JP4935409B2 - 透明樹脂層形成用塗工液 - Google Patents

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本発明は、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液、およびこれを用いて形成された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ、並びに、透明樹脂層形成用塗工液の選択方法およびこれを用いた半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、液晶表示装置として、外光の反射と、バックライト光の透過光とを利用した半透過型液晶表示装置が開発され、この半透過型液晶表示装置は、外光を利用して表示を行なう従来の反射型カラー液晶表示装置に、バックライトを兼ね備え、周囲が暗い場合でもバックライトによる表示(透過表示)が行なえる、という利点を有する。
このような半透過型液晶表示装置では、透過光および反射光が液晶を通過する回数が異なることから、透過表示および反射表示の視認性を良好なものとするためには、透過光および反射光が、それぞれ液晶を通過する距離を調整する必要があった。そこで、例えば図3に示すように、透明基板101のうち、反射表示に用いられる反射光用領域(rで示される領域)にのみ、所定の膜厚を有する透明樹脂層102を形成し、その透明樹脂層102を覆うように着色層103を形成することにより、反射光用領域(rで示される領域)と、透過光用領域(tで示される領域)との光路差を調整する方法が一般的に用いられている(特許文献1参照)。
この方法によれば、例えば図3に示すように、カラーフィルタ100と対向させて対向基板である液晶駆動側基板110を配置した際、反射光用領域(rで示される領域)における液晶駆動側基板110とカラーフィルタ100とのギャップaと、透過光用領域(tで示される領域)における液晶駆動側基板110とカラーフィルタ100とのギャップbとの関係を調整することが可能となり、反射光と透過光との光路差を調整することができるのである。
またこの方法によれば、製造の過程で、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液が膜減りすることにより、反射光用領域に形成される着色層の膜厚を、透過光用領域に形成される着色層の膜厚より薄いものとすることができ、透過光用領域および反射光用領域の色特性を近似させることも可能となる。
このような構造を有する半透過型液晶表示装置においては、近年、反射光用領域における輝度を向上させる傾向が強まっていることから、反射光用領域における着色層をより薄く形成することが求められている。
そこで、上記透明樹脂層の膜厚をより厚くすることにより、透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液の膜減りを促進し、反射光用領域における着色層の膜厚をより薄く形成する方法が考えられる。しかしながら、通常、透明樹脂層の膜厚は、ギャップaがギャップbの1/2となるように決定されることから、反射光用領域における着色層を所望の膜厚に形成することを目的として、透明樹脂層の膜厚を設計することはできず、その結果、反射光用領域における着色層の膜厚をさらに薄く形成することは困難であるといった問題があった。
特開2004−085986号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの反射光用領域における着色層の輝度を高くすることが可能な透明樹脂層を形成できる透明樹脂層形成用塗工液を提供することを主目的とするものである。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ(以下、単にカラーフィルタとする場合がある。)における上記透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液であって、上記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の上記透明樹脂層に対する接触角が、上記着色層形成用塗工液の上記透明基板に対する接触角よりも5°以上大きくなるような含有量で、上記透明樹脂層形成用塗工液中に界面活性剤が含有されることを特徴とする透明樹脂層形成用塗工液を提供する。
本発明においては、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角が、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角よりも所定の値以上大きくなるような含有量で界面活性剤を含有させることにより、透明基板表面と比較して透明樹脂層表面の撥液性が高くなることから、透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布した場合、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液がより撥液性の低い側である透明基板上へと移動していくため、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液の塗膜は、高低差のみを利用した膜減りに比べて、膜減りの割合が増加する。したがって、本発明の透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明基板上に透明樹脂層を形成し、その透明樹脂層上に上記着色層形成用塗工液を塗布して上記着色層を形成することにより、反射光用領域における着色層の膜厚をより薄くすることができ、このような着色層を有するカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合、反射光用領域における着色層の輝度を向上させることが可能となる。
上記発明においては、上記界面活性剤の含有量が、上記透明樹脂層形成用塗工液の固形分中、0.3質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましい。透明樹脂層形成用塗工液中に含有させる界面活性剤の含有量を上記範囲内とすることにより、上述した接触角の関係を満たすことが可能な透明樹脂層形成用塗工液とすることができるからである。
また上記発明においては、上記透明基板が、ガラス基板であることが好ましい。これにより、上述した着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角と、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角との差が開きやすくなるからである。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、上記透明樹脂層が、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成されたものであることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層を有していることにより、着色層の形成の際、透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布した場合、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液が膜減りしやすくなるため、反射光用領域における着色層をより薄膜化することが可能となる。したがって、反射光用領域における着色層の輝度の高い半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
上記発明においては、上記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の基準透明樹脂層に対する接触角が、上記着色層形成用塗工液の前記透明基板に対する接触角よりも5°以上大きくなるような含有量で、上記着色層形成用塗工液中に界面活性剤が含有されることが好ましい。これにより、着色層形成の際、カラーフィルタに形成された透明樹脂層上に塗布される着色層形成用塗工液の膜減りがさらに促されるため、反射光用領域における着色層を一層薄く形成することが可能となるからである。
