JP4933144B2 - 物体検知装置 - Google Patents

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Description

この発明は物体検知装置などに関し、より具体的には先行車などの物体を精度良く検知するようにした装置に関する。
レーダ装置を用いて先行車などの物体を検知することは良く行われているが、照射されたレーザビームが壁などに当たって反射されて得られるゴースト(虚像)を、実際のターゲット(実像、実物)と誤認する恐れがある。
その点、例えば下記の特許文献1記載の技術においては、検出されたターゲットから、壁に相当する実際のラインを計算し、実際のラインから基本ラインを求めると共に、基本ラインより外側にあるターゲットをゴーストと見做して消去することで、ゴーストを実際のターゲットと誤認するのを防止している。
より具体的には、自車走行レーンの幅として1車線分のラインを設定し、その両側に1レーン分の幅を設定して合計3車線分のラインを基本ラインの最大値とする。次いで、レーダ出力から検出された静止物ターゲットの内、自車走行レーンのラインより外に存在する静止物ターゲットの情報を集め、その横方向位置から実際のラインを算出し、従前の基本ラインと比較して新たな基本ラインを決定し、その外側にあるターゲットをゴーストと見做して消去することで、ゴーストを実際のターゲットと誤認するのを防止している。
特開2001−116839号公報
上記の如く、特許文献1記載の技術は、基本ラインの最大値を求めると共に、静止物ターゲットの情報を集め、その横方向位置から実際のラインを算出して新たな基本ラインを決定するなどの処理を必要とし、構成が複雑となる不都合があった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、レーダ装置を用いて先行車などの物体を検知すると共に、より簡易な構成で虚像を実際の物体(実像)と誤認するのを防止するようにした物体検知装置を提供することにある。
さらには、この発明の付随的な課題は、レーダ装置を用いて先行車などの物体を検知するとき、より簡易な構成で虚像を実際の物体(実像)と誤認するのを防止すると共に、走行安全性を向上させるようした車両の走行安全装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項にあっては、車両の進行方向に存在する物体を所定時間ごとに検知する物体検知手段と、前記物体検知手段の出力に基づいて前記車両に対する検知された第1の物体の少なくとも相対距離よりなる相対関係を算出する相対関係算出手段と、および前記検知された第1の物体と前記車両との衝突回避を支援する衝突回避支援手段とを備えた車両の走行安全装置において、前記検知された第1の物体と前記車両の間に第2の物体が検知されると共に、前記検知された第1の物体の相対距離が前記検知された第2の物体の相対距離の整数倍であるときに成立する第1条件と、前記車両の移動速度と前記検知された第1の物体の移動速度が等しいときに成立する第2条件と、前記車両の進行方向に対する前記第1の物体の角度が所定時間同一であるときに成立する第3条件とからなる3つの条件に基づいて前記検知された第1の物体の虚実判定する虚実判定手段、および前記虚実判定手段の判定結果と前記相対関係算出手段が算出する相対関係に基づいて前記衝突回避支援手段を作動させる支援作動手段とを備え、前記衝突回避支援手段は、警報装置とブレーキ装置からなり、前記支援作動手段は、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの全ての条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置に所定の予圧を加え、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの2つの条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置に前記所定の予圧を加えると共に前記警報装置により運転者に警報を行い、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの1つ以下の条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置を作動させる如く構成した。
