JP2017184552A - モータ装置、固定子の固定方法 - Google Patents

モータ装置、固定子の固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータ装置における固定子のケースに対する固定に関して、焼き嵌めによる作業効率の悪化の防止を図りつつ、固定子がケースに対して安定的に固定されるようにする。
【解決手段】本発明に係るモータ装置は、回転子と、回転子の外周に配置される固定子と、内部に回転子と固定子とが配置されるケースとを備えたモータ装置であって、固定子とケースとの間の複数箇所にそれぞれ冷間嵌め部材が挿入された状態で固定子がケースに対して固定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転子と、回転子の外周に配置される固定子と、内部に回転子と固定子とが配置されるケースとを備えたモータ装置、及び固定子の固定方法に関するものであり、特には、ケースに対して固定子を固定する技術に関する。
特開平7−250455号公報
モータ装置として、回転子と、回転子の外周に配置される固定子と、内部に回転子と固定子とが配置されるケースとを備えたものが知られている。この種のモータ装置においては、固定子のケースに対する固定が、焼き嵌めと呼ばれる手法により行われる場合がある。具体的には、内周の径が常温環境において固定子の外径よりも僅かに小さいケースを用意し、該ケースを加熱することで熱膨張によりケース内周の径を固定子の外径よりも拡大させる。このように径が拡大されたケース内に固定子を挿入し、そのまま放置するか或いは冷却することでケース温度を常温に戻す。これにより、ケース内周の径が縮小し、固定子がケースの内周面に対して密着固定される。
しかしながら、上記のような焼き嵌めを行う場合には、ケースという比較的大型な部材を加熱処理することを要するため、加熱設備の大型化を招く。加熱後には、ケースが収縮する前に固定子を挿入することを要するため、加熱設備は作業場の近くに位置させる必要がある。この点より、加熱設備が大型化すると作業場の面積を圧迫することになり、十分な作業スペースを確保できずに作業効率の悪化を招く虞がある。
これに対し、上記特許文献1には、固定子5の外周とフレーム6(ケース)の内周との間に楔10を円周方向に複数圧入して固定する技術が開示されている。該技術によれば、ケースに対して固定子を固定するにあたってケースの加熱を不要とできる。
しかしながら、上記特許文献1のように楔10を圧入する手法は、固定子をケースに対して安定的に固定することが困難とされる。
固定子は、外周部がコア部として形成されており、該コア部は、厚さが例えば0.2mm〜0.3mm程度の電磁鋼板が固定子の軸方向に数百枚程度積層されて形成されている。楔10を固定子とケースとの間に圧入する際には、楔10の圧入方向は固定子の軸方向となるため、楔10の圧入に伴い、コア部を形成する電磁鋼板が変形し易い。このとき、圧入に伴い変形が生じる電磁鋼板は不定であり、また変形量も不定となるため、楔10を介した固定子とケースとの間の固定強度にバラツキが生じ、固定子をケースに対して安定的に固定することが困難となる。
本発明は上記した問題点に鑑み為されたもので、焼き嵌めによる作業効率の悪化の防止を図りつつ、固定子がケースに対して安定的に固定されるようにすることを目的とする。
本発明に係るモータ装置は、回転子と、前記回転子の外周に配置される固定子と、内部に前記回転子と前記固定子とが配置されるケースとを備えたモータ装置であって、前記固定子と前記ケースとの間の複数箇所にそれぞれ冷間嵌め部材が挿入された状態で前記固定子が前記ケースに対して固定されているものである。
上記構成によれば、固定子のケースに対する固定は、固定子とケースとの間の複数箇所にそれぞれ所定の挿入部材を冷間嵌めすることで行われるため、固定子をケースに対して固定するにあたってケースの加熱が不要となり、また楔を圧入する手法を採る場合よりも固定子のケースに対する固定強度のバラツキが抑制される。
上記した本発明に係るモータ装置においては、少なくとも一つの前記冷間嵌め部材に前記固定子の外面に冷却油を導くための油流路が形成されている。
