JP4937646B2 - デジタル放送受信装置 - Google Patents

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Description

この発明は、同一時間帯に同一番組を複数の階層を用いてサイマル放送するデジタル放送において、受信状態や受信状況に対して良好な再生を行える階層の放送波に切り替えて受信するデジタル放送受信装置に関するものである。
2003年12月1日に、わが国の地上波デジタル放送が開始された。このデジタル放送の方式では、図7に示すように、1チャネル分として5.6MHzの周波数帯域幅が、例えば1つの放送局に割り当てられている。この帯域幅を13等分(1つ約429kHz。これが「セグメント」と呼ばれる単位。)する。放送局は、この13個のセグメントの数を組み合わせて階層化することにより、1から3番組の放送を行えるように決められている。なお、地上波デジタルテレビ放送システムでは変調方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重変調方式)が採用されており、セグメント単位がOFDMにより変調された信号となる。また、セグメント単位のデータは自由に変えることができ、上記13個のうち、例えば12個のセグメントからなる階層を形成して1つのハイビジョン映像番組と携帯端末向け番組を放送し、また、4個ずつのセグメントからなる階層を用いて、3つの異なる標準画質の番組と携帯端末向け番組を放送するなどの幾つかのサービス形態が可能となる。
また、地上波デジタル放送の他のサービス形態として、上記セグメント数の異なる階層を複数用いて同一時間帯に同一番組を放送するサイマル放送が計画されている。このサイマル放送は、家庭等の固定受信向け、自動車等の移動体受信向け、あるいは携帯電話受信向けに同じ番組サービスを提供するためのものである。
ところで、特に、自動車等の移動体に搭載されたデジタル放送受信装置の場合は、移動により各放送局の中継局からの放送波を受信することが多いため、受信方向の変化、建造物や高所等の影響、あるいは電波塔や中継局からの距離変化など、受信位置により放送波の電界強度が劣化する。また、電波塔や中継局に対する移動による遠近動作がある場合、ドップラ効果に起因して、放送のキャリア波における直接波の周波数と建造物等による反射波の周波数とが異なり、フェージング(周波数干渉)を引き起こす。そのため、受信信号の電界強度が変化したり、複数の周波数の変化により、デジタル放送受信装置がキャリア波を適切に選択できなくなり、画質や音質の低下を招くことになる。また、移動体の場合、天候の悪化や高速走行等によっても、放送波の電界強度が変化する。そのため、移動体のデジタル放送受信装置では、映像や音声が途切れたりあるいは映像や音声が乱れたりする場合がある。このように映像や音声の障害が発生すると、ユーザは不快感を覚え、他のチャンネルに切り替えること余儀なくされる。また、複数階層を用いたサイマル放送が実施されている場合には、受信状態を良くすることができる他の階層への変更を手動操作で行わなければならないという煩わしさが生じる。
上述したような問題に対して、デジタル放送の複数階層を用いたサイマル放送の各階層を受信できるようにしたデジタル放送受信装置において、映像や音声が途切れそうな受信状態の階層で出力している場合でも、受信状態の最適な階層に手動または自動的に切り替えて出力できるようする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、自動的に切り替える構成においては、各放送局の階層毎の放送方式を保持するデータベースを備え、受信するデジタル放送信号の電界強度の検出または/および階層の再生状態の検出を行い、検出した電界強度または/および再生状態に応じて受信状態を良好にする階層を決定し、上記データベースを参照して、決定した階層の放送方式を取り出し、その放送方式に基づいた階層の出力に切り替えるようにしている。また、そのため、検出した電界強度の基準および再生状態の基準を設定する設定画面提供手段を備えている。
特開2003−274302号公報
従来のデジタル放送受信装置は、以上のような方法により受信状態の階層を切り替えるようにしているが、次のような問題がある。
自動車のような移動体に搭載したデジタル放送受信装置では、マルチパスフェージングなど激しく電界強度が変動する場合、階層が頻繁に切り替わってしまうという問題ある。また、電界強度や再生状態によって階層ごと切替えるため、映像だけが途切れ、音声は十分に聞き取れる場合であっても、映像と音声を一緒に切替えてしまうという問題がある。さらに、再生状態に問題がある場合に階層を切替えるだけであるため、各階層の映像あるいは音声データにエラーがあっても、その再生を回避できないという問題がある。さらにまた、受信位置が常時変動し、放送波の受信状態が変化するため、時系列に受信状態を予測しにくいという問題がある。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、サイマル放送の各階層の映像と音声を別々に選択して最適な映像と音声再生し、視聴しやすくすることを可能にするデジタル放送受信装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、エラーの少ない映像および/もしくは音声を選択して映像や音声を再生し、視聴しやすくすることを可能にするデジタル放送受信装置を得ることを目的とする。
さらに、この発明は、映像および/もしくは音声の階層が短時間に頻繁に切替るのを抑制し、視聴しやすくすることを可能にするデジタル放送受信装置を得ることを目的とする。
この発明に係るデジタル放送受信装置は、階層毎に復号した映像フレームデータから、再生する階層の映像フレームデータを選択して出力する映像階層選択手段と、階層毎に復号した音声フレームデータから、再生する階層の音声フレームデータを選択して出力する音声階層選択手段と、誤り訂正後の各階層のストリームのパケットエラーレート、パケットロスレート、ビットエラーレートまたはそれらエラーレートの組合せを算出する階層毎のエラーレート測定手段と、誤り訂正後の各階層のストリームを復号し映像フレームデータを生成すると共に、復号時のシーケンスエラー、ピクチャエラー、スライスエラー、マクロブロックエラーまたはそれらエラーレートの組合せを映像デコードエラー情報として検出する階層毎の映像デコード手段と、誤り訂正後の各階層のストリームを復号し音声フレームデータを生成すると共に、復号時のデコードエラーを音声デコードエラー情報として検出する階層毎の音声デコード手段とを備え、映像階層選択手段は、階層毎のエラーレート測定手段で算出された各階層のストリームのエラーレートと階層毎の映像デコード手段で検出された各階層の映像デコードエラー情報に基づいて、再生する映像フレームデータの階層を選択し、音声階層選択手段は、音声エラーレート測定手段で算出された各階層のストリームのエラーレートと階層毎の音声デコード手段で検出された各階層の音声デコードエラー情報に基づいて、再生する音声フレームデータの階層を選択することを特徴とするものである。
