JP4934630B2 - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を可変制御することで、変更する可変動弁機構の制御装置に関する。
従来、内燃機関の可変動弁機構の制御装置としては、クランクシャフトの基準回転位置でクランク角信号を出力するクランク角センサと、カムシャフトの基準回転位置でカム信号を出力するカムセンサとを備え、それらの各基準回転位置のずれ角に基づいて、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を検出するものが知られている。この従来例に係る可変動弁機構の制御装置は、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相をそれぞれの基準回転角ごとに検出した信号に基づいて算出し、算出された回転位相に基づいて可変動弁機構のバルブタイミングなどをフィードバック制御している。
また、バルブタイミングを変更するに際して迅速な作動応答性を確保し、さらに所定のバルブタイミングを保持するに際して安定化を図るための可変バルブタイミング機構の制御装置の従来例として、例えば特許文献1に開示された技術がある。この技術によると、タイミングプーリとカムシャフトの間に介在されたリングギヤを油圧により駆動させることによりバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構において、リングギヤを制御する制御弁を、カムシャフトのトルク変動の周期に対して反転された位相に同期したデューティ制御することが開示され、これによって、リングギヤに対して周期的に加えられる油圧力が、カムシャフトのトルク変動に起因してリングギヤに周期的に付加されるスラスト力を打ち消し合うように作用して、それらの合力の変動が小さくなることが記載されている。
特開2001−65373号公報
しかしながら、上記の特許文献1では、トルク変動の平均値を用いて補正するため、トルク変動の平均的な影響は打ち消せるが、時々刻々の影響を打ち消すことができない。したがって、機械的なガタを含むような機械を制御する場合、トルクの向きが変わる瞬間などにガタがトルク変動の影響を大きく受けることになる。このため、制御精度の悪化や機械自体の劣化、打音などのデメリットが生じる。また、トルク変動の平均値を用いて補正するため、トルク変動により変化する時々刻々の回転位相を抑制できないという課題がある。
本発明の目的は、可変動弁機構の機械的ガタに起因するトルク変動の影響を無くして時々刻々の回転位相を精度良く制御する可変動弁機構の制御装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
クランクシャフトから回転が伝達される駆動部材、交番トルクが作用するカムシャフトに連結され且つ前記駆動部材から回転力が伝達される従動部材、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相を変更する位相変更部材、前記位相変更部材に作動力を与える作動力付与部材、からなる可変動弁機構を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサからの信号に基づいて、前記カムシャフトの交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングを判定するトルク変動判定手段と、前記判定されたタイミングで、その直後の交番トルクに対抗する短時の作動力を生成させる補正制御指令を、前記作動力付与部材に出力する指令補正手段と、を備え、前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングと同期して前記位相変更手段に生じる機械的ガタを無くする方向に前記短時の作動力を与える構成とする。
また、クランクシャフトから回転が伝達される駆動部材、交番トルクが作用するカムシャフトに連結され且つ前記駆動部材から回転力が伝達される従動部材、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相を変更する位相変更部材、前記位相変更部材に作動力を与える作動力付与部材、からなる可変動弁機構を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサからの信号に基づいて、前記カムシャフトの交番トルクが正側又は負側に切り替わる直前のタイミングを判定するトルク変動判定手段と、前記判定した直前のタイミングで、前記切り替わり後の交番トルクに対抗する短時の作動力を生成させる補正制御指令を、前記作動力付与部材に出力する指令補正手段と、を備え、前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングと同期して前記位相変更手段に生じる機械的ガタを無くする方向に前記短時の作動力を与える構成とする。
また、クランクシャフトから回転が伝達される駆動部材、交番トルクが作用するカムシャフトに連結され且つ前記駆動部材から回転力が伝達される従動部材、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相を変更する位相変更部材、前記位相変更部材に作動力を与える作動力付与部材、からなる可変動弁機構を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサからの信号と前記クランクシャフトのクランク角センサからの信号とに基づいて、前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングを判定するトルク変動判定手段と、前記判定されたタイミングで、その直後の交番トルクに対抗する短時の作動力を生成させる補正制御指令を、前記作動力付与部材に出力する指令補正手段と、を備え、前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングと同期して前記位相変更手段に生じる機械的ガタを無くする方向に前記短時の作動力を与える構成とする。
本発明によれば、可変動弁機構の機械的ガタに起因するトルク変動の影響を無くして時々刻々の回転位相を精度良く制御することができる。また、交番トルクであるカムトルクが正側又は負側に切り替わるタイミングで機械的ガタを無くするように可変動弁機構に対して瞬間的な作動力を与えるので機械的ガタを迅速に無くすることができ、ガタを通る移動による打音や衝撃劣化も抑制される。
また、可変動弁機構への制御入力側にデューティ制御部を設けることで、パルス幅又はパルス高さを可変することで簡便に可変動弁機構を制御することができる。
