JP4940992B2 - 繊維系ボード、家具および遊技機ならびに繊維系ボードの製造方法 - Google Patents
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Description
の表面に、ポリ乳酸樹脂からなる樹脂層を有する、樹脂層付きの繊維系ボードである。
(1)平均繊維長
JIS A 1015:1999 8.4.1 a)ステープルダイヤグラム法(A法)に準じて測定した。
試料を800mg量り取り、ステープルダイヤグラムを作成し、図記したステープルダイヤグラムを50の繊維長群に等分し、各区分の境界及び両端の繊維長を測定し、両端繊維長の平均に49の境界繊維長を加えて50で除し、平均繊維長(mm)を算出し、2回の平均値をとった。
JIS A 5905:2003 6.3に準じて測定した。
繊維系ボードを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24hr放置後、10cm×10cmの試験片を3枚切り出した。
1枚の試験片について、上記規定中図5に示す測定箇所の幅、長さ及び厚さを測定し、それぞれについての平均値を求め試験片の幅、長さ及び厚さとし、体積(v)を求めた。次に、質量(m)を測定し、次式によって算出した。厚さは0.05mm、幅及び長さは0.1mm、質量は0.1gの精度まで測定し、密度は0.01g/cm3単位まで算出した。
1枚の試験片ごとに密度を求めた上で、3枚の試験片の平均値を求めた。
密度(g/cm3)=m/v
ここに、m:質量(g)
v:体積(cm3)。
繊維系ボードの表側の表面から厚み2mmで測定対象部分を切り出し、そこから10cm×10cmの試験片を3枚切り出した。以降は上記(1)と同様にして、質量及び体積から見かけ密度を求めた。
JIS K 5600−5−4:1996「塗料一般試験方法―塗膜の機械的性質―引っかき硬度(鉛筆法)」に準拠して測定した。
鉛筆には三菱鉛筆株式会社製ユニ(登録商標)を用い、鉛筆の円柱状のしんをそのままに残して木部だけをけずり取り、鉛筆を研磨紙上に垂直にあてて前後に動かして、しんの先端を平らにした。
上記規格の6.1の規定に準じた装置を用い、温度20℃、湿度65%RHの環境下で、荷重1kgf(9.8N)、引っ掻き速度30mm/secの条件で、柔らかい硬度の鉛筆から2回ずつ測定し、塑性変形または凝集破壊のいずれかによる欠陥が確認される硬度を求めた。
繊維系ボードを温度20℃、湿度65%RHの標準状態にて24hr放置後、45cm×45cmの試験片を切り出した。
○: バリの発生は無い。
△: 微少ではあるがバリの発生が確認される。
×: バリの発生が確認される。
(ポリ乳酸繊維)
ポリ乳酸樹脂を230℃の温度で溶融紡糸し、スタッフィングボックスに挿入して捲縮付与後、カットして、単繊維繊度6.6dtex、平均繊維長51mmのポリ乳酸繊維を得た。
平均繊維長75mmのケナフの靭皮繊維を用いた。
上記のポリ乳酸繊維とケナフ靭皮繊維とを30:70の質量比でローラーカードを用いて混綿し、開繊して不織布を得た。
上記の不織布を13層積層し、目付13550g/m2の積層体とした。この積層体を2枚の鉄板の間に18mmのスペーサーと共に挟み、プレス機にて200℃の加熱下、2.4MPaの加圧下、50分間加熱加圧成形を行った。
得られた繊維系ボードの単位面積あたりの質量は12845g/m2、厚さは18.4mm、ボード全体の見かけ密度は0.68g/cm3、表面層(表層厚さ2.0mm)の見かけ密度は0.71g/cm3であった。得られた繊維系ボードの特性を表1に示す。この繊維系ボードは、他の実施例に比べると切削加工性にやや劣るが、表面硬度に優れるものであった。
(ポリ乳酸繊維・天然繊維・不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記の不織布を16層積層し、目付16200g/m2の積層体とした。この積層体を実施例1と同様の方法にて加熱加圧成形を行った。
得られた繊維系ボードの単位面積あたりの質量は15280g/m2、厚さは18.6mm、ボード全体の見かけ密度は0.84g/cm3、表面層(表層厚さ2mm)の見かけ密度は0.88g/cm3であった。得られた繊維系ボードの特性を表1に示す。この繊維系ボードは、表面硬度、及び切削加工性に優れるものであった。
(ポリ乳酸繊維・天然繊維・不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記の不織布を2層積層し、目付2160g/m2の積層体とした。この積層体を2枚の鉄板の間に2mmのスペーサーと共に挟み、プレス機にて200℃の加熱下、2.4MPaの加圧下、10分間加熱加圧成形を行った。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は2080g/m2、厚さは2.4mm、見かけ密度は0.85g/cm3であった。
これを表層用シートとして用いた。
上記の不織布を7層積層し、目付7530g/m2の積層体とした。この積層体に上記表層用シートを上載し、実施例1と同様の方法にて加熱加圧成形を行った。
得られた繊維系ボード全体の見かけ密度は0.50g/cm3、表面層(表層厚さ2mm)の見かけ密度は0.85g/cm3であった。得られた繊維系ボードの特性を表1に示す。この繊維系ボードは、表面硬度、及び切削加工性に優れるものであった。
