JP4930085B2 - 位相検出方法、位相検出装置、同期モータの制御方法、および同期モータの制御装置 - Google Patents

位相検出方法、位相検出装置、同期モータの制御方法、および同期モータの制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、複数相の信号の位相をリアルタイムで検出することができる位相検出方法および位相検出装置およびこれを用いてセンサレスで同期モータの同期制御を行う同期モータの制御方法および同期モータの制御装置に関するものである。
従来、同期モータの制御装置は、たとえば、インバータ回路からモータへの給電ラインの1つに設けられたモータ電流を検出する交流電流検出器と、電流ゼロクロス時のモータ電圧位相を検出し、この電流ゼロクロス時のモータ電圧位相を基準とするモータ電流位相を検出するモータ電流位相検出手段と、このモータ電流位相が所望のモータ電流位相になるように、インバータ回路の電圧指令または周波数指令を演算する演算手段とを有し、この演算結果をもとにインバータ回路を制御するようにしている(特許文献1参照)。
なお、同期モータのセンサレス制御方法として、モータの電圧方程式を用いて回転子の位置を推定するものがある。この制御方法では、精度の高いモータ定数を必要とし、かつ複雑な制御を行う必要がある(特許文献2参照)。
特開平5−236789号公報 特開2006−223085号公報 特開2004−336876号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示したものでは、電流ゼロクロス時に、モータ電流位相とモータ電圧位相との位相差を検出することから、180°毎の位相検出となり、検出精度が悪く、瞬時位相の検出を行うことができないという問題点があった。
また、一般的に、リアルタイムに位相差を検出する場合、3相信号を3相/2相変換してベクトル位相を求めるようにしている。たとえば、図1の上部に示した3相信号に対して3相/2相変換を行うと、図4の上段に示すように、実軸成分および虚軸成分の波形が得られ、この実軸成分と虚軸成分とを用いて逆正接変換を行うと、図4の下段に示すように、ベクトル位相が求められる。しかし、この一般的なベクトル位相の検出方法では、検出結果を得るまでの処理が複雑であり、リアルタイムで位相検出を行う場合、大きな演算能力を持った装置が必要になるという問題点があった。
なお、特許文献3には、任意のタイミングで位相検出できるものが記載されているが、この位相検出方法であっても、離散的な瞬時位相の検出であることに変わりはなく、検出精度が悪く、リアルタイムの位相検出を行うことができないという問題点があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で精度の高いベクトル位相をリアルタイムで検出することができる位相検出方法および位相検出装置を提供するとともに、この位相検出方法および位相検出装置を用いて同期モータの同期制御を行う同期モータの制御方法および同期モータの制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる位相検出方法は、入力された複数相の信号振幅値をもとに、各相の信号振幅の大小関係が異なる連続した複数区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定ステップと、前記区間判定ステップで判定された区間ごとに前記各相間の信号振幅について所定の減算処理を行い、この減算処理結果を用いて該区間内で正規化した正規化振幅値を求める振幅正規化処理ステップと、前記振幅正規化処理ステップによって求められた正規化振幅値から前記区間判定ステップによって判定された区間に対応させて所定相を基準とする1周期のベクトル位相を換算して出力する換算位相出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出方法は、上記の発明において、前記換算位相出力ステップは、前記区間に前記ベクトル位相の始点かつ終点を含む場合、終点以降のベクトル位相値を始点以降のベクトル位相値として換算することを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出方法は、上記の発明において、前記振幅正規化処理ステップは、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼ平坦な特性となる第一の減算処理結果の値によって、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼリニアな特性となる第二の減算処理結果の値を除算した値を正規化振幅値として出力することを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出方法は、入力されたR相、S相、T相の3相信号の信号振幅値の大小関係が、R相の値>T相の値>S相の値、R相の値>S相の値>T相の値、S相の値>R相の値>T相の値、S相の値>T相の値>R相の値、T相の値>S相の値>R相の値、T相の値>R相の値>S相の値となる6つの連続する複数の第1〜第6区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定ステップと、前記第1区間を(R相の値−T相の値)/(R相の値−S相の値)、前記第2区間を(S相の値−T相の値)/(R相の値−T相の値)、前記第3区間を(S相の値−R相の値)/(S相の値−T相の値)、前記第4区間を(T相の値−R相の値)/(S相の値−R相の値)、前記第5区間を(T相の値−S相の値)/(T相の値−R相の値)、前記第6区間を(R相の値−S相の値)/(T相の値−S相の値)で演算処理し、各区間内で正規化した正規化振幅値を求める振幅正規化処理ステップと、前記第1〜第6区間の正規化振幅値にそれぞれ位相60°を乗算し、前記第1〜第6区間の乗算値にそれぞれ位相30°、90°、150°、210°、270°、330°を加算した位相値を算出し、さらに前記第6区間の位相値が360°以上の場合には、この位相値から位相360°を減算した位相値を求めて、1周期のベクトル位相を換算出力する換算位相出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出方法は、上記の発明において、前記換算位相出力ステップが出力したベクトル位相と、該ベクトル位相と真のベクトル位相との位相誤差の関係を記憶しておき、この関係をもとに、前記ベクトル位相に位相誤差分を加減算して該ベクトル位相を補正する補正ステップをさらに含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出装置は、入力された複数相の信号振幅値をもとに、各相の信号振幅の大小関係が異なる連続した複数区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定回路と、前記区間判定回路で判定された区間ごとに前記各相間の信号振幅について所定の減算処理を行い、この減算処理結果を用いて該区間内で正規化した正規化振幅値を求める振幅正規化処理回路と、前記振幅正規化処理回路によって求められた正規化振幅値から前記区間判定回路によって判定された区間に対応させて所定相を基準とする1周期のベクトル位相を換算して出力する換算位相出力回路と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