また、エンジンの回転数又は温度を検出して、回転数が所定値を超えるとき、温度が所定値以下のときに、本発明に係る制御を禁止するような態様を設けることで、消費電力の低減も併せて実施可能である。
本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置を搭載した車輌の内燃機関の構成図である。図2は本実施形態に係る制御装置が適用される可変動弁機構の内部構造を示す断面図である。図3は図2のA−A線断面を示し、可変動弁機構における組付角操作機構を示す断面図である。図4は図2のB−B線断面を示し、可変動弁機構におけるヒステリシスブレーキを示す断面図である。図5はエンジンのカム軸、カム、バルブスプリング、吸気弁の配置構造を示す図である。図6は4気筒エンジンにおけるカムシャフト回転角と変動トルク(カムトルク)の関係を示す図である。
また、図7は本実施形態に係る制御装置が可変動弁機構(VTC)に適用した場合の制御ブロック図である。図8は本実施形態に係る制御装置におけるトルク変動判定手段の判定手順を示すフローチャートである。図9はカムシャフトの交番トルクがカムシャフト回転角に依存して変化する様をマップ化した図である。
また、図10は本実施形態に関するスパイラルラジアルリンク式の可変動弁機構における機械的ガタとカムトルクの作用方向を表す説明図である。図11は本実施形態に関する可変動弁機構における機械的ガタを詰めるための構造を示す図である。
また、図12は本実施形態に係る制御装置における指令補正手段の補正手順を示すフローチャートである。図13は本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における制御態様を表すタイミングチャートである。図14は本実施形態に関する可変動弁機構への制御入力側にデューティ制御部を設ける
また、図15は本実施形態に関する可変動弁機構における機械的ガタに因る位相振れを表す説明図である。図16は4気筒エンジンにおけるカム変動トルク(カムトルク)の発生とVTC位相への影響を表す説明図である。図17は本実施形態に関する可変動弁機構における機械的ガタ詰めの制御タイミングと制御構造を表す説明図である。
図1は、本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置を搭載した車輌の内燃機関の構成図である。本実施形態の基本構成は、内燃機関(エンジン)101と、エンジンコントロールユニット(ECU)114と、可変動弁機構113と、制御装置と、から構成される。なお、制御装置はECUl14内に実装されることを想定しているが、同等の機能を有する電子回路として独立させて設けても良い。
図1において、内燃機関101の燃焼室106には、吸気管102及び吸気バルブ105を通して、空気が吸入される。燃焼排気は、燃焼室106から排気バルブ107を通して、大気中に放出される。この吸気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ吸気側カムシャフト134、排気側カムシャフト110に設けられたカムによって開閉駆動されるが、吸気側カムシャフト134には、可変動弁機構として可変バルブタイミング機構(以下、VTCと称する)113が設けられている。
ここで、吸気側カムシャフト134及び排気側カムシャフト110は、それぞれVTCl13、不図示のスプロケット及びタイミングチェーンを介し、クランクシャフト120に連係されて駆動される。VTCl13は、クランクシャフト120に対する吸気側カムシャフト134の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105の開閉タイミングを変化させる機構である。その一例として、本実施形態では、公知のスパイラルラジアルリンク式(例えば、特開2004−11537号公報)の可変バルブタイミング機構(概要は後述する)を採用する。
なお、本実施形態では電磁式の可変動弁機構を想定しているが,本発明はこれに限定されるものではない。また、スパイラルラジアルリンク式の可変動弁機構を想定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本実施形態では吸気側カムシャフト134にのみVTC113を備える構成としたが,吸気側カムシャフト134に代えて、又は、吸気側カムシャフト134と共に、吸気側カムシャフト110にVTC113を備える構成であっても良い。
ECUl14は、各種センサからの検出信号が入力され、これらの検出信号に基づく演算処理によって、VTCl13などの各種の動作部を制御する。この各種センサとして、吸入空気量Qaを検出するエアフローメータ115、クランクシャフト120からクランク角180°毎の基準回転位置で基準クランク角信号REFを取り出すと共に単位クランク角度毎の単位角度信号POSを取り出すクランク角センサ117、機関101の冷却水温度Twを検出する水温センサ119、吸気側カムシャフト134から単位カム角毎の基準回転位置でカム信号CAMを取り出すカムセンサ132が設けられている。
吸気側カムシャフト134の基準回転位置は360°を気筒数で割った値、すなわち直列4気筒なら90°ごと、V型6気筒なら120°ごとに配置される(以下簡単のため、特に記述が無い場合は本実施形態の内燃機関は直列4気筒とする)。
なお、機関回転速度Neは、この基準クランク角信号REFの周期、又は、単位時間当たりの単位角度信号POSの発生数に基づいて、ECUl14により算出される。VTCl13の回転位相(以下、単に位相と称する)は、カムセンサ132の基準カム角信号CAMを検出してから、クランク角センサ117の基準クランク角信号REFを検出するまでの単位角度信号POSの検出回数に基づいて、ECUl14により計算される(図18を参照)。また、カムセンサ132は、吸気側カムシャフト134の回転に連動して回転される不図示のカムターゲットと、磁気式近接センサを備えている。このカムターゲットの外周には、吸気側カムシャフト134のカム山の数に整合する複数の突起が形成されている。このカムターゲットが回転されると、磁気式近接センサにより、この突起の通過が検知され、ECUl14が吸気側カムシャフト134の基準回転位置を検出する。
次に、本実施形態に関するVTCl13の構成を、図2〜図4に基づいて説明する。図2は、VTCl13の断面図であり、図3は図2のA−A断面を表し、図4は図2のB−B断面を表す。
VTCl13は、吸気側カムシャフト(以下、単にカムシャフトと称する)134と、タイミングスプロケット302と、組付角操作機構(位相変更部材)304と、操作力付与手段(作動力付与部材)305と、VTCカバーと、を含んで構成される。
