JP2007289358A - バイオセンサチップおよびその製造方法 - Google Patents

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Shingo Kaimori
信吾 改森
Takahiko Kitamura
貴彦 北村
Akira Harada
章 原田
Toshifumi Hosoya
俊史 細谷
Masao Karube
征夫 輕部
Masao Goto
正男 後藤
Hideaki Nakamura
秀明 中村
Takeshi Fujimura
剛 藤村
Tomoko Ishikawa
智子 石川
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Abstract

【課題】 採取試料を少なくして対象者の負担を減少させ、穿刺時に試薬が体内に入るのを防止するとともに製造コストの低減化を図ることができるバイオセンサチップおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 スペーサ層12を2枚の基板11a、11bにより挟んで形成され、内部に、試料導入口16に連続する中空反応部14および検知用電極13a、13bを有する。そして、穿刺により試料Bを採取するための試料採取器具15が、バイオセンサチップ10の外部に固定されている。バイオセンサチップ10の内部に試料採取器具15を設けないので、バイオセンサチップ10の小型化を図ることができ、これに伴い、試料Bの採取量を少なくして対象者の負担を減少させることができる。さらに、試料採取器具15は試薬17が塗布されている中空反応部14には連続していないので、穿刺時に試薬が対象者の体内に入るのを防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チップの中空反応部に収容した試薬を用いて化学物質の測定や分析を行うバイオセンサチップおよびその製造方法に関するものである。
バイオセンサチップを用いた測定では、測定対象の試料をバイオセンサチップの中空反応部に導入し、この中空反応部で酵素反応や抗原−抗体反応等の生化学反応を起こし、この生化学反応により得られる情報をバイオセンサチップから測定装置に出力して試料の分析を行うものである。バイオセンサチップによる測定は、生体の持つ優れた分子識別機能を利用するものであり、微量な試料を用いて化学物質の迅速かつ簡便な測定を可能にするものとして注目されている。一例として、バイオセンサチップによる測定方法を用いて、血液中のグルコース量(血糖値)や尿糖値を測定することができ、糖尿病を自己管理し予防する家庭内健康診断(セルフケア)等に使用することが可能である。
従来のバイオセンサチップの一例として下記の特許文献がある。特許文献1に記載された皮膚パッチは、図6に示すように、皮膚パッチ100には2個の層101、102が形成され、層101に一定の針、ランセットまたはカニューレ等の侵入装置103、及び圧力リング104が取り付けられている。2個の層101、102の間には微小通路システム106があり、略中央に分配ポート105が形成されている。微小通路システム106に対応して、電気化学的な各検出器107、疎水性ゲート108、電気−浸透圧型ポンプ・システム109が配置されている。
特開2004−520103号公報
近年、自己管理し予防する家庭内健康診断等の観点から、バイオセンサチップの小型化、微小化が望まれている。これは、検査対象者の試料採取の負担を軽減すべく、微量の試料で正確かつ迅速に検査結果を導き出すためである。一例として、採血による血糖値の測定では、対象者自らが採血することがあり、採血時間が短く、かつ、採血量が少ない方が対象者の負担を軽減できる。
特許文献1に記載の手法では、針により採血を開始するが、針が検査対象者に刺さったままの状態で採血を行わなければならないため、検査対象者の負担増が考えられるという問題がある。
