JP4941635B2 - 固体廃棄物の処理方法及びホウ素不溶化処理薬剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ホウ素を含有する固体廃棄物の処理方法及び処理薬剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、焼却灰、汚染土壌などのホウ素を含有する固体廃棄物中のホウ素を不溶化し、ホウ素の溶出を簡便かつ効果的に防止することができる固体廃棄物の処理方法及び処理薬剤に関する。
ホウ素化合物は、ガラス、陶器、ほうろう、断熱材、電気メッキ、半導体材料、医薬品、化粧品などのさまざまな用途に使用され、これらの製造工程などから発生する固体廃棄物にはホウ素が含まれている。また、ごみ焼却場の焼却灰や飛灰などにもホウ素が含まれる場合がある。固体廃棄物からホウ素が溶出すると人の健康にかかわる被害が生ずるおそれがあり、過剰のホウ素は水稲や甜菜の生育を阻害するおそれがあるために、平成15年2月に土壌汚染対策法が施行され、ホウ素の溶出基準値が1.0mg/Lに定められた。
ホウ素を含有する固体廃棄物には、ガラス製造工程において発生する固体廃棄物などのように、同時にフッ素を含有する場合がある。土壌汚染対策法には、フッ素の溶出基準値が0.8mg/Lと定められている。このようなホウ素とフッ素を含有する固体廃棄物は、一度の処理でホウ素とフッ素の両者を不溶化し得ることが好ましい。このために、固体廃棄物中に含まれるホウ素とフッ素を不溶化する技術が開発されている。
例えば、廃棄物中のフッ素、ホウ素などの溶出を同時に低減し、処理前の有害元素の濃度に拘わらず、処理後の有害元素の溶出濃度を一定基準以下に低減する廃棄物の安定化処理方法として、廃棄物にリン酸を添加撹拌する工程に続いてアルカリ物質を加えて混合処理したのち、又はアルカリ物質を添加撹拌する工程に続いてリン酸を加えて混合処理したのち、又はリン酸及びアルカリ物質を同時に加えて混合処理したのち、廃棄物を静置する養生工程を設けて環境有害物質の難溶化を促進する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では、スラリー状で混練したり、養生を必要とするなど、処理に手間がかかる上に、十分な効果が得られない。
土壌又は焼却灰からフッ素又はホウ素が溶出し、人の健康や動植物へ悪影響を及ぼすことを防止するフッ素又はホウ素の固化不溶化方法として、土壌又は焼却灰にポルトランドセメントなどの水硬性結合材を添加、混合する方法が提案されている(特許文献2)。また、処理後の土壌が高いアルカリ性になることなく、フッ素又はホウ素を含む土壌若しくは焼却灰を固化することにより、フッ素又はホウ素の溶出を抑制し、同時に強度を発現させる方法として、土壌若しくは焼却灰に酸化マグネシウムを粉体又はスラリー状で添加、混合するフッ素又はホウ素の溶出抑制方法が提案されている(特許文献3)。しかし、これらの方法は、養生を必要として処理に手間がかかる上に、十分な効果が得られない。
さらに、フッ素含有固体廃棄物を、容易、効率的かつ安全に処理して、処理物からのフッ素の溶出を防止することができる処理方法として、フッ素含有固体廃棄物にリン酸化合物及びカルシウム化合物を添加して混練する方法が提案されている(特許文献4)。しかし、この提案では、ホウ素については言及されておらず、また、リン酸化合物やカルシウム化合物の種類や処理条件について十分な検討がないので、確実な処理のためには別途検討が必要である。このように、固体廃棄物中のホウ素及びフッ素を、環境基準を満足するレベルで確実に不溶化し得る技術は確立されていない。
特開2004−305833号公報 特開2004−89816号公報 特開2004−298741号公報 特開2002−331272号公報
本発明は、焼却灰、汚染土壌などのホウ素を含有する固体廃棄物中のホウ素を不溶化し、ホウ素の溶出を簡便かつ効果的に防止することができる固体廃棄物の処理方法及び処理薬剤を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ホウ素又はホウ素とフッ素とを含有する固体廃棄物にリン酸化合物とカルシウム化合物を加えて混合することにより、ホウ素又はホウ素とフッ素とを不溶化して、土壌汚染対策法に規定される環境基準値以下に溶出量を低下させ得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ホウ素を含有する石炭灰固形物に対してオルトリン酸と水酸化カルシウムを加えて混合し、ホウ素を不溶化する方法において、オルトリン酸の添加量が、水酸化カルシウムに対して0.1〜0.8当量倍であることを特徴とする固体廃棄物の処理方法、
(2)ホウ素とフッ素を含有する石炭灰固形物に対してオルトリン酸と水酸化カルシウムを加えて混合し、ホウ素とフッ素を不溶化する方法において、オルトリン酸の添加量が、水酸化カルシウムに対して0.1〜0.8当量倍であることを特徴とする固体廃棄物の処理方法、及び、
