JP4938552B2 - 加熱装置および加熱装置の制御方法 - Google Patents
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Description
また、従来の加熱装置は、ウェハを支持するプロキシミティピンをホットプレートに対して昇降することによりウェハとホットプレートとの間の距離(プロキシミティギャップ)を変化させ、ホットプレートの温度を一定に保った状態で、プロキシミティギャップおよびプロキシミティピンの昇降速度を制御してウェハの処理温度を変更する(例えば、特許文献2)。
また、ヒータの温度を一定に保ち、基板を昇降して基板とヒータとの距離および基板の昇降速度を変化させることによりウェハの処理温度を変更する場合には、その距離および速度の微妙な調整が必要となる。そして、その微妙な調整のために高精度の昇降メカ機構が必要であり、高価な装置となってしまう問題があった。
図1および図2はこの発明の実施の形態1による加熱装置を示す断面図である。図1、図2に示すように、加熱装置100は、被加熱基板1を載置して支持する支持板2と、支持板の下方に配置されるホットプレート3と、ホットプレート3を下方から支持するスプリング4と、スプリング4が設置されこのスプリング4を介してホットプレート3を支持する受け板5と、受け板5を上下に移動させるアクチュエータ6と、アクチュエータ6を上下駆動させる制御手段7を備えている。
ホットプレート3は内部にヒータ31(図3参照)と熱電対などのプレート温度検出器32とを有し、プレート温度検出器32でホットプレート3の温度を計測してヒータ31の出力を制御することによりホットプレート3の温度を調整することができる。なお、本実施の形態1ではホットプレート3の内部にプレート温度検出器32を設置しているが、これに限られるものではなく、例えばホットプレート3とは別に外部に設けてもよい。
支持板2およびホットプレート3の中央部にはそれぞれ貫通孔22、33が設けられており、この貫通孔22、33には、被加熱基板1の下面温度を計測するための基板温度検出器8が配置されている。そして、基板温度検出器8は、支持板2、ホットプレート3およびスプリング4と干渉しないように図示しない固定具により支持フレーム21に固定されている。
アクチュエータ6は、エアシリンダー等のエア駆動タイプや電磁ソレノイドなどの電磁駆動タイプを使用し、制御手段7からのON/OFF指令により上下駆動される。
制御手段7は、ONでアクチュエータ6を上昇させホットプレート3の上面と支持板2の下面とを接触させ、OFFでアクチュエータ6を下降させホットプレート3の上面と支持板2の下面とを離れさせる、ON/OFF制御を行う。これにより、ホットプレート3の上面と支持板2の下面との面接触時間を変化させて、被加熱基板1の温度が制御をされる。
被加熱基板1の上方には、排気ダクト10を設けており、この排気ダクト10は、ホットプレート3の熱で雰囲気温度が上昇して加熱制御に影響を与えることを防ぐために、換気を行っている。もちろん、排気ダクト10に限らず、雰囲気を循環させるなど雰囲気温度の上昇を防ぐことができる換気手段であればどうようなものを設置してもよい。
図1は制御手段7のOFF指令でアクチュエータ6が下方へ移動することによりホットプレート3の上面と支持板2の下面が離れている状態(下降状態)を示し、図2は制御手段7のON指令でアクチュエータ6が上方へ移動することによりホットプレート3の上面と支持板2の下面が接触している状態(上昇状態)を示している。
図1の下降状態においては、支持板2とホットプレート3が十分な間隔を持って配置されており、ホットプレート3の熱により支持板2が加熱されない、すなわち支持板2に載置された被加熱基板1が加熱されない状態である。
図2の上昇状態においては、支持板2とホットプレート3が接触し、被加熱基板1が支持板2と接触して載置されているため、ホットプレート3の熱が伝導することにより被加熱基板1が加熱される状態である。
ホットプレート3はアクチュエータ6が上下駆動することによりこの2つの位置、すなわち下降状態または上昇状態のいずれかの位置にセットされている。
なお、ホットプレート3が受け板5やアクチュエータ6に直接支持される構成としても、ホットプレート3は上記いずれか2つの位置にセットするだけでよいため、その位置決めは容易であるが、本実施の形態1のように、ホットプレート3と受け板5の間に弾性部材であるスプリング4を介する構成とすれば、スプリング4が上下方向に弾性変形することによりホットプレート3の上面と支持板2の下面をより簡単に密着させることができ、接触させるための位置決めがさらに容易となる。なお、弾性部材はスプリング4に限られず、上下方向に弾性変形するものであれば適用することができる。
図3は本実施の形態1による加熱装置100の制御ブロック図であり、図4は本実施の形態1における規定温度プロファイルとこの温度プロファイルに対応するアクチュエータの駆動状態を示す図である。
ホットプレート3に備えられたヒータ31およびプレート温度検出器32は、温調器9に接続されており、プレート温度検出器32で計測されたホットプレート3の温度データに基づいて温調器9で温度モニタし、温調器9によりヒータ31の出力を制御することにより、ホットプレート3は所定の設定温度に一定して保たれる。
また、温調器9と制御部71は、例えばシリアル通信などのデータ通信手段等を介して接続されている。そして、被加熱基板1の種類の変更や使用用途の変更により規定温度プロファイルを変更する際に、必要に応じて制御部71から温調器9へホットプレート3の設定温度変更を指令したり、また、温調器9から制御部71へホットプレート3の温度データの送信等を行う。