これにより、冷間嵌め部材が固定子に冷却油を供給する冷却回路の一部として共用される。
上記した本発明に係るモータ装置においては、前記冷間嵌め部材に前記油流路の出口開口が複数形成されている。
これにより、固定子の冷却性能を高めることが可能とされる。
上記した本発明に係るモータ装置においては、前記固定子は、略環状に形成されたコア部と、前記コア部の外周面よりも内周側に形成された被巻回部に対して巻回されたコイルを有するコイル部とを有しており、前記出口開口として、前記回転子の軸方向における位置が前記コア部と重なる第一出口開口と、前記軸方向における位置が前記コア部には重ならず前記コイル部と重なる第二出口開口とが形成されている。
これにより、コア部とコイル部の双方にそれぞれ対応する出口開口から冷却油を供給することが可能とされる。
上記した本発明に係るモータ装置においては、前記固定子及び前記ケースの双方に前記冷間嵌め部材を位置決めする溝部が形成されている。
これにより、固定後の固定子が軸周り方向に変位してしまうことの防止を図ることが可能とされる。
上記した本発明に係るモータ装置においては、前記冷間嵌め部材の外形が略円柱状とされている。
これにより、溝部を丸溝形状により形成することが可能とされる。
また、本発明に係る固定子の固定方法は、回転子と、前記回転子の外周に配置される固定子と、内部に前記回転子と前記固定子とが配置されるケースとを備えたモータ装置における固定子の固定方法であって、前記固定子と前記ケースとの間の複数箇所にそれぞれ挿入部材を冷間嵌めすることにより前記固定子を前記ケースに対して固定するものである。
このような固定子の固定方法によっても、上記した本発明に係るモータ装置と同様の作用が得られる。
本発明によれば、焼き嵌めによる作業効率の悪化の防止を図りつつ、固定子がケースに対して安定的に固定されるようにすることができる。
実施の形態としてのモータ装置の概略外観斜視図である。 実施の形態としてのモータ装置の概略分解斜視図である。 実施の形態としてのモータ装置が備えるケースの概略正面図である。 実施の形態としてのモータ装置が備える固定子の概略正面図である。 冷間嵌めによる固定が行われた後における固定子、ケース、及び冷間嵌め部材を正面視により表した図である。 実施の形態としての冷間嵌め部材に形成された油流路の出口開口についての説明図である。 先行例の第一例としてのモータ装置における固定子の固定方法について説明するための図である。 先行例の第二例としてのモータ装置における固定子の固定方法について説明するための図である。 上記第二例としてのモータ装置においてボルトの締結によりコア部に作用する力の向きを表した図である。 上記第二例としてのモータ装置における冷却油の流れを模式的に表した図である。 変形例としてのモータ装置が備える冷間嵌め部材の概略斜視図である。 変形例としてのモータ装置が備えるケースの概略正面図である。 変形例としてのモータ装置が備える固定子の概略正面図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態としてのモータ装置1について説明する。
図1乃至図4は、モータ装置1の概略構成を説明するための図であり、図1、図2はそれぞれモータ装置1の外観斜視図、分解斜視図であり、図3はモータ装置1が備えるケース(ケース5)の正面図、図4はモータ装置1が備える固定子(固定子3)の正面図である。
実施の形態のモータ装置1は、車両用のモータ・ジェネレータとされ、例えば3相交流式の駆動が行われる。
モータ装置1は、回転軸部2aを有する回転子2と、略円筒状に形成され回転子2の外周に配置される固定子3と、回転子2の回転角度を検出するレゾルバ40と、レゾルバ40の一部を構成するレゾルバステータ4と、内部に回転子2と固定子3とレゾルバステータ4とを配置可能な空間を有し回転子2の軸方向における一方側が開口されたケース5と、ケース5の開口を閉塞するカバー6とを備えている。なお、図2及び図3に示されるように、ケース5の上記開口は開口5mと表記する。