出装置は、上記の発明において、前記換算位相出力回路は、前記区間に前記ベクトル位相の始点かつ終点を含む場合、終点以降のベクトル位相値を始点以降のベクトル位相値として換算することを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出装置は、上記の発明において、前記振幅正規化処理回路は、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼ平坦な特性となる第一の減算処理結果の値によって、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼリニアな特性となる第二の減算処理結果の値を除算した値を正規化振幅値として出力することを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出装置は、入力されたR相、S相、T相の3相信号の信号振幅値の大小関係が、R相の値>T相の値>S相の値、R相の値>S相の値>T相の値、S相の値>R相の値>T相の値、S相の値>T相の値>R相の値、T相の値>S相の値>R相の値、T相の値>R相の値>S相の値となる6つの連続する複数の第1〜第6区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定回路と、前記第1区間を(R相の値−T相の値)/(R相の値−S相の値)、前記第2区間を(S相の値−T相の値)/(R相の値−T相の値)、前記第3区間を(S相の値−R相の値)/(S相の値−T相の値)、前記第4区間を(T相の値−R相の値)/(S相の値−R相の値)、前記第5区間を(T相の値−S相の値)/(T相の値−R相の値)、前記第6区間を(R相の値−S相の値)/(T相の値−S相の値)で演算処理した正規化振幅値を求める振幅正規化処理回路と、前記第1〜第6区間の正規化振幅値にそれぞれ位相60°を乗算し、前記第1〜第6区間の乗算値にそれぞれ位相30°、90°、150°、210°、270°、330°を加算した位相値を算出し、さらに前記第6区間の位相値が360°以上の場合には、この位相値から位相360°を減算した位相値を求めて、1周期のベクトル位相を換算出力する換算位相出力回路と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる位相検出装置は、上記の発明において、前記換算位相出力回路が出力したベクトル位相と、該ベクトル位相と真のベクトル位相との位相誤差の関係を記憶しておき、この関係をもとに、前記ベクトル位相に位相誤差分を加減算して該ベクトル位相を補正する補正回路を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、同期モータに印加される電圧のベクトル位相および電流のベクトル位相を上記の発明のいずれか一つに記載の位相検出方法によって求め、電圧のベクトル位相と電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算する力率演算ステップを含み、この求められた力率をもとに前記同期モータを制御することを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、上記の発明において、前記力率の目標値を設け、前記力率演算ステップで演算された力率を前記目標値に近づけるフィードバック制御を行うフィードバック制御ステップを含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、上記の発明において、前記フィードバック制御ステップは、前記同期モータに印加される電圧振幅値の振幅調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、上記の発明において、前記フィードバック制御ステップは、前記力率演算ステップで演算された力率と前記目標値との誤差を小さくする位相調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、上記の発明において、前記フィードバック制御ステップは、各相の電圧値および各相の電流値をもとに求めた前記同期モータのトルクに応じて前記振幅調節および/または前記位相調節の利得を変化させることを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、上記の発明において、前記フィードバック制御ステップは、各相の電圧値および各相の電流値をもとに求められたトルクと該トルク時における電力消費効率が高い力率との関係をもとに、各相の電圧値および各相の電流値に対応する力率の目標値を出力する目標力率変換ステップを含み、該目標値を用いて前記力率演算ステップで演算された力率を前記目標値に近づけるフィードバック制御を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、上記の発明において、目標力率変換ステップは、各相の電圧値および各相の電流値をフィードバックしてトルクに対する電力消費効率が高い力率の目標値を出力することを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法は、上記の発明において、前記力率演算ステップは、前記同期モータに印加される前記電圧のベクトル位相を、前記同期モータに印加される駆動制御信号をもとに検出することを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明のいずれか一つに記載の位相検出装置によって同期モータに印加される電圧のベクトル位相を求める電圧位相検出手段と、上記の発明のいずれか一つに記載の位相検出装置によって前記同期モータに加えられる電流のベクトル位相を求める電流位相検出手段と、前記電圧位相検出手段によって検出された電圧のベクトル位相と前記電流位相検出手段によって検出された電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算する力率演算手段と、前記力率演算手段によって求められた力率をもとに前記同期モータを同期制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明のいずれか一つに記載の位相検出装置によって前記同期モータに加えられる電流のベクトル位相を求める電流位相検出手段と、電圧のベクトル位相と前記電流位相検出手段によって検出された電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算する力率演算手段と、前記力率演算手段によって求められた力率をもとに前記同期モータを同期制御する制御手段と、を備え、前記力率演算手段に入力される電圧のベクトル位相は、前記制御手段によって制御され、前記同期モータに印加される交流信号を生成する電圧駆動信号の位相であることを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、前記力率の目標値を設定する目標力率設定手段を備え、前記制御手段は、前記力率演算手段によって求められた力率を前記目標力率設定手段によって設定された目標値に近づけるフィードバック制御を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記同期モータに印加される電圧振幅値の振幅調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記力率演算手段で演算された力率と前記目標値との誤差を小さくする位相調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、各相の電圧値および各相の電流値をもとに求めた前記同期モータのトルクに応じて前記振幅調節および/または前記位相調節の利得を変化させることを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、各相の電圧値および各相の電流値をもとに求められたトルクと該トルク時に電力消費効率が高い力率との関係をもとに、各相の電圧値および各相の電流値に対応する力率の目標値を出力する目標力率変換手段を備え、前記目標力率設定手段は、前記目標力率変換手段から出力された力率に設定することを特徴とする。
