JP4933571B2 - 人工爪、その製造方法及び使用方法 - Google Patents

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本発明は、脱着可能な人工爪、その製造方法及び使用方法に関する。
従来の美裳用の人工爪は、合成樹脂又はフィラーを含む合成樹脂を用いて形成する方法が主流であった。その人工爪の形成に用いられる合成樹脂材料としては、化学硬化型樹脂又は光硬化型樹脂のいずれかが用いられてきた。化学硬化型樹脂としては、常温硬化樹脂組成物が用いられ、この常温硬化樹脂組成物は液状材と粉末材の2種から構成されており、それらを混合して硬化させるのが一般的である。また、光硬化型樹脂としては、エチレン性不飽和単量体と光重合開始剤と微細無機粉体とから構成された樹脂組成物であり、紫外光線又は可視光線を照射して硬化させるのが一般的である。例えば、特許文献1には、付加重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含んでなる液状人工爪組成物が提案されている。
しかし、化学硬化型樹脂又は光硬化型樹脂を用いて人工爪を形成する方法では、樹脂が短時間で硬化するために硬化した樹脂中に気泡が入りやすく、美観が損なわれやすかった。また、上記方法では、自爪の上に上記樹脂を塗布して人工爪を形成するため、人工爪の形成工程及びその後の研磨工程にかなりの時間を要していた。さらに、上記方法で形成した人工爪の自爪からの除去は、有機溶剤により人工爪の樹脂を軟化させて行っていたため、人工爪は一旦除去されると、形状、強度、美観の観点からその後の再利用が困難であった。
また最近では、特許文献2に記載されているように、アルミナを含む陶材を焼成して基台を形成し、その基台の表面に色付け及び/又はデザインを描いて焼き上げることにより脱着可能な人工爪を製造する方法も提案されている。
特表2002−505915号公報 特開2000−116431号公報
しかし、特許文献2に記載されているような基台の表面にデザインを施す方法では、三次元的な立体感のあるデザインを形成することが困難であるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するもので、三次元的な立体感のあるデザインの形成が容易で、且つ脱着可能な人工爪及びその製造方法を提供するものである。
本発明の人工爪は、基台と、前記基台の上に接合された人工爪本体部とを含む人工爪であって、前記基台は、金属材料又はセラミックス材料で形成され、前記人工爪本体部は、歯科用陶材である高融陶材、中融陶材、低融陶材をこの順番に盛り上げて焼成することで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の人工爪の製造方法は、金属材料又はセラミックス材料で基台を形成する工程と、前記基台の上に、歯科用陶材である高融陶材、中融陶材、低融陶材をこの順番に盛り上げて焼成することで人工爪本体部を形成する工程とを含むことを特徴とする。



また、本発明の人工爪の使用方法は、自爪の全体又は一部に第1の接着剤、第2の接着剤をこの順に塗布した後、前記第2の接着剤の上に前記人工爪を取り付けることを特徴とする。
本発明の人工爪は、基台と基台の上に接合された人工爪本体部とを含むことにより、脱着可能であり、三次元的な立体感のあるデザインの形成が容易であるという効果を奏し、好ましくは繰り返し使用できるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態の人工爪の斜視図である。 図2Aは図1のI−I方向の側断面図であり、図2Bは図1のII―II方向の側断面図である。 図3Aは基台上に構を設けた本発明の人工爪の側断面図であり、図3Bは図3Aの構に金属装飾品をろう着させた状態の本発明の人工爪の側断面図である。 図4Aは基台上に爪を設けた本発明の人工爪の側断面図であり、図4Bは図4Aの爪に装飾用宝石を装着させた状態の本発明の人工爪の側断面図である。
