ステータ位置の調整方法及び装置
技術分野
[0001] 本発明は、モータケース、前記モータケースから軸支されて内部で回転するロータ
、このロータと同心にロータの外周に配設されるステータを備えたモータ駆動装置に 関し、ロータの軸心に対するステータの位置を調整する調整方法及びこの調整方法 を採る調整装置に関する。
背景技術
[0002] 近来、自動車の駆動源としてエンジン及びモータ駆動装置を備えた、所謂ハイプリ ッド車が燃費、環境保護等の点力も注目を集めている。この種のハイブリッド車にあつ ては、モータ駆動装置はバッテリー力も電力を得て駆動力を発生するモータとして働 き、その駆動力を走行機構側に伝えモータ走行を行う他、エンジンカゝら駆動力を得て ジェネレータとして働き、ノ ッテリーの充電の用を果たす場合もある。さらに、制動時 には車が余分に有する慣性力を電力として回収する、所謂、回生動作もする。さらに 、モータ駆動装置がエンジンの始動用に使用される場合もある。
従って、ハイブリッド車に備えられるモータ駆動装置は、そのロータが変速機構側 及びエンジン側に駆動連結されて、駆動力の授受が可能とされて 、る。
[0003] モータ駆動装置は、ステータと当該ステータ内に収納されるロータとを備えており、 これらステータ及びロータは、モータケース側力も支持される。ステータの支持は固 定支持であり、ロータの支持は、モータケースに設けられる軸支部からの回転支持で ある。通常、ノ、イブリツド車にあっては、モータケースは単独で設けられることは少なく 、変速機構が内部に収納されるミッションケースの一部がモータケースに兼用される
[0004] モータ駆動装置にお!/、てステータ ·ロータ間のギャップ及び同心度はモータ駆動装 置の性能を決める極めて重要な要件であり、厳密に管理調整される。
[0005] この種の調整を行う技術として、特許文献 1に開示されて 、る技術がある。この技術 は電気自動車用モータのギャップ調整装置に関するものであり、フライホイールハウ
ジング 12 (これまで説明してきたモータケースに相等する)に、調整ボルト 46を立設し 、ステータコア 42の外周部位を調整することで、ギャップを調節する。この例における ステータ 14は、比較的薄いものである。即ち、ロータの軸 (ステ一タと軸心を同じくす る)方向におけるステータの厚みは比較的小さ 、。
特許文献 1 :日本国特開平 7— 241050号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] しかしながら、この先行技術に示される調整方法では、モータ駆動装置の構成に必 須な部品以外の部品(調整ボルト 46)が必要となるとともに、モータケースにボルト孔 を設ける必要があり、好ましくない。
さらに、近来、ハイブリッド車におけるモータ駆動装置に要求される性能との関係で 、モータ駆動装置のロータの軸方向での厚みを増大させる必要が生じている。このよ うな要請に答えるべく構成された、肉厚のモータ駆動装置の概略構成を、図 1に模式 的に示した。同図左側がエンジン Eが配設されるエンジン室 ER側に、同図右側が変 速機構 Tが配設される変速機構室 TR側に対応する。
[0007] ステータ Sは、ステータコア SCと、このステータコア SCに対するステータコイル SW を備えて構成される。ステータコア SCは、図 2に示すように概略リング状の鋼板 pを多 数枚積層して構成されるものであり、鋼板 p夫々の周方向の所定位相に設けられた 固定部を積層方向に貫通する締結ボルト blで、モータケースに締付け固定される。 さらに、ステータコア SCを成す鋼板 pには、周方向の所定位相において、力しめ或い は溶接処理等が施されており、鋼板 P間の相対移動がある程度規制される。
[0008] このステータコア SCの、図 1における左右方向(ロータの軸方向に相等)の位置は モータケースに設けられる座面によって決まる。一方、その上下方向(ロータの軸径 方向に相等)に関しては、モータケース側の収納空間が、比較的余裕を有するものと されることから、前記締結ボルトの締付けにより、その位置が決まる。
[0009] さて、以上説明してきた構成において、特許文献 1に開示される技術のように、ステ ータの厚み(ロータの軸方向の厚み)が比較的薄 、場合には、ロータの軸心に対する ステータの位置 (ステ一タの軸心の位置)を比較的粗く管理しても問題が発生するこ
とは無力つた。しかしながら、モータへの要求度が高まり、厚みが増すにつれて、従 来通りの管理手法を踏襲すると、モータの回転に伴って発生する振動(ロータの回転 むらを含む)が増大することが判明した。
[0010] この問題が発生する原因は、発明者らの検討により、締結ボルトの締結により発生 するステータコアの変形が原因であることが判明した。この変形状況を示したのが、 図 3 (a) (b)である。同図は、積層型のステータコアを縦配置した状態を示しており、 ( a)は締結ボルトによる締付けを行うことのない状態を示している。 (b)は、締結ボルト の締付けを行った状態を示しており、締付けに伴って、ステータコア個々のくせで鋼 板間に相対移動を起こし、ステータの軸心とロータの軸心の直線性を保てなくなった 状態を示している。この状態では、ステータコアの厚み方向中間位置におけるコア軸 心位置は、ロータの軸心に対してずれており、調整が必要となる。
[0011] 本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロータの軸心に 対するステータの位置の調整を、正確且つ迅速に行うことができるステータ位置の調 整方法を得るとともに、このような方法を使用する装置を得ることにある。
課題を解決するための手段
[0012] 上記目的を達成するための本発明に係る、
モータケース、前記モータケースから軸支されて内部で回転するロータ、前記ロー タと同心に前記ロータの外周に配設されるステータを備えたモータ駆動装置に関し、 前記ロータの軸心に対する前記ステータの位置を調整する調整方法の第 1特徴構成 は、前記モータケース内に前記ステータを収納し、前記ロータが前記ステータ内に揷 入されて 、な 、未挿入状態で、
前記モータケースに対する前記ロータの軸支部を基準として位置決めされる調整 具を使用して、前記ロータの軸心に対する前記ステータの内径面の位置を調整する にめる。
[0013] 上述のようにすることにより、本願に係るステータ位置の調整方法では、ステータを モータケース内に収納した状態で、その内部に形成されている空間(組み付け状態 で、本来ロータが位置すべき空間)を利用して、ステータの位置の調整を行う。
通常、ロータが位置すべき空間は、調整機器を挿入するには充分な空間であり、そ
の空間を利用して、ステータのロータの軸心に対する軸径方向位置を調整することが 可能となる。結果、ステータの位置を正確に調整し、その結果を利用することが可能 となる。
[0014] さらに、この構成では、ロータを^ aみ込む場合にその軸支基準とされるロータの軸 支部を基準に調整具を位置決めしてステータの内径面を内側力 調整するため、組 み付け状態でロータ、ステータ間の同心度を正確に出すことができる。
結果、本願に係る調整方法を使用して、調整を正確且つ迅速に行える。 ここで、「軸支部を基準に位置決めする」とは、「各軸支部から直接位置決めを行う 場合」と、「当該軸支部の位置を決める基準位置 (後に示す位置決め手段の位置)か ら位置決めを行う場合」との両方を含む概念である。
[0015] この調整方法を使用する調整装置は、以下の構造とできる。