また、この発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、前記目標力率変換手段は、各相の電圧値および各相の電流値をフィードバックして前記力率の目標値を出力することを特徴とする。
この発明にかかる位相検出方法および位相検出装置では、入力された複数相の信号振幅値をもとに、各相の信号振幅の大小関係が異なる連続した複数区間のうちのいずれの区間であるかを判定し、この判定された区間ごとに前記各相間の信号振幅について所定の減算処理を行い、この減算処理結果を用いて該区間内で正規化した正規化振幅値を求め、求められた正規化振幅値から前記区間判定ステップによって判定された区間に対応させて所定相を基準とする1周期のベクトル位相を換算して出力するようにしているので、逆正接演算などの複雑かつ負荷の大きな演算処理を行うことなく、簡易で精度の高い位相検出をリアルタイムで行うことができる。
また、この発明にかかる同期モータの制御方法および同期モータの制御装置では、上述した位相検出方法あるいは位相検出装置を用いて、同期モータに印加される電圧のベクトル位相および電流のベクトル位相を求め、電圧のベクトル位相と電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算するようにしているので、簡易な構成で精度の高い同期モータの同期運転制御を実現することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態である位相検出方法、位相検出装置、同期モータの制御方法、および同期モータの制御装置について説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は、この発明の実施の形態1にかかる位相検出方法の概念を示す図である。図1の上段の図は、R相、S相、T相の3相信号を示している。信号は、電圧であっても電流であってもよい。各相の信号の大小関係が異なる領域は、6通り存在し、位相が進むに従って、R相信号>T相信号>S相信号、R相信号>S相信号>T相信号、S相信号>R相信号>T相信号、S相信号>T相信号>R相信号、T相信号>S相信号>R相信号、T相信号>R相信号>S相信号の順序を繰り返す。また、この大小関係の変化は、位相が60°進む毎に生じ、3相信号のいずれか2つが交差する点で変化する。
これら6つの領域をそれぞれ区間「0」〜「5」とすると各区間に対応する3相信号の位相は、図1の中段に示すように、区間「0」では30°〜90°、区間「1」では90°〜150°、区間「2」では150°〜210°、区間「3」では210°〜270°、区間「4」では270°〜330°、区間「5」では330°〜360°と0°〜30°となる。
ここで、各区間に注目すると、たとえば、区間「0」におけるT相のように、中間相の値は、位相の変化に対してリニアに近い波形変化をもつ。そこで、この中間相の値の変化から位相の変化を近似値として求めることが考えられるが、この中間相の値は、3相の振幅変化とともに変化するため、この中間相の値自体を用いて位相の近似値を求めることができない。
そこで、この発明の実施の形態1では、まず、図1の下段に示すように、各区間で、最大相の値から最小相の値を減算する第1の減算処理と、区間「0」、「2」、「4」では、最大相の値から中間相の値を減算し、区間「1」、「3」、「5」では中間相の値から最小相の値を減算する第2の減算処理とを行う。第2の減算処理結果は、位相の変化に対してリニアに近い関係をもち、第1の減算処理結果は、位相の変化に対して変化が少ないものとなる。たとえば、図1の下段に示すように、区間「0」において、R相の値からT相の値を減算した第2の減算処理結果は、位相の変化に対してほぼリニアな特性を有し、R相の値からS相の値を減算した第1の減算処理結果は、位相の変化に対して変化の少ない平坦な特性を有する。
その後、各区間毎に、第2の減算処理結果を第1の減算処理結果で除算する正規化処理を行う。たとえば、区間「0」では、(R相の値−T相の値)/(R相の値−S相の値)の減算を行って正規化処理を行う。この結果、図2の中段に示すように、各区間は、位相の変化に対して0から1にほぼリニアに変化する正規化された値となり、かつ3相の振幅に依存しない値となる。
その後、各区間の位相幅が60°であることから、各区間毎に、正規化値に60を乗じ、この乗算値に対し、区間「0」〜「5」でそれぞれ位相30°、90°、150°、210°、270°、330°を加算した換算位相値を算出し、さらに区間「5」の位相値が360°以上の場合には、この位相値から位相360°を減算した換算位相値を求めて、1周期のベクトル位相を算出する。この結果、図2の下段に示すように、位相の変化に対して、360°でほぼリニアに変化するベクトル位相を求めることができる。
具体的に得られた区間「1」(30°〜90°)の1°毎の換算位相値は、図3−1および図3―2のようになる。ここで、たとえば図4に示したように逆正接演算を行って求めた真値の位相値と、この実施の形態1で求めた換算位相値との誤差は、約1.1°以内の精度である。その他の区間も同様に約1.1°以内の精度であり、全区間に渡って高い精度でベクトル位相を簡易に求めることができる。
ここで、上述した位相検出方法を具体化した位相検出装置について説明する。図5は、この発明の実施の形態1である位相検出装置の構成を示す回路図である。図5において、この位相検出装置は、大きく3相信号源1、区間判定回路100、減算回路101、正規化回路102、および換算位相出力回路103を有する。
3相信号源1は、R相、S相、T相の3相信号を出力する。区間判定回路100は、実施の形態1で示した区間「0」〜「5」の6つの区間のいずれの区間であるかをR相、S相、T相の大小関係をもとに判別し、その判別結果を出力する。区間判定回路100は、比較器2〜4を有し、比較器2〜4は、それぞれR相の値>S相の値のとき、S相の値>T相の値のとき、T相の値>S相の値のときに、それぞれ「1」を出力する。各比較器2〜4の出力に分岐接続されるNOT素子5〜7は、それぞれR相の値<S相の値のとき、S相の値<T相の値のとき、T相の値<S相の値のときに、それぞれ「1」を出力する。各比較器2〜4およびNOT素子5〜7の出力は、AND素子8〜13に接続される。AND素子8には、NOT素子6,7の出力が入力され、R相の値>T相の値>S相の値のとき、すなわち区間「0」のときに、「1」が出力される。AND素子9には、比較器2,3の出力が入力され、R相の値>S相の値>T相の値のときに、すなわち区間「1」のときに、「1」が出力される。AND素子10には、NOT素子5,7の出力が入力され、S相の値>R相の値>T相の値のときに、すなわち区間「2」のときに、「1」が出力される。AND素子11には、比較器3,4の出力が入力され、S相の値>T相の値>R相の値のとき、すなわち区間「3」のときに、「1」が出力される。AND素子12には、NOT素子5,6の出力が入力され、T相の値>S相の値>R相の値のときに、すなわち区間「4」のときに、「1」が出力される。AND素子13には、比較器2,4の出力が入力され、T相の値>R相の値>S相の値のときに、すなわち区間「5」のときに、「1」が出力される。