また、モータ装置1は、複数の挿入部材7と、軸受ベアリング8及び9と、複数のボルト10と、複数のナット11とを備えている。本例では、挿入部材7の数は三つとされている。また、ボルト10とナット11の数はそれぞれ四つとされている。なお、以下の説明においては、回転子2の軸方向を前後方向と定義する。このとき、ケース5がカバー6によって閉塞される側(つまりケース5に対してカバー6が位置する側の方向)を前側(正面側)と定義する。すなわち、カバー6はケース5の前側に形成された開口5aを閉塞する部材とされる。
回転子2は、回転軸部2aの外周に固着された略円柱状の本体部2bを有しており(図2参照)、該本体部2b内には磁性体が配置されている。回転軸部2aは、本体部2bの前後に突出されている。
回転軸部2aの本体部2bより前側の所定部分には、レゾルバ40を構成する略環状のレゾルバロータ40aが取り付けられている。レゾルバロータ40aは、回転軸部2aの回転に連動して回転する。なお、レゾルバ40は、該レゾルバロータ40aと後述する検出用コイル部40bを有するレゾルバステータ4とを備えて構成されている。
固定子3は、略環状に形成されたコア部3aと、コア部3aの外周面よりも内周側に形成されたコイル部3bとを有している(図2及び図4参照)。コア部3aは、厚さが例えば0.2mm〜0.3mm程度の電磁鋼板が軸方向(回転子2の軸方向に一致)に数百枚程度積層されて形成されている。コア部3aは、外周面よりも内周側にコイルを巻回するための被巻回部が形成されている。コイル部3bは、該被巻回部に巻回された複数のコイルを有する部分とされ、略環状に形成されている。
コイル部3bの前後方向における長さはコア部3aよりも長くされており、コイル部3bの前端はコア部3aの前端よりも前側に位置し、コイル部3bの後端はコア部3aの後端よりも後側に位置している。すなわち、コイル部3bはコア部3aに対して前後それぞれの方向に突出されている。
コイル部3bにおけるコイルに駆動電流が流れることで回転子2に作用する磁界が発生し、回転子2が回転される。
コア部3aの外周面は、一部が固定子側溝部3sa、3sb、3scとして形成されている。これら固定子側溝部3sa、3sb、3scは、回転子2の軸方向に延在する溝部であり、コア部3a外周面の円周方向(回転子2の軸周り方向に一致)において所定間隔を空けて配置されている。本例では、固定子側溝部3sa、3sb、3scの配置間隔は120度間隔とされている。また、本例における固定子側溝部3sa、3sb、3scはそれぞれコア部3aの前端から後端にわたって形成されている。
レゾルバステータ4は、中央に略円形の挿通孔4hが形成されており、正面視で略輪状の形状を有している(図2参照)。挿通孔4hの径は、レゾルバロータ40aを挿通可能な径とされている。レゾルバステータ4は、固定子3のコア部3aと同様に電磁鋼板を軸方向に積層したコア部を有しており、レゾルバステータ4における挿通孔4fの外周部には、該コア部に対して巻回された複数のコイルを有する略環状の検出用コイル部40bが内蔵されている。
また、レゾルバステータ4の検出用コイル部40bよりも外周部分には、それぞれがボルト10を挿通可能とされたボルト挿通孔部4a、4b、4c、4dが形成されている。ボルト挿通孔部4a、4b、4c、4dは、回転子2の軸周り方向において所定間隔を空けて配置されている。
ケース5には、回転子2と固定子3とレゾルバステータ4とを配置可能な略円柱状の内部空間が形成されている(図2及び図3参照)。ここで、該内部空間を取り囲むケース5の内面のことを以下「ケース内面5n」と表記する。
ケース内面5nには、それぞれが前後方向に延在するケース側溝部5a、5b、5cが形成されている。ケース側溝部5a、5b、5cは、ケース内面5nの円周方向(回転子2の軸周り方向に一致)において所定間隔を空けて配置されている。本例では、ケース側溝部5a、5b、5cの配置間隔は、上述した固定子側溝部3sa、3sb、3scの配置間隔に合わせて120度間隔とされている。
本例におけるケース側溝部5a、5b、5cは、ケース5の前端から形成されている。