この発明によれば、映像と音声とを別々に階層切替えすることで、受信データのエラー発生による画質や音声に歪みがある箇所に対しても、適切な階層の映像および/もしくは音声のフレームを選択して再生することできるため、視聴者は違和感を覚えることなく映像とそれに付随する音声を楽しむことが可能となる。
また、映像デコードエラー情報を用いて映像のエラー位置によってエラーとすべきか否かを判定して出力する階層の映像データを選択するようにしているので、表示映像の中心にエラーが少ない表示を可能とする。
さらに、デコードエラーだけでなく、取得した復調過程でのノイズや放送波の受信状態を加味して判定し、出力する階層の映像や音声のデータを選択するようにしているので、短期間でのエラーに対しては、次の受信状態を想定して、切替えないようにすることができ、頻繁な映像や音声の階層切替えが発生せず、視聴しやすい再生を可能にする。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置の機能構成を示すブロック図である。このデジタル放送受信装置は、伝送周波数帯域を構成するセグメントを組み合わせた少なくとも2階層を使用し、それぞれの階層に同じ番組の映像および音声データを多重させて階層伝送を行うサイマル放送を受信し、各階層の映像および音声データを復調、復号するものである。
図において、チューナ10は、デジタル放送の電波を受信し、サイマル放送を行っている階層1と階層2を含む受信信号を生成する手段である。伝送制御情報抽出手段11は、受信信号に多重されたTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号より、階層数および各階層の変調方式を設定した伝送制御情報を抽出する手段である。階層1復調手段13は、伝送制御情報に含まれた階層1の変調方式に基づいて放送波の階層1を復調し、階層1のMPEG2−TS(Moving Picture Expert Group 2 − Transport Stream:以下、TSとする。)成分を得る手段である。階層1誤り訂正手段14は、階層1復調手段13で復調されたTS成分に対して、誤り訂正符号に従って誤り訂正を行い、訂正しきれなかった場合には、TSヘッダのエラービットを立てる手段である。階層2復調手段17は、階層1復調手段17と同様、放送波の階層2を復調して階層2のTS成分を得る手段である。階層2誤り訂正手段18は、階層1誤り訂正手段14と同様、誤り訂正を行う手段である。
PID(Packet ID)フィルタ手段20は、階層1誤り訂正手段14と階層2誤り訂正手段18から出力された各階層のTS成分のヘッダに含まれるPID番号によってフィルタリング処理することにより、各階層の映像、音声のTSパケットおよびセクション情報などのTSパケットに分ける手段である。セクション構成手段21は、分配されたセクション情報のTSパケットからPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等を組み立てる手段である。階層1映像デコード手段22は、階層1映像のTSパケットからPES(Packetized Elementary Stream)、ES(Elementary Stream)を生成した後、ESをデコードして映像フレームデータを生成する手段である。階層2映像デコード手段23は、階層1映像デコード手段22と同様な処理を行い、階層2の映像フレームデータを生成する手段である。
階層1音声デコード手段24は、階層1音声のTSパケットからPES、ESを生成した後、ESをデコードして音声フレームデータを生成する手段である。階層2音声デコード手段25は、階層2音声のTSパケットに対して、階層1音声デコード手段24と同様な処理を行い、階層2の音声フレームデータを生成する手段である。
映像階層選択手段26は、操作手段28から与えられる制御信号に基づいて、映像出力とする階層の映像のフレームデータを選択する手段である。音声階層選択手段27は、操作手段28から与えられる制御信号に基づいて、音声出力とする階層の音声のフレームデータを選択する手段である。操作手段28は、現在再生している階層の映像および/もしくは音声の状態に応じてユーザにより操作され、他の階層の映像および/もしくは音声のフレームデータに切り替える制御信号を生成し、映像階層選択手段26および/もしくは音声階層選択手段27に出力する手段である。
次に、動作について説明する。
まず、チューナ10により、デジタル放送の電波を受信し、サイマル放送を行っている階層1と階層2を含む受信信号を生成する。伝送制御情報抽出手段11では、その受信信号に多重された階層数および各階層の変調方式情報を抽出して伝送制御情報として階層1復調手段13と階層2復調手段17へ出力する。また、その受信信号は階層1復調手段13と階層2復調手段17へ与えられる。階層1復調手段13では、伝送制御情報抽出手段11から入力された伝送制御情報に含まれる階層1の変調方式に基づいて復調し階層1のTS成分を生成する。次に、この階層1復調手段13の出力のTSに対しては、階層1誤り訂正手段14において誤り訂正処理が行われる。この処理では、誤り訂正後の出力データと共に、誤り訂正しきれなかったデータについては、TSヘッダのエラービットを立てる。階層1の誤り訂正後のTSはPIDフィルタ手段20へ出力される。
一方、デジタル放送の階層2についても、階層2復調手段17および階層2誤り訂正手段18により、それぞれ階層1と同様の処理が行われ、階層1の誤り訂正後のTSがPIDフィルタ手段20へ出力される。
