JP4933981B2 - 光ファイバ特性測定装置 - Google Patents

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本発明は、光ファイバの長さ方向における特性を測定する光ファイバ特性測定装置に関する。
近年、光ファイバにパルス光を入射させて得られるブリルアン散乱光を測定することで、光ファイバが設置された環境における歪み分布や温度分布を測定する光ファイバ特性測定装置の開発が盛んに行われている。この光ファイバ特性測定装置は、設置された光ファイバ自体を歪み又は温度を検出する媒体として利用するため、多数の点型センサを配列して測定する測定装置に比べて単純な構成で歪み分布や温度分布の測定を行うことができる。上記の光ファイバ特性測定装置の代表的なものとして、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometry)及びBOTDA(Brillouin Optical Time Domain Analysis)が挙げられる。
上記のBOTDRは、光ファイバの一端からパルス光を入射させて光ファイバ中において自然ブリルアン散乱光(後方ブリルアン散乱光)を生じさせ、光ファイバの同じ一端から射出される後方ブリルアン散乱光の時間変化を測定することにより光ファイバに沿ったブリルアンスペクトルの分布を求め、これにより光ファイバの長さ方向における歪み分布や温度分布を測定する光ファイバ特性測定装置である。尚、BOTDRの詳細については、例えば以下の特許文献1,2を参照されたい。
また、上記のBOTDAは、光ファイバの一端から周波数が可変であるパルス光(ポンプ光)を入射させるとともに光ファイバの他端から連続光であるプローブ光を入射させ、誘導ブリルアン散乱現象によるプローブ光の変化成分を順次測定することにより光ファイバに沿ったブリルアン(ゲイン)スペクトルの分布を求め、これにより光ファイバの長さ方向における歪み分布や温度分布を測定する光ファイバ特性測定装置である。尚、BOTDAの詳細については、以下の特許文献3を参照されたい。
ところで、上記のBOTDR及びBOTDAにおいては、光ファイバに入射させるパルス光のパルス幅を小さくすることによって空間分解能が向上することが知られている。しかしながら、パルス幅を所定値以下にするとパルス光自体のスペクトル幅がブリルアン散乱光のスペクトル幅よりも広くなってブリルアン散乱光の中心周波数を精度良く測定できなくなる。このため、従来のBOTDR及びBOTDAの空間分解能は2〜3m程度であった。以下の特許文献4には、音響フォノンの過渡現象を考慮することで空間分解能を高めることが可能な分布型光ファイバセンサシステムが開示されている。
特許文献4に開示された分布型光ファイバセンサシステムは、ブリルアン散乱を引き起こす音響フォノンが機械的振動であるため、瞬時に振動を始めることができない過渡現象が存在することに着目したものである。具体的には、ポンプ光を周波数が互いに異なる第1ポンプ光及び第2ポンプ光とし、第1ポンプ光を光ファイバに伝搬させた後に、測定用のブリルアン散乱光を生じさせる第2ポンプ光を伝搬させることで、測定用のブリルアン散乱光に過渡現象が生じることを防止して10cm程度の高空間分解能が実現可能であるとしている。
また、以下の特許文献5では、時間領域計測とは全く異なる原理にて、cm程度の高空間分解能を実現可能な装置が提案されている。この装置は、周波数変換器を用いてプローブ光の中心周波数をポンプ光とプローブ光との中心周波数の周波数差がブリルアン周波数シフト近傍となるように変化させ、その上で、光源の発振周波数を変調することで、両光の位相が同期する位置において選択的にポンプ光からプローブ光へのパワーの移動が発生することに着目したものである。そして、光ファイバから射出されたプローブ光のパワーを光検出器で検出することによって、両光の位相が同期する位置におけるブリルアンスペクトルを測定するものである。かかる装置によれば、1cm程度の高空間分解能が実現できるとしている。この装置は、BOCDA(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis)と呼ばれている。
特許第2575794号公報 特許第3481494号公報 特許第2589345号公報 国際公開第04/040241号パンフレット 特許第3667132号公報
ところで、上述した特許文献4に開示された分布型光ファイバセンサシステムや特許文献5に開示されたBOCDAは、数cm程度の高分解能を実現可能であるものの、光ファイバの両端から測定光(ポンプ光及びプローブ光)を入射させる必要があり、装置構成が複雑化したり装置コストが高くなる。このため、BOTDRのような光ファイバの一端のみから測定光を入射させる装置で高空間分解能を実現することが要望されている。
また、光ファイバ中で生ずるブリルアン散乱光は極めて微弱である。このため、ブリルアン散乱光を利用して光ファイバの特性を測定する光ファイバ特性測定装置は、光ファイバに対してパルス光を複数回に亘って入射させ、パルス光の各々を入射させる度に得られる測定結果を平均化することによりS/N比(信号対雑音比)の向上を図っている。ここで、光ファイバ中に複数のパルス光が同時に存在すると、光ファイバで生じたブリルアン散乱光が何れのパルス光に起因して生じたものであるかを判別することができない。このため、通常は、光ファイバにパルス光を入射させる時間間隔を、光ファイバの一端から入射されたパルス光が他端に至るまでに要する時間と光ファイバの他端近傍で発生した後方ブリルアン散乱光が光ファイバの一端に至るまでに要する時間とを加算した時間以上にする必要があり、測定に時間を要するという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバの一端のみから測定光を入射させる場合においても高空間分解能が得られ、且つ短時間で光ファイバの特性を測定することができる光ファイバ特性測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光ファイバ特性測定装置は、光ファイバ(18)の一端から測定用パルス光を入射させ、当該光ファイバの一端から射出される後方ブリルアン散乱光を受光して得られる受光信号に基づいて前記光ファイバの特性を測定する光ファイバ特性測定装置(1〜3)において、パルス間隔が前記光ファイバ中の音響波の寿命以下にされた第1パルス光(L31)と第2パルス光(L32)からなるパルス列(L3)をコヒーレント光(L0)から生成するパルス光生成部(13)と、前記パルス光生成部で生成されたパルス列をなす各々のパルス光に対して所定の符号変調を行って前記光ファイバに入射させる測定用パルス光(L41、L42)を生成する符号変調部(14)と、前記光ファイバの一端から射出される後方ブリルアン散乱光(L5)と前記コヒーレント光との合波光(L6)を受光して受光信号(S1)を得る受光部(19)と、前記受光部からの受光信号と、前記パルス光生成部で生成されるパルス列をなすパルス光のパルス間隔と前記符号変調部で行われる符号変調の種類とに応じた符号列(L4)との相関処理を行い、当該相関処理の処理結果に基づいて前記光ファイバの特性を求める信号処理部とを備えることを特徴としている。
