JP4930817B2 - セラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品 - Google Patents

セラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP4930817B2
JP4930817B2 JP2004177174A JP2004177174A JP4930817B2 JP 4930817 B2 JP4930817 B2 JP 4930817B2 JP 2004177174 A JP2004177174 A JP 2004177174A JP 2004177174 A JP2004177174 A JP 2004177174A JP 4930817 B2 JP4930817 B2 JP 4930817B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasticizer
ceramic
green sheet
binder
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004177174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006001756A (ja
Inventor
毅 福田
博之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2004177174A priority Critical patent/JP4930817B2/ja
Publication of JP2006001756A publication Critical patent/JP2006001756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4930817B2 publication Critical patent/JP4930817B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Description

本発明は、セラミックのグリーンシート積層法による積層電子部品(例えば、積層コンデンサ、積層コイル、積層圧電部品、積層バリスタ、積層アンテナスイッチモジュールなど)の積層型電子部品に好適なセラミックスラリー、セラミックグリーンシートに関し、更にそれにより信頼性と歩留まりを改善した積層型電子部品に関する。
一般にセラミックグリーンシートは、アルミナ等のセラミック粉末にポリビニルブチラール(PVB)などの有機バインダーおよびグリーンシートに可塑性を与えるための可塑剤に溶剤を加えて混合してスラリー化され、ドクターブレード法で成形される。グリーンシートに引張りや曲げ等に耐え得る強度を与えるために、バインダー樹脂として分子量が600以上の高いものを用いる。しかしながらグリーンシートの強度が高くなるが、硬度も高くなって接着性が低下するため、その後、熱圧着による積層工程において層間剥離等の接着不良を引き起こすおそれがあり、これを避けるために可塑剤を配合する。前記可塑剤として、溶媒、バインダーと相溶性を有するフタル酸系、グリコール系可塑剤が用いられてきた。
ところで、積層電子部品においては、その小型化要求が強く、この要求を満たすためには、セラミックグリーンシートの薄化、積層数の増加が必要不可欠である。しかしながら、従来のセラミックグリーンシートは、可塑性が十分でなく、導体ペーストで形成されインダクタンス、キャパシタンスを構成する配線パターンやグランド電極等の内部電極との積層においては、内部電極がもつ厚みにより、圧着時の圧力が、内部電極が形成されない部分で十分に作用せず、このため層間の密着性が劣り、焼成時に電極層と誘電体層間で剥離現象、いわゆるデラミネーションが発生しやすくなるなどの問題点があった。
また、セラミック粉末、溶媒等に吸着あるいは含まれるバインダーと相溶性の無い水分により、セラミックグリーンシートの密度がしばしば変動する場合があった。このため、スラリー化の前にセラミック粉末を加熱乾燥させて、前記水分を除去し、環境湿度を制御することが必要であった。
そこで本発明は、以上の問題点を解決するセラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びこれを用いた積層型電子部品を提供することを目的とする。
第1の発明は、セラミックス粉末と、バインダーと、可塑剤と、溶媒とを含むセラミックスラリーにおいて、前記可塑剤として前記バインダー及び前記溶媒と相溶性を有する第1の可塑剤と、前記溶媒と相溶性を有するが、実質的に前記バインダーとの相溶性を有さない第2の可塑剤を用い、前記溶媒として低級アルコールを含むが、前記第1の可塑剤及び前記第2の可塑剤と相溶性を有さない溶媒を含まず、TI値が2.73以上であることを特徴とするセラミックスラリーである。
