JP4941716B2 - ステータ位置の調整作業システム及びステータ位置の調整方法 - Google Patents

ステータ位置の調整作業システム及びステータ位置の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータケース、前記モータケースから軸支されて内部で回転するロータ、このロータと同心にロータの外周に配設されるステータを備え、ロータ軸心に沿ってステータを締付ける締付け手段によりステータがモータケースに締付け固定されるモータ駆動装置に関し、ロータの軸心に対するステータの位置を調整する調整作業システムに関する。また、本願は、この種の調整作業システムで採用することができるステータ位置の調整方法に関する。
近来、自動車の駆動源としてエンジン及びモータ駆動装置を備えた、所謂ハイブリッド車が燃費、環境保護等の点から注目を集めている。この種のハイブリッド車にあっては、モータ駆動装置はバッテリーから電力を得て駆動力を発生するモータとして働き、その駆動力を走行機構側に伝えモータ走行を行う他、エンジンから駆動力を得てジェネレータとして働き、バッテリーの充電の用を果たす場合もある。さらに、制動時には車が余分に有する慣性力を電力として回収する、所謂、回生動作もする。さらに、モータ駆動装置がエンジンの始動用に使用される場合もある。
従って、ハイブリッド車に備えられるモータ駆動装置は、そのロータが変速機構側及びエンジン側に駆動連結されて、駆動力の授受が可能とされている。
モータ駆動装置は、ステータと当該ステータ内に収納されるロータとを備えており、これらステータ及びロータは、モータケース側から支持される。ステータの支持は固定支持であり、ロータの支持は、モータケースに設けられる軸支部からの回転支持である。通常、ハイブリッド車にあっては、モータケースは単独で設けられることは少なく、変速機構が内部に収納されるミッションケースの一部がモータケースに兼用される。
モータ駆動装置においてステータ・ロータ間のギャップ及び同心度はモータ駆動装置の性能を決める極めて重要な要件であり、厳密に管理調整される。
この種の調整を行う技術として、特許文献1に開示されている技術がある。この技術は電気自動車用モータのギャップ調整装置に関するものであり、フライホイールハウジング12(これまで説明してきたモータケースに相等する)に、調整ボルト46を立設し、ステータコア42の外周部位を調整することで、ギャップを調節する。この例におけるステータ14は、比較的薄いものである。即ち、ロータの軸(ステータと軸心を同じくする)方向におけるステータの厚みは比較的小さい。
特開平7ー241050号公報
しかしながら、この先行技術に示される調整方法では、モータ駆動装置の構成に必須な部品以外の部品(調整ボルト46)が必要となるとともに、モータケースにボルト孔を設ける必要があり、好ましくない。
さらに、近来、ハイブリッド車におけるモータ駆動装置に要求される性能との関係で、モータ駆動装置のロータの軸方向での厚みを増大させる必要が生じている。このような要請に答えるべく構成された、肉厚のモータ駆動装置の概略構成を、図1に模式的に示した。同図左側がエンジンEが配設されるエンジン室ER側に、同図右側が変速機構Tが配設される変速機構室TR側に対応する。
ステータSは、ステータコアSCと、このステータコアSCに対するステータコイルSWを備えて構成される。ステータコアSCは、図2に示すように概略リング状の鋼板pを多数枚積層して構成されるものであり、鋼板p夫々の周方向の所定位相に設けられた固定部を積層方向に貫通する締結ボルトb1(本願における締付け手段に相等する)で、モータケースに締付け固定される。さらに、ステータコアSCを成す鋼板pには、周方向の所定位相において、かしめ或いは溶接処理等が施されており、鋼板p間の相対移動がある程度規制される。
このステータコアの、図1における左右方向(ロータの軸方向に相等)の位置はモータケースに設けられる座面によって決まる。一方、その上下方向(ロータの軸径方向に相等)に関しては、モータケース側の収納空間が、比較的余裕を有するものとされることから、前記締結ボルトb1の締付けにより、その位置が決まる。
さて、以上説明してきた構成において、特許文献1に開示される技術のように、ステータの厚み(ロータの軸方向の厚み)が比較的薄い場合には、ロータの軸心に対するステータの位置(ステータの軸心の位置)を比較的粗く管理しても問題が発生することは無かった。しかしながら、モータへの要求度が高まり、厚みが増すにつれて、従来通りの管理手法を踏襲すると、モータの回転に伴って発生する振動(ロータの回転むらを含む)が増大することが判明した。
この問題が発生する原因は、発明者らの検討により、締結ボルトの締結により発生するステータコアの変形が原因であることが判明した。この変形状況を示したのが、図3(b)(c)である。同図は、積層型のステータコアを縦配置した状態を示しており、(b)は締結ボルトb1による締付けを行うことのない状態を示している。(c)は、締結ボルトb1の締付けを行った状態を示しており、締付けに伴って、ステータコア個々のくせで鋼板間に相対移動を起こし、ステータの軸心が直線性を保てなくなった状態を示している。この状態では、ステータコアの厚み方向中間におけるステータ中心Ssの位置は、ロータの軸心Zrに対してずれており、調整が必要となる。同図にあっては、ステータ中心Ssが求められる軸方向でのロータの軸心Zrの位置をRsとして示し、締付けが行われていない状態でのステータ中心Ssの位置をSsoとして示している。
そして、同じく、このような調整を行うにも、作業者にとって使用勝手がよく、迅速且つ信頼性よく作業を進めることができる調整作業システムを得ることが好ましい。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロータ軸心に対するステータの位置の調整を、作業者にとって容易に、正確且つ迅速に行うことができるステータ位置の調整作業システムを得るとともに、その調整方法を得ることにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、モータケース、前記モータケースから軸支されて内部で回転するロータ、前記ロータと同心に前記ロータの外周に配設されるステータを備え、ロータ軸心に沿ってステータを締付ける締付け手段により前記ステータが前記モータケースに締付け固定される構成のモータ駆動装置に関し、ロータ軸心に対する前記ステータの位置を調整する調整作業システムの第1の特徴構成は、
前記モータケース内に前記ステータを収納し、前記ロータが前記ステータ内に挿入されていない未挿入状態で、前記ロータ軸心に対する前記ステータの位置をステータの内部から測定する測定手段と、前記ステータの位置をステータ内側から調整可能な調整手段とを備え、
前記調整手段により、ステータ中心の位置を前記ロータ軸心に一致させる第1調整量を、前記測定手段の測定結果に基づいて導出する第1調整量導出手段と、
前記ロータ軸心を原点とし、前記ロータ軸心に直交する平面内におけるステータ中心の位置を表した初期調整用画面と、前記第1調整量導出手段により導出される第1調整量とを表示する表示手段を備えたことにある。
本願に係るステータ位置の調整作業システムでは、ステータをモータケース内に収納した状態で、その内部に形成されている空間(組み付け状態で、本来ロータが位置すべき空間)を利用して、ステータの位置の測定及び調整を行う。
ロータが位置すべき空間は、測定手段を構成する測定機器或は調整手段を構成する調整機器を挿入するには充分な空間であるため、その空間を利用して、ステータの位置をロータの軸径方向で測定、調整にすることが可能となる。結果、本願構成では、ステータの位置を正確に測定し、その結果を利用して調整することが可能となる。
この構成では、ステータ内側から測定を行い、その結果を使用して同じく内側から調整を行うため、測定結果から第1調整量導出手段の働きにより、簡易且つ適切に第1調整量を導出して、調整を正確且つ迅速に行える。
このステータ位置の調整システムには、表示手段が備えられ、その表示手段に、初期調整用画面と、第1調整量とが表示される。
初期調整用画面は、ロータ軸心を原点とし、当該ロータ軸心に直交する平面内におけるステータ中心の位置が表示されるため、ロータ軸心に対してステータ中心の位置がどのようにずれているかを確認しながら、調整作業を進めることができる。
一方、第1調整量導出手段により導出される第1調整量が表示されるため、表示手段に表示される調整量に従って作業を進めることが可能であり、調整が良好に進んでいる状態では、表示手段に表示されるステータ中心の位置が原点に近づくこととなり、作業の状況を確認しながら、容易且つ迅速に正確な調整を行うことができる。
さて、上記構成のステータ位置の調整作業システムにおいて、前記表示手段に、前記締付け手段による締付け後のステータ中心の位置の許容範囲である第1許容範囲が表示されることが好ましい。