オルトリン酸の含有量が、水酸化カルシウムに対して0.1〜0.8当量倍である固体状のオルトリン酸と固体状の水酸化カルシウムとを含む粉体組成物であって、(1)又は(2)に記載の固体廃棄物の処理方法に用いることを特徴とするホウ素不溶化処理薬剤、
を提供するものである。
本発明の固体廃棄物の処理方法及び処理薬剤によれば、ホウ素を含有する固形物にリン酸化合物とカルシウム化合物を加えて混合するという簡便な操作により、ホウ素を不溶化することができ、さらにフッ素が共存する場合はフッ素をも同時に不溶化して、ホウ素とフッ素の溶出量を、土壌汚染対策法に規定される環境基準値以下に低下させることができる。
本発明の固体廃棄物の処理方法においては、ホウ素を含有する固形物に対してリン酸化合物とカルシウム化合物を加えて混合し、ホウ素を不溶化する。本発明方法においては、ホウ素を含有する固体廃棄物がフッ素も含有する場合、リン酸化合物とカルシウム化合物を加えて混合することにより、ホウ素とフッ素を不溶化することができる。
本発明方法に用いるリン酸化合物としては、例えば、オルトリン酸、次亜リン酸、メタ亜リン酸、ピロ亜リン酸、正亜リン酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、縮合リン酸などのリン酸類、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウムなどのリン酸塩類などを挙げることができる。これらの中で、オルトリン酸(H3PO4)及びその塩を好適に使用することができる。本発明方法において、リン酸化合物の添加量に特に制限はなく、固体廃棄物のホウ素含有量などに応じて適宜選択することができるが、通常はホウ素を含有する固体廃棄物100重量部に対して、0.5〜15重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。
本発明方法に用いるカルシウム化合物としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素酸カルシウム、過塩素酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムなどを挙げることができる。これらの中で、水酸化カルシウム及び硫酸カルシウムを好適に用いることができる。本発明方法において、カルシウム化合物の添加量に特に制限はなく、固体廃棄物のホウ素含有量などに応じて適宜選択することができるが、通常はホウ素を含有する固体廃棄物100重量部に対して、0.5〜20重量部であることが好ましく、2〜15重量部であることがより好ましい。
本発明方法においては、リン酸根とカルシウムを含有する化合物をリン酸化合物兼カルシウム化合物として用いることができる。すなわち、ホウ素を含有する固体廃棄物に、リン酸根とカルシウムを含有する1種の化合物を加えて、リン酸化合物とカルシウム化合物を加えたことにすることができる。このようなリン酸根とカルシウムを含有する化合物としては、例えば、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸カルシウム、次亜リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、次リン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイトなどを挙げることができる。これらの中で、リン酸カルシウム及びヒドロキシアパタイトを好適に用いることができる。本発明方法において、リン酸根とカルシウムを含有する化合物の添加量に特に制限はなく、固体廃棄物のホウ素含有量などに応じて適宜選択することができるが、通常はホウ素を含有する固体廃棄物100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、5〜20重量部であることがより好ましい。
本発明方法においては、リン酸化合物がオルトリン酸であり、カルシウム化合物が水酸化カルシウムであるとき、オルトリン酸の添加量が、水酸化カルシウムに対して0.1〜1当量倍であることが好ましく、0.2〜0.8当量倍であることがより好ましい。ホウ素を含有する固体廃棄物に対する水酸化カルシウムの添加量を一定に保ったまま、オルトリン酸の添加量を増していくと、使用する薬剤の全量が増加するとともに、水酸化カルシウムに対するオルトリン酸の当量倍数も上昇する。このとき、使用する薬剤の全量が増加するにも拘わらず、水酸化カルシウムに対するオルトリン酸の当量倍数が上昇すると、ホウ素及びフッ素の不溶化効果が低下し、処理された固体廃棄物からのホウ素及びフッ素の溶出濃度が上昇する。オルトリン酸の添加量が水酸化カルシウムに対して0.1当量倍未満であると、ホウ素及びフッ素に対する不溶化効果が十分に発現しないおそれがある。オルトリン酸の添加量が水酸化カルシウムに対して1当量倍を超えると、添加する薬剤の全量が増加しても、ホウ素及びフッ素に対する不溶化効果が低下する。