即ち、モータケース、前記モータケースから軸支されて内部で回転するロータ、前 記ロータと同心に前記ロータの外周に配設されるステータを備えたモータ駆動装置 に関し、前記ロータの軸心に対する前記ステータの位置を調整する調整装置を構成 するに、
前記モータケース内に前記ステータを収納し、前記ロータが前記ステータ内に挿入 されて 、な 、未挿入状態で、前記モータケースに対する前記ロータの軸支部を基準 として調整具を位置決め可能な支持体を備える。
[0016] ステータ位置の調整装置では、支持体が、基準とするロータ軸支部に対する調整 具の位置を決定することで、ロータ軸支部基準の調整具位置決めを可能とする。そし て、好適に位置決めされた調整具を使用して、ロータの軸心とステータの軸心とを正 確且つ迅速に合わせることができる。
[0017] さて、上述の調整方法において、前記モータケース力 内部に前記ステータ及び口 ータが収納されるモータケース本体と、前記モータケース本体のロータの軸方向の一 端部開口を覆う仕切りカバーとを備えて構成される場合に、前記ロータの軸支部とし て、前記仕切りカバーに設けられる第一軸支部と、前記第一軸支部とはロータ本体を 挟んで反対側に位置される第二軸支部を備え、前記第一軸支部及び前記第二軸支 部のいずれか一方、若しくは、両方を基準として調整具が位置決めされることが、好
ましい。
[0018] この場合は、支持体を介する調整具の位置決めは、モータ駆動装置の組み付け状 態で基準となる第一軸支部及び第二軸支部の一方もしくは両方を基準とすることとな り、ロータの回転軸を位置決めする軸支部を利用した位置決め行うことが可能となり、 ステータとロータの同心度を厳密に合わせることが可能となる。
ここで、第一軸支部及び第二軸支部のいずれか一方を基準とする場合は、例えば 、ロータが鉛直方向を向く姿勢に、モータケース、及びそれに収納されるステータを 維持して、一方の軸支部を基準に、比較的簡単に心出しを行い、作業を進めること が可能となる。
一方、両方を基準とする場合は、実際にロータを軸支する対となる軸支部を基準と することとなり、確実に同心度を確保できる。
ここで、「軸支部を基準に位置決めする」とは、「各軸支部から直接に位置決めを行 う場合」と、「当該軸支部の位置を決める基準位置 (後に示す位置決め手段の位置) から位置決めを行う場合」との両方を含む概念である。
[0019] この調整方法を使用する調整装置は、以下のように構成できる。
モータケースが、内部に前記ステータ及びロータが収納されるモータケース本体と
、前記モータケース本体のロータの軸方向の一端部開口を覆う仕切りカバーとを備え て構成される場合、前記ロータの軸支部として、前記仕切りカバーに設けられる第一 軸支部と、前記第一軸支部とはロータ本体を挟んで反対側に位置される第二軸支部 とを備え、前記第一軸支部及び前記第二軸支部のいずれか一方、若しくは、両方を 基準として前記支持体及び調整具が位置決めされるものとすればよい。
[0020] また、上記ステータ位置の調整方法及び装置において、前記第二軸支部が、モー タケース本体に保持される軸支ベアリングを備えて構成される場合は、第二軸支部を 基準として位置決めするに、少なくとも軸支ベアリングの内径面を基準として位置決 めするとができる。
この場合、ロータを支持するための軸支ベアリングを直に使用するため、ロータ組 み付け状態におけるステータ、ロータ間の関係を確実に模擬することとなり、正確且 つ迅速な調整を行うことができる。
[0021] また、上記ステータ位置の調整方法及び装置にお!、て、前記第一軸支部が、前記 仕切りカバーに保持される軸支ベアリングを備え、この仕切りカバーをモータケース 本体に対して位置決めする位置決め手段が仕切りカバーとモータケース本体との間 に設けられて ヽる構成の場合は、第一軸支部を基準として前記調整具を位置決めす るに、位置決め手段のモータケース本体側の位置を基準として位置決めすることが できる。
[0022] この場合、ロータを支持するための軸支ベアリングを直に使用することなぐこの軸 支ベアリングを保持する仕切りカバーに対し、これを位置決めする位置決め手段の 位置を基準とすることで、間接的にではあるが、ロータ組み付け状態におけるステー タ、ロータ間の関係を確実に模擬することとなり、この構成の場合も、正確且つ迅速な 調整を行うことができる。
[0023] このように位置決め手段の位置を基準とする場合にぉ 、て、この手段が、前記モー タケース本体の端面開口に設定される少なくとも 2位置を基準として前記仕切りカバ 一を位置決めする構成である場合は、前記第一軸支部を基準として前記調整具を位 置決めするに、少なくとも前記 2位置を基準として位置決めすることが好ましい。
[0024] この端面開口は、比較的大きな開口となるため、その外周近傍の 2位置を基準とす ることで、ロータの軸心の軸径方向における位置を正確に得ることが可能となる。そし て、間接的にではあるが、ロータ組み付け状態におけるステータ、ロータ間の関係を 確実に模擬することとなり、この構成の場合も、正確且つ同心度を出す上で正確且 つ迅速な調整を行うことができる。
[0025] 本発明に係るステータ位置の調整方法の第 2特徴構成は、前記モータケース本体 を、前記一端部開口が上側に位置する縦姿勢に配置する縦配置工程と、前記モー タケース本体内に前記ステータを前記ロータの軸方向に挿入する挿入工程とを実行 し、前記ロータが前記ステータ内に挿入されていない未挿入状態で、前記縦姿勢に ある前記モータケース本体に収納されたステータの鉛直方向における中間より下側 の部位を径方向に移動させて、前記調整工程を実行する点にある。
[0026] この特徴構成によれば、ステータをモータケース内に収納した状態で、その内部に 形成されている空間 (組み付け状態で、本来ロータが位置すべき空間)を利用して、
ステ-タの位置の調整を行うことができる。また、縦姿勢にあるモータケース本体に収 納されたステータは、モータケース本体内において下方力 支持されることによりロー タの軸方向に支持される。この際、ステータは、その下側の部位に自身の荷重が作 用した状態となる。そのため、ステータの鉛直方向上側部位を調整具により押動させ た場合、ステータ自体が全体的に軸方向に対して傾くだけで下側の部位は移動し難 ぐ位置調整が良好に行えない場合がある。本構成によれば、調整具によりステータ の鉛直方向における中間より下側の部位を径方向に移動させるので、ステータの位 置調整を良好に行うことができ、位置調整の正確性をより高めることができる。
[0027] この調整方法を使用する調整装置は、以下のように構成することができる。
すなわち、前記モータケース本体を、前記一端部開口が上側に位置する縦姿勢に 保持する姿勢保持具を備え、前記調整具が、前記縦姿勢にある前記モータケース本 体に収納されたステータの鉛直方向における中間より下側の部位を径方向に移動さ せて、前記ロータの軸心に対する前記ステータの位置を調整する点にある。
[0028] この特徴構成によれば、上記調整方法の場合と同様に、ステータの位置調整を良 好に行うことができ、位置調整の正確性をより高めることができる。
[0029] また、上記ステータ位置の調整方法及び調整装置において、前記第二軸支部によ り前記ロータの軸径方向における前記調整具の位置決めを行い、前記第二軸支部と はロータ本体を挟んで反対側に位置される複数の位置決め部材により前記ロータの 軸周方向における前記調整具の位置決めを行う構成とすると好適である。