本発明においては、前記第2の可塑剤は、分子量が190未満のグリコール系可塑剤とするのが好ましい。そして、前記第1の可塑剤は、フタル酸系可塑剤又は分子量が190以上のグリコール系可塑剤とするのも好ましい。
フタル酸系可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DOP)、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチルが挙げられる。より詳しくは、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジドデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジイソデシルグリコレート等が挙げられる。またグリコール系可塑剤は、グリセリンが好ましいが、それに限定されるものではない。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチルフタリルグリコレート、トリエチレングリコール−2−エチルブチレート等が挙げられる。第1の可塑剤としても用いるか、第2の可塑剤として用いるかは、溶媒、バインダーとの相溶性によって適宜判断される。
バインダーは、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂が好ましいが、それに限定されるものではない。例えば、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。中でも、ポリビニルブチラールを用いると、誘電体層を薄層化した際に充分な強度を得ることができる点で好ましい
前記セラミック粉100部に対して、第1及び第2の可塑剤の総量が4〜18部であり、その内の第2の可塑剤は、第1の可塑剤の量よりも少ないことが望ましい。
第1及び第2の可塑剤の総量は、バインダーの量によって変わるが、前記バインダー量は10〜20部であるのが好ましい。バインダー量が10部未満であると、セラミック粉の表面を濡らすには不十分である場合が有り、また20部を超える場合には、脱バインダーが困難となる場合となる。さらに前記バインダー量Xに対する第1及び第2の可塑剤の総量Yとの比が、Y/X=0.4〜0.9であるのが好ましい。バインダーと可塑剤との比が0.4未満であると、可塑性を与えるのに十分でなく、また0.9を超えると圧着時に可塑剤が染み出すといったブリード現象を生じる場合がある。
第2の発明は、第1の発明のセラミックスラリーをシート状に成形してなり、空隙率が20%以上であることを特徴とするセラミックグリーンシートである。
ここで、グリーンシートの空隙率は、下記の手順で算出する。
(1)セラミック粉末、バインダー、可塑剤の体積を算出する。
セラミック粉末の体積 Va=Wa/Da(cm3
バインダーの体積 Vb=Wb/Db(cm
可塑剤の体積 Vc=Wc/Dc(cm
Wa:セラミック粉末の配合比;重量部
Wb:バインダーの配合比;重量部
Wc:可塑剤の配合比;重量部
Da:セラミックの比重
Db:バインダの比重
Dc:可塑剤の比重
(2)空隙の体積を算出する。
空隙の体積 Vn=(Wa+Wb+Wc)/Dg−(Va+Vb+Vc)(cm
Dg:セラミックグリーンシートのシート密度
(3)空隙率を算出する。
空隙率=Vn/(Va+Vb+Vc+Vn)×100(%)
第3の発明は、第2の発明のセラミックグリーンシートに、導電性ペーストで電極パターンやビア導体を形成し、前記セラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体とし、該積層体を焼結した積層型電子部品である。
本発明によると、圧着性が良好で、内部電極とセラミック層およびセラミック層同士にデラミネーションの無く、セラミックグリーンシートの密度が安定したセラミックグリーンシート及びそれを用いた積層型電子部品を提供できる。
本発明者は、セラミックグリーンシート用の可塑剤として、フタル酸系可塑剤、グリコール系可塑剤など多くのものを検討し、低いTI値を示すセラミックスラリーは高いシート密度が得られ、高いTI値が得られるセラミックスラリーは低いシート密度のセラミックグリーンシートが得られることを知見した。ここで、TI値とは、スラリーの回転粘度計による非ニュ−トン性の評価に示されている数値であり、TI値が大きいほど、チクソトロピー性流体であることを示す。JIS K 5101(1991)顔料試験方法に拠り、回転数1rpmと10rpmにおける粘度の比率で規定される。
図7は、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂(PVB)、溶剤として低級アルコール、可塑剤としてフタル酸系可塑剤或いは、グリコール系可塑剤を用いたセラミックスラリーの、ずり速度と粘度との関係を示す図である。前記セラミックスラリーは、セラミック粉末100部に対して、バインダーとしてPVBを15部、可塑剤としてフタル酸系可塑剤のジオクチルフタレート(DOP 分子量391)、グリコール系可塑剤のブチルフタリルグリコール酸ブチル(BPBG 分子量336),ポリエチレングリコール(PEG200,PEG600),グリセリン(分子量92.1)のいずれかを10.5部、溶媒としてエタノールを94.3部及びブタノール26.5部とし、脱泡機により、所定のずり速度(5.58 1/S)で、所定の粘度となるように脱泡して調整している。なおPEG600は平均分子量が600、PEG200は平均分子量が200のポリエチレングリコールを示す。