タイミングスプロケット302は、カムシャフト134の前端部に相対回動できるように組み付けられ、タイミングチェーン(図示せず)を介してクランクシャフト120に連係され、クランクシャフト120から回転が伝達される駆動部材である。組付角操作機構304は、タイミングスプロケット302とカムシャフト134の前方側(図2において左側)に配置されて、カムシャフト134とタイミングスプロケット302との組付角(位相)を操作する。操作力付与手段305は、組付角操作機構304のさらに前方側に配置されて、組付角操作機構304を駆動する。タイミングスプロケット302には、図3に示すように、タイミングスプロケット302の半径方向に3個の径方向溝308(径方向ガイド)が形成されている。
組付角操作機構304を図3を用いて説明する。組付角操作機構304は、突起部309、リンク311、係合ピン316と、渦ディスク318と、径方向溝308によって構成されている。突起部309は、カムシャフト134と一体で回転するように結合されている従動部材である。突起部309には、3つのリンク311の基端がピン312によって回転可能に連結される。各リンク311の他端は、各径方向溝308に摺動自由に係合する。この構成により、突起部309とリンク311と径方向溝308によりスライダリンク機構が形成される。
リンク311の先端側が外力を受けて径方向溝308に沿って変位すると、タイミングスプロケット302とカムシャフト134(突起部309と一体)とは、リンク311の作用によって相対回動する。また、各リンク311の先端部には、球面突起316aを有する係合ピン316が組みつけられている。係合ピン316は、突起部309よりも前方側で回転自在に支持されている渦ディスク318に形成された渦溝315(後述)に、摺動自在に係合する。渦溝315は、渦ディスク318に形成された断面半円状の溝であり、タイミングスプロケット302の回転方向に沿って次第に縮径するよう形成されている。
操作力付与手段305により、中間部材である渦ディスク318が、タイミングスプロケット302に対して遅れ方向(遅角方向)に相対回転されると、各リンク311の先端部は、径方向溝308に案内されつつ、渦溝315の渦巻き形状に誘導されて半径方向内側に移動する。したがって、タイミングスプロケット302とカムシャフト134は進角方向に相対回転する。逆に、渦ディスク318が進み方向(進角方向)に相対回転されると、半径方向外側に移動し、タイミングスプロケット302とカムシャフト134は遅角方向に相対回転する。
アクチュエータである操作力付与手段305は、渦ディスク318をタイミングスプロケット302の回転方向に付勢するゼンマイばね319と、渦ディスク318をタイミングスプロケット302の回転方向とは逆方向に回動させる制動力を発生するヒステリシスブレーキ320とを備えている。そして、ECUl14が、内燃機関101の運転状態に応じてヒステリシスブレーキ320の制動力を制御することにより、渦ディスク318をタイミングスプロケット302に対して相対回転させ、その回転位置を維持できるようになっている。図4はヒステリシスブレーキの詳細構造を示す図である。
上述のように、本実施形態の可変動弁機構は、渦溝315と係合ピン316間、および、スライダリンク機構部(突起部309、リンク311、径方向溝308)のように、機械的なガタを含んで構成される。したがって、可変動弁機構の動作特性は、ガタが詰まって(ガタが無くなって)各部材がかみ合った状態と、ガタのある状態とで、大きく異なる。このため、可変動弁機構の動作方向が頻繁に変化するようなトルクを作用させた場合には、ガタにより、アクチュェータの出力を本来の伝達系に伝達できない状態が頻繁に起こる。このため、振動外乱がある場合や振動的な制御指令に追従する場合には、可変動弁機構は本来の性能を発揮できないという課題が生じる。また、ガタがある状態でカムシャフト134からトルクが伝達される場合には、ガタ詰まり時の打音が出たり、可変動弁機構が破損したりするなどの課題が生じる。
本実施形態は、ガタを含むような機構であっても、高い耐外乱性を確保するものである。また、ガタを含むような機構であっても、打音や可変動弁機構の破損などを低減することができる。
次に、本実施形態に関する可変動弁機構のガタによる位相振れについて、図15を参照して定性的に説明する。図15に示す実線で表す状態は係合ピン316の上側と渦溝315の上方縁が当接していて、クランクシャフト基準角度と、カムシャフトと一体の突起部309と、の間には位相θが形成されている。この実線状態において、係合ピン316の下側と渦溝315の下方縁との間には図示するようなガタが生じている。ここで、カムシャフトからのカム変動トルクの作用によって、係合ピンが図示の点線に示すようにシフトすると、図示するようにリンク311が移動し、その結果、位相は図示するθから位相振れ分だけ大きくなる。上述したように、操作力付与手段305(アクチュエータ)からの出力が、このガタ部分の空シフトによって、カムシャフトに伝達されないこととなる。また、カムシャフトからのカム変動トルクが伝達されるとこのガタ部分を移動して打音を発生する。
一般にカムシャフトにはたらく振動外乱トルクの変動要因としては、吸排気バルブの開閉やカムシャフトに駆動される各種エンジン機器などがあげられる。ここでは、吸気バルブ105の開閉によるトルク変動(以下、交番トルクと称する)を例に説明する。
図5に直列4気筒エンジンの吸気バルブ105とカムシャフト134とカム501とバルブスプリング502の構成を示す。カム501は、カムシャフト134と一体で回転するように、カムシャフト134に組みつけられている。吸気バルブ105は、カム501により開弁され、バルブスプリング502により閉弁される。この吸気バルブ105の開閉を駆動することにより、図6に示すように、カムシャフト134の回転角に対して周期的な変動トルクがカムシャフト134に作用する。交番トルクは、カム501のプロファイルと各気筒ごとのカム501の組み付け位相に一意に決まる。トルクがピークを取った角度(ここを基準回転位置とする)からθR後にトルクの向きが正側から負側に切り替わる。また、トルクがピークを取ったθA後にトルクの向きが負側から正側に切り替わる。
次に、本実施形態に関する可変動弁機構の位相がカムシャフトの変動トルクによって振動する態様について、図16を参照して定性的に説明する。図示は4気筒の例であり、カムシャフト(カム軸)の一定の回転方向の回転に伴って、カムの位置とバルブスプリングの反力によってカムシャフトには遅角トルク(左から2番目のカム)と進角トルク(左から4番目のカム)が周期的に現れるカムトルク(カム変動トルク)が発生し、このカムトルクがVTCに作用する。アクチュエータによるVTCトルクとこのカムトルクが釣り合った状態でVTC位相が形成されている。また、カムシャフトの右端にカムシャフト又はカムの基準位置を示す4つの突起部をもつ回転体とこれらの突起部を検知するカムセンサが設けられている。
