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フッ素難溶化・安定化処理材及びフッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰の処理方法

Abstract

【課題】フッ素汚染土壌及びフッ素汚染灰を、容易かつ効率的に安定化でき、フッ素の不溶化に優れ、特に、酸性雨等の影響によりpHの変動が生じた場合であっても、一度処理、固化した土壌等からのフッ素溶出低減効果を、長期間にわたり維持しうるフッ素難溶化・安定化処理材及びフッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰の処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明の処理材は、石膏、石灰、硫酸鉄及びリン酸化合物を、更に必要に応じて非晶質水酸化アルミニウム等を含む。本発明の処理方法は、フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰に、上記処理材を混合することを特徴とする。
【選択図】なし

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JP2007330884A

Japan

Other languages
English
Inventor
Hiroshi Yamauchi
寛 山内
Current Assignee
Hazama Ando Corp

Worldwide applications
2006 JP

Application JP2006165113A events
Pending

Description

本発明は、フッ素により汚染されたフッ素汚染土壌又は灰におけるフッ素を難溶化・安定化する処理材及びその処理方法に関する。
フッ素汚染土壌を処理して埋戻し土に利用する、又は埋土処分する、あるいは、フッ素を含有する産業廃棄物を焼却したフッ素汚染灰を処理して地盤材料等に利用する、又は埋立処分するにあたって、フッ素の溶出を防止する処理を施すことが望ましい。そこで、フッ素汚染土壌や灰に含まれるフッ素を、難溶化する処理材や処理方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、リン酸化合物及びカルシウム化合物を含む処理資材が、特許文献2には、カルシウム化合物とアルミニウム化合物のいずれかを添加する処理方法が、特許文献3には、鉱酸により対象をpH2〜4にした後、アルミニウム塩又は鉄塩を加え、更にアルカリを加えてpH3〜10に調節する方法が、特許文献4には、リン酸質肥料又はそれに加えてカルシウム資材を散布又は添加・混合する方法がそれぞれ提案されている。
特許文献1及び特許文献4に記載された処理資材では、フッ化アパタイトが形成されてフッ素の溶出量低減が得られるが、酸性下においてはフッ素の溶出量が高くなり、自然環境における長期間酸性雨にさらされる状況では、対象物のpHが下がり、フッ素の溶出低減効果が低下する。このような現象は、特許文献3に記載される方法を用いた場合も同様である。
特許文献2に記載された処理方法では、フッ素溶出量を、環境基準以下に抑えるためには、アルミニウム化合物にポリ塩化アルミニウムを用いた場合のみであり、しかも液体薬剤の添加量を非常に多くする必要があるため、処理後の土壌が軟弱化するうえ、フッ素等を含む余剰水の周辺環境への流出を招く恐れがあり、実用的ではない。加えて、自然環境における長期間酸性雨にさらされる状況では、対象物のpHが下がり、フッ素の溶出低減効果が更に低下する。
特開2002−331272号公報 特開2003−236521号公報 特開2002−326081号公報 特開2005−58917号公報
本発明の課題は、フッ素汚染土壌及びフッ素汚染灰を、容易かつ効率的に安定化でき、フッ素の不溶化に優れ、特に、酸性雨等の影響によりpHの変動が生じた場合であっても、一度処理、固化した土壌等からのフッ素溶出低減効果を、長期間にわたり維持しうるフッ素難溶化・安定化処理材及びフッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰の処理方法を提供することにある。
本発明によれば、フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰中のフッ素を難溶化・安定化する処理材であって、石膏、石灰、硫酸鉄及びリン酸化合物を、更に必要に応じて非晶質水酸化アルミニウム等を含むことを特徴とするフッ素難溶化・安定化処理材が提供される。
また本発明によれば、フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰に、上記処理材を混合することを特徴とするフッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰の処理方法が提供される。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材は、石膏、石灰、硫酸鉄及びリン酸化合物を含むので、フッ素汚染土壌及びフッ素汚染灰を、容易かつ効率的に安定化でき、フッ素の不溶化に優れ、特に、酸性雨等の影響によりpHの変動が生じた場合であっても、一度処理、固化した土壌等からのフッ素溶出低減効果を、長期間にわたり維持することができる。