また、針が内蔵されているバイオセンサチップも提案されている。しかしながら、試薬(酵素、メディエータ等)が塗布された中空反応部内に針が内蔵される場合には、中空反応部の大きさが針径の太さ以上の厚みおよび幅となるため、必然的に中空反応部の容量が増大して、採血量が多くなり易いという問題がある。また、針がバイオセンサチップに内蔵されている場合には、試薬と針とが直接接触しやすいため、飛散した試薬が針に付着して、穿刺時に試薬が検体の体内に入る危険性もある。さらに、針をバイオセンサチップ内に配置するのが困難であるとともに、バイオセンサチップの製造工程の途中において針を位置決めするため、その後の工程で針の位置ずれを起こさないように留意したり、針を傷めたりしないように留意して製造をしなければならないため、コストアップを招くという問題がある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、採取試料を少なくして対象者の負担を減少させ、穿刺時に試薬が体内に入るのを防止するとともに製造コストの低減化を図ることができるバイオセンサチップおよびその製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明にかかるバイオセンサチップの第1の特徴は、互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板間に挟装されるスペーサ層と、前記2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた検知用電極と、前記2枚の基板及び前記スペーサ層により形成される中空反応部と、前記中空反応部に試料を導入する試料導入口とを有するバイオセンサチップであって、検体から試料を得るための試料採取器具が前記バイオセンサチップの外部に固定されていることにある。
本発明においては、針、ランセット針及びカニューレ等を試料採取器具と呼ぶ。
このように構成されたバイオセンサチップは、スペーサ層を2枚の基板により挟んで形成され、内部に、試料導入口に連続する中空反応部および検知用電極を有する。そして、穿刺により試料を採取するための試料採取器具が、バイオセンサチップの外部に固定されている。このため、バイオセンサチップの製造後に、試料採取器具をバイオセンサチップの外部の所定位置に取り付けることができるので、製造が容易でコストの低減化を図ることができるとともに、試料採取器具を取り付ける位置を高精度で位置決めすることができる。また、バイオセンサチップの内部に試料採取器具を設けないので、バイオセンサチップの小型化を図ることができ、これに伴い、試料の採取量を少なくして対象者の負担を減少させることができる。さらに、試料採取器具は試薬が塗布されている中空反応部には連続していないので、穿刺時に試薬が対象者の体内に入るのを防止することができる。
また、本発明にかかるバイオセンサチップの第2の特徴は、上記本発明の第1の特徴において、前記試料採取器具の先端と前記試料導入口とが近接していることにある。
このように構成されたバイオセンサチップにおいては、試料採取器具の先端と試料導入口とが近接しているので、試料採取器具による穿刺後に、試料導入口の位置決めを行うことなく、速やかに試料導入口から試料を採取することができる。
また、本発明にかかるバイオセンサチップの第3の特徴は、上記本発明の第1または第2の特徴において、前記試料を前記試料導入口に誘導するガイド部材を設けたことにある。
このように構成されたバイオセンサチップにおいては、試料採取器具を穿刺し、試料採取器具を抜くことにより出てきた試料を、ガイド部材により試料導入口にガイドするので、試料導入口を穿刺位置に合わせる努力をすることなく試料を確実に採取することができ、試料の採取量を減少させて対象者の負担を減ずることができる。また、穿刺前においては、ガイド部材により試料採取器具を保護し、使用者等が不注意に試料採取器具を刺して傷つくのを防止しても良い。
また、本発明にかかるバイオセンサチップの製造方法の第4の特徴は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサチップの製造方法であって、前記試料採取器具を固定手段により前記バイオセンサチップの外部に取り付けることにある。
このように構成されたバイオセンサチップの製造方法においては、スペーサ層を2枚の基板により挟んで、内部に、試料導入口に連続する中空反応部および検知用電極を有するバイオセンサチップを製造する。そして、その後、穿刺により試料を採取するための試料採取器具を、固定手段によりバイオセンサチップの外部に固定するので、製造が容易になってコストの低減化を図ることができるとともに、試料採取器具を取り付ける位置を高精度で位置決めすることができる。また、バイオセンサチップの内部に試料採取器具を設けないので、バイオセンサチップの小型化を図ることができ、これに伴い、試料の採取量を少なくして対象者の負担を減少させることができる。さらに、試料採取器具は試薬が塗布されている中空反応部には連続していないので、穿刺時に試薬が対象者の体内に入るのを防止することができる。