請求項に係る車両の走行安全装置にあっては、検知された第1の物体と車両の間に第2の物体が検知されると共に、検知された第1の物体の相対距離が検知された第2の物体の相対距離の整数倍であるときに成立する第1条件と、車両の移動速度と検知された第1の物体の移動速度が等しいときに成立する第2条件と、車両の進行方向に対する第1の物体の角度が所定時間同一であるときに成立する第3条件とからなる3つの条件に基づいて検知された第1の物体の虚実判定し、その判定結果と相対関係に基づいて衝突回避支援手段を作動させる如く構成したので、簡易な構成でありながら、虚像を実際の物体(実物。実像)と誤認するのを確実に防止することができると共に、走行安全性を向上させることができる。
即ち、3つの条件のうちの全ての条件が成立したと判定されるときにブレーキ装置に所定の予圧を加え、3つの条件のうちの2つの条件が成立したと判定されるときにブレーキ装置に所定の予圧を加えると共に運転者に警報を行い、それ以外の場合であると判定されるときにブレーキ装置を作動させる如く構成したので、実像ではないと判定されるときでも、ブレーキ装置の予圧、具体的には運転者が体感できないほどの弱いブレーキ圧を加えておくことで、その後に実際の物体(実像)と判定される場合でも衝突回避動作が遅れることがない。
また、運転者に煩瑣な感じを抱かせない範囲で走行安全性を向上させることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る物体検知装置および車両の走行安全装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の実施例に係る物体検知装置および車両の走行安全装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10は車両を示し、その前部には内燃機関(図1で「ENG」と示し、以下「エンジン」という)12が搭載される。エンジン12の出力は自動変速機(図1で「T/M」と示す)14に入力される。エンジン12の出力は自動変速機14で適宜変速されて左右の前輪16に伝えられ、左右の前輪16を駆動しつつ、左右の後輪20を従動させて車両10を走行させる。
車両10の運転席にはオーディオスピーカとインディケータからなる警報装置22が設けられ、作動させられるとき、音声と視覚によって運転者に警報する。車両10の運転席床面に配置されたブレーキペダル24は、マスタバック26、マスタシリンダ30およびブレーキ油圧機構32を介して左右の前輪16と後輪20のそれぞれに装着されたブレーキ(ディスクブレーキ)34に接続される。
運転者がブレーキペダル24を操作すると(踏み込むと)、その踏み込み力(踏力)はマスタバック26で増力され、マスタシリンダ30は増力された踏み込み力で制動圧を発生し、ブレーキ油圧機構32を介して前輪16と後輪20のそれぞれに装着されたブレーキ34を動作させ、車両10を減速させる(制動する)。ブレーキペダル24の付近にはブレーキスイッチ36が配置され、運転者によってブレーキペダル24が操作されるとき、オン信号を出力する。
ブレーキ油圧機構32は、リザーバに接続される油路に介挿された電磁ソレノイドバルブ群、油圧ポンプ、および油圧ポンプを駆動する電動モータ(全て図示せず)などを備える。電磁ソレノイドバルブ群は駆動回路(図示せず)を介してECU(電子制御ユニット)40に接続され、よって4個のブレーキ34は、運転者によるブレーキペダル24の操作とは別に、ECU40によって相互に独立して作動するように構成される。
上記で、警報装置22、およびブレーキ油圧機構32とブレーキ34が衝突回避支援手段、ECU40が支援作動手段に相当する。
車両10の前部にはレーダ42が設けられて前方(車両進行方向)に向けてミリ波(電磁波あるいは搬送波)からなる検知ビームを左右にスキャンさせながら送信(照射)する。符号42aは、検知領域(スキャン範囲)を示す。
レーダ42の出力はマイクロコンピュータからなるレーダ出力処理ECU(電子制御ユニット)44に送られる。レーダ出力処理ECU44において、レーダ42から送信された電磁波はアンテナ(図示せず)を介して受信された反射波とミキシングされて車両10の進行方向の前方の検知領域42aに存在する先行車などの物体までの距離(相対距離)とその移動速度(相対速度)ならびに角度(物体の方位)などが検知される。
レーダ出力処理ECU44の出力は、ECU(電子制御ユニット)40に送られる。図示は省略するが、ECU40は、CPU,RAM,ROM、入出力回路などからなるマイクロコンピュータから構成される。
前輪16と後輪20の付近には車輪速センサ46が配置され、各車輪の所定回転角度ごとにパルス信号を出力する。車両10の運転席に設けられたステアリングホイール50の付近には操舵角センサ52が配置されて運転者によって入力されたステアリングホイール50の操舵角に比例する出力を生じる。また、ステアリングホイール50のウインカ(方向指示器)スイッチ(図示せず)にはウインカ操作センサ54が接続され、運転者によるウインカ操作方向を示す出力を生じる。
