JP2006029841A - センサチップ、該センサチップを用いる測定機、及び微量試料の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微量試料をチップ内に導入しチップ内での該試料の化学反応を利用した微量試料測定用のセンサチップであって、その試料導入口の位置確認を容易にしたセンサチップ、該センサチップを用いる測定機、及び該測定機を用いる微量試料の測定方法を提供する。
【解決手段】 反応部、該反応部に設けられた検知手段、該検知手段により検知された信号を外部に出力する出力端子、該反応部に試料を導入する試料導入口、及び光出射端を有し、好ましくは、該光出射端が該試料導入口の近傍に設けられていることを特徴とするセンサチップ、及び該センサチップを接続するための接続手段、入力端子、及び制御部を有することを特徴とする測定機、及び該測定機を用いる微量試料の測定方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 反応部、該反応部に設けられた検知手段、該検知手段により検知された信号を外部に出力する出力端子、該反応部に試料を導入する試料導入口、及び光出射端を有し、好ましくは、該光出射端が該試料導入口の近傍に設けられていることを特徴とするセンサチップ、及び該センサチップを接続するための接続手段、入力端子、及び制御部を有することを特徴とする測定機、及び該測定機を用いる微量試料の測定方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、試料に含まれる化学物質の定量又は検出に用いられるセンサチップ、特にバイオセンサチップとして好適に用いられるセンサチップに関する。本発明はさらに、該センサチップを用いる測定機、及び該測定機を用いる微量試料の測定方法に関するものである。
バイオセンサチップは、微量試料をチップ内に導入し、該チップ内で、該微量試料について酵素反応や抗原−抗体反応等の生化学反応を起こし、該生化学反応により得られる情報をチップ外へ出力するセンサチップである。このバイオセンサチップは、生体の持つ優れた分子識別機能を利用するものであり、微量の化学物質の迅速かつ簡便な測定を可能にするものとして注目されている。そして、例えば、血液中のグルコース量(血糖値)や尿糖値を測定する血糖値センサ、尿糖値センサとして、糖尿病を自己管理し予防する家庭内健康診断(セルフケア)等に使用され、又生産ライン上の商品の抜取品質検査等にも使用されている(特開平10−2874号公報:段落0002、特開平11−108879号公報:段落0002)。
微量試料測定用のセンサチップ、特にバイオセンサチップとして使用されるセンサチップでは、測定に必要な試料の量(所要試料量)が少ないことが好ましい。例えば、糖尿病患者が使用する血糖値センサの場合、患者の採血時の苦痛を軽減するため、所要血液量が少ないことが重要である。
所要試料量を減少させるためには、チップ内で試料が反応する部分(反応部)の体積を小さくする必要がある。その結果、試料をチップ内に導入するための導入口の大きさも小さくなる。毛管現象を利用して反応部に試料を導入するセンサチップも知られているが、この場合も、毛管現象による吸引が有効に作用するように導入口を小さくする必要がある。
しかし、導入口が小さいと使用者にとってその位置確認が困難となる問題が生じる。特に、糖尿病患者は病気の進行や老化によって視力が低下している場合が多いので、血糖値センサ等の場合、本問題は重要である。又、糖尿病患者は、就寝時に血糖値を測定する場合が多いので、暗所での導入口の位置確認が必要とされる場合がある。
WO01/061341号公報には、指先の血液等の試料をセンサの所定位置へ付着させる際の位置決め作業の困難を解消するため、被測定対象物をセンサの所定位置へ案内するためのガイドを備えた測定システムが開示されている。しかし、この測定システムでは、センサチップの試料導入口の位置を直接に明示するものではないため、試料導入口の位置を見誤る危険性があった。
特開平10−2874号公報(段落0002)
特開平11−108879号公報(段落0002)
WO01/061341号公報
本発明は、微量試料をチップ内に導入し、チップ内での該試料の化学反応を利用する微量試料測定用のセンサチップであって、その試料導入口の位置確認を容易にしたセンサチップを提供することを課題とする。本発明は、さらに、該センサチップを用いる測定機、及び該測定機を用いる微量試料の測定方法を提供することを課題とする。
上記の課題は、センサチップに、試料導入口の位置を示すための光を外部に出射する光出射端を設ける構成により解決される。
