JP4942094B2 - 電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法 - Google Patents
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に関するものである。
また、「少くとも一方のガラス基板の表面部に微細流路が溝形成されている2枚のガラス基板を接合してガラス基板マイクロチップを製造する方法であって、10−4Torr以上の低真空度の減圧環境において、ガラス基板の軟化点以下の加熱温度でプレス加圧してガラス基板を密着接合することを特徴とするガラス基板マイクロチップの製造方法。」が知られている。(特許文献2参照)
また、前記工程処理を窒素を充填した環境下で実行することを特徴とする。(請求項3)
また、前記微細流路が、前記一方のガラス基板の側面で貫通していることを特徴とする。(請求項5)
また、前記微細流路が一方のガラス基板に複数形成されていることを特徴とする。(請求項7)
また、本発明の電極付きガラス製マイクロチップ基板は、請求項1〜8のいずれかの電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法で製造されたものである。(請求項9)
また、電極付きの基板等の材質が異なる物質が複合されている場合でも、簡易的かつ簡便に接合が出来る。
そして、本発明のガラス製マイクロチップの製造方法では、2枚のガラス基板の接合には接着剤として、所定の粘度のUV硬化性接着剤を使用して、該接着剤の表面張力及び毛細管現象により流路内への接着剤の侵入を防ぐと共に、2枚のガラス基板を密着接合することを特徴とする。
図1は、本発明のガラス製マイクロチップを製造の開始直前の状態を示す図である。
図1において、1は表面部に微細流路溝(図では高さ7μm)を形成した1方のガラス基板であって、2は電極3を形成した他方のガラス基板である。
本発明は、上記2枚のガラス基板を接合してガラス製マイクロチップを製造する方法である。
図1において、4は2枚のガラス基板を接合するために、2枚のガラス基板間に接着剤を侵入させるピペットを示している。
図2において、1、2,3は図1と同く1方のガラス基板(蓋基板),他方のガラス基板,電極である。
図1の状態で2枚のガラス基板間にピペットで接着剤を侵入させると、2枚のガラス基板間及びガラス基板1に形成された微細流路溝内に毛細管現象によって侵入する。
その状態で、5,6,7は侵入した接着剤であり、5が2枚のガラス基板の接着に必要な部分であり、6が一方のガラス基板1に形成された微細流路溝内に毛細管現象によって侵入した接着剤部分であり、7は溢れた過剰な接着剤部分である。
接着剤には表面張力が働いてガラス基板1は、ガラス基板2に対して所定の高さに保たれている。
図2において、8はスライドガラス(通常顕微鏡で使用するもの)であり、一方のガラス基板1の上部にキムワイプ9を介して加圧する直前の状態を示している。
図2において、1、2,3は図1と同じく1方のガラス基板,他方のガラス基板,電極であり、この状態ではまだ微細流路11内に接着剤が充填(侵入)している。
また、この状態では、キムワイプを介してスライドガラスで加圧されたために、一方のガラス基板と他方のガラス基板間の距離は表面張力によって所定の高さに保たれている。
この状態で微細流路11内に充填(侵入)している接着剤をマイクロピペット若しくはダイヤグラムポンプで吸引して除去する。
なお、この接着剤の吸引除去の工程では、微細流路内の接着剤のみを吸引除去して、2枚のガラス基板間の接着剤は残す程度の排気速度(例えば、60L/min)、到達圧力(例えば、21.3kPa)で実行すると、2枚のガラス基板間の接合部における距離と、一方のガラス基板の表面と微細流路間の高さに差があり、そこに生じる毛細管現象によるる力にも差が生じることによって、微細流路内の接着剤のみの吸引除去が可能である。
図4において、1、2,3は図1と同じく1方のガラス基板,他方のガラス基板,電極であり、10は、2枚のガラス基板間を接合している接着剤である。
そして、図の例では、微細流路12の高さは7μmであり、接着剤の高さ(厚さ)は2μmである。
1、2,3は図1と同じく1方のガラス基板,他方のガラス基板,電極であり、12は一方のガラス基板に形成された微細流路を示している。
また、図6では、一方のガラス基板に形成された微細流路が一方のガラス基板の両側面で貫通している状態を示している。
本発明のガラス製マイクロチップを製造で使用した試薬・器具の例を以下に示す。
・試薬
ガラス洗浄には、EXTRAN MA02 ニュートラル( MERCK, Ltd., Japan)、イソプロピルアルコール、アセトン及びヘキサン(Wako, Japan)、超純水を用いた。
接着剤には、オプトクレーブ UT20 ( 株式会社アーデル、Japan)を用いた。
その他、UV照射時に窒素を用いた。
・器具
UVランプ ( 20 mW/ cm2程度)、ダイヤグラムポンプ、楊枝、ファスナー付ビニル袋、照度計を使用した。