また上記発明においては、上記着色層形成用塗工液中に含有させる上記界面活性剤の含有量が、上記着色層形成用塗工液の固形分中、0.01質量%〜0.25質量%の範囲内であることが好ましい。着色層形成用塗工液中に含有させる界面活性剤の含有量を上記範囲内とすることにより、上述した接触角の関係を満たすことが可能な着色層形成用塗工液とすることが可能となるからである。
また上記発明においては、上記透明基板が、ガラス基板であることが好ましい。これにより、上述した着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角と、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角との差が開きやすくなるからである。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける上記透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液の選択方法であって、上記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の上記透明樹脂層に対する接触角が、上記着色層形成用塗工液の上記透明基板に対する接触角よりも大きくなるような上記透明樹脂層形成用塗工液を選択することを特徴とする透明樹脂層形成用塗工液の選択方法を提供する。
本発明によれば、上記透明基板と比較して撥液性が高くなる透明樹脂層を形成することが可能な透明樹脂層形成用塗工液が選択されるため、この透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層上に、着色層形成用塗工液を塗布した際、透明樹脂層上における着色層形成用塗工液の塗膜の膜減りが促進される。したがって、反射光用領域における着色層を薄く形成することが可能な透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液を選択することが可能となる。
また本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記記載の透明樹脂層形成用塗工液の選択方法を用いて透明樹脂層形成用塗工液を選択する選択工程と、上記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて上記透明基板上に透明樹脂層をパターン状に形成する透明樹脂層形成工程と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成する着色層形成工程とを有することを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明樹脂層を形成し、その上に着色層形成用塗工液を塗布することにより、透明樹脂層上の着色層の膜厚をより薄く形成することが可能となる。したがって、半透過型液晶表示装置に用いた際、反射光用領域における着色層の輝度が向上した高品質なカラーフィルタを得ることが可能となる。
また、本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記記載の透明樹脂層形成用塗工液を用いて、上記透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成する着色層形成工程とを有することを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明樹脂層を形成し、その上に着色層形成用塗工液を塗布することにより、透明樹脂層上に膜厚のより薄い着色層を形成することが可能となる。したがって、本発明により得られる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを用いて半透過型液晶表示装置とした際、反射光用領域における着色層の輝度が向上させることが可能となる。
本発明によれば、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの反射光用領域における着色層の輝度を高くすることが可能な透明樹脂層を形成できる透明樹脂層形成用塗工液とすることが可能となるという効果を奏する。
本発明は、透明樹脂層形成用塗工液、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ、透明樹脂層形成用塗工液の選択方法、およびカラーフィルタの製造方法に関するものである。以下、これらについて説明する。
A.透明樹脂層形成用塗工液
まず、本発明の透明樹脂層形成用塗工液について説明する。本発明の透明樹脂層形成用塗工液は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける上記透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液であって、上記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の上記透明樹脂層に対する接触角が、上記着色層形成用塗工液の上記透明基板に対する接触角よりも5°以上大きくなるような含有量で、上記透明樹脂層形成用塗工液中に界面活性剤が含有されることを特徴とするものである。
本発明においては、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角が、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角よりも所定の値以上大きいものとすることから、透明基板表面よりも透明樹脂層表面の撥液性が高いものとされる。これにより、透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布した際、着色層形成用塗工液は、撥液性の高い側から撥液性の低い側へ、すなわち透明樹脂層上から透明基板上へと移動する。このように透明樹脂層上の着色層形成用塗工液を、高低差に加えて撥液性の差も利用して膜減りさせることができるため、膜減りの割合が増加する。したがって、透明樹脂層上の着色層の膜厚をより薄く形成することが可能となり、このような着色層を有するカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際、反射光用領域における着色層の輝度を向上させることが可能となるのである。
図1は、本発明の透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成される半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。まず、透明基板1上に、本発明の透明樹脂層形成用塗工液を塗布し、例えばフォトマスク10を用いて露光光Lにより露光し、現像、焼成等を行うことにより反射光用領域r上に透明樹脂層2を形成する(図1(a))。次に、透明基板1および透明樹脂層2を覆うように着色層形成用塗工液20を塗布することにより、透明樹脂層2上の着色層形成用塗工液20は、透明基板1上へと移動するため、透明樹脂層2上の着色層形成用塗工液20の塗膜は膜減りし(図1(b))、透明樹脂層2上には膜厚の薄い着色層3が形成される(図1(c))。
このようにして、本発明の透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明樹脂層を形成した場合、その透明樹脂層上に塗布された着色層形成用塗工液は、撥液性の高い側(図1において透明樹脂層2上)から低い側(図1において透明基板1上)へと移動し、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液の塗膜の膜減りが促進されるため、透明樹脂層上における着色層形成用塗工液の塗膜の厚みが減り、透明樹脂層上には膜厚の薄い着色層が形成されるのである。
以下、透明樹脂層形成用塗工液および接触角の測定について、それぞれ詳しく説明する。