PIDフィルタ手段20では、階層1および階層2のTS成分が入力されると、PID毎にフィルタ動作を行い、セクションを構成するPIDを持つTSパケットはセクション構成手段21へ、階層1映像のPIDを持つTSパケットは階層1映像デコード手段22へ、階層2映像のPIDをもつTSパケットは階層2映像デコード手段23へ、階層1音声のPIDを持つTSパケットは階層1音声デコード手段24へ、階層2音声のPIDを持つTSパケットは階層2音声デコード手段25へと分配する。セクションを構成するPIDを持つTSパケットを受信したセクション構成手段21は、そのデータからPAT、PMT等のセクションデータを生成し、そのデータのうち、階層1映像、階層2映像、階層1音声、階層2音声に関わる制御情報およびジャンル情報を、それぞれ対応する階層1映像デコード手段22、階層2映像デコード手段23、階層1音声デコード手段24、階層2音声デコード手段25へ出力する。また、抽出したPMTから、階層1映像デコード手段22、階層2映像デコード手段23、階層1音声デコード手段24、階層2音声デコード手段25へ伝送するための、階層1映像、階層2映像、階層1音声、階層2音声の各ストリームのPIDと転送先の各手段を、PIDフィルタ手段21に設定する。
階層1映像デコード手段22では、PIDフィルタ手段20からの階層1映像のTSパケットを受信すると、TSパケットから映像のPESを生成し、このPESからデコード時間DTS(Decoding Time Stamp)や表示時間PTS(Presentation Time Stamp)などのヘッダ情報を取得する。次に、映像のPESから映像のESを抽出して、シーケンスヘッダ情報等のデコード情報を抽出し、抽出した映像のESをデコードして映像フレームデータを得て、後段の映像階層選択手段26へ出力する。もう一方の階層2映像デコード手段23においても、階層1映像デコード手段22と同様な動作を行い、階層2の映像フレームデータを生成して後段の映像階層選択手段26へ出力する。
階層1音声デコード手段24では、PIDフィルタ手段20から階層1音声のTSパケットを受信すると、音声のPESを生成し、映像と同様、デコード時間DTSや再生時間PTSなどヘッダ情報の取得、さらにPESから音声のESを抽出して、デコードヘッダ情報等のデコード情報を抽出し、抽出した音声のESをデコードして音声フレームデータを生成し後段の音声階層選択手段27へ出力する。もう一方の階層2音声デコード手段25においても、階層1音声デコード手段24と同様な動作を行い、階層2の音声フレームデータを生成して後段の音声階層選択手段27へ出力する。
このデジタル放送受信装置でデジタル放送を受信再生するとき、操作手段28が出力する制御信号は、映像階層選択手段26と音声階層選択手段27が共にいずれか一方の階層、例えば階層1の映像と音声のフレームデータを出力する値を持つように設定されているものとする。また、操作手段28には、例えば「映・音」、「映像」、「音声」と表示された3つの切り替えボタンが設けられているものとする。ここで、視聴中の番組で映像と音声の両方の状態が低下したと感じた場合に、ユーザが「映・音」ボタンをプッシュした場合、操作手段28は現在再生している階層の映像と音声の両方を他の階層に切り替える第1の制御信号を出力し、映像階層選択手段26と音声階層選択手段27に与える。映像階層選択手段26と音声階層選択手段27は、この制御信号に応じて階層2の映像と音声のフレームデータを選択して出力する。また、映像だけが低下したと感じた場合、ユーザが「映」ボタンをプッシュすると、操作手段28は現在再生している階層の映像のみを他の階層に切り替える第2の制御信号を出力し、映像階層選択手段26に与える。映像階層選択手段26は、この制御信号に応じて階層2の映像のフレームデータを選択して出力する。また、音声だけが低下したと感じた場合、ユーザが「音」ボタンをプッシュすると、操作手段28は現在再生している階層の音声のみを他の階層に切り替える第3の制御信号を出力し、音声階層選択手段27に与える。音声階層選択手段27は、この制御信号に応じて階層2の音声のフレームデータを選択して出力する。
以上のように、この実施の形態1によれば、階層毎に復号した映像データを選択する映像階層選択手段26と、階層毎に復号した音声データを選択する音声階層選択手段27により、操作手段28からの制御信号応じて異なる階層の映像および/もしくは音声のデータに切り替え再生するようにしている。したがって、受信状態による階層ごと切り替える再生に対応できることに加え、映像と音声とを別々に階層切替えすることで、受信データのエラー発生による画質や音声に歪みがある箇所(フレーム)に対しても、適切な階層の映像および/もしくは音声のフレームを選択して再生することできるため、視聴者は違和感を覚えることなく映像とそれに付随する音声を楽しむことが可能となる。
なお、この実施の形態1は、映像データおよび音声データの符号化方式がMPEG−2である場合を例に説明してきたが、他の符号化方式の場合においても同様に適用できるものであり、以下の実施の形態においても同様である。
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2によるデジタル放送受信装置の機能構成を示すブロック図である。図2において、図1に相当する機能部には同一符号を付し、その説明は原則として省略する。この実施の形態2は、上記実施の形態1で行っている操作手段28の動作を自動的に行うものである。そのため、実施の形態1の操作手段28に代えて、階層1伝送状態測定手段12、階層2伝送状態測定手段16、階層1エラーレート測定手段15、階層2エラーレート測定手段19が新たに設けられている。また、階層1映像デコード手段22、階層2映像デコード手段23、階層1音声デコード手段24、階層2音声デコード手段25、映像階層選択手段26、音声階層選択手段27のそれぞれは、実施の形態1の場合の動作に加えて後述のように新たな処理を行う。
図2において、階層1伝送状態測定手段12は、受信信号の階層1の電界強度およびキャリア対ノイズ比(Carrier to Noise Ratio;C/N比)を測定する手段である。階層1エラーレート測定手段15は、階層1誤り訂正手段14で訂正しきれなかったTSのパケットエラーレート(Packet Error Rate;PER)、TSヘッダの連続性指標によるパケットロスレート、ビットエラーレート(Bit Error Rate;BER)またはそれらエラーレートの組合せを算出する手段である。階層2伝送状態測定手段16は、階層1伝送状態測定手段12と同様、階層2の電界強度およびC/N比を測定する手段である。階層2エラーレート測定手段19は、階層1エラーレート測定手段15と同様、階層2のエラーレート(PER、パケットロスレート、BERまたはそれらの組み合わせ)を算出する手段である。
