以下、本発明の一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るフルカラー画像形成装置100の概略構成が示されている。
図1に示されるフルカラー画像形成装置100は、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を重ね合わせてカラー画像を形成する装置であり、光走査装置900、4個の感光体ドラム(901a、901b、901c、901d)、4個の帯電チャージャ(902a、902b、902c、902d)、4個の現像ローラ(903a、903b、903c、903d)、4個のトナーカートリッジ(904a、904b、904c、904d)、4個のクリーニングケース(905a、905b、905c、905d)、転写ベルト906、給紙トレイ907、給紙コロ908、レジストローラ対909、定着ローラ910、排紙トレイ911、排紙ローラ912、及び位置検出装置913などを備えている。
感光体ドラム901a、帯電チャージャ902a、現像ローラ903a、トナーカートリッジ904a、及びクリーニングケース905aは、組として使用され、イエローのトナー画像を形成する画像形成ステーションである。
感光体ドラム901b、帯電チャージャ902b、現像ローラ903b、トナーカートリッジ904b、及びクリーニングケース905bは、組として使用され、マゼンタのトナー画像を形成する画像形成ステーションである。
感光体ドラム901c、帯電チャージャ902c、現像ローラ903c、トナーカートリッジ904c、及びクリーニングケース905cは、組として使用され、シアンのトナー画像を形成する画像形成ステーションである。
感光体ドラム901d、帯電チャージャ902d、現像ローラ903d、トナーカートリッジ904d、及びクリーニングケース905dは、組として使用され、ブラックのトナー画像を形成する画像形成ステーションである。
すなわち、フルカラー画像形成装置100は、4つの画像形成ステーションを有している。
各感光体ドラムは、転写ベルト105の移動方向(ここでは、X軸方向)に沿って等間隔に配置されている。各感光体ドラムの表面には、それぞれ感光層が形成されている。ここでは、各感光体ドラムは、図1における面内で時計回り(矢印方向)に回転する。
各帯電チャージャは、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置900は、上位装置(例えば、パソコン)90からのカラー画像情報(イエロー画像情報、マゼンタ画像情報、シアン画像情報、ブラック画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。ところで、感光体ドラムの長手方向(回転軸に沿った方向、ここではY軸方向)は「主走査方向」と呼ばれ、感光体ドラムの回転方向は「副走査方向」と呼ばれている。なお、以下では、主走査方向の走査において、走査開始位置から走査終了位置に向かう方向を「走査方向」という。また、各感光体ドラムにおける走査開始位置から走査終了位置までの主走査方向の走査領域を「画像形成領域」ともいう。この光走査装置900の構成については後述する。
トナーカートリッジ904aにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903aに供給される。トナーカートリッジ904bにはマゼンダトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903bに供給される。トナーカートリッジ904cにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903cに供給される。トナーカートリッジ904dにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴ってその表面に対応するトナーカートリッジから供給されたトナーが帯電されて薄く均一に付着される。また、各現像ローラには、対応する感光体ドラムにおける帯電している部分(光が照射されなかった部分)と帯電していない部分(光が照射された部分)とで互いに逆方向の電界が生じるような電圧が印加されている。そして、この電圧によって、各現像ローラの表面に付着しているトナーは、対応する感光体ドラムの表面の光が照射された部分にだけ付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着された像(以下、「トナー画像」という。)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト906の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、タイミングを合わせて転写ベルト906上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。なお、Y軸方向における各感光体ドラムの中央部に形成されたトナー画像は、いずれもY軸方向における転写ベルト906の中央部に転写されるように設定されている。
給紙トレイ907には転写対象物としての記録紙が格納されている。この給紙トレイ907の近傍には給紙コロ908が配置されており、該給紙コロ908は、記録紙を給紙トレイ907から1枚づつ取り出し、レジストローラ対909に搬送する。該レジストローラ対909は、副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて記録紙を転写ベルト906に向けて送り出す。これにより、転写ベルト906上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ910に送られる。
この定着ローラ910では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ912を介して排紙トレイ911に送られ、排紙トレイ911上に順次スタックされる。
各クリーニングケースは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。なお、除去された残留トナーは、再度利用されるようになっている。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電チャージャの位置に戻る。