1.透明樹脂層形成用塗工液
本発明の透明樹脂層形成用塗工液は、透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層に対する着色層形成用塗工液の接触角が、透明基板に対する着色層形成用塗工液の接触角よりも所定の値以上大きくなるような量の界面活性剤を含有するものである。
本発明の透明樹脂層形成用塗工液に含有させる界面活性剤としては、一般にカラーフィルタにおける透明樹脂層に用いられる界面活性剤であれば特に限定されるものではなく、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用することができ、これらの中から一種または二種以上を混合して用いることができる。本発明においては、中でも、フッ素系界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明においては、上記透明樹脂層形成用塗工液中に、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角が、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角よりも5°以上大きくなるような含有量で界面活性剤を含有させるものであるが、中でも7°以上、特に10°以上大きくなるような含有量で界面活性剤を含有させることが好ましい。上記接触角差が大きい程、本発明の透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明樹脂層を形成した場合、その上に形成される着色層の膜厚をより薄いものとすることが可能となるからである。なお、この接触角差が大きすぎると、透明樹脂層表面の撥液性が高すぎてしまう場合があるため、本発明の透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層上に塗布した着色層形成用塗工液がはじかれ、形成される着色層に白抜けが生じるおそれがある。したがって、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角は、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角よりも30°以下程度とすることが好ましい。
また、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角として具体的には、15°〜35°の範囲内程度、中でも20°〜30°の範囲内とすることが好ましい。さらに、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角として具体的には、2°〜15°の範囲内程度
中でも5°〜10°の範囲内とすることが好ましい。
本発明の透明樹脂層形成用塗工液中に含有させる上記界面活性剤の具体的な含有量は、透明樹脂層形成用塗工液の固形分中、0.3質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましく、中でも0.5質量%〜5質量%の範囲内、特に0.7質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲を超えると、形成された透明樹脂層と透明基板との密着性が低下する場合があるからである。また、界面活性剤の含有量が上記範囲に満たないと、本発明による効果が得られない場合があるからである。
本発明の透明樹脂層形成用塗工液の材料としては、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに入射した外光およびその外光が反射された反射光に対して透明なものであれば特に限定されるものではない。このような透明樹脂層形成用塗工液に用いられる材料としては、一般的なカラーフィルタの透明樹脂層に用いられる材料を使用することが可能であり、通常、上述した界面活性剤の他、感光性樹脂、溶媒および各種添加剤等を挙げることができる。
上記感光性樹脂は、光重合反応により重合可能なモノマー成分やポリマー成分のことを示す。このようなモノマー成分、ポリマー成分としては、従来より、カラーフィルタにおける透明樹脂層の形成に用いられているものと同様とすることができる。
例えば、ポリマー成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上とからなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。また、上記のコポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記のポリマー成分のなかで、合わせて使用するモノマー成分との相溶性等の観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂とポリメタクリル酸エチル樹脂の共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルローストリアセテート等を好ましく使用することができる。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸とスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートの2種類以上からなる共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの変性物を使用することができる。
また、モノマー成分として、具体的には、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタン構造を有するオリゴマーに(メタ)アクリレート基を結合させたウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーに(メタ)アクリレート基を結合させたポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーに(メタ)アクリレート基を結合させたエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレート基を有するポリウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、本発明において(メタ)アクリレートとはアクリレート基又はメタクリレート基のいずれかであることを意味する。
上記重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ミヒラーケトン系、ベンジル系、ベンゾイン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゾエート系、α−アシロキシムエステル等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等のイオウ化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィノキシド等のリン化合物等が挙げられる。
上記溶剤としては、一般的なカラーフィルタの製造において使用される各種塗工液に含有される溶剤と同様のものを用いることができる。
上記各種添加剤としては、例えば増感剤、帯電防止剤、保存安定剤、消泡剤、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、密着助剤、各種調整剤等が挙げられ、これらを必要に応じて使用することができる。なお、これらの各種添加剤は、一般的なカラーフィルタにおける着色層を形成する際に使用されるものと同様とすることができる。
2.接触角の測定
本発明においては、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角と、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角とが測定される。