この発明によると、パルス間隔が光ファイバ中の音響波の寿命以下にされた第1パルス光と第2パルス光からなるパルス列がコヒーレント光から生成されると、符号変調部においてパルス列をなす各々のパルス光に対して所定の符号変調が行われ、その後に符号変調されたパルス光が光ファイバに入射される。このパルス光が光ファイバの一端から入射することによって、光ファイバ中で後方ブリルアン散乱光が発生して同光ファイバの一端から射出される。この後方ブリルアン散乱光とコヒーレント光と合波されて光電変換されることにより、受光部からは受光信号が出力される。受光信号が得られると、信号処理部において、受光信号と、パルス光生成部で生成されるパルス列をなすパルス光のパルス間隔と符号変調部で行われる符号変調の種類とに応じた符号列との相関処理が行われ、この相関処理の処理結果に基づいて光ファイバの特性が求められる。
また、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記符号変調部が、前記パルス光生成部で生成されたパルス列をなす個々のパルス光を、バーカー符号を用いて符号変調することを特徴としている。
また、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記符号変調部が、前記パルス光生成部で生成されたパルス列をなす個々のパルス光を複数の部分に分割し、分割した部分の各々について符号に応じた位相変調を行うことにより前記所定の符号変調を行うことを特徴としている。
また、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記信号処理部が、前記受光信号を順次遅延させるとともに、遅延時間の異なる受光信号を取り出し可能なタップ付遅延線(32)と、前記タップ付遅延線から取り出される信号と、前記パルス光生成部で生成されるパルス列をなすパルス光のパルス間隔と前記符号変調部で行われる符号変調の種類とに応じた符号列(L4)との相関処理を行う相関処理部(33)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記相関処理部で行われる相関処理の処理結果に対して、符号サイドローブの影響を低減するための補正処理を行う補正処理部(37)を備えることを特徴としている。
また、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記受光信号に対する相関処理が前記信号処理部で行われる前に、前記受光信号の周波数帯を所定の周波数帯に変換する周波数変換部(21、22)を備えることを特徴としている。
また、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記コヒーレント光の偏波面及び前記後方ブリルアン散乱光の偏波面の少なくとも一方を変更可能な偏波面変更部(41)を備えることを特徴としている。
また、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記光ファイバに入射される前記パルス列に含まれる不要成分を除去する不要成分除去部(42)を備えることを特徴としている。
更に、本発明の光ファイバ特性測定装置は、前記音響波の寿命が、前記音響波のエネルギがピークパワーになった時点から当該ピークパワーの5%以下になるまでの時間であることを特徴としている。
本発明によれば、パルス間隔が光ファイバ中の音響波の寿命以下にされるとともに所定の符号変調がなされた2つのパルス光からなるパルス列を生成して光ファイバに入射させている。そして、このパルス列を光ファイバに入射させて得られる戻り光から受光信号を得て、受光信号と、上記のパルス列をなすパルス光のパルス間隔と符号変調部で行われる符号変調の種類とに応じた符号列との相関処理を行っている。
かかる相関処理を行うことによって得られる後方ブリルアン散乱光のブリルアンスペクトルは、光ファイバ内の同一地点、同一音響波からの後方散乱光が干渉することにより周波数軸上で周期的な変化を示すため、上記のパルス列をなすパルス光を単体で光ファイバに入射させた場合に得られるブリルアンスペクトルと比較して急峻である。よって、相関処理によって得られた信号に基づいて上記光ファイバの特性を求めることによって、ブリルアン周波数シフトの検出が極めて容易となり、実効的に空間分解能の向上が達成できる。
また、本発明では、上記のパルス列をなすパルス光に対して所定の符号変調を行うとともに上記の相関処理を行って後方ブリルアン散乱光の強度を示す信号に復調している。ここで、例えば、Nビットのバーカー符号を用いた符号変調を行った場合には、復調して得られる後方ブリルアン散乱光の強度を示す信号のS/N比は、パルス光のパワーをN倍したときと同様のS/N比となる。
以上から、本発明では、実効的に空間分解能の向上が短時間測定で達成できるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による光ファイバ特性測定装置について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1は、光源11、分岐カプラ12、光パルス発生回路13(パルス光生成部)、光位相変調器14(符号変調部)、光増幅器15、光方向性結合器16、光コネクタ17、被測定光ファイバ18(光ファイバ)、バランス受光回路19(受光部)、第1増幅器20、信号発生部21(周波数変換部)、ミキサ22(周波数変換部)、ローパスフィルタ23、第2増幅器24、及び信号処理部25を備える。
光源11は、狭線幅のコヒーレント光L0を発光する光源であり、1.55μm帯のレーザ光を射出するMQW−DFB(多重量子井戸−分布帰還型)半導体レーザ等を用いることができる。尚、以下の説明では、光源11が発光するコヒーレント光L0の周波数がf0であるとする。分岐カプラ12は、1つの入射ポートと2つの射出ポートとを有する1×2の光分岐結合器であって、入射ポートに入射したコヒーレント光L0を2分岐して2つの射出ポートからコヒーレント光L1,L2としてそれぞれ射出する。
光パルス発生回路13は、高速光スイッチ等であって、スイッチのオン/オフによってコヒーレント光L1から、パルス幅数n秒程度のパルス光を生成する。この光パルス発生回路13は、単一のパルス光ではなく、パルス幅が数n秒である2つのパルス光L31,L32からなるパルス列L3を生成する。このパルス列L3をなす2つのパルス光のうち、先に生成されるパルス光(以下、第1パルス光という)L31と、後に生成されるパルス光(以下、第2パルス光という)L32との時間間隔は、被測定光ファイバ18中の音響波の寿命以下の時間間隔とされ、望ましくは10n秒以下とされる。後述するように、パルス光L31,L32はN個(Nは2以上の整数)に分割されて光位相変調器14で位相変調(符号化)される。パルス光L31,L32はそれぞれ単一パルスでなく分割された時間未満のパルス幅を有するN個のパルス列でも良い。
尚、上記の音響波の寿命とは、広義には被測定光ファイバ18の内部で発生する音響波の寿命であって、所定の音響波が発生してから消滅するまでの時間を意味する。しかしながら、本明細書においては、後述する干渉信号をより確実に生成する観点から、音響波のエネルギがピークパワーとなった時点からからピークパワーの5%以下になるまでの時間を意味するものとする。例えば、音響波のエネルギが以下の(1)式に基づいて減衰するものとした場合には、ピークパワーが5%以下になるまでの時間とは、(t>3Τa)となるまでの時間ということができる。但し、以下の(1)式中の変数Τaは音響波の減衰時間である。
Figure 0004933981
また、光ファイバ特性測定装置1の空間分解能δzは、パルス列L3をなす第1パルス光L31及び第2パルス光L32の各々のパルス幅のN分割された時間幅(1符号長(1ビット))或いはその時間幅未満のパルスを用いる場合はそのパルス幅Wによって決定される。被測定光ファイバ18中におけるパルス列L3の速度をvとすると、光ファイバ特性測定装置1の空間分解能δzは以下の(2)式で表される。
