JP4934483B2 - 仮設足場用のブラケット - Google Patents
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Description
ところが、上記のように支柱パイプ105には周方向に90度位相がずれ、かつ高さの異なる緊結ホルダー108,109が形成されている。そのためくさび片107が係止される緊結ホルダー108,109の違いによってブラケット101の高さが異なってしまい、ほぞ部103の位置が緊結ホルダー108,109によって変わってしまうこととなる。そしてその結果、ほぞ部103に外嵌される支柱パイプ105の高さが一定しないので踏み板の取り付け等に支障を来す可能性があった。
そこで特許文献1のような高さ調整が可能なカラーを装着したブラケットの技術が開示されている。特許文献1のブラケットではカラーを上下2段階の高さに配置することでブラケットに支持させる支柱の下端位置を変更し高さの異なる2種類の緊結ホルダー(特許文献1では連結金具と称する)に対応させるというものである。
係止部材としては一般にパイプに内装する板バネ式のロックピン126を使用する方式と作業者が外から刺し入れる係止ピン127を使用する方式との2つがあり、現在支柱パイプ120を連結する際に広く用いられているのは作業の容易性からロックピン方式である。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、突出部を避けるために使用されるブラケットにおいて支柱パイプを固定するための連結孔を単純化して作業性を向上させるようにした仮設足場用のブラケットを提供することにある。
また、請求項3の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記位置保持手段は、プレス加工により前記外装筒の周壁に形成された略逆L字状をなすガイド孔と、該ガイド孔の内側に配置されるようにほぞの周面上に突設されたガイドピンとから構成されていることをその要旨とする。
また、請求項4の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記支承部は前記ほぞ部材の前記外装筒からの下方への脱落を防止する脱落防止部材を兼ねていることをその要旨とする。
尚、仮設足場に使用される部材はそれほどの精度が求められていないため比較的公差は大きく、上記文言の「第1又は第2の緊結ホルダーの略上下幅分のずれと一致する」や「第1の回転位置と同第2の回転位置との位相が90度ずれている」という場合における一致や90度の角度については若干の誤差があっても構わない。
図5に示すように、2点鎖線で示される建物の外壁10周囲には仮設足場11が構築されている。建物の上部位置には突出部としての軒10aが外壁10よりも外方に張り出すように設けられている。図1では特に軒10aの近傍を特化して図示している。仮設足場11は支柱12及び横架材13によって基本骨格が構築されており、特に軒10aと対応する箇所にこれを避けるように実施例のブラケット20が配設される。
水平材21の中間部下面には金属板よりなる補強材24が水平材21との連結位置を基部として水平材21の基端部方向に向かって斜め下方に延びるように配設されている。補強材24の先端部には当て板25が固着されている。水平材21と補強材24との間には金属板よりなる間隔保持材26が上下方向に延びるように架設されており、水平材21と補強材24との間隔を一定に保持するようになっている。筒部22、くさび片23、補強材24、当て板25及び間隔保持材26はそれぞれ溶接によって固着されている。
ガイド孔36の上下方向に延びる孔の下端縁部分と周方向に延びた先端から下方に膨らむ部分はそれぞれ第1及び第2の回動規制部34a,34bとされる。
まず、ブラケット20が装着される支柱パイプ50について概略を説明する。支柱パイプ50は直列に接続されることで支柱12を構成する。本実施例では支柱パイプ50を上方に継ぎ足していった場合に図5のように支柱パイプ50の上端が軒10aに達し(あるいは非常に接近する)、これ以上は支柱パイプ50を上方へ連結することができなくなったとき、軒10aを避けるために支柱パイプ50の第1又は第2の緊結ホルダー51,52にブラケット20を連結させることとなる。
支柱パイプ50は合金製のパイプ部材であって、パイプ本体51の上端部に同パイプ本体51よりも一回り小さなサイズの連結ほぞ52が嵌挿固定されている。連結ほぞ52の断面形状は上記移動筒27の断面形状と略一致する。パイプ本体51の外周には所定間隔毎に緊結ポジション53が設けられている。緊結ポジション53は180度対向して同じ高さに配置された一対の第1の緊結ホルダー55と、両第1の緊結ホルダー55と垂直方向に上下幅分がずれるとともに両第1の緊結ホルダー55と90度周方向にずれて180度対向して同じ高さに配置される一対の第2の緊結ホルダー56とから構成されている。第1の緊結ホルダー55と第2の緊結ホルダー56との上下幅のずれは例えば本実施例では約4.5cmとされている。本実施例では上側に配置されるホルダーを第1の緊結ホルダー55とする。パイプ本体51と連結ほぞ52にはそれぞれ端部から等距離に連結孔57が形成されている。連結ほぞ52内部には上記で説明したロックピン30が内蔵されており、ロックピン30の突起部31は連結ほぞ52から露出されている。
つまり、支柱12は隣接する支柱パイプ50のパイプ本体51と連結ほぞ52とを接合させ連結孔57を照合させた状態でロックピン30によって両者を固定させながら構築していくようになっている。このとき連結ほぞ52が挿入されるパイプ本体51の先端寄り部分が挿入部とされる。支柱パイプ50における連結ほぞ52先端から連結孔57までの長さは上記移動筒27先端から連結孔29までの長さと略一致する。また、連結ほぞ52の長さは上記移動筒27先端からリング28の上面までの長さと略一致する。