本発明方法において、固体廃棄物に含まれるホウ素及びフッ素が不溶化される詳細な機構は明らかではないが、ホウ素は、リン酸化合物とカルシウム化合物から生成するリン酸カルシウムや、固体廃棄物中に共存する酸化アルミニウムとカルシウム化合物から生成するアルミン酸カルシウムなどに吸着固定されると考えられる。また、フッ素は、リン酸化合物とカルシウム化合物がフッ素と非常に安定なフッ素アパタイトを形成することにより固定されると推定される。
本発明の固体廃棄物の処理薬剤は、固体状のリン酸化合物と固体状のカルシウム化合物とを含む粉体からなる。固体状のリン酸化合物と固体状のカルシウム化合物とを用いることにより、リン酸化合物とカルシウム化合物を混合して一剤化することが可能となり、液体と固体を併用する煩雑さをなくすことができる。固体状のリン酸化合物としては、例えば、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩などを挙げることができる。これらの固体状のリン酸化合物の中で、リン酸二水素ナトリウムを好適に用いることができる。固体状のカルシウム化合物としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムなどを挙げることができる。これらの固体状のカルシウム化合物の中で、水酸化カルシウム及び硫酸カルシウム半水和物を好適に用いることができる。
本発明の固体廃棄物の処理方法及び処理薬剤によれば、固体廃棄物中に含まれるフッ素及びホウ素を不溶化してその溶出を防止することができるが、ホウ素とフッ素に限らず、鉛、ヒ素、セレンなどに対しても不溶化効果が発現し、有害重金属類の溶出も防止することができる。本発明方法及び薬剤を適用する固体廃棄物としては、例えば、焼却炉、発電ボイラなどから排出される飛灰や、汚染土壌、汚泥などを挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、ホウ素、フッ素、鉛、ヒ素及びセレンの溶出試験は、平成3年環境庁告示第46号に定められた方法に準じて行った。
実施例1
石炭を主燃料とする発電ボイラから発生する飛灰(石炭灰)について溶出試験を行ったところ、ホウ素は4.5mg/L、フッ素は3.3mg/Lであり、環境基準値であるホウ素1.0mg/L、フッ素0.8mg/Lを大きく上回った。土壌汚染対策法に第二種特定有害物質として定められている鉛、ヒ素、セレンについても溶出試験を行った。鉛0.005mg/L、ヒ素0.045mg/L、セレン0.029mg/Lであった。
この石炭灰100重量部に対して、75重量%オルトリン酸水溶液2重量部と、水酸化カルシウム3重量部とを添加し、フッ素樹脂製スパーテルを用いて均一に混合し、溶出試験を行った。オルトリン酸の添加量は水酸化カルシウムに対して0.57当量倍である。ホウ素の溶出濃度は検出限界の0.1mg/L未満であり、フッ素の溶出濃度は検出限界の0.2mg/L未満であり、ホウ素、フッ素ともに不溶化されたことが分かった。鉛は検出限界の0.001mg/L未満、ヒ素は検出限界の0.005mg/L未満、セレンは検出限界の0.005mg/L未満であった。
実施例1の結果を、第1表に示す。
Figure 0004941635
第1表に見られるように、石炭灰にオルトリン酸と水酸化カルシウムを添加して混合することにより、ホウ素、フッ素のみならず、鉛、ヒ素、セレンも不溶化されて、溶出濃度が検出限界未満まで低下する。
参考例
石炭灰100重量部に、リン酸二水素ナトリウム2重量部と水酸化カルシウム3重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は検出限界の0.1mg/L未満であり、フッ素は検出限界の0.2mg/L未満であった。
参考例
石炭灰100重量部に、トリポリリン酸ナトリウム3重量部と水酸化カルシウム3重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は0.4mg/Lであり、フッ素は0.8mg/Lであった。
参考例
石炭灰100重量部に、ピロリン酸ナトリウム3重量部と水酸化カルシウム3重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は0.8mg/Lであり、フッ素は0.6mg/Lであった。
参考例
石炭灰100重量部に、リン酸カルシウム10重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は0.6mg/Lであり、フッ素は0.4mg/Lであった。
参考例
石炭灰100重量部に、ヒドロキシアパタイト[和光純薬工業(株)、Ca10(PO4)6(OH)2]10重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は0.8mg/Lであり、フッ素は0.8mg/Lであった。
比較例1
石炭灰100重量部に、75重量%オルトリン酸水溶液5重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は3.0mg/Lであり、フッ素は0.2mg/Lであった。
比較例2