Figure 0004933981
ここで、上記(2)式を参照すると、パルス列L3をなす第1パルス光L31及び第2パルス光L32の各々のパルス幅のN分割された時間幅(1符号長(1ビット))或いはその時間幅未満のパルスを用いる場合はそのパルス幅Wを狭くする程、光ファイバ特性測定装置1の空間分解能δzは向上することが分かる。しかしながら、パルス幅Wが所定値よりも狭くなると、自身のスペクトル幅がブリルアン散乱光のスペクトル幅よりも広くなってブリルアン散乱光の中心周波数を精度良く測定できなくなる。このため、従来の単一パルスによるBOTDRではパルス幅Wは、以下の(3)式で示されるパルス幅W0以上に設定される必要がある。但し、以下の(3)式中の変数Δνは、ブリルアン散乱光のスペクトル幅である。
Figure 0004933981
また、パルス列L3の発生周期は、被測定光ファイバ18の長さ(即ち、距離レンジ)に依存する。つまり、被測定光ファイバ18の特性を測定する場合には、複数のパルス列L3が被測定光ファイバ18中に同時に存在することが許されないため、パルス列L3の発生周期は、パルス列L3が被測定光ファイバ18を往復するのに要する時間以上である必要がある。厳密にいうと、パルス列L3の発生周期は、パルス列L3が被測定光ファイバ18の一端から他端に至るまでに要する時間と、被測定光ファイバ18の他端で発生した後方ブリルアン散乱光が被測定光ファイバ18の一端に至る迄に要する時間とを加算した時間以上の時間である。このため、例えば距離レンジが10kmである場合には、その発生周期は200μ秒程度であり、1kmの距離レンジであればその発生周期は20μ秒程度である。
光位相変調器14は、光パルス発生回路13で生成されたパルス列L3をなす第1パルス光L31及び第2パルス光L32の各々に対して所定のNビット符号変調を行って被測定光ファイバ18に入射させる測定用パルス光L41,L42及び無信号の区間からなる符号列L4を生成する。光位相変調器14が行う符号変調方式としては、例えばバーカー符号やゴーレイ符号等を用いた「+1」,「−1」の符号を有する2値符号変調方式を用いることができる。特に、第1パルス光L31と第2パルス光L32とのパルス間隔を音響波の寿命以下にする観点からは符号ビット長Nが小さく且つS/N改善度の大きいバーカー符号を用いた符号変調を行うのが望ましい。尚、以下の説明では、光位相変調器14はバーカー符号を用いた2値変調方式により第1パルス光L31及び第2パルス光L32の符号変調を行うものであるとする。
具体的に、光位相変調器14は、第1パルス光L31及び第2パルス光L32をそれぞれN個(ビット)の部分に分割し、分割した部分の各々(1ビット)について符号に応じた位相変調を行うことによって第1パルス光L31及び第2パルス光L32の各々に対する符号変調を行う。例えば、符号の値が「1」である場合には位相変調を行わないが、符号の値が「−1」である場合にはその部分の位相を180°反転する位相変調を行う。
図2は、光位相変調器14で行われる符号変調の具体例を説明するための図であって、(a)は3ビット(N=3)のバーカー符号を用いた符号変調を示す図であり、(b)は5ビット(N=5)のバーカー符号を用いた符号変調を示す図である。図2(a)に示す通り、バーカー符号が3ビットである場合には、光位相変調器14は、パルス列L3をなす第1パルス光L31を3つの部分d11〜d13に分割するとともに、第2パルス光L32を3つの部分d21〜d23に分割する。
そして、光位相変調器14は、3ビットのバーカー符号が「1」,「1」,「−1」であるため、第1パルス光L31の部分d13及び第2パルス光L32の部分d23に対しては位相を180°反転する位相変調を行い、残りの部分(第1パルス光L31の部分d11,d12及び第2パルス光L32の部分d21,d22)の位相変調は行わない。以上の処理によって、図2(a)に示す通り、符号変調された測定用パルス光L41,L42が生成される。尚、図2では、測定用パルス光L41,L42において位相が180°反転された部分を負の位相で表し、位相が反転されていない部分を正の位相で表している。また、第1パルス光L31と第2パルス光L32に挟まれた無信号の区間は符号的には「0」とみなされる。
また、図2(b)に示す通り、バーカー符号が5ビットである場合には、光位相変調器14は、パルス列L3をなす第1パルス光L31を5つの部分d31〜d35に分割するとともに、第2パルス光L32を5つの部分d41〜d45に分割する。そして、光位相変調器14は、5ビットのバーカー符号が「1」,「1」,「1」,「−1」,「1」であるため、第1パルス光L31の部分d34及び第2パルス光L32の部分d44に対しては位相を180°反転する位相変調を行い、残りの部分(第1パルス光L31の部分d31〜d33,d35及び第2パルス光L32の部分d41〜d43,d45)の位相変調は行わない。以上の処理によって、図2(b)に示す通り、符号変調された測定用パルス光L41,L42が生成される。
尚、光位相変調器14が、例えば1n秒の時間間隔をもって第1パルス光L31,第2パルス光L32を分割するものである場合には、図2(a)に示す例では、第1パルス光L31及び第2パルス光L32のパルス幅は3n秒に設定され、第1パルス光L31と第2パルス光L32との間隔は6n秒に設定される。また、光位相変調器14が、例えば0.5n秒の時間間隔をもって第1パルス光L31,第2パルス光L32を分割するものである場合には、図2(b)に示す例では、第1パルス光L31及び第2パルス光L32のパルス幅は2.5n秒に設定され、第1パルス光L31と第2パルス光L32との間隔は5n秒に設定される。
光増幅器15は、光位相変調器14から射出されるパルス列L3を所定のレベルにまで増幅して射出する。この光増幅器15としては、例えばEr(エルビウム)ドープファイバを利用した光ファイバ増幅器等を用いることができる。光方向性結合器16は、入射ポートP1に入射した符号列L4を入射出ポートP2から射出するとともに、光コネクタ17を介して入射出ポートP2に入射される被測定光ファイバ18からの戻り光L5を射出ポートP3から射出するものである。この光方向性結合器16としては、光サーキュレータ等を用いることができる。光コネクタ17は、光方向性結合器16の入射出ポートP2と被測定光ファイバ18の片側端部(一端)とを接続する。
ここで、被測定光ファイバ18からの戻り光L5には、自然ブリルアン散乱光(後方ブリルアン散乱光)、レイリー散乱光、及びフレネル反射光が含まれる。自然ブリルアン散乱光の周波数は、被測定光ファイバ18に入射されたパルス列L3の周波数(即ち、コヒーレント光L0の周波数f0)に対して約9〜12GHzだけシフトしている。いま、この周波数シフトをfsとすると、自然ブリルアン散乱光の周波数は“f0±fs”と表すことができる。これに対し、レイリー散乱光やフレネル反射光は、周波数のシフト量が0であるため、その周波数は“f0”である。以上から、被測定光ファイバ18からの戻り光L5の周波数fbには“f0±fs”,“f0”が含まれる事になる。