また、本発明にかかるバイオセンサチップの製造方法の第5の特徴は、上記本発明の第4の特徴において、前記固定手段が、粘着テープであることにある。
このように構成されたバイオセンサチップの製造方法においては、製造されて所定位置に整列されているバイオセンサチップに、粘着テープによって試料採取器具を固定するので、容易に試料採取器具を取り付けることができる。
また、本発明にかかるバイオセンサチップの製造方法の第6の特徴は、前記固定手段に連結された複数本の試料採取器具を一括して複数個の前記バイオセンサチップの外部に固定することにある。
このように構成されたバイオセンサチップの製造方法においては、固定手段に取り付けられている複数本の試料採取器具を、製造されて所定位置に整列されている複数個のバイオセンサチップに一括して固定するので、製造時間を短縮して、製造コストを低減化することができる。
また、本発明にかかるバイオセンサシステムの第7の特徴は、上記本発明の第1から第3のいずれかの特徴に記載のバイオセンサチップと、このバイオセンサチップの検知用電極に接続して採取された試料の情報を得る測定器とを有することにある。
このように構成されたバイオセンサシステムは、前述したバイオセンサチップによって採取した試料を中空反応部に導き、試薬との生化学反応から得られる情報を検知電極を介して測定器により測定する。
本発明によれば、試料採取器具をバイオセンサチップの外部に固定するようにしたので、製造が容易になってコストの低減化を図ることができるとともに、試料採取器具を取り付ける位置を高精度で位置決めすることができる。また、バイオセンサチップの内部に試料採取器具を設けないので、バイオセンサチップの小型化を図ることができ、これに伴い、試料の採取量を少なくして対象者の負担を減少させることができる。さらに、試料採取器具は試薬が塗布されている中空反応部には連続していないので、穿刺時に試薬が対象者の体内に入るのを防止することができるという効果が得られる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(A)は本発明に係るバイオセンサチップの一実施形態を示す平面図、図1(B)は図1(A)中B−B位置の断面図、図2(A)は本発明に係るバイオセンサチップの別の実施形態を示す平面図、図2(B)は図2(A)中B−B位置の断面図、図3(A)〜(D)は本発明のバイオセンサチップによる試料採取の状態を示す説明図、図4は本発明に係るバイオセンサチップの製造方法を示す説明図、図5は本発明にかかるバイオセンサシステムを示す構成図である。
図1および図2に示すように、本発明のバイオセンサチップ10の本体10aは、互いに対向する2枚の基板11a、11bと、この2枚の基板11a、11b間に挟装されるスペーサ層12とを有する。2枚の基板11a、11bの少なくとも1枚の基板11aの表面には、検知用電極13a、13bが固定される。2枚の基板11a、11b及びスペーサ層12により、中空反応部14が形成され、検体M(図3参照)に試料採取器具15を穿刺して採取した試料B(図3参照)を中空反応部14に導入する試料導入口16を有している。そして、試料採取器具15が固定手段によりバイオセンサチップ10の本体10aの外部に固定されている。
図1に示すように、基板11a、11bは全体が矩形状をしており、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作成することができる。下側(図1(B)において左側)の基板11aの上には、2つの検知用電極13a、13bが、例えば、カーボンを基板11a上に印刷等することにより形成することができる。検知用電極13a、13bは所定の間隔をおいて平行に直線状に設けられており、両検知用電極13a、13bの一端では、上側の基板11bおよびスペーサ層12よりも下側の基板11aのみが延設されており、検知用電極13a、13bの上面が露出している。あるいは、図2に示すように、検知用電極13a、13bをそれぞれ全体L字状とし、中空反応部14において所定の間隔で配置されるようにしてもよい。なお、図2においては、図1で前述した部位と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
また、バイオセンサチップ10の外部としては、例えば、基板11a、11bの外側面を挙げることができる。なお、検知用電極13a、13bを上側(図1(B)において右側)の基板11bに設けるようにすることもできる。