階層1映像デコード手段22は、階層1の映像フレームデータを生成することに加え、映像のPES生成時およびES抽出時、デコード時の各処理エラー、すなわちシーケンスエラー、ピクチャエラー、スライスエラー、マクロブロックエラーまたはそれらエラーレートの組合せを検出し、映像デコードエラー情報を生成する手段である。階層2映像デコード手段23も階層2の映像フレームデータの生成に加え、映像のPES生成時およびES抽出時、デコード時の各処理エラーを検出し、映像デコードエラー情報を生成する手段である。階層1音声デコード手段24は、階層1の音声フレームデータを生成することに加え、音声のPES生成時およびES抽出時、デコード時の各処理エラーを検出し、音声デコードエラー情報を生成する手段である。階層2音声デコード手段25も階層2の音声フレームデータの生成に加え、音声のPES生成時およびES抽出時、デコード時の各処理エラーを検出し、音声デコードエラー情報を検出する手段である。映像階層選択手段26は、階層1および階層2の各電界強度とC/N比、階層1および階層2の各PER、パケットロスレートおよびBER、さらに階層1映像および階層2の各映像デコードエラー情報に基づいて、いずれの階層の映像を出力するかを判定し、判定結果に対応する階層の映像フレームデータを出力する手段である。音声階層選択手段27は、階層1および階層2の各電界強度とC/N比、階層1および階層2の各PER、パケットロスレートおよびBER、さらに階層1音声および階層2音声の音声デコードエラー情報に基づいて、いずれの階層の音声を出力するかを判定し、判定結果に対応する階層の音声フレームデータを出力する手段である。
次に、上記実施の形態1に対する差分動作を主にして説明する。
階層1伝送状態測定手段12では、チューナ10により生成されたサイマル放送の受信信号から階層1の電界強度およびC/N比を算出し映像階層選択手段26と音声階層選択手段27に出力する。階層1誤り訂正手段14では、階層1復調手段13の出力のTSに対し誤り訂正処理を行っているが、この処理では、誤り訂正後の出力データと共に、誤り訂正しきれなかったデータについては、TSヘッダのエラービットを立て、後段の階層1エラーレート測定手段15に送る。また、検出しているエラービット数についても階層1エラーレート測定手段15へ送る。階層1のTSを受信した階層1エラーレート測定手段15では、TSヘッダのエラービットからTSパケットのエラー数をカウントし、また、ヘッダの連続性指標からTSパケットのロス数をカウントし、TS成分に含まれるPCR(Program Clock Reference ;番組時刻基準:番組の復号表示タイミングの決定等で参照するシステムクロック回復のための情報)値から、予め定義した時間間隔で、パケットロスレートおよびPERを算出する。また、階層1誤り訂正手段14から受信したエラービットからTSパケットのエラービット数をカウントし、TSに含まれるPCR値から、予め定義した時間間隔で、BERを算出する。この階層1エラーレート測定手段15で受信したTS成分は、そのままPIDフィルタ手段20へ送信される。
一方、階層2においても、階層2伝送状態測定手段16、階層2誤り訂正手段18および階層2エラーレート測定手段19により、それぞれ階層1と同様の処理が行われる。
階層1映像デコード手段22では、前述したように復号により階層1の映像フレームデータを生成するが、この時、セクション構成手段21から取得した階層1映像の制御データとの比較や、ヘッダパラメータ異常などを検出し、シーケンスエラー、ピクチャエラー、スライスエラー、マクロブロックエラーを検出し、映像デコードエラー情報として生成する。そして、生成した映像のデコードエラー情報をデコードした映像フレームデータと共に、後段の映像階層選択手段26へ出力する。もう一方の階層2映像デコード手段23においても、階層1映像デコード手段22と同様な動作を行い、階層2の映像フレームデータと映像デコードエラー情報を生成して後段の映像階層選択手段26へ出力する。
階層1音声デコード手段24では、階層1の音声フレームデータを生成し、この時、セクション構成手段21から取得した音声制御データとの比較や、ヘッダパラメータ異常などの検出、デコード時のエラー検出を行い、音声デコードエラー情報を生成する。生成した音声デコードエラー情報は、音声フレームデータと共に後段の音声階層選択手段27へ出力される。もう一方の階層2音声デコード手段25においても、階層1音声デコード手段24と同様な動作を行い、階層2の音声フレームデータと音声デコードエラー情報を生成して後段の音声階層選択手段27へ出力する。
映像階層選択手段26では、階層1伝送状態測定手段12と階層2伝送状態測定手段16でそれぞれ測定された階層1および階層2の各電界強度とC/N比、階層1エラーレート測定手段15と階層2エラーレート測定手段19でそれぞれ測定された階層1および階層2の各PER、パケットロスレートおよびBER、さらには階層1映像および階層2映像の各映像デコードエラー情報に基づいて、いずれの階層の映像を出力するかを判定し、判定結果に対応する階層の映像フレームデータを選択して出力する。一方、音声階層選択手段27でも、階層1伝送状態測定手段12と階層2伝送状態測定手段16でそれぞれ測定された階層1および階層2の各電界強度とC/N比、階層1エラーレート測定手段15と階層2エラーレート測定手段19でそれぞれ測定された階層1および階層2の各PER、パケットロスレートおよびBER、さらに階層1音声および階層2音声の音声デコードエラー情報に基づいて、いずれの階層の音声を出力するかを判定し、判定結果に対応する階層の音声フレームデータを選択して出力する。映像階層選択手段26および音声階層選択手段27における処理の具体例について次に説明する。
図3はこの発明の実施の形態2に係る映像階層選択手段26の動作を示すフローチャートである。
映像階層選択手段26では、まず、階層1映像デコード手段22および階層2映像デコード手段23でそれぞれ取得した映像データフレームについて、解像度、フレームレートが同じかどうか調べる(ステップST1)。同じ場合は、その各手段22,33で取得した映像デコードエラー情報からエラーの少ない階層を選択し(ステップST2)、その選択した階層の映像データフレームを出力する(ステップST3)。一方、ステップST1において、フレームレートが同じでない場合には、階層1映像の解像度/フレームレートが階層2映像の解像度/フレームレートより高いか否か比較する(ステップST4)。階層1映像の解像度/フレームレートの方が高い場合、階層1映像デコード手段22から取得した階層1映像のデコードエラー数と予め規定した階層1映像デコードエラー閾値との比較を行う(ステップST5)。一方、ステップST4において、階層2映像の解像度/フレームレートの方が高い場合には、階層2映像デコード手段23で取得した階層2映像デコードエラー数と、予め規定した階層2映像デコードエラー閾値との比較を行う(ステップST6)。