[0030] この構成によれば、調整具を、モータケース本体の下側に位置する第二軸支部を 基準としてロータの軸径方向に位置決めするとともに、第二軸支部とはロータ本体を 挟んで反対側に位置される複数の位置決め部材によりロータの軸周方向に位置決 めすることができる。したがって、調整具を基準位置に安定的に位置決めして支持す ることがでさる。
[0031] また、上記ステータ位置の調整方法及び調整装置にお!、て、前記調整具が、前記 第一軸支部及び前記第二軸支部のいずれか一方、若しくは、両方を基準として支持 されて前記ロータの軸方向に延びる回転軸を備えるとともに、該回転軸の回転に伴 つて前記ステータの位置を調整する構成とすると好適である。
[0032] この構成によれば、調整具を第一軸支部及び第二軸支部のいずれか一方、若しく は、両方を基準とした基準位置に好適に支持することができる。そして、その基準位 置に支持した状態のまま、回転軸を回転させるだけでステータの位置調整のための 動作を行うことができるの。このため、ステータの位置調整の正確性をより高めること ができる。
[0033] 本発明に係るステータの位置の調整方法の第 3特徴構成は、前記モータケース内 に前記ステータを収納し、前記ロータが前記ステータ内に挿入されていない未挿入 状態で、前記ロータの軸心に対する前記ステータの位置をステータ内側から測定す る測定手段を備え、前記測定手段の測定結果に基づいて、前記調整具によつて前 記ステータの位置をステータ内側から調整する点にある。
[0034] 本願に係るステータ位置の測定調整方法では、ステータをモータケース内に収納し た状態で、その内部に形成されている空間 (組み付け状態で、本来ロータが位置す べき空間)を利用して、ステータの位置の測定及び調整を行う。
ロータが位置すべき空間は、測定手段を構成する測定機器或は調整手段を構成 する調整機器を挿入するには充分な空間であるため、その空間を利用して、ステー タの位置をロータの軸径方向で測定、調整にすることが可能となる。結果、本願構成 では、ステータの位置を正確に測定し、その結果を利用して調整することが可能とな る。
[0035] さらに、この構成では、ステータ内側力 測定を行い、その結果を使用して同じく内 側から調整を行うため、測定結果から簡易且つ適切に調整量を導出して、調整を正 確且つ迅速に行える。測定手段による測定工程及び調整手段による調整工程を同 時に或は逐次実行し、迅速かつ良好で、精度の高い調整結果を得ることができる。
[0036] この調整方法を使用する調整装置は、以下のように構成することができる。
すなわち、前記モータケース内に前記ステータを収納し、前記ロータが前記ステー タ内に挿入されていない未挿入状態で、前記ロータの軸心に対する前記ステータの 位置をステータ内側から測定する測定手段を備え、前記調整具は、前記測定手段の 測定結果に基づ 、て、前記ステータの位置をステータ内側力も調整する点にある。
[0037] この特徴構成によれば、上記調整方法の場合と同様に、迅速かつ良好で、精度の
高 、調整結果を得ることができる。
[0038] また、上記ステータ位置の調整装置において、モータケースが、内部にステータ及 びロータが収納されるモータケース本体と、モータケース本体のロータの軸方向の一 端部開口を覆う仕切りカバーとを備えて構成され、ロータの軸支部として、仕切りカバ 一に設けられる第一軸支部と、第一軸支部とはロータ本体を挟んで反対側に位置さ れる第二軸支部を備え、第一軸支部及び第二軸支部のいずれか一方、若しくは、両 方を基準として測定手段を構成する変位センサ及び調整手段を構成する調整具が 位置決めされて 、ると好適である。
[0039] このように構成することにより、測定手段を構成する変位センサ及び調整手段を構 成する調整具の位置決めは、モータ駆動装置の組み付け状態で基準となる第一軸 支部及び第二軸支部の一方もしくは両方を基準とすることとなる。このため、ロータの 軸心を決める軸支部を基準とした位置決めにより、ステータとロータの同心度をロー タの組み付け状態に合わせて厳密に一致させることが可能となる。
[0040] ここで、第一軸支部及び第二軸支部の一方を基準とする場合は、例えば、ロータが 鉛直方向を向く姿勢に、モータケース及び、それに収納されるステータを維持して、 一方の軸支部を基準に、比較的簡単に心出しを行い、作業を進めることが可能とな る。
一方、両方を基準とする場合は、実際にロータを軸支する対となる軸支部を基準と することとなり、例えば横姿勢での測定、調整でも厳密に同心度を確保できる。
[0041] また、上記ステータ位置の調整装置にお!、て、前記第二軸支部が、モータケース 本体に保持される軸支ベアリングを備え、第二軸支部を基準として前記測定手段及 び調整手段を位置決めするに、少なくとも軸支ベアリングの内径面を基準として位置 決めすると好適である。
この場合、ロータを位置決めするための軸支ベアリングを直に使用するため、ロータ 組み付け状態におけるステータ、ロータ間の関係を確実に模擬することとなり、正確 な測定、調整を行うことができる。
[0042] また、上記ステータ位置の調整装置において、前記第一軸支部が、前記仕切り力 バーに保持される軸支ベアリングを備え、この仕切りカバーをモータケース本体に対
して位置決めする位置決め手段が前記仕切りカバーとモータケース本体との間に設 けられている構成においては、第一軸支部を基準として前記測定手段及び調整手 段を位置決めするに、前記位置決め手段のモータケース本体側の位置を基準として 位置決めすると好適である。
[0043] この場合、ロータを支持するための軸支ベアリングを直に使用することなぐこの軸 支ベアリングを保持する仕切りカバーに対し、これを位置決めする位置決め手段の 位置を基準とすることで、間接的にではあるが、ロータ組み付け状態におけるステー タ、ロータ間の関係を確実に模擬することとなる。このため、この構成の場合も、正確 な測定、調整を行うことができる。
[0044] また、上記ステータ位置の調整装置において、前記測定手段が、ロータの軸周方 向に均等配置されるとともに、調整手段が、ロータの軸周方向に均等配置されると好 適である。
ステータは、その構造上、概略円筒状を成す。このため、ステータの心の調整には 、ステータ内径面部位の位置を周方向に均等に測定し、調整することで、迅速にステ ータの心の位置を求めて、調整を迅速に完了することができる。
[0045] また、測定手段と調整手段が、ロータの軸周方向において交互に配置されることも 好適である。
先にも示したように、ステータは、その構造上、概略円筒状を成す。そこで、測定手 段の配置と調整手段の配置とに関して、交互配置とすることで、ステータ内の空間を 両者手段の目的 (測定及び調整)に対応させて有効に利用して、測定及び調整を行 える。
[0046] また、測定手段を、ロータの軸周方向に分配し、調整手段は、ロータの軸方向に配 設される回転軸を備えた調整具であることを特徴とすると好適である。
この場合は、ステータの位置を分散配置されたステータ内径面部位を使用して、確 実に求め、その結果を利用して調整を行うのである。調整手段は、ロータ軸方向に配 設される回転軸の回転により調整を行うことができる。この回転軸はロータ軸方向に 配設することで、測定調整装置の心と回転軸の心の方向を通用の機構で良好に一 致させることが可能となる。結果的に、ロータの軸心との同心度も高くでき、調整を信
頼性が高い状態で、正確且つ迅速に行える。