スペーサ層12は基板11a、11bと同様の材質を用いて形成することができる。また、スペーサ層12は1枚であってもよいが、複数枚を積層して形成することもできる。この場合には、複数枚のスペーサ層12を接合する接着剤もスペーサ層12を形成することになる。
中空反応部14は、上下両面を基板11a、11bおよび検知用電極13a、13bにより形成され、所定の形状に切りかかれたスペーサ層12を側壁として矩形状の空間が形成されている。スペーサ層12は複数の層からなることも可能である。このため、中空反応部14においては、検知用電極13a、13bは露出しており、中空反応部14における検知用電極13a、13bの直上或いは近傍に試薬17が設けられている。従って、中空反応部14は、試料導入口16から導入された例えば血液等の試料Bが、試薬17と生化学反応する部分となる。例えば、血液中のグルコース量を測定するバイオセンサチップ10の場合は、試薬17として、グルコースオキシダーゼや、グルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物層、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物層、又はグルコースオキシダーゼ−電子受容体−アルブミン混合物等が用いられる。グルコースオキシダーゼ以外の酵素、例えばグルコースデヒドロゲナーゼ等を用いる場合もあり、添加剤として緩衝剤や親水性高分子等を試薬中に含めてもよい。
図1および図2に示すように、試料採取器具15は、先端15aが試料導入口16に近接するように固定されるのが望ましい。これにより、試料採取器具15による穿刺後に速やかに試料導入口16から試料Bを採取することができる。なお、試料採取器具15の形状は、図1に示したような全体円錐形状とすることができるが、その他、先端のみが円錐形状で、全体として円柱状であってもよい。また、角錐形状や角柱形状であってもよい。
また、図1(A)および(B)において二点差線で示すように、試料Bを試料導入口16に誘導するガイド部材18を試料採取器具15に沿って、試料採取器具15の先端15aよりも突出するように設けるのが望ましい。ガイド部材18は、予め基板11aと一体的に設けることができるが、バイオセンサチップ10の製造後に、例えば接着剤や粘着テープを用いて取り付けるようにすることもできる。また、ガイド部材18は、弾性をもつ板状の部材であって、試料採取器具15側の表面が親水処理されているものが望ましい。
以上説明したようなバイオセンサチップ10を用いて行う試料の採集について説明する。
図3(A)に示すように、使用前の状態では、ガイド部材18は試料採取器具15の先端15aよりも前方(図3(A)において上方)に突出しており、試料採取器具15の先端15aを保護するとともに、使用者が不注意に試料採取器具15を刺して傷つくのを防止することができる。図3(B)に示すように、バイオセンサチップ10を検体Mに接近させると、ガイド部材18の先端が検体Mにあたって撓む。図3(C)に示すように、さらにバイオセンサチップ10を検体Mに近づけて、試料採取器具15の先端15aを検体Mに穿刺する。その後、図3(D)に示すように、バイオセンサチップ10を検体Mから遠ざけると、試料採取器具15は検体Mから抜け、穿刺された箇所から血液等の試料Bが流出する。この際、ガイド部材18の先端が検体Mから完全に離脱する前の状態にバイオセンサチップ10を保持することにより、試料Bはガイド部材18に沿ってバイオセンサチップ10の試料導入口16に流れて、中空反応部14に収容される。このため、試料導入口16を穿刺位置に合わせる努力をすることなく試料Bを確実に採取することができるとともに、試料Bの採取量を減少させて対象者の負担を減ずることができる。
次に、本発明に係るバイオセンサチップの製造方法について説明する。
この製造方法においては、図1および図2に示すように、スペーサ層12を2枚の基板11a、11bにより挟んで、内部に、試料導入口16に連続する中空反応部14および検知用電極13a、13bを有するバイオセンサチップ10の本体10aを製造する。そして、前述のようにして製造されたバイオセンサチップ10の本体10aの外側に、前述した試料採取器具15を固定手段により取り付けるものである。
固定手段としては、粘着テープ19を用いることが望ましい。すなわち、製造されて所定位置に整列されているバイオセンサチップ10の本体10aに、粘着テープ19によって試料採取器具15を固定するので、容易に試料採取器具を取り付けることができる。
