JP4122889B2 - 導電路又は電極、およびそれらの形成方法 - Google Patents

導電路又は電極、およびそれらの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電路又は電極の形成方法に関し、特に、導電性ポリマーを用いた半導体素子に用いられる導電路又は電極の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子としての有機薄膜トランジスタに用いられる導電路や電極の新しい作製法が提案されてきている。例えば、WO 01/47043、同00/79617、特開平11−274671号等にインクジェットによりダイレクトに導電路や電極を形成する技術が開示されているが、製造効率が低く、量産には不向きなものであった。
【0003】
また、特開2000−239853や同2001−35814等に金属の微粒子を分散した液を塗布し、熱融着することにより導電性の金属薄膜を形成する技術が開示されている。これらの中には、金属薄膜を形成したのちに通常のエッチング処理によりパターン化する方法が記載されているものの、レジスト形成やエッチング処理といった煩雑な処理が必要であり、製造効率がよいとはいえないものであった。又、特開2000−239853には金属微粒子の分散物をスクリーン印刷により形成する方法が記載されているが、スクリーン印刷を含む印刷による方法では、解像度が低く、位置精度の高いパターニングは難しいものであった。
【0004】
簡便で、解像度が高く、位置精度の高い、製造効率の高い導電路や電極の形成方法の提供が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、本発明の目的は、簡便で、製造効率が高く、解像度や位置精度の高い導電路や電極の形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明の構成により解決された。
【0007】
(1)支持体上に光感応性樹脂を含有するアブレーション層及び導電性ポリマーを含有する導電性ポリマー層をこの順に形成する工程、前記アブレーション層を高密度のエネルギー光線で露光する工程、及び前記アブレーション層の露光部に該当する前記導電性ポリマー層を前記露光部と共に剥離し除去する除去工程を経ることを特徴とする導電路又は電極の形成方法。
【0008】
(2)高密度エネルギー光の照射によりアブレーションすることを特徴とする(1)記載の導電路又は電極の形成方法。
【0009】
(3)高密度エネルギー光が波長700nm以上の赤外光であることを特徴とする(1)又は(2)記載の導電路又は電極の形成方法。
【0010】
(4)高密度エネルギー光がレーザ光であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項記載の導電路又は電極の形成方法。
【0011】
(5)透明支持体を用い、支持体側から高密度エネルギー光を照射することを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項記載の導電路又は電極の形成方法。
【0012】
(6)前記(1)〜(5)の何れか1項記載の導電路又は電極の形成方法により形成されたことを特徴とする導電路又は電極。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図をもって説明する。
【0014】
図1はアブレーションを利用し導電路や電極を形成する方法の基本的層構成図である。
【0015】
支持体10上に均一に形成された光感応性樹脂を含有するアブレーション層20と均一に形成された導電性ポリマーを含有する導電性ポリマー層30とを、その順序で形成し、層形成後実線又は破線の矢印で示す高密度エネルギー光を支持体10、又は導電性ポリマー層30を透過しアブレーション層20を露光する照射方法を示している。
【0016】
図2は吸引によりアブレーション部の剥離・除去を行う例を示す図である。
レーザ露光によりアブレーションを行った後、アブレーション層の露光部分の分解物と当該部分の導電性ポリマー層とよりなる露光部201を吸引装置300により吸引・除去し、残存した未露光部202であるところのパターニングされた導電性ポリマー層(導電路や電極)を得るものである。ここで301は導電性ポリマー等を矢印方向に吸引する吸引口、302は吸引のためのブロア、100は支持体等を矢印方向に搬送する搬送手段である。
【0017】
図3は剥離シートを用いてアブレーション部の剥離を行う例を示す図である。
図3(a)はマット剤を用いた方法で、支持体10上に光感応性樹脂を含有するアブレーション層20と均一に形成された導電性ポリマーを含有する導電性ポリマー層30とを形成し、その上にマット剤(粒子状固形物)410を含有するオーバーコート層41を塗布し、その上を剥離シート50でカバーしたものである。オーバーコート層41と導電性ポリマー層30との間にマット剤410による空隙が形成されており、支持体側からのレーザ露光によるアブレーション層のアブレーションを行うことにより、アブレーション層20及び導電性ポリマー層30をオーバーコート層41と共に剥離シート50へ転写し、剥離シートを矢印方向に剥離することにより、支持体上にパターニングされた導電性ポリマー層30(導電路や電極)を得ることができる。
【0018】
図3(b)はクッション層を用いた方法で、クッション層42を剥離シート50でカバーし、支持体側からレーザ光によるアブレーション層のアブレーションを行うことにより、アブレーションされた部分はクッション層42に吸着され、剥離シート50を矢印方向に剥離することにより、支持体上にパターニングされた導電性ポリマー層30(導電路や電極)を得るものである。
【0019】