減算回路101は、図1の下段または図2の上段に示した減算処理を行う。すなわち、減算回路101は、減算器14〜16を有し、それぞれ、(R相の値−S相の値)、(S相の値−T相の値)、(T相の値−S相の値)の減算を行い、各減算器14〜16に分岐接続された極性反転器17〜19が減算器14〜16の出力に対してそれぞれ(−1)を乗算し、(S相の値−R相の値)、(T相の値−S相の値)、(S相の値−T相の値)を出力する。乗算器20,21、22,23、24,25、26,27、28,29、30,31は、それぞれ区間「0」〜「5」に対応する第1の減算処理結果および第2の減算処理結果を正規化回路102に出力する。具体的には、乗算器20〜31は、各減算器14〜16および極性反転器17〜19の値に、区間判定回路100からの出力を乗算し、区間判定回路から「1」が出力された区間「0」〜「5」に対応する第1の減算処理結果および第2の減算処理結果のみが正規化回路102に出力される。たとえば、区間「0」の場合、乗算器20から(R相の値−S相の値)が出力され、乗算器21から(R相の値−T相の値)が出力され、その他の乗算器22〜31からは何も出力されない。
正規化回路102は、図2の中段に示した振幅正規化処理を行う。正規化回路102は、加算器32〜37を有し、この加算器32〜37は、正規化演算である除算処理の分母と分子とを分岐出力する機能をもち、加算器32〜34が分母を分岐出力し、加算器35〜37が分子を分岐出力する。除算器38は、分子側に分岐出力された値を分母側に分岐出力された値で除算し、正規化振幅値Aとして換算位相出力回路103に出力する。たとえば、区間「0」のとき、乗算器20から出力された(R相の値−S相の値)は、加算器32,34を介して除算器38の分母側に入力され、乗算器21から出力された(R相の値−T相の値)は、加算器35,37を介して除算器38の分子側に入力され、区間「0」の振幅正規化演算が行われる。
換算位相出力回路103は、図2の下段に示した換算位相値の出力処理を行う。乗算器39は、正規化回路102から出力された正規化値に60を乗算し、加算器49に出力する。一方、乗算器40〜45には、区間判定回路100のAND素子8〜13の出力がそれぞれ入力され、各AND素子8〜13から「1」が出力された場合に、それぞれ、30、90、150、210、270、330の値が加算器46〜48を介して加算器49に出力される。加算器49は、乗算器39から出力された値と、乗算器40〜45のいずれかから出力された値とを加算し、ベクトル位相である換算位相値Bとして出力する。ここで、加算器49に分岐接続された比較器50は、加算器49の出力が360より大きいか否かを比較し、大きい場合、乗算器51に「1」を出力し、乗算器51は、この「1」に360を乗算し、加算器52に(―360)を加算出力し、加算器49から出力された値から360を減算した値を換算位相値Bとして出力する。すなわち、区間「5」における換算位相値Bの出力処理を行う。
この実施の形態1では、簡易な構成で、真値のベクトル位相との誤差が約1.1°以内という高い精度でベクトル位相をリアルタイムで求めることができる。
なお、図6に示すように換算位相値Bに対する位相補正を行う補正部104を設けるようにしてもよい。具体的に、補正部104は、図3−1および図3−2で示した換算位相値と誤差との関係が記憶された補正テーブルを全区間に設け、この誤差をなくすような加減算処理を行うようにすればよい。これによって、各区間での位相のリニア特性を確実にし、一層精度の高いベクトル位相の検出を行うことができる。また、補正テーブルを用いた場合、補正テーブルに記憶された値間の値である場合には補間処理を行うようにするとよい。
さらに、上述した第2の減算処理において、区間「0」、「2」、「4」では、最大相の値から中間相の値を減算し、区間「1」、「3」、「5」では中間相の値から最小相の値を減算するようにしていたが、区間「0」、「2」、「4」の減算処理と、区間「1」、「3」、「5」の減算処理とを逆にした減算処理を行ってもよい。すなわち、区間「0」、「2」、「4」では、中間相の値から最小相の値を減算し、区間「1」、「3」、「5」では、最大相の値から中間相の値を減算するようにしてもよい。この場合、たとえば、同第2の演算処理結果をさらに1から減算することで上述した換算位相値の出力処理を実行できる。
また、上述した実施の形態1では、3相信号を一例として示したが、これに限らず、複数相の信号にも同様にして適用できるものである。この場合、各相の信号のうち、2つの相の信号が交差する位置で区間分割を行うようにし、各区間でリニアな特性が得られる減算処理と、ほぼ平坦な特性が得られる減算処理とを行って正規化値を求めるようにするとよい。
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では位相検出装置をハードウェアで構成するものであったが、この実施の形態2は、上述した実施の形態1で示した位相検出方法をソフトウェアによって実現するものである。このソフトウェアは、プログラムとしてROMやRAMに記憶され、CPUによって読み込まれて実行されるものであり、マイコンなどによって実現される。
図7は、この発明の実施の形態2である位相検出方法の処理手順を示すフローチャートである。図7において、まず、3相信号源1のR相、S相、T相の各値を読み込み(ステップS101)、この読み込んだ3つの各値をもとに6つの大小関係を判断する(ステップS102)。
R相の値>T相の値>S相の値の大小関係(区間「0」)である場合、正規化振幅値P0=(R−T)/(R−S)を求め(ステップS103)、さらに換算位相値Ph=30+P0×60を求め(ステップS104)、この求めた換算位相値Phをベクトル位相として出力し、本処理を終了する。
R相の値>S相の値>T相の値の大小関係(区間「1」)である場合、正規化振幅値P1=(S−T)/(R−T)を求め(ステップS105)、さらに換算位相値Ph=90+P1×60を求め(ステップS106)、この求めた換算位相値Phをベクトル位相として出力し、本処理を終了する。
S相の値>R相の値>T相の値の大小関係(区間「2」)である場合、正規化振幅値P2=(S−R)/(S−T)を求め(ステップS107)、さらに換算位相値Ph=150+P2×60を求め(ステップS108)、この求めた換算位相値Phをベクトル位相として出力し、本処理を終了する。
S相の値>T相の値>R相の値の大小関係(区間「3」)である場合、正規化振幅値P3=(T−R)/(S−R)を求め(ステップS109)、さらに換算位相値Ph=210+P3×60を求め(ステップS110)、この求めた換算位相値Phをベクトル位相として出力し、本処理を終了する。