位置検出装置913は、感光体ドラム901aの+X側の近傍で、転写ベルト906に対向する位置に配置され、転写ベルト906上に形成された後述するトナーパッチに基づいて光スポットの位置情報が含まれる信号を出力する。
本実施形態では、この位置検出装置913は、一例として図2に示されるように、5個の位置検出センサ(913a、913b、913c、913d、913e)を有している。そして、各位置検出センサは、それぞれ、転写ベルト906に向けて照明光を照射するLED素子と、該LED素子からの光を転写ベルト906の表面に集光する集光レンズと、転写ベルト906で反射された光(反射光)を集光する集光レンズと、該集光レンズで集光された反射光を受光するフォトセンサと、を含んで構成されている。各フォトセンサは、それぞれ受光光量に応じた光電変換信号を出力する。
各位置検出センサは、Y軸方向の−側から+側に向かって、位置検出センサ913a、位置検出センサ913b、位置検出センサ913c、位置検出センサ913d、位置検出センサ913eの順に、Y軸方向に沿って一列に配置されている。位置検出センサ913aは、転写ベルト906のY軸方向の−側端部近傍に対向する位置に配置され、位置検出センサ913eは、転写ベルト906のY軸方向の+側端部近傍に対向する位置に配置され、位置検出センサ913cは、転写ベルト906のY軸方向の中央部近傍に対向する位置に配置されている。また、位置検出センサ913bは、位置検出センサ913aと位置検出センサ913cとの中間位置近傍に配置され、位置検出センサ913dは、位置検出センサ913cと位置検出センサ913eとの中間位置近傍に配置されている。
すなわち、画像形成領域における各端部近傍に対応する位置に位置検出センサ913a及び位置検出センサ913eが配置され、画像形成領域における中央部近傍に対応する位置に位置検出センサ913cが配置され、画像形成領域における中央部と各端部との各中間位置近傍に対応する位置に位置検出センサ913b及び位置検出センサ913dが配置されている。そして、画像形成領域における、位置検出センサ913aに対応する位置をY1、位置検出センサ913bに対応する位置をY2、位置検出センサ913cに対応する位置をY3、位置検出センサ913dに対応する位置をY4、位置検出センサ913eに対応する位置をY5とする。
また、本実施形態では、一例として図3に示されるように、画像形成領域を6つの区間(区間A、区間B、区間C、区間D、区間E、区間F)に分割している。そして、各位置検出センサは、区間の境界に対応する位置に配置されている。
《トナーパッチ》
ここで、トナーパッチについて説明する。本実施形態では、一例として図3に示されるように、各位置検出センサに対応して5組のトナーパッチ(TPa、TPb、TPc、TPd、TPe)が形成される。そして、各トナーパッチはいずれも、各色毎に、長さ方向が転写ベルト906の進行方向に直交する第1パターンと、長さ方向が転写ベルト906の進行方向に対して45度傾いた第2パターンとからなる2種類の線状のパターンが形成されている。すなわち、各トナーパッチはいずれも、8個のパターンから構成されている。例えば、トナーパッチTPaは、ブラックの第1パターンTPKa1、シアンの第1パターンTPCa1、マゼンタの第1パターンTPMa1、イエローの第1パターンTPYa1、ブラックの第2パターンTPKa2、シアンの第2パターンTPCa2、マゼンタの第2パターンTPMa2、イエローの第2パターンTPYa2、から構成されている。
第1パターンは副走査方向に関する位置ずれを検出するのに用いられるパターンであり、第2パターンは主走査方向に関する位置ずれを検出するのに用いられるパターンである。
そして、ここでは、位置検出センサ913aに対応してトナーパッチTPaが形成され、位置検出センサ913bに対応してトナーパッチTPbが形成され、位置検出センサ913cに対応してトナーパッチTPcが形成され、位置検出センサ913dに対応してトナーパッチTPdが形成され、位置検出センサ913eに対応してトナーパッチTPeが形成されるものとする。すなわち、位置検出センサ913aはトナーパッチTPaの各パターンの位置情報を出力し、位置検出センサ913bはトナーパッチTPbの各パターンの位置情報を出力し、位置検出センサ913cはトナーパッチTPcの各パターンの位置情報を出力し、位置検出センサ913dはトナーパッチTPdの各パターンの位置情報を出力し、位置検出センサ913eはトナーパッチTPeの各パターンの位置情報を出力する。
次に、前記光走査装置900の構成について図4及び図5を用いて説明する。
この光走査装置900は、4個の光源ユニット(250a、250b、250c、250d)、4個のカップリングレンズ(207a、207b、207c、207dとする。図示省略)、4個のアパーチャ(208a、208b、208c、208dとする。図示省略)、4個のシリンダレンズ(209a、209b、209c、209d)、ポリゴンミラー213、4個のfθレンズ(218a、218b、218c、218d)、8個の折り返しミラー(224a、224b、224c、224d、227a、227b、227c、227d)、4個のトロイダルレンズ(220a、220b、220c、220d)、4個の同期センサ(228a、228b、228c、228dとする。図示省略)及び処理回路815などを備えている。なお、図4では、便宜上、折り返しミラー及びトロイダルレンズについては、それらの一部のみが図示されている。
光源ユニット250aは、イエロー画像情報に応じて変調された光を出射する。光源ユニット250bは、マゼンタ画像情報に応じて変調された光を出射する。光源ユニット250cは、シアン画像情報に応じて変調された光を出射する。光源ユニット250dは、ブラック画像情報に応じて変調された光を出射する。各光源ユニットはいずれも、副走査方向に対応する方向に、1ラインピッチに対応する間隔で配置された2つの半導体レーザを有している。これにより、色毎にそれぞれ2ラインずつの同時走査が可能である。
カップリングレンズ207aは、光源ユニット250aからの光を略平行光とする。カップリングレンズ207bは、光源ユニット250bからの光を略平行光とする。カップリングレンズ207cは、光源ユニット250cからの光を略平行光とする。カップリングレンズ207dは、光源ユニット250dからの光を略平行光とする。