先にも説明したように、本願に係るモータ駆動装置にあっては、ロータ軸心に対するステータの位置は、締付け手段による締付け後の状態で、ステータ中心がロータ軸心に一致していることが肝要である。そこで、締付け後のステータ中心の位置が第1許容範囲内にあるか否かを表示手段に表示された表示結果から判定することで、初期調整の結果を良好に判定することができる。
さらに、前記表示手段に、前記締付け手段による締付け前のステータ中心の位置の許容範囲である第2許容範囲が表示されることが好ましい。
ステータ位置の調整作業システムを使用してステータの位置調整を行う場合、ステータ位置の測定及び調整は、例えば締付け手段による締付けを行う前に、一旦、ロータ軸心に対するステータ中心の位置を測定し、その測定結果から、第1調整量導出手段が第1調整量を導出し、その調整量に従った調整を行うこととなる。そして、この調整(本願において初期調整と呼ぶ)を終えた後、締付け操作が実行される。
従って、締付けに伴うステータ固有のひずみは、その締付け操作で加わることとなるが、ステータの位置精度は、先に説明したように、締付け後の状態で第1許容範囲内であればよい。
そこで、例えば、締付け前の許容範囲である第2許容範囲を、第1許容範囲相等あるいは、それより厳しいものとしておくことにより、例え、ステータ固有のひずみが加わった状態でも、締付け後の状態を初期第1許容範囲内とすることが可能となる場合がある。
従って、表示手段に、第2許容範囲を表示するとともに、ステータ中心の位置を表示することにより、締付け前の状態でステータ中心の位置を良好な調整を比較的簡易に実現できる可能性のある初期第2許容範囲内とする調整を、迅速かつ簡易に実行することができる。
さて、これまで説明してきた構成のステータ位置の調整作業システムにおいて、
前記締付け手段による締付け後の状態で、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、前記ロータ軸心からみたステータ座面中心の位置のオフセット量を導出するオフセット量導出手段と、
前記調整手段により、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、前記ステータ座面中心の位置の調整量である第2調整量を、前記オフセット量及び前記測定手段の測定結果に基づいて導出する第2調整量導出手段とを備え、
前記ロータ軸心に対して、前記オフセット量だけオフセットした位置を原点位置とし、前記ロータ軸心に直交する平面内における前記ステータ座面中心の位置を表した再調整用画面と、前記第2調整量導出手段により導出される第2調整量とを前記表示手段に表示することが好ましい。
ここで、ステータ座面中心とは、モータケースにステータが載置・収納された状態で、モータケースに設けられた座面に接することとなるステータの面(ステータを縦置きする場合は、ステータの最下部の面)の中心を意味する。
ステータの位置を的確に調整しようとすると、ステータをモータケース内に載置・収納した状態において、ステータがモータケースに接触するステータ座面の中心位置を、ステータ中心の位置がロータ軸心に来るように(一致するように)的確に調整することが必要となる。これは、モータケース内にステータを載置・収納した状態では、両者の接触部位間において、ステータ側を移動させないと、調整は、単にステータを変形させることに留まるためのである。
従って、有効な調整作業を良好に行うためには、ステータ座面中心の位置を基準に調整作業を行うことが好ましい。
そこで、オフセット量導出手段により、前記締付け手段による締付け後の状態で、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、ロータ軸心Zrからみたステータ座面中心の位置(図3(d)におけるOpで、この位置を目標調整位置と呼ぶ)のオフセット量(同Of)を導出する。このオフセット量は、移動方向とその移動量とを要素とするベクトル量である。さらに、第2調整量導出手段により、前記調整手段により、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、前記ステータ座面中心の位置の調整量である第2調整量を、前記オフセット量及び前記測定手段の測定結果に基づいて導出する。
従って、この構成のステータ位置の測定装置では、表示手段に、再調整用画面と、第2調整量とが表示される。
再調整用画面は、ロータ軸心に対してオフセット量だけオフセットした位置(目標調整位置Opで、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに、ステータ座面中心が取るべき位置)を原点とし、ロータ軸心に直交する平面内におけるステータ座面中心の位置が表示されるため、ステータ座面中心があるべき位置に対して実際のステータ座面中心の位置がどのようにずれているかを確認しながら、調整作業を進めることができる。
一方、第2調整量導出手段により導出される第2調整量が表示されるため、表示手段に表示される調整量に従って作業を進めることが可能であり、調整が良好に進んでいる状態では、表示手段に表示されるステータ座面中心の位置が原点に近づくこととなり、作業の状況を確認しながら、容易且つ迅速に正確な調整を行うことができる。
上記のような再調整用画面と第2調整量とを表示する構成において、前記表示手段に、前記ステータ座面中心の位置の許容範囲が表示される構成を採用しておくことが好ましい。
表示手段に表示される、ステータ座面中心の位置とその許容範囲とを見ながら、別途表示される第2調整量に従って作業を進められるためである。
さて、これまで説明してきた構成において、前記初期調整用画面および前記再調整用画面の両方を同時表示する構成を採用しておくことが好ましい。
これまで説明してきたように、初期調整用画面にあっては、ロータ軸心に対するステータ中心の位置が表示され、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるべく、調整がすすんでいるか否か(本願に於ける最終的な目的)を確認しながら作業を進めることができる。
一方、再調整用画面にあっては、実際の調整作業において重要な要件となるステータ座面中心の目標位置(目標調整位置Op)に対する実際のステータ座面中心Sbの位置が表示され、両者を一致させるべく、調整が進んでいるか否かを確認しながら作業を進めることができる。この場合、ロータ軸心とステータ中心との関係は、この再調整画面のみでは確認できない。
そこで、両画面を同時に表示するように装置を構成することにより、有効な調整をステータ座面中心の位置を参照しながら進め、現実にステータ中心がロータ軸心に一致する状況が実現できているか否かを初期調整用画面で確認しながら、本願の目的を達成できる。
以上説明してきたステータ位置の調整作業システムにおいて、
前記測定手段の測定点がロータの軸心周りに分散されるとともに、前記調整手段の調整点が、前記測定点に対応して、ロータの軸心周りに分散されていることが好ましい。
ロータ軸心周りに分散された測定点においてステータの位置を測定することで、簡易・迅速にステータ中心の位置を正確に割り出すことが可能となる。さらに、これら測定点に対応して分散された調整点を設け、それらの調整点で、ステータの調整を行うことで、簡易・迅速にステータの位置を正確に調整できる。
ここで、測定点、調整点、ともに、ロータの軸心周りに点が均等分散されているほうが、事後の処理をさらに簡易・迅速なものとできる。さらに、測定点の数と調整点の数とを一致させておくと、事後の処理はさらに簡易なものとできる。
また、これまで説明してきた第1調整量、第2調整量を、それら個々に或いは両方とも、調整点の位置に対応させて表示手段に表示できる構成を採用することにより、作業を簡便なものとすることができる。
また、前記分散された調整点における第1調整量もしくは第2調整量の表示に関し、ロータの軸心径方向外径側への移動を伴う調整量に限り表示するものとすることが好ましい。
ステータの内部からの位置調整に関しては、内部から外径方向に押出すのが最も効果的である。表示手段における調整量の表示にあっても、外径側への移動のみ(内径側への移動は含まない)を表示することで、作業としては、この方向での作業を行えばよく、装置の使用勝手が良好となる。
表示手段に表示される調整量としては、径方向の移動量、またはロータ軸心と並行な軸周りに回転可能に設けられ、ステータの内面を径方向外径側へ押出し可能な押出し手段の回転量、或いはそれらの両方とすることができる。
径方向の移動量とする場合は、ステータ中心の位置を合わせるのに必要となる実際の調整量を直に知ることができる。
一方、回転量とする場合は、押出し手段の操作量を知ることができる。
以上が、本願に係るステータ位置の調整装置の構成であるが、以下、調整システムにおいて採用するステータの位置の調整方法に関して説明する。
この調整方法にあっては、発明者が「初期調整」と呼ぶ、初期に行う測定・調整を伴った工程と、「再調整」と呼ぶ、初期調整を行った後、初期調整でステータ中心の位置がロータ軸心に対して、一定の許容範囲内に納まらない場合に再度、測定・調整を行う工程とを有している。
初期調整にあっては、ロータ軸心基準の初期調整用画面と第1調整量に基づいて作業が進み、再調整にあっては、ステータ座面中心のあるべき位置(目標調整位置Op)基準の再調整用画面と第2調整量に基づいて作業を進めることができる。