車両10の中央付近にはヨーレートセンサ56が配置され、車両10の重力軸回りのヨーレート(角速度)に応じた出力を生じると共に、エンジン12のスロットルバルブ(図示せず)の付近にはスロットル開度センサ62が配置され、スロットル開度に応じた信号を出力する。
上記したセンサの出力も、ECU40に送出される。ECU40は4個の車輪速センサ46の出力をカウントし、その平均値を算出するなどして車両10の走行速度を示す車速を検出する。
また、ECU40は、車輪速センサ46およびヨーレートセンサ56などの出力に基づいて目標ヨーレートを算出し、それから車両10が走行する走行軌跡を算出する。尚、その詳細は本出願人が先に提案した特開2006−85524号公報に記載されているので、詳細な説明は省略する。
図2は、図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートである。尚、図示のプログラムはECU40によって所定時間tn(例えば100msec)ごとに実行される。
以下説明すると、S10においてレーダ出力処理ECU44およびその他の各種センサの出力を読み出し、S12に進み、レーダ出力処理ECU44の出力から物体が検知されたと判断されるときは、自車(車両)10に対する検知された物体の相対距離(離間距離)、相対速度および相対角度(自車10に対する物体の角度)からなる物体との相対関係を算出する。
次いでS14に進み、予想衝突時間TTCを算出する。予想衝突時間TTCは、S12で算出された相対距離を相対速度で除算して算出する。即ち、予想衝突時間TTCは、現在の相対距離と相対速度において、運転者が減速または車線変更などの回避行動をとらないと仮定した場合、車両10が物体に衝突するまでに要すると予想される時間を意味する。
次いでS16に進み、ゴースト(虚像)判定を行う。
図3は、この実施例が前提とする物体検知状況を示す説明図である。
前記した如く、自車10が走行路100を走行するとき、レーダ42を用いて先行車などの物体を検知することは良く行われているが、照射されたレーザビームが壁などに当たって反射されて得られるゴースト(虚像)を、ターゲット(実像、実際の物体)と誤認する恐れがある。
図3で示す例でいえば、レーザビームが物体102に直角に入射して反射され、さらに反射波が2往復(まれには3往復)すると、物体102の背後に物体104を検知することがある。検知された物体104はゴースト(虚像)であり、実際には存在しないが、物体102が例えば建物(静止物体)で、そのガラス窓などにレーザビームが直角に入って反射されるとき、かかる現象が生じる。
その場合、図示の如く、時刻t1において、自車10から検知された物体102までの相対距離r1と検知された物体102から物体104までの相対距離r2は等しく、自車10の移動速度(車速)v1と検知された物体102の移動速度(相対速度)v2も等しい。
また、前記した所定時間後の時刻t2においても、自車10から検知された物体102までの相対距離r1’と検知された物体102から物体104までの相対距離r2’は等しく、自車10の移動速度(車速)v1’と検知された物体102の移動速度(相対速度)v2’も等しい。さらに、時刻t1における自車10からみた、検知された物体104の角度(相対角度)をθ1、時刻t2における角度をθ2とするとき、θ1とθ2とは等しい。
この実施例に係る物体検知は、このような状況において検知された物体の虚実、即ち、虚像であるか、あるいは実像(先行車などの実物(実際の物体))であるかを精度良く判定すると共に、必要に応じて警報装置22あるいはブレーキ油圧機構32とブレーキ34などを作動させるようにした。
以上を前提として以下説明すると、図4はそのゴースト(虚像)判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS100において、r1=r2およびv1=v2の関係が所定時間継続し、かつθ1=θ2であるか判断する。即ち、時刻t1においてr1=r,v1=v2であり、時刻t2においてもr1’=r2,v1’=v2’であり、かつ時刻t1におけるθ1と時刻t2におけるθ2が等しいか否か判断する。