アパーチャ208aは、カップリングレンズ207aからの光のビーム径を規定する。アパーチャ208bは、カップリングレンズ207bからの光のビーム径を規定する。アパーチャ208cは、カップリングレンズ207cからの光のビーム径を規定する。アパーチャ208dは、カップリングレンズ207dからの光のビーム径を規定する。
シリンダレンズ209aは、アパーチャ208aからの光をポリゴンミラー213の偏向面において副走査方向に対応する方向に線状となるように収束する。シリンダレンズ209bは、アパーチャ208からの光をポリゴンミラー213の偏向面において副走査方向に対応する方向に線状となるように収束する。シリンダレンズ209cは、アパーチャ208cからの光をポリゴンミラー213の偏向面において副走査方向に対応する方向に線状となるように収束する。シリンダレンズ209dは、アパーチャ208dからの光をポリゴンミラー213の偏向面において副走査方向に対応する方向に線状となるように収束する。これにより、ポリゴンミラー213における偏向点と、各感光体ドラムの表面における集光点とが副走査方向に共役となる。
すなわち、各光源ユニットから出射された光は、対応するカップリングレンズにより略平行光とされ、対応するアパーチャによりビーム径が規定された後、対応するシリンドリカルレンズにより副走査方向に対応する方向にのみ集束され、ポリゴンミラー213の偏向面位置に、主走査方向に対応する方向に長い線像として結像する。
ポリゴンミラー213は、2段構造の6面ミラーで構成されている。1段目の6面ミラーではシリンダレンズ209aからの光及びシリンダレンズ209dからの光がそれぞれ偏向され、2段目の6面ミラーではシリンダレンズ209bからの光及びシリンダレンズ209cからの光がそれぞれ偏向される。各段の厚さは約2mmである。また、1段目と2段目の間には、風損を低減するために溝が設けられている。すなわち、単一のポリゴンミラー213で全ての光が偏向される。
各fθレンズは、ポリゴンミラー213の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速に移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。そして、fθレンズ218a及びfθレンズ218bは、ポリゴンミラー213の一側に配置され、fθレンズ218c及びfθレンズ218dは、ポリゴンミラー213の他側に配置されている。また、fθレンズ218aとfθレンズ218b、及びfθレンズ218cとfθレンズ218dは、それぞれ副走査方向に対応する方向に積層されている。なお、各シリンダレンズと各fθレンズと各トロイダルレンズとによって、ポリゴンミラー213の偏向面の面倒れが補正されるようになっている。
光源ユニット250aから出射された光は、カップリングレンズ207a、アパーチャ208a、シリンドリカルレンズ209a、ポリゴンミラー213、fθレンズ218a、折り返しミラー224a、トロイダルレンズ220a、及び折返しミラー227aを介して、感光体ドラム901a上にスポット状に結像する。
光源ユニット250bから出射された光は、カップリングレンズ207b、アパーチャ208b、シリンドリカルレンズ209b、ポリゴンミラー213、fθレンズ218b、折り返しミラー224b、トロイダルレンズ220b、及び折返しミラー227bを介して、感光体ドラム901b上にスポット状に結像する。
光源ユニット250cから出射された光は、カップリングレンズ207c、アパーチャ208c、シリンドリカルレンズ209c、ポリゴンミラー213、fθレンズ218c、折り返しミラー224c、トロイダルレンズ220c、及び折返しミラー227cを介して、感光体ドラム901c上にスポット状に結像する。
光源ユニット250dから出射された光は、カップリングレンズ207d、アパーチャ208d、シリンドリカルレンズ209d、ポリゴンミラー213、fθレンズ218d、折り返しミラー224d、トロイダルレンズ220d、及び折返しミラー227dを介して、感光体ドラム901d上にスポット状に結像する。
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー213から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
同期センサ228aは、感光体ドラム901aにおける1ライン走査の開始を検出する。同期センサ228bは、感光体ドラム901bにおける1ライン走査の開始を検出する。同期センサ228cは、感光体ドラム901cにおける1ライン走査の開始を検出する。同期センサ228dは、感光体ドラム901dにおける1ライン走査の開始を検出する。ここでは、各同期センサは、いずれも像面と等価な位置に配置され、走査を開始するのに先立って、ポリゴンミラー213により偏向された光が各同期センサに入射する。各同期センサは、それぞれ受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
また、光走査装置900では、4個の感光体ドラム上を同時に走査し、4色の画像を同時に形成することができる。
前記処理回路815は、4つの光源制御回路(815a、815b、815c、815d)を有している。
光源制御回路815aは、イエロー画像情報、同期センサ228aの出力信号、及び位置検出装置913の出力信号などに基づいて光源ユニット250aを制御する。光源制御回路815bは、マゼンダ画像情報、同期センサ228bの出力信号、及び位置検出装置913の出力信号などに基づいて光源ユニット250bを制御する。光源制御回路815cは、シアン画像情報、同期センサ228cの出力信号、及び位置検出装置913の出力信号などに基づいて光源ユニット250cを制御する。光源制御回路815dは、ブラック画像情報、及び同期センサ228dの出力信号などに基づいて光源ユニット250dを制御する。各光源制御回路は、ほぼ同様な回路構成を有している。そこで、以下では、光源制御回路815cについて説明する。