次に、本実施形態に係る可変動弁機構の制御装置の構成を図7に示す。図7の点線内部は従来提案されている一般的な制御装置の構成であり、符号701と符号702で示す構成要素が本実施形態に関する新規な構成である。
本実施形態における制御装置は、エンジン回転数Neや吸気管流量Qaなどの運転条件に基づいて可変動弁機構の目標位相θtgを設定する目標設定手段703と、目標位相θtgに基づいてVTCl13を目標位相θtgに駆動するのに必要な制御指令Vffを出力するフイードフォワード制御器704と、目標位相θtgとVTCl13の実際の位相θrとの差に基づいてVTCl13を安定的に駆動する制御指令Vfbを出力するフイードバック制御器706と、VTCl13の位相を取得する位相取得手段705と、クランク角とカム角に基づいてトルクの作用方向が切り変わるタイミングを判定するトルク変動判定手段701と、この判定されたタイミングにトルク変動に対向(対抗)する瞬間的な差動力をVTCl13に与える補正制御指令Vaを出力する指令補正手段702と、から構成される。
図8に本実施形態に関する制御装置のトルク変動判定手段701(図7参照)のフローチャートを示す。また、図12に本実施形態に関する制御装置の指令補正手段702(図7参照)のフローチャートを示す。これらの演算はECUl13の計算周期Tstep(例えば10ms)毎に実行される。
トルク変動判定手段701は、概略的に説明すると、交番トルク算出部であるS801〜806にて、カムシャフト134に作用する交番トルクの大きさを算出し、タイミングフラグ算出部であるS807〜811にて、算出された交番トルクに基づいて交番トルクの成分が正側と負側に切り替わるタイミングとその方向を判定し、判定結果を指令補正手段702に出力するものである。
まず、S801にてクランク角センサからの信号をもとに機関回転速度Ne(クランク速度に対応するもの)を取得し、ECUl13の計算周期Tstepごとの機関回転角度に単位換算してNenowに格納する。S802にて、カム角センサ132のカム角信号CAMに基づいて、カムシャフト134が基準回転位置であるかを判定する。具体的には、図16のカム角センサにおいて4つの磁性体突起を磁気センサで検知した位置がカムシャフトの基準回転位置とすればよい。
S803〜804にて、S802で判定された結果に基づいて、カムシャフト134の回転角を推定する。図6に示すように、交番トルクはカムシャフト134の回転角に依存して決まる。このため、基準回転位置を検出すれば、交番トルクの大きさは推定可能である。S802でYesと判定された場合には、基準回転位置であり、S803にてカムシャフト回転角θcamを0にリセットする。S802でNoと判定された場合には、S804にて数式1に基づいてθcamの現在の大きさをセットする。
θcam=θcam+Nenow×Tstep …数式1
数1は、前回演算時から現在までの回転角度Nenow×Tstepを、前回のθcamに足して、今回のθcamとしている。S805で前回の交番トルクを交番トルクとして格納しておく(後述のS808でカムトルクの向きを判定するために)。
S806にて、現時点での交番トルクの大きさを算出する。交番トルクτcamは、あらかじめ実験などで求めた交番トルクの大きさのマップfを参照し(図9を参照)、θcamに基づいて算出する。
なお、前述のように、交番トルクの大きさはθcamに依存して変化する。この性質を利用し、図9のように交番トルクをマップ化することができる。τcamの算出にマップを参照することで、計算負荷を軽減することができる。具体的には、カム角センサからのカム角でカムシャフト基準回転位置を検出し、クランク角センサのPOS信号で時間経過を検出することで、図6に示すθR又はθAを推定することができ、カム変動トルクが0レベルをクロスするタイミング又はその直前のタイミングを検出できる。図9のマップfはカム1つ分の交番トルクを示すマップである。他のカムによる交番トルクも略同じ変化のため、マップ1つで表現することが可能である。カムの違いによって交番トルク挙動が異なる場合には、カムシャフト134の1回転分のトルク変化をマップ化しても良い。
S807では、S806のτcamが0かどうかを判定する。換言すると、交番トルクすなわちカム軸変動トルクが0ラインをクロスするか否かを判定する。S807にてNoと判定された場合には、交番トルクは正負の切り変わらない領域であり、S811にてタイミング判定フラグflg_ctrlを0にセットする。S807にてYesと判定された場合には、交番トルクが正負に切り変わるため、S808〜S810にて、flg_ctrlを方向に応じた判定値にセットする。すなわち、S808にて、S805にて格納されていた前回演算時の交番トルクの大きさτcamzの正負を判定する。S808にてYesと判定された場合には、S809にて、flg_ctrlに1をセットする。S808にてNoと判定された場合には、S810にてflg_ctrlを−1にセットする。flg_ctrlは指令補正手段702に出力される。
S808がYesのときには、交番トルクは正側から負側に向かって変化するところである。また、S808がNoのときには、交番トルクは負側から正側に向かって変化するところである。交番トルクの作用方向が正負に切り変わることによって、今までかみ合って動作していたVTCl13の各機構部品に作用する力の向きが変わり、各機構部品問にガタが出る。本実施形態に示すスパイラルラジアルリンク式の可変動弁機構に限らず、機構的な組み付け部を有する他の機構においても同様に、このような機械的なガタが出る。
次に、機械的なガタの出方とその影響、効果について、渦溝315と係合ピン316間のガタを一例(ガタは、係合ピン316とリンク311間、リンク311とその固定端間でも発生する)として説明する。図10(a)に渦溝315と係合ピン316間のガタを強調した図を、図10(b)に各タイミングの交番トルクを示す。図10(a)の(i)において、交番トルクが正側にかかっている。このときには、カムシャフト134と一体で回転する突起部309には、交番トルクにより図の反時計回りのトルクがかかる。このトルクによって、ピン312とリンク311を通じて、係合ピン316を図の上方に押し上げる力が作用する。このときVTCl13は、この係合ピン316を押し上げる力に抗するように、渦溝を反時計方向に制御指令が入力され、力の釣り合いにより位相が維持されている。このときには渦溝315と係合ピン316とは、係合ピン316の図の上方(上側)でかみ合っている。係合ピン316の下方(下側)と渦溝315との間には図示のようにガタが生じている。