換言すれば、自車10から検知された物体102までの相対距離r1と検知された物体102から物体104までの相対距離r2が等しく(換言すれば、自車10から検知された物体104までの相対距離r1+r2が、自車から検知された物体102までの相対距離r1の整数倍であるか)、自車10の移動速度(車速)v1と検知された物体104の移動速度(相対速度)v2が等しい関係が所定時間、具体的には時刻t1からt2の間、継続し、かつ所定時間の間、自車10の検知された物体104に対する相対角度θ1とθ2が同一か否か判断する。距離について整数倍を判断するのは、通常は2往復した2倍であるが、稀には3往復した3倍である場合が存在するからである。
S100で肯定されるときは上記した如く物体104はゴースト(虚像)と判定できるので、S102に進み、フラグを1にセットする。
他方、S100で否定されるときはS104に進み、v1=v2の関係が所定時間継続し、かつθ1=θ2であるか判断する。即ち、時刻t1においてv1=v2であり、時刻t2においてもv1’=v2’であり、かつ時刻t1におけるθ1と時刻t2におけるθ2が等しいか否か判断する。換言すれば、自車10の移動速度(車速)v1と検知された物体104の移動速度(相対速度)v2が等しい関係が所定時間継続し、かつ検知された第1の物体の相対角度θ1とθ2が同一か否か判断する。
S104で肯定されるときはS106に進み、フラグを2にセットする。フラグを2にセットすることは、物体102がゴースト(虚像)か、あるいは実物(実像)か否か不明と判定したことを意味する。
これは、図3において相対距離r1,r2を含む3つの条件は成立していないため、物体104はゴーストである可能性は低い。しかし、相対距離r1,r2を除く他の2つの条件が成立していることから、ゴーストである可能性も完全には否定できない。従って、この場合、S106に進んでフラグを2にセットする。尚、同様の意味で、距離r、速度v、角度θからなる3つの条件のうち、距離rと速度vのみで合致するとき、あるいは距離rと角度θのみで合致するか否か判断し、肯定されるとき、フラグを2にセットするようにしても良い。
尚、S104で否定されるときは、物体104はゴーストではなく、実物(実像)か否か不明でもないと判定できるので、S108に進み、フラグを0にセットする。
図2フロー・チャートに戻ると、次いでS18に進み、予想衝突時間TTCが第1の所定時間T1(例えば3.0sec)以下か否か判断する。S18で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、S18で肯定されるときはS20に進み、フラグは0にセットされているか、物体104は実物と判定されているか否か判断し、肯定されるときはS22に進み、制御モード1、即ち、警報装置22を作動させて運転者に警告する。
次いでS24に進み、予想衝突時間TTCが第2の所定時間T2(例えば2.0sec)以下か否か判断する。否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS26に進み、制御モード2、即ち、弱いブレーキを作動させる。具体的には、ブレーキ油圧機構32を作動させてブレーキ34を軽く作動、より具体的には、自車10に−0.15G(G:重力加速度)程度の減速度が作用するようにブレーキ油圧機構32を介してブレーキ34を作動させる。
次いでS28に進み、予想衝突時間TTCが第3の所定時間T3(例えば1.0sec)以下か否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS30に進み、制御モード3、即ち、強いブレーキを作動させる。具体的には、ブレーキ油圧機構32を作動させ、自車10に−0.6G程度の減速度が作用するようにブレーキ34を作動させる。
次いでS32に進み、第3の所定時間T3の経過を確認してブレーキを解除(ブレーキ34の作動を停止)する。
他方、S20で否定されるときはS34に進み、フラグは1にセットされているか否か判断し、肯定されるときはS36に進み、フラグ1の制御を実行する。
図5はその制御を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS200においてブレーキ予圧を作動させる。即ち、物体102がゴースト(換言すれば、実物ではない)と判定されていることから、ブレーキ油圧機構32に予圧、具体的には運転者が体感できないほどの弱いブレーキ圧を加えておく。それにより、その後に実物と判定される場合でも、衝突回避動作が遅れることがない。
次いでS202に進み、前回物体102と物体104が検知されると共に、今回、物体104のみが検知されたか否か判断する。これは、図3に示す状況でいえば、時刻t3での状況を示す。即ち、前回(時刻t2)に物体102と物体104が検知されたが、今回(時刻t3)、物体104のみが検知されたような場合に該当するか否か判断することを意味する。