また、図4に示すように、固定手段である粘着テープ19に連結された複数本の試料採取器具15を一括して複数個のバイオセンサチップ10の本体10aの外部に固定することが望ましい。
これにより、複数本の試料採取器具15を、製造されて所定位置に整列されている複数個のバイオセンサチップ10の本体10aの外部に一括して固定するので、製造時間を短縮して、製造コストを低減化することができる。
以上、説明したように、本発明に係るバイオセンサチップおよびその製造方法では、バイオセンサチップ10を製造した後に、試料採取器具15を、粘着テープ19によりバイオセンサチップ10の外部に固定するので、製造が容易になってコストの低減化を図ることができるとともに、試料採取器具15を取り付ける位置を高精度で位置決めすることができる。また、バイオセンサチップ10の内部に試料採取器具15を設けないので、バイオセンサチップ10の小型化を図ることができ、これに伴い、試料Bの採取量を少なくして対象者の負担を減少させることができる。さらに、試料採取器具15は試薬が設けられている中空反応部14には連続していないので、穿刺時に誤って試薬が対象者の体内に入るのを防止することができる。
次に、本発明に係るバイオセンサシステムについて説明する。図5には、上述したバイオセンサチップ10を用いたバイオセンサシステム30の構成が示されている。
図5に示すように、バイオセンサシステム30は、試料採取器具15が取り付けられたバイオセンサチップ10とバイオセンサ測定器31により構成されている。バイオセンサチップ10の構成については上述したとおりであり、その説明はここでは省略する。
バイオセンサ測定器31は電源32、制御装置33、端子挿入部34、表示部35を備え、これらが互いに接続されている。端子挿入部34にはバイオセンサチップ10から突出している検知用電極13a、13bが挿入され、2つの検知用電極13a、13b(図1および図2参照)がバイオセンサ測定器31に電気的に接続可能となっている。このバイオセンサシステム30は、小型であり、例えば、検査対象者が片手で持つことが可能なハンディタイプである。
このバイオセンサシステム30を用いて、血糖値を測定する場合を例として、使用方法を説明する。最初に試料採取器具15付きバイオセンサチップ10の後方の検知用電極13a、13bが露出した箇所をバイオセンサ測定器31の端子導入部34に挿入する。バイオセンサシステム30の電源32を入れ、正常に起動しているか確認する。バイオセンサシステム30を片手に持ち、バイオセンサチップ10の試料採取器具15を検体である例えば指Mの血液採取箇所、一例として、反対側の手の指に近づけていき、採取箇所を確認した後、試料採取器具15を穿刺する。
試料採取器具15を検体Mから引き抜くと、試料採取器具15で穿刺された検体M(例えば指)から試料である血液Bがにじみ出てくる。にじみ出てきた血液Bは、図3(D)に示すように、血液Bの表面張力と中空反応部14の毛細管現象によって、試料導入口16から中空反応部14に導入されていく。所定量の血液Bを採取したら、指Mからバイオセンサシステム30を離し、測定結果が表示部35に表示されるのを待つ。中空反応部14に導入された血液は試薬17と反応し、検知用電極13a、13bにより計測された電流値或いは電荷値(電荷量)のデータが制御装置33に送られる。制御装置33内には検量線データテーブルが格納されており、測定した電流値(電荷値)を基に血糖値の計算が実行される。計算が終了すると、測定結果が表示部35に表示され、例えば、血糖値が数値としてあらわすことができる。
なお、検査対象者の採血負担を考慮すると、中空反応部の容積は1μL(マイクロリットル)以下が好ましく、特に300nL(ナノリットル)以下であることが好ましい。このような微小な中空反応部14であると、試料採取器具15の直径は小さくても検査対象者の充分な血液量が採取可能である。好ましくは、直径が1000μm以下である。
なお、本発明のバイオセンサチップおよびその製造方法等は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、バイオセンサチップ10の全体形状として、正方形に近い矩形状のものを例示したが、形状は特定するものではない。すなわち、バイオセンサチップ10は非常に小さいものなので、試料Bの採取や測定器31に挿入する際の取扱い性から、例えば細長い矩形状等として使用するのが便利な場合もある。