本発明者らは、脱着可能な人工爪について鋭意検討した結果、基台の上に人工爪本体部を接合することにより、三次元的な立体感のあるデザインが形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の人工爪は、金属材料又はセラミックス材料で形成されている基台と、セラミックス材料、金属材料及び合成樹脂材料からなる群から選ばれる少なくとも1種で形成されている人工爪本体部とを含む。
本発明に用いる金属材料としては、生体に有害なものでなければ特に制限がなく、例えば、アルミニウム、銀、銅、金、白金、パラジウム、インジウム、イリジウム、鉄、錫、コバルト、クロム、ニッケル、チタン、及びそれらの合金などが挙げられる。
耐久性及び安全性に優れている点から、本発明に用いる金属材料としては歯科用材料が好ましい。その歯科用金属材料としては、銀合金、金銀パラジウム合金、金合金、陶材焼付け用合金、コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金、及びチタン合金などが挙げられ、具体例としては、株式会社松風製のセラミックゴールドエキストラハード、オーロラ12、アポロ5、及びユニメタルなどが挙げられる。
本発明に用いるセラミックス材料としては、特に制限がなく、例えば、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、シリカ、二ホウ化チタン、ガラス、及びアルミナケイ酸などが挙げられる。
耐久性に優れている点から、本発明に用いるセラミックス材料としては歯科用材料が好ましい。その歯科用セラミックス材料としては、ジルコニア、ガラス、歯科金属焼付け用陶材などが挙げられ、具体例としては、株式会社松風製のヴィンテージハローやヴィンテージZRなどが挙げられる。
本発明に用いる合成樹脂材料としては、人工爪の分野で使用される合成樹脂であれば、特に制限がなく、例えば、化学硬化型樹脂や光硬化型樹脂などが挙げられる。化学硬化型樹脂としては、液状材と粉末材の2種から構成される常温硬化樹脂組成物を混合して硬化させた樹脂などが挙げられる。光硬化型樹脂としては、エチレン性不飽和単量体と光重合開始剤と微細無機粉体とから構成された樹脂組成物を紫外光線又は可視光線を照射して硬化させた樹脂などが挙げられる。
本発明に用いる合成樹脂材料は、強度の観点から、さらにフィラーを含むことが好ましい。フィラーとしては、無機粉末、有機粉末、又は無機粉末と有機粉末の複合物でもよく、その材質としては、例えば石英、アルミナ、ガラス、カオリン、タルク、亜鉛華、炭酸カルシウム、アルミノシリケートガラス、バリウムアルミノシリケートガラス、ストロンチウムガラス、酸化チタン、ホウケイ酸ガラス、コロイダルシリカ、及びそれらをポリマーで固めて粉砕した有機複合物などが挙げられる。耐久性に優れている点から、本発明に用いる合成樹脂材料としては、歯科用材料が好ましい。その歯科用合成樹脂材料としては、例えばハイブリッドタイプ前臼歯対応歯冠用硬質レジンや歯冠用硬質レジンなどの歯冠修復用合成樹脂が挙げられ、具体例としては、株式会社松風製のソリデックスやセラマージュなどが挙げられる。
本発明の基台を形成するセラミックス材料は、ジルコニアであることが好ましい。ジルコニアからなる基台は金属材料からなる基台と同様、耐久性、耐食性に優れ、繰り返し使用に適しているからである。
本発明の人工爪本体部を形成する金属材料は、銀、銅、金、白金などの貴金属材料であることが好ましい。人工爪本体部に貴金属材料を用いることで、高級感があり、美観に優れた人工爪を提供できるからである。
本発明の人工爪本体部は、さらに宝石材料を含んでもよい。宝石材料としては、ダイヤ、オーパル、ルビー、サファイア、瑪瑙からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。人工爪本体部に宝石材料を用いることにより、豪華で装飾美に優れた人工爪を提供できるからである。
以下、図面に基づいて、本発明の人工爪を詳しく説明する。図1は本発明の一実施形態の人工爪の斜視図である。図2Aは図1のI−I方向の側断面図であり、図2Bは図1のII−II方向の側断面図である。図3A及び図3Bは本発明の他の実施形態の人工爪の側断面図であり、図4A及び図4Bは本発明のさらに他の実施形態の人工爪の側断面図である。図2〜図4では、人工爪本体部3と金属装飾品7の一部、及び装飾用宝石9は、断面にしていない。図1〜図4では、同一機能を有する部分には同一の符号を付けている。
