ましくは2〜15質量%であり、付加反応触媒が、0.00001〜10質量%、好ましくは0.0001〜5質量%である。
また、本発明に用いられる付加架橋タイプのシリコーンゴム層には、上記組成の他に、さらにシリコーンゴム層の膜強度を高める目的で、特開平10−244773号公報に記載の一般式(VII)で表される加水分解性基を有するアミノ系有機ケイ素化合物を添加することが出来る。
該アミノ系の有機ケイ素化合物はシリコーンゴム層の全固形分に対して0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%である。
また、付加架橋タイプのシリコーンゴム層には、硬化遅延剤を添加することが出来る。硬化遅延剤としては一般的に知られているアセチレン系アルコール、マレイン系エステル、アセチレン系アルコールのシリル化物、マレイン酸のシリル化物、トリアリルイソシアヌレート、ビニルシロキサン等から、任意に選ぶことが出来る。
該硬化遅延剤の添加量は所望の硬化速度によって異なるが、通常シリコーンゴム層の全固形分に対し、0.0001〜1.0質量部である。
シリコーンゴム層組成物は、適当な溶剤に溶解して溶液となし使用する。
塗布溶剤としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、脂肪族炭化水素系溶剤エクソン化学(株)製:アイソパーE、H、G及びこれらの溶剤とメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタン等の炭化水素やハロゲン化炭化水素類、メチルセロソルブ、エチルスロソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル類、さらにはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ベントキソン、ジメチルホルムアミドなどとの混合溶媒等を用いることが出来る。
本発明において用いられる電気材料反発層の膜厚は、電気回路の場合、好ましくは0.05〜100μm、より好ましくは0.5〜20μm、有機薄膜トランジスタ素子の場合、好ましくは0.05〜10μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。
電気材料反発層の厚さは、薄いとショートやリークが発生しやすく、厚いとパターニングの解像度が低下してしまう。
本発明において、感光層及び電極材料反発層のパターニング方法は、感光層に露光及び現像を行うことにより、電極材料反発層にパターニングを行うことができるものであればどのようなものを用いても構わない。感光層については、例えば水なし平板の技術に用いられるパターニング方法で用いられる感光層を用いることができる。好ましくは、アブレーション層である。
アブレーション層とは、高密度エネルギー光の照射によりアブレートし、電極材料反発性層とアブレーション層の下層との接着性が変化する絶縁性の層をいう。ここで言うアブレートとは、物理的或いは化学的変化によりアブレーション層が完全に飛散する、一部が破壊される或いは飛散する、支持体の界面又は導電性ポリマー層の界面近傍のみに物理的或いは化学的変化が起こるという現象を含み、アブレートの結果、電極材料反発性層と下層間の接着性が変化する現象を利用するものである。
本発明に用いられるアブレーション層は、エネルギー光吸収剤、バインダー樹脂および必要に応じて添加される各種添加剤から構成することができる。
エネルギー光吸収剤は、照射するエネルギー光を吸収する各種の有機および無機材料が使用可能であり、たとえばレーザー光源を赤外線レーザーとした場合、赤外線を吸収する顔料、色素、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、グラファイト、カーボンブラック、チタンブラック、Al、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉末等の強磁性金属粉末などを用いることができ、中でも、カーボンブラック、シアニン系などの色素、Fe系強磁性金属粉末が好ましい。エネルギー光吸収剤の含有量は、アブレーション層形成成分の30〜95質量%程度、好ましくは40〜80質量%である。
アブレーション層のバインダー樹脂は、前記色材微粒子を十分に保持できるものであれば、特に制限無く用いることができる。
このようなバインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。バインダー樹脂の含有量は、アブレーション層形成成分5〜70質量%程度、好ましくは20〜60質量%である。
アブレーション層は、隣接する電極材料反発性層や下層との接着性を向上させるために、架橋剤や重合材料を含有させ、硬化させてもよい。また、いわゆるヒートモードの水なし平版印刷版の感光層に使用される材料を利用することができる。
高密度エネルギー光は、アブレートを発生させる活性光であれば特に制限はなく用いることができる。露光方法としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプなどによるフラッシュ露光を、フォトマスクを介して行ってもよいし、レーザー光等を収束させ走査露光を行っても良い。レーザー1ビーム当たりの出力は20〜200mWである赤外線レーザー、特に半導体レーザーが最も好ましく用いられる。エネルギー密度としては、好ましくは50〜500mJ/cm2、更に好ましくは100〜300mJ/cm2である。
他の感光層としては、光感応性樹脂層を好ましく用いることができ、ポジ型、ネガ型の公知の材料を用いることができる。このような光感応性樹脂材料として、(1)特開平11−271969号、特開2001−117219、特開平11−311859号、同11−352691号のような色素増感型の光重合感光材料、(2)特開平9−179292号、米国特許第5,340,699号、特開平10−90885号、特開2000−321780、同2001−154374のような赤外線レーザに感光性を有するネガ型感光材料、(3)特開平9−171254号、同5−115144号、同10−87733号、同9−43847号、同10−268512号、同11−194504号、同11−223936号、同11−84657号、同11−174681号、同7−285275号、特開2000−56452、WO97/39894、同98/42507のような赤外線レーザに感光性を有するポジ型感光材料が挙げられる。工程が暗所に限定されない点で、好ましいのは(2)と(3)である。