なお、図示は省略しているが、ケース5の後端部には、軸受ベアリング8を位置決めするための位置決め部が形成されている。
ここで、ケース側溝部5a、5b、5cは、後述するようにケース内面5nと固定子3(コア部3a)との間に挿入部材7、7、7を挿入する際において、上述した固定子側溝部3a、3b、3cと共にこれら挿入部材7、7、7の挿入位置を位置決めする位置決め部として機能する。
カバー6は、略板状の部材とされ、回転子2の回転軸部2aの前端部を挿通可能とされた挿通孔6hが形成されている。また、図示は省略しているが、カバー6後面側における挿通孔6hの外周には、回転軸部2aの前端部が挿通される軸受ベアリング9の位置決め部が形成されている。
さらに、カバー6には、挿通孔6hの外周部にそれぞれがボルト10を挿通可能とされたボルト挿通孔6a、6b、6c、6dが形成されており、これらボルト挿通孔6a、6b、6c、6dは、上述したボルト挿通孔部4a、4b、4c、4dの配置間隔に合わせて、回転子2の軸周り方向において所定間隔で配置されている。
また、カバー6におけるボルト挿通孔4a、4b、4c、4dのさらに外周部には、ケース5外部より冷却油を流入するための油流入口6oa、6ob、6ocが形成されている。
各挿入部材7は、固定子3とケース5との間に挿入される部材であり、冷間嵌め部材で構成されている。冷間嵌め部材とは、常温(室温)状態から所定温度以下に冷却されることで体積が縮小し、冷却状態から常温状態に戻されることで体積が拡大する部材を意味する。本例では、挿入部材7は例えばアルミ又はジュラルミンで構成されている。
本例における挿入部材7は、略四角柱状の外形を有し、前端から後方にかけて延在する油流路7aが内部に形成されている。なお、油流路7aには出口開口が形成されているが、これについては後に改めて説明する。
モータ装置1の組み立て手順の例を説明する。
先ず、冷間嵌め部材としての挿入部材7、7、7を用いて、ケース5に対して固定子3を固定する。具体的には、固定子側溝部3sa、3sb、3scがケース側溝部5a、5b、5cにそれぞれ対向するように固定子3をケース5内に位置させ、固定子側溝部3saとケース側溝部5aとの間、固定子側溝部3sbとケース側溝部5bとの間、固定子側溝部3scとケース側溝部5cとの間のそれぞれに、冷却により常温状態よりも体積が縮小された挿入部材7を挿入する。このように挿入部材7を挿入した状態で所定時間放置し、挿入部材7を常温に戻す。これにより、挿入部材7、7、7はそれぞれ体積が拡大して、固定子側溝部3saとケース側溝部5a、固定子側溝部3sbとケース側溝部5b、固定子側溝部3scとケース側溝部5cにそれぞれ密着する。この結果、固定子3のケース5に対する固定が行われる。
なお、ケース5に対する軸受ベアリング8の位置決め(取り付け)は、固定子3の取り付け前に予め行っておいてもよいし、固定子3の取り付け後に行うものとしてもよい。
図5は、上記のような冷間嵌めによる固定が行われた後(常温に戻された状態)における固定子3、ケース5、及び挿入部材7、7、7を正面視により表している。図示するように固定子3のコア部3aとケース5との間に挿入部材7、7、7が介在していることで、コア部3aの外周面とケース内面5nとの間には空間Sが形成される。この空間Sの幅(径方向の幅)は、ケース側溝部5a、5b、5c、固定子側溝部3sa、3sb、3scの溝深さや、挿入部材7、7、7の厚さ(径方向における厚さ)により調整することが可能である。
上記のように挿入部材7、7、7を用いて固定子3をケース5に対して固定した後には、固定子3の内周に回転子2を位置させる。このとき、回転子2における回転軸部2aの後端部は軸受ベアリング8に挿通させる。これにより、ケース5及び固定子3に対する回転子2の位置が定まる。
さらに、レゾルバステータ4をボルト10及びナット11を用いてカバー6の後面側に取り付ける。すなわち、ボルト挿通孔6a、6b、6c、6dにボルト挿通孔部4a、4b、4c、4dをそれぞれ対向させた状態で、ボルト挿通孔4aと6a、4bと6b、4cと6c、4dと6dにそれぞれ挿通させたボルト10、10、10、10をカバー6の前面側に位置させたナット11、11、11、11に締結させる。