図1に示しているように、本発明の人工爪1は、基台2と、基台2の上に接合された人工爪本体部3とを含む。また、図1から分るように、本発明の人工爪本体部3は三次元的立体感のあるデザインを形成している。なお、図2に示しているように、人工爪本体部3は、オペーク部4と装飾部5とを備えてもよい。オペーク部4は、基台2の色を消したい場合などには極めて有用である。
本発明の人工爪は、さらに、図3Aに示しているように、基台2に図3Bに示す金属装飾品7をろう着させるための部分、例えば構6を備えていてもよい。図3Bは、上記の基台2の構6に金属装飾品7を設置し、ろう着させた本発明の人工爪の側断面図である。
本発明の人工爪は、さらに、図4Aに示しているように、基台2に図4Bに示す装飾用宝石9を装着するための部分、例えば爪8などを備えていてもよい。この基台2と装飾用宝石9の装着部分の形態としては、特に制限がなく、装飾品を安定して固定できる形態であればよい。図4Bは、上記の基台2の爪8に装飾用宝石9を装着させた本発明の人工爪の側断面図である。装飾用宝石9の代わりに金属装飾品などの他の装飾品を爪8に装着してもよい。また、装着には必要に応じて接着剤を用いてもよい。
以下、本発明の人工爪の製造方法を説明する。本発明の人工爪の製造方法は、基台を形成する工程と、前記基台の上に人工爪本体部を形成する工程とを含む。
本発明の基台の作製は、例えば以下のように行う。印象材で自爪の印象を採得した後、石膏などを流すことで作業模型を作製する。印象採得した作業模型上に、軟化させたワックスを押し付けて好みの厚み、形状を形成することで、爪の形状を決定し、これをワックス基台とする。ワックス基台にスプールをたて鋳造リングに植立させ、埋没材で埋没し、埋没材が硬化後、加熱することでワックスを焼却し、これを基台型とする。この基台型に金属材料を充填し、鋳造機、例えば歯科用鋳造機などを用いて金属材料を加熱溶融して基台を作製する。基台の厚みを研磨器、例えば小型の自動研磨器などを用いて調整した後、基台の表面をサンドブラスターで処理する。
また、本発明の基台は機械的加工により作製することもできる。例えば、先ずは上記のとおりにワックス基台を作製する。次に、機械的加工、例えばCAD/CAM法を用いて、ワックス基台の厚みなどを計測し、金属ブロック材、セラミックスブロック材などを直接削り出して、基台を作製する。
本発明の基台の作製に用いるワックスとしては、特に制限がなく、具体的には、株式会社松風製のシートワックスやマイティワックスなどが挙げられる。本発明の基台の作製に用いる埋没材としても、特に制限がなく、具体的には、株式会社松風製のクリストタフDFやベルベティススーパークイックなどが挙げられる。
基台の厚みは0.2mm以上であればよく、破損しにくいという観点からは、金属の場合は0.3mm以上、セラミックスの場合は0.4mm以上が好ましく、破損しにくくかつ薄いという観点からは、0.3mm以上0.7mm以下がさらに好ましい。
前記のとおり作製した基台上にセラミックス材料、金属材料及び合成樹脂材料を用いて人工爪本体部を形成する。これらの材料は、単独で用いてもよいが、複数を組み合わせて用いてもよい。
基台が金属材料からなり、その金属の色を消す必要がある場合は、表面処理した基台上に金属の色を消すためのオペーク材、例えば歯科用オペーク材を塗付し、焼成を行い、人工爪本体部にオペーク部を形成する。このように人工爪本体部にオペーク部を設ける場合は、人工爪本体部のオペーク部以外の部分が装飾部となる。
本発明の人工爪本体部は、基台の表面にセラミックス材料、例えば歯科用陶材などを塗布し、ファーネスで焼成することで、歯科用陶材をデザイン通りに立体的に盛り上げ、作製してもよい。歯科用陶材としては、高融陶材、中融陶材、低融陶材を順番に用いることが好ましい。この際、高融陶材、中融陶材、低融陶材を順番に盛り上げ焼成する手順で築盛、焼却することで、立体的なデザインの形成過程における形状の安定性を保持することができる。