ここで、上述の通り、アクチュエータ6の上昇は制御手段7に備えられた制御部71からのON指令により実行され、ホットプレート3の上面と支持板2の下面とが接触する。また、アクチュエータ6の下降は制御部71からのOFF指令により実行され、ホットプレート3の上面と支持板2の下面とが離れる。
このような温度プロファイルに対応するアクチュエータ6の一定周期内の上昇状態と下降状態の継続時間比、すなわち制御部71の一定周期内のON/OFF比率をあらかじめ実験等により測定し、このデータも記憶部72に記憶させておく。そして、実際に被加熱基板1を加熱する際には、制御部71が図4(b)に示すような一定周期内のON/OFF比率を変化させるPWM制御をすることにより、温度プロファイルに沿う温度加熱を実行する。
なお、被加熱基板の種類や、その用途、条件によって、各場合に応じた複数の温度プロファイルを準備し、各温度プロファイルに対応する一定周期内のON/OFF比率をあらかじめ測定して、これらのデータを制御データとして記憶部72に記憶させておけば、状況に応じて使用する温度プロファイルを選択し、制御部71が選択した温度プロファイルに対応する一定周期内のON/OFF比率によりPWM制御を行い、場合に応じた加熱を実施することができる。
まず、あらかじめホットプレート3の温度を図4(a)の規定温度プロファイルに対応する設定温度に保っておく。
そして、被加熱基板1を支持板2上の所定位置に載置して、規定温度プロファイルに基づいて加熱を開始する。すなわち、図4(b)に示す一定周期T内のON/OFF比率に基づき、制御部71がアクチュエータ6の上下駆動を開始する。
例えば、図4(a)に示す時間t1において、規定温度プロファイル通りに加熱が進行していれば、被加熱基板1の下面温度はT1となるが、時間t1に計測された実際の被加熱基板1の温度データがT1+α(α>0)であった場合には、予定より早く、すなわち、温度αだけ被加熱基板1の温度が早く上昇していることがわかる。
このように、制御部71は基板温度検出器8で計測された被加熱基板1の下面温度データと規定温度プロファイルとを比較して、被加熱基板1が予定より早く加熱されていることを検出した場合には、温度上昇を抑えるため、図4(b)に示す一定周期内のON/OFF比率を変化させる。すなわち、制御部71は図4(b)に示す現状のON/OFF比率よりもOFFの比率が高くなるようにON/OFF比率を変化させて指令をし、図4(a)の規定温度プロファイルを満たすような加熱制御を行う。また逆に、基板温度検出器8で計測された温度データがT1よりも低い場合には、予定より被加熱基板1の温度上昇が遅いことを示すため、図4(b)に示す現状のON/OFF比率よりもONの比率が高くなるように、制御部71は比率を変化させて制御を行う。
なお、図4(b)に示す周期Tは、支持板2の剛性、アクチュエータ6の仕様が許す限り短く設定し、周期Tを短く設定することでより綿密な温度制御をすることができる。
また、規定温度プロファイルと、基板温度検出器8で計測された温度データが大きく異なる場合には、被加熱基板1と支持板2との接触不良等による異常であることが考えられ、このような異常検出も制御部71にて行われる。
5 受け板、6 アクチュエータ、7 制御手段。
Claims (5)
- 被加熱基板が載置され上記被加熱基板を支持する熱容量の小さい支持板と、
上記支持板の下方に上下動可能に配置されて上記支持板との接触により上記支持板を加熱する熱容量の大きいホットプレートと、
上記ホットプレートを上下に移動させるアクチュエータと、
上記アクチュエータをONで上昇させ上記ホットプレートと上記支持板とを接触させ、OFFで下降させ上記ホットプレートと上記支持板とを離れさせる、ON/OFF制御を行う制御手段とを備え、
上記制御手段が一定周期内のON/OFF比率を変えて上記アクチュエータを駆動させ、上記ホットプレートと上記支持板との面接触時間を変化させて上記支持板に載置された被加熱基板の温度を制御することを特徴とする加熱装置。 - 上記アクチュエータが、上記ホットプレートを支持する弾性部材と、上記弾性部材が設置された受け板とを介して、上記ホットプレートを上下に移動させる請求項1に記載の加熱装置。
- 被加熱基板が載置され上記被加熱基板を支持する熱容量の小さい支持板と、
上記支持板の下方に上下動可能に配置されて上記支持板との接触により上記支持板を加熱する熱容量の大きいホットプレートと、
上記ホットプレートを上下に移動させるアクチュエータと、
上記アクチュエータをONで上昇させ上記ホットプレートと上記支持板とを接触させ、OFFで下降させ上記ホットプレートと上記支持板とを離れさせる、ON/OFF制御を行う制御手段とを備えた加熱装置の制御方法であって、
上記ホットプレートの温度を一定に保った状態で、上記制御手段が一定周期内のON/OFF比率を変えて上記アクチュエータを駆動させ、上記ホットプレートと上記支持板との面接触時間を変化させて上記支持板に載置された被加熱基板の温度を制御することを特徴とする加熱装置の制御方法。 - 上記加熱装置は、上記被加熱基板をどのように温度変化させるかを示す規定温度プロファイルが記憶される記憶部と、上記被加熱基板の温度を計測する基板温度検出器とを備え、
上記ホットプレートの温度を一定に保った状態で、上記制御手段が、上記基板温度検出器での検出温度データと上記記憶部に記憶された上記規定温度プロファイルとを比較するフィードバック制御により一定周期内のON/OFF比率を変えて上記アクチュエータを駆動させることを特徴とする請求項3に記載の加熱装置の制御方法。 - 上記制御手段が、上記基板温度検出器での検出温度データと上記記憶部に記憶された上記規定温度プロファイルとの比較により上記被加熱基板と上記支持板間の異常検出を行うことを特徴とする請求項4に記載の加熱装置の制御方法。
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