初期調整
初期調整に係るステータ位置の調整方法は、以下の構成となる。
モータケース、前記モータケースから軸支されて内部で回転するロータ、前記ロータと同心に前記ロータの外周に配設されるステータを備え、ロータ軸心に沿ってステータを締付ける締付け手段により前記ステータが前記モータケースに締付け固定される構成のモータ駆動装置に関し、ロータ軸心に対する前記ステータの位置を調整するステータ位置の調整方法であって、
前記モータケース内に前記ステータを収納し、前記ロータが前記ステータ内に挿入されていない未挿入状態で、前記ロータ軸心に対する前記ステータの位置をステータの内部から測定する測定手段と、前記ステータの位置をステータ内側から調整可能な調整手段とを備えたステータ位置の調整作業システムを使用し、
締付けを行わない非締付け状態で、前記測定手段の測定結果に基づいて、前記調整手段により、ステータ中心の位置を前記ロータ軸心に一致させる第1調整量を導出する第1調整量導出工程を実行し、
前記第1調整量導出工程により導出された第1調整量に基づいて、前記ステータ中心の位置を第2許容範囲内に調整する初期調整工程を実行するとともに、引き続いて、ステータを締付ける初期締付け工程を実行し、
前記締付け後の初期締付け状態で、前記ステータ中心の位置が第1許容範囲内にある場合に、ステータの調整が完了したと判定する。
この方法では、ステータがモータケース内に載置・収納された状態で、測定手段と調整手段とを備えたステータ位置の調整作業システムをステータ内に配設し、ロータ軸心に対するステータの位置を測定する。この測定は締付け力が加えられていない非締付け状態で実行され、その結果から、第1調整量導出工程で、第1調整量が導出される。
このようにして求められた第1調整量に基づいて、初期調整工程においては、ステータ
中心の位置を第2許容範囲内に調整する。それに引き続いて初期締付け工程を実行する。このように締付け操作を終了した状態で、ステータ中心の位置が第1許容範囲内にある場合には、その調整が適切に終了したとする。
ここで、第1許容範囲を、調整作業において目的とする調整範囲としておけば、初期調整を実行する一回の作業で、良好に目的を達することができる。
再調整
再調整は、初期調整においては目的を達することができない場合に実行するものでありステータ位置の調整方法は、以下の構成となる。
前記初期締付け状態で、前記ステータの位置が第1許容範囲を逸脱している場合に、
前記締付け手段による締付け後の状態で、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、ロータ軸心からみたステータ座面中心の位置のオフセット量を導出するオフセット量導出工程を実行するとともに、締付けを解除し、
ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、前記ステータ座面中心の位置の調整量である第2調整量を、前記オフセット量及び前記測定手段の測定結果に基づいて導出する第2調整量導出工程を実行し、
前記調整手段により、前記第2調整量に基づいて前記ステータの位置を再調整する再調整工程を実行し、
前記再調整構成の完了後に、前記締付け手段によりステータを再度締付ける。
この再調整では、初期調整において行った締付け作業の結果を利用する。
即ち、オフセット量導出工程においてオフセット量を導出する。そして、一旦、締付けを解除し、第2調整量導出工程において、判明しているオフセット量と測定手段による測定結果を利用して第2調整量を求める。ここで、測定結果はロータ軸心を基準とする結果であり、第2調整量を得るには、オフセット量が使用されることとなる。
第2調整量が判明すると、前記第2調整量に基づいてステータの位置を再調整する。この調整の完了で、ステータ座面中心は、締付け後の状態で、当該ステータ座面中心が位置すべき位置に調整される。
その後、ステータを所定の値まで締付けることにより、ロータ軸心にステータ中心が一致した状態を実現できる。
以下、ステータSをミッションケースMC内の適切な位置に配設するための本願に係る調整作業システム100について説明する。
この調整作業システム100は、主要な機器としてロータ軸心Zrに対するステータSの位置を、ステータ内部から計測可能な計測手段と、ステータSの位置を同じく内部から調整可能な調整手段とを構成する測定調整装置1を機器として備えて構成されている。
以下の説明では、
1 モータ駆動装置Mの構造、
2 測定調整装置1の構造、
3 調整作業システム100の構造、
4 調整作業システム100を使用してのステータSの固定作業
を順に説明する。
1 モータ駆動装置Mの構造
図1は、ミッションケースMC(モータケースの一例)内に収納され、組付け状態にあるモータ駆動装置M周りの断面構造を示す図面であり、図2は、モータ駆動装置Mを構成するステータSの支持及びロータRの支持構造を明らかにすべく、分解して示した図面である。
図1において、左側がエンジンEが配設されるエンジン室ER側の部位であり、右側が変速機構Tが配設される変速機構室TR側の部位である。先にも示したように、モータ駆動装置MのロータRは、エンジンE及び変速機構Tと駆動連結可能に構成されており、それぞれに対して駆動力の授受が可能となっている。
図1、2からも判明するように、モータ駆動装置MはステータSとロータRとを備えて構成されている。この組付け状態で、ロータRの回転軸はステータSの軸と一致しており、ロータRの軸心位置は、ミッションケースMCにより支持される一対の軸支ベアリングBRGにより決まる。これら一対の軸支ベアリングBRGを基準に決まるロータRの中心軸を軸心Zrと呼んでおり、当該回転軸に沿った方向を、単に軸方向(図1のD1で示す方向)と呼び、その直交方向を軸径方向(図1のD2で示す方向)と呼び、その周りの方向を軸周方向(図1のD3で示す方向)と呼ぶ。
ステータSは、ステータコアSCと、このステータコアSCに対するステータコイルSWから構成され、ステータコアSCは、図2に示す様に概略リング状の鋼板pを多数枚積層して構成される。積層方向は、軸方向D1と一致している。各鋼板pは、周方向の所定位相において、かしめ或いは溶接処理により鋼板p相互間の相対移動が規制される構成が採用されている。さらに、各鋼板pには、周方向均等に3箇所、径方向に突出する突出部p1が設けられており、各突出部p1にステータコアSCをミッションケースMCに締結固定するためのボルト挿通孔p2が設けられている。積層構造のステータコアSCは締付け手段としての締結ボルトb1でミッションケースMCに設けられる座面MC1に締結固定される。
各鋼板pの内径側には、内径側に櫛歯状に突出するティースtが設けられている。ステータコイルSWは、このティースt間の空隙部を介して巻かれる。ティースtの内径側端面t1は周方向に延びる端面とされている。
また、このステータコイルSWは、ワニスが含浸されて、絶縁状態で固定されている。更に、鋼板p間も、ワニスが含浸されて、水等の浸入を防止した状態で固定されている。また、このようにワニスが含浸されていることで、熱伝導率が向上され、放熱性が向上されている。
ステータSのミッションケースMC内の位置決めに関して説明すると、軸方向D1における位置決めは、ステータコアSCの、図1において右側に示す端面(主には突出部p1の端面)がミッションケースMCに設けられた座面MC1に当接することにより決まる。ミッションケースMC内に形成されたステータ収納空間は、軸径方向D2(図1において上下方向)において、所定の余裕を見込むものとされており、ステータSがミッションケースMCに、締結ボルトb1を使用して締結されない限りにおいて所定のがたを有するものとなる。従って、締結ボルトb1の締結後、ミッションケースMCに対する軸径方向D2におけるステータSの軸心位置が定まることとなる。
ミッションケースMCに対するステータSの軸周方向D3の位相は、先に説明した突出部p1に対するミッションケースMCに設けられる座面MC1の軸周方向D3の位相位置に基づいて決まるものであり、ミッションケースMCへのステータSの挿入操作及び締結ボルトb1による締結操作により決まる。
ロータRは、ロータ軸RAの周りにロータ本体RBを備えて構成されており、このロータ軸RAは、エンジン室ER側に設けられる軸支ベアリングBRG1及び変速機構室TR側に設けられる軸支ベアリングBRG2の両方から軸支される。
図1、2からも判明するように、モータ駆動装置室MRは、エンジン室ERと変速機構室TRとの間の独立の区画室として形成されている。図示する例の場合、モータ駆動装置室MRと変速機構室TRとの間には、ミッションケースMCと一体の仕切り壁Wが設けられており、この壁Wに前記ロータRを支持するための一方の軸支ベアリングBRG2が備えられている。
一方、モータ駆動装置室MRとエンジン室ERとの間には、ミッションケースMCに取り付け固定される仕切りカバーCを設けている。この仕切りカバーCは、図1において左側からミッションケースMCの端面開口MCOを覆うことで、モータ駆動装置室MRを区画する。図1、2からも判明するように、この仕切りカバーCは、端面開口MCOに複数設けられたノックピンnpによって、軸径方向D2及び軸周方向D3の位置が決まる。この仕切りカバーCには、前記ロータRを支持するための他方の軸支ベアリングBRG1が備えられている。