光源制御回路815cは、一例として図6に示されるように、画素クロック生成回路20、書込制御部30、画像処理部40、及び光源駆動部50を有している。また、画素クロック生成回路20は、カウンタ回路12、比較回路13、画素クロック制御回路14、光スポット位置補正回路23、高周波クロック生成部25、補正情報記憶回路27、及び信号調整回路28を有している。
画像処理部40は、上位装置90からのシアン画像情報に基づいて、画像データを生成する。
書込制御部30は、画像処理部40からの画像データを各画素に割り当てて変調データを生成し、該変調データを画素クロック生成回路20からの画素クロック信号PCLKに同期したシリアル信号として出力する。ここでは、光源ユニット250cの各半導体レーザに対応した複数のシリアル信号が出力される。
光源駆動部50は、書込制御部30からのシリアル信号に基づいて光源ユニット250cの駆動信号を生成する。ここでは、光源ユニット250cの各半導体レーザに対応した複数の駆動信号が生成される。
高周波クロック生成部25は、周期が一定の高周波クロック信号VCLKを生成する。全幅ずれの補正は、この高周波クロック信号VCLKの周期を変化させ、画素クロックPCLKの周期を変化させることにより行われる。
信号調整回路28は、同期センサ228cの出力信号を増幅、反転、2値化して信号S228cを生成する。従って、同期センサ228cに光が入射すると、一例として図7に示されるように、信号S228cは、「H(ハイレベル)」から「L(ローレベル)」に変化する。また、信号調整回路28は、位置検出装置913の各位置検出センサの出力信号を増幅、2値化して信号S913a〜S913eを生成する。なお、信号S913aは位置検出センサ913aの出力信号から生成され、信号S913bは位置検出センサ913bの出力信号から生成され、信号S913cは位置検出センサ913cの出力信号から生成され、信号S913dは位置検出センサ913dの出力信号から生成され、信号S913eは位置検出センサ913eの出力信号から生成される。従って、トナーパッチが形成された転写ベルト906が回転するにつれて、一例として図7に示されるように、信号S913aにおいて、パターンTPKa1によるパルスP1と、パターンTPCa1によるパルスP2と、パターンTPMa1によるパルスP3と、パターンTPYa1によるパルスP4と、パターンTPKa2によるパルスP5と、パターンTPCa2によるパルスP6と、パターンTPMa2によるパルスP7と、パターンTPYa2によるパルスP8とが、順に出力されることとなる。同様に、信号S913b〜S913eにおいても、それぞれ各パターンによる8個のパルス(P1〜P8とする)が順に出力されることとなる。なお、パルスP1からパルスP5までの経過時間をt15、パルスP2からパルスP6までの経過時間をt26、パルスP3からパルスP7までの経過時間をt37、パルスP4からパルスP8までの経過時間をt48、とする。
光スポット位置補正回路23は、電源投入時、あるいはジョブとジョブの間に形成されたトナーパッチによる位置ずれ検出結果に対する信号調整回路28の出力信号から、各感光体ドラム上に形成される光スポットの主走査方向における位置ずれの補正情報(以下、便宜上「ずれ補正情報」ともいう。)を求める。なお、1ジョブにおける印刷枚数が多い場合には、途中でトナーパッチ形成による色ずれ補正(位置ずれ検出)を割り込ませることもある。
ところで、主走査方向における色ずれの要因には、主として次の3つがある。
(1)画像の書き出し位置のずれ(以下、「レジストずれ」ともいう。)
(2)画像の幅のずれ(以下、「全幅ずれ」ともいう。)
(3)画像の一部における幅のずれ(以下、「部分倍率誤差」ともいう。)
例えば、レジストずれが発生している場合には、画像形成領域が走査方向にシフトするため、各パターンはいずれも同一方向に同一量だけずれることとなる(図8(A)及び図8(B)参照)。また全幅ずれが発生している場合には、走査開始位置に近いパターンよりも走査開始位置から遠いパターンのほうが大きくずれることとなる(図9(A)及び図9(B)参照)。部分倍率誤差が発生している場合には、不規則にパターンがずれることとなる(図10(A)及び図10(B)参照)。なお、部分倍率誤差は、レジストずれ及び全幅ずれが補正されていても発生する。従って、ずれの種類によってその補正方法が異なる。例えば、全幅ずれは、画素クロック信号PCLKの周期を調整することによって補正することができる。また、レジストずれは、主走査方向の書き出しタイミングを調整することによって補正することができる。また、部分倍率誤差は、画素クロックPCLKの位相もしくは周波数を部分的に変化(変調)させることによって補正することができる。
次に、光スポット位置補正回路23でのずれ補正情報の取得方法について以下に説明する。ここでは、一例としてブラックを基準にして、ブラックに対するシアンのずれ補正情報を求める。
1.信号S913aにおけるt15とt26との差に基づいて、位置Y1でのシアンの位置ずれ量(a1とする)を求める。
2.信号S913bにおけるt15とt26との差に基づいて、位置Y2でのシアンの位置ずれ量(a2とする)を求める。
3.信号S913cにおけるt15とt26との差に基づいて、位置Y3でのシアンの位置ずれ量(a3とする)を求める。
4.信号S913dにおけるt15とt26との差に基づいて、位置Y4でのシアンの位置ずれ量(a4とする)を求める。
5.信号S913eにおけるt15とt26との差に基づいて、位置Y5でのシアンの位置ずれ量(a5とする)を求める。
6.(a5−a1)を演算する。この演算結果をシアンの全幅ずれ補正量Maと決定する。
7.同期センサ228cにより検出された走査開始位置に対応する主走査方向の位置(DSとする)から位置Y1,Y2,Y3,Y4,Y5までの距離をそれぞれdy1,dy2,dy3,dy4,dy5とする。これらは、設計により決まる値である。これらの値と決定された全幅ずれ補正量Maに基づいて、a1〜a5に含まれる全幅ずれ成分を除去し、a1’〜a5’とする。
なお、a1’〜a5’は、位置Y1,Y2,Y3,Y4,Y5における補正量をそれぞれΔa1,Δa2,Δa3,Δa4,Δa5とすると、以下のようにして求めることができる。
ここで、Δa1とΔa5との間には、次の(1)式及び(2)式で示される関係がある。
Δa5−Δa1=Ma ……(1)
Δa1=Δa5×dy1/dy5 ……(2)