次いで、軸受ベアリング9をカバー6の後面側に形成された位置決め部に取り付けておき、軸受ベアリング9に回転子2の回転軸部2aの前端部が挿通され、且つ挿通孔6hに該前端部が挿入されるようにしてカバー6をケース5に対して取り付ける。これにより、ケース5の開口5mがカバー6によって閉塞される。
なお、軸受ベアリング9のカバー6への取り付けはレゾルバステータ4の取り付け前に行っておいてもよい。或いは、軸受ベアリング9は予め回転軸部2a側に取り付けておいてもよい。また、レゾルバステータ4のカバー6への取り付けは、固定子3の内周に回転子2を位置させる前や、ケース5に対する固定子3の固定前に予め行っておくことも可能である。
上記のようにカバー6がケース5に対して取り付けられた状態では、カバー6における油流入口6oa、6ob、6ocはそれぞれ対応する一つの挿入部材7における油流路7aに連接可能とされる。つまり、油流入口6oa、6ob、6ocを介してモータ装置1外部から油流路7aへと冷却油を供給可能とされている。
なお、流路7aに対する冷却油の供給はカバー6を介して行うことに限定されず、例えばケース5の上面側から供給する等、他の供給手法を採用することができる。
ここで、本実施の形態の挿入部材7には、図6に示すように、油流路7aの出口開口7ef、7esが形成されている。図6において、図6A、図6Cは、挿入部材7により固定子3が固定された状態のケース5及び固定子3を、それぞれ回転子2の回転軸に沿って軸方向に切断した際の断面により表している。なお、図6A及び図6Cにおいては紙面左側が前方側となる。図6Aでは、挿入部材7は切断しておらず、図6Cでは挿入部材7を切断した断面を示している。
図6A及び図6Cに示すように、出口開口7efは、前後方向(軸方向)における位置が固定子3のコア部3aと重なっている。図6Bは、挿通部材7を前後方向における出口開口7efの形成位置で切断した際の断面を表しているが、出口開口7efは、左右の双方に形成されている。このような出口開口7ef、7efにより、油流路7aに流入した冷却油をコア部3aに対して流出させることができる。
また、出口開口7esは、前後方向における位置がコア部3aとは重ならず、コイル部3bと重なっている。本例では、出口開口7esは、コイル部3bにおけるコア部3aよりも前方部分に前後方向位置が重なるものと、コイル部3bにおけるコア部3aよりも後方部分に前後方向位置が重なるものとの二つが形成されている。
上記のような出口開口7es、7esにより、油流路7aに流入した冷却油をコイル部3bに対しても流出させることができる。
本例では、挿入部材7は3箇所に設けられ(図5参照)、各箇所において上記のような出口開口7ef、7esを介した冷却油の流出が行われる。このように冷却油の流出を複数箇所で行うことにより、固定子3の冷却性能の向上が図られる。
ここで、図7乃至図10を参照して、先行例としてのモータ装置における固定子の固定手法について説明しておく。
図7Aは、先行例の第一例としてのモータ装置における固定子の固定手法について説明するための図であり、先の図6と同様に固定子103とケース105とを回転子の回転軸に沿って軸方向に切断した際の断面を表している。
先行例の第一例は、焼き嵌めにより固定子103(コア部103a)をケース105に対して固定するものである。図7Aでは、太線によりケース105に対する固定子103の焼き嵌め密着部分(コア部103aの外周部分)を表している。
焼き嵌めにより固定子103をケース105に対して固定すると、ケース105内に冷却油の流路を設けたとしても、コア部103aがケース内面105nに対して密着しているため、コイル部103bの冷却は比較的容易であるがコア部103aの冷却が困難となる。
図7Bに示すようにケース105側の一部に溝部を形成しておくことで、該溝部を介してコア部103aの外周面に冷却油を供給することは可能となるが、その場合、冷却可能な部分は該溝部を形成した部分に限られ、冷却性能を高めることが困難となる。