DOP,BPBG,PEG200,PEG600は、溶剤、バインダー(PVB)と相溶性を有し、グリセリンは溶剤と相溶性を有するが、バインダーとは相溶性を有さないものである。相溶性のある可塑剤とバインダーの組み合わせのセラミックスラリーは、ずり速度に対する粘度の変化が小さく、他方、相溶性のない可塑剤とバインダーの組み合わせのセラミックスラリーは、ずり速度に対する粘度の変化が大きい。
この結果から、前記TI値は可塑剤とバインダーとの相溶性に関係し、相溶性のある可塑剤とバインダーの組み合わせでは低いTI値が得られ、相溶性のない組み合わせでは高いTI値のセラミックスラリーが得られることを知見した。図中に示していないが、ポリビニルブチラール樹脂と相溶性のないグリコール系可塑剤であるエチレングリコール(EG 分子量62.1)、ジエチレングリコール(分子量106.12)、トリエチレングリコール(分子量150.2)を用いたセラミックスラリーも、高いTI値を示した。
本発明者等は、さらに前記セラミックスラリーを用いてシート成形し、セラミックグリーンシートを得た。得られたセラミックグリーンシートを所定寸法に打ち抜き、寸法重量法により密度を評価した。その結果を、各セラミックスラリーのTI値との関係として図8に示す。バインダーPVBと相溶性のある可塑剤(DOP,BPBG,PEG200,PEG600)は高いシート密度(1.77〜1.92g/cm)を示し、バインダーPVBと相溶性のない可塑剤(グリセリン)では、低いシート密度(1.64g/cm)を示した。
シート密度の差は、セラミックグリーンシートに形成される微細な空隙により生じる。低いシート密度とし空隙率をある一定以上の値を取るようにセラミックグリーンシートを形成すれば、セラミックグリーンシートに形成された空隙が変形しろとなり、積層時の圧着圧力に対して変形しやすく、セラミックグリーンシートが導体ペーストで形成された配線パターン、電極等に沿うように適度につぶれ、セラミックグリーンシートと配線パターン、電極等が剥離することが無く、圧着性が向上する。また、適度に空隙率を与えることで、層間への空気の巻き込みも防ぎ、その結果、内部欠陥を防止できると考えられる。好ましい空隙率を前記した計算式に基づいて定義すると、20%以上となる。
しかしながら、グリセリンはバインダーPVBと相溶性を有さないため可塑剤として機能せず、低いシート密度(相対的に空隙が多い)にもかかわらず、セラミックグリーンシートは伸びがほとんど無く、変形し難いものであって、実用に供し得ないものであった。またバインダーとの相溶性が無いことから、得られたセラミックスラリーは分離しやすく、成形開始から終了までの間で得られるセラミックグリーンシートの密度やシート厚みが変化し、安定したセラミックグリーンシートを得るのも困難であった。
もともと、バインダーと相溶性のない可塑剤を用いない理由は、前記したように、所望の変形能、シート密度を有するセラミックグリーンシートを安定して得るのが困難である為であるが、本発明者等は、鋭意研究するなかで、従来積極的に用いられてこなかった、バインダーとの相溶性が無い可塑剤に着目し、バインダーに対する相溶性を有する可塑剤と組み合わせて用いることにより、それぞれの好ましい性質を発揮させることを着想した。
まず本発明者等は、セラミック粉末100部に対して、バインダーとしてPVBを15部、第1の可塑剤としてDOPを10.5部、第2の可塑剤としてグリセリンを0〜5部、溶媒としてエタノールを94.3部及びブタノール26.5部とし、脱泡機により、所定のずり速度(5.58 1/S)で、所定の粘度となるように調整されたセラミックスラリーのTI値の変化について評価した。その結果を図1に示す。可塑剤としてPVBと相溶性のないグリセリンを微量加えると、TI値は急激に増加するが、0.5部以上では、その変化は0.5部未満の場合と比べて急激に衰えるのが分かる。
さらに前記セラミックスラリーを静状態で25時間放置し、セラミック粉末の沈降状態を確認したが、グリセリンを添加したスラリーは、均一にセラミック粉末が分散された状態であり、グリセリンを添加しないセラミックスラリーと同様に分離は見られなかった。このことは、セラミックスラリーを、スラリーダムに滞留させるドクターブレード法などにより、安定したセラミックグリーンシートを成形する場合に極めて重要となる。