図10(b)の(ii)のタイミングになり交番トルクが0になると、係合ピン316に作用する前述の力は0になる。次に、(iii)のタイミングになると交番トルクが負側に変化する。このときには、(i)の場合とは反対に、突起部309には時計回りのトルクが作用し、このため、係合ピン316には図の下方向に押し下げる力が作用する。このときには、図10(iii)に示すように、各機構部品の公差によって、溝315と係合ピン316との下側(下方)にはガタがある。このように、ガタがある状態で前述の押上げ力や押し下げ力が作用すると、渦溝315と係合ピン316とが勢い良く衝突し、打音や破損が起きる。
本発明の主旨は、従来技術のようにガタがない状態の制御ではなく、ガタがある状態において、ガタを縮小するように制御を行うものである。図11(a)には、図10(a)における(ii)のタイミングでのVTCl13を示す。図11(b)には、図11(a)の破線部の拡大図を示す。
図11(b)に示すように、渦溝315が、θuzu0の位置(一点鎖線)にあるときには、前述のように係合ピン316と渦溝315との間にガタが出てしまう。そこで、補正制御指令Va(図7を参照)を操作力付与手段305に入力して渦ディスク318(図2を参照)を回転させ、渦溝315を図11(b)の実線で示す、θuzu0の位置(一点鎖線)からθuzu_CTRLの位置まで回転させる。これにより、渦溝315と係合ピン316とのガタを詰める(無くする)ことができる。この動作により、ガタがある状態で力が作用するのを回避することができ、打音や機構の破損を抑制することができる利点がある。
次に、本件発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置の主たる特徴について、敷衍して、図17を参照して定性的に説明する。図17の(a)は、カムトルク(交番トルク)が正側であるときに、カムトルクは係合ピンを上側に引き上げる力として作用することを表し、VTCトルクは矢印のように作用してカムトルクと釣り合っていて、VTCの位相が維持されている。逆に、図17の(c)は、カムトルク(交番トルク)が負側となったときに、カムトルクは係合ピンを下側に引き下げる力として作用することを表し、図示するガタの分だけ係合ピンは渦溝を下方向に移動することになる。
図17の(a)の状態から(c)の状態に移行する過程において、図17の(b)に示すように、カムトルクが0を横切るタイミングを検出し、この状態のときに、以後の交番トルクの極性(負側)を予測して、係合ピンがガタ部を移動しないように、渦ディスクを図17(b)に示すように、回動する。そうすると、渦ディスクの縮径によって係合ピンの下側が渦溝の下方縁に当接する。すなわち、カムトルクが0をクロスするときに渦ディスクを動かして係合ピンの下側が渦溝の下方縁に当接するように係合ピンを迎えに行くという動作をする。この結果、図17(c)の下方図に示すように、負側のカムトルクが係合ピンを下側に引き下げる力が働いても、ガタを詰めた状態で係合ピントと渦ディスクへのVTCトルクとが釣り合って位相を維持する。
指令補正手段702は、flg_ctrlに基づいて、補正制御指令Vaを設定し、Vaを所定時間Tthだけ維持する。この動作を図12のフロチャートを用いて説明する。
まず、S1201にてflg_ctrlが0でないかを判定する(図8を参照)。S1201にてYesと判定された場合には、S1202にてタイマTvaを0にリセットする。S1203では、数式2により補正指令Vaの方向を判定する。
flg_ctrl>0? …数式2
S1203にてYesと判定された場合には、S1204にて、暫定補正指令VtmpにVR(後述)をセットする。S1203にてNoと判定された場合には、S1205にて暫定補正指令VtmpにVAをセットする。そしてS1208に進む。VR,VAはあらかじめ実験などにより設定する補正指令の大きさである。VRは正方向に作動力を発生させるもので、VAは負方向に作動力を発生させるものである。
S1201にて、Noと判定された場合には、S1206にてタイマTvaを演算周期Tstepごとにカウントアップし、S1207にて、前回の補正指令VaをVtmpに格納し、S1208に進む。
S1208はタイマTvaが、Tth(後述するが図13(c)を参照、)に到達したか否かを判定する(例えば、タイマによって計算周期10msの50回の時間経過があったか否かを判定する)。S1208にてYesと判定された場合には、補正指令Vaが所定時間継続されていないため、S1209にて補正指令Vaに暫定補正指令Vtmpをセットする。S1208にてNoと判定された場合には、補正指令は所定時間継続された後なので、S1210にてVaに0をセットする。Tthは、あらかじめ実験などで定める継続時間である。アクチュエータの応答が遅い場合には、演算の実行周期内に必要な作動力が得られない場合がある。そこで、補正指令をアクチュエータが必要な作動力を発揮するのに必要な時間だけ継続することで、確実な作動力を確保できる。
上述した動作を、図13に示すタイミングチャートを用いて説明する。このタイミングチャートは、カムシャフト134に作用する交番トルク(図13(a))、カムセンサ132の出力CAM(図13(b))、補正指令Va(図13(c))、補正指令による作動力(図13(d))、VTCl13の位相(図13(e))の関係を示している。このタイミングチャートからも分かるように交番トルクは周期的に作用する。そして、VTCl13では、交番トルクが0になるタイミング付近で補正指令Vaが0以外の値を取る。その結果、Vaによって補正作動力(図13(d))が発生し、ガタがなくなる方向にVTCl13に作動力が与えられる。
制御指令を一定にした場合(制御指令の一定値に補正作動力を加算しない場合)には、図13(e)の13e2のように振動的な挙動を示す。特に、図13(e)の矢印で示す区間では、ガタがあり、ガタが詰まるまで高速で位相が変化する。このため、位相のふらつき幅が大きく、また、ガタが詰まった時点で打音や破損が起こる可能性がある。
上述のようにガタを抑制するように作動力を作用させることで、13e2のように、交番トルクによって機構に力が作用する前にガタを詰めることができる。これにより、位相のふらつき幅を小さくすることができる。また、ガタがある状態では、機構部品間で力が伝達できないが、本発明のように能動的にガタを詰めることで、ガタが詰まるのに必要な時間分だけアクチュエータの応答時間が改善できる。さらに、ガタが詰められるため、打音や破損を抑制できる。