石炭灰100重量部に、水酸化カルシウム5重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は2.0mg/Lであり、フッ素は1.2mg/Lであった。
比較例3
石炭灰100重量部に、酸化マグネシウム5重量部を添加した以外は、実施例1と同様に処理して、ホウ素とフッ素の溶出濃度を測定した。ホウ素は1.1mg/Lであり、フッ素は0.4mg/Lであった。
実施例1及び参考例2〜6及び比較例1〜3の結果を、第2表に示す。
Figure 0004941635
第2表に見られるように、石炭灰にリン酸化合物とカルシウム化合物を添加して処理した実施例1及び参考例2〜4では、ホウ素とフッ素の溶出濃度が低く、ホウ素とフッ素が不溶化されている。特に、リン酸化合物として、オルトリン酸を用いた実施例1と、リン酸二水素ナトリウムを用いた参考例2では、ホウ素、フッ素ともに溶出濃度が検出限界未満まで低下している。リン酸化合物とカルシウム化合物として、リン酸化合物でもあり、カルシウム化合物でもあるリン酸カルシウムを加えた参考例5と、ヒドロキシアパタイトを加えた参考例6でも、ホウ素、フッ素ともに溶出濃度が低下している。
これに対して、石炭灰にリン酸化合物のみを添加した比較例1と、カルシウム化合物のみを添加した比較例2では、ホウ素に対する不溶化効果が不十分である。水硬性結合剤である酸化マグネシウムを添加した比較例3でも、ホウ素に対する不溶化効果がやや不十分である。
実施例7
石炭灰100重量部に対して、75重量%オルトリン酸水溶液3重量部と、水酸化カルシウム3重量部とを添加した以外は、実施例1と同様に処理した。水酸化カルシウムの添加量はオルトリン酸に対して0.85当量倍である。ホウ素の溶出濃度は0.5mg/Lであり、フッ素の溶出濃度は0.2mg/Lであった。
実施例8
石炭灰100重量部に対して、75重量%オルトリン酸水溶液5重量部と、水酸化カルシウム3重量部とを添加した以外は、実施例1と同様に処理した。水酸化カルシウムの添加量はオルトリン酸に対して1.41当量倍である。ホウ素の溶出濃度は1.2mg/Lであり、フッ素の溶出濃度は0.7mg/Lであった。
実施例9
石炭灰100重量部に対して、75重量%オルトリン酸水溶液2重量部と、水酸化カルシウム6重量部とを添加した以外は、実施例1と同様に処理した。水酸化カルシウムの添加量はオルトリン酸に対して0.28当量倍である。ホウ素の溶出濃度は検出限界の0.1mg/L未満であり、フッ素の溶出濃度は検出限界の0.2mg/L未満であった。
実施例10
石炭灰100重量部に対して、75重量%オルトリン酸水溶液4重量部と、水酸化カルシウム6重量部とを添加した以外は、実施例1と同様に処理した。水酸化カルシウムの添加量はオルトリン酸に対して0.57当量倍である。ホウ素の溶出濃度は検出限界の0.1mg/L未満であり、フッ素の溶出濃度は検出限界の0.2mg/L未満であった。
実施例11
石炭灰100重量部に対して、75重量%オルトリン酸水溶液8重量部と、水酸化カルシウム6重量部とを添加した以外は、実施例1と同様に処理した。水酸化カルシウムの添加量はオルトリン酸に対して1.13当量倍である。ホウ素の溶出濃度は1.0mg/Lであり、フッ素の溶出濃度は0.3mg/Lであった。
実施例1及び実施例7〜11の結果を第3表に示す。
Figure 0004941635
第3表に見られるように、実施例1、実施例7及び実施例8を比較すると、この順にオルトリン酸水溶液の添加量が増え、水酸化カルシウムの添加量は一定であり、全体として薬剤の使用量は増加しているが、オルトリン酸水溶液の添加量が多く、水酸化カルシウムに対するオルトリン酸の当量倍が大きくなると、ホウ素とフッ素の溶出濃度が高くなり、不溶化効果が低下している。実施例9、実施例10及び実施例11についても、同様な傾向が認められる。
本発明の固体廃棄物の処理方法及び処理薬剤によれば、ホウ素を含有する固形物にリン酸化合物とカルシウム化合物を加えて混合するという簡便な操作により、ホウ素を不溶化することができ、さらにフッ素が共存する場合はフッ素をも同時に不溶化して、ホウ素とフッ素の溶出量を、土壌汚染対策法に規定される環境基準値以下に低下させることができる。

Claims (3)

  1. ホウ素を含有する石炭灰固形物に対してオルトリン酸と水酸化カルシウムを加えて混合し、ホウ素を不溶化する方法において、オルトリン酸の添加量が、水酸化カルシウムに対して0.1〜0.8当量倍であることを特徴とする固体廃棄物の処理方法。
  2. ホウ素とフッ素を含有する石炭灰固形物に対してオルトリン酸と水酸化カルシウムを加えて混合し、ホウ素とフッ素を不溶化する方法において、オルトリン酸の添加量が、水酸化カルシウムに対して0.1〜0.8当量倍であることを特徴とする固体廃棄物の処理方法。
  3. オルトリン酸の含有量が、水酸化カルシウムに対して0.1〜0.8当量倍である固体状のオルトリン酸と固体状の水酸化カルシウムとを含む粉体組成物であって、請求項1又は2に記載の固体廃棄物の処理方法に用いることを特徴とするホウ素不溶化処理薬剤。
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