以上説明した構成から判明するように、モータ駆動装置MのロータRは、仕切り壁Wに設けられる軸支ベアリングBRG2及び仕切りカバーCに設けられる軸支ベアリングBRG1により回転可能に支持される。
2 測定調整装置1の構造
図4〜8に、測定調整装置1の構成を示した。
図4は、測定調整装置1の構成を示すための要部断面図であり、ミッションケースMC内にステータSを挿入した状態で、ステータSの位置を測定及び調整可能に測定調整装置1を配設した状況を示している。
図5は図4に対応する平面図であり、図6は図4のA−A断面を、図7は測定調整装置1のみを示した図面である。さらに、図8は、その分解図である。
この測定調整装置1は、ミッションケースMC内にステータSを収容し、ステータSがロータRの軸方向D1に支持され、ステータS内にロータRが挿入されていないロータ未挿入状態にあるステータSの位置(ステータSの軸径方向D2の位置)の測定を行うように構成されている。更に、この測定調整装置1は、その測定結果に基づいて、ステータSの位置(ミッションケースMCに支持された状態にあるロータ軸心Zrに対するステータSの中心Ssの位置)を調整可能に構成されている。また、この測定調整装置1は、ケース側軸支部RAS2とカバー側軸支部RAS1との両方から、その軸(図4に示すZ)が決定されるように構成されている。後述するように、ステータの中心Ssは、軸方向5箇所で測定されるステータの円心中心の平均値(平均円心位置)として求められる。
図4、図6、図7、図8から判明するように、測定調整装置1は、図4において上下一対となる端面プレート2を軸周方向D3において4箇所設けられているセンサーバー3で固定連結した構成を有している。これら上下一対の端面プレート2の間には、ステータ位置調整機構4が、各センサーバー3間に均等に4本掛け渡されている。ステータ位置調整機構4は、軸方向D1に配設されるカム軸5に偏心カム6を備えたものである。
前記上下の端面プレート2のうち、下側に位置する端面プレート2dは、概略、リング状を成すリング状端面プレート2dとして構成されており、その一方の端面の外周近傍部位に、4本のセンサーバー3が固定連結されている。このセンサーバー3の夫々は、リング状端面プレート2dに一対のピン7を使用して厳密に位置決めされている。前記センサーバー3が固定連結される端面とは反対側の端面で、その中央に、ガイド軸8が固定されている。
このガイド軸8は、図4に示す様に、リング状端面プレート2dとの連結部8aを上端側に備えるとともに、その外周部位に、先に説明したケース側軸支部RAS2を構成する軸支ベアリングBRG2に嵌込する嵌込部8bを備えている。一方、下端側の中央に第1センター軸9aが挿入される第1センター軸進入孔8cを備えている。この第1センター軸9aは、ミッションケースMCへのステータSの固定作業時に使用する調整作業システム100に設けられる案内部材であり、図4に示す軸Zに対して直交面上で決まる原点で、軸方向D1である軸Zに沿った方向に移動可能に備えられている。固定作業において、第1センター軸9aおよび後述する第2センター軸9bが、作業において仮想的な基準となるロータRの回転軸の位置に配設される。
リング状端面プレート2dには、軸周方向D3において4箇所均等に、カム軸5を回転可能に支持する支持ベアリング11を備えた接続支持部が備えられている。この支持ベアリング11として、カム軸5からの軸方向D1の荷重受けるべくスラストを受けることができるベアリングが採用されている。
前記上下の端面プレート2のうち、上側に位置する端面プレート2uは、図5に示す平面視で、概略、方形を成す方形プレート12と概略リング状を成す連結プレート13とから構成されている。方形プレート12と連結プレート13とはボルト連結されることで、一体となる構成が採用されている。
連結プレート13の外周近傍部位に、先に説明した4本のセンサーバー3の他端が固定連結されている。この連結部位においても、センサーバー3の夫々は、一対のピン7を使用して厳密に位置決めされている。前記センサーバー3が固定連結される端面とは反対側の端面に、前記方形プレート12が位置される。図4に示す様に、方形プレート12には搬送用ハンドル14が固定される。
搬送用ハンドル14は、センサーバー3とは反対側の端面で、方形プレート12にボルト連結されており、その内径部位に第2センター軸9bが挿入されるセンター軸貫通孔14aを備えている。この第2センター軸9bは、測定調整装置1の搬送用に使用されるとともに、第1センター軸9aとともに、固定作業の基準位置決め用に使用される。
連結プレート13には、軸周方向D3において4箇所均等に、カム軸5を回転可能に支持する接続支持部15が備えられている。この接続支持部15は、前記カム軸5を軸方向D1において良好に心出しするように一対のラジアルベアリング16を備えた構成とされ、さらに、カム軸5の回転を適宜止めるためのスタッドボルト17も備えられている。
方形プレート12の長手方向端近傍には、ミッションケースMCの端部開口MCOに設けられたノックピンnpを利用して、この方形プレート12を位置決めするためのピン係合部材18が、それぞれ連結されている。ピン係合部材18は、図5からも判明するように、一対のボルト19にて方形プレート12の長手方向端夫々に固定されており、各ピン係合部材18に、ノックピンnpが進入するための位置決め孔18aを備えている。そして、図4に示されるように、ピン係合部材18は、位置決め孔18aにノックピンnpが進入した状態で、ミッションケースMCの端部開口MCOを構成する端面に載置される。
測定調整装置1においては、前記ガイド軸8をケース側軸支部RAS2に備えられる軸支ベアリングBRG2内に進入させるとともに、方形プレート12の長手方向端に設けられたピン係合部材18の位置決め孔18aにノックピンnpを進入させることで、装置1を、ミッションケースMCに対して、軸方向D1、軸径方向D2及び軸周方向D3において位置決めすることができる。
即ち、装置1は、上記ケース側軸支部RAS2により軸径方向D2において位置決めされ、上記ノックピンnp及び位置決め孔18aにより軸方向D1及び軸周方向D3において位置決めされる。
また、軸周方向D3において、上記ノックピンnp及び位置決め孔18aの締結ボルトb1に対する相対位置により、上記ノックピンnp及び位置決め孔18によりミッションケースMCに位置決めされる測定調整装置1と、上記締結ボルトb1によりミッションケースMCに締結固定されたステータSとの相対位置が決定される。そして、この軸周方向D3における相対位置は、図6に示すように、装置1に支持された変位センサ20のセンサ先端20aと、ステータSに設けられているティースtの内径側端面t1とが、夫々の中心を略一致させる状態で対向配置されるように、設定されている。よって、この変位センサ20により、センサ先端20aと内径側端面t1とのギャップを正確に測定することができる。
尚、装置1をミッションケースMCに位置決めするための位置決め手段としては、上記ノックピンnp及び位置決め孔18aの代わりに、ボルト及びボルト穴等の別の手段を採用しても構わない。
ステータ位置の測定及び調整
以上、ステータ位置の測定調整装置1に関して、その位置決め構成を説明したが、以下、ステータSの位置の測定及びその位置の調整に関して説明する。
図4、図6、図7、図8に示す様に、変位センサ20が、支持体としてのセンサーバー3により、ステータSを構成するステータコアSCの内径面のロータ軸心Zrに対する位置を測定可能に支持されており、具体的には、軸周方向D3の4箇所に均等に備えられるセンサーバー3に、夫々、5個の変位センサ20が備えられている。
変位センサ20としては、電磁誘導による導電体内の渦電流の変化により当該導電体に対する渦電流型の変位センサを採用している。これら5個の変位センサ20は、図4に示されるステータコアSCの軸方向D1の幅に対して、その両端近傍を含む5箇所においてほぼ均等に、センサ先端20aとティースtの先端面である内径側端面t1とのギャップを測定するように適宜配設されている。これにより、ロータ軸心Zrに対するステータSの軸径方向D1の位置を知ることができる。この変位センサは測定手段をなす。
従って、各センサーバー3に配設される5個の変位センサ20により、ステータSの軸方向D1に沿った各部の位置の状態を知ることができる。
また、この変位センサ20は、上記渦電流型の変位センサのように、磁性体又は導電体に選択的に感応する非接触型の変位センサであることから、変位センサ20とステータコアSCとの間に介在する磁性体及び導電体以外からなる物質、特にステータコアSCの径方向表面に付着するワニスの影響を排除して、ステータコアSCの内径側端面t1の位置を正確に測定できる。
一方、先にも示したように、センサーバー3は軸周方向D3に4箇所均等に設けられているため、ステータSの軸周方向D3に沿った各部の位置も知ることができ、軸周方向D3において4箇所の変位センサ20の出力から、ステータSの円心位置を知ることができる。そして、軸方向D1の各位置におけるステータSの円心位置の平均値として、ステータの中心Ss(図3(b)に示す平均円心位置)の位置を得る構成とされる。