なお、本実施形態では、カムシャフト134に作用するトルクの一例として交番トルクを用いて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、カムシャフト134に作用する周期的なトルク変動一般に対して効果がある。カムシャフト134に作用する周期的なトルク変動は、例えばカムシャフト134にて駆動されるエンジン機器などがある。
図14は本実施形態に関するVTC113への制御入力がデューティ制御部1401を通して印加される回路構成を示す図である。図14が図7と異なる点は、制御対象への制御入力((Vff+Vfb)+Va)が、その大きさに応じて、デューティ制御部1401で振幅レベル一定でオン期間とオフ期間の期間長さ(パルス幅)を制御されて、VTC113に印加されることである。因みに、図7では、制御入力の振幅レベルの大きさを変えてVTC113に印加されている。
以上の説明では、本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置について、基本的な技術思想を主として記述しているが、より具体的な構成について以下説明する。まず、敷衍して、本発明の基本的な技術思想を述べると、本発明は、カムシャフト(カム軸)の変動トルク、すなわち交番トルクの成分が、正側又は負側に切り替わるタイミング(カムトルクが0をクロスするタイミング)又はその直前のタイミングで、交番トルクに対抗する瞬間的な(短時の)作動力を可変動弁機構に与えるようにアクチュエータの作動状態を変化させることで、可変動弁機構の機械的ガタに起因するトルク変動の影響を無くして時々刻々の回転位相を精度良く制御することにある。
上述した本実施形態に係る可変動弁機構の制御装置は、エンジン回転数Ne(クランク角センサからの出力であるクランク速度に基づいて求められる)が所定数以下のときに実施するものであり、エンジン回転数が所定数を超えれば、可変動弁機構のリンクなどの可動部材が物理的、機械的に動かなくなる現象が生じるので制御の対象外とする(すなわち、補正制御指令を出力することを禁止する)。また、リンクなどの可動部材が物理的、機械的に動くことのできるエンジン回転数ではあるが、アクチュエータの応答(渦ディスクを回動させるための電磁アクチュエータの動作速度)が間に合わないときには制御の対象外とする。すなわち、交番トルクの周期の時間がアクチュエータの応答時間より長くなるエンジン回転数以下のときに限って、瞬間的(短時)な作動力を可変動弁機構に付与するようにする。
また、本実施形態の制御装置は、渦ディスクを一例とする中間回転体を回転させることで、クランクシャフトを一例とする駆動部材とカムシャフト(カムシャフトと一体的な軸部材307)を一例とする従動部材の相対回転位相を変更するものに適用可能なものである。さらに、本実施形態の制御装置は、スパイラルラジアルリンク式の可変動弁機構(縮径するガイドを有する中間回転体、ガイドに案内係合される可動案内部、揺動可能に連結するリンク等を備えたもの)に適用可能なものである。さらに、操作力付与手段としてのアクチュエータは、中間回転体(例、渦ディスク)に機械的に作動力を伝達する電磁アクチュエータに適用可能なものである。
また、エンジン又は可変動弁機構の温度が所定値以下のときには潤滑油の粘性が高くなって機械要素が動かなくなるので、瞬間的な作動力を可変動弁機構に付与すること(又は補正制御指令を出力すること)は禁止するように制御する。
また、カムトルクの大きさτcamはカムシャフト回転角θcamによって一意で決定されるので(図9のマップを参照)、瞬間的な作動力を与えるようにアクチュエータの作動状態を変化させる(図17(b)に示す渦ディスクを動かす)タイミングは、このθcamの検出を基にして図9のマップを利用してτcam=0の時点を求めてもよいが、この他に、カムトルクが0をクロスするタイミングを検出することのできる、カム角検出手段及びクランク角検出手段からの検出結果を利用してもよい。具体的には、基準回転位置でカム信号を出すカムセンサと、基準回転位置で基準クランク信号を出すとともに10°毎にPOS信号を出すクランク角センサと、からのセンサ出力を利用して、カムトルクが0のタイミングを得て(図6を参照)、このタイミングでアクチュエータを作動させる。
また、上述した説明で図13(d)に示す補正作動力を与えるタイミングは、交番トルクが0レベルを横切るときであったが、交番トルクが正から負へ、又はその逆に切り替える直前で補正作動力を出力するように制御する。すなわち、0を横切るタイミングで、可変動弁機構の作動が終了しているように、アクチュエータの作動状態を変化させるものである。このようなタイミングを採用することで、図17で上下方向の位相逆転した交番トルクが係合ピンに印加した時点では、ガタは詰められた状態となっている。渦ディスクの回動動作に多少のタイムラグが存在するので、そのタイムラグをも含めて先付けで補正作動力を印加するものである。
次に、図14に示す本実施形態の可変動弁機構の制御装置においてデューティ制御部1401を採用する場合の構成例を以下説明する。まず、基本的な技術思想は、交番トルクの作用方向が正から負へ、又はその逆に切り替わるタイミング間において、カムシャフトの交番トルクの作用方向と逆方向にアクチュエータが作動するようにデューティを制御するものである。なお、図7に示すようにデューティ制御を行わない制御装置では、図13(c)に示すようにTthの期間に亘ってVR及びVAのレベルで指令補正信号を生成して、(Vff+Vfd)値をも加算してVTCに印加している。その際に、交番トルクの一周期の時間がデューティ制御部のデューティの1/2の時間より短くなるエンジン回転数以下のときにアクチュエータを作動させるようにデューティを変化させるものである。換言すると、デューティ制御部によるデューティ制御が有効に働かないほどのエンジン回転数の高い場合には本実施形態の制御は行わず、電力の節電に役立てるものである。
また、このデューティ制御は、デューティのパルス幅を変えることによって行うものであり、このパルス幅はエンジン回転数又はエンジン温度によって可変させるように制御し、例えば、エンジン回転数が高いときにパルス幅を大とするように可変すれば、強い力で例えば渦ディスクを回動し、迅速にガタを詰めることができる。デューティのパルス幅の可変に代えて、パルス高さを可変してもよく、パルス幅と同様な効果を奏する。デューティパルスの高さは、エンジン回転数によって可変することの外に、エンジンの温度(可変動弁機構の周囲温度)によって可変してもよく、温度が低いときに潤滑油の粘性が高くなり、より大きな力を作用させるためにパルス高さを高くする(潤滑油温度を検知してデューティパルスの幅又は高さを可変してもよい)。