尚、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1においては、被測定光ファイバ18に入射される符号列L4は、時間間隔が音響波の寿命以下の時間間隔とされた第1パルス光L31と第2パルス光L32とをNビット符号変調した測定用パルス光L41,L42を含んでいる。このため、被測定光ファイバ18からの戻り光L5には、測定用パルス光L41に関する戻り光と測定用パルス光L42に関する戻り光とが重なって存在することとなる。ここで、本実施形態では、図2を用いて説明した通り、測定用パルス光L41,L42が複数の部分に分割されて符号変調されている。このため、測定用パルス光L41,L42に関する戻り光の各々は、分割されたそれぞれの部分を個別のパルス光としてみた場合に得られる戻り光が重なったものと考えることができる。
バランス受光回路19は、合分岐カプラ19aと光電変換回路19bとを備えており、コヒーレント光L2と戻り光L5とを合波して得られる合波光L6を受光(光電変換)して受光信号(電気信号)S1に変換する。合分岐カプラ19aは、前述した分岐カプラ12から射出された周波数f0のコヒーレント光L2と、光方向性結合器16を介して射出された周波数fb(=“f0±fs”,“f0”)の戻り光L5とを合波することによって合波光L6を得る。尚、合波光L6の周波数成分は、直流成分及び“±fs”の3つの周波数成分となる。光電変換回路19bは、合波光L6を受光信号S1に変換する。
ここで、上述した通り、被測定光ファイバ18からの戻り光L5には、測定用パルス光L41,L42の各々に関する戻り光が含まれている。このため、合分岐カプラ19aでの合波によって生じる合波光L6、及びこの合波光L6から変換される受光信号S1についても、測定用パルス光L41に関する成分(以下、第1成分という)と測定用パルス光L42に関する成分(以下、第2成分という)とが含まれることになる。そして、測定用パルス光L41,L42は、音響波の寿命以下の時間間隔をもつ第1パルス光L31と第2パルス光L32からそれぞれ生成されているため、バランス受光回路19から出力される受光信号S1には、第1成分及び第2成分が第1パルス光L31と第2パルス光L32との時間間隔と同一の時間間隔に相当する遅延差をもって含まれることになる。
第1増幅器20は、ミキサ22(後述)が処理するのに適したレベルまで受光信号S1を増幅する。尚、受光信号S1に含まれる直流成分は、例えば電気回路を交流結合することによって除去するものとする。信号発生部21は、制御回路21bの制御の下で動作し、所定の周波数frを有する正弦波のRF(無線周波数)信号S2を出力する信号発生回路21aと、信号発生回路21aを制御してRF信号S2の周波数を設定する制御回路21bとを備える。尚、本実施形態において、上記のRF信号S2の周波数frは、ブリルアン散乱光を検出するために、戻り光の周波数シフト(自然ブリルアン散乱光の周波数シフト)fsの近傍である約8〜12GHzの範囲に設定される。信号発生回路21aにおいて周波数frを可変しながら信号処理することで受光信号S1のスペクトルが測定できる。
ミキサ22は、第1増幅器20で増幅された受光信号S1と信号発生部21から出力されるRF信号S2とを混合して、受光信号S1の周波数をRF信号S2の周波数frだけ低下させた電気信号S3(ベースバンド信号)を出力する。ここで、RF信号S2の周波数frは戻り光の周波数シフトfsの近傍に設定されるため、上述した2つの周波数成分のうち、周波数シフトfsの値を周波数frだけ低減させた周波数成分が直流成分(ベースバンド)に近づくことになる。従って、この周波数成分は、ミキサ22の後段に位置する電気回路(ローパスフィルタ23、第2増幅器24、及び信号処理部25)で容易に処理可能な周波数領域となる。
ここで、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1においては、バランス受光回路19から、第1成分と第2成分とが、第1パルス光L31と第2パルス光L32との時間間隔と同一の時間間隔に相当する遅延差をもって含まれた電気信号S1が出力される。このため、ミキサ22から出力される電気信号S3にも、第1成分と第2成分とが、第1パルス光L31と第2パルス光L32との時間間隔と同一の時間間隔に相当する遅延差をもって含まれている。また、電気信号S3と符号列L4の相関をとることにより、干渉信号を得ることができると同時に、Nビット符号分が重ね合わされてN倍の信号パワーが得られる。
尚、ここでは、上記の電気信号S3を得るために信号発生部21及びミキサ回路22を用いた。しかしながら、合波に用いるコヒーレント光L2を光周波数変換することによっって上記のブリルアン散乱光に略一致する光周波数を有するコヒーレント光を生成し、このコヒーレント光と被測定光ファイバ18からの戻り光L5とを合波することで、上記の電気信号S3と同様の電気信号を得るようにしても良い。或いは、符号列L4に対して後方散乱光の周波数シフト量に略一致する周波数だけシフトさせる光周波数変換器を用いても同様の効果が得られる。
ローパスフィルタ23は、ミキサ22から出力される電気信号S3に含まれるノイズ等の高周波成分を除去することによってS/N比を向上させるための回路である。第2増幅器24は、ローパスフィルタ23から出力される電気信号S3を信号処理部25に適したレベルまで増幅するものである。
信号処理部25は、第2増幅器24から出力される電気信号に対してA/D(アナログ/ディジタル)変換処理を施してディジタル信号に変換した後に、相関処理等の各種処理を行って被測定光ファイバ18の長さ方向における特性を求める。図3は、信号処理部25の内部構成の一例を示すブロック図である。図3に示す通り、信号処理部25は、A/D変換部31、タップ付き遅延線32、相関処理部33、二乗検波処理部35、平均化処理部36、及び補正処理部37を備える。
A/D変換部31は、第2増幅器24から出力される電気信号に対してA/D変換処理を施し、そのディジタル信号を出力する。タップ付遅延線32は、A/D変換部31から出力されるディジタル信号を順次遅延させるとともに、遅延時間の異なるディジタル信号が取り出し可能である。例えば、タップ付遅延線32は、A/D変換部31から順次出力される9ビット分のディジタル信号を1n秒ずつ順次遅延させることが可能であって、この9ビット分のディジタル信号のうちの個々のディジタル信号の取り出しが可能なものである。つまり、現時点で第2増幅器24から出力される電気信号をA/D変換したディジタル信号をDとすると、タップ付遅延線32からは8ビット前のディジタル信号Dk−8から現時点のディジタル信号Dの9ビット分の信号を取り出すことができる。
相関処理部33は、タップ付遅延線32から取り出される信号と符号列L4との相関処理を行う。これにより、第1成分と第2成分との干渉信号が生成される。二乗検波処理部35は、相関処理部33で行われた相関処理の処理結果を二乗することによって相関処理部33から出力される信号を通常の後方散乱光の強度を示す信号に復調する。平均化処理部36は、二乗検波処理部35から出力される信号の平均化処理を行い、補正処理部37はバーカー符号を用いた符号変調を行うことによって生ずる符号サイドローブを低減するための補正処理を行う。
具体的に、補正処理部37は、光位相変調器14において3ビットのバーカー符号が用いられる場合には以下の(4)式に示される補正処理を行い、5ビットのバーカー符号が用いられる場合には以下の(5)式に示される補正処理を行う。
Figure 0004933981
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但し、上記(4)式及び(5)式において、変数Zは被測定光ファイバ18の長さ方向における位置を示しており、Pは補正前の信号パワー、Pは補正後の信号パワーをそれぞれ示している。また、変数ΔZは、測定用パルス光L41,L42のパルス幅に相当する距離(1符号(ビット)長に相当する距離)を示している。尚、パルス幅が1n秒である場合には変数ΔZは10cm程度である。