固定子3の発熱に伴いモータ装置の温度が上昇した場合には、モータ装置の制御装置がモータ装置の出力制限を行うことが考えられる。固定子3の発熱はモータ装置にかかる負荷に応じたものとなるため、固定子103の冷却性能はモータ装置の対応可能負荷範囲を左右するものとなる。
図8は、先行例の第二例としてのモータ装置における固定子の固定手法について説明するための図であり、該モータ装置におけるケース105Aと固定子103Aとを正面視により示している。該第二例においては、固定子103Aのケース105Aに対する固定がボルト111により行われる。固定子103Aには、コア部103Aaの外周部にボルト111を軸方向に挿通可能な複数の取付用ボス103Atが形成されている(図中では3箇所の例を示している)。
この場合、ボルト111は、ケース105Aの後端部に形成された締結用孔部において締結され、該締結により固定子103Aがケース105Aに対して固定される。
第二例としてのモータ装置においては、第一例の場合とは異なり、ケース内面105nとコア部103Aaの外周面との間に冷却油を流し込むための空間を形成可能とされる。
しかしながら、コア部103Aaは電磁鋼板が軸方向に複数積層された構造とされているため、上記のように軸方向にボルト111を締結した際には、締結時の軸力によりコア部103Aaが不定量潰れてしまう。図9では、ボルト111の締結によりコア部103Aaに作用する力の向きを矢印によって表している。
上記のようなコア部103Aaの不定量の潰れに起因して、第二例としてのモータ装置においてはボルト111による固定子103Aの固定強度にバラツキが生じ易く、固定子103Aをケース105Aに対して安定的に固定することが困難とされる。
また、第二例としてのモータ装置では、コア部103Aaに取付用ボス103Atが形成されているため、図10に模式的に表すように、ケース105Aに形成された冷却油流路の出口開口105Aeとの位置関係によっては、該取付用ボス103Atが冷却油の流れを阻害する要因となってしまう。具体的には、図10に例示するように、出口開口105Aeより流出した冷却油が取付用ボス103Atを乗り越えることができず、コイル部103a側に流出してしまう。つまり、コア部103Aaの一部(図中の取付用ボス103Atの下方部分)に冷却油を供給できなくなり、コア部103Atの冷却性能の低下を招いてしまう。特に、モータ装置が実施の形態の場合のように車両に搭載される場合には、登降坂等による車両姿勢変化に伴いモータ装置が前後方向等に傾くため、冷却油が取付用ボス103Atの軸方向に流れ易く、冷却油の下方への流れを阻害する可能性が高まる。
上記のような先行例としてのモータ装置に対し、実施の形態のモータ装置1は、焼き嵌めのためにケース5を加熱することが不要となるため、加熱設備を作業場近くに位置させることも不要となり、作業スペースの圧迫が抑制され、作業効率の向上を図ることができる。
また、モータ装置1によれば、コア部3外周面の比較的広い領域に冷却油を供給可能となるため、固定子3の冷却性能の向上を図ることができ、モータ装置1の対応可能負荷範囲の拡大を図ることができる。
また、先行例としてのモータ装置では、固定子3に冷却油を供給するための流路をケース105Aに対して形成するか、或いは別途の専用部材で形成することになるが、ケース105Aに対して冷却油の流路を形成することは、ケース105Aの構造の複雑化を招くと共にケース105Aの薄型化が困難となり、ケース105Aの作成難易度が増してコストアップを助長し、またモータ装置の小型化が困難となる。また、専用部材により冷却油を供給する場合には部品点数の増加を招きコストアップを助長する。
これに対し、モータ装置1においては挿入部材7が冷却油の流路を兼ねるため、ケース5に対して冷却油の流路を形成することが不要となり、ケース5の構造の複雑化が防止されケース5の薄型化が可能となってモータ装置1のコストの削減、及び小型化を図ることができる。また、冷却油を供給するための専用部材も不要となるため、この点でもコスト削減を図ることができる。
なお、上記では、実施の形態のモータ装置1が備える挿入部材7の外形を略四角柱状とする例を挙げたが、挿入部材7の外形は図12の概略斜視図に示す挿入部材7Aのように略円柱状とすることもできる。