アブレーションに用いる高密度エネルギー光としては、支持体とアブレーション層との界面或いは導電性ポリマー層とアブレーション層との界面でアブレートするような光源であれば特に制限はなく用いることができる。露光方法としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプなどによるフラッシュ露光を、フォトマスクを介して行ってもよいし、レーザー光等を収束させ走査露光を行っても良い。その中でも、高解像度を得るためには、エネルギー印加面積が絞り込める電磁波、特に波長が1nm〜1mmの紫外線、可視光線、赤外線が好ましく、このようなレーザ光源としては、一般によく知られている、ルビーレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ等の固体レーザ;He−Neレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、CO2レーザ、COレーザ、He−Cdレーザ、N2レーザ、エキシマーレーザ等の気体レーザ;InGaPレーザ、AlGaAsレーザ、GaAsPレーザ、InGaAsレーザ、InAsPレーザ、CdSnP2レーザ、GaSbレーザ等の半導体レーザ;化学レーザ、色素レーザ等を挙げることができ、これらの中でも効率的にアブレーションを起こさせるためには、波長が700〜1200nmの赤外レーザを用いるのが、光エネルギーを熱エネルギーに変換できる(光エネルギーでアブレーション層の分子運動を大きくし、効率よくアブソレートできる)ことから、感度の面で好ましい。
【0020】
レーザ1ビーム当たりの出力は20〜200mWである赤外線レーザが最も好ましく用いられる。エネルギー密度としては、好ましくは50〜500mJ/cm2、更に好ましくは100〜200mJ/cm2である。
【0021】
レーザ光をパターン照射する方向としては、導電性ポリマー層側からでも、支持体側からでもよい。
【0022】
なお、ここで言うアブレートとは、物理的或いは化学的変化によりアブレーション層が完全に飛散する、一部が破壊される或いは飛散する、支持体の界面又は導電性ポリマー層の界面近傍のみに物理的或いは化学的変化が起こるという現象も含む。
【0023】
さらに前述のように剥離シートを引き剥がす方法としては、剥離板、剥離ロールによる剥離角度固定方法、手で支持体と剥離シートとを固定せずに引き剥がす手剥離方法等、パターニングに影響を与えなければ種々の剥離方法を用いることができる。
【0024】
以下、本発明の構成に用いられる材料について説明する。
本発明に用いられる支持体としては、ガラス、ベークライトやフレキシブルなプラスチックフィルムなど、任意の材料を用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、等からなるフィルムが挙げられる。このようなプラスチックフィルムを用いることにより、軽量化を図ることができ、可撓性を高め、可搬性を高めることができ、又衝撃に対する耐性を向上できる。軟化点は150℃以上が好ましく、更には200℃以上の樹脂が好ましい。
【0025】
そしてプラスチックフィルムは、フィルム状に延伸しヒートセットしたものが寸法安定性の点で好ましく、又レーザー光を支持体側から露光する場合があることから、その場合は支持体としては該レーザー光の有効波長に対して透過率の高いものが好ましく、通常80%以上、更には85%以上の透過率の支持体を用いることが好ましい。
【0026】
本発明に用いられるアブレーション層は、微粒子、バインダー樹脂および必要に応じて添加される各種添加剤から構成することができる。
【0027】
アブレーション層中の微粒子は、従来から公知の色材となりうる微粒子(以後色材微粒子と略記する)の中から、使用する用途に応じた色調の微粒子を適時選択して用いることができる。
【0028】
上述の色材微粒子は、レーザー光を効率的に熱に変換してアブレーションが生ずる色材微粒子の方が、製造時の塗工液の安定性やコストの面から好ましい。例えば、印刷版作成時の透過原稿や医療の診断画像のように黒色の画像を作成するには、グラファイト、カーボンブラック、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、四三酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化銅、チタンブラック、磁性粉末などの600〜1200nmの波長域に吸収のある色材微粒子を用いることができ、特に、画像解像度やアブレーションが生じた部分の残存濃度の点から、磁性粉末を用いるのがより好ましい。
【0029】
この様な磁性粉末は、強磁性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、立方晶板状粉末等が挙げられ、中でも、強磁性金属粉末を好適に用いることができる。
【0030】
このような強磁性金属粉末としては、Fe、Coを始め、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−Co系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−Ni−Si系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al−Co系、Fe−Al−Si系、Fe−Al−Zn系、Fe−Co−Ni−P系、Fe−Co−Al−Ca系、Ni−Co系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙げられ、中でもFe系金属粉末が好ましい。
【0031】
尚、強磁性金属粉末の形状は、長軸径が0.30μm以下、好ましくは0.20μm以下の針状が好ましく、このような強磁性金属粉末を用いることによりアブレーション層の表面性を向上させることができる。また、色材微粒子の含有量は、アブレーション層形成成分の50〜99質量%程度、好ましくは60〜95質量%である。
【0032】
アブレーション層のバインダー樹脂は、前記色材微粒子を十分に保持できるものであれば、特に制限無く用いることができる。