[0047] 結果、本願に係るステータ位置の調整方法及び調整装置を採用することにより、ス テータの厚みが厚い、比較的大型のモータ駆動装置にあっても、信頼性が高ぐ振 動等の小さ 、装置を得ることができた。
発明を実施するための最良の形態
[0048] 以下、本願に係るステータ位置の測定調整装置として機能する測定調整装置 1を 使用してステータ位置が測定'調整されるモータ駆動装置 M周りの構造、測定調整 装置 1の構造、当該装置 1を使用してのステータ Sの固定作業を順に説明する。
[0049] モータ駆動装置周りの構造
図 1は、ミッションケース MC (モータケースの一例)内に収納され、糸且付け状態にあ るモータ駆動装置 M周りの断面構造を示す図面であり、図 2は、モータ駆動装置 Mを 構成するステータ Sの支持及びロータ Rの支持構造を明らかにすべぐ分解して示し た図面である。図 1において、左側がエンジン Eが配設されるエンジン室 ER側の部位 であり、右側が変速機構 Tが配設される変速機構室 TR側の部位である。先にも示し たように、モータ駆動装置 Mのロータ Rは、エンジン E及び変速機構 Tと駆動連結可 能に構成されており、それぞれに対して駆動力の授受が可能となっている。
[0050] 図 1、 2からも判明するように、モータ駆動装置 Mはステータ Sとロータ Rとを備えて 構成されている。この組付け状態で、ロータ Rの回転軸はステータ Sの軸と一致して おり、ロータ Rの軸心位置は、ミッションケース MCにより支持される一対の軸支べァリ ング BRGにより決まる。以下、これら一対の軸支ベアリング BRGを基準に決まるロー タ Rの回転軸の中心を軸心と呼び、当該回転軸に沿った方向を、単に軸方向(図 1の D1で示す方向)と呼び、その直交方向を軸径方向(図 1の D2で示す方向)と呼び、 その周りの方向を軸周方向(図 1の D3で示す方向)と呼ぶ。
[0051] ステータ Sは、ステータコア SCと、このステータコア SCに対するステータコイル SW から構成され、ステータコア SCは、図 2に示す様に概略リング状の鋼板 pを多数枚積 層して構成される。積層方向は、軸方向 D1と一致している。各鋼板 pは、周方向の所 定位相において、力しめ或いは溶接処理により鋼板 p相互間の相対移動が規制され る構成が採用されている。さらに、各鋼板 Pには、周方向均等に 3箇所、径方向に突
出する突出部 p 1が設けられており、各突出部 p 1にステータコア SCをミッションケース MCに締結固定するためのボルト揷通孔 p2が設けられている。積層構造のステータ コア SCは締付け手段としての締結ボルト blでミッションケース MCに設けられる座面 MC1に締結固定される。
[0052] 各鋼板 pの内径側には、内径側に櫛歯状に突出するティース tが設けられている。
ステータコイル SWは、このティース t間の空隙部を介して巻かれる。ティース tの内径 側端面 tlは周方向に延びる端面とされて 、る。
また、このステータコイル SWは、ワニスが含浸されて、絶縁状態で固定されている。 更に、鋼板 P間も、ワニスが含浸されて、水等の浸入を防止した状態で固定されてい る。また、このようにワニスが含浸されていることで、熱伝導率が向上され、放熱性が 向上されている。
[0053] ステータ Sのミッションケース MC内の位置決めに関して説明すると、軸方向 DI おける位置決めは、ステータコア SCの、図 1において右側に示す端面(主には突出 部 piの端面)がミッションケース MCに設けられた座面 MC1に当接することにより決 まる。ミッションケース MC内に形成されたステータ収納空間は、軸径方向 D2 (図 1に おいて上下方向)において、所定の余裕を見込むものとされており、ステータ Sがミツ シヨンケース MCに、締結ボルト b 1を使用して締結されな!、限りにお!/、て所定のがた を有するものとなる。従って、締結ボルト blの締結後、ミッションケース MCに対する 軸径方向 D2におけるステータ Sの軸心位置が定まることとなる。
[0054] ミッションケース MCに対するステータ Sの軸周方向 D3の位相は、先に説明した突 出部 piに対するミッションケース MCに設けられる座面 MC1の軸周方向 D3の位相 位置に基づいて決まるものであり、ミッションケース MCへのステータ Sの挿入操作及 び締結ボルト blによる締結操作により決まる。
[0055] ロータ Rは、ロータ軸 RAの周りにロータ本体 RBを備えて構成されており、このロー タ軸 RAは、エンジン室 ER側に設けられる軸支ベアリング BRG1及び変速機構室 TR 側に設けられる軸支ベアリング BRG2の両方力 軸支される。
[0056] 図 1、 2からも判明するように、モータ駆動装置室 MRは、エンジン室 ERと変速機構 室 TRとの間の独立の区画室として形成されている。図示する例の場合、モータ駆動
装置室 MRと変速機構室 TRとの間には、ミッションケース MCと一体の仕切り壁 Wが 設けられており、この壁 Wに前記ロータ Rを支持するための一方の軸支ベアリング BR G2が備えられている。
[0057] 一方、モータ駆動装置室 MRとエンジン室 ERとの間には、ミッションケース MCに取 り付け固定される仕切りカバー Cを設けている。この仕切りカバー Cは、図 1において 左側からミッションケース MCの端面開口 MCOを覆うことで、モータ駆動装置室 MR を区画する。図 1、 2からも判明するように、この仕切りカバー Cは、端面開口 MCOに 複数設けられたノックピン npによって、軸径方向 D2及び軸周方向 D3の位置が決ま る。この仕切りカバー Cには、前記ロータ Rを支持するための他方の軸支ベアリング B RG1が備えられている。
[0058] 以上説明した構成力 判明するように、モータ駆動装置 Mのロータ Rは、仕切り壁 Wに設けられる軸支ベアリング BRG2及び仕切りカバー Cに設けられる軸支べアリン グ BRG1により回転可能に支持される。本願にあっては、前者のロータの軸支部 RA Sをケース側軸支部 RAS2 (第二軸支部の一例)と呼び、後者のロータの軸支部 RA Sをカバー側軸支部 RAS1 (第一軸支部の一例)と呼ぶ。
[0059] ステータ位置の測定調整装置
図 4〜8に、この測定調整装置 1の構成を示した。
図 4は、測定調整装置 1の構成を示すための要部断面図であり、ミッションケース M C内にステータ Sを挿入した状態で、ステータ Sの位置を測定及び調整可能に測定 調整装置 1を配設した状況を示して 、る。
図 5は図 4に対応する平面図であり、図 6は図 4の VI— VI断面を、図 7は測定調整 装置 1のみを示した図面である。さら〖こ、図 8は、その分解図である。
[0060] この測定調整装置 1は、ミッションケース MC内にステータ Sを収容し、ステータ Sが ロータ Rの軸方向 D1に支持され、ステータ S内にロータ Rが挿入されて!、な!/、ロータ 未挿入状態にあるステータ Sの位置 (ステータ Sの軸径方向 D2の位置)の測定を行う ように構成されている。更に、この測定調整装置 1は、その測定結果に基づいて、ス テータ Sの位置(ミッションケース MCに支持された状態にあるロータ Rの軸心 Rsに対 するステータ Sの軸心 Ssの位置)を調整可能に構成されている。また、この測定調整
装置 1は、ケース側軸支部 RAS2とカバー側軸支部 RAS1との両方から、その軸(図 4に示す Z)が決定されるように構成されて 、る。