上記(1)式と(2)式とから次の(3)式が得られる。
Δa5=dy5/(dy5−dy1)×Ma ……(3)
そこで、上記(3)を用いると、Δa1〜Δa4は、それぞれ次の(4)式〜(7)式のようになる。
Δa1=Δa5×dy1/dy5=dy1/(dy5−dy1)×Ma……(4)
Δa2=Δa5×dy2/dy5=dy2/(dy5−dy1)×Ma……(5)
Δa3=Δa5×dy3/dy5=dy3/(dy5−dy1)×Ma……(6)
Δa4=Δa5×dy4/dy5=dy4/(dy5−dy1)×Ma……(7)
そして、a1’〜a5’は、上記(4)式〜(7)式で求められたΔa1〜Δa5を用いて、それぞれ次の(8)式〜(12)式により求めることができるができる。
a1’=a1−Δa1……(8)
a2’=a2−Δa2……(9)
a3’=a3−Δa3……(10)
a4’=a4−Δa4……(11)
a5’=a5−Δa5……(12)
8.(a1’+a5’)/2を演算する。この演算結果をシアンのレジストずれ補正量Mbと決定する。
9.a2”=(a2’−Mb)、a3”=(a3’−Mb)、a4”=(a4’−Mb)、を演算する。すなわち、決定されたレジストずれ補正量に基づいて、a2’〜a4’に含まれるレジストずれ成分を除去し、a2”〜a4”とする。このa2”〜a4”がシアンの部分倍率誤差の補正量となる。
10.各部分倍率誤差の補正量に応じて、補正情報記憶回路27に格納されている光スポットの間隔を補正する補正情報(以下、「間隔補正情報」ともいう。)を修正(再構築)する。なお、主走査方向における最初と最後の光スポットの位置は、レジストずれ及び全幅ずれの各補正によって最適化されるため、それらの位置が変化しないように、間隔補正情報を再構築する。
以上のように、ここでは、光スポット位置に関する、互いに検出位置が異なる複数の検出結果を、レジストずれ成分と全幅ずれ成分の補正に使用するものと、部分倍率誤差成分の補正に使用するものとに分けている。そして、部分倍率誤差成分がほとんど含まれない各端部近傍での検出結果を用いてレジストずれ補正量と全幅ずれ補正量とを決定し、上記3つの位置ずれ成分が含まれる、中央部と各端部との各中間位置近傍での検出結果、及び中央部近傍での検出結果と、決定されたレジストずれ補正量及び全幅ずれ補正量とを用いて、部分倍率誤差の補正量を決定している。
なお、補正情報記憶回路27に予め格納されている間隔補正情報は、装置の製造工程あるいは調整工程などで実測された部分倍率誤差の補正量に基づいて取得された間隔補正情報である。
この間隔補正情報には、色毎に、それぞれ前記区間毎の補正データ(例えば、その区間での補正量を関数(以下、「補正関数」という。)で表現したときの該補正関数に対応するデータ)が含まれている。
これにより、区間毎に、その区間内の光スポット間隔を等しく縮小したり(図11(A)参照)、あるいは等しく拡大したり(図11(B)参照)することができる。なお、図11(A)及び図11(B)では、補正後の光スポット位置が補正前よりも紙面右側となる場合を正、紙面左側となる場合を負としている。そして、一例として図12に示されるように、補正関数が一次式であっても精度良く部分倍率誤差を補正することができる。
そして、本来の走査の際には、光スポット位置補正回路23は、全幅ずれ補正量に応じて画素クロック信号PCLKの周期を調整し、レジストずれ補正量に応じて主走査方向の書き出しタイミングを調整するとともに、補正情報記憶回路27に格納されている間隔補正情報を参照し、前記区間毎に位相データを決定する。すなわち、前記区間毎に画素クロック信号PCLKの位相をシフトさせて、各光源ユニットでの発光タイミングを調整し、光スポット間隔を補正する。これにより、全体的に色ずれを小さく抑えることができる。
なお、ここでは、a1’とa5’の平均値をレジストずれ補正量としているが、例えば、設計値を用いた理論計算、実験及びシミュレーションなどで得られた計算式にa1’とa5’とを代入して得られた値をレジストずれ補正量としても良い。
例えば、位置Y1での補正量をΔa1、位置Y5での補正量をΔa5とし、前記位置DSから位置Y1,Y5までの距離をそれぞれdy1,dy5とすると、次の(13)式及び(14)式が成立する。なお、dy1,dy5は、設計により決まる値である。
Δa5−Δa1=a5−a1=Ma ……(13)
Δa1=Δa5×dy1/dy5 ……(14)
ここで、Maは全幅ずれ補正量である。上記(13)式と(14)式とにより、次の(15)式が得られる。
Δa1=dy1/(dy5−dy1)×Ma ……(15)
上記(14)式と(15)式を用いると、次の(16)式及び(17)式が得られる。
a1’=a1−Δa1=a1−dy1/(dy5−dy1)×(a5−a1)
=(a1×dy5−a5×dy1)/(dy5−dy1) ……(16)
a5’=a5−Δa5=a5−dy5/dy1×Δa1=a5−dy5/(dy5−dy1)×(a5−a1)
=(a1×dy5−a5×dy1)/(dy5−dy1)
=a1’ ……(17)
また、ここでは、a2、a3及びa4から、全幅ずれ補正量とレジストずれ補正量とを減算した値をそれぞれ部分倍率誤差の補正量としているが、例えば、設計値を用いた理論計算、実験及びシミュレーションなどで得られた計算式に全幅ずれ補正量とレジストずれ補正量とを代入して得られた値を部分倍率誤差の補正量としても良い。
図6に戻り、カウンタ回路12は、高周波クロック信号VCLKの立ち上がりタイミングでカウント値を+1する。なお、カウント値は、比較回路13からのリセット信号によって0リセットされる。
比較回路13は、高周波クロック信号VCLKの立ち上がりタイミングで動作し、カウンタ回路12のカウント値が予め設定されている値(ここでは「3」とする)と一致すると、制御信号aをHレベルとする。そして、次の高周波クロック信号VCLKの立ち上がりタイミングで制御信号aをLレベルとする。また、比較回路13は、カウンタ回路12のカウント値が位相データと一致すると、制御信号bをHレベルとするとともに、リセット信号をカウンタ回路12に出力する。そして、次の高周波クロック信号VCLKの立ち上がりタイミングで制御信号bをLレベルとする。
画素クロック制御回路14は、高周波クロック信号VCLKの立ち上がりタイミングで動作し、制御信号aがHレベルのときに画素クロックPCLKをLレベルとし、制御信号bがHレベルのときに画素クロックPCLKをHレベルとする。