また、本発明のフッ素難溶化・安定化処理材に含有されるリン酸化合物は、河川水等の環境中に流出すると、富栄養塩として藻類等の増殖による汚濁を促進することが知られているが、本発明においては、含有されるリン酸化合物のリン酸の溶出率も極めて低濃度に抑えることができる。これは、本発明のフッ素難溶化・安定化処理材に含まれる鉄塩及び/又はカルシウム化合物と、該リン酸化合物のリンとにより錯体が形成されるためと考えられる。従って、本発明のフッ素難溶化・安定化処理材は、リン酸化合物を含むものであるが、その流出をもほぼ抑えることができ、前記富栄養塩による環境汚染の心配もない。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材は、無水石膏、半水石膏、二水石膏等の石膏と、生石灰、消石灰等の石灰と、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等の硫酸鉄と、リン酸化合物とを含む。
リン酸化合物としては、例えば、正リン酸、次亜リン酸、メタ亜リン酸、ピロ亜リン酸、正亜リン酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、縮合リン酸等のリン酸類;リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸三カルシウム等のリン酸塩類が挙げられる。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材は、フッ素汚染土壌やフッ素汚染灰を固化処理することができる。これは、上記成分におけるカルシウム化合物及びリン酸化合物によりフッ化アパタイトが形成され、更に、処理資材に含まれる石灰、石膏と土壌等に含まれるアルミニウム化合物によって、モノサルフェイト及び/又はエトリンガイト等のアルミン酸石灰塩系鉱物が生成し、得られる固化物のpHを9以上に維持するために、酸性雨等の影響による土壌等のpH低下によっても、フッ素の溶出を長期間にわたり維持することができるからと推測される。
上述のようなアルミン酸石灰塩系鉱物の生成を促進させるために、本発明のフッ素難溶化・安定化処理材には、必要に応じて、非晶質水酸化アルミニウム等を含有させることが好ましい。
該非晶質水酸化アルミニウムは、アモルファス性状の水酸化アルミニウムである。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材において、石膏の含有割合は、通常35〜55重量%、好ましくは40〜50重量%である。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材において、石灰の含有割合は、通常15〜32重量%、好ましくは18〜30重量%である。この割合が、15重量%未満、又は32重量%を超える場合は、フッ素難溶化効果が十分に発現しない恐れがある。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材において、硫酸鉄の含有割合は、通常15〜25重量%、好ましくは16〜23重量%である。この割合が、15重量%未満、又は25重量%を超える場合は、フッ素難溶化効果が十分に発現しない恐れがある。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材において、リン酸化合物の含有割合は、通常4〜20重量%、好ましくは10〜16重量%である。この割合が、4重量%未満、又は20重量%を超える場合は、フッ素難溶化効果が十分に発現しない恐れがある。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材において、非晶質水酸化アルミニウムを含有させる場合の割合は、通常15〜25重量%、好ましくは16〜23重量%である。この割合が、15重量%未満、又は25重量%を超える場合は、フッ素難溶化効果の更なる改善が十分に発揮されない恐れがある。
本発明のフッ素難溶化・安定化処理材は、上記各成分を水等に懸濁してスラリーの形態で使用することができる。
スラリーの形態とする場合の本発明のフッ素難溶化・安定化処理材の濃度は、特に限定されないが、添加混合する対象物のフッ素汚染土壌や灰に充分に混合しうるように、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%とすることができる。
このような水溶液の形態で本発明のフッ素難溶化・安定化処理材をフッ素汚染土壌や灰に添加する際の量は、該土壌や灰に含有されるフッ素量に応じて、本発明の所望の効果が達成しうるように適宜選択することができるが、通常、該土壌や灰100重量部に対して、本発明のフッ素難溶化・安定化処理材(固形分のみ)を5〜20重量部となるように添加することができる。
本発明のフッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰の処理方法は、フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰に、上述の本発明のフッ素難溶化・安定化処理材を混合することを特徴とする。
フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰は、特に制限はなく、例えば、各種工場排水処理の際に発生する汚泥、都市ゴミ焼却排ガスの洗煙水の処理の際に発生する汚泥、フッ素により汚染された土壌、フッ素樹脂やフッ素ゴム等の廃棄物、鉄鋼スラグ、フッ化物ガラスの廃棄物、これらの焼却物等が挙げられる。