[0061] 図 4、図 6、図 7、図 8から判明するように、測定調整装置 1は、図 4において上下一 対となる端面プレート 2を軸周方向 D3において 4箇所設けられているセンサーバー 3 で固定連結した構成を有している。これら上下一対の端面プレート 2の間には、ステ ータ位置調整機構 4が、各センサーバー 3間に均等に 4本掛け渡されている。ステー タ位置調整機構 4は、軸方向 D1に配設されるカム軸 5に偏心カム 6を備えたものであ る。
[0062] 前記上下の端面プレート 2のうち、下側に位置する端面プレート 2dは、概略、リング 状を成すリング状端面プレート 2dとして構成されており、その一方の端面の外周近傍 部位に、 4本のセンサーバー 3が固定連結されている。このセンサーバー 3の夫々は 、リング状端面プレート 2dに一対のピン 7を使用して厳密に位置決めされている。前 記センサーバー 3が固定連結される端面とは反対側の端面で、その中央に、ガイド軸 8が固定されている。
[0063] このガイド軸 8は、図 4に示す様に、リング状端面プレート 2dとの連結部 8aを上端側 に備えるとともに、その外周部位に、先に説明したケース側軸支部 RAS2を構成する 軸支ベアリング BRG2に嵌込する嵌込部 8bを備えている。一方、下端側の中央に第 1センター軸 9aが挿入される第 1センター軸進入孔 8cを備えて 、る。この第 1センタ 一軸 9aは、ミッションケース MCへのステータ Sの固定作業時に使用する作業装置 1 0に設けられる案内部材であり、図 4に示す軸 Zに対して直交面上で決まる原点で、 軸方向 D1である軸 Zに沿った方向に移動可能に備えられている。固定作業におい て、第 1センター軸 9aおよび後述する第 2センター軸 9bが、作業において仮想的な 基準となるロータ Rの回転軸 Zrの位置に配設される。
[0064] リング状端面プレート 2dには、軸周方向 D3において 4箇所均等に、カム軸 5を回転 可能に支持する支持ベアリング 11を備えた接続支持部が備えられている。この支持 ベアリング 11として、カム軸 5からの軸方向 D1の荷重受けるべくスラストを受けること ができるベアリングが採用されている。
[0065] 前記上下の端面プレート 2のうち、上側に位置する端面プレート 2uは、図 5に示す
平面視で、概略、方形を成す方形プレート 12と概略リング状を成す連結プレート 13と 力 構成されている。方形プレート 12と連結プレート 13とはボルト連結されることで、 一体となる構成が採用されて ヽる。
[0066] 連結プレート 13の外周近傍部位に、先に説明した 4本のセンサーバー 3の他端が 固定連結されている。この連結部位においても、センサーバー 3の夫々は、一対のピ ン 7を使用して厳密に位置決めされて 、る。前記センサーバー 3が固定連結される端 面とは反対側の端面に、前記方形プレート 12が位置される。図 4に示す様に、方形 プレート 12には搬送用ハンドル 14が固定される。
[0067] 搬送用ハンドル 14は、センサーバー 3とは反対側の端面で、方形プレート 12にボ ルト連結されており、その内径部位に第 2センター軸 9bが挿入されるセンター軸貫通 孔 14aを備えている。この第 2センター軸 9bは、測定調整装置 1の搬送用に使用され るとともに、第 1センター軸 9aとともに、固定作業の基準位置決め用に使用される。
[0068] 連結プレート 13には、軸周方向 D3において 4箇所均等に、カム軸 5を回転可能に 支持する接続支持部 15が備えられている。この接続支持部 15は、前記カム軸 5を軸 方向 D1において良好に心出しするように一対のラジアルベアリング 16を備えた構成 とされ、さらに、カム軸 5の回転を適宜止めるためのスタッドボルト 17も備えられている
[0069] 方形プレート 12の長手方向端近傍には、ミッションケース MCの端部開口 MCOに 設けられたノックピン npを利用して、この方形プレート 12を位置決めするためのピン 係合部材 18が、それぞれ連結されている。ピン係合部材 18は、図 5からも判明する ように、一対のボルト 19にて方形プレート 12の長手方向端夫々に固定されており、 各ピン係合部材 18に、ノックピン npが進入するための位置決め孔 18aを備えている 。そして、図 4に示されるように、ピン係合部材 18は、位置決め孔 18aにノックピン np が進入した状態で、ミッションケース MCの端部開口 MCOを構成する端面に載置さ れる。
[0070] 測定調整装置 1においては、前記ガイド軸 8をケース側軸支部 RAS2に備えられる 軸支ベアリング BRG2内に進入させるとともに、方形プレート 12の長手方向端に設け られたピン係合部材 18の位置決め孔 18aにノックピン npを進入させることで、装置 1
を、ミッションケース MCに対して、軸方向 Dl、軸径方向 D2及び軸周方向 D3におい て位置決めすることができる。
即ち、装置 1は、上記ケース側軸支部 RAS2により軸径方向 D2において位置決め され、上記ノックピン np及び位置決め孔 18aにより軸方向 D1及び軸周方向 D3にお いて位置決めされる。
[0071] また、軸周方向 D3において、上記ノックピン np及び位置決め孔 18aの締結ボルト b 1に対する相対位置により、上記ノックピン np及び位置決め孔 18によりミツションケー ス MCに位置決めされる測定調整装置 1と、上記締結ボルト b 1によりミツションケース MCに締結固定されたステータ Sとの相対位置が決定される。そして、この軸周方向 D3における相対位置は、図 6に示すように、装置 1に支持された変位センサ 20のセ ンサ先端 20aと、ステータ Sに設けられているティース tの内径側端面 tlと力 夫々の 中心を略一致させる状態で対向配置されるように、設定されている。よって、この変位 センサ 20により、センサ先端 20aと内径側端面 tlとのギャップを正確に測定すること ができる。
尚、装置 1をミッションケース MCに位置決めするための位置決め手段としては、上 記ノックピン np及び位置決め孔 18aの代わりに、ボルト及びボルト穴等の別の手段を 採用しても構わない。
[0072] ステータ位置の測定及び調整
以上、ステータ位置の測定調整装置 1に関して、その位置決め構成を説明したが、 以下、ステータ Sの位置の測定及びその位置の調整に関して説明する。
図 4、図 6、図 7、図 8に示す様に、変位センサ 20力 支持体としてのセンサーバー 3により、ステータ Sを構成するステータコア SCの内径面のロータ Rの軸心に対する 位置を測定可能に支持されており、具体的には、軸周方向 D3の 4箇所に均等に備 えられるセンサーバー 3に、夫々、 5個の変位センサ 20が備えられている。
[0073] 変位センサ 20としては、電磁誘導による導電体内の渦電流の変化により当該導電 体に対する渦電流型の変位センサを採用している。これら 5個の変位センサ 20は、 図 4に示されるステータコア SCの軸方向 D1の幅に対して、その両端近傍を含む 5箇 所においてほぼ均等に、センサ先端 20aとティース tの先端面である内径側端面 tlと
のギャップを測定するように適宜配設されている。これにより、ロータ Rの軸心に対す るステータ Sの軸径方向 D1の位置を知ることができる。この変位センサ 20は測定手 段をなす。
[0074] 従って、各センサーバー 3に配設される 5個の変位センサ 20により、ステータ Sの軸 方向 D1に沿った各部の位置の状態を知ることができる。