前記セラミックスラリーをドクターブレードで塗工幅400mm、厚み80μmでシート成形した。得られたセラミックグリーンシートを2インチ角に金型で打ち抜き、寸法重量法でセラミックグリーンシートの密度を評価した。また、幅5mm、長さ60mmの短冊状にセラミックグリーンシートを切り出して、引張強度と伸び評価用の試料とした。引張強度は、引張試験機でグリーンシート試験片の断面積当りの引張強度で測定した。伸びは、引張破壊伸びでありJIS K 7113に準拠して測定した値であり、標線間距離L0を50mmとし、破壊時の標線間距離Lから得られる、引張降伏伸びで示している。その結果を図2〜図4に示す。図2はグリセリン添加量とセラミックグリーンシート密度との関係図であり、図3はグリセリン添加量とセラミックグリーンシートの引張強度との関係図であり、図4はグリセリン添加量とセラミックグリーンシートの伸びとの関係図である。
グリセリンを微量加えたセラミックスラリーで得られたセラミックグリーンシートでは、シート密度、引張強度が著しく低下する。しかしながらグリセリンの添加量が0.2部以上では、シート密度はほぼ一定の値を示した。
一方、引張強度はグリセリンの添加量とともに低下した。セラミックグリーンシートの変形能を示すシートの伸びは、グリセリンを微量加えた場合には、グリセリン無添加の場合よりも僅かに増加し、添加量が3部までは著しい変化を示さず、ほぼ同程度の伸びを示す。またグリセリンの添加量が3部を超えると一転大きな伸びを示した。
以上のことから、可塑剤として前記バインダー及び前記溶媒と相溶性を有する第1の可塑剤と、前記溶媒と相溶性を有するが前記バインダーとの相溶性が実質的にない第2の可塑剤を用いることで、セラミックスラリーとが改質され、好ましい性状のセラミックグリーンシートが得られることが判った。従来の問題点として、セラミック粉末、溶媒等に吸着あるいは含まれるバインダーと相溶性の無い水分により、セラミックグリーンシートの密度がしばしば変動することは、既に述べた通りであるが、その状態は丁度、バインダーとの相溶性が実質的にない第2の可塑剤を微量添加した時の、急激なシート密度の低下と良く一致する。そこで本発明者らは、グリセリンの添加量を0.5部とし、さらに水を0.1部〜1部加えたスラリーを作成するとともに、シート化して、前記と同様の評価を行ったところ、水を加えない状態のスラリー或いは、シートと同等のTI値、シート密度、伸びが得られることがわかった。即ち、バインダーとの相溶性が実質的にない第2の可塑剤を所定量加えることで、環境により変化する微量の水分によって生じるシート密度の変化等を抑え、もって安定したスラリー、シートを得ることが出来る。
グリーンシートに求められる引張強度は、シートの印刷工程、積層工程、ビアホール形成等の加工工程上で、不具合を生じない程度が必要であり、製造工程上での取り扱いの容易さから、0.5N/mm以上あるのが好ましい。また、伸びが大きければ圧着時の圧力や温度を低減できるが、前記強度や圧着性との兼ね合い等により、経験的に60%以下の伸びとするのが好ましい。従って本実施例においては、グリセリンの添加量は、シート密度が安定し、前記強度や伸びを満足する0.2部から5部とするのが好ましい。
以下、本発明に係るセラミックスラリーとセラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品について説明する。
先ず、セラミック原料粉末としてアルミナを主成分とするセラミック(比重3.2g/cm)の粉末を100重量部に対して、第2の可塑剤としてグリセリン(比重1.26g/cm)0.5重量部、溶媒としてエタノールを94.3部及びブタノール26.5重量部添加し、ボールミルにて混合してグリセリンをエタノールに溶解したスラリーとし、その後、有機バインダーとしてポリビニルブチラール(PVB 比重1.1g/cm)を15重量部と、第1の可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP 比重0.986g/cm)10.5部を加えて混合し、PVB、DOPを溶解したセラミックスラリーを得た。ここで、グリセリン(第2の可塑剤)はバインダー(PVB)と相溶性を有さないため、予め溶剤に溶解させた上で、バインダー、第1可塑剤(DOP)を加えている。
そして、前記セラミックスラリーを真空脱気して空気を除去し、所定のずり速度(5.58 1/S)で、所定の粘度となるように調整した後、ドクターブレード法で厚さ80μmの厚みを有するセラミックグリーンシートに成形した。このようにして得たセラミックグリーンシートを用いて、2インチ角の所定形状に切り出して、シート密度の評価したところ、シート密度は1.68g/cmであった。前記計算式で空隙率に換算したところ、25.4%であった。表1に、第1の可塑剤、第2の可塑剤を本実施例と異なるものとした場合の実施例と、第1の可塑剤のみとした場合の比較例でのTI値、シート密度、空隙率を示す。なお、BPBGの比重は1.103g/cmであり、EGの比重は1.12g/cmである。
Figure 0004930817