図13(A)には、位相データが7のときのカウンタ回路12、比較回路13及び画素クロック制御回路14の各出力信号のタイミングチャートが示されている。この場合には、高周波クロック信号VCLKの8分周に相当するデュティ比50%の画素クロック信号PCLKが生成される。以下では便宜上、位相データが7のときの画素クロック信号を「基準画素クロック信号」ともいう。図13(B)には、位相データが8のときのカウンタ回路12、比較回路13及び画素クロック制御回路14の各出力信号のタイミングチャートが示されている。この場合には、基準画素クロック信号に対して1/8波長だけ位相を進ませた画素クロック信号PCLKが生成される。図13(C)には、位相データが6のときのカウンタ回路12、比較回路13及び画素クロック制御回路14の各出力信号のタイミングチャートが示されている。この場合には、基準画素クロック信号に対して1/8波長だけ位相を遅らせた画素クロック信号PCLKが生成される。
このように、画素クロック制御回路14では、位相データに応じて位相が異なる画素クロック信号PCLKが生成される(図14参照)。なお、本実施形態では、位相データは、6、7、8のいずれかであるものとする。これにより、画素クロック生成回路20における処理のアルゴリズムを簡略化することができる。
すなわち、画素クロック生成回路20は、補正情報記憶回路27に格納されている間隔補正情報に応じて区間毎に位相変調され周期が一定でない画素クロック信号PCLKを生成する。これにより、fθレンズの製造誤差や設置誤差等に起因する色ずれを補正することができる。なお、位相変調は、比較的簡単な電気回路で実現できるため、画素クロック制御回路14の簡素化、及び消費電力の低減を図ることができる。また、区間の繋ぎ目においてジッタが発生するのを抑制することも可能である。
45℃の環境下で測定した主走査方向における光スポットの位置ずれを、25℃における位置ずれからの変動量としたものが、一例として図15に示されている。なお、レジストずれと全幅ずれはすでに補正されている。ここでは、10mm幅での部分倍率誤差を30箇所で測定し、その測定結果を位置ずれ量に換算している。図15における実線は測定結果を示している。図15における破線(補正1とする)は、画像形成領域の中央部近傍で位置ずれを測定し、その測定結果から位置ずれを補正したときの補正量を示し、図15における一点鎖線(補正2とする)は、画像形成領域の中央部を0mm、画像形成領域の各端部を±150mm(A3用紙に対応)として、±75mmの位置でそれぞれ位置ずれを測定し、それらの測定結果から位置ずれを補正したときの補正量を示している。測定結果と補正量との差が、位置ずれ補正の残差を示している。位置ずれ補正の残差を比較すると、補正2のほうが補正1よりも位置ずれが良好に補正されている。すなわち、画像形成領域の中央部と各端部との各中間位置近傍での位置ずれの測定結果から位置ずれを補正することにより、従来よりも補正精度を向上させることができる。
これは、温度変化などによりfθレンズが変形しても、光はfθレンズの近軸付近を通過するため、画像形成領域の中央部近傍では、主走査方向における光スポットの位置ずれが発生しにくいことに起因している。このとき、画像形成領域の端部と中央部との中間位置近傍では光スポットの大きな位置ずれが発生しているため、中央部近傍に形成されたトナーパッチを検出し、その検出結果に応じて補正しても、画像形成領域の中央部と各端部との各中間位置近傍において位置ずれが残存することとなる。
なお、位置ずれを良好に補正するためには、位置ずれを検出する位置は、画像形成領域の中央部から端部までの距離を1としたとき、画像形成領域の中央部からの距離が0.3以上0.7以下に設定するのが好ましい。例えば、画像形成領域の中央部から端部までの距離が150mmのときには、位置ずれを検出する位置は、画像形成領域の中央部から45mm以上105mm以下に設定するのが好ましい。
光源制御回路815aは、光源制御回路815cと同様な回路構成を有し、イエローのずれ補正情報を求める。なお、光源制御回路815aでは、信号S913b〜S913eにおけるt15とt48との差に基づいてイエローの位置ずれ量が算出される。
光源制御回路815bは、光源制御回路815cと同様な回路構成を有し、マゼンダのずれ補正情報を求める。なお、光源制御回路815bでは、信号S913b〜S913eにおけるt15とt37との差に基づいてマゼンダの位置ずれ量が算出される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るフルカラー画像形成装置100では、位置検出装置913によって位置検出手段が構成され、光スポット位置補正回路23によって補正手段が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係るフルカラー画像形成装置100によると、位置検出装置913は、5個の位置検出センサ(913a、913b、913c、913d、913e)を有し、位置検出センサ913aは、転写ベルト906のY軸方向の−側端部近傍に対向する位置(第3の位置)に配置され、位置検出センサ913eは、転写ベルト906のY軸方向の+側端部近傍に対向する位置(第4の位置)に配置され、位置検出センサ913cは、転写ベルト906のY軸方向の中央部近傍に対向する位置(第5の位置)に配置されている。また、位置検出センサ913bは、位置検出センサ913aと位置検出センサ913cとの中間位置近傍(第1の位置)に配置され、位置検出センサ913dは、位置検出センサ913cと位置検出センサ913eとの中間位置近傍(第2の位置)に配置されている。そして、位置検出センサ913aと位置検出センサ913eの各検出結果を用いてレジストずれ補正量と全幅ずれ補正量とを決定し、位置検出センサ913b、位置検出センサ913c、及び位置検出センサ913dの各検出結果と、決定されたレジストずれ補正量及び全幅ずれ補正量とを用いて、部分倍率誤差の補正量を決定している。これにより、例えば温度変化により、走査レンズが変形しても、従来よりも適切な部分倍率誤差の補正量を求めることができ、その結果として、色ずれが少なく高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