このような配置状態の移動筒27に対して新たな支柱パイプ50を外嵌させる。するとパイプ本体51の下端がリング28の上面にちょうど当接され挿入部32全体がパイプ本体51の先端寄り(挿入部)に収納される。その状態で支柱パイプ50を周方向において移動調整し両者の連結孔29,57を照合させる。すると支柱パイプ50側の連結孔57に移動筒27側の連結孔29から露出する突起部31が係合して支柱パイプ50は固定される。このような配置状態の移動筒27に対して外嵌された新たな支柱パイプ50の水平位置はこのように迂回させなかった場合に継ぎ足される図2の仮想線で示す隣接する支柱パイプ50の水平位置と一致することとなる。
このような配置状態の移動筒27に対して新たな支柱パイプ50を外嵌させる。すると支柱パイプ50の下端がリング28の上面にちょうど当接され挿入部32全体が支柱パイプ50のパイプ本体51の先端寄り(挿入部)に収納されることは上記とまったく同様である。但し、パイプ本体51の筒部22に対する周方向の位置は上記とは90度位相がずれている。このような配置状態の移動筒27に対して外嵌された新たな支柱パイプ50の水平位置はこのように迂回させなかった場合に継ぎ足される図3の仮想線で示す隣接する支柱パイプ50の水平位置と一致することとなる。
以上のように図2に示す上側の第1の緊結ホルダー55に対してブラケット20を連結した場合でも、図3に示す下側の第2の緊結ホルダー56に対してブラケット20を連結した場合でもいずれの場合でも迂回させて新たに継ぎ足される支柱パイプ50は隣接する支柱パイプ50と水平位置を一致させることが可能となっている。従って、常に隣接する支柱パイプ50間に横架材13を水平に架設させることが可能となる。
(1) 上記実施例のブラケット20によれば、高さの異なる第1又は第2の緊結ホルダー55,56に装着する際に移動筒27を下方側の第1の回転位置と上方側の第2の回転位置で切り替えながら保持させることができるので、迂回させて新たに継ぎ足される支柱パイプ50の高さを架設足場11を構築している支柱パイプ50の向きに応じて適切に変更することが簡単にできる。
(2)回させて新たに継ぎ足される支柱パイプ50の高さ位置は変わっても常に支柱パイプ50は移動筒27に対して下端がリング28の上面にちょうど当接され挿入部32全体がパイプ本体51の先端寄り(挿入部)に収納されるように外嵌されることとなっている。つまり、係止部材としてのロックピン30は支柱パイプ50の高さ位置が変わってもいつも同じ連結孔57に係合して支柱パイプ50を固定することができるため、従来のような高さの異なる2種類の連結孔を設ける必要がなくなる。
(3)筒部22には略逆L字状のガイド孔36が形成されており、このガイド孔36とガイドピン37の案内により移動筒27を速やかかつ正確に上下動及び回動させることができ、作業が迅速化する。また、一旦第1及び第2の回動規制部34a,34bにガイドピン37が配置されると移動筒27は筒部22に対して相対回動が不能とされるため作業中にむやみに移動筒27が周方向に移動してしまうことがない。
(4)リング28とガイドピン37の両方によって移動筒27の筒部22に対する下方への落下が確実に防止されている。
・上記実施例の形状のガイド孔36に限定されることはない。
・上記では係止部材としてロックピン30を使用したが従来例にあるような係止ピン127を使用することも自由である。
・リング28の形状は上記に限定されるものではない。
・ブラケット20を構成する水平材21やくさび片23等の形状は上記に限定されるものではない。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (4)
- 180度対向する位置に形成される第1の緊結ホルダーと、同第1の緊結ホルダーと垂直方向に略上下幅分ずれるととともに周方向に90度ずれた位置に形成される第2の緊結ホルダーとを外周に備え、複数本を直列に連結する際に上向きに配置された連結ほぞに対してパイプ下端側の挿入部を外嵌させ同連結ほぞ及び挿入部の重複する連結孔間に係止部材を横貫させるようにして支柱を構築する仮設足場用の支柱パイプであって、同支柱パイプを建物の外壁に沿って上方へ複数本連結する際に建物の外壁よりも外方へ張り出した突出部を避けて同支柱パイプをさらに上方へ連結するために用いられる仮設足場用のブラケットにおいて、
前記第1又は第2の緊結ホルダーに対して片持ち梁状に支持される外方に張り出す張り出し材と、同張り出し材に着設される外装筒と、同外装筒内に遊嵌され上下動可能なほぞ部材とを備え、
同ほぞ部材の側面にはその上方から前記支柱パイプの挿入部が外嵌される際に外嵌される同支柱パイプを支承する支承部と、前記挿入部側の連結孔と重複する連結孔と、同外装筒に対して同ほぞ部材を下方側の第1の回転位置と上方側の第2の回転位置でそれぞれ保持可能とするための位置保持手段とが設けられ、同第1の回転位置と同第2の回転位置との上下間隔が前記第1又は第2の緊結ホルダーの略上下幅分のずれと一致するとともに同第1の回転位置と同第2の回転位置との位相が90度ずれていることを特徴とする仮設足場用のブラケット。 - 前記ほぞ部材は第1及び第2の回転位置では周方向の回動が規制されていることを特徴とする請求項1に記載の仮設足場用のブラケット。
- 前記位置保持手段は、前記外装筒の周壁に形成された略逆L字状をなすガイド孔と、該ガイド孔の内側に配置されるようにほぞの周面上に突設されたガイドピンとから構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の仮設足場用のブラケット。
- 前記支承部は前記ほぞ部材の前記外装筒からの下方への脱落を防止する脱落防止部材を兼ねていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の仮設足場用のブラケット。
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