また、可変動弁機構の負荷が作動位置に応じて異なるような構造の場合には(例えば、図15で位相θが大と小を形成するような場合、すなわちリンクのなす角度が大と小である場合にフォロア(係合ピン)に作用させる力は異なったものとなる)、その作動位置に応じて、パルスの高さを可変する(位相θが小のときは作用する力として大きい力を求められるのでパルス高さを高くする)。さらに、エンジンの温度が所定以下の場合には、アクチュエータが作動するようにデューティ制御することを禁止することで、潤滑油の粘性が高くなった各機構要素の動作を求めないこととしている。
次に、本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における他の構成例を列挙する。すなわち、クランクシャフトから回転が伝達される駆動部材と、バルブスプリングからの交番トルクが作用するカムシャフトに連結され、前記駆動部材から回転力が伝達される従動部材と、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相を変更する位相変更部材と、作動状態に応じて前記位相変更部材に作動力を与えるアクチュエータと、を備え、前記カムシャフトの交番トルクの成分が正側もしくは負側に切り換わるタイミングまたはその直前に、前記交番トルクに対向する瞬間的な作動力を前記位相変更部材に与えるように前記アクチュエータの作動状態を変化させ、前記位相変更部材は、前記駆動部材と前記従動部材間に介在された中間部材を移動させることにより、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相が変更されるように構成されている内燃機関のバルブタイミング制御装置。
また、上記の内燃機関のバルブタイミング制御装置(VTC)において、前記位相変更部材は、前記駆動部材と従動部材に対して相対回転可能に設けられ、前記径方向ガイドに対時する側の面に回転方向に沿って縮径するガイドを有する中間部材と、前記ガイドに変位可能に案内係合される可動案内部と、前記駆動部材と従動部材のいずれか一方の回転中心から離間した部位と前記可動案内部とを揺動可能に連結するリンクとを備え、前記中間部材が前記アクチュエータによって前記駆動部材と従動部材に対して相対回動することにより、前記可動案内部が径方向に変位して、前記駆動部材と従動部材の組付角を変更するような構成である。さらに、前記アクチュエータは、前記中間部材に機械的に作動力を伝達する電磁アクチュータである構成である。
また、バルブの開閉時期を変更する位相変更部材に作動力を与えるアクチュエータを内燃機関の状態に応じてデューティ制御する内燃機関のVTCのコントローラであって、前記カムシャフトに作用するバルブスプリングの付勢力の方向が切り換わるタイミング間で、カムシャフトの交番トルクの作用方向と逆方向に前記アクチュエータが作動するようにデューティを変化させ、前記交番トルクの一周期の時間が前記デューティの1/2周期の時間より短くなる回転数以下のときだけカムシャフトの交番トルクの作用方向と逆方向に前記アクチュエータが作動するようにデューティを変化させる構成とする。
また、内燃機関のバルブタイミング制御装置(VTC)のコントローラにおいて、所定の条件によって、カムシャフトの交番トルクの作用方向と逆方向に前記アクチュエータが作動するように変化させるデューティパルスの幅、またはデューティパルスの高さを変化させるものであり、例示として、内燃機関の回転数または内燃機関の温度によって前記高さまたは幅を可変させる構成である。
本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置を搭載した車輌の内燃機関の構成図である。 本実施形態に係る制御装置が適用される可変動弁機構の内部構造を示す断面図である。 図2のA−A線断面を示し、可変動弁機構における組付角操作機構を示す断面図である。 図2のB−B線断面を示し、可変動弁機構におけるヒステリシスブレーキを示す断面図である。 エンジンのカム軸、カム、バルブスプリング、吸気弁の配置構造を示す図である。 4気筒エンジンにおけるカムシャフト回転角と変動トルク(カムトルク)の関係を示す図である。 本実施形態に係る制御装置が可変動弁機構(VTC)に適用した場合の制御ブロック図である。 本実施形態に係る制御装置におけるトルク変動判定手段の判定手順を示すフローチャートである。 カムシャフトの交番トルクがカムシャフト回転角に依存して変化する様をマップ化した図である。 本実施形態に関するスパイラルラジアルリンク式の可変動弁機構における機械的ガタとカムトルクの作用方向を表す説明図である。 本実施形態に関する可変動弁機構における機械的ガタを詰めるための構造を示す図である。 本実施形態に係る制御装置における指令補正手段の補正手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における制御態様を表すタイミングチャートである。 本実施形態に関する可変動弁機構への制御入力側にデューティ制御部を設ける 本実施形態に関する可変動弁機構における機械的ガタに因る位相振れを表す説明図である。 4気筒エンジンにおけるカム変動トルク(カムトルク)の発生とVTC位相への影響を表す説明図である。 本実施形態に関する可変動弁機構における機械的ガタ詰めの制御タイミングと制御構造を表す説明図である。 カム角センサとクランク角センサからの出力信号を表す説明図である。
符号の説明
101…内燃機関(エンジン)
105…吸気バルブ
113…可変動弁機構(VTC)
114…エンジンコントロールユニット(ECU)
117…クランク角センサ
120…クランクシャフト
132…カムセンサ
134…吸気側カムシャフト(カムシャフト)
302…タイミングスプロケット
304…組付角操作機構
305…操作力付与手段(アクチュエータ)
308…径方向溝
309…突起部
311…リンク
315…渦溝
316…係合ピン
318…渦ディスク
320…ヒステリシスブレーキ
501…カム
502…バルブスプリング
701…トルク変動判定手段
702…指令補正手段
Ne…エンジン回転数
Qa…吸気管流量
Va…補正制御指令
Tva…タイマ

Claims (12)