T相の値>S相の値>R相の値の大小関係(区間「4」)である場合、正規化振幅値P4=(T−S)/(T−R)を求め(ステップS111)、さらに換算位相値Ph=270+P4×60を求め(ステップS112)、この求めた換算位相値Phをベクトル位相として出力し、本処理を終了する。
T相の値>R相の値>S相の値の大小関係(区間「5」)である場合、正規化振幅値P5=(R−S)/(T−S)を求め(ステップS113)、さらに換算位相値Ph=330+P5×60を求める(ステップS114)。さらに、この求めた換算位相値Phが360以上であるか否かを判断し(ステップS115)、換算位相値Phが360以上である場合には、この換算位相値Phから360を減算し(ステップS116)、この減算された換算位相値Phをベクトル位相として出力し、換算位相値Phが360未満である場合には、この換算位相値Phをそのままベクトル位相として出力し、本処理を終了する。
なお、図8に示すように、図7で示した処理手順によって求められた換算位相値Phの誤差を補正する補正処理を行い(ステップS201)、この補正処理された値をベクトル位相として出力するようにしてもよい。なお、この補正処理は、図6に示した補正部104と同様に補正テーブルを用いた補正処理を行う。これによって、簡易な構成で、一層精度の高い位相検出をリアルタイムで行うことができる。
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、上述した実施の形態1,2に示した位相検出装置または位相検出方法を用いて同期モータの制御装置を実現するものである。
まず、同期運転中の同期モータ、たとえば永久磁石型(PM)モータについて説明する。図9は、同期運転中のPMモータの回転座標系での誘起電圧、電流、電圧のベクトル図である。ここでLdはd軸リアクタンスであり、Lqはq軸リアクタンスであり、Φはモータの誘起電圧定数であり、Iは電流であり、Vは電圧である。また、φIは電流位相であり、φVは電圧位相であり、φpfは電流と電圧との位相差であり、力率を表す。また、発生トルクをTとする。
図9を参照すると、
φI=arctan(Iq/Id)
φV=arctan((Φ+LdId)/LqIq)
であるから、
φpf=φV−φI
=arctan((Φ+LdId)/LqIq)−arctan(Iq/Id) …(1)
の関係式が成立する。また、
V=ω((Φ+LdId)2+(LqIq)21/2 …(2)
である。トルクTは、一般的に知られているように、
T=ΦIq+(Ld−Lq)IdIq …(3)
が成立する。
式(1)〜(3)が、運転中に継続して同時に成立すれば、同期も継続する。運転中、トルクTは負荷により決まるが、短時間では一定である。また、角周波数ωも短時間では一定である。ここで、力率φpfを一定とすると、式(1)および式(3)によって、Id、Iqが一意的に決定され、電圧Vの大きさが一意的に決まる。従って、力率φpfに対して式(2)が成立するよう電圧Vが制御できれば、式(1)〜(3)が、運転中に成立することになり、運転の同期が継続する。
図9に示したベクトル図は、回転座標系であるが、力率φpfは、電圧と電流との相対位相差であるので、回転座標系の位相差である必要はなく、固定座標系で同様に検出することができる。また、電圧Vの大きさも、回転座標系と固定座標系とで不変であるので、固定座標系で検出することができる。
従って、固定座標系で検出した力率で、電圧の振幅を制御することによって運転の同期が可能になる。つまり、位置検出の必要は無く、センサレスでの同期運転が可能となる。
ここで、電圧振幅の位相差による同期モータの制御方法について説明する。図10は、電圧変化と、電流と電圧との位相差の変化との関係を単純化して示す説明図である。図10において、トルクTが一定の時は、Iqがほぼ一定と考え、電流Iのベクトルの終点は、d軸に平行に移動する。一方、電圧Vのベクトルの終点は、q軸に垂直に移動する。その方向は、電流Iのベクトルの終点が、図上、右から左に移動するに従って、電圧Vのベクトルの終点は、図上、上から下に移動する。この時、電圧Vの振幅は小さくなる。
一方、電圧Vのベクトルの位相変化と電流Iのベクトルの位相変化とを比べると電圧Vの位相の変化量より電流Iの位相の変化量が大きく、図10に示すように、位相差は、位相差φpfaから位相差φpfbに変化し、小さくなる。すなわち、電圧Vの振幅と位相差φpfとの関係は、電圧Vの振幅を大きくすると位相差φpfも大きくなり、電圧Vの振幅を小さくすると位相差φpfも小さくなる関係にある。したがって、この電圧Vの振幅と位相差φpfとの関係を用いて、位相差φpfに対する電圧Vの振幅を制御すれば、上述した式(1)〜(3)を満足させることができる。
この結果、位相差φpfを大きくする時は、電圧Vの振幅を大きくし、位相差φpfを小さくする時は、電圧Vの振幅を小さくすることで、式(1)〜(3)の成立を満足させ、同期モータの同期制御を行うことができる(第1の制御方法)。
ところで、急激に負荷が変化する場合や、速度制御を行っている場合、電圧Vの振幅制御のみでは、上述した式(1)〜(3)が成立するまでに時間を要し、不安定状態が発生することになる。したがって、式(1)〜(3)が成立するまでの間の位相差φpfを安定化させる必要があり、位相差φpfの変化をフィードバックし、位相差φpfの変化を妨げるように電圧位相を直接制御することが好ましい(第2の制御方法)。
また、式(1)〜(3)を成立させる電圧Vの振幅と位相差φpfとの関係は、トルク、角速度に依存する。このため、最適な調節ゲインは、トルク、角速度に応じて、調節器のゲインを変えることが好ましい(第3の制御方法)。
上述した第1〜第3の制御方法を用いることによって、起動時、負荷変動時、速度制御時に対する同期モータの同期制御をセンサレスで高精度に安定して行うことができる。
図11は、この発明の実施の形態3である同期モータの制御装置の構成を示すブロック図である。この同期モータの制御装置は、いわゆるインバータ装置であり、スイッチング素子202〜207がブリッジ回路を構成し、各スイッチング素子202〜207が駆動回路213によって駆動制御されることによって、直流電源201からの直流入力を3相交流信号に変換し、この3相交流信号を同期モータ211の交流電源として供給する。なお、同期モータ211は、負荷212を駆動する。
電圧検出器214は、ブリッジ回路から出力された3相交流信号の同期モータ211への入力端から3相の電圧振幅値を検出する。電圧位相演算器215は、この3相の電圧振幅値をもとに電圧のベクトル位相である電圧位相φVを演算する。一方、電流検出器208〜210は、同期モータ211の入力端に設けられ、3相の電流振幅値を検出する。電流位相演算器216は、電流検出器208〜210によって検出された3相の電流振幅値をもとに電流のベクトル位相である電流位相φIを演算する。ここで、電圧位相演算器215および電流位相演算器216は、それぞれ、上述した実施の形態1,2で示した位相検出装置あるいは位相検出方法を用いた装置によって実現している。なお、電圧位相演算器215および電流位相演算器216は、実施の形態1で示した回路で実現してもよいし、実施の形態2で示したソフトウェアで実現してもよい。いずれにしろ、電圧位相演算器215および電流位相演算器216は、それぞれ簡易な構成で精度の高い電圧位相φV、電流位相φIをリアルタイムで検出することができる。
また、図9および図10で示した電圧位相φVおよび電流位相φIが回転座標系での位相であるのに対し、電圧位相演算器215および電流位相演算器216がそれぞれ演算した電圧位相φVおよび電流位相φIは、位相差φpf演算用の位相であるので、回転座標上の位相である必要はなく、固定座標上での位相演算結果である。