即ち、本願に係る測定調整装置1では、センサーバー3により接続される一対の端面プレート2、及びこれら端面プレート2に付属の部材及び変位センサ20により測定手段が構成される。また、ロータの軸支部RASに対して、これを基準として変位センサ20を位置決めして支持する機構、具体的には、一対の端面プレート2、センサーバー3、ガイド軸8、及びピン係合部材18等により支持体が構成される。
結果、測定調整装置1にあっては、測定調整装置1の軸Zを、仮想的なロータの軸心Zrの位置と一致させることができるため、上記のように、変位センサ20からの出力を得て、ロータの軸心Zrに対するステータの中心Ssの位置(ステータコアSCの位置)を厳密に求めることができる。
図4、図6、図7、図8に示す様に、軸周方向D3の4箇所に均等に備えられるカム軸5には、夫々、偏心カム6が備えられている。ここで、偏心カム6は、図4、図6に示す様に、カム軸5の軸心5zに対して偏心したカム面6sを備えたものである。従って、カム軸5の回転に伴って、そのカム面6sは、カム軸の軸心5zに近接した位置から離間した位置まで取ることができる。図4、図6からも判明するように、このカム面6sは、その離間した位置近傍で、ステータコアSCの内周面に当接するように配設されることで、ステータコアSCの内周面(ティースtの内径側端面t1)を押圧し、ステータSを軸径方向D2に移動させることが可能とされている。従って、このカム軸及びカムは本願の押出し手段を構成する。
以上が、軸径方向D2に関する調整に関する説明であるが、測定調整装置1にあっては、カム6の配設位置にも独特の工夫が成されている。
図4、図7に示す様に、カム6の配設位置は、軸方向D1において、ステータコアSCの下端部に対応する位置とされている。この位置は、ステータコアSCがミッションケースMCに挿入された状態で、その座面MC1に当接する位置である。本例では、具体的には、カム6の下端面(底面)が、ステータコアSC(ステータS)の下端面を支持するミッションケースMCの座面MC1と略同一面上に位置するように、カム6を配置している。
後述するように、測定調整装置1を使用したステータ位置の調整は、ミッションケースMCの開口MCOが上側に開口した縦姿勢で行う。この状況では、ステータSの荷重は、座面MC1近傍にあるステータコアを構成する鋼板pにかかっており、この部位にある鋼板pの位置を調整することが最も好ましい。発明者らの検討では、調整において、縦姿勢が維持された状態で、ステータコアSCの鉛直方向(軸方向D1)上側部位をカム6で押動させた場合、ステータS自体が全体的に軸方向D1に対して傾くだけで、座面MC1に当接している鋼板pは移動し難く、偏心カム6による調整後、元の状態に戻り調整不良となる場合も発生した。
従って、測定調整装置1にあっては、上述のようにステータコアSCの下端近傍にカム位置を設定することで、軸周方向D3に均等配置された偏心カム6を利用して、軸周方向D3の各部において軸径方向D2のステータSの位置を適切に調整することができる。
本願に係る測定調整装置1では、センサーバー3により接続される一対の端面プレート2、及びこれら端面プレート2に付属の部材及びステ-タ位置調整機構4により調整手段
が構成される。さらに、ステ-タ位置調整機構4は調整手段である調整具を成し、カム軸
5はその回転軸を成す。
3 調整作業システム100の構造
以上が、測定調整装置1の具体的構成であるが、本願に係る調整作業システム100では、作業者が現在の作業状態を的確に把握して、作業を迅速且つ容易に信頼性良く進めることができるように工夫されている。この目的から、調整作業システム100には、測定調整装置1により測定された測定結果、測定調整装置1により導出される調整量を、作業者において良好に把握できるように表示する表示装置101が設けられている。
図9、図10に示すように、この調整作業システム100には、調整作業システム100自体の操作用の操作パネル102が設けられるとともに、基体フレーム103の各部位に、ミッションケースMCであるワークが配設されるワーク配設部103a、これまで説明してきた測定調整装置1が懸垂状態で支持される測定調整装置支持部103bを備えて構成されている。さらに、測定調整装置1には、測定結果に基づいて所定の演算処理を実行するコンピュータからなる演算処理部1cが備えられるとともに、当該演算処理部1cで得られた処理結果を表示する表示装置101が備えられている。
前記測定調整装置支持部103bにあっては、前記測定調整装置1が、システム上下方向に移動可能とされている。一方、前記ワーク配設部103aにあっては、ワークを固定可能とするとともに、ワーク配設部103aはワークの位置を3次元で位置決めできる構成が採用されている。
図9に示すように、調整作業システム100に向かって右側に、作業者によって操作される操作パネル102が、左側に前記表示装置101が設けられている。したがって、作業者は、以下に詳述する表示装置101の表示をみながら、適切な操作を行うことができる。
以下、表示装置101に表示される画像を得るために前記演算処理部1cで求められる情報に関し説明する。
この演算処理部1cには、操作パネル102の操作状況に従って、演算処理部1c内での処理を管理する演算処理管理手段1ca、ステータの位置を導出するステータ位置導出手段1cb、第1調整量を導出する第1調整量導出手段1cc、オフセット量を導出するオフセット量導出手段1cd、ステータ座面位置を導出するステータ座面位置導出手段1ce及び、第2調整量を導出する第2調整量導出手段1cfを備えている。
演算処理管理手段1ca
演算処理管理手段1caは、演算処理部1cに備えられる各手段(ステータ位置導出手段1cb、第1調整量導出手段1cc、オフセット量導出手段1cd、ステータ座面位置導出手段1ce、第2調整量導出手段1cf)の動作を管理する。
ここで、ステータ位置導出手段1cb、ステータ座面位置導出手段1ce、第1調整量導出手段1ccは、測定作業装置1がステータS内に配設されている状態で、常時、動作する。
これに対して、オフセット量導出手段1cd、第2調整量導出手段1cfは、初期調整を終了するとともに、初期締付けを行った後に、初めてオフセット量Ofを求めることが可能となり、各手段での処理が有効となるため、当該演算処理管理手段1caが、同一のステータSに関し、調整作業システム100における、初期調整、初期締付けの完了を監視し、これら工程を完了した状態で、両手段1cd,1cfを動作させる。
ここで、オフセット量導出手段1cdにより導出されるオフセット量Ofは、再調整画面Irにおける原点Oの確定、第2調整量導出手段1cfによる第2調整量の導出に使用される。
ステータ位置導出手段1cb
ステータ位置導出手段1cbは、測定調整装置1か得られる測定情報に基づいて、ロータ軸心Zrに対するステータ中心Ssの位置を導出する。即ち、この手段1cbにおける処理では、軸方向において5箇所に設けられている検出位置の、それぞれについて、各位置における円心位置を求め、求まった各位置の円心位置から、その5箇所の平均としてステータの中心Ssの位置(平均円心位置)を求める。この値は、図3に示すように、ステータ中心Ssを求めた軸方向位置における、ロータの軸心Zrの位置Rsとの差となる。この位置は、例えば、図15の初期調整用画面Inに黒丸で示す明点の位置である。
第1調整量導出手段1cc
第1調整量導出手段1ccは、ステータの中心Ssの位置をロータ軸心Zrに一致させる第1調整量を導出する。この手段1ccでは、ロータ軸心Zrに直交する平面であって、上記平均を取った軸方向高さにある平面における、ステータ中心Ssの位置とロータ軸心Zrの位置との離間距離及び平面内における方向をまず導出するとともに、測定調整装置1に備えられる複数のカム6に関し、調整すべきカム6(どのカム6を調整するか)とそのカム6の調整量(どの程度回転させるか)を第1調整量として求める。この工程が第1調整量導出工程である。
本実施形態の場合、測定手段による測定点及び調整手段による調整点が、周方向に均等に4点ずつ設けられているため、ステータ中心Ssのロータ軸心Zrに対する偏心状態に対応して、それぞれのカム6をどれだけ回転させるかが予め得られている変換式に従って導出される。この実施形態にあっては、ステータを径方向外側へ押し出す場合に必要となる調整量のみを導出する構成としている。
オフセット量導出手段1cd
オフセット量導出手段1cdは、締付け後の状態で、ステータ中心Ssの位置をロータ軸心Zrに一致させるのに必要な、ロータ軸心Zrからみたステータ座面中心Sbの位置(目標調整位置Op)のオフセット量Ofを導出する。このオフセット量Ofは、本願にいう初期締付け操作を行って求められる量である。
以下、図3を参照しながら説明する。
本願に於ける測定・調整は、最終的に図3(d)に示すように、ステータSの締付け状態において、ステータSの各高さにおける円心位置の平均値である平均円心位置Ssが、ロータの軸心Zrに対して所定の範囲内に収まる様に行う。