光感応性樹脂の塗布溶液を形成する溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これら溶媒は、単独であるいは2種以上混合して使用する。
感光層を形成する方法としては、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法が用いられる。
感光層にパターニング露光を行う光源としては、レーザが好ましく、例えば、Arレーザ、半導体レーザ、He−Neレーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等が挙げられ、好ましくは赤外に発振波長があるもので、半導体レーザである。出力は50mW以上が適当であり、好ましくは100mW以上である。これにより、精度よくパターニングを行うことができる。
本発明では感光層に露光及び現像を行うことにより、電極材料反発層にパターニングを行うのであるが、具体的には、感光層に露光が行われることにより、感光層と電極材料反発層との接着性が変化し、この状態で電極材料反発層にブラッシング等による現像を行うことにより電極材料反発層にパターニングを形成するというものである。
本発明の電気回路の製造方法では、パターニングを行った電極材料反発層に電極材料を供給して電極パターンを形成する。有機薄膜トランジスタ素子においては、パターニングを行った電極材料反発層に電極材料を供給してソース電極、ドレイン電極を形成する。
本発明の電気回路、有機薄膜トランジスタ素子の製造方法において、電極、ソース電極、ドレイン電極を形成する電極材料は、電極材料反発層と反発する材料であればどのような材料を用いても構わないが、好ましくは、導電性材料と揮発性材料からなる、溶液、ペースト、インク、分散液などの流動性の材料を用いる。導電性材料としては、導電性ポリマーや金属微粒子などを好適に用いることができる。また、揮発性材料である溶媒や分散媒体としては、有機半導体へのダメージを抑制するため、有機半導体材料の特性に応じて、適宜選択する必要があるが、水を60%以上、好ましくは90%以上含有する溶媒または分散媒体であることが好ましい。
金属微粒子を含有する分散物としては、たとえば公知の導電性ペーストなどを用いても良いが、好ましくは、粒子径が1〜50nm、好ましくは1〜10nmの金属微粒子を含有する分散物である。金属微粒子の材料としては白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
これらの金属からなる微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した分散物を用いて電極を形成するのが好ましい。
このような金属微粒子の分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853等に示されたコロイド法、特開2001−254185、同2001−53028、同2001−35255、同2000−124157、同2000−123634などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。これらの金属微粒子分散物を用いて電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100〜300℃、好ましくは150〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成するものである。
ソース電極、ドレイン電極に用いる導電性材料としては、上に挙げた中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましく、p型半導体の場合は特に、白金、金、銀、ITO、導電性ポリマー及び炭素が好ましい。
導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知のπ共役系ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホン酸)の錯体などを好適に用いることが出来る。
本発明において、電極材料の供給方法は、電極材料が電極材料反発層に反発して電極パターンを形成するのであれば、任意のコート法、印刷法、インクジェット法等どのような方法を用いてもよいが、特開平10−180987号公報の図1や、特開平9−193357号公報に開示されるような公知の印刷装置を改良して用いることで、電極材料が電極材料反発層に反発して均等に精度よく電極パターンを形成することができるので好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法により製造される有機薄膜トランジスタ素子は、有機半導体層に接して有機半導体保護層を有していることが好ましい。有機半導体層に接して有機半導体保護層を設けることにより、有機半導体層の空気による劣化や、製造時に用いる塗布溶媒等による劣化等を抑えてトランジスタとしての特性の低下を抑えることができる。さらに、有機半導体保護層を設けることにより、折れ曲がり等による耐久性も向上し、これによりトランジスタとしての特性の低下を抑えることができる。
有機半導体保護層としては、有機半導体トランジスタ素子の製造過程や製造後に、有機半導体層へ影響を与えず、かつその上に感光層等を形成する場合は、その塗布工程で影響を受けない材料を用いる。PMMAなどのアクリル系ポリマーやコポリマー、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂など公知のポリマーから、有機半導体への影響を鑑みた上で、選択することが出来る。
さらに感光層のパターニング時にも影響を受けない材料が好ましい。そのような材料として、好ましくは、親水性ポリマーを含有する材料である。親水性ポリマーは、水、または酸性水溶液、アルカリ性水溶液、アルコール水溶液、各種の界面活性剤の水溶液、アルコール系溶媒に対して、溶解性または分散性を有するポリマーである。たとえばポリビニルアルコールや、HEMA、アクリル酸、アクリルアミドなどの成分からなるホモポリマー、コポリマーを好適に用いることができる。またその他の材料として、無機酸化物、無機窒化物を含有する材料も、有機半導体への影響を与えず、その他塗布工程での影響を与えないので好ましい。