この場合のモータ装置1においては、ケース5、固定子3に代えて、図12、図13の概略正面図にそれぞれ示すケース5A、固定子3Aを用いる。すなわち、ケース5Aは、ケース側溝部5a、5b、5cに代えてそれぞれ丸溝によるケース側溝部5a’、5b’、5c’が形成されたものであり、固定子3Aは、固定子側溝部3sa、3sb、3scに代えてそれぞれ丸溝による固定子側溝部3sa’、3sb’、3sc’が形成されたコア部3aAが、コア部3aに代えて設けられたものである。
なお、挿入部材7Aにおいても、挿入部材7と同様に油流路7aや出口開口7ef、7esを形成することができる。
以上で説明したように実施の形態のモータ装置(1)は、回転子(2)と、回転子の外周に配置される固定子(3又は3A)と、内部に回転子と固定子とが配置されるケース(5又は5A)とを備えたモータ装置であって、固定子とケースとの間の複数箇所にそれぞれ冷間嵌め部材(挿入部材7又は7A)が挿入された状態で固定子がケースに対して固定されているものである。
上記構成によれば、固定子のケースに対する固定は、固定子とケースとの間の複数箇所にそれぞれ所定の挿入部材を冷間嵌めすることで行われるため、固定子をケースに対して固定するにあたってケースの加熱が不要となり、また楔を圧入する手法を採る場合よりも固定子のケースに対する固定強度のバラツキが抑制される。
従って、焼き嵌めによる作業効率の悪化の防止を図りつつ、固定子がケースに対して安定的に固定されるようにすることができる。
また、実施の形態のモータ装置においては、少なくとも一つの冷間嵌め部材に固定子の外面に冷却油を導くための油流路(7a)が形成されている。
これにより、冷間嵌め部材が固定子に冷却油を供給する冷却回路の一部として共用される。
従って、モータ装置の部品点数削減、及びコスト削減を図ることができる。また、ケースに対する油流路の形成が不要となるため、ケース構造の複雑化の防止及び薄型化を図ることができ、モータ装置のコストの削減、及び小型化を図ることができる。
さらに、実施の形態のモータ装置においては、冷間嵌め部材に油流路の出口開口(7ef又は7es)が複数形成されている。
これにより、固定子の冷却性能を高めることが可能とされ、モータ装置の対応可能負荷範囲の拡大を図ることができる。
さらにまた、実施の形態のモータ装置においては、固定子は、略環状に形成されたコア部(3a又は3aA)と、コア部の外周面よりも内周側に形成された被巻回部に対して巻回されたコイルを有するコイル部(3b)とを有しており、出口開口として、回転子の軸方向における位置がコア部と重なる第一出口開口(出口開口7ef)と、軸方向における位置がコア部には重ならずコイル部と重なる第二出口開口(出口開口7es)とが形成されている。
これにより、コア部とコイル部の双方にそれぞれ対応する出口開口から冷却油を供給することが可能とされる。
従って、固定子の冷却性能をより高めることができ、モータ装置の対応可能負荷範囲のさらなる拡大を図ることができる。
また、実施の形態のモータ装置においては、固定子及びケースの双方に冷間嵌め部材を位置決めする溝部が形成されている。
これにより、固定後の固定子が軸周り方向に変位してしまうことの防止を図ることが可能とされる。
従って、固定子と回転子との相対位置関係が所定の位置関係からずれることに伴うモータ装置の動作不具合の発生防止を図ることができる。
さらに、実施の形態のモータ装置においては、冷間嵌め部材の外形が略円柱状とされている。
これにより、ケース側、固定子側の各溝部を丸溝形状で形成することが可能とされ、溝部の形成を容易化できる。特に、角溝を形成する場合よりも溝部の形成を容易化できる。
また、実施の形態としての固定子の固定方法は、回転子と、回転子の外周に配置される固定子と、内部に回転子と固定子とが配置されるケースとを備えたモータ装置における固定子の固定方法であって、固定子とケースとの間の複数箇所にそれぞれ挿入部材を冷間嵌めすることにより固定子をケースに対して固定するものである。