本発明は、その請求項1として、反応部、該反応部に設けられた検知手段、該検知手段により検知された信号を外部に出力する出力端子、及び該反応部に試料を導入する試料導入口を有するセンサチップであって、さらに、外部に光を出射する光出射端を有することを特徴とするセンサチップを提供する。
ここで反応部とは、導入された試料が化学反応する部分であり、バイオセンサチップの場合は、生化学反応が起きる部分である。通常、この部分、特に後述する作用極部分には、触媒、酵素等が固定されており、これらにより、試料の化学反応が促進される。
例えば、血液中のグルコース量を測定するグルコースバイオセンサチップの場合は、この部分に、グルコースオキシダーゼ(GOD)層、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)層、グルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物層、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物層、又はグルコースオキシダーゼ−電子受容体−アルブミン混合物層等が形成される。
これらの層の形成は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ等を、蒸留水又は緩衝液等に溶解させ、その溶液を滴下法、スピンコート法等によって層を形成する部分に配置し、室温で乾燥させることにより行うことができる。
例えば、グルコースオキシダーゼを含有する層に、グルコースを含んだ水溶液試料、例えば血液等が導入されると、グルコースがグルコースオキシダーゼの作用により酸化されてグルコノラクトンが生成する。そのとき発生するH2O2を酸化する際の酸化電流値を測定することにより、グルコース濃度を間接的に求めることができる。又、前記の電子受容体としてフェリシアン化カリウム用い、グルコースの酸化とともに発生するフェロシアンイオンが、酸化する際の酸化電流値を測定することによってもグルコース濃度を求めることができる。
いずれの場合でも、グルコースを含んだ試料を、反応部で所定時間反応させた後、そこに所定の電圧を印加し、さらに所定時間後の電流値を測定することによりグルコース濃度を求めることができる。
所定の電圧の印加や電流値の測定は、該反応部に設けられた検知手段を通して行われる。検知手段は、通常は作用極、対極の1対の電極からなるが、さらに参照極等の他の電極やその他の手段を有してもよい。
該検知手段により検知される信号は、通常は、前記の酸化反応により生じた電流等、反応部における化学反応により生じた電流である。該検知手段と出力端子は、電気的に導通されているので、検知された信号は、出力端子に送られ、該出力端子を通して外部に出力される。
測定対象である試料は、試料導入口より反応部に導入される。試料導入口と反応部の間には、両者を繋ぐ試料導入路が設けられてもよく、又試料導入口は複数設けられていてもよい。なお、測定対象である試料としては、血液、尿や、生産ライン上で抜き取られた水溶液試料が例示される。
本発明のセンサチップは、前記の構成に加えて、外部に光を出射する光出射端を有することを特徴とする。光出射端を設ければ、出射される光により、照明としての効果も得ることができ、微量の試料、例えば、血糖値センサの場合は被試験者の指上に付着した血液の液滴を、暗がりにおいてもこぼしたりすることなく、確実にセンサチップの試料導入口に近づけることができる。さらに、後述するように、光出射端を試料導入口近傍に設ければ、試料導入口の位置確認を容易にする。
光出射端は、試料導入口近傍に設けることが好ましい。前記のように、微量の試料の測定のためには反応部は小さいことが好ましく、この場合、試料導入口は小さくする必要があり、目視での位置確認が困難になる。しかし、光出射端を試料導入口近傍に設けると、測定の際、光出射端より出射される光により試料導入口近傍を発光させることができる。その結果、試料導入口が小さい場合でも、使用者が容易に試料導入口の位置を把握することができる。又、試料導入口近傍を直接光で視認することができるため、測定機自体にガイドを設ける方法よりも確実に試料導入口の位置を確認することができる。
請求項2は、この好ましい態様に該当し、前記のセンサチップであって、該光出射端が該試料導入口の近傍に設けられていることを特徴とするセンサチップを提供するものである。
ここで、試料導入口近傍に設けるとは、光出射端の発光を目印に試料をセンサに接触させたとき、試料導入口より試料がセンサ内に導入される程度の範囲内に、光出射端が設けられていることを意味する。通常、センサの使用者は、試料導入口の寸法に対して若干の余裕をもった量の試料をセンサに接触させるので、試料導入口と光出射端は、ほとんど同位置まで接触させる必要はなく、使用者が、光出射端の発光を目印に試料をセンサに接触させたとき、試料導入口より試料がセンサ内に導入される位置に光出射端があればよい。