次に、ステップST5において、階層1映像デコードエラー数が閾値より大きい場合、ステップST6の処理を行い、反対に、閾値より小さい場合には、階層1映像デコード手段22で取得した階層1映像デコードエラーレートと階層2映像デコード手段23で取得した階層2映像デコードエラーレートとの比較を行う(ステップST7)。
ステップST6において、階層2映像デコードエラー数が閾値より大きい場合、階層1エラーレート測定手段15で取得した階層1のPER、パケットロス、BERの各値と、予め規定した階層1のPER、パケットロス、BERの各閾値との比較を行う(ステップST8)。一方、階層2映像デコードエラー数が閾値より小さい場合にはステップST7の処理を行う。
ステップST7において、階層1映像デコードエラーレートが階層2映像デコードエラーレートより大きい場合、ステップST8の処理を行い、反対に、階層2映像デコードエラーレートの方が階層1映像デコードエラーレートより大きい場合には、階層2の映像フレームを出力する(ステップST13)。
ステップST8において、階層1のPER、パケットロス、BERがそれぞれの閾値より大きい場合、階層2エラーレート測定手段19で取得した階層2のPER,パケットロス、BERの各値と、予め規定した階層2のPER、パケットロス、BERの各閾値との比較を行う(ステップST9)。一方、ステップST8において、階層1のPER、パケットロス、BERがそれぞれの閾値より小さい場合には、階層1エラーレート測定手段15で取得した階層1のPER、パケットロス、BERの各値と、階層2エラーレート測定手段19で取得した階層2のPER、パケットロス、BERの各値との比較を行う(ステップST10)。
ステップST9において、階層2のPER、パケットロス、BERの各値がそれぞれの閾値より大きい場合、階層1伝送状態測定手段12で取得した階層1の電界強度、C/N比と階層2伝送状態測定手段16で取得した階層2電界強度、C/N比とを比較する(ステップST11)。一方、ステップST9において、階層2に係る各値がそれぞれの閾値より小さい場合には、ステップST10の処理を行う。
ステップST10において、階層1のPER、パケットロス、BERの各値が、階層2のPER、パケットロス、BERの各値より大きい場合、ステップST11の処理を行い、一方、逆の場合には、階層2の映像フレームを出力する(ステップST13)。
ステップST11において、階層1の電界強度、C/N比が階層2の電界強度、C/N比より大きい場合、階層1の映像フレームを出力し(ステップST12)、一方、逆の場合には、階層2の映像フレームを出力する(ステップST13)。
音声階層選択手段27は、その動作を図4のフローチャートで示すが、上述した映像階層選択手段26の動作説明で映像を音声に読み替えることにより、同様な動作説明とすることができる。
上記例では、映像階層選択手段26において、各階層の映像フレームの全体についてのエラーを比較して選択する映像フレームデータの階層を決定しているが、代わって映像フレームの中央の特定した部分におけるエラーを比較し選択する階層を判定するようにしてもよい。具体的には、映像階層選択手段26が、階層1映像デコード手段22および階層2映像デコード手段23で検出された映像デコードエラー情報のうちから映像フレームの特定した中央の範囲内に入るデータのみを抽出し、映像階層選択手段26では、特定した中央の範囲内にのみある映像デコードエラー情報を比較することで選択する映像フレームデータの階層決定するようにする。上記中央の範囲に入る映像デコードエラー情報の抽出処理は、階層1映像デコード手段22および階層2映像デコード手段23で行ってもよいし、または映像階層選択手段26で行ってもよい。概して、表示画面上で視線が集中するのは映像の中央であり、その部分の画質が低下すると目障りとなる。これに反し、画面外周付近では視線が集中しないので目障りとならない。したがって、映像フレームの特定した中央の範囲内のエラーデータのみを評価することで、映像の階層切替えが頻繁となるのをある程度抑制でき、視聴者に与える不快感軽減することができる。
以上のように、この実施の形態2によれば、映像階層選択手段26と音声階層選択手段27が、映像と音声とを別々に階層切替えを行うようにしたので、受信データのエラー発生による画質や音声に歪みがある箇所(フレーム)に対しても、適切な階層の映像および/もしくは音声のフレームを自動的に選択して再生することできるため、視聴者は違和感を覚えることなく映像とそれに付随する音声を楽しむことが可能となる。また、映像階層選択手段26が階層1映像デコード手段22および階層2映像デコード手段23で取得した映像デコードエラー情報を用いて映像のエラー位置によってエラーとすべきか否かを判定して出力する階層の映像データを選択するようにしているので、表示映像の中心にエラーが少ない表示を可能とする。さらに、デコードエラーだけでなく、階層1映像デコード手段22および階層2映像デコード手段23、階層1音声デコード手段24および階層2音声デコード手段25、階層1エラーレート測定手段15、階層2エラーレート測定手段19、階層1伝送状態測定手段12、階層2デコード状態測定手段16によって取得した復調過程でのノイズや放送波の受信状態を加味して判定し、出力する階層の映像や音声のデータを選択するようにしているので、短期間でのエラーに対しては、次の受信状態を想定して、切替えないようにすることができ、頻繁な映像や音声の階層切替えが発生せず、視聴しやすい再生を可能にする。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、デジタル放送受信装置単体においてデコード状態や受信状態での階層切替えを自動的に制御することで、視聴しやすい再生を行えるようにしたものであるが、この実施の形態3では、実施の形態2のデジタル放送受信装置を、例えば自動車のような移動体に搭載した場合の階層切替えにおいて、移動体特有の環境を考慮した階層切替え制御を加えることにより、実用に即した再生を行えるようにすることについて説明する。
図5はこの発明の実施の形態3によるデジタル放送受信装置の階層切替え制御系の付加機能構成を示すブロック図で、実施の形態1に対する差分の構成について示す。