信号処理部25は、補正処理部37から出力される信号を用いて被測定光ファイバ18の特性(歪みや損失)を測定する。ここで、RF信号S2の周波数frをブリルアン散乱光を検出するために周波数シフトfsの近傍で可変しながら上記処理を繰り返すことでブリルアンスペクトルが得られる。更には、時間軸上で戻り光L5を検出して被測定光ファイバ18の長さ方向における歪み特性の分布や光損失特性の分布を求める。尚、図3に示す信号処理部25の各ブロックの機能は、ソフトウェアで実現することも可能である。
尚、ブリルアン散乱光は、被測定光ファイバ18中の同一の音響波にパルス光が反射することによって生成されたブリルアン散乱光同士は干渉し、異なる音響波にパルス光が反射することによって生成されたブリルアン散乱光同士は干渉しないという特性を有している。音響波は速度を有しているものの、パルス光の速度に対して極めて遅いため、同一の音響波にパルス光が反射されることによって生成されたブリルアン散乱光同士は、被測定光ファイバ18中の同一箇所にて生成されたものと考えることができる。即ち、ブリルアン散乱光同士が、被測定光ファイバ18中の同一箇所にて生成されたものであれば干渉するが、被測定光ファイバ18中の異なる箇所にて生成されたものであれば干渉しない。
ここで、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1においては、測定用パルス光L41と測定用パルス光L42との時間間隔が、被測定光ファイバ18中の音響波の寿命以下とされている。このため、被測定光ファイバ18中の所定の音響波にて測定用パルス光L41が反射することによって後方ブリルアン散乱光が生成されると、同一の音響波によって測定用パルス光L42も反射され、戻り光L5に干渉可能な後方ブリルアン散乱光が含まれることとなる。よって、信号処理部25において両者を時間を合わせて和をとることにより干渉信号を生成することが可能となっている。
また、本実施形態では、測定用パルス光L41と測定用パルス光L42とを複数に分割して符号変調を行っており、測定用パルス光L41,L42の各々に関する戻り光は、分割されたそれぞれの部分を個別のパルス光としてみた場合に得られる戻り光が重なったものと考えることができる。よって、タップ付遅延線32で遅延させた信号と符号列L4の相関処理は、分割された個別のパルス光に関する戻り光の各々の時間位置を合わせた上で加算する処理と等価であると考えることができる。つまり、Nビットのバーカー符号を用いた符号変調を行うことにより、N個のパルス光を被測定光ファイバ18に入射させたと考えることができ、これによって測定用パルス光L41,L42のパワーをN倍したのと同様のS/N比が得られる。
次に、本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置1の動作について説明する。尚、以下の説明においては、測定用パルス光L41,L42が被測定光ファイバ18中において同一の音響波に到達することを前提とする。また、以下の説明では、光位相変調器14が3ビットのバーカー符号を用いた符号変調を行うものであるとする。このため、符号列L4は、前述した「1」,「1」,「−1」,「0」,「0」,「0」,「1」,「1」,「−1」の9ビットで構成されているとする。但し、「0」の数は一義的に定まるものではなく、測定用パルス光L41と測定用パルス光L42との時間間隔が被測定光ファイバ18中の音響波の寿命以下になる範囲で設定される。
光源11から周波数f0のコヒーレント光L0が射出されると、このコヒーレント光L0は分岐カプラ12に入射して光パルス発生回路13に射出されるコヒーレント光L1と、バランス受光回路19に射出されるコヒーレント光L2とに分岐される。分岐カプラ12から射出されたコヒーレント光L1が光パルス発生回路13に入射すると、被測定光ファイバ18中の音響波の寿命以下の時間間隔とされる第1パルス光L31と第2パルス光L32とからなるパルス列L3が生成される。
光パルス発生回路13で生成されたパルス列L3は光位相変調器14に入射し、パルス列L3をなす第1パルス光L31が図2(a)に示す3つの部分d11〜d13に分割され3ビットのバーカー符号を用いて符号変調されるとともに、パルス列L3をなす第2パルス光L32が図2(a)に示す3つの部分d21〜d23に分割されて3ビットのバーカー符号を用いて符号変調される。これにより、被測定光ファイバ18に入射させる測定用パルス光L41,L42からなる符号列L4が生成される。
光位相変調器14で生成された符号列L4は、光増幅器15によって増幅された後に光方向性結合器16の入射ポートP1に入射し、光方向性結合器16の入射出ポートP2から射出され、その後光コネクタ17を介して被測定光ファイバ18の片側端部から入射する。被測定光ファイバ18の片側端部から符号列L4が入射すると、被測定光ファイバ18中において、測定用パルス光L41,L42が同一音響波に到達することによって、干渉可能な第1成分のブリルアン散乱光と第2成分のブリルアン散乱光が発生する。
このため、被測定光ファイバ18からの戻り光L5には、測定用パルス光L41の後方ブリルアン散乱光成分と測定用パルス光L42の後方ブリルアン散乱光成分とが、第1パルス光L31と第2パルス光L32との時間間隔の遅延を有したまま重なって射出される。ここで、上述のように、戻り光L5はブリルアン散乱現象に特有の周波数シフトfsを受けることから、戻り光L5の周波数fbには周波数“f0±fs”が含まれることとなる。また、戻り光L5には、レイリー散乱光及びフレネル反射光も含まれているため、周波数fbには周波数“f0”も含まれることなる。
このような戻り光L5は、光コネクタ17を介して光方向性結合器16の入射出ポートP2から入射した後に射出ポートP3から射出されてバランス受光回路19に入射する。バランス受光回路19に入射した戻り光L5は、合分岐カプラ19aによってコヒーレント光L2と合波される。これによって合波光L6が生成され、この合波光L6が光電変換回路19bによって受光信号S1に変換される。尚、上述のように、受光信号S1には、直流成分と、“fs”の2つの周波数成分が含まれる。
受光信号S1は、第1増幅器20によって所定のレベル増幅された後にミキサ22に入力される。尚、受光信号S1が第1増幅器20によって増幅されるときに、受光信号S1に含まれる直流成分が除去される。一方、信号発生部21においては、制御回路21bが信号発生回路21aを制御することによって、周波数シフトfsの近傍に設定された周波数frのRF信号S2が生成され、このRF信号S2がミキサ22に入力される。ミキサ22が第1増幅器20からの受光信号S1と信号発生回路21aからのRF信号S2とを混合することにより、受光信号S1の周波数が周波数frだけ低下した電気信号S3が得られる。即ち、受光信号S1に含まれる2つの周波数成分の中から周波数“fs”の信号成分のみが検出され、後方ブリルアン散乱光に相当する電気信号だけを処理可能となる。この電気信号S3はローパスフィルタ23で高周波成分が除去され、第2増幅器24で増幅された後に信号処理部25に入力する。