また、本発明の人工爪本体部は、基台の表面に金属材料、例えば金箔、銀箔、及びプラチナ箔などを貼り合わせて図柄を作成し、その上から透明陶材などを盛り上げ、焼成して作製してもよい。或いは、基台の表面に仮着のりを付け、その上から金属材料、例えば金粉や銀粉などを振り掛けて図柄を作成し、仮着のりの焼失後、透明陶材などを盛り上げ、焼成して作製してもよい。金属箔が内包密封されるので、金属の輝きを永く保持することができる。
また、本発明の人工爪本体部は、基台の表面に合成樹脂材料、例えばジェル状アクリル樹脂材料を塗布し、乾燥させた後、その上に押し花などの装飾品で絵柄を作成し、さらにその上から透明の合成樹脂を塗布し、乾燥させて作製してもよい。押し花などの装飾品が内包密封されるので、美観を損なうことなく永く保持することができる。
さらに、本発明の人工爪本体部は、カラーリングやグラディエーションされてもよく、キャラクターの彫刻がされてもよい。
以下、本発明の人工爪の使用方法を説明する。
本発明の人工爪は、上記のとおり、基台上に人工爪本体部が接合された、三次元的な立体感のある人工爪であり、自爪に接着することにより、指の美化、装飾用に使用できる。接着は、一般的に人工爪の接着に用いられる接着剤や接着テープなどを用いて、自爪全体に又は部分的に行うことができるが、爪の健康や取り外しの容易さの観点から、部分的に行うことが好ましい。具体的には、自爪の全体又は一部に第1の接着剤、第2の接着剤をこの順に塗布した後、前記第2の接着剤の上に前記人工爪を取り付けることができる。
上記第1の接着剤としては、爪との接着性が良好なものを用いる。例えば、爪との接着性が良好であり、爪に塗布して硬化させるものであればよく、特に限定されないが、硬化が早いという点から、光硬化性樹脂を含むことが好ましい。上記光硬化性樹脂としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基などを有するモノマー、プレポリマー、オリゴマー、ポリマーなどが用いられる。中でも多官能アクリル系樹脂モノマーやアクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。
上記多官能アクリル系樹脂モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサントリメタクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどのポリウレタンポリアクリレート;ポリエステルポリアクリレートなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸とから生成されるエステル類;1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノンなどのビニルベンゼン及びその誘導体などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味するものである。
上記アクリレートオリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルポリアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
上記光硬化性樹脂は、単独でも2種類以上を組み合わせても用いることができる。
上記第1の接着剤を紫外線などの光で重合させる際には、上記第1の接着剤はさらに光重合開始剤を含む。上記光重合開始剤としては、アセトフェノン類、べンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、キサントン類、アゾ化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記第1の接着剤としては、爪の保護などの点から、ネイル用ジェルを用いることが好ましい。上記ネイル用ジェルとしては、市販のものを用いてもよく、上記市販のネイル用ジェルとしては、例えば、バイオスカルブチュアジェル社製のバイオジェルやカルジェルなどが挙げられる。