力率演算器217は、電圧位相演算器215および電流位相演算器216からそれぞれ出力された電圧位相φVと電流位相φIとの間の位相差である力率φpfを演算し、減算器220に出力する。一方、目標力率設定器218は、設定されている力率の目標値を減算器220に出力する。減算器220は、力率演算器217から出力された力率φpfから力率の目標値を減算した力率偏差Δφを振幅・位相調節器224に出力する。
一方、目標周波数設定器219は、目標周波数ωを積分器225に出力し、積分器225は、目標周波数ωを積分して基準位相φe0に変換し、振幅・位相調節器224に出力する。
振幅・位相調節器は、第1〜第3の制御方法を適用し、位相誤差Δφが、広がった時、電圧Vの振幅を大きくする電圧振幅Vsを出力するような制御手段、例えば、可変ゲインのI調節器やPI調節器で振幅ゲインを変化させる等の振幅調節機能と、位相差Δφが大きくなった時、電圧Vの基準位相φe0を遅らせる位相量φeを出力する制御手段、例えば、可変ゲインのI調節器やPI調節器の出力で基準位相φe0を微調整する等の位相調節機能を有する。
正弦波発生器221は、振幅・位相調節器224から出力された電圧振幅Vsおよび位相量φeをもつ正弦波を発生し、比較器223の正端子に出力する。比較器223の負端子には、三角波発生器222からの三角波が入力され、比較器223は、この三角波によって変調されたPWM制御信号を駆動回路213に出力し、駆動回路213は、各スイッチング素子202〜207を駆動制御して3相交流信号を出力させる。
この実施の形態3では、振幅・位相調節器224の振幅調節機能によって、電圧Vは、式(1)〜(3)を満足するように調整されて同期運転がなされ、位相調節機能によって、位相を直接制御することによって、過渡の安定性が保持され、速度変動時、負荷変動時、起動時での運転が可能となる。なお、このような精度の高い同期運転が可能なのは、電圧位相演算器215および電流位相演算器216がリアルタイムで位相検出を行うことができるからである。しかも、同期モータの回転子の位置推定という複雑な処理を行う必要がなく、簡易な構成で精度の高い同期モータの同期運転制御を行うことができる。
また、本制御方法または本制御装置によれば、モータの制御にあたってモータ定数(巻線リアクタンス(Ld,Lq)、誘起電圧定数、巻線抵抗値、慣性モーメントなど)の依存性が少ないため、従来、使用するモータの種類ごとに必要であったモータ定数に対する制御の適合性検証(制御特性合わせ)のための時間を短縮でき、作業コストの削減、異種モータへの変更の容易化などのメリットが得られる。
なお、電圧位相演算器215は、電圧検出器214を設けて実際の3相電圧を検出しているが、この3相電圧は、ブリッジ回路からの出力で決定されるため、図12に示すように、正弦波発生器221の出力の位相をそのまま用いた構成としてもよい。この場合、電圧検出器214および電圧位相演算器215の構成が削除され、一層簡易な構成となる。
また、図13に示すように、図11に示した振幅・位相調節器224を、振幅調節器226と位相調節器227とに分離した構成としてもよい。この場合、振幅調節器226は、力率偏差Δφが小さくなるように調節した電圧振幅Vsを正弦波発生器221に出力し、位相調節器227は、力率偏差Δφが小さくなるように調節した位相調整量を加算器228に出力し、加算器228は、基準位相φe0に位相調整量を加算した位相量φeを正弦波発生器221に出力する。
さらに、図14に示すように、第1の制御方法を適用して、力率偏差Δφが小さくなるように電圧Vの振幅のみを調整するようにしてもよい。この場合、図13に示した位相調整器227および加算器228を設けないので、構成がさらに簡易になる。なお、積分器225からの基準位相φe0はそのまま正弦波発生器221に出力される。この図14に示した同期モータの制御装置では、速度変動や負荷変動が少ない同期モータの制御に好適である。
(実施の形態4)
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態4では、電力消費効率を高めることができる最適な力率での同期運転を可能としている。
同期モータの駆動状態は、力率、トルクによりほぼ一意的にきまるため、トルクに応じた電力消費効率が高い最適な力率との関係をテーブル化し、最適な力率に設定することによって、駆動目的に合った同期運転が可能となる。
図15は、トルクをパラメータとした場合における電力消費効率が高い最適な力率特性を示す図である。図15の上段には、トルクをパラメータとして電流Idの変化に対する力率の変化を示し、図15の下段には、トルクをパラメータとして電流Idの変化に対する電流の大きさの変化を示している。図15の上段から、トルクの大きさによって、取り得る力率φpfの範囲が限定されていることがわかる。たとえば、トルクが1Nmでは、力率φpfを50数度以下に設定しても運転可能であるが、トルクが10Nmになると、−30数度以下に設定しないと運転ができなくなることがわかる。すなわち、トルクの値に合わせて力率を設定することが必要となる。
また、図15の下段における電流の大きさは、抵抗ロスに相当することから、この電流の大きさが最も小さいところで抵抗ロスが最小となり、電力消費効率が最大となる。この電力消費効率が最大となる複数の点P1を、それぞれ図15の上段の対応するトルク線上の点P2としてプロットすると、効率最大線Lが求まる。すなわち、トルクに対して電力消費効率が最大となる力率の関係が求まる。
したがって、図16に示すように、図11に示した構成に目標力率変換部229を設け、この目標力率変換部229は、上述したトルクに対する電力消費効率が最大となる力率の関係が記憶されたテーブルを用いて、入力されたトルクに対して電力消費効率が最大となる力率を目標力率設定器218に出力するようにする。入力されるトルクは、電圧検出器214が検出するR相、S相、T相の電圧Vr、Vs、Vtをモニタするとともに、電流検出器208〜210が検出するR相、S相、T相の電流Ir、Is、Itをモニタしてトルク演算を行えばよい。
この実施の形態4では、各相の電圧および電流を検出し、この検出した値からトルクを算出し、この算出されたトルクに対して電力消費効率が最大となる力率の目標値が設定されるので、電力消費効率のよい同期運転を行うことができる。
なお、上述した実施の形態4では、トルクに対して電力消費効率が最大となる力率の目標値に設定するようにしていたが、トルクは、同期モータの角周波数ωに反比例することから、この角周波数ωを検出し、この検出した角周波数を加味したトルクに対して電力消費効率が最大となる力率の目標値を設定するようにしてもよい。