また、この変位センサ 20は、上記渦電流型の変位センサのように、磁性体又は導 電体に選択的に感応する非接触型の変位センサであることから、変位センサ 20とス テータコア SCとの間に介在する磁性体及び導電体以外からなる物質、特にステータ コア SCの径方向表面に付着するワニスの影響を排除して、ステータコア SCの内径 側端面 1の位置を正確に測定できる。
一方、先にも示したように、センサーバー 3は軸周方向 D3に 4箇所均等に設けられ ているため、ステータ Sの軸周方向 D3に沿った各部の位置も知ることができ、軸周方 向 D3において 4箇所の変位センサ 20の出力から、ステータ Sの円心位置を知ること ができる。そして、軸方向 D1の各位置におけるステータ Sの円心位置の平均値として 、ステータ Sの軸心(図 3 (b)に示す平均軸心 Ss)の位置を得ることができる。
即ち、本願に係る測定調整装置 1では、センサーバー 3により接続される一対の端 面プレート 2、及びこれら端面プレート 2に付属の部材及び変位センサ 20により測定 手段が構成される。また、ロータの軸支部 RASに対して、これを基準として変位セン サ 20を位置決めして支持する機構、具体的には、一対の端面プレート 2、センサー バー 3、ガイド軸 8、及びピン係合部材 18等により支持体が構成される。
[0075] 結果、測定調整装置 1にあっては、測定調整装置 1の軸 Zを、仮想的なロータ尺の 軸 Zr位置と一致させることができるため、上記のように、変位センサ 20からの出力を 得て、ロータ Rの軸心に対するステータ Sの位置 (ステータコア SCの位置)を厳密に 求めることができる。
[0076] 図 4、図 6、図 7、図 8に示す様に、軸周方向 D3の 4箇所に均等に備えられるカム軸 5には、夫々、偏心カム 6が備えられている。ここで、偏心カム 6は、図 6に示す様に、 カム軸 5の軸心 5zに対して偏心したカム面 6sを備えたものである。従って、カム軸 5の 回転に伴って、そのカム面 6sは、カム軸の軸心 5zに近接した位置カゝら離間した位置
まで取ることができる。図 4、図 6からも判明するように、このカム面 6sは、その離間し た位置近傍で、ステータコア SCの内周面に当接するように配設されることで、ステー タコア SCの内周面 (ティース tの内径側端面 tl)を押圧し、ステータ Sを軸径方向 D2 に移動させることが可能とされて 、る。
以上が、軸径方向 D2に関する調整に関する説明であるが、測定調整装置 1にあつ ては、カム 6の配設位置にも独特の工夫が成されている。
図 4、図 7に示す様に、カム 6の配設位置は、軸方向 D1において、ステータコア SC の下端部に対応する位置とされている。この位置は、ステータコア SCがミッションケー ス MCに挿入された状態で、その座面 MC1に当接する位置である。本例では、具体 的には、カム 6の下端面 (底面)力 ステータコア SC (ステータ S)の下端面を支持する ミッションケース MCの座面 MC1と略同一面上に位置するように、カム 6を配置してい る。
後述するように、測定調整装置 1を使用したステータ位置の調整は、ミッションケー ス MCの開口 MCOが上側に開口した縦姿勢で行う。この状況では、ステータ Sの荷 重は、座面 MC1近傍にあるステータコアを構成する鋼板 pにカゝかっており、この部位 にある鋼板 Pの位置を調整することが最も好ましい。発明者らの検討では、調整にお いて、縦姿勢が維持された状態で、ステータコア SCの鉛直方向(軸方向 D1)上側部 位をカム 6で押動させた場合、ステータ S自体が全体的に軸方向 D1に対して傾くだ けで、座面 MC1に当接している鋼板 pは移動し難ぐ偏心カム 6による調整後、元の 状態に戻り調整不良となる場合も発生した。
従って、測定調整装置 1にあっては、上述のようにステータコア SCの下端近傍に力 ム位置を設定することで、軸周方向 D3に均等配置された偏心カム 6を利用して、軸 周方向 D3の各部において軸径方向 D2のステータ Sの位置を適切に調整することが できる。
本願に係る測定調整装置 1では、センサーバー 3により接続される一対の端面プレ ート 2、及びこれら端面プレート 2に付属の部材及びステ-タ位置調整機構 4により調 整手段が構成される。さらに、ステ-タ位置調整機構 4は調整手段である調整具を成 し、カム軸 5はその回転軸を成す。
[0078] ステータ位置の調整
以下、測定調整装置 1を使用して、ステータ Sの位置を測定するとともに、測定結果 に基づいて調整を行い、ステータ Sをミッションケース MCに固定する一連の作業に 関して説明する。
[0079] この一連の操作は、作業装置 10上にミッションケース MCを縦姿勢で配置する縦配 置工程、ミッションケース MC内にステータ Sを挿入する挿入工程、ミッションケース M C内にステータ Sを仮止めする仮止め工程、ステータ S内に測定調整装置 1を配設す る配設工程、ステータ位置を測定する測定工程、測定結果に基づいてステータ Sの 調整量を導出する調整量導出工程、仮止めを解除する解除工程、締結力が無い状 態でステータ位置を調整する調整工程、及びステータ Sをミッションケース MCに締付 け固定する固定工程を経る。
以下、順に説明する。
1 縦配置工程
作業装置 10上に、ミッションケース MCを縦姿勢で配設する工程である。即ち、図 9 に示されているように、ミッションケース MCの端部開口 MCOが上側に、ミッションケ ース MCに設けられるケース側軸支部 RAS2が下側に来るように、ミッションケース M Cを配設する。作業装置 10に設けられる第 1、第 2センター軸 9a, 9bの軸 Zと、ミツシ ヨンケース MCにおいて決まっている仮想的なロータ Rの軸 Zrは、当然一致させる。こ こでは、この作業装置 10が姿勢保持具を構成する。
[0080] このとき、ミッションケース MCには、ケース側軸支部 RAS2を構成する軸支べアリン グ BRG2が勝ち込まれており、さらに端面開口 MCOの所定部位にノックピン npが打 ち込まれた状態とされる。これら 2種の部材 BRG2, npを利用して測定調整装置 1引 いてはステータ Sの位置が決められる。
[0081] 2 挿入工程
図 9に示す様に、ステータ Sを、縦姿勢にあるミッションケース MC内に挿入する。こ の挿入操作は、ステータ Sをミッションケース MC内に落とし込む状態で行われること となり、ステータ Sは、ミッションケース MCに設けられている座面 MC1から支持される 。挿入完了状態で、ステータ Sは、その上下方向位置 (軸方向 D1位置)は確定し、ミ
ッシヨンケース MCとステータ Sとの間における相対位相(軸周方向 D3位置)関係もほ ぼ定まる。一方、これまでも説明したように、水平方向(軸径方向 D2位置)に関しては 、僅かのがたが許される状態となる。
[0082] 3 仮止め工程
図 9に示す様に、締結ボルト blを使用して、ステータ Sをミッションケース MCに締付 ける締め付け状態として仮止めする。この時の締結力は、ステータ Sをミッションケー ス MCに固定する場合の締結力とほぼ同一の締結力とする。このような締結操作を行 うことで、ステータコア SCは、個々のくせに従って、図 3 (b)に示したように、変形する 場合もある。
[0083] 4 配設工程