(ポリ乳酸繊維・天然繊維・不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
ポリ乳酸樹脂からなるフィルム(厚さ200μm)を、表層用シートとして用いた。
上記の不織布を13層積層し、目付13230g/m2の積層体とした。この積層体に上記表層用シートを上載し、実施例1と同様の方法にて加熱加圧成形を行った。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は12830g/m2、厚さは18.4mm、ボード全体の見かけ密度は0.69g/cm3、表面層(表層厚さ2mm)の見かけ密度は0.75g/cm3であった。得られた繊維系ボードの特性を表1に示す。この繊維系ボードは、表面硬度、及び切削加工性に優れるものであった。
(ポリ乳酸繊維・天然繊維・不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記のポリ乳酸繊維とケナフ靭皮繊維とを50:50の質量比でローラーカードを用いて混綿し、開繊して不織布を得た。
これを表層用シートとして用いた。
上記の不織布を12層積層し、目付12050g/m2の積層体とした。この積層体に上記表層用シートを上載し、実施例1と同様の方法にて加熱加圧成形を行った。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は13210g/m2、厚さは18.6mm、ボード全体の見かけ密度は0.71g/cm3、表面層(表層厚さ2mm)の見かけ密度は0.77g/cm3であった。得られた繊維系ボードの特性を表1に示す。この繊維系ボードは、表面硬度、及び切削加工性に優れるものであった。
(ポリ乳酸繊維)
ポリ乳酸樹脂を230℃の温度で溶融紡糸し、スタンフィングボックスに挿入して捲縮付与後、カットして、単繊維繊度6.6dtex、平均繊維長51mmのポリ乳酸繊維を得た。さらにこのポリ乳酸繊維を、5mm径のスクリーンを有する破砕機に投入し、平均繊維長4mmのポリ乳酸繊維の短繊維を得た。
平均繊維長75mmのケナフの靭皮繊維を用意した。このケナフ靭皮繊維を5mm径のスクリーンを有する破砕機に投入し、平均繊維長4mmのケナフ靭皮繊維を得た。
上記ポリ乳酸短繊維とケナフ靭皮繊維とを30:70の重量比でハンマーミルに投入し、混合して前記原料の混合物を得た。
上記混合物を離型シートの上にフォーミングした。
上記混合物をフォーミングしたものを、実施例1と同様の方法にて加熱加圧成形した。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は13210g/m2、厚さは18.4mm、ボード全体の見かけ密度は0.71g/cm3、表面層(表層厚さ2mm)の見かけ密度は0.76g/cm3であった。得られた繊維系ボードの特性を表1に示す。この繊維系ボードは、実施例の繊維系ボードに比べ表面硬度、及び切削加工性に劣るものであった。
(ポリ乳酸繊維・天然繊維・不織布)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
上記の不織布を10層積層し、目付10100g/m2の積層体をとした。この積層体を実施例1と同様の方法にて加熱加圧成形した。
得られた繊維系ボードの単位面積当たりの質量は9680g/m2、厚さは18.1mm、ボード全体の見かけ密度は0.52g/cm3、表面層(表層厚さ2mm)の見かけ密度は0.55g/cm3であった。得られた繊維系ボードの特性を表1に示す。この繊維系ボードは、実施例の繊維系ボードに比べ表面硬度、及び切削加工性に劣るものであった。
Claims (8)
- 平均繊維長5〜100mmの天然繊維とポリ乳酸樹脂との混合物であって、表層に見かけ密度0.8〜1.1g/cm3の天然繊維とポリ乳酸樹脂との混合物を積層してなり、積層した全体の平均見かけ密度が0.4〜0.75g/cm3であることを特徴とする繊維系ボード
の表面に、ポリ乳酸樹脂からなる樹脂層を有する、樹脂層付きの繊維系ボード。 - 前記天然繊維がセルロース系繊維である、請求項1記載の樹脂層付きの繊維系ボード。
- 前記ポリ乳酸樹脂が結晶核剤を含むものである、請求項1または2記載の樹脂層付きの繊維系ボード。
- 前記表層に積層した混合物の厚さが0.5〜5mmである、請求項1〜3いずれかに記載の樹脂層付きの繊維系ボード。
- JIS K5400−1990に準拠して測定される鉛筆引っかき値(試験機法)が2H以上である、請求項1〜4のいずれか記載の樹脂層付きの繊維系ボード。
- 請求項1〜5のいずれか記載の樹脂層付きの繊維系ボードを用いて構成されていることを特徴とする家具。
- 請求項1〜5のいずれか記載の樹脂層付きの繊維系ボードを用いて構成されていることを特徴とする遊技機。
- ポリ乳酸繊維の短繊維と平均繊維長5〜100mmの天然繊維の短繊維とを混合して得られた布状物に、見かけ密度0.8〜1.1g/cm3の繊維系ボード並びにポリ乳酸からなるフィルム及び/又はポリ乳酸を40〜100質量%含む不織布を積層し、加熱した後圧縮するかまたは加熱と圧縮を同時に行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂層付きの繊維系ボードの製造方法。
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