この発明の実施の形態1にかかる位相検出方法の概念を説明する説明図である(その1)。 この発明の実施の形態1にかかる位相検出方法の概念を説明する説明図である(その2)。 この発明の実施の形態1にかかる位相検出方法を用いて検出した位相と誤差との関係を示す図である(その1)。 この発明の実施の形態1にかかる位相検出方法を用いて検出した位相と誤差との関係を示す図である(その2)。 3相/2相変換を行って求めた実軸成分および虚軸成分を用いて逆正接変換を行うことによるベクトル位相の算出を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1にかかる位相検出装置の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態1にかかる位相検出装置の変形例の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態2にかかる位相検出方法の処理手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2の変形例にかかる位相検出方法の処理手順を示すフローチャートである。 回転座標系上の電圧と電流との関係を示す図である。 回転座標系上の電圧変動と電流変動と位相差変動との関係を示す図である。 この発明の実施の形態3にかかる同期モータの制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3にかかる同期モータの制御装置の第1変形例の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3にかかる同期モータの制御装置の第2変形例の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3にかかる同期モータの制御装置の第3変形例の構成を示すブロック図である。 トルクと電力消費効率が最大となる力率との関係を示す図である。 この発明の実施の形態4にかかる同期モータの制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 3相信号源
2〜4,50,223 比較器
5〜7 NOT素子
8〜13 AND素子
14〜16,220 減算器
17〜19 極性反転器
20〜31,39,40〜45,51 乗算器
32〜37,46〜49,52,228 加算器
38 除算器
100 区間判定回路
101 減算回路
102 正規化回路
103 換算位相出力回路
104 補正部
201 直流電源
202〜207 スイッチング素子
208〜210 電流検出器
211 同期モータ
212 負荷
213 駆動回路
214 電圧検出器
215 電圧位相演算器
216 電流位相演算器
217 力率演算器
218 目標力率設定器
219 目標周波数設定器
221 正弦波発生器
222 三角波発生器
224 振幅・位相演算器
225 積分器
226 振幅調節器
227 位相振幅器
229 目標力率変換部

Claims (26)

  1. 入力された複数相の信号振幅値をもとに、各相の信号振幅の大小関係が異なる連続した複数区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定ステップと、
    前記区間判定ステップで判定された区間ごとに前記各相間の信号振幅について所定の減算処理を行い、この減算処理結果を用いて該区間内で正規化した正規化振幅値を求める振幅正規化処理ステップと、
    前記振幅正規化処理ステップによって求められた正規化振幅値から前記区間判定ステップによって判定された区間に対応させて所定相を基準とする1周期のベクトル位相を換算して出力する換算位相出力ステップと、
    を含むことを特徴とする位相検出方法。
  2. 前記換算位相出力ステップは、前記区間に前記ベクトル位相の始点かつ終点を含む場合、終点以降のベクトル位相値を始点以降のベクトル位相値として換算することを特徴とする請求項1に記載の位相検出方法。
  3. 前記振幅正規化処理ステップは、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼ平坦な特性となる第一の減算処理結果の値によって、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼリニアな特性となる第二の減算処理結果の値を除算した値を正規化振幅値として出力することを特徴とする請求項1または2に記載の位相検出方法。
  4. 入力されたR相、S相、T相の3相信号の信号振幅値の大小関係が、R相の値>T相の値>S相の値、R相の値>S相の値>T相の値、S相の値>R相の値>T相の値、S相の値>T相の値>R相の値、T相の値>S相の値>R相の値、T相の値>R相の値>S相の値となる6つの連続する複数の第1〜第6区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定ステップと、
    前記第1区間を(R相の値−T相の値)/(R相の値−S相の値)、前記第2区間を(S相の値−T相の値)/(R相の値−T相の値)、前記第3区間を(S相の値−R相の値)/(S相の値−T相の値)、前記第4区間を(T相の値−R相の値)/(S相の値−R相の値)、前記第5区間を(T相の値−S相の値)/(T相の値−R相の値)、前記第6区間を(R相の値−S相の値)/(T相の値−S相の値)で演算処理し、各区間内で正規化した正規化振幅値を求める振幅正規化処理ステップと、
    前記第1〜第6区間の正規化振幅値にそれぞれ位相60°を乗算し、前記第1〜第6区間の乗算値にそれぞれ位相30°、90°、150°、210°、270°、330°を加算した位相値を算出し、さらに前記第6区間の位相値が360°以上の場合には、この位相値から位相360°を減算した位相値を求めて、1周期のベクトル位相を換算出力する換算位相出力ステップと、
    を含むことを特徴とする位相検出方法。
  5. 前記換算位相出力ステップが出力したベクトル位相と、該ベクトル位相と真のベクトル位相との位相誤差の関係を記憶しておき、この関係をもとに、前記ベクトル位相に位相誤差分を加減算して該ベクトル位相を補正する補正ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の位相検出方法。
  6. 入力された複数相の信号振幅値をもとに、各相の信号振幅の大小関係が異なる連続した複数区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定回路と、
    前記区間判定回路で判定された区間ごとに前記各相間の信号振幅について所定の減算処理を行い、この減算処理結果を用いて該区間内で正規化した正規化振幅値を求める振幅正規化処理回路と、
    前記振幅正規化処理回路によって求められた正規化振幅値から前記区間判定回路によって判定された区間に対応させて所定相を基準とする1周期のベクトル位相を換算して出力する換算位相出力回路と、
    を備えたことを特徴とする位相検出装置。
  7. 前記換算位相出力回路は、前記区間に前記ベクトル位相の始点かつ終点を含む場合、終点以降のベクトル位相値を始点以降のベクトル位相値として換算することを特徴とする請求項6に記載の位相検出装置。
  8. 前記振幅正規化処理回路は、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼ平坦な特性となる第一の減算処理結果の値によって、前記区間内の各相の信号振幅間の減算処理結果がほぼリニアな特性となる第二の減算処理結果の値を除算した値を正規化振幅値として出力することを特徴とする請求項6または7に記載の位相検出装置。
  9. 入力されたR相、S相、T相の3相信号の信号振幅値の大小関係が、R相の値>T相の値>S相の値、R相の値>S相の値>T相の値、S相の値>R相の値>T相の値、S相の値>T相の値>R相の値、T相の値>S相の値>R相の値、T相の値>R相の値>S相の値となる6つの連続する複数の第1〜第6区間のうちのいずれの区間であるかを判定する区間判定回路と、