例えば、血糖値センサの場合は、試料導入口と光出射端の中心間の距離が、被試験者(使用者)の指上に付着した血液の液滴の半径よりも小さければ、光出射端の発光を目印にセンサにこの血液の液滴を接触させたとき、問題なく血液は試料導入口から導入される。通常、血液の液滴の量は、0.3〜3μlであり、その半径は0.52〜1.13mmに相当するので、試料導入口と光出射端の中心間の距離がこの範囲内になるように光出射端を設ければ問題ない。
光出射端は複数あってもよい。光出射端を試料導入口近傍に設け、試料導入口の位置確認を容易にするためには、試料導入口と同じ数の光出射端が必要である。そこで、試料導入口が複数ある場合は、光出射端も複数必要である。複数の光出射端は、試料導入口を挟むように設けられてもよい。この場合は、複数の光出射端で囲まれた部分の大きさが、液滴の直径以下であれば問題ない。
光出射端より出射される光は、センサチップ外部より供給されてもよいし、センサチップ内部に発光手段を有しこの発光手段より供給されてもよい。センサチップ外部より供給される場合は、該センサチップは、外部より光が入射される光入射端、及び該光入射端より入射された光を該光出射端へ伝播する光導波路を有する。請求項3は、この態様に該当し、前記のセンサチップであって、外部より光が入射される光入射端、及び該光入射端より入射された光を該光出射端へ伝播する光導波路をさらに有することを特徴とするセンサチップを提供するものである。
光入射端は、好ましくは、後述する測定機と接続される端面に設けられ、測定機より光が入射される。入射された光は、光導波路を通って光出射端へ伝播される。光導波路は、例えば、有機や無機の光ファイバーや光導波シートにより形成される。光ファイバーのような光路を曲げることができる光伝播手段を用いれば、光入射端の設置位置の自由度が増すので好ましい。すなわち、光入射端をセンサチップの側面に設置する必要はなく、前端面、あるいは上面等に設けることもできる。
光出射端と同様に、光入射端及び光導波路も、それぞれ複数あってもよい。光出射端及び光入射端が複数の場合は、例えば光導波路を複数配置して、それぞれに光入射端、光出射端を設けてもよい。しかし、その場合は各光入射端に光を供給する設備が複数必要となりコスト高となるので、チップ内に光分岐部を配置し、1つの光入射端から入射された光を該光分岐部によって分岐し、複数の光出射端へ供給する方法が好ましい。
光入射端の位置を、異なる形状のセンサチップ間で変動させることなく統一すれば、センサチップを異なる形状のものに変更した場合であっても、該センサチップが接続される測定機側を特に変更することなく、光出射端を発光させることができるので、好ましい。
前記のようなセンサチップ外部より光を供給する態様の代りに、センサチップ内部に発光手段を有し、この発光手段より、光出射端より出射される光が供給されてもよい。請求項4はこの態様に該当し、前記のセンサチップであって、該光出射端へ光を供給する発光手段をさらに有することを特徴とするセンサチップを提供するものである。発光手段としては、センサチップ内に収容できる小型のものが挙げられ、可視光のLEDを光源とするものが例示される。LEDの種類としては、単なる導入口の視認目的なら、波長は可視光の範囲で特に限定されないが、照明効果も期待する場合は、白色LEDのような無彩色のものが望ましい。
発光手段としては、その光源が光出射端に接しており、光源が発する光を直接、光出射端より出射するものでもよい。一方、光源を、光出射端から離れた位置に設け、この光源の光を、前記と同様な光導波路を通して光出射端へ伝播するものでもよい。本発明において発光手段とは、光源とともに、導線や光導波路等、光出射端への光の供給に必要なものを含む意味である。センサチップ内部にLEDのような発光手段を有する場合は、通常、センサチップ内へ電流等のエネルギーを取入れる端子が測定機との接続部分に設けられており、又この端子と光源を導通する導線が、センサチップ内に設けられている。
しかし、センサチップ内の発光手段として、LEDのような手段の代りに、ケミカルライトのように、2種以上の化学薬品を混合させて一時的に蛍光等の光を発する化学発光手段をセンサチップ内に有していてもよい。センサチップは、通常1回のみの使い捨てであるので、このような短期的な発光手段でも充分に実用的である。この場合は、発光の化学反応を開始させるための手段を、センサチップ内に備えておけば、測定機からの電流等の供給を受ける必要が無いので、チップの構成を簡単なものにでき、測定機も従来のものをそのまま使用できる。
本発明のセンサチップは特にバイオセンサチップに好ましく適用される。請求項5はこの態様に該当し、バイオセンサチップであることを特徴とする前記のセンサチップを提供するものである。