このような固定子の固定方法によっても、実施の形態のモータ装置と同様の作用及び効果を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記で説明した具体例に限定されず、多様な変形例が考えられる。
例えば、上記では、本発明が車両用のモータ・ジェネレータに適用される場合を例示したが、ジェネレータとしての機能を有することは必須ではなく、用途についても車両用に限定されず、例えば各種家電製品用など他用途にも適用可能である。また、本発明に係るモータ装置は3相交流式のモータ装置に限定されるものでもない。
また、冷間嵌め部材の挿入箇所や溝部(固定子側、ケース側の少なくとも一方)の形成箇所は上記で例示した3箇所に限定されず、4箇所以上、或いは2箇所とすることも可能である。固定子がケースに対して直に接しないようにするためには、冷間嵌め部材の挿入箇所や溝部の形成箇所は少なくとも2箇所とされればよい。
また、モータ装置を構成する各部の形状は図示したものに限定されず、例えばケースの形状は環状等の他の形状とすることもできる。
また、ケースは片側のみ開口された例を挙げたが、両側が開口されたものであってもよい。
1 モータ装置、2 回転子、2a 回転軸部、3、3A 固定子、3a、3aA コア部、3b コイル部、3sa〜3sc、3sa’〜3sc’ 固定子側溝部、4 レゾルバステータ、5 ケース、5m 開口、5n ケース内面、5a〜5c、5a’〜5c’ ケース側溝部、6oa〜6oc 油流入口、7、7A 挿入部材、7a 油流路、7ef、7es 出口開口、40 レゾルバ、40a レゾルバロータ、40b 検出用コイル部

Claims (7)

  1. 回転子と、前記回転子の外周に配置される固定子と、内部に前記回転子と前記固定子とが配置されるケースとを備えたモータ装置であって、
    前記固定子と前記ケースとの間の複数箇所にそれぞれ冷間嵌め部材が挿入された状態で前記固定子が前記ケースに対して固定されている
    モータ装置。
  2. 少なくとも一つの前記冷間嵌め部材に前記固定子の外面に冷却油を導くための油流路が形成されている
    請求項1に記載のモータ装置。
  3. 前記冷間嵌め部材に前記油流路の出口開口が複数形成されている
    請求項2に記載のモータ装置。
  4. 前記固定子は、略環状に形成されたコア部と、前記コア部の外周面よりも内周側に形成された被巻回部に対して巻回されたコイルを有するコイル部とを有しており、
    前記出口開口として、前記回転子の軸方向における位置が前記コア部と重なる第一出口開口と、前記軸方向における位置が前記コア部には重ならず前記コイル部と重なる第二出口開口とが形成されている
    請求項3に記載のモータ装置。
  5. 前記固定子及び前記ケースの双方に前記冷間嵌め部材を位置決めする溝部が形成されている
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載のモータ装置。
  6. 前記冷間嵌め部材の外形が略円柱状とされている
    請求項5に記載のモータ装置。
  7. 回転子と、前記回転子の外周に配置される固定子と、内部に前記回転子と前記固定子とが配置されるケースとを備えたモータ装置における固定子の固定方法であって、
    前記固定子と前記ケースとの間の複数箇所にそれぞれ挿入部材を冷間嵌めすることにより前記固定子を前記ケースに対して固定する
    固定子の固定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020135981A1 (en) * 2018-12-26 2020-07-02 Arcelik Anonim Sirketi A motor comprising a stator fixed to the casing
JP2021069251A (ja) * 2019-10-28 2021-04-30 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 回転電機

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