従って、先に説明したように各上下方向位置における円心位置の平均値を演算し、ステータSの中心Ssが求められる。さらに、平均円心位置Ssを目標範囲内に収めるのに適正な座面に当接する座面中心Sbの位置が目標調整位置Opとして求められる。
このように目標調整位置Opを設定できる理由は、ステータSの座面中心Sbの位置がミッションケースMCの座面MC1に当接する位置では、ステータSが締付け状態にあっても開放状態にあっても変化しないことによる。そこで、上記のような座面中心Sbの位置を、ステータSの非締結状態における目標調整位置Opとすることができるのである。
即ち、この目標調整位置Opは、締付け後の状態で、ステータの中心(平均円心位置)Ssをロータ軸心Zrに一致させるのに必要なロータ軸心Zrからみたステータの座面中心Sbの位置として定義される。
このステータSの目標調整位置Opは、ロータの軸心Zrに対する締付け状態のステータの中心Ssの偏心情報に基づいて導出する。
ロータの軸心Zrに対して、図3(c)に示すように締付け状態とされたステータの平均円心位置Ssの偏心方向及び偏心距離aを偏心情報として求める。そして、図3(b)に示す開放状態のステータの平均円心位置Sso(または、図3(f)に示す締付け後に解除した状態の平均円心位置)を基準に、上記偏心情報として求めた偏心方向とは逆方向に、上記偏心状態として求めた偏心距離a分ずれた位置を、上記ステータSの目標調整位置Opとして導出する(図3(d)(f))。
このように導出した目標調整位置Opを最下部の位置としたステータSは、締付け状態とすれば、その平均円心位置Ssが、ロータRの軸心Zrと一致する。この場合、ステータSを現在の位置から上記偏心距離a分だけ上記偏心方向とは逆方向にずらす操作を行えばよい。即ち、締付けない状態から締付けを行って偏心距離と偏心方向を求めた場合、この偏心距離及び偏心方向とは逆の方向を有するベクトル量として、オフセット量Ofを定めることができる。このオフセット量Ofの導出工程がオフセット量導出工程である。
ステータ座面中心位置導出手段1ce
ステータ座面中心位置導出手段ceは、測定調整装置1から得られる測定情報とオフセット量Ofとに基づいて、ロータの軸心Zrに対して、前記オフセット量Ofだけオフセットした位置(図3(d)における目標調整位置Op)からの現在のステータの座面中心Sbの位置を導出する。即ち、この手段1ceにおける処理では、軸方向において5箇所測定される円心中心から軸方向における座面高さ位置における円心位置であるステータ座面中心Sbの位置を求める。ここまでの処理は、ロータの軸心Zr基準で行う。以上の処理を終了した後、ステータ座面中心Sbの位置を、先に説明した目標調整位置Op基準に変換する。このようにして求められた位置が、例えば、図23の再調整画面Irに示す、ステータ座面中心Sbに対応する白丸で示す明点の位置である。
第2調整量導出手段1cf
第2調整量導出手段1cfは、ステータ座面中心Sbの位置を、ロータ軸心Zrに対して前記オフセット量Ofだけ偏移した位置(目標調整位置Op)に一致させる第2調整量を導出する。この第2調整量は、ステータ中心Ssの位置をロータ軸心Zrに一致させるのに必要な、前記ステータ座面中心Sbの位置の調整量である。具体的には、ロータ軸心Zrに直交する平面であって、軸方向における座面高さにある平面における、ステータ座面中心Sbの位置とロータ軸心Zrからオフセット量Ofだけ偏移した位置(目標調整位置Op)との離間距離及び平面内における方向を求め、測定調整装置1に備えられる複数のカム6に関し、どのカム6をどの程度回転させるかを第2調整量として得ることとなる。
本実施形態の場合、測定手段による測定点及び調整手段による調整点が、周方向に均等に4点ずつ設けられているため、座面中心Sbの目標調整位置Opに対する偏心状態に対応して、それぞれのカム6をどれだけ回転させるかが予め得られているオフセット量Ofを加味した変換式に従って導出される。この実施例にあっては、ステータSを径方向外側へ押し出す場合に必要となる調整量のみを導出する構成としている。この工程が第2調整量導出工程である。
以上のようにして演算処理部1cで求まる諸量は、表示装置101に適切に表示される。
図15、23等は、表示装置101に表示される表示画面の状態を示したものである。
表示画面の構成
まず、図15、図23を使用して表示画面の構成に関して説明する。
この実施形態における表示画面は、左側に初期調整用画面Inを、右側に再調整用画面Irを並列に表示したものである。ここで、「初期調整用」とは、締付け操作を伴わずにステータSをミッションケースMC内に配設し、ステータの中心Ssをロータ軸心Zrに一致させるように調整する初期に行う調整に主に使用することを意味する。
一方、「再調整用」とは、前記初期調整を実行した後、締付け操作を行った場合に、ステータ中心Ssが所定の許容範囲内に来るように、締付け操作により発生するステータSの変形を考慮した(これまで説明してきたオフセット量Ofを考慮した)調整に使用することを意味する。
図15に示すように、表示画面上側には、ワークに関する様々な情報を表示されている。
表示情報は、「仕掛り月日測定調整作業のシーケンスNo」、「軸心ズレ」、「規格」、「ステップ」、「判定」である。ここで、「軸心ズレ」は、ロータ軸心Zrに対するステータ中心Ssの偏心量を意味し、「規格」は、締付けを完了した状態で、偏心ズレの許容範囲を示している。この例の場合、許容範囲は50μmである。さらに、「ステップ」は、締付け操作のステップを示す。
前記初期調整画面In、再調整画面Irともに、ロータ軸心Zrに対する直交平面内における注目点Ss,Sbの位置を表示する2次元表示画面の4隅に、対応するカム6の調整量を表示する表示部I1を備えている。この表示としては、実際の調整距離と、カム6の回転角が表示される。さらに、更なる調整の要否を表示する表示部I2が設けられている。
各画面に関して説明すると、初期調整画面Inでは、2次元表示画面は、ロータ軸心Zrを原点Oとするものとされ、その画面上に、ステータの中心Ss、その許容範囲である第1許容範囲PL1および第2許容範囲PL2が表示される。ここで、第1許容範囲PL1は、ロータ軸心Zrに対する締付け後のステータ中心Ssの位置の許容範囲であり、この例では、50μmである。一方、第2許容範囲PL2は、ロータ軸心Zrに対する締付け前のステータの中心Ssの許容範囲であり、例えば、10μmに設定される。初期調整画面Inで表示される調整量は、先に説明した第1調整量である。
再調整画面Irでは、図23に示すように、基本的には、2次元表示画面はロータ軸心Zrからオフセット量Ofだけオフセットした位置(目標調整位置Op)を原点Oとするものとされ、その画面上に、ステータ座面中心Sb、及びその許容範囲が表示される。このステータ座面中心Sbに関する許容範囲でも、原点に対する締付け後のステータ座面中心Sbの位置の許容範囲PL1と、締付け前のステータ座面位置Sbの許容範囲PL2が表示される。この場合も、例えば、50μmと10μmの組み合わせが採用される。再調整画面で表示される調整量は、先に説明した第2調整量である。
4 ステータ位置の調整
以下、測定調整装置1を使用して、ステータSの位置を測定するとともに、測定結果に基づいて調整を行い、ステータSをミッションケースMCに固定する一連の作業に関して説明する。
この一連の操作は、調整作業システム100上にミッションケースMCを縦姿勢で配置する縦配置工程、ミッションケースMC内にステータSを挿入する挿入工程、ステータS内に測定調整装置1を配設する配設工程、挿入状態にある測定調整装置1を使用して初期調整を行う初期調整工程、ミッションケースMC内にステータSを締付ける初期締付け工程、初期締付けを解除する解除工程、上記工程を経てオフセット量導出工程で得られるオフセット量Ofに基づいて、測定調整装置1を再度使用して目標調整位置Op基準の調整を行う再調整工程、再度ミッションケースMC内にステータSを締付ける再締付け工程、その後の確認の順に作業が進む。このフローを示したのが図11である。
1 縦配置工程(ステップ#1)
調整作業システム100上に、ミッションケースMCを縦姿勢で配設する工程である。
即ち、図12に示されているように、ミッションケースMCの端部開口MCOが上側に、ミッションケースMCに設けられるケース側軸支部RAS2が下側に来るように、ミッションケースMCを配設する。調整作業システム100に設けられる第1センター軸9aの軸Zと、ミッションケースMCにおいて決まっている仮想的なロータの軸心Zrは、当然一致させる。
このとき、ミッションケースMCには、ケース側軸支部RAS2を構成する軸支ベアリングBRG2が勝ち込まれており、さらに端面開口MCOの所定部位にノックピンnpが打ち込まれた状態とされる。これら2種の部材BRG2,npを利用して測定調整装置1引いてはステータSの位置が決められる。
2 ステータ挿入工程(ステップ#2)