本発明は、さらに、請求項6として、前記本発明のセンサチップを接続するための接続手段、該センサチップの出力端子よりの信号を入力する入力端子、及び該入力端子より入力された信号を処理しその結果を出力する制御部を有することを特徴とする測定機を提供する。
該接続手段としては、センサチップと測定機とを着脱可能に接続する手段であって、該センサチップの出力端子より出力される信号を測定機内に取入れることができるように接続できるものであれば特に限定されない。その光出射端より出射される光が外部より供給されるセンサチップを用いる測定機の場合は、該センサチップの光入射端に光を出射又は照射する光出射部が、この接続手段に設けられている。光出射部は、該センサチップの光入射端に光を出射又は照射できるものであれば特に限定されず、該光入射端に光を伝播できるように該光入射端と接触している光路端等の他、該光入射端に光を直接照射する発光体等も挙げることができる。又、内部にLEDのような発光手段を有するセンサチップを用いる測定機の場合は、センサチップへ電流等を供給する手段が、通常この接続手段に設けられている。
センサチップの出力端子より出力された信号は、入力端子より測定機内に取入れられる。入力端子より入力された信号は、制御部で処理され測定結果が得られる。制御部としては、入力された電流値を電圧に変換する電流/電圧変換回路、変換された電圧信号を増幅する増幅回路、入力された信号に基づいて演算処理し測定結果を求める演算部、全体的な制御を行うCPU(中央演算処理装置)等を有するものが例示される。又、センサチップ内に電圧を印加するための制御もこの制御部で行うことができる。
接続手段が光出射部を有する場合、光出射部へ伝播される光を、測定機外部の光源から取入れることも可能である。しかし、使用者の便宜のためには、測定機外部の設備を必要としないことが好ましい。従って、この測定機の場合は、好ましくは、その内部に、光出射部と光学的に結合された光源を有する。
請求項7は、この好ましい態様に該当し、前記の測定機であって、該センサチップに光を出射する光出射部、及び光出射部と光学的に結合された光源をさらに有することを特徴とする測定機を提供するものである。ここで、光出射部と光学的に結合するとは、光源の光が、該光出射部に伝播されるように両者が結合されていることを意味する
測定機の光源としては、好ましくは可視光のLEDが例示される。LEDの種類としては、単なる導入口の視認目的なら、波長は可視光の範囲で特に限定されないが、照明効果も期待する場合は、白色LEDのような無彩色のものが望ましい。
演算部で演算され出力された測定結果を、測定機外部に出力し、外部の設備によりその結果を表示することも可能である。しかし、前記のように使用者の便宜のためには、測定機外部の設備を必要としないことが好ましいので、測定機が測定結果を表示する表示部を有することが好ましい。表示部としては、LCD(液晶表示装置)を用いデジタル表示をするディスプレイ表示部等が挙げられる。
前記本発明の測定機は、センサチップが測定器本体に接続されて測定可能な状態になったか否かを確認する接続確認手段を有することが好ましい。この接続確認手段を有することにより、付帯スイッチを押す等の操作なしで、センサチップの接続を確認し、自動的に光源をオン及びオフして、測定機の電力消費を節約することもできる。接続確認手段としては、例えば、特開平11−108879号公報に記載の、センサチップ上の接続確認用電極、それに対応する入力端子等からなる構成が挙げられる。
本発明は、さらに又、請求項8として、前記の本発明の測定機を用い、該センサチップの光出射端より光を出射しながら、試料導入口より試料を反応部に導入する工程を有することを特徴とする微量試料の測定方法を提供する。測定時には、センサチップの外部から導入された光又はセンサチップ内部で発光された光を試料導入口近傍にある光出射端より出射し、該試料導入口の位置を明確にしながら、試料と該試料導入口を接触させて試料を反応部に導入するので、該試料導入口の位置確認、そして試料の導入が容易となる。
本発明のセンサチップでは、試料導入口近傍を発光させることにより、試料導入口が小さい場合でも、使用者が容易に試料導入口の位置を確認することができる。又、光出射端より出射される光により、照明としての効果も得ることができ、微量の試料を試料導入口に近づけることが容易になる。そしてこのセンサチップを用いる測定機を用いることにより、又この測定機を用いる微量試料の測定方法により、微量の試料の化学的測定を容易に行うことができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を、図を用いて説明する。なお、本発明はこの形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態へ変更することができる。図1は、本発明のセンサチップの一例を示す説明図である。図1(a)は正面図を表し、図1(b)は側面図、図1(c)は平面図を表す。