図 10に示す様に、測定調整装置 1を、ステータ Sが締付け状態にあるミッションケー ス MC内に配設する。この配設は、第 2センター軸 9bを使用して、測定調整装置 1を 搬送部 14aで吊り下げながら、第 1センター軸 9aをガイド軸 8に挿入した状態で行う。 この下降操作時、下側に位置されるガイド軸 8の嵌込部 8bは、ケース側軸支部 RA S2を構成する軸支ベアリング BRG2により案内され、心出しされる。一方、上側に位 置される方形プレート 12の両端部位に設けられたピン係合部材 18が、ノックピン np により位置決めされる。
この構造では、当該軸支ベアリング BRG2が心出しの用を果たすとともに、ノックピ ン npも心出しの用を果たす。さらに、装置 1全体が端面開口 MCOにより下側力も支 持される。
[0084] 5 測定工程
図 11に示す様に、測定調整装置 1をミッションケース MC内に配設した状態で、変 位センサ 20を使用して、ステータコア SCに設けられているティース tの内径側端面 tl の位置を各変位センサ 20の出力として測定する。
変位センサ 20の出力に基づ ヽてステータ Sの位置を求めるように構成されたコンビ ユータ(図示せず)により、変位センサ 20の出力を、上下方向で異なった位置にある 変位センサ 20毎に集め、異なった上下方向位置(軸方向 D1位置)でのステータ Sの 円心位置を、締付け状態におけるステータ Sの内径面の変形状態として求める。結
果、図 3 (b)に示すように、座面 MC1側から、ステータ Sの代表位置、上端近傍部位 に渡って、それら各高さにおける円心位置力 個々に、軸方向 D1とは直交する平面 上の座標として求まる。ここでは、この演算処理を行うコンピュータがステータ位置導 出手段を構成する。尚、上記ステータ Sの代表位置とは、軸方向 D1の各位置におけ るステータ Sの円心位置の平均値として求められたステータ Sの軸心の位置を示す。 尚、この測定工程において、ロータ Rとステータ Sの軸心位置が一致している場合 には、後述する調整工程を行わずに、測定調整装置 1をミッションケース MC力も取り 外し、ロータ Rを組み付けて、モータ駆動装置 Mを完成させることができる。
[0085] 6 解除工程
図 12に示す様に、締付け状態にあるステータ Sの締結ボルト blによる締付け状態 を解除し、締結力が働力ない開放状態とする。
[0086] 7 調整量導出工程
ステータ Sの位置の調整は、図 3 (d)に示すように、ステータ Sの締付け状態におい て、ステータ Sの各高さにおける円心位置の平均値である平均軸心 Ssが、仮想的に 設定されるロータ Rの軸心 Rsに対して所定の範囲内に収まる様に行う。そこで、上記 コンピュータにより求まつた各上下方向位置における円心位置の平均値を演算し、ス テータ Sの平均軸心 Ssを求める。そして、平均軸心 Ssを目標範囲内に収めるのに適 正な座面に当接する最下部の円心位置(図 3 (d)に示す Sb)を目標調整位置として 求める。ステータ Sの最下部の円心位置 Sbがミッションケース MCの座面 MC1に当 接する位置は、ステータ Sが締付け状態か開放状態かにより変化しないので、上記の ような最下部の円心位置 Sbを、ステータ Sの非締結状態における目標調整位置とす る。この最下部の円心位置 Sbとロータ Rの軸心 Rsとの関係を図 3 (c)に示した。尚、こ の目標調整位置は、ロータ Rの軸方向に沿ったステータ Sの代表位置においてステ ータ Sの内径面の平均軸心 Ssとロータ Rの軸心 Rsとが一致するときのステータの位 置として求められることになる。
[0087] 尚、上記ステータ Sの目標調整位置とされる最下部の円心位置 Sbは、ロータ Rの軸 心 Rsに対する締付け状態のステータ Sの軸心 Ssの偏心情報に基づいて導出するこ とがでさる。
即ち、上述した測定工程において、ロータ Rの軸心 Rsに対して、図 3 (b)に示すよう に締付け状態とされたステータ Sの軸心 Ssの偏心方向及び偏心距離 aを上記偏心情 報として求める。そして、上述した解除工程で開放状態とされ調整前のステータ Sの 軸心 Ssoを基準に、上記偏心情報として求めた偏心方向とは逆方向に、上記偏心状 態として求めた偏心距離 a分ずれた位置を、上記ステータ Sの目標調整位置とされる 最下部の円心位置 Sbとして導出する。よって、このように導出した円心位置 Sbを最 下部の位置としたステータ Sについては、締付け状態とすれば、その軸心 Ssが、ロー タ Rの軸心 Rsと一致するものとなる。この場合、ステータ Sを現在の位置力も上記偏 心距離 a分だけ上記偏心方向とは逆方向にずらす操作を行えばよいことになる。
[0088] また、上記ステータ Sの目標調整位置とされる最下部の円心位置 Sbは、上記のよう な偏心情報以外に、上記開放状態におけるステータ Sの軸心 Ssoに対する締付け状 態におけるステータ Sの軸心 Ssの移動情報に基づいて導出することもできる。
即ち、上述した測定工程において、図 3 (b)に示すように締付け状態におけるステ ータ Sの軸心 Ssを測定した後に、上述した解除工程で開放状態とされて調整前のス テータ Sの軸心 Ssoを測定する。その開放状態におけるステータ Sの軸心 Ssoに対し て、図 3 (b)に示すように締付け状態におけるステータ Sの軸心 Ssの移動方向及び移 動距離 bを移動情報として求める。そして、ロータ Rの軸心 Rsを基準に、上記移動情 報として求めた移動方向とは逆方向に、上記移動状態として求めた移動距離 b分ず れた位置を、上記ステータ Sの目標調整位置とされる最下部の円心位置 Sbとして導 出する。よって、このように導出した円心位置 Sbを最下部の位置としたステータ Sに ついては、締付け状態とすれば、その軸心 Ssが、ロータ Rの軸心 Rsと一致するものと なる。尚、上記開放状態におけるステータ Sの軸心 Ssの測定を、上記締付け状態に おけるステータ Sの軸心 Ssの測定よりも後に行うので、締付け状態におけるステータ Sの軸心 Ssが既にロータ Rの軸心 Rsと一致している場合には、その開放状態におけ るステータ Sの軸心 Rsの測定を省略し、作業時間を短縮することができる。この場合 、ステータ Sをロータの軸心 Rsを基準に上記移動距離 b分だけ上記移動方向とは逆 方向にずらす操作を行えばよ 、ことになる。
[0089] 8 調整工程
図 12に示す様に、以上のようにして求まった適正な最下部の円心位置 Sbに、ステ ータ Sの下部の位置を調整すベぐ適正にカム軸 5を回転操作することにより、ステー タ Sを移動調整する。このステータ Sの移動調整は、カム軸 5を回転操作して偏心カム 6のカム面 6sによりステータコア SCの内周面における軸周方向 D3の一部を径方向 外側へ押圧することで行う。この際、偏心カム 6はステータコア SCの下端部に対応す る位置に配置されているので、ステータ Sの最下部の円心位置が好適に移動され、 調整される。
このようにすることで、ステータ Sは、締結ボルト blの締付け状態において、その代 表位置の平均軸心 Ssが許容範囲内に来る位置とされる。
[0090] 9 固定工程
上記の調整工程を経た後、図 13に示す様に、締結ボルト blを使用して再度ステー タ Sをミッションケース MCに締結固定する。以上の測定工程、調整工程を経ることで 、締結状態で変形を伴うことがある積層型のステータコア SCを使用するモータ駆動 装置 Mにあっても、非常に高い精度で心出しを行うことができる。最終的に、代表位 置 mにおいて、ロータ Rとステータ Sの軸心が一致している状態を図 3 (d)に示した。