信号処理部25に入力された電気信号S3は、A/D変換部31でディジタル信号に変換される。変換されたディジタル信号はタップ付遅延線32に入力し、光位相変調器14における測定用パルス光L41,L42の分割時間(例えば、1n秒)を単位として順次遅延する。これにより、タップ付遅延線32からは1n秒ずつ順次遅延した9ビット分のディジタル信号Dk−8〜Dが相関処理部33に出力される。相関処理部33は、タップ付遅延線32から出力されたディジタル信号と符号列L4との相関処理を行う。具体的には、9ビットのディジタル信号Dk−8〜Dと、「1」,「1」,「−1」,「0」,「0」,「0」,「1」,「1」,「−1」の9ビットからなる符号列との相関処理を行うこれにより、第1成分と第2成分との干渉信号が生成される。
相関処理部33の処理結果は二乗検波処理部35に出力され、二乗検波処理部35において二乗されることにより通常の後方散乱光の強度を示す信号に復調される。この後方散乱光の強度を示す信号は、平均化処理部36において平均化処理が施され、その後に補正処理部37において前述した(4)式に示す補正処理が行われる。これにより、バーカー符号を用いた符号変調を行うことによって生ずる符号サイドローブによる影響が低減される。以上の処理が終了すると、信号処理部25は、補正処理部37から出力される信号を用いて被測定光ファイバ18の特性(歪みや損失)を測定する。信号処理部25において以上の処理がRF信号S2の周波数frを可変しながら繰り返し行われ、測定光ファイバ18の長さ方向における歪み特性の分布や光損失特性の分布が求められる。
ここで、信号処理部25に入力される電気信号S3には、第1成分と第2成分とが含まれる。また、第1成分は、分割された測定用パルス光L41のそれぞれの部分を個別のパルス光としてみた場合に得られる戻り光が重なったものと考えることができる。同様に、第2成分は、分割された測定用パルス光L42のそれぞれの部分を個別のパルス光としてみた場合に得られる戻り光が重なったものと考えることができる。
上記のタップ付遅延線32及び相関処理部33における処理では、電気信号S3と、電気信号S3を測定用パルス光L41,L42の時間間隔(6n秒)分だけ遅延させた電気信号との和を求める処理が行われており、第1成分と第2成分との干渉信号が生成されている。この干渉信号のブリルアンスペクトルは、第1成分に基づくブリルアンスペクトルと、第2成分に基づくブリルアンスペクトルとが測定用パルス光L41,L42の時間間隔に相当する位相差を有しているため、狭窄化され急峻なものとなる。そして、信号処理部25は、この狭窄化され急峻なブリルアンスペクトルを有する干渉信号を用いて被測定光ファイバ18の特性を測定しているため、ブリルアン周波数シフトを高精度で検出することが可能となり、空間分解能が向上される。
また、上記のタップ付遅延線32及び相関処理部33における処理では、測定用パルス光L41,L42の各々に関して、分割されたそれぞれの部分を個別のパルス光としてみた場合に得られる戻り光の時間位置を合わせた上で加算する処理と同様の処理が行われている。このため、3ビットのバーカー符号を用いた符号変調を行うことによって3個のパルス光を被測定光ファイバ18に入射させたと考えることができ、これにより測定用パルス光L41,L42のパワーを3倍したのと同様のS/N比が得られる。この結果として、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1においては、被測定光ファイバ18に符号列L4を入射させる回数を低減することができるため測定時間を短縮することができる。
図4は、3ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に、二乗検波処理部35から出力される信号のシミュレーション結果を示す図である。図4(a)は被測定光ファイバ18中の1点で発生する後方散乱光のパワー分布を示す図であり、図4(b)は図4(a)において後方散乱光のパワーが最大となる周波数におけるパワーと時間との関係を示す図である。尚、ここで用いる測定用パルス光L41,L42は、パルス幅が3n秒であって、パルス間隔が6n秒である。また、
図4(a),(b)を参照すると、時間が0n秒及び±6n秒のときにブリルアン散乱光のパワーが大きなピーク値(極大値)を取るのが分かる。−6n秒のときのピークは第1成分に含まれるブリルアンスペクトルであり、+6n秒のときのピークは第2成分に含まれるブリルアンスペクトルである。0n秒のときのピークは第1成分と第2成分との時間軸を合わせて和をとることによって得られる干渉信号に含まれるブリルアンスペクトルである。また、これら以外の±2n秒のときのピークその他のピークは、バーカー符号に伴って生ずるサイドローブによるものである。また、図4(a)を参照すると、0n秒のときのピークが周波数軸上で周期的な変化をしているのが分かる。これは、第1成分と第2成分とを干渉させたことに起因する。かかるブリルアンスペクトルの周期的な変動に着目し、周期的な変動に応じたフィルタ処理を施せば、より高精度な歪み分布測定が可能になる。
図5は、被測定光ファイバ18に対して意図的に歪を加え、3ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に得られるシミュレーション結果を示す図である。尚、図5(a)は戻り光L5のパワー分布を示す図であり、図5(b)は図5(a)に示されるパワー分布を歪み分布に変換した図である。ここでは、被測定光ファイバ18の長さが220cmであって、被測定光ファイバ18の中央部における20cmの部分にブリルアン周波数シフトに換算して50MHzに相当する歪みが加わっているとしている。尚、図5に示すシミュレーション結果は、パルス間隔が6n秒であって3ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光L41,L42を被測定光ファイバ18に入射させた場合に得られるものである。
図5(b)を参照すると、距離が100〜120cmの間において周波数が20〜45MHz程度と大きく変化していることが分かる。これは、被測定光ファイバ18に加えられた歪によって生ずるブリルアン散乱光の周波数シフトによるものである。しかし、設定した歪み値(周波数シフト換算で50MHz)には到達しておらず(符号Q3で指し示した区間)、これに加えて、距離が80cm〜100cm前後の区間(符号Q1で指し示した区間)及び距離が120cm前後〜140cmの区間(符号Q2で指し示した区間)においては周波数が僅かながら変化していることが分かる。これは、バーカー符号を用いた符号変調を行うことによって生ずる符号サイドローブの影響であると考えられる。本実施形態では、信号処理部15の補正処理部37において、前述した(4)式に示す補正処理を行うことで、かかるサイドローブの影響を低減している。
図6は、図5に示すシミュレーション結果に対して、信号処理部15の補正処理部37で行われる補正処理を施した結果を示す図である。図6(a)と図5(b)とを比較しても大きな違いはないように思われるが、図6(b)と図5(b)とを比較すると、符号Q1,Q2で指し示す区間における周波数の変化が低減されていることが分かる。また、符号Q3で指し示す区間において、周波数が真値に近づいていることが分かる。これにより、バーカー符号を用いた符号変調を行うことによって生ずる符号サイドローブの影響が低減されて、より高精度な歪み分布測定が可能になる。
図7は、5ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に、二乗検波処理部35から出力される信号のシミュレーション結果を示す図である。尚、ここでの測定用パルス光L41,L42のパルス幅は2.5n秒であり、光位相変調器14が0.5n秒の時間間隔をもって第1パルス光L31,第2パルス光L32を分割することにより測定用パルス光L41,L42を生成する。図7(a)は図4(a)に相当する図であり、図7(b)は図4(b)に相当する図である。