図1中、1はセンサチップの下部基板、2は電極(一方が作用極で他方が対極)、3はスペーサ層、4はカバー層、5は反応部、6は試料導入口、7は光入射端、8は光出射端、9は光導波路である。なお、図示されていないが、反応部5中、好ましくは作用極上又はその近傍には、測定試料についての各種反応を促進するための触媒、酵素等の反応物質、例えば、血中グルコースセンサの場合はグルコースオキシダーゼと電子受容体等が配置されている。
下部基板1は、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック材料等を用いて形成することができる。スペーサ層3を形成する材料としては、前記の基板1に用いられる材料の他、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等を挙げることができ、スペーサ層3は、これらをスクリーン印刷等の手法で塗布することにより形成される。カバー層4は、絶縁性の樹脂フィルムからなり、この樹脂フィルムを形成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等が使用される。
下部基板1上には、一対の電極2が形成されておりその一端は測定機と接続される端面に延びて出力端子21を形成し、他端又はその近傍は、反応部5中に露出して検知手段22を形成している。図1の例では、反応部5は、スペーサ層3内にあり孔状の形状を有し、該孔はスペーサ層3をその面方向に貫通し、スペーサ層3の両側面で開口しており、この開口部が、試料導入口6となっている。すなわち、図1の例のセンサチップは、試料導入口を2つ有する。
光導波路9は、カバー層4中に配置され、測定機と接続される端面に光入射端7を有し、試料導入口6近傍に光出射端8を有している。前記のように、図1の例では、試料導入口6を2つ有するので、光出射端8も2つ有する。光導波路9は、光ファイバーにより形成され、その途中に分岐部10を有し、この構成により、1つの光入射端7からの光を、2つの光出射端8に伝播させている。光導波路9の形成には、光ファイバーの代りに、カバー層4中に埋め込まれた光導波シート等を用いることもできる。
図1の例のセンサチップは、さらに、カバー層4上にチップの接続確認用電極11を有している。このチップの接続確認用電極11は導体から形成され、後述する測定機の接続確認用対応電極間を短絡させて、センサチップの接続確認をするためのものである。
図1の例のセンサチップの製造方法としては、下部基板1上に電極2を形成し、その上に、反応部5及び試料導入口6を形成する孔を有するスペーサ層3を貼付け、さらに樹脂フィルムからなりあらかじめ所望構造の光導波路がその中に形成されたカバー層4を、該スペーサ層3上に貼付ける方法が、容易な方法として、好ましく例示される。孔を有するスペーサ層3を貼付ける代りに、スペーサ層3を形成する材料膜を分割して、分割されたそれぞれを、孔が形成するように間隔を置いて貼付ける方法、スペーサ層3を形成する材料膜を貼付けた後、カバー層4の貼付け前に、該材料膜の孔の部分を取り除いて孔を形成する方法等も採用できる。
電極2の材料には、カーボン、銀、金、パラジウムなどの導電性物質が用いられ、スクリーン印刷、貼付、蒸着、スパッタリングなどによって下部基板1上に形成される。光導波路9は、光ファイバーにより形成されている。光ファイバーの代りに、カバー層4中に埋め込まれた光導波シート等を用いることもできる。カバー層4を形成する樹脂フィルム中に、光導波路9を形成する方法としては、モールド法や、カバー層4をUV硬化樹脂で形成し、直接露光して露光した部分の屈折率を変化させて光導波路とする方法等、種々の方法が提案されている。
図1の例のセンサチップは、測定機に接続されて、微量試料に含まれる化学物質の定量又は検出等に供せられる。図2は、その測定機の一例のシステム構成図を示す。
図2の例の測定機は、センサチップの接続手段であるコネクタ部31を有する。測定時に、センサチップは、測定機に挿入されてコネクタ部31を通して測定機に接続される。コネクタ部31には、入力端子32、一対の接続確認用対応電極33及び光出射部34が設けられている。
図1の例のセンサチップがコネクタ部31により測定機に接続されると、該センサチップの出力端子21と入力端子32は電気的に接続され、出力端子21より出力された電流(信号)が、入力端子32を通って測定機内に取り込まれる。又、一対の接続確認用対応電極33と、該センサチップの接続確認用電極11が電気的に接続し、一対の接続確認用対応電極33の間は短絡する。この短絡を短絡検出回路(図示されていない。)により検出することにより、センサチップの接続を確認することができる。