上記第2の接着剤としては、第1の接着剤と人工爪の基台との接着性が良好なものを用いる。例えば、第1の接着剤と人工爪の基台との接着性が良好なものであり、自爪上に塗布して硬化させた上記第1の接着剤の硬化面の上に塗布して硬化することで、自爪に人工爪を取り付けるものであればよく、特に限定されないが、硬化が早いという点から、光硬化性樹脂を含むことが好ましい。上記光硬化性樹脂としては、上記第1の接着剤に用いるものと同様のものを用いることができる。また、上記第2の接着剤を紫外線などの光で重合させる際には、上記第2の接着剤さらに光重合開始剤を含む。上記光重合開始剤としては、上記第1の接着剤に用いるものと同様のものを用いることができる。
上記第2の接着剤としては、耐久性や安全性などの点から、歯科用接着剤を用いることが好ましい。上記歯科用接着剤としては、市販のものを用いてもよく、上記市販の歯科用接着剤としては、例えば、株式会社松風製の歯科接着用レジンセメントレジセムなどが挙げられる。
また、本発明の人工爪は、その一部に保持穴をあけてピアス、イヤリング、ペンダントなどの装身具としても利用できる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
図1、図2に示す人工爪と同様の人工爪を下記のように作製した。先ず、歯科用シリコーン印象材(松風デントシリコーン:株式会社松風製)で自爪の印象を採得し、印象採得したシリコーンに歯科用石膏(松風モデルストーン:株式会社松風製)を流して作業模型を作った。次に、軟化させた歯科用シートワックス(ゲージ32松風:株式会社松風製)を作業模型上に押し付け、爪の辺縁と同型にワックスアップを行い、ワックス基台を作製した。ワックス基台の長さは、人工爪完成後において外観上基台が見えないように、デザインされた人工爪の長さより0.5mm短めに設定した。このワックス基台にスプールをたて鋳造リングに植立させ、歯科用埋没材(スーパークィック:株式会社松風製)を用いてワックス基台を埋没させた。埋没材が硬化後、上記鋳造リングを歯科用リングファーネス(リングファーネス100:株式会社松風製)を用い、800℃で30分加熱することでワックスを焼却させ、基台型を作製した。この基台型に歯科用陶材焼付け用金属(セラミックゴールド:株式会社松風製)を充填し、歯科用鋳造機(アルゴンキャスター:株式会社松風製)を用いて金属材料を加熱溶融して基台2を作製した。基台2は小型の自動研磨器で厚みを0.3mmに調整した。調整後、基台表面を歯科用サンドブラスター(ハイブラスターオーバルジェット:株式会社松風社製)で処理した。
次に、基台2の表面の金属色を消すために、基台2の表面をオペーク処理し、人工爪本体部3にオペーク部4を作製した。即ち、上記の表面処理した基台2の表面に、歯科用オペーク材(ヴィンテージハローペーストオペークW10:株式会社松風製)を塗付した。塗付後、歯科用ポーセレンファーネス(シングルマット:株式会社松風製)を用い、昇温50℃/分、設定温度450℃〜960℃で一次焼成を行った。一次焼成終了後、昇温50℃/分、設定温度450℃〜950℃で二次焼成を行った。
オペーク処理した基台2の上に人工爪本体部の装飾部5を作製した。先ずは、高融陶材である歯科用ベース陶材(ヴィンテージハローペースト:株式会社松風製)を築盛し、歯科用ポーセレンファーネス(シングルマット:株式会社松風製)を用い、昇温50℃/分、設定温度680℃〜930℃で一次焼成を行った。
一次焼成後、小型の自動研磨器で装飾部5の外形を整え、中融陶材を盛り出し、昇温50℃/分、設定温度680℃〜920℃で二次焼成を行い、その後一次焼成と同様に装飾部5の外形を整えた。装飾部5をデザインどおりの外形に仕上げるため、この工程を繰り返した。最後に、低融陶材を盛り出し、昇温50℃/分、設定温度680℃〜890℃で焼成を行い、装飾部5をデザインどおりの外形に仕上げた。
次に、人工爪のカラーリングとグラディエーションを行った。人工爪のカラーリングには歯科用スティン(スティンリキット:株式会社松風製)、グラディエーションには歯科用陶材を用いた。カラーリングやグラディエーション時の焼成は、昇温50℃/分、設定温度680℃〜920℃で行った。