    前記第1区間を(R相の値−T相の値)/(R相の値−S相の値)、前記第2区間を(S相の値−T相の値)/(R相の値−T相の値)、前記第3区間を(S相の値−R相の値)/(S相の値−T相の値)、前記第4区間を(T相の値−R相の値)/(S相の値−R相の値)、前記第5区間を(T相の値−S相の値)/(T相の値−R相の値)、前記第6区間を(R相の値−S相の値)/(T相の値−S相の値)で演算処理した正規化振幅値を求める振幅正規化処理回路と、
    前記第1〜第6区間の正規化振幅値にそれぞれ位相60°を乗算し、前記第1〜第6区間の乗算値にそれぞれ位相30°、90°、150°、210°、270°、330°を加算した位相値を算出し、さらに前記第6区間の位相値が360°以上の場合には、この位相値から位相360°を減算した位相値を求めて、1周期のベクトル位相を換算出力する換算位相出力回路と、
    を備えたことを特徴とする位相検出装置。
  10. 前記換算位相出力回路が出力したベクトル位相と、該ベクトル位相と真のベクトル位相との位相誤差の関係を記憶しておき、この関係をもとに、前記ベクトル位相に位相誤差分を加減算して該ベクトル位相を補正する補正回路を備えたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の位相検出装置。
  11. 同期モータに印加される電圧のベクトル位相および電流のベクトル位相を請求項1〜5のいずれか一つに記載の位相検出方法によって求め、電圧のベクトル位相と電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算する力率演算ステップを含み、この求められた力率をもとに前記同期モータを制御することを特徴とする同期モータの制御方法。
  12. 前記力率の目標値を設け、前記力率演算ステップで演算された力率を前記目標値に近づけるフィードバック制御を行うフィードバック制御ステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の同期モータの制御方法。
  13. 前記フィードバック制御ステップは、前記同期モータに印加される電圧振幅値の振幅調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の同期モータの制御方法。
  14. 前記フィードバック制御ステップは、前記力率演算ステップで演算された力率と前記目標値との誤差を小さくする位相調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする請求項12または13に記載の同期モータの制御方法。
  15. 前記フィードバック制御ステップは、各相の電圧値および各相の電流値をもとに求めた前記同期モータのトルクに応じて前記振幅調節および/または前記位相調節の利得を変化させることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の同期モータの制御方法。
  16. 前記フィードバック制御ステップは、各相の電圧値および各相の電流値をもとに求められたトルクと該トルク時における電力消費効率が高い力率との関係をもとに、各相の電圧値および各相の電流値に対応する力率の目標値を出力する目標力率変換ステップを含み、該目標値を用いて前記力率演算ステップで演算された力率を前記目標値に近づけるフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項11〜15のいずれか一つに記載の同期モータの制御方法。
  17. 目標力率変換ステップは、各相の電圧値および各相の電流値をフィードバックしてトルクに対する電力消費効率が高い力率の目標値を出力することを特徴とする請求項16に記載の同期モータの制御方法。
  18. 前記力率演算ステップは、前記同期モータに印加される前記電圧のベクトル位相を、前記同期モータに印加される駆動制御信号をもとに検出することを特徴とする請求項11〜17のいずれか一つに記載の同期モータの制御方法。
  19. 請求項6〜10のいずれか一つに記載の位相検出装置によって同期モータに印加される電圧のベクトル位相を求める電圧位相検出手段と、
    請求項6〜10のいずれか一つに記載の位相検出装置によって前記同期モータに加えられる電流のベクトル位相を求める電流位相検出手段と、
    前記電圧位相検出手段によって検出された電圧のベクトル位相と前記電流位相検出手段によって検出された電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算する力率演算手段と、
    前記力率演算手段によって求められた力率をもとに前記同期モータを同期制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  20. 請求項6〜10のいずれか一つに記載の位相検出装置によって前記同期モータに加えられる電流のベクトル位相を求める電流位相検出手段と、
    電圧のベクトル位相と前記電流位相検出手段によって検出された電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算する力率演算手段と、
    前記力率演算手段によって求められた力率をもとに前記同期モータを同期制御する制御手段と、
    を備え、前記力率演算手段に入力される電圧のベクトル位相は、前記制御手段によって制御され、前記同期モータに印加される交流信号を生成する電圧駆動信号の位相であることを特徴とする同期モータの制御装置。
  21. 前記力率の目標値を設定する目標力率設定手段を備え、
    前記制御手段は、前記力率演算手段によって求められた力率を前記目標力率設定手段によって設定された目標値に近づけるフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項19または20に記載の同期モータの制御装置。
  22. 前記制御手段は、前記同期モータに印加される電圧振幅値の振幅調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする請求項21に記載の同期モータの制御装置。
  23. 前記制御手段は、前記力率演算手段で演算された力率と前記目標値との誤差を小さくする位相調節を行って前記力率を前記目標値に近づける制御を行うことを特徴とする請求項21または22に記載の同期モータの制御装置。
  24. 前記制御手段は、各相の電圧値および各相の電流値をもとに求めた前記同期モータのトルクに応じて前記振幅調節および/または前記位相調節の利得を変化させることを特徴とする請求項21〜23のいずれか一つに記載の同期モータの制御装置。
  25. 各相の電圧値および各相の電流値をもとに求められたトルクと該トルク時に電力消費効率が高い力率との関係をもとに、各相の電圧値および各相の電流値に対応する力率の目標値を出力する目標力率変換手段を備え、
    前記目標力率設定手段は、前記目標力率変換手段から出力された力率に設定することを特徴とする請求項19〜24のいずれか一つに記載の同期モータの制御装置。
  26. 前記目標力率変換手段は、各相の電圧値および各相の電流値をフィードバックして前記力率の目標値を出力することを特徴とする請求項25に記載の同期モータの制御装置。
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