図13に示す様に、ステータSを、縦姿勢にあるミッションケースMC内に挿入する。この挿入操作は、ステータSをミッションケースMC内に落とし込む状態で行われることとなり、ステータSは、ミッションケースMCに設けられている座面MC1から支持される。挿入完了状態で、ステータSは、その上下方向位置(軸方向D1位置)は確定し、ミッションケースMCとステータSとの間における相対位相(軸周方向D3位置)関係もほぼ定まる。一方、これまでも説明したように、水平方向(軸径方向D2位置)に関しては、僅かのがたが許される状態となる。
3 測定調整装置配設工程(ステップ#3)
図13に示す様に、測定調整装置1を、ステータSが挿入されたミッションケースMC内に配設する。この配設は、第2センター軸9bを使用して、測定調整装置1を測定調整装置支持部103bに設けられた搬送部14aで吊り下げながら、第1センター軸9aをガイド軸8に挿入した状態で行う。
この下降操作時、下側に位置されるガイド軸8の嵌込部8bは、ケース側軸支部RAS2を構成する軸支ベアリングBRG2により案内され、心出しされる。一方、上側に位置される方形プレート12の両端部位に設けられたピン係合部材18が、ノックピンnpにより位置決めされる。
この構造では、当該軸支ベアリングBRG2が心出しの用を果たすとともに、ノックピンnpも心出しの用を果たす。さらに、装置1全体が端面開口MCOにより下側から支持される。
測定
上記のように、測定調整装置1をステータS内に配設させた状態で、ステータSの位置の測定及び調整が可能となる。
即ち、図14に示す様に、測定調整装置1をミッションケースMC内に配設した状態で、変位センサ20を使用して、ステータコアSCに設けられているティースtの内径側端面t1の位置を各変位センサ20の出力として測定する。この測定は、以下に示す各段階で逐次実行される。
変位センサ20の出力に基づいてステータSの位置を求めるように構成された演算処理部1cにより、変位センサ20の出力を、上下方向で異なった位置にある変位センサ20毎に集め、異なった上下方向位置(軸方向D1位置)でのステータSの円心位置を求める。結果、座面MC1側から、ステータSの中間位置、上端近傍部位に渡って、それら各高さにおける円心位置が、個々に、軸方向D1とは直交する平面上の座標として求まる。さらに、得られた円心位置を平均してステータSの中心Ssの位置(平均円心位置)を求める。このようにして、ステータ位置導出手段1cbによりロータの軸心Zrに対するステータの中心Ssが求められた後、第1調整量導出手段1ccにより、第1調整量が導出される(第1調整量導出工程)。
上記配設工程を終えた状態(初期調整前)における表示装置101の表示を示したのが、図15である。
初期調整用画面Inには、ステータの中心Ssが表示されており、中心Ssが第1許容範囲PL1からも逸脱していることが判る。また、カム6の調整量(回転調整量)が、左側に位置する一対のカムについてのみ示されている。先に示したように、ステータの内面を外径側に押し出す調整側のみを表示するため、左側上下一対のカム6の調整量のみが示されている。初期調整用画面Inの左上側の表示からも判明するように、調整が必要であることが判る。
この段階では、先に説明したオフセット量Ofは決定していないため、初期調整用画面Inに表示されている情報(ステータの中心、調整量)が、そのまま再調整用画面Irに表示されている。初期調整用画面Inと再調整用画面Irとはスケールが異なる(再調整用画面の方が拡大された表示となっている)ため、ステータの中心Ssの位置は異なって見えるが、同一の情報を表示している。
4 初期調整工程(ステップ#4)
初期調整前の段階では、ステータSは締付けされていないフリーな状態にあるため、作業者は、調整手段であるカム軸を表示装置101に表示された調整量(第1調整量)に基づいて、ステータの位置調整を行う。この調整に従ったステータの位置の変化が、図16、図17に示されている。図17に到った状態で、初期調整は完了する。図17からも判明するように、完了状態でステータの中心Ssの位置は、第2許容範囲PL2内に納まっており、ほぼ原点O、即ち、ロータ軸心Zrの位置に調整されている。
4 初期締付け工程(ステップ#5)
図18に示す様に、締結ボルトb1を使用して、ステータSをミッションケースMCに締付ける締め付け状態として初期締付けを実行する。この時の締結力は、ステータSをミッションケースMCに固定する場合の締結力である。このような締結操作を行うことで、ステータコアSCは、個々のくせに従って、図3(c)に示したように、変形する場合もある。
本願に係る測定調整装置1を使用した初期締付け工程は、締付けボルトb1の締付けを複数段階で実行する。具体的には、11段階で実行するのであるが、図19、図20、図21に、それぞれ、第1段(ステップ1)、第5段(ステップ5)、最終段(ステップ11)の表示装置101での表示状態を示した。締付けが進むに従って、ステータの中心Ssがロータ軸心Zrから特定の方向にずれていくことが判る。この例では、締付けに伴う変形で、ステータの中心Ssはロータ軸心Zrに対して右上方向に移動している。
さて、ここまでの作業において、これまでに説明した例では、ステータの中心Ssが第1許容範囲PL1を逸脱する場合について(ステップ#6:no)説明したが、この締付け操作で、ステータの中心Ssが第1許容範囲PL1内に収まる場合(ステップ#6:yes)は、この締付け操作で調整作業を終了することができる。
以下、第1許容範囲PL1内に収まっていない場合の処理をさらに示す。以下の処理では、先に説明したオフセット量Ofが求められ、そのオフセット量Ofを考慮した、ステータ座面中心Sbの位置調整を行う。
即ち、以上の工程を完了した段階で、オフセット量導出手段1cdによりオフセット量Ofが導出され(オフセット量導出工程)、ステータ座面位置導出手段1ceによりステータ座面中心Sbの位置が導出され、第2調整量導出手段1cfにより第2調整量が導出される(第2調整量導出工程)ように、演算処理管理手段1caにより調整作業システムの動作管理が進む。
5 解除工程(ステップ#7)
図22に示す様に、締付け状態にあるステータSの締結ボルトb1による締付け状態を解除し、締結力が働かない開放状態とする。
この解除工程を終了した状態における、表示装置101の表示状態を示したのが、図23である。締結ボルトb1の解除により、ステータの中心Ssが原点O側へ移動していることがわかる。
これまでの表示にあっては、図15、16、17、19、20、21に示したように、初期調整用画面Inと再調整用画面Irとにおいて、同一の情報(ステータの中心Ss、及びカム6の調整量(第1調整量))が示されていた。しかしながら、解除工程を終了した状態における図23の表示では、初期調整用画面Inと再調整用画面Irとで、異なった情報が表示されている。
この理由は、初期調整用画面Inでは、ロータ軸心Zrを原点とし、ステータの中心Ssを表示し、その軸方向位置で必要となる調整量(第1調整量)を表示するのに対して、再調整画面Irでは、別途求められるオフセット量Ofに基づいて、ステータ座面中心Sbが位置されるべき位置(目標調整位置Op)を原点とし、ステータ座面中心Sbの位置に関して必要となる調整量(第2調整量)を表示するためである。
従って、図23の再調整用画面Irでは、ステータ座面中心Sbの位置を、理想的には再調整用画面Irの原点Oまで移動させる必要がある。
さらに、この再調整画面Irにも先に説明した締付け前の許容範囲と、締付け後の許容範囲との両方が示されている。
6 再調整工程(ステップ#8)
図23に示す様に、先に示した目標調整位置Opに、ステータSの座面中心Sbの位置を調整すべく、適正にカム軸5を回転操作することにより、ステータSを移動調整する。このステータSの移動調整は、カム軸5を回転操作して偏心カム6のカム面6sによりステータコアSCの内周面における軸周方向D3の一部を径方向外側へ押圧することで行う。図3に模式的に示すように、解除工程で図3(e)の状態となり、再調整工程で、図3(f)の状態となる。このようにすることで、ステータSは、締結ボルトb1の締付け状態において、図3(d)に示すように、平均円心位置Ssが許容範囲内に来る位置とされる。
この工程における表示装置101の表示を示したのが、図24、図25である。図25は再調整工程を完了した状態の表示を示しており、再調整用画面Irにおいてステータ座面中心Sbの位置は、第2許容範囲PL2内に収まっている。一方、初期調整用画面Inにおいて、ステータの中心Ssは、第1許容範囲PL1内に納まっている。
7 再締付け工程(ステップ#9)
上記の調整工程を経た後、図27に示す様に、締結ボルトb1を使用して再度ステータSをミッションケースMCに締結固定する。そして、図26に示すように、ロータの軸心Zrとステータの中心Ssとが所定の関係(ステータの中心Ssがロータの軸心Zrに対して、第1許容範囲内)にあることが確認できれば(ステップ#10)、測定調整装置1をミッションケースMCから取り外し、ロータRを組み付けて、モータ駆動装置Mを完成させることができる。
以上の測定工程、調整工程を経ることで、締結状態で変形を伴うことがある積層型のステータコアSCを使用するモータ駆動装置Mにあっても、非常に高い精度で心出しを行うことができる。