また、本実施形態によると、光スポット位置補正回路23は、区間毎に光スポットの間隔の補正を行っている。これにより、一部の区間のみで任意の量の色ずれ補正を行うことが可能となる。すなわち、色ずれが生じる部分だけを個別に補正することができる。従って、色ずれ補正が非常に簡単になり、色ずれ補正のアルゴリズムの簡略化及び光スポット位置補正回路23の簡素化、小型化、低コスト化を図ることができる。そして、その結果として光スポット位置補正回路23での消費電力の低減も可能となる。
ところで、部分倍率誤差は、画像形成領域全体でみると、非常に複雑な形状となっている。そこで、画像形成領域を複数の区間に分割しない場合には、補正関数は少なくとも8次以上の高次の多項式となり、莫大な情報量となる。しかしながら、本実施形態によると、画像形成領域を複数の区間に分割しているため、補正関数を一次式とすることができ、情報量を大幅に低減することができる。
また、本実施形態によると、各位置検出センサは、区間の境界に対応する位置に配置されている。これにより、部分倍率誤差の補正量から間隔補正情報への変換が単純になり、色ずれ補正のアルゴリズムを簡略化することができる。なお、仮に、位置検出センサが区間の境界に対応する位置に配置されていなければ、検出結果を区間の端部における位置ずれに換算する必要があり、誤差発生の要因となるばかりでなく、色ずれ補正のアルゴリズムが複雑化する。
なお、上記実施形態では、信号S913cを部分倍率誤差の検出に用いる場合について説明したが、これに限らず、信号S913cをレジストずれの検出に用いても良い。この場合に、信号S913aと信号S913eとから全幅ずれ補正量を決定し、全幅ずれ補正後の画像形成領域の中央部での位置ずれをレジストずれ補正量としても良い。すなわち、例えば、シアンについて前記a3’をレジストずれとしても良い。これにより、各色間で画像の中央位置が良く一致し、補正誤差は画像の両端に分散されるため、色ずれを目立ちにくくすることができる。すなわち、各端部近傍での検出結果と中央部近傍での検出結果とを用いてレジストずれ補正量と全幅ずれ補正量を決定し、中央部と各端部との各中間位置近傍での検出結果と、決定されたレジストずれ補正量及び全幅ずれ補正量とを用いて、部分倍率誤差の補正量を決定しても良い。
また、画素クロック生成回路の構成は、図6に示されるものに限らず、前記画素クロック生成回路20と同様な機能を有する回路構成であれば良い。
また、上記実施形態では、走査方式が単一のポリゴンミラーに対して対向する方向に光ビームを走査する、いわゆる対向走査方式の場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、単一のポリゴンミラーではなく、色毎にポリゴンミラーが設けられても良い。
また、上記実施形態では、位置検出装置913が5個の位置検出センサ(913a、913b、913c、913d、913e)を有する場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、一例として図16に示されるように、前記位置検出装置913から位置検出センサ913cを除いても良い。この場合には、全幅ずれ補正量及びレジストずれ補正量は、上記実施形態と同様にして決定され、位置検出センサ913b及び位置検出センサ913dの各検出結果と、決定された全幅ずれ補正量及びレジストずれ補正量とから各部分倍率誤差の補正量が決定される。なお、上記実施形態におけるトナーパッチTPcは不要である。
すなわち、各端部近傍での各検出結果を用いてレジストずれ補正量と全幅ずれ補正量を決定し、中央部と各端部との各中間位置近傍での検出結果と、決定されたレジストずれ補正量及び全幅ずれ補正量とを用いて、部分倍率誤差の補正量を決定しても良い。
また、例えば、一例として図17に示されるように、前記位置検出装置913から位置検出センサ913cと位置検出センサ913eとを除いても良い。この場合に、走査方向が位置検出センサ913aから位置検出センサ913dに向かう方向のときには、位置検出センサ913aの検出結果からレジストずれ補正量が決定され、位置検出センサ913dの検出結果と位置検出センサ913aの検出結果との差から全幅ずれ補正量が決定される。そして、位置検出センサ913bの検出結果と、決定された全幅ずれ補正量及びレジストずれ補正量とから部分倍率誤差の補正量が決定される。一方、走査方向が位置検出センサ913dから位置検出センサ913aに向かう方向のときには、位置検出センサ913aの検出結果と位置検出センサ913dの検出結果との差から全幅ずれ補正量が決定され、位置検出センサ913aの検出結果と決定された全幅ずれ補正量とからレジストずれ補正量が決定される。そして、位置検出センサ913bの検出結果と、決定された全幅ずれ補正量及びレジストずれ補正量とから部分倍率誤差の補正量が決定される。なお、上記実施形態におけるトナーパッチTPc及びTPeは不要である。
前記位置検出装置913における位置検出センサの数は、色ずれに対する要求品質、及び各レンズの特性などに応じて選択することができる。
さらに、位置検出装置913の検出結果から全幅ずれ量を求める必要がないときには、一例として図18に示されるように、前記位置検出装置913から位置検出センサ913aと位置検出センサ913cと位置検出センサ913eとを除いても良い。この場合には、位置検出センサ913bの検出結果と位置検出センサ913dの検出結果の平均値からレジストずれ補正量が決定される。例えば、位置検出センサ913bから得られた位置ずれ量がA1、位置検出センサ913dから得られた位置ずれ量がA2であれば、(A1+A2)/2がレジストずれ補正量となる。そして、位置検出センサ913bの検出結果と決定されたレジストずれ補正量との差、及び位置検出センサ913dの検出結果と決定されたレジストずれ補正量との差から、部分倍率誤差の補正量が決定される。なお、上記実施形態におけるトナーパッチTPa、TPc及びTPeは不要である。
なお、この場合に、A1及びA2のいずれか一方の値をそのままレジストずれ補正量とし、A1、A2とレジストずれ補正量の差分を部分倍率誤差の補正量としても、位置ずれ検出位置においては良好に補正されるが、位置ずれ検出位置以外の位置では、補正残差が増大してしまう。これは、A1及びA2には、レジストずれ成分と部分倍率誤差の2つの成分が含まれているのに、1つの成分(レジストずれ成分)として補正するためである。