時刻t2までの状況でいえば、物体102が検知されていると共に、距離r、速度v、角度θからなる相対関係で規定される条件が合致したためにゴーストと判定されているが(図4フロー・チャートのS100,S102)、時刻t3では物体102が検知されていないことは、図3に示す如く、物体104は実物である可能性が高い。
そこで、S202で肯定されるときはS204に進み、上記した制御モード1,2,3で規定される動作を実行する(換言すれば、物体104は実像と判定する)。即ち、物体104は一旦ゴーストと判定したが、実物である可能性が高くなったので、S204において上記した制御モード1,2,3で規定される、警報、弱いブレーキ、および強いブレーキを経時的に実行する。
また、S202で否定されるときはS206に進み、検知された物体104が所定の範囲内、具体的には自車10の車速Vとヨーレートに基づいて推定される走行軌跡L(図3に示す)を中心として左右それぞれ1.8mの幅を持つ範囲(自車線幅3.6m相当)内に存在するか判断する。
S206で肯定されるときは、ゴーストである可能性は否定されてはいないが、現実に物体104が存在することから、S204に進んで制御モード1,2,3で規定される動作を実行する(換言すれば実像と判定する)と共に、否定されるときは以降の処理をスキップする。
図2フロー・チャートの説明に戻ると、S34で否定されるときはS38に進み、フラグ2の制御を実行する。
図6はその制御を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS300において警報装置22を作動させると共に、ブレーキ油圧機構32を介してブレーキ予圧を作動させる。図5のS200の処理に比し、警報を追加したのは、図5がゴーストと判定されたときの処理であるのに対し、図6がゴーストであるか不明、換言すれば実物である可能性もあると判定されているからである。
次いでS302に進み、前回物体102と物体104が検知されると共に、今回、物体104のみが検知されたか否か同様に判断し、S302で肯定されるときはS304に進み、上記した制御モード2,3で規定される動作を実行する(換言すれば実像と判定する)。
また、S302で否定されるときはS306に進み、S206の処理と同様に検知された物体104が所定の範囲内に存在するか否か同様に判断し、肯定されるときは現実に物体104が存在することから、S304に進んで制御モード2,3で規定される動作を実行する(換言すれば実像と判定する)。尚、S306で否定されるときは以降の処理をスキップする。
この実施例に係る走行安全装置にあっては、車両(自車)10の進行方向に存在する物体102,104を所定時間tnごとに検知する物体検知手段(レーダ42、レーダ出力処理ECU44)と、前記物体検知手段の出力に基づいて前記車両に対する検知された第1の物体の少なくとも相対距離rよりなる相対関係、より具体的には相対距離r、移動速度(相対速度)vおよび相対角度θよりなる相対関係を算出する相対関係算出手段(ECU40,S10,S12)と相対距離r、相対速度vおよび相対角度θよりなる相対関係を算出する相対関係算出手段(ECU40,S10,S12)と、および前記検知された第1の物体と前記車両との衝突回避を支援する衝突回避支援手段(警報装置22、ブレーキ油圧機構32とブレーキ34)を備えた車両の走行安全装置において、前記検知された第1の物体(物体104)と前記車両の間に第2の物体(物体102)が検知されると共に、前記検知された第1の物体の相対距離が前記検知された第2の物体の相対距離の整数倍であるときに成立する第1条件と、前記車両の移動速度と前記検知された第1の物体の移動速度(相対速度)が等しいときに成立する第2条件と、前記車両10の進行方向に対する前記第1の物体の角度が所定時間同一であるときに成立する第3条件とからなる3つの条件に基づいて前記検知された第1の物体の虚実判定する虚実判定手段(ECU40,S16,S100からS10)、および前記虚実判定手段の判定結果と前記相対関係算出手段が算出する相対関係に基づいて前記衝突回避支援手段(ECU40,S16,S18からS32,S204,S304)を作動させる支援作動手段とを備え、前記衝突回避支援手段は、警報装置22とブレーキ装置32からなり、前記支援作動手段は、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの全ての条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置に所定の予圧を加え(ECU40,S200)、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの2つの条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置に前記所定の予圧を加えると共に前記警報装置により運転者に警報を行い(ECU40,S300)、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの1つ以下の条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置を作動させ(ECU40,S20からS30)如く構成した。