GPS(Global Positioning System)受信手段30は、GPS情報を受信して自車(または自装置、以下同様とする)の現在位置を測定する手段である。移動速度センサ31は、自車の現在速度を測定する手段である。地図・受信判断情報格納手段36は、地図情報、放送局の位置、建物等の高さ大きさを表す電波障害物情報、放送受信エリア、各位置で推定あるいは予め測定した受信状態情報等を格納する手段である。ここで、受信状態情報とは、上記実施の形態2で説明した映像階層選択手段26および音声階層選択手段27で収集し階層選択処理に使用した、映像デコードエラー情報、音声デコードエラー情報、階層1と階層2の各PER、パケットロスレート、BER、階層1と階層2の各電界強度、C/N比等、およびこれらに基づいて選択した階層のことである。
ナビゲーションシステム32は、GPS受信手段30および移動速度センサ31で測定された自車の現在位置、現在速度の情報から、地図上の現在位置および進行方向を計算し、地図・受信判断情報格納手段36から得た地図情報を用いて、現在位置、進行方向を表示し、また、後述の移動情報取得手段33の指示で、地図・受信判断情報格納手段36から所定のデータを読み出す手段である。移動情報取得手段33は、ナビゲーションシステム32で得られた、現在位置、進行方向、移動速度の取得と、後述の移動受信状態推定手段34の指示に基づいて、ナビゲーションシステム32経由で、地図・受信判断情報格納手段36から所定データを読み出し、移動受信状態推定手段34へ送る手段である。
移動受信状態推定手段34は、ナビゲーションシステム32で得られた現在位置、進行方向、移動速度の情報に基づいて、自車の予測移動位置を算出し、その位置を基に、所定の範囲内における建物等電波障害物情報、放送局位置、放送受信エリア、受信状態情報等を地図・受信判断情報格納手段36から取得し、自車の予測移動位置における受信状態を推定し、推定結果に基づいた選択階層情報を生成して映像階層選択手段26および/もしくは音声階層選択手段27へ与える手段である。自装置受信状態取得手段38は、自車の位置情報とその位置において上記実施の形態2で説明した映像階層選択手段26および音声階層選択手段27の階層選択で得られた受信状態情報と移動情報取得手段33が取得した自車の位置情報を収集する手段である。受信状態履歴更新手段37は、自装置受信状態取得手段38で収集した自車の位置とその位置における受信状態情報を取得し、それらをデータ変換して地図・受信判断情報格納手段36を更新する手段である。
次に、動作について説明をする。なお、この実施の形態3では、上記実施の形態2で説明した構成、動作を除いた差分のみについて述べるものとする。
ナビゲーションシステム32では、GPS受信手段30で測定した自車の現在位置、移動速度センサ31で測定した自車の現在速度に基づいて現在位置および進行方向を計算し、地図・受信判断情報格納手段36から得た地図情報を用いて、一般的なナビゲーションシステムと同様に、ディスプレイの地図上に現在位置、進行方向などを逐一表示する。また、使用した自車の現在位置、進行方向、移動速度を移動情報取得手段33へ渡す。移動情報取得手段33では、常時、ナビゲーションシステム32から自車の現在位置、進行方向、移動速度を取得すると、それらを移動受信状態推定手段34へ送る。移動受信状態推定手段34では、受け取った自車の現在位置、進行方向、移動速度の情報に基づいて、自車の極めて近い将来の予測移動位置を算出する。ここで、予測移動位置を算出する方法としては、例えば移動速度毎に対応する時間を設定しておき、自車の現在の移動速度にその設定時間を乗じて距離を出し、それを自車の現在位置に加算し、進行方向を与えればよい。
移動受信状態推定手段34は、算出した予測移動位置の情報を移動情報取得手段33に送り、この予測移動位置を基準にした所定の範囲内における放送局位置、電波障害物情報、放送受信エリア、受信可能階層等の情報を、地図・受信判断情報格納手段36から取り寄せることを要求する。移動情報取得手段33では、ナビゲーションシステム32を経由で、この指定された情報を、地図・受信判断情報格納手段36から取得すると、移動受信状態推定手段34へ渡す。移動受信状態推定手段34では、取り寄せた放送局位置、電波障害物情報、放送受信エリア、受信可能階層等の情報に基づいて、自車の予測移動位置における最良となる受信状態を推定し、その結果から映像および/もしくは音声の選択すべき階層を指示する選択階層情報を生成して映像階層選択手段26および/もしくは音声階層選択手段27に送る。
映像階層選択手段26および/もしくは音声階層選択手段27では、選択階層情報が、現在再生中の階層と同じか否かを判定し、同じである場合には、前述した図3および図4のフローで選択した階層に関わらず階層選択の切替えを行わず、元の状態を維持する。このことにより、階層切替えを行った直後に一時的に元の階層に復帰切替えする、チャタリングのような再生の不快現象を防止することができる。一方、選択階層情報が、現在再生中の階層と異なる場合には、図3および図4のフローで選択した階層に基づく階層切替えを実行し、切り替えた階層の映像および/もしくは音声のフレームデータを出力し再生する。このときの映像階層選択手段26および音声階層選択手段27の階層選択から得られる受信状態情報と移動情報取得手段33から得た自車の現在位置情報を自装置受信状態取得手段38で取得する。受信状態履歴更新手段37では、自装置受信状態取得手段38が取得した受信状態情報と自車の位置情報をフォーマット変換した後、地図・受信判断情報格納手段36に送り、対応するデータを更新する。
以上のように、この実施の形態3によれば、GSP受信手段30、移動速度センサ31、ナビゲーションシステム32、地図・受信判断情報格納手段36、移動情報取得手段33および移動受信状態推定手段34によって、予測移動位置における受信状態を推定して、映像階層選択手段26および/もしくは音声階層選択手段27による階層の切替え制御に、予測移動位置における受信状態を反映させるようにしたので、現在、難視聴状態であったとしても、移動により直ぐに正常な受信の復帰が予測できる場合には、視聴を不快にする頻繁な階層切替えを抑制することができる。また、自装置受信状態取得手段38および受信状態履歴更新手段37によって、現在の受信情報を収集し、地図・受信判断情報格納手段36に格納している受信状態情報を更新するようにしているので、その後の受信予測の精度を高めることができる。
実施の形態4.
