JP7260237B2 - 色調安定性の改善された人工爪組成物 - Google Patents
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Description
また、アクリルネイルはポリマービーズとモノマーからなる粉液型材料であり、粉液混合後にポリマービーズ中に含有された過酸化物によってモノマーの重合が開始され硬化する組成物である。アクリルネイルは塗布だけでなく、築盛し形態の作製が可能である事が特徴であり主として爪の伸長に用いられる場合が多い。古くは、ネイルサロン等での使用材料の中心であったがメタクリル酸エチルを主成分とするモノマー液の臭気や、施術者であるネイリストに求められる施術技術が高いことから近年はジェルネイルが一般的な使用材料である。
さらに、その他成分として、人工爪組成物において広く使用される、補助剤、添加剤、着色剤((B)成分に該当しない)、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合促進材、重合禁止材、合一剤、保存剤、ワックス、増粘剤、芳香剤、UV遮蔽材、ネイルケア化粧活性剤、拡散剤、消泡剤及び分散剤を、更に加え得ることが出来る。
[実施例において人工爪組成物の調製に用いた成分とその略号]
TABLE1(A)イオン徐放性ガラス
(B)リソールルビンBCA(赤色202号)、ディープマルーン(赤色220号)((B)成分の着色剤粉末は、200メッシュナイロン篩を使用して粗粒子を除去した後に使用した)
(C)ラジカル重合性化合物
TABLE2(C1)ウレタンアクリレートオリゴマー
TABLE 3(C2)(メタ)アクリレートモノマー
TABLE 4(D)光重合開始剤
TABLE 5(E)その他成分
(AX)アルカリ金属塩:リン酸水素二ナトリウム、アルカリ土類金属塩:二リン酸カルシウム、アルカリ炭酸塩:炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム
[色調安定性の評価方法]
[試験例1:高湿度・高温環境下における硬化物の色調安定性]
実施例の調製表に基づいて調製された人工爪組成物の円盤状試験片(直径26mm、厚み0.2mm)を作製し、高湿度・高温環境下である50℃相対湿度100%の環境下に24時間静置する過酷試験を実施した。過酷環境下に投入する前後の色調変化を、日本ネイリスト協会認定ネイリスト(3名)が目視にて観測し、以下に示す基準による色調安定性の評価結果を持ち寄り、総合評価した。
TABLE 6 試験例1の評価基準及び評価スコア
[試験例2:酸性・高湿度・高温環境下における硬化物の色調安定性]
実施例の調製表に基づいて調製された人工爪組成物の円盤状試験片(直径26mm、厚み0.2mm)を作製した。次いで、酸性化合物を含有する人工爪組成物である、Bambinaベースジェル(株式会社ネイルラボ製、酸性を示すメタクリロイロキシエチルフォスフェートが成分として含まれている)を円盤状試験片表面に塗布し、Presto LEDライト(ネイルラボ社製)を20秒照射し硬化させた。
Bambinaベースジェルを塗布、硬化させた円盤状試験片を50℃相対湿度100%の環境下に24時間静置し酸性雰囲気・高湿度・高温環境下での過酷試験を実施した。過酷環境下に投入する前後の色調変化を、日本ネイリスト協会認定ネイリスト(3名)が目視にて観測し、以下に示す基準による色調安定性の評価結果を持ち寄り、総合評価した。
TABLE7 試験例2の評価基準及び評価スコア
[試験例3:高温環境下における人工爪組成物の長期色調安定性]
実施例の調製表に基づいて調製された人工爪組成物を50℃環境下に2ヶ月間静置保管し、保管後の人工爪組成物を使用して、円盤状試験片(直径26mm、厚み0.2mm)を作製、日本ネイリスト協会認定ネイリスト(3名)が目視により色調比較を実施し以下に示す基準による色調安定性の評価結果を持ち寄り、総合評価した。
TABLE 8 試験例3の評価基準及び評価スコア
[人工爪組成物の調製]
第一にTABLE9に示した(C)ラジカル重合性化合物および(D)光重合開始剤を含み、(A)及び(B)成分を含有しない公知の人工爪組成物の原材料混合品を調製し、これを人工爪組成物基材とした。人工爪組成物基材は下表の各配合割合に従い、それぞれの成分を大気圧下60℃の条件で自転・公転式混合機を使用して混合し均一液状の組成物である。
TABLE9 人工爪組成物基材の配合割合 [配合割合:重量部]
次いで、人工爪組成物基材を100重量部として、人工爪組成物基材に(A)及び/または(B)、(AX)成分を添加し大気圧下25℃の条件で自転・公転式混合機を使用して混合し実施例と比較例の人工爪組成物を調製した。当該基材100重量部において、(C)ラジカル重合性化合物および(D)光重合開始剤は、当該人工爪組成物を十分硬化させることができるように適量配合させるものであり、(C)ラジカル重合性化合物は90~99重量部、(D)光重合開始剤は1~10重量部を配合することが好ましい。