接触角の測定に用いられる透明基板は、実際のカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものが使用される。このような透明基板としては、可視光に対して透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が挙げられる。中でも、本発明においては、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス等のガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板を用いることにより、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角と、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角との関係を満たしやすくなるからである。
また、上記透明基板の表面は、実際のカラーフィルタに用いられる透明基板に施される表面処理と同様の処理が行われていることとする。このような表面処理は、例えば以下の手順に従って行うことができる。
(1)洗剤中に透明基板を入れ、10分〜20分超音波洗浄を行う。
(2)流水で、洗剤を洗い流す。
(3)水で10分〜20分超音波洗浄を行う。
(4)105℃〜110℃の乾燥機に入れて、1時間以上乾燥させる。
また、接触角の測定に用いられる透明樹脂層としては、上述した透明樹脂層形成用塗工液を上記透明基板上に塗布し、乾燥させることにより形成される厚さ2μm〜4μm程度の透明樹脂層が用いられる。
また、接触角の測定に用いられる着色層形成用塗工液としては、実際に着色層を形成する際に用いられる着色層形成用塗工液が使用される。このような着色層形成用塗工液としては、一般的なカラーフィルタにおける着色層を形成する際に用いられるものと同様とすることができ、例えば、感光性樹脂、重合開始剤、着色剤、溶剤および各種添加剤を含有するものとすることができる。
上記着色剤としては、一般的なカラーフィルタにおける着色層に使用されるものと同様とすることができ、例えば顔料、染料等を用いることができる。上記顔料および染料は、公知のものを使用することができる。
なお、上記感光性樹脂、重合開始剤、溶剤および各種添加剤としては、上述した透明樹脂層形成用塗工液に使用されるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記着色層形成用塗工液中の固形分濃度は、10質量%〜30質量%の範囲内が好ましく、特に20質量%〜25質量%の範囲内とすることが好ましい。固形分濃度がこのような範囲内にあることにより、透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布した際、膜減りが効率よく行われ程度に流動性を有するものとすることができ、また、塗工性も良好となるからである。
なお、本発明における接触角は、上記透明基板または透明樹脂層上に着色層形成用塗工液の液滴をマイクロシリンジから滴下して20秒後に、接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。
3.その他
本発明の透明樹脂層形成用塗工液が用いられる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの構成としては、本発明の透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層、透明基板および着色層以外の他の部材を有する構成としてもよい。他の部材としては、後述する「B.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ」に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
B.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、上記透明樹脂層が、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成されたものであることを特徴とするものである。
図2は、本発明のカラーフィルタの一例を示すものである。本発明におけるカラーフィルタは、図2に示すように、透明基板1と、上記透明基板1上にパターン状に形成された透明樹脂層2と、上記透明基板1および上記透明樹脂層2を覆うように形成された着色層3とを有するものであり、上記透明樹脂層2は、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成されたものである。また、上記透明基板1と上記透明樹脂層2と上記着色層3とが積層された領域を反射光用領域rとし、上記透明基板1と上記着色層3とが積層された領域を透過光用領域tとする。
本発明においては、上記透明樹脂層が、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成されたものであることにより、透明樹脂層の表面の撥液性は、透明基板の表面よりも高くなるため、着色層の形成の際、透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布した場合、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液が透明基板側へと移動していき、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液の塗膜が大きく膜減りする。したがって、反射光用領域における着色層の膜厚をより薄くすることが可能となり、本発明のカラーフィルタを半透過型液晶表示装置に用いた場合、反射光用領域における着色層の輝度を向上させることが可能となるのである。
以下、本発明のカラーフィルタの各部材について詳しく説明する。
1.透明樹脂層
まず、本発明における透明樹脂層について説明する。本発明における透明樹脂層は、後述する透明基板の反射光用領域上のみにパターン状に形成されるものであり、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成されるものである。
なお、透明樹脂層形成用塗工液については、上記「A.透明樹脂層形成用塗工液」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明における透明樹脂層は、後述する反射光用領域における着色層と後述する透明基板との間に設けられているものであり、種々のパターン、例えば、モザイク状、トライアングル状、ストライプ状等のパターンで形成される。
本発明における透明樹脂層の膜厚は、本発明のカラーフィルタを用いて製造される半透過型液晶表示装置におけるギャップ(液晶層の厚み)に応じて適宜調整されるものであり、通常、透明樹脂層の膜厚は、反射光用領域におけるギャップが、透過光用領域におけるギャップの半分程度となるように調整される。このような透明樹脂層の膜厚として具体的には、通常1.0μm〜5.0μm程度、中でも1.5μm〜4.5μm程度、特に2.0μm〜4.5μm程度とすることが好ましい。これにより、本発明における半透過型液晶表示装置用カラーフィルタが半透過型液晶表示装置に用いられた際、反射光用領域および透過光用領域における光路差を調整することが可能となるからである。
また、透明樹脂層の膜厚は、透明樹脂層上に形成される着色層の色ごとに異なるものであってもよい。この場合、透明樹脂層間の膜厚差は1μm以下が好ましく、中でも0.1μm〜0.6μmの範囲内、特に0.2μm〜0.4μmの範囲内であることが好ましい。透明樹脂層間の膜厚差が、上記範囲内よりも大きい場合、液晶作動性に問題が生じる場合があるからである。
なお、上記透明樹脂層の形成方法としては、後述する「D.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法」の項で詳しく説明するので、ここでの説明は省略する。
2.着色層
次に、本発明における着色層について説明する。本発明における着色層は、後述する透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成されるものであり、図2に示すように反射光用領域rおよび透過光用領域tの各領域にわたって形成されている。