また、このときに、位置ずれ検出における検出誤差等に起因して補正誤差が発生すると、A1とA2の平均値をレジストずれ補正量とした場合には、誤差は画像の両側に分散されるが、A1及びA2のいずれか一方の値をそのままレジストずれ補正量とした場合には、誤差は画像の片側に集中する。従って、A1とA2の平均値をレジストずれ補正量とした方が、全体的に色ずれが目立ちにくくなる。なお、レジストずれ補正量として、A1とA2の平均値に限定されるものではなく、例えば、設計値を用いた理論計算、実験及びシミュレーションなどで得られた計算式にA1とA2とを代入して得られた値であっても良い。要するに、A1とA2の両方を用いてレジストずれ補正量を決定するのが好ましい。
また、上記実施形態では、位置検出装置913の出力信号から全幅ずれ量を求める場合について説明したが、前記各同期センサとそれぞれ一対になり、各感光体での1ライン走査の終了をそれぞれ検出するための4個の終了検知センサを更に設け、前記同期センサの出力信号と対応する終了検知センサの出力信号とから主走査方向の走査に要した時間を求め、設計上の時間(理想走査時間)との差に基づいて全幅ずれ量を求めても良い。この場合には、各終了検知センサの出力信号は、対応する光源制御回路の信号調整回路において前記各同期センサの出力信号と同様な調整が行われ、調整後の信号は、光スポット位置補正回路に出力される。これにより、トナーパッチ形成による色ずれ補正(位置ずれ検出)の直前や、画像出力における紙と紙の間等において、全幅ずれを補正することができるため、位置ずれ検出結果に含まれる全幅ずれ成分がほぼなくなり、レジストずれ成分及び部分倍率誤差成分の補正精度を更に向上させることができる。
また、上記実施形態では、前記位置検出装置913が前記感光体ドラム901aの+X側の近傍に配置されている場合について説明したが、これに限らず、転写ベルト906上のトナーパッチが上記実施形態と同様に検出できる位置であれば良い。
また、上記実施形態において、前記位置検出装置913に代えて、各感光体ドラム上のトナー画像をそれぞれ検出する位置検出装置を用いても良い。
また、上記実施形態において、前記位置検出装置913に代えて、一例として図19に示されるように、4個の分岐光学素子(301a、301b、301c、301d)、及び4個の受光器(302a、302b、302c、302d)を有する位置検出装置を用いても良い。
分岐光学素子301aは、折返しミラー227aと感光体ドラム901aとの間の光路上に配置され、折返しミラー227aからの光を、受光器302aの受光面方向に分岐する。分岐光学素子301bは、折返しミラー227bと感光体ドラム901bとの間の光路上に配置され、折返しミラー227bからの光を、受光器302bの受光面方向に分岐する。分岐光学素子301cは、折返しミラー227cと感光体ドラム901cとの間の光路上に配置され、折返しミラー227cからの光を、受光器302cの受光面方向に分岐する。分岐光学素子301dは、折返しミラー227dと感光体ドラム901dとの間の光路上に配置され、折返しミラー227dからの光を、受光器302dの受光面方向に分岐する。なお、分岐光学素子として、ハーフミラーを用いても良い。
受光器302aは、一例として図20に示されるように、5個のフォトダイオード(302a1、302a2、302a3、302a4、302a5)がY軸方向に沿って一列に配置されている。そして、フォトダイオード302a1及び302a5は、それぞれ画像形成領域の各端部近傍に対応する位置に配置され、フォトダイオード302a3は、画像形成領域の中央部近傍に対応する位置に配置され、フォトダイオード302a2は、フォトダイオード302a1と302a3との中間位置近傍に配置され、フォトダイオード302a4は、フォトダイオード302a3と302a5との中間位置近傍に配置されている。また、受光器302b、302c、302dも、それぞれ受光器302aと同様な構成となっている。各受光器の各フォトダイオードは、それぞれ受光光量に応じた光電変換信号を出力する。そして、各フォトダイオードの出力信号は、前記信号調整回路28において前記各位置検出センサの出力信号と同様な調整が行われ、調整後の信号は、光スポット位置補正回路23に出力される。そして、光スポット位置補正回路23は、受光器毎に隣り合うフォトダイオード間の走査時間を求め、設計上の理想時間と比較することにより、主走査方向における光スポットの位置ずれを検出することができる。
また、上記実施形態では、画像形成領域を6つの区間に分割する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数の区間に分割されていれば良い。また、各区画の大きさは互いに異なっていても良い。
また、上記実施形態では、各区画における補正関数が1次式の場合について説明したが、これに限らず、位置ずれ補正情報に応じて、例えば2次式や3次式などの低次の多項式であっても良い。但し、この場合は、区間内で位相データが変化することとなる。さらに、区間内の一部で位相データを変化させても良い。
そして、位相データを変化させる際に、例えば2画素おきに位相データを変化させても良い。この場合には、画素クロックPCLKの位相は階段状に変化するが、変化量が小さいので、連続的に変化させたときとの差は小さい(図21(A)及び図21(B)参照)。なお、何画素おきに位相データを変化させるかという情報は、位相データに付加されて光スポット位置補正回路23から出力される。また、補正量に応じて何画素おきに位相データを変化させるかを決定しても良い。n画素おきに位相データを変化させる場合に、補正量が少ないほどnの値を大きくすることができる。
また、上記実施形態では、画素クロック信号の位相を変化させる場合について説明したが、画素クロック信号の周波数を変化させても良い(図22参照)。この場合に、周波数の変化は階段状に限定されず、例えば1次関数的、あるいは2次関数的に変化させても良い。要するに、間隔補正情報に応じて、周波数を変化させれば良い。
また、上記実施形態では、位相データが、6、7、8のいずれかの場合について説明したが、これに限定されるものではない。