図7(a),(b)を参照すると、時間が0n秒及び±5n秒のときにブリルアン散乱光のパワーが大きなピーク値を取るのが分かる。−5n秒のときのピークは第1成分に含まれるブリルアンスペクトルであり、+5n秒のときのピークは第2成分に含まれるブリルアンスペクトルであって、0n秒のときのピークは第1成分と第2成分との時間軸を合わせて和をとることによって得られる干渉信号に含まれるブリルアンスペクトルである。また、これらのピーク以外に、細かなピークが現れているが、これらは、バーカー符号に伴って生ずるサイドローブによるものである。尚、図7(a)を参照すると、図4(a)と同様に、0n秒のときのピークが周波数軸上で周期的な変化をしているのが分かる。よって、5ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光L41,L42を被測定光ファイバ18に入射させた場合と同様に、この周期的な変動に応じたフィルタ処理を施せば、より高精度な歪み分布測定が可能になる。
図8は、被測定光ファイバ18に対して意図的に歪を加え、5ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に得られるシミュレーション結果を示す図である。また、図9は、図8に示すシミュレーション結果に対して、信号処理部15の補正処理部37で行われる補正処理を施した結果を示す図である。尚、図8(a),(b)はそれぞれ図5(a),(b)と同様の図であり、図9(a),(b)はそれぞれ図6(a),(b)と同様の図である。また、図8,図9においては、図5,図6の場合と同様に、被測定光ファイバ18の長さが220cmであって、被測定光ファイバ18の中央部における20cmの部分にブリルアン周波数シフトに換算して50MHzに相当する歪みが加わっているとしている。
図8(b)を参照すると、図5(b)と同様に、距離が100〜120cmの間においては、被測定光ファイバ18に加えられた歪によって生ずるブリルアン散乱光の周波数シフトによって、周波数が20〜45MHz程度と大きく変化していることが分かる。しかし、設定した歪み値(周波数シフト換算で50MHz)には到達しておらず(符号Q3で指し示した区間)、また、符号Q1で指し示す距離が80cm〜100cm前後の区間、及び符号Q2で指し示す距離が120cm前後〜140cmの区間においては、バーカー符号を用いた符号変調を行うことによって生ずる符号サイドローブの影響により、周波数が僅かながら変化していることが分かる。
信号処理部15の補正処理部37において、前述した(5)式に示す補正処理を行うことで、図9(b)に示す通り、符号サイドローブによる影響が低減される。つまり、図9(b)を参照すると、図8(b)に比べて符号Q1,Q2で指し示す区間における周波数の変化が低減されていることが分かる。また、符号Q3で指し示す区間において、周波数が真値に近づいていることが分かる。これにより、バーカー符号を用いた符号変調を行うことによって生ずる符号サイドローブの影響が低減されて、より高精度な歪み分布測定が可能になる。このように、3ビットのバーカー符号を用いて符号変調を行った場合、及び5ビットのバーカー符号を用いて符号変調を行った場合の何れの場合においても、符号サイドローブの影響が低減されて高精度な歪み分布の測定が可能である。更には、Nビットのバーカー符号を用いた符号変調を行っても同様の高精度な歪み分布の測定が可能である。
以上説明した通り、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1によれば、所定のパルス幅を有し、Nビットのバーカー符号を用いた符号変調が行われた測定用パルス光L41,L42からなる符号列L4を被測定光ファイバ18の片側端部から入射し、戻ってきた後方ブリルアン散乱光を受光して受光信号を得て、その後に干渉信号を生成すると同時に符号化された信号を復号化している。この干渉信号は急峻なブリルアンスペクトルを示す。また、得られる信号はパルスパワーをN倍したと同様のS/Nの改善効果が得られる。これにより、ブリルアン周波数シフトの検出が極めて容易となり、実効的に空間分解能の向上が短時間測定で達成できる。また、ブリルアンスペクトルに対してノイズ除去フィルタを施したり、カーブフィッティングで近似したりすることにより、より高精度な歪み分布測定が期待出来る。また、バーカー符号列を用いた相関処理では原理的にサイドローブが発生して信号の劣化を引き起こすが、補正処理を行うことで改善が可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態による光ファイバ特性測定装置について説明する。図10は、本発明の第2実施形態による光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。尚、図10においては、図1に示したブロックと同一のブロックには同一の符号を付している。図10に示す通り、本実施形態の光ファイバ特性測定装置2は、分岐カプラ12とバランス受光回路19との間に偏波制御装置41(偏波面変更部)を備えている。この偏波制御装置41は、コヒーレント光L2の偏波面を高速に変化させることによって、コヒーレント光L2の偏光状態をランダムにする。
前述した第1実施形態においては、バランス受光回路19の合分岐カプラ19aに入力されるコヒーレント光L2及び戻り光L5は、偏波状態の関係が一定であることを仮定している。しかしながら、このような条件が満足されるのは、偏波保持光ファイバのような特殊な光ファイバ、或いは、偏波面がランダム化されてしまう多モード光ファイバを被測定光ファイバ18として用いた場合である。つまり、一般的な光ファイバを被測定光ファイバ18として用いた場合には、上記条件が満足されない。
一方、バランス受光回路19での検波感度は、コヒーレント光L2の偏波方向と戻り光L5の偏波方向とが一致する場合に最大値になり、直交する場合に零になる偏波依存性を有する。このため、本実施形態では、偏波制御装置41によってコヒーレント光L2の偏光状態をランダムにすることで、バランス受光回路19での検波感度を平均化している。これによって、バランス受光回路19の偏波依存性を打ち消すことができる。
尚、偏波制御装置41によって、コヒーレント光L2の偏波面を所定の単位時間毎に90°変化させ、複数の単位時間における測定結果の二乗和平均をとる方法によってもバランス受光回路19の偏波依存性を打ち消すことができる。また、本実施形態の光ファイバ特性測定装置2においては、偏波制御装置41を分岐カプラ12とバランス受光回路19との間に設置する構成を採用した。しかしながら、これに限られるものではなく、分岐カプラ12と光方向性結合器16との間や光方向性結合器16と被測定光ファイバ18との間に偏波制御装置を設けた構成にしてパルス列L3或いは戻り光L5の偏波状態を変更しても同様の効果が得られる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態による光ファイバ特性測定装置について説明する。図11は、本発明の第3実施形態による光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。尚、図11においても、図1に示したブロックと同一のブロックには同一の符号を付している。図11に示す通り、本実施形態の光ファイバ特性測定装置3は、光増幅器15と方向性結合器16との間にASE光除去用光スイッチ42(不要成分除去部)を備える。このASE光除去用光スイッチ42は、光増幅器15にてパルス列L3を増幅することによってパルス列L3に重畳されるノイズ成分(ASE光:Amplified Spontaneous Emission 光)を除去するものである。