本発明においては、無機酸化物又は無機窒化物を含有する有機半導体保護層は、後述するゲート絶縁層と同様な材料、プロセスにより形成できるが、大気圧プラズマ法で形成されるのが好ましい。
大気圧下でのプラズマ法での製膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406、同11−133205、特開2000−121804、同2000−147209、同2000−185362等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法においては、有機半導体層に有機半導体保護層を形成し、さらに、有機半導体保護層を除去した有機半導体部分に接するようにソース電極、ドレイン電極を形成して製造することが好ましい。これにより、有機薄膜トランジスタ製造時に、有機半導体層が、すぐに有機半導体保護層により保護され、さらに、ソース電極、ドレイン電極の形成時でも有機半導体層を空気接触や製造時に用いる塗布溶媒等の接触を抑えることができ、トランジスタとしての特性の劣化をできるだけ抑えることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層及びポリマーを含む下引き層の少なくとも一方を有することが好ましい。
下引き層に含有される無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム,チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。また無機窒化物としては窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素である。
本発明において、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層は上述した大気圧プラズマ法で形成されるのが好ましい。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
ポリマーを含む下引き層に用いるポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子に用いる有機半導体層の材料としては、π共役系材料が用いられ、例えばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーや特開平11−195790に記載された多環縮合体などを用いることができる。
また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有するたとえばチオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、スチリルベンゼン誘導体などのオリゴマーも好適に用いることができる。
さらに銅フタロシアニンや特開平11−251601に記載のフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N’−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。
これらのπ共役系材料のうちでも、チオフェン、ビニレン、チェニレンビニレン、フェニレンビニレン、p−フェニレン、これらの置換体またはこれらの2種以上を繰返し単位とし、かつ該繰返し単位の数nが4〜10であるオリゴマーもしくは該繰返し単位の数nが20以上であるポリマー、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーや特開2000−260999に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
本発明においては、有機半導体層に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って,ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしては公知のものを採用することができる。
これら有機半導体層の作製法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、電解重合法、化学重合法、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法およびLB法等が挙げられ、材料に応じて使用できる。ただし、この中で生産性の点で、有機半導体の溶液を用いて簡単かつ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等が好まれる。
なおAdvanced Material誌 1999年 第6号、p480〜483に記載の様に、ペンタセン等前駆体が溶媒に可溶であるものは、塗布により形成した前駆体の膜を熱処理して目的とする有機材料の薄膜を形成しても良い。
これら有機半導体からなる薄膜の膜厚としては、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体からなる活性層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体により異なるが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子において、ゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。また、前述の電極材料を用いることもできる。形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子のゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えばアルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
これらのうち好ましいのは、上述した大気圧プラズマ法である。
ゲート絶縁層が陽極酸化膜又は該陽極酸化膜と絶縁膜とで構成されることも好ましい。陽極酸化膜は封孔処理されることが望ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。
陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸あるいそれらの塩が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/dm2で20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
また有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
ゲート絶縁層上に有機半導体を形成する場合、ゲート絶縁層表面に、任意の表面処理を施してもよい。シランカップリング剤、たとえばオクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸などの自己組織化配向膜が好適に用いられる。
本発明において支持体は特に制限なはないが、樹脂材料、例えばプラスチックフィルムシートを好ましく用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
また本発明の有機薄膜トランジスタ素子上には素子保護層を設けることも可能である。保護層としては前述した無機酸化物又は無機窒化物等が挙げられ、上述した大気圧プラズマ法で形成するのが好ましい。これにより、有機薄膜トランジスタ素子の耐久性が向上する。
図3は、本発明の有機薄膜トランジスタ素子が複数配置される有機薄膜トランジスタ素子シート10の1例の概略の等価回路図である。
有機薄膜トランジスタシート11はマトリクス配置された多数の有機薄膜トランジスタ素子14を有する。12は各有機薄膜トランジスタ素子14のゲート電極のゲートバスラインであり、13は各有機薄膜トランジスタ素子14のソース電極のソースバスラインである。各有機薄膜トランジスタ素子14のドレイン電極には、出力素子16が接続され、この出力素子16は例えば液晶、電気泳動素子等であり、表示装置における画素を構成する。図示の例では、出力素子16として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。15は蓄積コンデンサ、17は垂直駆動回路、18は水平駆動回路である。
この様な、フレキシブルな樹脂支持体上に有機TFT素子を2次元的に配列したシートにおける、支持体とTFT構成層との接着性を高め、機械的強度に優れて支持体の曲がりにも強い耐性を持たせることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 電気回路の作製及び評価
〈支持体1の作製〉(図4の(1))
テトラメトキシシラン3.04g(20mmol)と、塩化メチレン1.52gと、エタノール1.52gとを混合した後、0.5%硝酸水溶液を0.72g加えて加水分解を行い、室温でそのまま1時間攪拌を続けた。
エタノール5.3gと酢酸メチル60.9gの混合溶媒にジアセチルセルロース(ダイセル化学製、L50)1.6gを溶解させた後、テトラメトキシシランを加水分解した前記の溶液と混合し、さらに1時間攪拌を行った後、ゴムベルト上にギャップ巾800μmのドクターブレードで成膜した。ベルトを搬送させながら、得られたフィルムを120℃で30分間乾燥させ、厚さ200μmの支持体1を作製した。動的粘弾性の測定から得られたTgは226℃であった。
支持体1の表面に50W/m2/minの条件でコロナ放電処理を施し、下記組成の塗布液を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、60W/cmの高圧水銀灯下10cmの距離から4秒間硬化させた。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20g
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2g
シリコーン系界面活性剤 1g
メチルエチルケトン 75g
メチルプロピレングリコール 75g
さらにその層の上に下記条件で連続的に大気圧プラズマ処理して厚さ50nmの酸化ケイ素膜を設け、これらの層を下引き層2とした。
(使用ガス)
不活性ガス:ヘリウム98.25体積%
反応性ガス:酸素ガス1.5体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(アルゴンガスにてバブリング)0.25体積%
(放電条件)
放電出力:10W/cm2
(電極条件)
電極は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材に対して、セラミック溶射によるアルミナを1mm被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmax5μmとした誘電体(比誘電率10)を有するロール電極であり、アースされている。一方、印加電極としては、中空の角型のステンレスパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆した。
〈感光層形成工程〉(図4の(2))
下記の組成物1を混練分散し、次いでポリイソシアネート化合物〔日本ポリウレタン工業(株)製、コロネート3041;有効成分50%〕を5.90部添加した後、ディゾルバーで撹拌して塗布液1を調製した。
組成物1
Fe−Al系強磁性金属粉末〔Fe:Al原子数比=100:4、
平均長軸径:0.14μm〕 100部
塩化ビニル系樹脂〔日本ゼオン(株)製、MR−110〕 10.0部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8200〕
5.0部
リン酸エステル〔東邦化学工業(株)製、フォスファノールRE610〕
3.0部
メチルエチルケトン 105.0部
トルエン 105.0部
シクロヘキサノン 90.0部
支持体1上に形成した下引き層2上に組成物1を塗布し100℃で5分の処理を行い、厚さ0.3μmの感光層7を形成した。
〈電極材料反発層形成工程〉(図4の(3))
感光層上に下記組成物2をアイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)単独溶媒で固形分濃度10.3質量%に希釈した液体を塗設し、厚さ0.4μmのシリコーンゴム層の電極材料反発層8を形成した。
組成物2
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約60,000)