  1. クランクシャフトから回転が伝達される駆動部材、交番トルクが作用するカムシャフトに連結され且つ前記駆動部材から回転力が伝達される従動部材、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相を変更する位相変更部材、前記位相変更部材に作動力を与える作動力付与部材、からなる可変動弁機構を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサからの信号に基づいて、前記カムシャフトの交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングを判定するトルク変動判定手段と、
    前記判定されたタイミングで、その直後の交番トルクに対抗する短時の作動力を生成させる補正制御指令を、前記作動力付与部材に出力する指令補正手段と、
    を備え、
    前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングと同期して前記位相変更手段に生じる機械的ガタを無くする方向に前記短時の作動力を与える
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  2. クランクシャフトから回転が伝達される駆動部材、交番トルクが作用するカムシャフトに連結され且つ前記駆動部材から回転力が伝達される従動部材、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相を変更する位相変更部材、前記位相変更部材に作動力を与える作動力付与部材、からなる可変動弁機構を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサからの信号に基づいて、前記カムシャフトの交番トルクが正側又は負側に切り替わる直前のタイミングを判定するトルク変動判定手段と、
    前記判定した直前のタイミングで、前記切り替わり後の交番トルクに対抗する短時の作動力を生成させる補正制御指令を、前記作動力付与部材に出力する指令補正手段と、
    を備え、
    前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングと同期して前記位相変更手段に生じる機械的ガタを無くする方向に前記短時の作動力を与える
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記作動力によって前記位相変更部材の動作が終了するタイミングが、前記カムシャフトの交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングに合致するように前記直前のタイミングを決める
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  4. クランクシャフトから回転が伝達される駆動部材、交番トルクが作用するカムシャフトに連結され且つ前記駆動部材から回転力が伝達される従動部材、前記駆動部材と前記従動部材との相対回転位相を変更する位相変更部材、前記位相変更部材に作動力を与える作動力付与部材、からなる可変動弁機構を制御する制御装置であって、
    前記制御装置は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサからの信号と前記クランクシャフトのクランク角センサからの信号とに基づいて、前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングを判定するトルク変動判定手段と、
    前記判定されたタイミングで、その直後の交番トルクに対抗する短時の作動力を生成させる補正制御指令を、前記作動力付与部材に出力する指令補正手段と、
    を備え、
    前記交番トルクが正側又は負側に切り替わるタイミングと同期して前記位相変更手段に生じる機械的ガタを無くする方向に前記短時の作動力を与える
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  5. 請求項1または2において、
    前記交番トルクが正側又は負側に切り換わるタイミングの判定、又は前記交番トルクが正側又は負側に切り替わる直前のタイミングの判定は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサからのセンサ出力と、カム角と前記交番トルクの関係を示すマップと、に基づいて行う
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  6. 請求項1または2において、
    前記交番トルクが正側又は負側に切り換わるタイミングの判定、又は前記交番トルクが正側又は負側に切り替わる直前のタイミングの判定は、前記カムシャフトに設けられたカムのカム角センサによるカムシャフト基準回転位置の検知と、前記クランクシャフトのクランク角信号と、に基づいて行う
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  7. 請求項1または2において、
    前記クランクシャフトのクランク角センサから求められるクランク速度が所定値を超えるときに、または前記可変動弁機構の周囲温度が所定値以下のときに、前記補正制御指令の出力を禁止する
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  8. 請求項1または2において、
    前記制御装置は、前記位相変更部材に作動力を与える作動力付与部材の入力側に、前記補正制御指令を含む制御入力に応じてデューティを変化させるデューティ制御部を有することを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  9. 請求項8において、
    前記デューティ制御部は、デューティパルスの幅またはデューティパルスの高さを変化させることを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  10. 請求項8において、
    前記デューティパルスの幅またはデューティパルスの高さは、前記クランクシャフトのクランク角センサからのクランク速度、または前記可変動弁機構の周囲温度、または潤滑油温度によって可変させることを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  11. 請求項8において、
    前記デューティパルスの高さは、作動位置に応じて作動負荷の異なる前記位相変更部材の前記作動位置によって可変させることを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1つの請求項に記載された可変動弁機構の制御装置を備えた内燃機関。
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