これにより、簡易な構成でありながら、虚像を実際の物体(実物。実像)と誤認するのを確実に防止することができると共に、走行安全性を向上させることができる。
また、実像ではないと判定されるときでも、ブレーキ装置の予圧、具体的には運転者が体感できないほどの弱いブレーキ圧を加えておくことで、その後に実際の物体(実像)と判定される場合でも衝突回避動作が遅れることがない。
また、運転者に煩瑣な感じを抱かせない範囲で走行安全性を向上させることができる。
尚、上記において、警報装置22は音声と視覚の双方によって警報するようにしたが、警報装置22は音声と視覚のいずれか一方のみで警報しても良い。さらには、警報装置22に代え、あるいはそれに加え、車両10の運転席(図示せず)を適宜な手段で振動させる、シートベルト(図示せず)を引き込むなどしても良い。
また、ミリ波レーダの出力から物体を検知するようにしたが、それに代え、あるいはそれに加え、レーザレーダあるいはCCDカメラを用いても良い。
この発明の第1実施例に係る物体検知装置および車両の走行安全装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートである。 図2に示す処理で、この実施例が前提とする物体検知状況を示す説明図である。 図2に示す処理のうちのゴースト(虚像)判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図2に示す処理のうちのフラグ1の制御を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図2に示す処理のうちのフラグ2の制御を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
符号の説明
10 車両、12 エンジン(内燃機関)、22 警報装置、32 ブレーキ油圧機構、34 ブレーキ、40 ECU(電子制御ユニット)、42 レーダ、44 レーダ出力処理ECU、100 走行路、102 物体、104 物体

Claims (1)

  1. 車両の進行方向に存在する物体を所定時間ごとに検知する物体検知手段と、前記物体検知手段の出力に基づいて前記車両に対する検知された第1の物体の少なくとも相対距離よりなる相対関係を算出する相対関係算出手段と、および前記検知された第1の物体と前記車両との衝突回避を支援する衝突回避支援手段とを備えた車両の走行安全装置において、前記検知された第1の物体と前記車両の間に第2の物体が検知されると共に、前記検知された第1の物体の相対距離が前記検知された第2の物体の相対距離の整数倍であるときに成立する第1条件と、前記車両の移動速度と前記検知された第1の物体の移動速度が等しいときに成立する第2条件と、前記車両の進行方向に対する前記第1の物体の角度が所定時間同一であるときに成立する第3条件とからなる3つの条件に基づいて前記検知された第1の物体の虚実判定する虚実判定手段、および前記虚実判定手段の判定結果と前記相対関係算出手段が算出する相対関係に基づいて前記衝突回避支援手段を作動させる支援作動手段とを備え、前記衝突回避支援手段は、警報装置とブレーキ装置からなり、前記支援作動手段は、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの全ての条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置に所定の予圧を加え、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうちの2つの条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置に前記所定の予圧を加えると共に前記警報装置により運転者に警報を行い、前記虚実判定手段により前記3つの条件のうち1つ以下の条件が成立したと判定されるときに前記ブレーキ装置を作動させることを特徴とする車両の走行安全装置。
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