上記着色層は、通常、赤色パターン、緑色パターンおよび青色パターンを有している。各着色パターンの配列としては、モザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等が挙げられる。
本発明においては、反射光用領域における着色層の平均膜厚を1とした場合、透過光用領域における着色層の平均膜厚が2.5〜5の範囲内であることが好ましく、中でも3.0〜4.5の範囲内、特に3.3〜4.2の範囲内であることが好ましい。透過光用領域における着色層の平均膜厚が上記範囲内よりも小さい場合は、透過光用領域における着色層の平均膜厚に対して、反射光用領域における着色層の平均膜厚が厚すぎてしまい、反射光用領域において、好ましい輝度を維持することが困難となる可能性があるからである。また、透過光用領域における着色層の平均膜厚が上記範囲内よりも大きい場合は、透過光用領域における着色層の平均膜厚に対して、反射光用領域における着色層の平均膜厚が薄くなりすぎてしまい、反射光用領域において光が抜けてしまう為に反射光用領域の色シフトが発生し、色再現域が狭くなる可能性があるからである。
本実施態様において、反射光用領域における着色層の平均膜厚として、具体的には、0.2μm〜0.8μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.25μm〜0.7μmの範囲内、特に0.3μm〜0.5μmの範囲内が好ましい。
また、上記透過光用領域における着色層の平均膜厚として、具体的には、0.8μm〜3.0μmの範囲内、特に1.0μm〜2.5μmの範囲内であることが好ましい。
本発明における着色層は、一般的な着色層の形成に用いられる顔料分散法等を用いて形
成することができる。このような顔料分散法による着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液としては、一般的にカラーフィルタにおける着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液と同様とすることができる。
このような着色層形成用塗工液には、通常界面活性剤が含有される。このような界面活性剤としては、一般にカラーフィルタにおける着色層形成の際に用いられる界面活性剤であれば特に限定されるものではなく、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用することができ、これらの中から一種または二種以上を混合して用いることができる。本発明においては、中でも、フッ素系界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明においては、上記着色層形成用塗工液中に含有させる界面活性剤を、基準透明樹脂層に対する着色層形成用塗工液の接触角が、透明基板に対する着色層形成用塗工液の接触角よりも5°以上、中でも7°以上、特に10°以上大きくなるような含有量で含有させることが好ましい。接触角差が大きい程、カラーフィルタに形成された透明樹脂層に対する着色層形成用塗工液の接触角と、透明基板に対する着色層形成用塗工液の接触角との差を、より大きくすることが可能となるからである。なお、この接触角差が大きすぎると、透明基板とカラーフィルタに用いる透明樹脂層との接触角差がより開きすぎてしまい、透明樹脂層表面の撥液性が高すぎてしまう場合があるため、透明樹脂層上に形成される着色層に白抜けが生じるおそれがある。したがって、着色層形成用塗工液の基準透明樹脂層に対する接触角は、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角よりも30°以下程度とすることが好ましい。
ここで、本発明における基準透明樹脂層とは、透明樹脂層形成用塗工液の固形分中に界面活性剤(大日本インキ(株)製 F475)を0.2質量%含んだものを、硬化させて硬化膜としたものとする。
また、本発明において、カラーフィルタに形成される透明樹脂層に対する着色層形成用塗工液の接触角として具体的には、15°〜35°の範囲内程度、中でも20°〜30°の範囲内とすることが好ましい。さらに、透明基板に対する着色層形成用塗工液の接触角として具体的には、2°〜15°の範囲内程度、中でも5°〜10°の範囲内とすることが好ましい。
なお、上記接触角の測定方法および測定に使用される透明基板は、上述した「A.透明樹脂層形成用塗工液」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
着色層形成用塗工液に含有させる界面活性剤の具体的な含有量は、着色層形成用塗工液の固形分中、0.01質量%〜0.25質量%の範囲内であることが好ましく、中でも0.02質量%〜0.2質量%の範囲内、特に0.05質量%〜0.1質量%の範囲内であることが好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲に満たないと、着色層形成用塗工液を塗布した際、塗布ムラが発生する場合があるからである。また、界面活性剤の含有量が上記範囲を超えると、透明基板に対する着色層形成用塗工液の接触角と、基準透明樹脂層に対する着色層形成用塗工液の接触角との差が、上述した差を達成できない場合があるからである。
なお、上記着色層の形成方法については、後述する「D.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法」の項で詳しく説明するので、ここでの説明は省略する。
3.透明基板
本発明に用いられる透明基板は、上記透明樹脂層および上記着色層を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
なお、上記透明基板については、上述した「A.透明樹脂層形成用塗工液」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
4.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
本発明における半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、上記透明基板と、透明樹脂層と、着色層とを有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば遮光部や保護層、透明電極層、配向膜等を、必要に応じて適宜有するものであってもよい。
なお、上記遮光部、保護層、透明電極層、配向膜としては、一般的な半透過型液晶表示装置用のカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
C.透明樹脂層形成用塗工液の選択方法
次に、本発明の透明樹脂層形成用塗工液の選択方法について説明する。本発明の透明樹脂層形成用塗工液の選択方法は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける上記透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液の選択方法であって、上記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の上記透明樹脂層に対する接触角が、上記着色層形成用塗工液の上記透明基板に対する接触角よりも大きくなるような上記透明樹脂層形成用塗工液を選択することを特徴とするものである。
本発明においては、上記透明基板と比較して撥液性が高くなる透明樹脂層を形成することが可能な透明樹脂層形成用塗工液が選択されるため、この透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層上に、着色層形成用塗工液を塗布した場合、高低差および撥液性差を利用して、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液の塗膜を大幅に膜減りさせることができる。したがって、本発明によれば、反射光用領域における着色層を薄く形成することが可能な透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液を選択することが可能となる。