この実施の形態4は、上記実施の形態3の機能に、リアルタイムな情報を加えて階層切替え制御を行う方法について説明する。
図6はこの発明の実施の形態4によるデジタル放送受信装置の階層切替え制御系の付加機能構成を示すブロック図である。図6において、図5に相当する機能部には同一符号を付し、その説明は主として差分について説明する。また、この実施の形態4では、実施の形態3の構成に対して、近隣装置受信状態取得手段35および通信手段39が新たに設けられている。
通信手段39は、近隣にいる複数の自動車に搭載された同種デジタル放送受信装置群から一定周期で送信される位置情報と受信状態情報を受信し、また、自装置の現在の位置情報と受信状態情報を近隣のデジタル放送受信装置群へ定期的に送信する手段である。近隣装置受信状態取得手段35は、通信手段39によって受信された、近隣の同種のデジタル放送受信装置群の位置情報、受信状態情報を取得し一時蓄積する手段である。また、この実施の形態4の移動受信状態推定手段34は、受信状態の推定動作を、近隣装置受信状態取得手段35から得た情報を加味して行う。
次に、上記実施の形態3に対する差分動作を主体に説明する。
通信手段39では、近隣にいる複数の自動車に1搭載された同種のデジタル放送受信装置群から一定周期で送信される、位置情報と受信状態情報を受信し、近隣装置受信状態取得手段35へ渡して一次蓄積する。移動受信状態推定手段34では、実施の形態3で説明したように、地図・受信判断情報格納手段36から取り寄せた受信状態情報等に基づいて、進行方向にある自車の予測移動位置における受信状態を推定しているが、その際、自車の予測移動位置を基に近隣装置受信状態取得手段35を検索する。検索結果、その位置付近にいる他車のデジタル放送受信装置の受信状態情報を入手した場合には、これらの近隣装置の受信状態情報を加味して選択階層情報を生成する。この場合、移動受信状態推定手段34は、入手した近隣装置の受信状態情報の方が実状を表しているので、この受信状態情報を優先した選択階層情報を生成する。
移動受信状態推定手段34で生成された選択階層情報は、映像階層選択手段26および/もしくは音声階層選択手段27に送られ、実施の形態3と同様な方法による階層選択の動作に使用される。
次に、通信手段39では、自装置受信状態取得手段38から、映像階層選択手段26および音声階層選択手段27で収集した受信状態情報と自車の現在位置を、近隣にいるデジタル放送受信装置群へ一定周期で送信する。このことによって、近隣のデジタル放送受信装置群に対して自車の位置における受信状態を知らせ、それらのデジタル放送受信装置においても、予測移動位置に対する実状に即した受信状態を予測できるようにする。
以上のように、この実施の形態4によれば、通信手段39および移動受信状態推定手段34によって、近隣にいる他の自動車に搭載した同種デジタル放送受信装置から得られる近隣の受信状態を得て自車の予測移動位置での受信状態を推定できるようにしているので、実状に即した受信状態の推定を行うことができ、その結果、頻繁な階層切替えの抑制の制御を高めることができる。
なお、同種のデジタル放送受信装置を搭載する自動車が普及するようになれば、各装置が実状にあった受信状態情報を容易に入手できるようになる。したがって、そのような場合、ナビゲーションシステム32から得られる自車の現在位置、進行方向、移動速度を用いて算出した自車の予測移動位置と、この実施の形態4で得られる近隣装置の受信状態情報を用いただけでも予測移動位置における受信状態を推定できるので、地図・受信判断情報格納手段36の受信状態を判断する情報を使用しない構成とすることも可能になる。
この発明の実施の形態1によるデジタル放送受信装置の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2によるデジタル放送受信装置の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る映像階層選択手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る音声階層選択手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3によるデジタル放送受信装置の階層切替え制御系の付加機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4によるデジタル放送受信装置の階層切替え制御系の付加機能構成を示すブロック図である。 地上波デジタル放送の周波数帯域幅、セグメント、階層の構成を表す説明図である。
符号の説明
10 チューナ、11 伝送制御情報抽出手段、12 階層1伝送状態測定手段、13 階層1復調手段、14 階層1誤り訂正手段、15 階層1エラーレート測定手段、16 階層2伝送状態測定手段、17 階層2復調手段、18 階層2誤り訂正手段、19 階層2エラーレート測定手段、20 PIDフィルタ手段、21 セクション構成手段、22 階層1映像デコード手段、23 階層2映像デコード手段、24 階層1音声デコード手段、25 階層2音声デコード手段、26 映像階層選択手段、27 音声階層選択手段、28 操作手段、30 GPS受信手段、31 移動速度センサ、32 ナビゲーションシステム、33 移動情報取得手段、34 移動受信状態推定手段、35 近隣装置受信状態取得手段、36 地図・受信判断情報格納手段、37 受信状態履歴更新手段、38 自装置受信状態取得手段、39 通信手段。

Claims (8)

  1. 伝送周波数帯域を構成するセグメントを組み合わせた少なくとも2つの階層を使用し、それぞれの階層に同じ番組の映像および音声データを多重させて階層伝送を行うサイマル放送を受信し、復調、復号して各階層の映像および音声のフレームデータを生成するデジタル放送受信装置であって、
    階層毎に復号した映像フレームデータから、再生する階層の映像フレームデータを選択して出力する映像階層選択手段と、
    階層毎に復号した音声フレームデータから、再生する階層の音声フレームデータを選択して出力する音声階層選択手段と、