得られたセラミックグリーンシートに、Agを混練して製造した内部電極材料ペーストをスクリーン印刷により塗布し、120℃、2分間乾燥させた。このような内部電極材料ペーストを印刷し、図5に示す内部回路パターン104,105,107,108、グランドパターン101,111を形成したセラミックグリーンシートを順次積層し、50℃にて80MPaの圧力で圧着し、さらに900℃で焼結してセラミック多層基板とした。このセラミック基板にダイオードや、電界効果型トランジスタなどのスイッチング素子、インダクタンス素子、キャパシタンス素子、抵抗などのチップ部品602,607を実装すれば、図6に示す積層型電子部品となる。実施例1〜3のセラミック多層基板を切断、研磨して拡大鏡にて内部を観察したが、デラミネーションは見られなかった。一方、比較例のセラミック多層基板の一部では、グランドパターンの周縁部に、僅かではあるがデラミネーションが確認された。
本発明によると、デラミネーションの無い信頼性が優れたセラミック多層基板を得ることが出来る、セラミックスラリー、セラミックグリーンシート及びそれを用いた積層型電子部品を提供できる。
本発明に係るセラミックスラリーのグリセリンの添加量とTI値との関係を示す図である。 本発明に係るセラミックグリーンシートのグリセリンの添加量とシート密度との関係を示す図である。 本発明に係るセラミックグリーンシートのグリセリンの添加量と引張強度との関係を示す図である。 本発明に係るセラミックグリーンシートのグリセリンの添加量とシート伸びとの関係を示す図である。 本発明に係る積層型電子部品を構成するセラミック多層基板の分解斜視図である。 本発明に係る積層型電子部品の斜視図である。 一般的な可塑剤を用いたセラミックスラリーのずり速度とスラリー粘度の関係を示す図である。 一般的な可塑剤を用いたセラミックスラリーのTI値とシート密度の関係を示す図である。

Claims (7)

  1. セラミックス粉末と、バインダーと、可塑剤と、溶媒とを含むセラミックスラリーにおいて、
    前記可塑剤として前記バインダー及び前記溶媒と相溶性を有する第1の可塑剤と、前記溶媒と相溶性を有するが、実質的に前記バインダーとの相溶性を有さない第2の可塑剤を用い、
    前記溶媒として低級アルコールを含むが、
    前記第1の可塑剤及び前記第2の可塑剤と相溶性を有さない溶媒を含まず、
    TI値が2.73以上であることを特徴とするセラミックスラリー。
  2. 前記第2の可塑剤は、分子量が190未満のグリコール系可塑剤であることを特徴とするセラミックスラリー。
  3. 前記バインダーがポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックスラリー。
  4. 前記第1の可塑剤は、フタル酸系可塑剤又は分子量が190以上のグリコール系可塑剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミックスラリー。
  5. 前記セラミック粉100部に対して、第1及び第2の可塑剤の総量が4〜18部であり、その内の第2の可塑剤は、第1の可塑剤の量よりも少ないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックスラリー。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のセラミックスラリーをシート状に成形してなり、空隙率が20%以上であることを特徴とするセラミックグリーンシート。
  7. 請求項6に記載のセラミックグリーンシートに、導電性ペーストで電極パターンやビア導体を形成し、前記セラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体とし、該積層体を焼結したことを特徴とする積層型電子部品。
JP2004177174A 2004-06-15 2004-06-15 セラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品 Expired - Lifetime JP4930817B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004177174A JP4930817B2 (ja) 2004-06-15 2004-06-15 セラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004177174A JP4930817B2 (ja) 2004-06-15 2004-06-15 セラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006001756A JP2006001756A (ja) 2006-01-05
JP4930817B2 true JP4930817B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=35770464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004177174A Expired - Lifetime JP4930817B2 (ja) 2004-06-15 2004-06-15 セラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4930817B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114920556B (zh) * 2022-06-09 2022-11-29 潮州三环(集团)股份有限公司 一种陶瓷浆料及其制备的多层陶瓷电容器