本発明においては、上記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の上記透明樹脂層に対する接触角が、上記着色層形成用塗工液の上記透明基板に対する接触角よりも大きくなるような透明樹脂層形成用塗工液を選択するものであるが、好ましくは5°以上、中でも好ましくは7°以上、特に好ましくは10°以上大きくなるような透明樹脂層形成用塗工液を選択することが好ましい。上記接触角差が大きい程、本発明により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明樹脂層を形成した場合、透明樹脂層上の着色層の膜厚を薄いものとすることが可能となるからである。なお、この接触角差が大きすぎると、透明樹脂層表面の撥液性が高すぎてしまう場合があるため、本発明により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層上に着色層形成用塗工液を塗布した際、着色層形成用塗工液がはじかれ、形成される着色層に白抜けが生じるおそれがある。したがって、着色層形成用塗工液の透明樹脂層に対する接触角は、着色層形成用塗工液の透明基板に対する接触角よりも40°以下程度とすることが好ましい。
本発明における接触角の測定は、上述した「A.透明樹脂層形成用塗工液」の項で説明したものと同様の方法を用いて行うものとすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明の透明樹脂層形成用塗工液の選択方法は、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液を対象として行うものであればよく、例えば、市販の透明樹脂層形成用塗工液を対象として行うものであってもよく、また上述した「A.透明樹脂層形成用塗工液」の項で説明した透明樹脂層形成用塗工液を対象として行うものであってもよい。
D.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、工程の違いにより2つの実施態様がある。以下、それぞれの実施態様について説明する。
1.第1実施態様
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の第1実施態様は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記記載の透明樹脂層形成用塗工液の選択方法を用いて透明樹脂層形成用塗工液を選択する選択工程と、上記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて上記透明基板上に透明樹脂層をパターン状に形成する透明樹脂層形成工程と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成する着色層形成工程とを有することを特徴とするものである。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法を図1を用いて説明する。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、透明基板1上に、上記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を塗布し、例えばフォトマスク10を用いて露光光Lにより露光し、現像、焼成等を行うことにより反射光用領域r上に透明樹脂層2を形成し(図1(a)透明樹脂層形成工程)、次に、透明基板1および透明樹脂層2を覆うように着色層形成用塗工液20を塗布し、着色層3を形成する(図1(b)(c)着色層形成工程)ものである。
本実施態様においては、図1(b)に示すように、透明樹脂層2上の着色層形成用塗工液20は、透明基板1上へと移動するため、透明樹脂層2上の着色層形成用塗工液20の塗膜は膜減りするが、透明樹脂層2は、上記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成された透明樹脂層であるため、透明樹脂層2上の着色層形成用塗工液20の塗膜の膜減りの割合は大きくなる。したがって、図1(c)に示すように、透明樹脂層2上に形成された着色層3は膜厚の薄いものとすることができ、半透過型液晶表示装置に用いた場合、反射光用領域における着色層の輝度が高い半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを得ることが可能となるのである。
以下、本実施態様のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
なお、上記選択工程で用いられる透明樹脂層形成用塗工液の選択方法は、上述した「C.透明樹脂層形成用塗工液の選択方法」の項で説明したものと同様とすることができるので、選択工程についての説明は省略する。
(1)透明樹脂層形成工程
本実施態様における透明樹脂層形成工程は、上記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明基板上に透明樹脂層をパターン状に形成する工程である。
なお、本工程において用いられる透明基板は、上述した「A.透明樹脂層形成用塗工液」の項で説明したものを用いることができる。
また、本工程に用いられる透明樹脂層形成用塗工液は、上述した「C.透明樹脂層形成用塗工液の選択方法」により選択されたものであればよく、例えば、市販の透明樹脂層形成用塗工液であってもよく、また上述した「A.透明樹脂層形成用塗工液」の項で説明した透明樹脂層形成用塗工液であってもよい。
本工程において、透明樹脂層を形成する方法としては、上記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用い、透明基板上の反射光用領域上のみにパターン状に形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタにおける透明樹脂層を形成する方法と同様とすることができる。
このような透明樹脂層の形成方法としては、例えば上述した透明樹脂層形成用塗工液を、スピンコート法やダイコート法等、一般的な塗布方法で塗布し、フォトマスク等を用いて露光し、現像した後、焼成する方法等とすることができる。また、必要に応じて、塗布された透明樹脂層形成用塗工液をプリベーク等してもよい。
(2)着色層形成工程
本実施態様における着色層形成工程は、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成する工程である。
なお、本工程において用いられる着色層形成用塗工液は、上述した「B.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ」の項で説明したものを用いることができる。
本工程において、着色層を形成する方法としては、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布することにより形成する方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタにおける着色層を形成する方法と同様とすることができる。
具体的に、上記着色層形成用塗工液の塗布方法としては、例えば透明樹脂層および透明基板を覆うように着色層形成用塗工液を、スピンコート法やダイコート法等、一般的な塗布方法で塗布する方法等とすることができる。
また、通常、着色層形成用塗工液の塗布後、例えば着色層形成用塗工液の塗膜をフォトマスク等を用いて露光し、現像した後、焼成を行なうことにより、まず、1色目の着色パターンが形成される。続いて、同様にして2色目の着色層を形成する着色層形成用塗工液および3色目の着色層を形成する着色層形成用塗工液を用いて、2色目の着色層および3色目の着色層が形成される。また、この際、必要に応じて、塗布された着色層形成用塗工液をプリベーク等してもよい。
(3)その他の工程