    誤り訂正後の各階層のストリームのパケットエラーレート、パケットロスレート、ビットエラーレートまたはそれらエラーレートの組合せを算出する階層毎のエラーレート測定手段と、
    誤り訂正後の各階層のストリームを復号し映像フレームデータを生成すると共に、復号時のシーケンスエラー、ピクチャエラー、スライスエラー、マクロブロックエラーまたはそれらエラーレートの組合せを映像デコードエラー情報として検出する階層毎の映像デコード手段と、
    誤り訂正後の各階層のストリームを復号し音声フレームデータを生成すると共に、復号時のデコードエラーを音声デコードエラー情報として検出する階層毎の音声デコード手段とを備え、
    前記映像階層選択手段は、前記階層毎のエラーレート測定手段で算出された各階層のストリームのエラーレートと前記階層毎の映像デコード手段で検出された各階層の映像デコードエラー情報に基づいて、再生する映像フレームデータの階層を選択し、
    前記音声階層選択手段は、前記音声エラーレート測定手段で算出された各階層のストリームのエラーレートと前記階層毎の音声デコード手段で検出された各階層の音声デコードエラー情報に基づいて、再生する音声フレームデータの階層を選択することを特徴とするデジタル放送受信装置。
  2. 受信信号の各階層の電界強度および/もしくはキャリア対ノイズ比を測定する階層毎の伝送状態測定手段を備え、
    映像階層選択手段は、前記階層毎の伝送状態測定手段で測定された各階層の電界強度および/もしくはキャリア対ノイズ比に基づいて、再生する映像フレームデータの階層を選択することを特徴とする請求項記載のデジタル放送受信装置。
  3. 受信信号から各階層の電界強度および/もしくはキャリア対ノイズ比を検出する階層毎の伝送状態測定手段を備え、
    音声階層選択手段は、前記階層毎の伝送状態測定手段で測定された各階層の電界強度および/もしくはキャリア対ノイズ比に基づいて、再生する音声フレームデータの階層を選択することを特徴とする請求項記載のデジタル放送受信装置。
  4. 映像階層選択手段は、階層毎の映像デコード手段で検出された映像デコードエラー情報を比較する際に、映像フレームの特定した範囲内に、映像デコードエラーが存在する場合の映像デコードエラー情報を、それぞれを比較することで選択する映像フレームデータの階層を決定するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項記載のデジタル放送受信装置。
  5. 移動体に搭載されるデジタル放送受信装置であって、
    地図情報、放送局の位置、建物等の高さ大きさを表す電波障害物情報、放送受信エリア、各位置で推定あるいは予め測定した受信状態情報等を格納する地図・受信判断情報格納手段と、
    GPS情報から取得した自装置の現在位置と移動速度センサで測定された現在速度から進行方向を算出するナビゲーションシステムと、
    前記ナビゲーションシステムで得られた現在位置、進行方向、移動速度に基づいて、自装置の予測移動位置を算出し、当該予測移動位置を基に、所定の範囲内における建物等電波障害物情報、放送局位置、放送受信エリア、受信状態情報を前記地図・受信判断情報格納手段から取得し、これらの情報に自装置の予測移動位置における受信状態を推定し、推定結果に基づいた選択階層情報を生成して映像階層選択手段および/もしくは音声階層選択手段へ与える移動受信状態推定手段を備え、
    前記映像階層選択手段および/もしくは音声階層選択手段は、前記移動受信状態推定手段から与えられた選択階層情報と現在選択中の階層との同一性を判定することにより映像および/もしくは音声の階層の維持または切替えを行うようにしたことを特徴とする請求項から請求項のうちのいずれか1項記載のデジタル放送受信装置。
  6. 近隣にいる複数の同種デジタル放送受信装置群から一定周期で送信される位置情報と受信状態情報を受信し、また、自装置の現在の位置情報と映像階層選択手段および音声階層選択手段が選択している階層の受信状態情報を近隣のデジタル放送受信装置群へ定期的に送信する通信手段を備え、
    移動受信状態推定手段は、自装置の予測移動位置における受信状態の推定において、前記通信手段で受信した情報の中から自装置の予測移動位置付近の受信状態情報を入手した場合には、当該受信状態情報を優先した選択階層情報を生成するようにしたことを特徴とする請求項記載のデジタル放送受信装置。
  7. 自車の位置情報とその位置において映像階層選択手段および音声階層選択手段の階層選択で得られた受信状態情報をデータ変換して地図・受信判断情報格納手段の対応するデータを更新する受信状態履歴更新手段を備えたことを特徴とする請求項または請求項記載のデジタル放送受信装置。
  8. 移動体に搭載されるデジタル放送受信装置であって、
    GPS情報から取得した自装置の現在位置と移動速度センサで測定された現在速度から進行方向を算出するナビゲーションシステムと、
    近隣にいる複数の同種デジタル放送受信装置群から一定周期で送信される位置情報と受信状態情報を受信し、また、自装置の現在の位置情報と映像階層選択手段および音声階層選択手段が選択している階層の受信状態情報を近隣のデジタル放送受信装置群へ定期的に送信する通信手段と、
    前記ナビゲーションシステムで得られた現在位置、進行方向、移動速度に基づいて、自装置の予測移動位置を算出し、前記通信手段で受信した情報の中から自装置の予測移動位置付近の受信状態情報を入手した場合には、その受信状態情報に基づいた選択階層情報を生成して映像階層選択手段および/もしくは音声階層選択手段へ与える移動受信状態推定手段を備え、
    前記映像階層選択手段および/もしくは音声階層選択手段は、前記移動受信状態推定手段から与えられた選択階層情報と現在選択中の階層との同一性を判定することにより映像および/もしくは音声の階層の維持または切替えを行うようにしたことを特徴とする請求項から請求項のうちのいずれか1項記載のデジタル放送受信装置。
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