【0033】
このようなバインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0034】
また、色材微粒子として強磁性金属粉末を用いる場合においては、アブレーション層塗工液の液安定性を考えると、バインダー樹脂中に、−SO3M、−OSO3M、−COOM及び−PO(OM12[ここに、Mは水素原子又はアルカリ金属を、M1は水素原子、アルカリ金属又はアルキル基を表す]から選ばれる少なくとも1種の極性基を有することが、強磁性金属粉末の分散性を向上させることができることから好ましい。
【0035】
バインダー樹脂の含有量は、アブレーション層形成成分の1〜50質量%程度、好ましくは5〜60質量%である。
【0036】
本発明に係る導電性ポリマー層30を構成する導電性ポリマーとしては、ドーピングが施された導電性π共役系ポリマーが好ましい。
【0037】
たとえばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチエニレンビニレンなどのポリチエニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーや特開平11−195790号に記載された多環縮合体などを用いることができる。
【0038】
これらのπ共役系材料のうちでも、チオフェン、ビニレン、チエニレンビニレン、フェニレンビニレン、p−フェニレン、これらの置換体またはこれらの2種以上を繰返し単位とし、かつ該繰返し単位の数nが4〜10であるオリゴマーもしくは該繰返し単位の数nが20以上であるポリマー、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0039】
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして導電性ポリマー層に導入することを意味する。従って、ドーピングが施された導電性ポリマー層は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する導電性ポリマー層である。本発明に用いるドーパントとしてアクセプター、ドナーのいずれも使用可能である。
【0040】
このアクセプターとしてCl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr、IFなどのハロゲン、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BC13、BBr3、SO3などのルイス酸、HF、HC1、HNO3、H2SO4、HClO4、FSO3H、ClSO3H、CF3SO3Hなどのプロトン酸、酢酸、蟻酸、アミノ酸などの有機酸、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoCl5、WF5、WCl6、UF6、LnCl3(Ln=La、Ce、Nd、Pr、などのランタノイドとY)などの遷移金属化合物、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、AsF5 -、SbF6 -、BF4 -、スルホン酸アニオンなどの電解質アニオンなどを挙げることができる。
【0041】
またドナーとしては、Li、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなどの希土類金属、アンモニウムイオン、R4+、R4As+、R3+、アセチルコリンなどをあげることができる。
【0042】
これらのドーパントのドーピングの方法として予め導電性ポリマー層を作製しておき、ドーパントを後で導入する方法、導電性ポリマー層作製時にドーパントを導入する方法のいずれも使用可能である。前者の方法のドーピングとして、ガス状態のドーパントを用いる気相ドーピング、溶液あるいは液体のドーパントを該層に接触させてドーピングする液相ドーピング、個体状態のドーパントを該層に接触させてドーパントを拡散ドーピングする固相ドーピングの方法をあげることができる。また液相ドーピングにおいては電解を施すことによってドーピングの効率を調整することができる。後者の方法では、導電性ポリマーとドーパントの混合溶液あるいは分散液を同時に塗布、乾燥してもよい。たとえば真空蒸着法を用いる場合、導電性ポリマーとともにドーパントを共蒸着することによりドーパントを導入することができる。またスパッタリング法で該層を作製する場合、導電性ポリマーとドーパントの二元ターゲットを用いてスパッタリングして導電性ポリマー層中にドーパントを導入することができる。さらに他の方法として、電気化学的ドーピング、光開始ドーピング等の化学的ドーピングおよび例えば刊行物「工業材料」34巻、第4号、55頁(1986年)に示されたイオン注入法等の物理的ドーピングの何れも使用可能である。
【0043】
以上の導電性ポリマーのうち、水溶性又は水分散性の材料を用いて、導電性ポリマーの水系溶液又は水系分散液から導電性ポリマー層を形成するのが好ましい。これにより、光感応性樹脂の現像液として好ましいアルカリ水溶液によって導電性ポリマー層毎除去することが可能となる。またアニオンがドーピングされた導電性ポリマーを用いると、アルカリ水溶液への親和性をより高めることができる。このアニオン種としては、スルホン酸アニオンが最も好ましく、導電性ポリマー層の機械的強度を高める観点からポリスチレンスルホン酸などのポリマーを用いるのが好ましい。導電性ポリマーの最も好ましい態様は、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体(PEDOT/PSS錯体)である。
【0044】
導電性ポリマー層の厚みは、用途にもよるが導電性確保のため0.1〜3μmが好ましい。
【0045】