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、上記選択工程および透明樹脂層形成工程の前後に必要に応じて他の工程を有していてもよい。
他の工程としては、例えば透明基板上に遮光部を形成する遮光部形成工程や、着色層上に保護層を形成する保護層形成工程、着色層上に透明電極層を形成する透明電極層形成工程、カラーフィルタの最表面に配向膜を形成する配向膜形成工程等が挙げられる。
このような各工程については、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造におけるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.第2実施態様
本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の第2実施態様は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、上記透明基板と上記透明樹脂層と上記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、上記透明基板と上記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、上記記載の透明樹脂層形成用塗工液を用いて、上記透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程と、上記透明基板および上記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成する着色層形成工程とを有することを特徴とするものである。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法を図1を用いて説明する。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、透明基板1上に、上述した透明樹脂層形成用塗工液を塗布し、例えばフォトマスク10を用いて露光光Lにより露光し、現像、焼成等を行うことにより反射光用領域r上に透明樹脂層2を形成し(図1(a)透明樹脂層形成工程)、次に、透明基板1および透明樹脂層2を覆うように着色層形成用塗工液20を塗布し、着色層3を形成する(図1(b)(c)着色層形成工程)ものである。
本実施態様においては、上述した透明樹脂層形成用塗工液を用いて透明樹脂層を形成するため、透明樹脂層上の着色層形成用塗工液の塗膜の膜減りの割合は、高低差を利用した膜減りの割合と比較して大きくなる。したがって、透明樹脂層上には、膜厚のより薄い着色層を形成することができ、半透過型液晶表示装置に用いた場合、反射光用領域における着色層の輝度が高い半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを得ることが可能となるのである。
なお、上記透明樹脂層形成工程において使用する透明樹脂層形成用塗工液は、上述した「A.透明樹脂層形成用塗工液」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、上記透明樹脂層形成工程における透明樹脂層の形成方法および使用する透明基板、ならびに着色層形成工程については、上述した第1実施態様と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(透明樹脂層形成用塗工液の調製)
下記組成の透明樹脂層形成用塗工液を調製した。
<透明樹脂層形成用塗工液>
・メタクリル酸−スチレン−メタクリル酸共重合体 42.0重量部
・ペンタエリスリトールペンタアクリレート 32.0重量部
・エピコート(三菱油化シェル(株)製) 18.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 7.0重量部
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ(株)製 F475) 1.0重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 300重量部
(着色層形成用塗工液の調製)
下記組成の着色層形成用塗工液を調製した。
<赤色着色層形成用塗工液>
・赤色顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
24.0重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 6.0重量部
・分散材(ビックケミー社製 ディスパービック161) 15.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 20.0重量部
・ポリマーI 25.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 6.8重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 2.9重量部
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ(株)製 F475) 0.3重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400重量部
*なお、ポリマーIはベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
<緑色着色層形成用塗工液>
・緑色顔料(アビシア社製 モナストラルグリーンθY−C) 21.0重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 9.0重量部
・分散材(ビックケミー社製 ディスパービック161) 15.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 20.0重量部
・ポリマーI 25.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 6.8重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 2.9重量部
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ(株)製 F475) 0.3重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400重量部
<青色着色層形成用塗工液>
・青色顔料(BASF社製 ヘイオゲンブルーL6700F) 30.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース6000) 3.0重量部
・分散材(ビックケミー社製 ディスパービック161) 12.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 20.0重量部
・ポリマーI 25.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) 6.8重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 2.9重量部
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ(株)製 F475) 0.3重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400重量部
(接触角の測定)
透明基板として、大きさが300mm×400mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。
このガラス基板に、下記の手順に従って、表面処理を施した。
(1)洗剤中に透明基板を入れ、10分〜20分超音波洗浄を行う。
(2)流水で、洗剤を洗い流す。
(3)水で10分〜20分超音波洗浄を行う。
(4)105℃〜110℃の乾燥機に入れて、1時間以上乾燥させる。
次いで、このガラス基板上に透明樹脂層形成用塗工液を塗布し、乾燥させて膜厚3.0μmの透明樹脂層を形成した。