なお、上記の試薬・器具は1例であって、他の同等のものを使用可能であることは明らかである。
・ガラス洗浄工程
(a)一方のガラス基板(1)及び他方の電極付ガラス基板(2)をキムワイプで包む。
(b)ビーカー等にEXTRAN MA02 ニュートラルを30倍程度希釈し、超音波で10分間洗浄。
(c)キムワイプから両方のガラス基板(1,2)を取り出し、超純水で良く洗浄する。
(d)再度、両方のガラス基板(1,2)をキムワイプで包む。
(e)ビーカー等にイソプロピルアルコールを加え、前記(d)の処理後の両方のガラス基板(1,2)を入れて超音波で10分間洗浄。
(f)前記(e)の処理後、両方のガラス基板(1,2)を取り出し、そのまま乾燥。
(g)ビーカー等にアセトンを加え、前記(f)の処理後の両方のガラス基板(1,2)を入れて超音波で10分間洗浄。
(h)前記(g)の処理後の両方のガラス基板(1,2)を取り出し、ドライヤーでそのまま乾燥。
(i)ビーカー等にヘキサンを加え、延期(h)の処理後の両方のガラス基板(1,2)を入れて超音波で10分間洗浄。
(j)キムワイプからガラスを取り出し、オーブン(80℃程度)で乾燥後、デシケーターで放熱させる。
なお、(e)〜(j)までの処理では、同じキムワイプで包まれた状態であり、キムワイプで包みのはガラス同士の傷つきを防止するためである。
・接着工程
(a)一方のガラス基板(1)及び他方の電極付ガラス基板(2)の位置合わせを行う。
(b)2枚のガラス基板間に接着剤を、2μl用ピペットチップ(4)を使い毛細管現象により侵入させる。(接着剤をピペットに取るときは、ピペットを押さずにチップの先を接着剤に接触させる程度で良い。)(図1参照 )
(c)一方のガラス基板(1)の上にキムワイプ(9)を4つ折にしたものを乗せ、さらにスライドガラス(8)(通常顕微鏡で用いるもの。)を乗せて一定の圧力を加えて、過剰量の接着剤(7)を除去する(ふき取る)。(図2,3参照)
(d)流路内の接着剤(6)をダイヤフラムポンプで吸引除去する。(排気速度60L/min ,到達圧力21.3kPa)(図4)
(e)流路内に窒素を流し、窒素を充填させたビニル袋に入れる。
(f)UVランプにより、5000〜6000 mJ/ cm2 程度UVを照射する。
(g)60℃で2時間乾燥。
(h)デシケーター中で放熱。
(i)EtOH中で超音波処理後(10分間)、80℃で乾燥し、デシケーター中で放熱。
(j)顕微鏡により、確認する。
なお、EtOH中での処理は、EtOHによって未硬化の接着剤を洗い出すためである。
したがって、本発明のガラス製マイクロチップの製造では、一方のガラス基板の厚さは0.2mmが好ましい。
他方のガラス基板の厚さには特に制限はない。
その場合には、複数個の微細流路に対応して、他方のガラス基板に複数個の電極(対)を形成する必要がある。
2:他方の電極付きガラス基板
3:電極
4:ピペット
5,6,7、:接着剤
8:スライドガラス
9:キムワイプ
10:接着剤(加圧後)
11:微細流路(接着剤充填中)
12:微細流路(接着剤除去後)
Claims (7)
- 表面に微細流路が形成された一方のガラス基板を、表面に電極が形成された他方のガラス基板上に、前記電極と微細流路が対向するように位置合わせて重ね合わせる工程と、
前記一方のガラス基板と他方のガラス基板間に粘度6−10mPa.sのUV硬化性接着剤を侵入させる工程と、
前記他方のガラス基板上に、圧力を加えて2枚のガラス基板間の接着剤の表面張力による所定の高さにして、過剰な接着剤を除去する工程と、
前記微細流路内に侵入したUV硬化性接着剤を除去する工程と、
UV光を照射する工程と、
を含むことを特徴とする電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法。 - 前記工程処理を窒素を充填した環境下で実行することを特徴とする請求項1に記載の電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法。
- 前記2枚のガラス基板の接合時において、前記他方のガラス基板の表面から前記微細流路の高さが7μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法。
- 前記微細流路が、前記一方のガラス基板の側面で貫通していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法。
- 前記微細流路の両側面には、前記電極が露出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法。
- 前記微細流路が一方のガラス基板に複数形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法。
- 前記一方のガラス基板の厚さは0.2mm未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極付きガラス製マイクロチップ基板の製造方法。
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