前述した第1実施形態においては、光増幅器15で発生するノイズ成分(不要成分)は無視できると仮定している。しかしながら。実際には、パルス列L3や戻り光L5のS/N劣化を生じさせる虞があるため、このようなノイズ成分は除去することが好ましい。従って、本実施形態の光ファイバ特性測定装置3のようにASE光除去用光スイッチ42を設けることにより、パルス列L3や戻り光L5のS/N劣化を抑制することが可能となる。また、パルス列L3に重畳されるノイズ成分を除去するという観点から、光パルス発生回路13のオフ時の漏れ光を除去する除去部を光パルス発生回路13の後段に設置しても良い。
以上、本発明の実施形態による光ファイバ特性測定装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、以上説明した実施形態では、バーカー符号やゴーレイ符号等を用いて2値符号変調を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明は多値符号変調方式を用いる場合にも適用が可能である。また、上記実施形態では2つの測定用パルス光L41,L42からなる符号列L4を被測定光ファイバ18に入射させていたが、本発明は3つ以上の測定用パルス光からなる符号列L4を被測定光ファイバ18に入射させる場合にも適用可能である。
本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。 光位相変調器14で行われる符号変調の具体例を説明するための図である。 信号処理部25の内部構成の一例を示すブロック図である。 3ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に、二乗検波処理部35から出力される信号のシミュレーション結果を示す図である。 被測定光ファイバ18に対して意図的に歪を加え、3ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に得られるシミュレーション結果を示す図である。 図5に示すシミュレーション結果に対して、信号処理部15の補正処理部37で行われる補正処理を施した結果を示す図である。 5ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に、二乗検波処理部35から出力される信号のシミュレーション結果を示す図である。 被測定光ファイバ18に対して意図的に歪を加え、5ビットのバーカー符号による符号変調がなされた測定用パルス光を用いた場合に得られるシミュレーション結果を示す図である。 図8に示すシミュレーション結果に対して、信号処理部15の補正処理部37で行われる補正処理を施した結果を示す図である。 本発明の第2実施形態による光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態による光ファイバ特性測定装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1〜3 光ファイバ特性測定装置
13 光パルス発生回路
14 光位相変調器
18 被測定光ファイバ
19 バランス受光回路
21 信号発生回路
22 ミキサ
25 信号処理部
32 タップ付遅延線
33 相関処理部
37 補正処理部
41 偏波制御装置
42 ASE光除去用光スイッチ
L0 コヒーレント光
L3 パルス列
L4 符号列
L5 戻り光
L6 合波光
L31,L32 パルス光
L41,L42 測定用パルス光
S1 受光信号

Claims (9)

  1. 光ファイバの一端から測定用パルス光を入射させ、当該光ファイバの一端から射出される後方ブリルアン散乱光を受光して得られる受光信号に基づいて前記光ファイバの特性を測定する光ファイバ特性測定装置において、
    パルス間隔が前記光ファイバ中の音響波の寿命以下にされた第1パルス光と第2パルス光からなるパルス列をコヒーレント光から生成するパルス光生成部と、
    前記パルス光生成部で生成されたパルス列をなす各々のパルス光に対して所定の符号変調を行って前記光ファイバに入射させる測定用パルス光を生成する符号変調部と、
    前記光ファイバの一端から射出される後方ブリルアン散乱光と前記コヒーレント光との合波光を受光して受光信号を得る受光部と、
    前記受光部からの受光信号と、前記パルス光生成部で生成されるパルス列をなすパルス光のパルス間隔と前記符号変調部で行われる符号変調の種類とに応じた符号列との相関処理を行い、当該相関処理の処理結果に基づいて前記光ファイバの特性を求める信号処理部と
    を備えることを特徴とする光ファイバ特性測定装置。
  2. 前記符号変調部は、前記パルス光生成部で生成されたパルス列をなす個々のパルス光を、バーカー符号を用いて符号変調することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ特性測定装置。
  3. 前記符号変調部は、前記パルス光生成部で生成されたパルス列をなす個々のパルス光を複数の部分に分割し、分割した部分の各々について符号に応じた位相変調を行うことにより前記所定の符号変調を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ファイバ特性測定装置。
  4. 前記信号処理部は、前記受光信号を順次遅延させるとともに、遅延時間の異なる受光信号を取り出し可能なタップ付遅延線と、
    前記タップ付遅延線から取り出される信号と、前記パルス光生成部で生成されるパルス列をなすパルス光のパルス間隔と前記符号変調部で行われる符号変調の種類とに応じた符号列との相関処理を行う相関処理部と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光ファイバ特性測定装置。
  5. 前記相関処理部で行われる相関処理の処理結果に対して、符号サイドローブの影響を低減するための補正処理を行う補正処理部を備えることを特徴とする請求項4記載の光ファイバ特性測定装置。
  6. 前記受光信号に対する相関処理が前記信号処理部で行われる前に、前記受光信号の周波数帯を所定の周波数帯に変換する周波数変換部を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の光ファイバ特性測定装置。
  7. 前記コヒーレント光の偏波面及び前記後方ブリルアン散乱光の偏波面の少なくとも一方を変更可能な偏波面変更部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の光ファイバ特性測定装置。
  8. 前記光ファイバに入射される前記パルス列に含まれる不要成分を除去する不要成分除去部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の光ファイバ特性測定装置。
  9. 前記音響波の寿命は、前記音響波のエネルギがピークパワーになった時点から当該ピークパワーの5%以下になるまでの時間であることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の光ファイバ特性測定装置。
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