TABLE10 人工爪組成物の調製表及び評価結果1
実施例1-12は(A)及び(B)成分を含む本発明の人工爪組成物であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に優れる事が認められた。
TABLE11 人工爪組成物の調製表及び評価結果2
比較例1-12は(B)成分を含むが(A)成分を含有しない人工爪組成物の例であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に劣る事が認められた。
TABLE 12 人工爪組成物の調製表及び評価結果3
比較例13は(A)及び(B)成分を含むが、(A)成分含有量が少ない人工爪組成物の例であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に劣る事が認められた。また、比較例14-17は(A)及び(B)成分を含むが、(A)成分含有量が多く、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に劣る事が認められた。
一方、実施例13-19は(A)及び(B)成分を所定量含む本発明の人工爪組成物であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に優れる事が認められた。
TABLE13 人工爪組成物の調製表及び評価結果4
比較例18は(A)及び(B)成分を含むが、(A)成分含有量が少ない人工爪組成物の例であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に劣る事が認められた。また、比較例19-22は(A)及び(B)成分を含むが、(A)成分含有量が多く、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に劣る事が認められた。
一方、実施例20-26は(A)及び(B)成分を所定量含む本発明の人工爪組成物であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に優れる事が認められた。
比較例13-22及び実施例13-26の結果より、色調安定性の向上に関しては(A)成分含有量が重要である事が明らかとなった。
TABLE14 人工爪組成物の調製表及び評価結果5
実施例27-38は(A)及び(B)成分を所定量含む本発明の人工爪組成物であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に優れる事が認められた。
TABLE15 人工爪組成物の調製表及び評価結果6
実施例39-50は(A)及び(B)成分を所定量含む本発明の人工爪組成物であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に優れる事が認められた。しかし、人工爪組成物基材100重量部に対し、(B)成分を30重量部より多く含有すると、硬化性が著しく低下する。
TABLE16 人工爪組成物の調製表及び評価結果7
実施例51-62は(A)及び(B)成分を所定量含む本発明の人工爪組成物であり、試験例1及び2、3の評価結果より色調安定性に優れる事が認められた。しかし、人工爪組成物基材100重量部に対し、(B)成分を30重量部より多く含有すると、硬化性が著しく低下する。
TABLE17 人工爪組成物の調製表及び評価結果8
比較例23-36は(B)成分を含むが、(A)成分に替えて(AX)アルカリ金属塩を含む人工爪組成物の例である。試験例1及び2の評価結果より色調安定性に劣る事が認められた。
Claims (2)
- (A)ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオンのうちから1種以上を徐放することを特徴とするイオン徐放性ガラス
(B)アゾ色素を持つ着色剤
(C)ラジカル重合性化合物
(D)光重合開始剤
を含む人工爪組成物であって、
前記人工爪組成物から(A)成分及び(B)成分の双方を除いた成分を100重量部とした場合、(A)成分が0.05-3.5重量部、(B)成分が0.01-30重量部含まれていることを特徴とする人工爪組成物。 - (A)成分が、ホスホケイ酸(Ca/Na)ガラス、またはフルオロアルミノボロシリケートガラスであることを特徴とする請求項1に記載の人工爪組成物。
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