光照射後にアブレートされたアブレーション層を剥離するために設ける剥離シートは、ヒートシール性の有る樹脂シートを剥離シートとしたり、上記の支持体として用いられる樹脂フィルム上にクッション層を設けて形成したものでもよい。クッション層は、それ自身常温で接着性を有するもの、熱や圧力を掛けることにより接着性を発現するもののいずれでもよく、例えば、低軟化点の樹脂、接着性付与剤、熱溶剤、ワックス、微粒子等を適宜選択し含有させることにより、各層間の接着強度を、未露光部はクッション層と導電性ポリマー層との間の接着強度が最も低く、露光部は支持体とアブレーション層との間の接着強度が最も低くなるようにクッション層と導電性ポリマー層との間の接着強度を調整し、形成することができる。
【0046】
低軟化点の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、アイオノマー樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられ、接着性付与剤としては、ロジン、水添ロジン、ロジンマレイン酸、重合ロジン及びロジンフェノール等の未変性若しくは変性物、テルペン並びに石油樹脂及びそれらの変性物等が挙げられる。又、熱溶剤としては、公知の常温で固体であり、加熱時に可逆的に液化又は軟化する化合物を適時選択して用いることができる。
【0047】
剥離シートの厚みは6〜100μm程度、好ましくは10〜50μmであり、クッション層の厚みは0.05〜30μm程度、好ましくは0.1〜20μmである。
【0048】
支持体上に形成された導電性ポリマー層の上にはオーバーコート層を形成しても良く、オーバーコート層の膜厚は通常0.01μm以上、0.3μm以下であり、バインダー樹脂としては、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルホルマール等のアセタール系樹脂、及びポリビニルアルコール、ゼラチン等の水溶性樹脂等が挙げられる。
【0049】
これらの樹脂を硬化剤を用いて硬化してもよく、このような硬化剤としては、例えば、ポリウレタン樹脂を合成する際に用いられるポリイソシアネートなどを挙げることができる。
【0050】
オーバーコート層中には必要に応じてマット剤を添加しても良い。マット剤としては、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al23、α−Fe23、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等の無機フィラーやポリエチレン樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等の有機フィラーを挙げることができる。
【0051】
オーバーコート層には必要に応じて、ワックス、シリコン系化合物及びフッ素系化合物の中から少なくとも1種類の添加剤(滑剤)を適宜選択し含有させることにより、各層間の接着強度を、未露光部はオーバーコート層と導電性ポリマー層との間の接着強度が最も低く、露光部は支持体とアブレーション層との間の接着強度が最も低くなるようにオーバーコート層と導電性ポリマー層との間の接着強度を調整し、形成することができる。
【0052】
また、形成された導電路或いは電極と支持体との接着性を向上させるためには、任意のプライマー層を設けても良い。
【0053】
各層の組成物の塗布方法としては、ディッピング、スピンコート、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、スクイズコート、リバースロールコート、グラビアロールコート、カーテンコート、スプレイコート、ダイコート等の公知の塗布方法を用いることができ、連続塗布又は薄膜塗布が可能な塗布方法が好ましく用いられる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の方法により、解像度や位置精度の高い導電路や電極を、簡便な作製方法で提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】アブレーションを利用し導電路や電極を形成する方法の基本的層構成図である。
【図2】吸引によりアブレーション部の剥離・除去を行う例を示す図である。
【図3】剥離シートを用いてアブレーション部の剥離を行う例を示す図である。
【符号の説明】
10 支持体
20 アブレーション層
30 導電性ポリマー層
41 オーバーコート層
42 クッション層
50 剥離シート
201 露光部
202 未露光部
300 吸引装置

Claims (6)

  1. 支持体上に光感応性樹脂を含有するアブレーション層及び導電性ポリマーを含有する導電性ポリマー層をこの順に形成する工程、前記アブレーション層を高密度のエネルギー光線で露光する工程、及び前記アブレーション層の露光部に該当する前記導電性ポリマー層を前記露光部と共に剥離し除去する除去工程を経ることを特徴とする導電路又は電極の形成方法。
  2. 高密度エネルギー光の照射によりアブレーションすることを特徴とする請求項1記載の導電路又は電極の形成方法。
  3. 高密度エネルギー光が波長700nm以上の赤外光であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電路又は電極の形成方法。
  4. 高密度エネルギー光がレーザ光であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の導電路又は電極の形成方法。
  5. 透明支持体を用い、支持体側から高密度エネルギー光を照射することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の導電路又は電極の形成方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の導電路又は電極の形成方法により形成されたことを特徴とする導電路又は電極。
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