100部
HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分子量=0.69mol/g、チッソ(株)製)
7部
ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン 3部
SRX−212(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、)
5部
〈感光層露光工程及び現像工程〉(図4の(4))
発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度で電極パターンを露光により、感光層7と電極材料反発層8との接着性を変化させ、露光部のシリコーンゴム層をブラシ処理で除去した。
〈電極形成工程〉(図4の(5))
さらに、特開平11−80647号公報に示された方法で作製した平均粒子径8nmの銀微粒子の分散物を、基板上にロールコーターで供給すると、シリコーンゴム層が除去された電極パターン形成された電極材料反発層8のシリコーンゴム層が除去された部分のみに分散物が付着した。これを乾燥し、200℃で15分加熱処理して、電極を形成して電気回路を作製した。
作製した電気回路は良好な電極パターンが形成された。
実施例2.有機薄膜トランジスタ素子の作製及び評価
実施例1で作製した下引き層2を形成した支持体1に以下の工程を施していき、有機薄膜トランジスタ素子を作製した。
〈ゲート電極形成工程〉(図5の(1))
支持体1上に形成されたの下引き層2上に、下記組成の光感応性樹脂1組成物を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの光感応性樹脂層を形成した。
(光感応性樹脂1組成物)
色素A 7部
ノボラック樹脂(フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させたノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38)) 90部
クリスタルバイオレット 3部
Figure 2004221573
発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度でゲートラインおよびゲート電極のパターンを露光した後、アルカリ水溶液で現像し、レジスト像を得た。
さらにその上に、スパッタ法により、厚さ300nmのアルミニウム皮膜を一面に成膜した後、MEKで上記光感応性樹脂層の残存部を除去することで、ゲートラインおよびゲート電極10を作製した。
〈ゲート絶縁層形成工程〉
〈陽極酸化皮膜形成工程〉(図5の(1))
以上のフィルム基板をよく洗浄した後、30質量%硫酸水溶液中で、2分間、30Vの低電圧電源から供給される直流を用いて、陽極酸化皮膜の厚さが120nmになるように陽極酸化皮膜19を作製した。よく洗浄した後に、1気圧、100℃の飽和した蒸気チャンバーの中で、蒸気封孔処理を施した。
〈大気圧プラズマ工程〉(図5の(2))
さらにフィルム温度200℃にて、上述した大気圧プラズマ法の使用ガスを下記に変更し、厚さ30nmの酸化ケイ素層であるゲート絶縁層9を設けた。
(使用ガス)
不活性ガス:ヘリウム98.9体積%
反応性ガス:酸素ガス0.8体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(150℃に加熱した液体にアルゴンガスをバブリング)0.3体積%
〈有機半導体層形成工程〉(図5の(3))
次に、ゲート絶縁層9の上に、下記化合物Cのクロロホルム溶液を、ピエゾ方式のインクジェット法を用いて、チャネルを形成すべき領域に吐出し、窒素ガス中で、50℃で3分乾燥し、200℃で10分の熱処理を行ったところ、厚さ50nmのペンタセン薄膜である有機半導体層6を形成した。
Figure 2004221573
〈有機半導体保護層形成工程〉(図5の(4))
この有機半導体層6の上に、十分に精製を行ったポリビニルアルコールを超純粋製造装置で精製された水に溶解した水溶液を用いて塗設し、窒素ガス雰囲気中100℃にて、よく乾燥させ、厚さ1μmのポリビニルアルコールの有機半導体保護層3を形成した。
〈感光層形成工程〉(図5の(5))
下記の組成物A、Bをサンドミルを用いて別々に混練分散して、次いで前記A液、B液及びポリイソシアネート化合物〔同前〕を質量比で100:2.39:0.37に混合し、ディゾルバーで撹拌して塗工液を調製した。
該塗工液を、超音波分散後、エクストルージョン方式の押し出しコーターで塗布し、乾燥し、窒素ガス雰囲気中100℃5分で熱処理し、厚さ0.3μmの感光層7を形成した。
〈組成物〉
A液
Fe−Al系強磁性金属粉末 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8200〕
10.0部
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロン280〕 5.0部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 105.0部
トルエン 105.0部
シクロヘキサノン 90.0部
B液
α−アルミナ(平均粒子径:0.18μm)
〔住友化学(株)製、高純度アルミナHIT60G〕 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8700〕15部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 41.3部
トルエン 41.3部
シクロヘキサノン 35.4部
〈電極材料反発層形成工程〉(図5の(6))
感光層上に下記組成物2をアイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)単独溶媒で固形分濃度10.3質量%に希釈した液体を塗設し、厚さ0.4μmのシリコーンゴム層の電極材料反発層8を形成した。
組成物2
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約60,000)
100部
HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分子量=0.69mol/g、チッソ(株)製) 7部
ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン 3部
SRX−212(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、)
5部
〈感光層露光工程及び現像工程〉(図5の(7))
発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで300mJ/cm2のエネルギー密度でソース電極、ドレイン電極(画素電極)の電極パターンを露光した後、露光部のシリコーンゴム層をブラシ処理で除去した。
〈有機半導体保護層除去工程〉(図5の(7))
さらに水でよく洗浄すると、露光部の感光層及びポリビニルアルコールの保護層が除去された。
〈ソース電極及びドレイン電極形成工程〉(図5の(8))
電極パターンが形成された面に、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)をロールコーターで供給すると、シリコーンゴム層が除去された電極パターン部分のみに分散液が付着した。これを100℃で乾燥させた。
さらに、特開平11−80647号公報に示された方法で作製した平均粒子径8nmの銀微粒子の分散物を、基板上にロールコーターで供給すると、シリコーンゴム層が除去された電極パターン部分のみに分散物が付着した。これを乾燥し、200℃で15分加熱処理したところ、良好なソース電極及びドレイン電極の電極パターンが形成された。なお、電極は、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)から成る厚さ20nmの層の上に、厚さ300nmのAg微粒子の融着層が積層されたものであった。図6に作製した有機薄膜トランジスタを示す。なお、図5の(8)は図6のABの断面図に該当する。またこの素子では、ソース電極5が画素電極を兼ねている。
作製した有機薄膜トランジスタ素子は、pチャネルエンハンスメント型FETの良好な動作特性を示した。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子の層構成例(トップゲート型)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタ素子の層構成例(ボトムゲート型)を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタ素子シートの1例の概略の等価回路図である。 本発明の電気回路の製造方法を説明するための図である。 本発明の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の有機薄膜トランジスタ素子を示す図である。
符号の説明
1 支持体
2 下引き層
3 有機半導体保護層
4 ドレイン電極
5 ソース電極
6 有機半導体層
7 感光層
8 電極材料反発層
9 ゲート絶縁層
10 ゲート電極
11 有機薄膜トランジスタシート
12 ゲートバスライン
13 ソースバスライン
14 有機薄膜トランジスタ素子
15 蓄積コンデンサ
16 出力素子
17 垂直駆動回路
18 水平駆動回路
19 陽極酸化皮膜

Claims (13)

  1. 支持体上に感光層を形成する工程と、
    前記感光層の上に電極材料反発層を形成する工程と、
    前記感光層に露光及び現像を行って前記電極材料反発層のパターニングを行う工程と、
    前記パターニングを行った電極材料反発層に電極材料を供給して電極パターンを形成する工程と、
    を有することを特徴とする電気回路の製造方法。
  2. 前記露光がレーザで行われることを特徴とする請求項1に記載の電気回路の製造方法。
  3. 前記感光層がアブレーション層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気回路の製造方法。
  4. 流動性の電極材料を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気回路の製造方法。
  5. 前記電極材料反発層は、シリコーンゴム層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気回路の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気回路の製造方法で製造されたことを特徴とする電気回路。
  7. 支持体上に、
    ゲート電極、
    ゲート絶縁層、
    有機半導体層、
    ソース電極及びドレイン電極、
    を有する有機薄膜トランジスタ素子の製造方法において、
    感光層を形成する工程と、
    前記感光層の上に電極材料反発層を形成する工程と、
    前記感光層に露光及び現像を行って前記電極材料反発層のパターニングを行う工程と、
    前記パターニングを行った電極材料反発層に電極材料を供給してソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを有することを特徴とする有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  8. 前記露光がレーザで行われることを特徴とする請求項7に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  9. 前記感光層がアブレーション層であることを特徴とする請求項7又は8に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  10. 流動性の電極材料を用いることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  11. 前記電極材料反発層は、シリコーンゴム層であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ素子の製造方法で製造されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ素子。
  13. 請求項12に記載された有機薄膜トランジスタ素子が複数配置されることを特徴とする有機薄膜トランジスタ素子シート。
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