[0091] 10 軸支工程
そして、このようにロータ Rの軸心 Rsとステータ Sの軸心 Ssとが一致すれば、測定調 整装置 1をミッションケース MC力 取り外し、ロータ Rを組み付けて、モータ駆動装置 Mが完成する。
また、上記測定工程を行ってロータ Rの軸心 Rsとステータ Sの軸心 Ssとが一致して いることが確認できれば、測定調整装置 1をミッションケース MC力も取り外し、ロータ Rを組み付けて、モータ駆動装置 Mを完成させることができる。
[0092] (別実施形態)
(1)上記の実施の形態では、ケース側軸支部に備えられる軸支ベアリングと、端部開 口に備えられるノックピンの両方を用いて、測定調整装置の心出しを行ったが、上記 実施の形態のように縦姿勢で、測定調整装置を鉛直方向に支持して作業を行い、測 定調整装置の軸心をロータの軸心に合わせようとする場合、軸径方向の位置は、実 質的に、上下方向のいずれか一方で決めることが可能となるため、ケース側軸支部
に備えられる軸支ベアリングと、端部開口〖こ備えられるノックピンのいずれか一方を基 準として使用するものとしてもよ 、。
[0093] (2)さらに、ケース側軸支部とカバー側軸支部とを設ける構成にあっても、上記実施 の形態に示す様に、モータ駆動装置室と変速機構室との間にケース側軸支部を、ェ ンジン室とモータ駆動装置室との間にカバー側軸支部を設ける他、モータ駆動装置 室と変速機構室との間にカバー側軸支部を設け、エンジン室とモータ駆動装置室と の間にケース側軸支部を設ける構成としてもよい。
これまで説明してきた例では、一方の軸支部がケース側に、他方の軸支部がカバ 一側に設けられることとしたが、モータ駆動装置室を区画する一対の仕切りカバーを 設け、両方の仕切りカバーがそれぞれ軸支ベアリングを保持するものとして一対の軸 支部を設ける構成としてもよい。そこで、本願にあっては、特定の仕切りカバーに保 持された軸支ベアリングを有して構成される軸支部を第一軸支部と呼び、この第一軸 支部に対してロータ本体を挟んで反対側に位置される軸支部を第二軸支部と呼ぶ。
[0094] (3)上記の実施の形態においては、軸周方向 D3に配置された 4箇所のステータ内 径面部位を測定及び調整の対象としたが、この測定及び調整箇所の数は、これに限 定されず、軸周方向に少なくとも 3箇所を測定及び調整箇所とすれば、測定及び調 整が可能となる。但し、測定及び調整箇所の数が多いほど正確なステータ Sの軸心 位置の測定及び調整が可能となる。また、 4箇所とすれば、直交座標上における軸 心位置の座標を直接的に測定し調整することが可能となる利点がある。
また、上記実施の形態にあっては、測定箇所の数と調整箇所の数とを同一としたが 、異なった数としてもいっこうに構わない。
さらに、軸周方向 D3における位相に関して、測定の対象とするステータ内径面部 位の位相と、調整の対象とするステータ内径面部位の位相とがー致していても構わ ない。この場合は、ステータコアの調整を良好に行うための理由から、現在の偏心力 ムの軸方向の位置 (座面に当接する鋼板を軸径方向に調整することができる位置)を 守ったままで、その上方向部位に変位センサを取り付けて、測定を行うことが、測定' 調整上、好ましい。この構成を採用する場合は、調整量の導出が容易となる。
また、上記の実施の形態においては、ステータ Sの内径面の軸方向 D1に均等な間
隔で配置された 5箇所を変位センサ 20による測定箇所としたが、この測定箇所の数 はこれに限定されず、軸方向 D1における、ステータ Sの両端側に位置する少なくとも 2箇所を測定箇所とすれば、軸方向 D1に沿ったステータ Sの概略の配置状態を測定 することができる。但し、測定箇所の数が多いほど詳細なステータ Sの配置状態の測 定が可能となる。
[0095] (4)上記実施の形態では、磁性体又は導電体に選択的に感応する非接触型の変位 センサとして、渦電流型の変位センサを採用した力 力かる変位センサとしては、磁 気誘導による磁性体近傍の磁場の変化により当該磁性体に対する距離を検出する 磁気型の変位センサ等の別の型式の変位センサを採用しても構わな 、。
さらに、ステ-タコアの内周面の位置を検出できれば、任意のセンサを採用すること ができる。
[0096] (5)上記の実施の形態にあっては、偏心カムを使用して、ステータ内径面の位置を 調整したが、ロータの軸心に中心を有し、拡径 '縮径操作可能な調整部位を備えた 調整機構を構成してもよい。
[0097] (6)上記実施の形態では、ステータコアの内径面の位置、即ちティースの先端面であ る内径側端面の位置を測定するように変位センサを配置したが、別に、ステータコア の外径面等の別の径方向表面の位置を測定するように変位センサを配置して、その 変位センサの出力に基づ!/ヽてステータコアの位置を求めるように構成しても構わな!/ヽ
[0098] (7)上記実施の形態では、ミッションケース MC内にステータ Sを仮止めする仮止め 工程の後に、ステータ S内に測定調整装置 1を配設する配設工程を行ったが、適宜 その順序を逆にしても構わな 、。
[0099] (8)上記の実施の形態においては、カム 6の配設位置を、ステータコア SCの下端部 に対応する位置、すなわちステータコア SCの座面 MC1に当接する位置の近傍の位 置としたが、カム 6の配設位置はこれに限定されない。すなわち、カム 6の配設位置は 、ステータ Sの位置を適切に調整することが可能な位置であればよぐステータ Sの鉛 直方向における中間より下側の部位を移動させるようにカム 6を配設することも好適な 実施形態の一つである。
産業上の利用可能性
[0100] 本発明に係るステータ位置の調整方法及びステータ位置の調整装置は、例えばハ イブリツド車に備えられるモータ駆動装置において、ステータの位置決め調整を正確 且つ迅速に行うことために、ロータの軸心に対するステータコアの位置を正確に測定 することができるステータ位置の調整方法及びステータ位置の調整装置として有効 に利用可能である。
図面の簡単な説明
[0101] [図 1]モータ駆動装置室の断面構造を示す図
[図 2]モータ駆動装置を構成する各パーツの組付け構成を示す図
[図 3]締結に伴うステータコアの変形状態を示す説明図
圆 4]使用状態にある測定調整装置の縦断面図
[図 5]使用状態にある測定調整装置の平面図
[図 6]図 4における VI— VI断面の断面図
[図 7]測定調整装置の斜視図
[図 8]測定調整装置の分解図
[図 9]ミッションケースにステータを固定する工程の説明図
[図 10]ミッションケースにステータを固定する工程の説明図
[図 11]ミッションケースにステータを固定する工程の説明図
[図 12]ミッションケースにステータを固定する工程の説明図
[図 13]ミッションケースにステータを固定する工程の説明図
符号の説明
[0102] 1 測定調整装置 (ステータ位置の調整装置)
2 端面プレート
3 センサーバー(支持体)
4 ステータ位置調整機構
5 カム軸
6 偏心カム
7 ピン
8 ガイド軸
9 センター軸
10 作業装置
12 方形プレート
13 連結プレート
14 搬送用ハンドル
18 ピン係合部材
20 変位センサ
BRG 軸支ベアリング
E エンジン
M モータ駆動装置
MC ミッションケース(モ np ノックピン
P 鋼板
R ロータ
RAS 軸支部
S ステータ
SC ステータコア
SW ステータコイル τ 変速機構 t ティース