即ち、ステータ関係の作業を終了し、その後、測定調整装置1をミッションケースMCから取り外し、ロータRを組み付けて、モータ駆動装置Mが完成する。
(別実施形態)
(1)上記の実施の形態では、ケース側軸支部に備えられる軸支ベアリングと、端部開口に備えられるノックピンの両方を用いて、測定調整装置の心出しを行ったが、上記実施の形態のように縦姿勢で、測定調整装置を鉛直方向に支持して作業を行い、測定調整装置の軸心をロータの軸心に合わせようとする場合、軸径方向の位置は、実質的に、上下方向のいずれか一方で決めることが可能となるため、ケース側軸支部に備えられる軸支ベアリングと、端部開口に備えられるノックピンのいずれか一方を基準として使用するものとしてもよい。
(2)上記の実施の形態においては、軸周方向D3に配置された4箇所のステータ内径面部位を測定及び調整の対象としたが、この測定及び調整箇所の数は、これに限定されず、軸周方向に少なくとも3箇所を測定及び調整箇所とすれば、測定及び調整が可能となる。但し、測定及び調整箇所の数が多いほど正確なステータSの軸心位置の測定及び調整が可能となる。また、4箇所とすれば、直交座標上における軸心位置の座標を直接的に測定し調整することが可能となる利点がある。
また、上記実施の形態にあっては、測定箇所の数と調整箇所の数とを同一としたが、異なった数としてもいっこうに構わない。
さらに、軸周方向D3における位相に関して、測定の対象とするステータ内径面部位の位相と、調整の対象とするステータ内径面部位の位相とが一致していても構わない。この場合は、ステータコアの調整を良好に行うための理由から、現在の偏心カムの軸方向の位置(座面に当接する鋼板を軸径方向に調整することができる位置)を守ったままで、その上方向部位に変位センサを取り付けて、測定を行うことが、測定・調整上、好ましい。この構成を採用する場合は、調整量の導出が容易となる。
また、上記の実施の形態においては、ステータSの内径面の軸方向D1に均等な間隔で配置された5箇所を変位センサ0による測定箇所としたが、この測定箇所の数はこれに限定されず、軸方向D1における、ステータSの両端側に位置する少なくとも2箇所を測定箇所とすれば、軸方向D1に沿ったステータSの概略の配置状態を測定することができる。但し、測定箇所の数が多いほど詳細なステータSの配置状態の測定が可能となる。
(3)上記実施の形態では、磁性体又は導電体に選択的に感応する非接触型の変位センサとして、渦電流型の変位センサを採用したが、かかる変位センサとしては、磁気誘導による磁性体近傍の磁場の変化により当該磁性体に対する距離を検出する磁気型の変位センサ等の別の型式の変位センサを採用しても構わない。
さらに、ステ-タコアの内周面の位置を検出できれば、任意のセンサを採用することが
できる。
(4)上記の実施の形態にあっては、偏心カムを使用して、ステータ内径面の位置を調整したが、ロータの軸心に中心を有し、拡径・縮径操作可能な調整部位を備えた調整機構を構成してもよい。
(5) 上記の実施の形態においては、カム6の配設位置を、ステータコアSCの下端部に対応する位置、すなわちステータコアSCの座面MC1に当接する位置の近傍の位置としたが、カム6の配設位置はこれに限定されない。すなわち、カム6の配設位置は、ステータSの位置を適切に調整することが可能な位置であればよく、ステータSの鉛直方向における中間より下側の部位を移動させるようにカム6を配設することも好適な実施形態の一つである。
本発明に係る調整作業システム及び測定作業方法を採用することにより、例えばハイブリッド車に備えられるモータ駆動装置において、ステータの位置決め調整を簡易且つ正確、迅速に行うことができる。
モータ駆動装置の断面構造を示す図 モータ駆動装置を構成する各パーツの組付け構成を示す図 締結に伴うステータコアの変形状態を示す説明図 使用状態にある測定調整装置の縦断面図 使用状態にある測定調整装置の平面図 図4におけるA−A断面の断面図 測定調整装置の斜視図 測定調整装置の分解図 調整作業システムの全体正面構成を示す図 調整作業システムの全体側面構成を示す図 作業手順を示すフロー図 調整作業システムにミッションケースを縦配置した状態を示す図 測定調整装置をステータ内に挿入する状態を示す図 ステータ内に測定調整装置を挿入した状態を示す図 測定調整装置をステータ内に挿入した状態での表示を示す図 初期調整中の表示を示す図 初期調整完了時の表示を示す図 第1締付け操作の状態を示す図 第1ステップの表示を示す図 第5ステップの表示を示す図 最終ステップ(第11ステップ)の表示を示す図 解除状態を示す図 解除状態における表示を示す図 再調整中の表示を示す図 再調整を完了した状態の表示を示す図 再締付け操作の完了時の表示を示す図 ロータ軸を組み付けた組付け状態を示す図
符号の説明
1 測定調整装置
1c 演算処理部
1ca 演算処理管理手段
1cb ステータ位置導出手段
1cc 第1調整量導出手段
1cd オフセット量導出手段
1ce ステータ座面位置導出手段
1cf 第2調整量導出手段
2 端面プレート
3 センサーバー
4 ステータ位置調整機構
5 カム軸
6 偏心カム
7 ピン
8 ガイド軸
9 センター軸
10 ステータ位置の調整作業システム
12 方形プレート
13 連結プレート
14 搬送用ハンドル
18 ピン係合部材
20 変位センサ
BRG 軸支ベアリング
E エンジン
M モータ駆動装置
MC ミッションケース(モータケース)
np ノックピン
p 鋼板
R ロータ
RAS 軸支部
S ステータ
SC ステータコア
SW ステータコイル
T 変速機構
t ティース

Claims (9)

  1. モータケース、前記モータケースから軸支されて内部で回転するロータ、前記ロータと同心に前記ロータの外周に配設されるステータを備え、ロータ軸心に沿ってステータを締付ける締付け手段により前記ステータが前記モータケースに締付け固定される構成のモータ駆動装置に関し、ロータ軸心に対する前記ステータの位置を調整する調整作業システムであって、
    前記モータケース内に前記ステータを収納し、前記ロータが前記ステータ内に挿入されていない未挿入状態で、前記ロータ軸心に対する前記ステータの位置をステータの内部から測定する測定手段と、前記ステータの位置をステータ内側から調整可能な調整手段とを備え、
    前記調整手段により、ステータ中心の位置を前記ロータ軸心に一致させる第1調整量を、前記測定手段の測定結果に基づいて導出する第1調整量導出手段と、
    前記ロータ軸心を原点とし、前記ロータ軸心に直交する平面内におけるステータ中心の位置を表した初期調整用画面と、前記第1調整量導出手段により導出される第1調整量とを表示する表示手段を備えたステータ位置の調整作業システム。
  2. 前記表示手段に、前記締付け手段による締付け後のステータ中心の位置の許容範囲である第1許容範囲が表示される請求項1記載のステータ位置の調整作業システム。
  3. 前記表示手段に、前記締付け手段による締付け前のステータ中心の位置の許容範囲である第2許容範囲が表示される請求項2記載のステータ位置の調整作業システム。
  4. 前記締付け手段による締付け後の状態で、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、前記ロータ軸心からみたステータの座面中心の位置のオフセット量を導出するオフセット量導出手段と、
    前記調整手段により、ステータ中心の位置をロータ軸心に一致させるのに必要な、前記ステータ座面中心の位置の調整量である第2調整量を、前記オフセット量及び前記測定手段の測定結果に基づいて導出する第2調整量導出手段とを備え、
    前記ロータ軸心に対して、前記オフセット量だけオフセットした位置を原点位置とし、前記ロータ軸心に直交する平面内における前記ステータ座面中心の位置を表した再調整用画面と、前記第2調整量導出手段により導出される第2調整量とを前記表示手段に表示する請求項1〜3のいずれか一項記載のステータ位置の調整作業システム。
  5. 前記表示手段に、前記ステータ座面中心の位置の許容範囲が表示される請求項4記載のステータ位置の調整作業システム。
  6. 前記初期調整用画面および前記再調整用画面の両方を同時表示する請求項4又は5記載のステータ位置の調整作業システム。
  7. 前記測定手段の測定点がロータ軸心周りに分散されるとともに、前記調整手段の調整点が、前記測定点に対応して、ロータ軸心周りに分散されている請求項1〜6の何れか一項記載のステータ位置の調整作業システム。
  8. 前記分散された調整点における第1調整量もしくは第2調整量の表示に関し、ロータの軸心径方向外径側への移動を伴う調整量に限り表示する請求項7記載のステータ位置の調整作業システム。
  9. 前記表示手段に表示される調整量が、ロータ軸心に対する径方向の移動量、またはロータ軸心と並行な軸周りに回転可能に設けられ、ステータの内面を径方向外径側へ押出し可能な押出し手段の回転量、或いはそれらの両方である請求項1〜8のいずれか一項記載のステータ位置の調整作業システム。
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