CN115557784B (zh) * 2022-07-20 2023-07-11 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种mzta陶瓷材料及其制备方法和应用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0672760A (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 Nippondenso Co Ltd セラミックスグリーンシートの製造方法
JP3521954B2 (ja) * 1994-06-08 2004-04-26 電気化学工業株式会社 窒化アルミニウムグリーンシートの製造方法
JP3771950B2 (ja) * 1995-07-03 2006-05-10 株式会社トクヤマ 窒化アルミニウムグリーンシート
JP3972032B2 (ja) * 2002-10-29 2007-09-05 松下電器産業株式会社 グリーンシート用スラリー組成物、及びグリーンシートとその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006001756A (ja) 2006-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007214452A (ja) 剥離層用ペースト及び積層型電子部品の製造方法
WO2004087608A1 (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび電子部品の製造方法
CN106575574B (zh) 叠层陶瓷电容器内部电极用膏体及叠层陶瓷电容器
WO2004088675A1 (ja) 内部電極用ペーストおよび電子部品の製造方法
JP2010153485A (ja) 電子部品
KR100887488B1 (ko) 적층형 세라믹 전자 부품의 제조 방법
JP5221059B2 (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび積層セラミック電子部品の製造方法
WO2004067475A1 (ja) グリーンシート用塗料とその製造方法、グリーンシートとその製造方法、及び電子部品の製造方法
CN107871543B (zh) 导电性糊剂
JP4238575B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペースト
WO2006001358A1 (ja) 積層型電子部品の製造方法
WO2004088686A1 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2001167971A (ja) 積層型セラミック電子部品およびその製造方法
JP4930817B2 (ja) セラミックスラリー、セラミックグリーンシート、及びそれを用いた積層型電子部品
KR20080026065A (ko) 전극 단차 흡수용 유전체 페이스트 및 적층 세라믹 전자부품의 제조 방법
WO2005017928A1 (ja) 積層セラミック部品およびその製造方法
JP4788752B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
KR100708755B1 (ko) 그린 시트용 도료, 그린 시트, 그린 시트의 제조방법 및전자 부품의 제조방법
JP4858233B2 (ja) グリーンシート積層ユニット、電子部品の製造方法、および電子部品
JP4506755B2 (ja) グリーンシート、グリーンシートの製造方法、および電子部品の製造方法
JP4626455B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2006080496A (ja) 剥離層用ペースト及び積層型電子部品の製造方法
JP4345324B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP4726107B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4432895B2 (ja) 導電性ペースト、積層セラミック電子部品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4930817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350