また、小型の自動研磨器を用いて研削、研磨することにより、人工爪表面にキャラクターの彫刻を行った。この研削、研磨した人工爪を歯科用スチーマー(スチームクリーナー:株式会社松風製)で洗浄した後、昇温50℃/分、設定温度680℃〜920℃で焼成を行い、焼成後、艶出しを行った。
完成した人工爪1の金属部分を歯科用サンドブラスター(株式会社松風製)で金属表面を粗し、歯科用貴金属・非金属プライマー(メタルリンク:株式会社松風製)と歯科用セメント(レジセム:株式会社松風製)を用い、人工爪を自爪に装着した。具体的には、先ず、自爪に、ネイル用ジェル(バイオジェル:バイオスカルブチュアジェル社製)を塗布し、UVライトで約2分間照射して硬化させた。次に、上記ネイル用ジェルの硬化面を歯科用貴金属・非金属プライマー(メタルリンク:株式会社松風製)で処理した後、歯科用接着剤(レジセム:株式会社松風製)を塗布した。続いて、上記の金属部分を歯科用サンドブラスターで粗した実施例1の人工爪を上記歯科用接着剤の塗布面の上に配置し、UVライトで約2分間照射して歯科用接着剤を硬化させることで、自爪に人工爪を装着した。
(実施例2)
図3Bに示す人工爪と同様の人工爪を下記のように作製した。即ち、予め基台2に金属装飾品7をろう着させる部分である構6を設け、構6に金属装飾品7をろう着した以外は、実施例1と同様の手順で、人工爪を作製した。なお、構6と金属装飾品7とのろう着は、歯科用ポーセレンファーネス(シングルマット:株式会社松風製)を用い、昇温45℃/分、設定温度700℃〜845℃で焼成することで行った。
(実施例3)
図4Bに示す人工爪と同様の人工爪を下記のように作製した。即ち、予め基台2に装飾用宝石9を装着させる部分である爪8を設け、爪8に装飾用宝石9を装着した以外は、実施例1と同様の手順で、人工爪を作製した。
本発明の人工爪は、指の美化、装飾用の人工爪として有用である。
1 人工爪
2 基台
3 人工爪本体部
4 オペーク部
5 装飾部
6 構
7 金属装飾品
8 爪
9 装飾用宝石

Claims (10)

  1. 基台と、前記基台の上に接合された人工爪本体部とを含む人工爪であって、
    前記基台は、金属材料又はセラミックス材料で形成され、
    前記人工爪本体部は、歯科用陶材である高融陶材、中融陶材、低融陶材をこの順番に盛り上げて焼成することで形成されていることを特徴とする人工爪。
  2. 前記セラミックス材料及び金属材料は、歯科用材料である請求項1に記載の人工爪。
  3. 前記人工爪本体部は、宝石材料をさらに含む請求項1に記載の人工爪。
  4. 前記宝石材料は、ダイヤ、オパール、ルビー、サファイア及び瑪瑙からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の人工爪。
  5. 前記基台の厚みが、0.3mm以上0.7mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の人工爪。
  6. 前記基台を形成するセラミックス材料は、ジルコニアである請求項1〜5のいずれかに記載の人工爪。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の人工爪の製造方法であって、
    金属材料又はセラミックス材料で基台を形成する工程と、
    前記基台の上に、歯科用陶材である高融陶材、中融陶材、低融陶材をこの順番に盛り上げて焼成することで人工爪本体部を形成する工程とを含むことを特徴とする人工爪の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の人工爪の使用方法であって、
    自爪の全体又は一部に第1の接着剤、第2の接着剤をこの順に塗布した後、前記第2の接着剤の上に前記人工爪を取り付けることを特徴とする人工爪の使用方法。
  9. 前記第1の接着剤は、ネイル用ジェルである請求項8に記載の人工爪の使用方法。
  10. 前記第2の接着剤は、歯科用接着剤である請求項8又は9に記載の人工爪の使用方法。
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