センサチップの接続により、光出射部34と該センサチップの光入射端7は光学的に結合され、光出射部34より出射される光は、光入射端7を通して、該センサチップの光導波路9に伝播される。
図2の例の測定機は、その中に白色のLEDである光源35を有し、光出射部34と光源35は、光ファイバーからなる光導波路36により光学的に結合されている。従って、図1の例のセンサチップが接続され、光源35がオンとなると、白色光が、光導波路36、光出射部34、光入射端7、光導波路9と伝播され、光出射端8より出射され、試料導入口6の位置を明示する。
図2の例の測定機の制御部37は、電流/電圧変換回路38、増幅回路39、演算部40を有し、さらに全体的な制御を行うCPU(中央演算処理装置、図示されていない)を有する。入力端子32より入力された信号は、電流/電圧変換回路38で電流値が電圧に変換され、変換された電圧信号は、増幅回路39で増幅されて演算部40に送られ、演算されて測定結果が出力される。図2の例の測定機はさらに表示部41を有し、出力された測定結果は表示部41により表示される。
図1、図2の例のセンサチップ、測定機を用いて、微量試料の化学的測定を行うときは、センサチップを測定機に挿入してコネクタ部31により接続し、光源35をオンにする。すると、前記のように、光出射端8が発光し試料導入口6の位置が明示される。その後、試料導入口6と微量な試料を接触させて試料を反応部5に導入し、測定を行う。試料導入口6の位置が明示されるので、試料導入が容易になり、微量試料の化学的測定を容易に行うことができる。
図3は、本発明のセンサチップの他の例を示す説明図である。図1の例と異なり、このセンサチップは、その内部にLED42を有し、LED42からの光が光導波路9を通り光出射端8へ伝播されている。又接続確認用電極11の代りにLED42へ電力を供給するための電極43が設けられているが、電極43は、接続確認用電極としての機能も有する。
1 下部基板
2 電極
3 スペーサ層
4 カバー層
5 反応部
6 試料導入口
7 光入射端
8 光出射端
9 光導波路
10 分岐部
11 接続確認用電極
21 出力端子
22 検知手段
31 コネクタ部
32 入力端子
33 接続確認用対応電極
34 光出射部
35 光源
36 光導波路
37 制御部
38 電流/電圧変換回路
39 増幅回路
40 演算部
41 表示部
42 LED
43 電極
2 電極
3 スペーサ層
4 カバー層
5 反応部
6 試料導入口
7 光入射端
8 光出射端
9 光導波路
10 分岐部
11 接続確認用電極
21 出力端子
22 検知手段
31 コネクタ部
32 入力端子
33 接続確認用対応電極
34 光出射部
35 光源
36 光導波路
37 制御部
38 電流/電圧変換回路
39 増幅回路
40 演算部
41 表示部
42 LED
43 電極
Claims (8)
- 反応部、該反応部に設けられた検知手段、該検知手段により検知された信号を外部に出力する出力端子、及び該反応部に試料を導入する試料導入口を有するセンサチップであって、さらに、外部に光を出射する光出射端を有することを特徴とするセンサチップ。
- 該光出射端が該試料導入口の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセンサチップ。
- 外部より光が入射される光入射端、及び該光入射端より入射された光を該光出射端へ伝播する光導波路をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサチップ。
- 該光出射端へ光を供給する発光手段をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセンサチップ。
- バイオセンサチップであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のセンサチップ。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のセンサチップを接続するための接続手段、該センサチップの出力端子よりの信号を入力する入力端子、及び該入力端子より入力された信号を処理しその結果を出力する制御部を有することを特徴とする測定機。
- 該センサチップに光を出射する光出射部、光出射部と光学的に結合された光源をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の測定機。
- 請求項6又は請求項7に記載の測定機を用い、該センサチップの光出射端より光を出射しながら、試料導入口より試料を反応部に導入する工程を有することを特徴とする微量試料の測定方法。
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