その後、上記透明基板上および上記透明樹脂層上に、上記着色層形成用塗工液の液滴をマイクロシリンジから滴下して20秒後に、接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて、接触角の測定を行った。結果を下記表1に示す。
[実施例2〜5、比較例1〜2]
透明樹脂層形成用塗工液および着色層形成用塗工液中の界面活性剤の含有量を下記表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、接触角の測定まで行った。
[評価]
実施例1〜5および比較例1〜2でそれぞれ使用した透明基板、透明樹脂層形成用塗工液および着色層形成用塗工液を用いて、下記の方法に従って、カラーフィルタを作製した。
(カラーフィルタの作製)
表面処理済みの透明基板上に、透明樹脂層形成用塗工液を塗布し、所定のフォトマスクを介して露光、現像、焼成を行い、膜厚3μmの透明樹脂層をパターン状に形成した。
次いで、透明基板および透明樹脂層を覆うようにして、各色の着色層形成用塗工液を塗布し、乾燥させ、透明樹脂層上である反射光用領域および透明基板上である透過光用領域にそれぞれ着色層を形成した。この時の各領域における着色層の膜厚を膜厚計を用いて測定した結果を、下記表1に示す。
Figure 0004935409
表1から明らかなように、比較例1〜2と比較して、実施例1〜5では、反射光用領域上に膜厚の薄い着色層を形成することができた。
本発明における半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明における半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 従来の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを説明するための説明図である。
符号の説明
1…透明基板
2…透明樹脂層
3…着色層
20…着色層形成用塗工液
r…反射光用領域
t…透過光用領域

Claims (10)

  1. 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、前記透明基板と前記透明樹脂層と前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける前記透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液であって、
    前記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の前記透明樹脂層に対する接触角が、前記着色層形成用塗工液の前記透明基板に対する接触角よりも5°以上大きくなるような含有量で、前記透明樹脂層形成用塗工液中に界面活性剤が含有されることを特徴とする透明樹脂層形成用塗工液。
  2. 前記界面活性剤の含有量が、前記透明樹脂層形成用塗工液の固形分中、0.3質量%〜5質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂層形成用塗工液。
  3. 前記透明基板が、ガラス基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明樹脂層形成用塗工液。
  4. 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、前記透明基板と前記透明樹脂層と前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタであって、
    前記透明樹脂層が、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の透明樹脂層形成用塗工液を用いて形成されたものであることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。
  5. 前記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の基準透明樹脂層に対する接触角が、前記着色層形成用塗工液の前記透明基板に対する接触角よりも5°以上大きくなるような含有量で、前記着色層形成用塗工液中に界面活性剤が含有されることを特徴とする請求項4に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。
  6. 前記着色層形成用塗工液中に含有させる前記界面活性剤の含有量が、前記着色層形成用塗工液の固形分中、0.01質量%〜0.25質量%の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。
  7. 前記透明基板が、ガラス基板であることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかの請求項に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。
  8. 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、前記透明基板と前記透明樹脂層と前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける前記透明樹脂層の形成に用いられる透明樹脂層形成用塗工液の選択方法であって、
    前記着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液の前記透明樹脂層に対する接触角が、前記着色層形成用塗工液の前記透明基板に対する接触角よりも大きくなるような含有量で、前記透明樹脂層形成用塗工液中に界面活性剤が含有された前記透明樹脂層形成用塗工液を選択することを特徴とする透明樹脂層形成用塗工液選択方法。
  9. 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、前記透明基板と前記透明樹脂層と前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
    請求項8に記載の透明樹脂層形成用塗工液の選択方法を用いて透明樹脂層形成用塗工液を選択する選択工程と、
    前記選択工程により選択された透明樹脂層形成用塗工液を用いて前記透明基板上に透明樹脂層をパターン状に形成する透明樹脂層形成工程と、
    前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、を有することを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
  10. 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された透明樹脂層と、前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように形成された着色層とを有し、前記透明基板と前記透明樹脂層と前記着色層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と前記着色層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
    請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の透明樹脂層形成用塗工液を用いて、前記透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程と、
    前記透明基板および前記透明樹脂層を覆うように着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成する着色層形成工程と、を有することを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
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