本発明の処理方法において前記混合は、特に限定されず、ミキサ等の閉鎖系で行っても、開放系の環境下で行っても良く、混合により、フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰が固化する。
フッ素難溶化・安定化処理材の混合は、上述のとおり、通常、水溶液として行なうことができ、その添加量は、フッ素汚染土壌や灰に含有されるフッ素量に応じて上述のとおり適宜選択することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されない。
実施例1〜3、比較例1〜3
工場跡地から採取したフッ素汚染土壌試料を風乾し、粒径2mm以下に調整して、汚染土壌試料(以下、試料土(A)と略す)を調製した。一方、表1に示す組成の各成分を水に混合し、フッ素難溶化・安定化処理材を調製した。
次いで、試料土(A)50gに対して、各処理材をそれぞれ12.5g(全体の20重量%)添加、混合し、固化させ、7日間室温(20℃)に放置した。各固化土から、環境庁告示46号規定の溶出試験方法に従って調製した溶出検液のフッ素とリン酸の溶出濃度を測定した。また、無処理の試料土(A)のフッ素溶出量も同様に測定した。結果を表1に示す。
更に、実施例1で調製したフッ素難溶化・安定化処理材を用いて、試料土(A)を上記と同様に固化させた後、7日間、14日間、1月間及び3月間室温(20℃)に放置した。各固化土から、環境庁告示46号規定の溶出試験方法に従って調製した溶出検液のフッ素溶出濃度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2007330884
表1の結果より、本発明に係る実施例1〜3のフッ素難溶化・安定化処理材を用いた場合には、フッ素溶出量が土壌環境基準である0.8mg/Lを満足し、更に、試料土(A)からのリン酸の溶出量は、検出限界の0.005mg/L未満と極めて低濃度であった。これに対して、本発明におけるフッ素難溶化・安定化処理材から、石膏、石灰、硫酸鉄、リン酸化合物のうち、少なくとも1種を欠いた配合の比較例1〜3の処理材では、フッ素溶出量が土壌環境基準である0.8mg/Lを満足できず、更に、試料土(A)からのリン酸の溶出量も比較的高めであった。
Figure 2007330884
表2の結果より、本発明のフッ素難溶化・安定化処理材を用いてフッ素汚染土壌を処理することにより、少なくとも3月間は固化処理により形成された鉱物等の風化はなく、フッ素溶出量は徐々に低下することが確認できた。
実施例4、5及び比較例4
工場跡地から採取、調整した土質が砂混じりのローム質表土であるフッ素汚染土壌試料(B)及び土質が有機質を含んだシルト(細粒土)であるフッ素汚染土壌試料(C)を風乾し、粒径2mm以下に調整して、それぞれ汚染土壌試料(以下、試料土(B)及び試料土(C)と略す)を調製した。一方、表1に示す組成の各成分を水に混合し、フッ素難溶化・安定化処理材を調製した。
次いで、試料土(B)又は(C)50gに対して、各処理材をそれぞれ12.5g(全体の20重量%)添加、混合し固化させ、7日間室温(20℃)に放置した。各固化土から、環境庁告示46号規定の溶出試験方法に従って調製した溶出検液のフッ素溶出濃度を測定した。また、無処理の試料土(B)及び(C)のフッ素溶出量も同様に測定した。結果を表3に示す。
更に、上記と同様に得られた各固化土から、(社)土壌環境センターが重金属等不溶化処理土壌の安定性に関する検討部会報告において提案する酸性雨浸透に対する耐酸性溶出試験に従って、純水の代わりに硫酸0.754gを蒸留水で1リットルした硫酸溶液を用いた以外は、環境庁告示46号規定の溶出試験方法に従って調製した溶出検液のフッ素溶出濃度を測定した。また、無処理の試料土(B)及び(C)のフッ素溶出量も同様に測定した。結果を表4に示す。
尚、比較例4では、特許文献4にならって、リン酸苦土石灰(pH5.6)10重量部と生石灰1.2重量部をフッ素難溶化・安定化処理材として用いた。
Figure 2007330884
Figure 2007330884
表3及び表4の結果より、本発明に係る実施例5及び6のフッ素難溶化・安定化処理材を用いた場合には、試料土(B)及び(C)のいずれにおいても、また、溶出検液として純水を用いた場合と酸性の硫酸溶液を用いた場合であっても、フッ素溶出量が土壌環境基準である0.8mg/Lを満足した。これに対して、比較例4の処理材では、溶出検液として純水を用いた場合は、フッ素溶出量が土壌環境基準である0.8mg/Lを満足したが、酸性の硫酸溶液を用いた場合では、フッ素溶出量の土壌環境基準を満足できなかった。

Claims (3)
Hide Dependent

  1. フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰中のフッ素を難溶化・安定化する処理材であって、
    石膏、石灰、硫酸鉄及びリン酸化合物を含むことを特徴とするフッ素難溶化・安定化処理材。
  2. 非晶質水酸化アルミニウムを更に含む請求項1記載の処理材。
  3. フッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰に、請求項1又は2記載の処理材を混合することを特徴とするフッ素汚染土壌又はフッ素汚染灰の処理方法。