また、前述した実施形態においては、基板11a、11bの材料としてPETを例示したが、その他の材料にも適用可能である。例えば、絶縁性材料としては、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等のプラスチック材料を例示することができる。機械的強度、柔軟性、及びチップの作製や加工の容易さ、折り加工の容易さ等から、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料が好ましい。
また、試料採取器具15をバイオセンサチップ10の外部に取り付ける固定手段として粘着テープ19を例示したが、その他、接着剤を用いて固定することもできる。
以上のように、本発明に係るバイオセンサチップおよびその製造方法は、試料採取器具をバイオセンサチップの外部に固定するようにしたので、製造が容易になってコストの低減化を図ることができるとともに、試料採取器具を取り付ける位置を高精度で位置決めすることができる。また、バイオセンサチップの内部に試料採取器具を設けないので、バイオセンサチップの小型化を図ることができ、これに伴い、試料の採取量を少なくして対象者の負担を減少させることができる。さらに、試料採取器具は試薬が塗布されている中空反応部には連続していないので、穿刺時に試薬が対象者の体内に入るのを防止することができるという効果を有し、チップの中空反応部に収容した試薬を用いて化学物質の測定や分析を行うバイオセンサチップおよびその製造方法等として有用である。
(A)は本発明に係るバイオセンサチップの一実施形態を示す平面図、図1(B)は(A)中B−B位置の断面図 (A)は本発明に係るバイオセンサチップの別の実施形態を示す平面図、図2(B)は(A)中B−B位置の断面図 (A)〜(D)は本発明のバイオセンサチップによる採血の状態を示す説明図 本発明に係るバイオセンサチップの製造方法を示す説明図 本発明にかかるバイオセンサシステムを示す構成図である。 従来のバイオセンサチップを示す断面図である。
符号の説明
10 バイオセンサチップ
11a、11b 基板
12 スペーサ層
13a、13b 検知用電極
14 中空反応部
15 試料採取器具
15a 先端
16 試料導入口
18 ガイド部材
19 粘着テープ(固定手段)
30 バイオセンサシステム
31 測定器
B 試料
M 指(検体)

Claims (7)

  1. 互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板間に挟装されるスペーサ層と、前記2枚の基板の少なくとも1枚の基板のスペーサ層側の表面に設けられた検知用電極と、前記2枚の基板及び前記スペーサ層により形成される中空反応部と、前記中空反応部に試料を導入する試料導入口とを有するバイオセンサチップであって、
    検体から試料を得るための試料採取器具が前記バイオセンサチップの外部に固定されていることを特徴とするバイオセンサチップ。
  2. 前記試料採取器具の先端と前記試料導入口とが近接していることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサチップ。
  3. 前記試料を前記試料導入口に誘導するガイド部材を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のバイオセンサチップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサチップの製造方法であって、
    前記試料採取器具を固定手段により前記バイオセンサチップの外部に取り付けることを特徴とするバイオセンサチップの製造方法。
  5. 前記固定手段が、粘着テープであることを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサチップの製造方法。
  6. 前記固定手段に連結された複数本の試料採取器具を一括して複数個の前記バイオセンサチップの外部に固定することを特徴とする請求項4または5に記載のバイオセンサチップの製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサチップと、このバイオセンサチップの検知用電極に接続して採取された試料の情報を得る測定器とを有することを特徴とするバイオセンサシステム。
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